説明

メソポーラス粒子

金属酸化物粒子を合成するための方法は、プレゾル溶液を調整する過程と、プレゾル溶液を超臨界流体条件下で加水分解しかつ縮合して、規則的な孔構造を有する巨視的メソポーラス粒子を形成する過程とを含む。プレゾル溶液は、CTAB及びP123のような界面活性剤の混合物を含むことができる。超臨界流体はscCOとすることができる。メソポーラス粒子は、2〜15nmの範囲のメソ孔直径及び1〜5μmの巨視的直径を有する球体とすることができる。この粒子はクロマトグラフィ及び他の用途に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロマトグラフィ、吸収剤及び分離工業において有用なメソポーラス粒子の合成に関する。
【背景技術】
【0002】
クロマトグラフィは、化学、製薬、医療及び生物工業において合成及び天然化合物の濃縮及び分離に重要な役割を果たしている〔1〕。高速液体クロマトグラフィ(HPLC)は、多成分混合物を分離しかつ分析するために現在最も広く使用されている技術である。固定相のクロマトグラフィ特性は、材料のサイズ、形状、表面及び有孔性などの特性によって影響される。シリカ系の固定相は、その高圧及びpHの変化に対する安定性のため、非常に評判がよい。一般に、直径3〜7μmのマイクロメータサイズの多孔性シリカ球体は、多くの場合に、その中位の表面積(200〜400m−1)と良好なパッキング効率とによってクロマトグラフィ固定相として使用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、現在市販されているシリカ粒子をクロマトグラフィ固定相として用いることには、多くの制限がある。特に、ミリングは必要なサイズのシリカ粒子を得るのに広く使用されている技術であるが、不規則な形状の粒子を製造する結果となる場合が多い。不規則な形状の粒子で調製したクロマトグラフィカラムは、分離の際にパッキングにおける粒子の再配置のために、不十分なカラム寿命を示す場合が多く、最終的に分離効率が悪くなる。また、ミリング技術を用いた粒径の制御に関する制限がある。5μm以下の粒径を製造することは特に非能率的で高価である。内部細孔の配向はランダムであり、各粒子内での直径の分布が大きく、中位の表面積にしかならない。このような材料は、ほとんど同一の溶質を、例えばナフタリンからビフェニルを分離するのにあまり効果がない。
【0004】
メソポーラスシリカ粒子が、サイズ排除クロマトグラフィ〔2〕、HPLC〔3〕、キャピラリガスクロマトグラフィ〔4〕及びキラールHPLC〔5〕の固定相として提案されている。しかしながら、高度に規則化したメソポーラスシリカ粒子は、孔径を制御可能かつ再現可能な状態で調製することが困難である。更に、低い水熱安定性及び巨視的粒径及び粒子の形状を指示管理することに関する問題は、これら材料の調製を不確かなものにする場合が多い。
【0005】
先端のクロマトグラフィ、吸収剤及び分離の用途には、高品質のメソポーラス粒子を調製することが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、金属酸化物粒子を合成するための方法であって、
i.プレゾル溶液を調製する過程と、
ii.前記プレゾル溶液を超臨界流体条件下で加水分解しかつ縮合して、規則的孔構造を有する巨視的メソポーラス粒子を形成する過程とからなる方法が提供される。
【0007】
本発明のある実施例では、前記プレゾル溶液が界面活性剤の混合物を含む。
前記界面活性剤の混合物は、カチオン界面活性剤のようなイオン性界面活性剤を含むことができる。
ある実施例では、前記プレゾル溶液がセチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)を含む。
ある実施例では、前記界面活性剤が、ジブロック(A−B)又はトリブロック共重合体(A−B−A又はA−B−C)を含む。前記ジブロック(A−B)又はトリブロック共重合体(A−B−A又はA−B−C)は、ポリエチレン酸化物(PEO)、ポリプロピレン酸化物(PPO)及びポリブチレン酸化物(PBO)セグメントを有する共重合体とすることができる。
