説明

メジャー

【課題】携帯性および収納性に優れ、収納状態を安定して保持できるメジャーを提供する。
【解決手段】本発明のメジャー1は、目盛りが付された長尺なメジャー本体2と、メジャー本体2の一端側に設けられた板状部材3とを備える。板状部材3の両側部には、メジャー本体2の延在方向に対して略直角な方向に立ち上がる側壁部3c,3cが設けられる。メジャー本体2の他端側には保持板4が設けられ、メジャー本体2の全体を板状部材3の周囲に巻回した状態で保持板4が側壁部3c,3c同士の間に位置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に魚の大きさを計測するのに適したメジャーに関する。
【背景技術】
【0002】
魚の大きさを計測するための専用のメジャーは従来から知られている。例えば特許文献1に開示されるメジャーは、目盛りが付されたテープ状の長尺なメジャー本体と、メジャー本体の一端部に設けられる位置決め部材とを備えており、起立させた前記位置決め部材に魚の頭部先端を当てつけて位置決めした状態でメジャー本体の目盛りから魚の大きさ(体長)を計測できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3128188号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記メジャーは、超尺であるため、その携帯性および収納性が問題になる。通常は、メジャーを折り畳んだり或いは巻回してケース等に収納したり持ち歩いたりするが、その場合、メジャーがその幅方向にずれたりするなど、メジャーの折り畳み状態または巻回状態を良好に保持できないといった問題が生じることが多々ある。
【0005】
本発明は、前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、携帯性および収納性に優れ、収納状態を安定して保持できるメジャーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載のメジャーは、目盛りが付された長尺なメジャー本体と、前記メジャー本体の一端側に設けられた板状部材とを備え、前記板状部材の両側部には、該板状部材の主面に対して略直角に立ち上がる側壁部が設けられることを特徴とする。
【0007】
この請求項1に記載のメジャーによれば、板状部材の主面に対して略直角に立ち上がる側壁部が板状部材の両側部に設けられているため、メジャー本体の全体を前記板状部材の周囲に巻回した巻き付け収納状態では、巻回されたメジャー本体が前記側壁部によって両側から保持され、巻回収納状態のメジャー本体がその幅方向(メジャー本体の長手方向に対して垂直な方向)にずれることが防止されるとともに、メジャー本体の側縁部が側壁部によって保護される(側縁部の損傷が防止される)。つまり、上記構成によれば、板状部材およびその側壁部によってメジャー本体を巻回状態でコンパクトに収納できるとともに、その巻回状態(収納状態)を側壁部によって安定して保持することができ、携帯性および収納性に優れる。
なお、上記構成において、板状部材の「主面」とは、メジャー本体が巻き付けられる板状部材の面(巻回されるメジャーを受ける面)のことであり、板状部材の周囲にメジャー本体を巻き付け始める際にメジャー本体の延在方向(メジャー本体の長手方向を含む)に沿う板状部材の面のことである。
【0008】
また、請求項2に記載のメジャーは、請求項1に記載のメジャーにおいて、前記メジャー本体の他端側に保持板が設けられ、前記メジャー本体の全体を前記板状部材の周囲に巻回した状態で前記保持板が前記側壁部同士の間に位置されるようになっていることを特徴とする。
【0009】
この請求項2に記載のメジャーによれば、請求項1に記載のメジャーと同様の作用効果が得られるとともに、前記メジャー本体の全体を前記板状部材の周囲に巻回した状態で、前記保持板が、前記側壁部同士の間でその幅方向の動きが規制されつつ、その下側に位置するメジャー本体を押圧保持するため、メジャー本体をその幅方向にずらすことなく安定して保持することができる。
【0010】
また、請求項3に記載のメジャーは、請求項2に記載のメジャーにおいて、前記メジャー本体の全体を前記板状部材の周囲に巻回した状態で前記側壁部同士の間に位置される前記保持板が前記側壁部の立ち上がり端部から突出しないことを特徴とする。
【0011】
この請求項3に記載のメジャーによれば、請求項2に記載のメジャーと同様の作用効果が得られるとともに、メジャー本体の全体を前記板状部材の周囲に巻回した状態で前記側壁部同士の間に位置される前記保持板が前記側壁部の立ち上がり端部から突出しないため、巻回収納状態のメジャーをケース等に収納して移動する際に、メジャーが他のものに引っ掛かることが防止される。これに対し、保持板が側壁部の立ち上がり端部から突出していると、その突出部が他のものに引っ掛かる虞がある。
【0012】
また、請求項4に記載のメジャーは、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のメジャーにおいて、前記各側壁部が、前記板状部材の前記主面に対して互いに相反する両方向で略直角に立ち上がっていることを特徴とする。
【0013】