ある実施例では、前記プレゾル溶液がP123(PEO20PPO69PBO20)を含む。
【0008】
前記超臨界流体(SCF)は、二酸化炭素、キセノン、アンモニア、及び、化学式C2x+1、式中xは1乃至6の整数、を有するプロパン及びブタンのようなアルカンのいずれか1つ又は複数から選択することができる。
ある実施例では、前記SCFが超臨界二酸化炭素である。
ある場合には、前記巨視的メソポーラス粒子が、超臨界流体条件を与える圧力下で調製される。前記圧力は10〜1000バールとすることができる。好ましくは、前記圧力が150バール超である。
ある場合には、前記粒子が10〜600バールの圧力で調製される。
【0009】
ある実施例では、前記方法が、前記メソポーラス粒子を洗浄し、濾過し、かつ乾燥する過程を含む。
【0010】
前記界面活性剤は、仮焼によってメソポーラス粒子から除去することができる。メソポーラス粒子は、空気及び/又は空気−オゾン混合物中で200〜600℃の温度で仮焼することができる。前記メソポーラス粒子は、空気及び/又は空気−オゾン混合物中で1〜24時間仮焼することができる。
【0011】
代替的に又は付加的に、前記界面活性剤が、アルコール形溶媒存在下でマイクロ波照射により前記メソポーラス粒子から除去される。前記アルコール形の溶媒は、エタノール、メタノール、1−プロパノール、及び2−プロパノールのいずれか1つ又は複数から選択することができる。
【0012】
ある実施例では、前記プレゾル溶液が、溶媒、界面活性剤混合物、酸加水分解触媒、水及び超臨界流体の存在下で金属酸化物プリカーサの加水分解により調製される。
【0013】
前記界面活性剤混合物は、前記プレゾル溶液の20重量%未満の濃度で存在することができる。ある場合には、前記界面活性剤混合物が前記プレゾル溶液の10重量%未満の濃度で存在する。
【0014】
ある実施例では、前記金属酸化物プリカーサが、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラプロポキシシラン(TPOS)、テトラブトキシシラン(TBOS)、テトラアセトキシシラン、テトラクロロシラン、及びそれらの有機誘導体のいずれか1つ又は複数から選択される。前記有機誘導体は、化学式RSiX(4−n)を有し、式中Rは有機ラジカルであり、Xはハロゲン化物、アセトキシ、アルコキシ、テトラメチルシラン、及びテトラエチルシランのいずれか1つ又は複数から選択される加水分解可能な基であり、かつnは1乃至4の整数とすることができる。
【0015】
前記溶媒はアルコール形の溶媒とすることができる。アルコール形の溶媒は、エタノール、メタノール、1−プロパノール、2−プロパノール及び1−ブタノールのいずれか1つ又は複数から選択することができる。
【0016】
ある実施例では、前記酸触媒が鉱酸又は有機酸である。前記酸触媒は、塩酸(HCl)、硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、及びクエン酸のいずれか1つ又は複数から選択することができる。前記酸触媒は0.001M乃至1Mの濃度範囲で存在することができる。
【0017】
ある実施例では、前記プレゾル溶液が−5〜80℃の温度で調製される。前記プレゾル溶液は、0〜60℃の温度に加熱することができる。前記プレゾル溶液は、少なくとも1分から最大48時間まで放置した状態に置くことができる。ある場合には、前記プレゾル溶液が少なくとも1分から最大24時間まで放置した状態に置く。
【0018】
前記界面活性剤の割合は変化させることができる。例えば、界面活性剤がP123及びCTABの場合には、P123:CTABの割合を、一般的に0.007:0.001〜0.007:0.10の範囲で、好ましくは0.007:0.005〜0.007:0.06の範囲で変化させることができる。これらの割合は、P123及びCTABに関して1.0の割合を有するTEOSに基づくものである。
【0019】
ある実施例では、前記方法が、前記プレゾル溶液にドーパント化合物を添加する過程を有する。前記ドーパント化合物はアルミニウム又はほう素から構成することができる。前記ドーパント化合物は、硝酸アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド、及びほう酸トリエチルのいずれか1つ又は複数から選択することができる。