この請求項4に記載のメジャーによれば、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のメジャーと同様の作用効果が得られるとともに、前記各側壁部が前記板状部材の前記主面に対して互いに相反する両方向で略直角に立ち上がっているため、巻回されたメジャー本体の全体を側壁部によって両側から保持することができ、したがって、巻回収納状態のメジャー本体がその幅方向にずれることを確実に防止できるとともに、メジャー本体の側縁部全体を側壁部によって保護することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、携帯性および収納性に優れ、収納状態を安定して保持できるメジャーを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るメジャーの展開状態の平面図である。
【図2】図1のメジャーの一端側の要部斜視図である。
【図3】図1のメジャーの一端側の要部の分解斜視図である。
【図4】保持部材を除くメジャー本体全体を板状部材の周囲に巻回した非固定状態の斜視図である。
【図5】保持部材と共にメジャー本体全体を板状部材の周囲に巻回した固定状態(巻回収納状態)の斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るメジャーの巻回収納状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明に係るメジャーの実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るメジャー1の展開状態の平面図である。図示のように、メジャー1は、長尺なメジャー本体2と、メジャー本体2の一端側に設けられた板状部材3と、メジャー本体2の他端側に設けられた保持板4とを備える。
【0017】
保持板4は、メジャー本体2の他端側をその幅方向にわたって覆う金属板(SUS等)から成り、その幅方向の略中間位置に設けられた貫通穴4aに巻回固定手段としてのベルクロテープ(登録商標)から成る固定ストリップ5が挿通して取り付けられている。
【0018】
メジャー本体2は、アクリル、PE、PVC等の合成樹脂製のテープ状部材から成る。メジャー本体2の表面には、その一側縁に沿って例えば1mm単位で目盛8が付されている。また、メジャー本体2は、目盛り8が付された一側縁以外の領域に、10cm毎に色分けされた目盛り区間表示10A,10B・・・を長手方向全体にわたって有している。具体的には、これらの目盛り区間表示は、10cm台(10cm以上20cm未満)の目盛り区間にわたって延びる例えば赤色の区間帯(10cm台を示す数字“1”が記された)10A、20cm台(20cm以上30cm未満)の目盛り区間にわたって延びる例えば白色の区間帯(20cm台を示す数字“2”が記された)10B、30cm台(30cm以上40cm未満)の目盛り区間にわたって延びる例えば赤色の区間帯(30cm台を示す数字“3”が記された)10A、40cm台(40cm以上50cm未満)の目盛り区間にわたって延びる例えば白色の区間帯(40cm台を示す数字“4”が記された)10B・・・といったように、2色の区間帯がメジャー本体2の長手方向に沿って交互に配置されて成る。
【0019】
また、板状部材3は、例えば金属製(SUS等)のものであり、図2および図3に明確に示されるように、メジャー本体2の一端側にハトメでカシメ固定された例えば金属製(SUS等)の支持部材14に対して回動可能に取り付けられている。具体的には、支持部材14は、金属板を略U字状に折り返して成り、その折り返された板部同士の間に形成される隙間14aにメジャー本体の一端を挿入して挟持させた状態で、支持部材14に設けられた取り付け穴19とそれに対応してメジャー本体2に設けられた取り付け穴22とにカシメ部材21を挿通してかしめることによりメジャー本体2の一端側に取り付け固定される。
【0020】
また、支持部材14の折り返し部は略管状のヒンジ部13として形成されており、ヒンジ部13にその管孔に連通して形成された例えば一対の回動溝13a,13a内に板状部材3の孔付きブラケット11,11を挿入した状態でヒンジ部13の管孔に枢支ピン15を挿通することにより、板状部材3が支持部材14に対して回動可能に取り付けられる。この回動可能な取り付けにより、板状部材3は、その主面(後述するようにメジャー本体2が巻き付けられる板状部材の面)3aがメジャー本体2の延在方向に沿う図1に示される倒伏位置(回動角が0度)と、図2に示される起立位置との間で回動できる。なお、板状部材3は、その起立状態で、魚の頭部先端を当てつけて位置決めするための位置決め機能を果たすことができる。
【0021】
また、板状部材3は、支持部材14に対するその回動範囲を90度以内に規制するための規制部3bを有する。この規制部3bは、板状部材3の主面3aと反対側の面で板状部材3の回動端縁から主面3aに対して略垂直に延出しており、板状部材3が支持部材14に対して90度回動した起立状態でヒンジ部13およびその近傍の支持部材14部位に当接することにより板状部材3のそれ以上の回動を規制する。
【0022】
また、板状部材3の両側部には、板状部材3の主面3a側で該主面3aに対して略直角に立ち上がる側壁部3c,3cが設けられている。このような側壁部3cは、図4および図5に示されるようにメジャー本体2の全体を板状部材3(の主面3a)の周囲に巻回する際に、巻回されたメジャー本体2を両側から保持することができる。