【0020】
また、本発明によれば、本発明の方法により合成したメソポーラス粒子が提供される。
ある実施例では、前記メソポーラス粒子が2〜30nmのメソ孔直径を有する。
前記メソポーラス粒子は、2〜15nmのメソ孔直径を有することができる。
ある場合には、前記メソポーラス粒子が5〜15nmのメソ孔直径を有する。
前記粒子のメソ孔直径は5nm超にすることができる。
【0021】
前記メソ孔粒子の孔容積は0.3〜1cm−1とすることができる。
前記メソポーラス粒子の表面積は300〜1000m−1とすることができる。
前記メソポーラス粒子の形状は球体、ロッド状、ディスク状又はロープ状にすることができる。
ある実施例では、前記メソポーラス粒子の巨視的直径が1〜10μmである。
前記メソポーラス粒子の巨視的直径は1〜5μmとすることができる。
【0022】
ある実施例では、前記メソポーラス粒子の形状が球体である。
ある場合には、前記メソポーラス粒子が単一の方向に規則化されている。
前記メソポーラス粒子は、5nm超のメソ孔直径と、0.3〜1cm−1の孔容積と、300〜1000m−1の表面積と、1〜10μmの巨視的直径を有することができる。
【0023】
また、本発明によれば、請求項1乃至48のいずれかに記載の方法により調製される球体、ロッド状、ディスク状又はロープ状の形態をなすメソポーラスシリカ粒子が提供される。
メソポーラス粒子が、5nm超のメソ孔直径と、0.3〜1cm−1の孔容積と、300〜1000m−1の表面積と、1〜10μmの巨視的直径とを有する。
また、本発明によれば、5nm超のメソ孔直径と、0.3〜1cm−1の孔容積と、300〜1000m−1の表面積と、1〜5μmの巨視的直径とを有するメソポーラス粒子が提供される。
【0024】
また、本発明によれば、クロマトグラフィ固定相における本発明の巨視的メソポーラス粒子の使用が提供される。
【0025】
更に、本発明によれば、プレゾル溶液を調製し、かつ前記プレゾル溶液を超臨界流体条件下で加水分解しかつ縮合することにより調製した規則的孔構造を有する金属酸化物巨視的メソポーラス粒子からなるクロマトグラフィ固定相が提供される。前記巨視的メソポーラス粒子は、5nm超のメソ孔直径と、0.3〜1cm−1の孔容積と、300〜1000m−1の表面積と、1〜10μmの巨視的直径を有することができる。
【0026】
本発明によれば、また、規則化孔構造を有する金属酸化物巨視的メソポーラス粒子を合成する方法であって、プレゾル溶液を調製する過程と、前記プレゾル溶液を超臨界流体条件下で加水分解しかつ縮合する過程とからなる方法が提供される。
【0027】
本発明のある実施例では、前記プレゾル溶液が、溶媒、構造指向剤、酸加水分解触媒、水及び超臨界流体の存在下で金属酸化物プリカーサの加水分解により調製される。
【0028】
本発明のある実施例では、前記構造指向剤が界面活性剤からなる。好ましくは、前記構造指向剤が少なくとも2つの界面活性剤からなる。
【0029】
本発明のある実施例では、前記界面活性剤が、プレゾル溶液の20重量%未満の濃度で存在する。好ましくは、前記界面活性剤は、プレゾル溶液の10重量%未満の濃度で存在する。
【0030】
本発明のある実施例では、前記界面活性剤は、ジブロック(A−B)又はトリブロック共重合体(A−B−A又はA−B−C)、ポリアルキルエーテル、陰イオン界面活性剤、及びカチオン界面活性剤のいずれか1つ又は複数から選択される。前記ジブロック(A−B)又はトリブロック共重合体(A−B−A又はA−B−C)は、ポリエチレン酸化物(PEO)、ポリプロピレン酸化物(PPO)及びポリブチレン酸化物(PBO)セグメントを有する共重合体とすることができる。好ましくは、前記界面活性剤は、P123(PEO20PPO69PEO20)である。
【0031】
本発明のある実施例では、前記ポリアルキルエーテルが、化学式C2x+1-(CH-CHO)H、ここでxは12〜18の整数、yは2〜24の整数、のエーテルからなる。好ましくは、前記ポリアルキルエーテルが、Brij30のようなBrij界面活性剤である。
【0032】