【0023】
また、本実施形態では、図5に示されるように、メジャー本体2の全体を板状部材3の周囲に巻回した状態で保持板4が側壁部3c,3c同士の間に位置されるようになっている。更に、本実施形態では、メジャー本体2の全体を板状部材3の周囲に巻回した状態で側壁部3c,3c同士の間に位置される保持板4が側壁部3c,3cの立ち上がり端部39から突出しないようになっている。すなわち、そのような形態となるように側壁部3cの高さや保持板4の厚さ等が設定されている。
【0024】
以上説明した構成のメジャー1においては、その使用時、メジャー本体2を図1に示されるように展開させるとともに、図2に示されるように板状部材3を起立させ、起立させた板状部材3に魚の頭部先端を当てつけて位置決めした状態でメジャー本体2の目盛り8から魚の大きさ(体長)を計測する。一方、メジャー1を使用しないときには、必要に応じて、メジャー本体2の全体を板状部材3(の主面3a)の周囲に巻回した巻き付け収納状態とする(図5参照)。このとき、固定ストリップ5によってその巻回状態を保持する。
【0025】
以上説明したように、本実施形態のメジャー1によれば、板状部材3の主面3aに対して略直角に立ち上がる側壁部3c,3cが板状部材3の両側部に設けられているため、メジャー本体2の全体を板状部材3の周囲に巻回した巻き付け収納状態では、巻回されたメジャー本体2が側壁部3c,3cによって両側から保持され、したがって、巻回収納状態のメジャー本体2がその幅方向(メジャー本体2の長手方向に対して垂直な方向)にずれることが防止されるとともに、メジャー本体2の側縁部が側壁部3c,3cによって保護される(側縁部の損傷が防止される)。つまり、上記構成によれば、板状部材3およびその側壁部3c,3cによってメジャー本体2を巻回状態でコンパクトに収納できるとともに、その巻回状態(収納状態)を側壁部3c,3cによって安定して保持することができ、携帯性および収納性に優れる。
【0026】
また、本実施形態のメジャー1によれば、メジャー本体2の全体を板状部材3の周囲に巻回した状態で、保持板4が、側壁部3c,3c同士の間でその幅方向の動きが規制されつつ、その下側に位置するメジャー本体2を押圧保持するため、メジャー本体2をその幅方向にずらすことなく安定して保持することができる。
【0027】
また、本実施形態のメジャー1によれば、メジャー本体2の全体を板状部材3の周囲に巻回した状態で側壁部3c,3c同士の間に位置される保持板4が側壁部3c,3cの立ち上がり端部39から突出しないため、巻回収納状態のメジャー1を衣服のポケットやケース等に収納して移動する際に、メジャー1が他のものに引っ掛かることが防止される。これに対し、保持板4が側壁部3c,3cの立ち上がり端部39から突出していると、その突出部が他のものに引っ掛かってメジャー1を取り出し難く、また、ポケットからメジャー1を取り出すときに他のものを引きずり出してそれを落下させてしまう虞がある。
【0028】
図6は本発明の第2の実施形態を示している。図示のように、本実施形態では、第1の実施形態に係る側壁部3c,3cが板状部材3の両面に設けられた形態を成す幅広の側壁部3c’,3c’が板状部材3の両側部に設けられている(主面3aの反対側にも側壁部がある)。すなわち、本実施形態においては、第1の実施形態の各側壁部3c,3cが板状部材3の主面3aに対して互いに相反する両方向で略直角に立ち上がっている。なお、それ以外の構成は第1の実施形態と同じである。
【0029】
このような構成によれば、側壁部が板状部材3の両面に設けられているため、巻回されたメジャー本体2の全体を側壁部3c’,3c’によって両側から保持することができ、したがって、巻回収納状態のメジャー本体2がその幅方向にずれることを確実に防止できるとともに、メジャー本体2の側縁部全体を側壁部3c’,3c’によって保護することができる。
【符号の説明】
【0030】
1 メジャー
2 メジャー本体
3 板状部材
3c,3c’ 側壁部
3d 主面
4 保持板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目盛りが付された長尺なメジャー本体と、
前記メジャー本体の一端側に設けられた板状部材と、
を備え、
前記板状部材の両側部には、該板状部材の主面に対して略直角に立ち上がる側壁部が設けられることを特徴とするメジャー。
【請求項2】
前記メジャー本体の他端側に保持板が設けられ、前記メジャー本体の全体を前記板状部材の周囲に巻回した状態で前記保持板が前記側壁部同士の間に位置されるようになっていることを特徴とする請求項1に記載のメジャー。
【請求項3】
前記メジャー本体の全体を前記板状部材の周囲に巻回した状態で前記側壁部同士の間に位置される前記保持板が前記側壁部の立ち上がり端部から突出しないことを特徴とする請求項2に記載のメジャー。
【請求項4】
前記各側壁部は、前記板状部材の前記主面に対して互いに相反する両方向で略直角に立ち上がっていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のメジャー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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