本発明のある実施例では、前記陰イオン界面活性剤がビス(2−エチルヘキシル)スルホこはく酸ナトリウムである。
本発明の別の実施例では、前記カチオン界面活性剤がセチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)である。
【0033】
本発明のある実施例では、前記金属酸化物プリカーサが、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラプロポキシシラン(TPOS)、テトラブトキシシラン(TBOS)、テトラアセトキシシラン、テトラクロロシラン、及びそれらの有機誘導体のいずれか1つ又は複数から選択される。好ましくは、前記有機誘導体が化学式RSiX(4−n)を有し、式中Rは有機ラジカルであり、Xはハロゲン化物、アセトキシ、アルコキシ、テトラメチルシラン、及びテトラエチルシランのいずれか1つ又は複数から選択される加水分解可能な基であり、かつnは1乃至4の整数である。
【0034】
本発明のある実施例では、前記溶媒が、エタノール、メタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、及び1−ブタノールのいずれか1つ又は複数から選択されるアルコール形の溶媒である。
【0035】
前記酸触媒は、塩酸(HCl)、硝酸、硫酸、リン酸、フッ酸、酢酸、及びクエン酸のいずれか1つ又は複数から選択される鉱酸又は有機酸である。
本発明のある実施例では、前記酸触媒が、0.001M乃至1Mの濃度範囲で存在する。
本発明のある実施例では、前記プレゾル溶液が−5〜80℃の温度で調製される。
本発明の別の実施例では、前記プレゾル溶液が−5〜80℃の温度に最大2時間加熱される。
【0036】
また、本発明によれば、前記プレゾル溶液にドーパント化合物を添加して、製造したメソポーラス材料の水熱安定性を向上させる過程を含む本明細書に記載の方法が提供される。好ましくは、前記ドーパント化合物がアルミニウム又はほう素からなる。前記ドーパント化合物は、硝酸アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド及びほう酸トリエチルのいずれか1つ又は複数から選択することができる。
【0037】
本発明のある実施例では、前記プレゾル溶液が、要求される構造の規則性の程度によって、少なくとも1分から最大48時間まで放置される。好ましくは、前記プレゾル溶液が0〜80℃の温度で放置される。
本発明のある実施例では、前記メソポーラス粒子が200〜550℃の温度で乾燥される。
【0038】
本発明の別の実施例では、前記プレゾル溶液が、超臨界流体(SCF)又はSCFの混合物を用いて加水分解されかつ縮合される。好ましくは、前記超臨界流体(SCF)が、二酸化炭素、キセノン、アンモニア、及び、化学式C2x+1、式中xは1乃至6の整数、を有するプロパン及びブタンのようなアルカンのいずれか1つ又は複数から選択される。最も好ましくは、前記SCFが超臨界二酸化炭素である。
【0039】
本発明のある実施例では、前記粒子が30〜500℃の温度でかつ1〜1000バールの圧力で処理される。
本発明のある実施例は、前記メソポーラス粒子を洗浄し、濾過しかつ乾燥する過程を有する。
本発明のある実施例では、前記粒子が250〜550℃の温度でかつ10〜600バールの圧力で処理される。
【0040】
本発明のある実施例では、前記界面活性剤が仮焼によってメソポーラス粒子から除去される。前記メソポーラス粒子は、空気及び/又は空気−オゾン混合物中で200乃至600℃の温度で仮焼される。好ましくは、前記メソポーラス粒子が空気及び/又は空気−オゾン混合物中で1乃至24時間仮焼される。
【0041】
本発明の別の実施例では、前記界面活性剤が、エタノール、メタノール、1−プロパノール及び2−プロパノールのいずれか1つ又は複数から選択されるアルコール形の溶媒の存在下でマイクロ波照射によりメソポーラス粒子から除去することができる。
【0042】
本発明のある実施例では、前記メソポーラス粒子のメソ孔直径が2〜30nmであり、好ましくは2〜15nmであり、最も好ましくは5nmより大きい。
本発明のある実施例では、前記メソポーラス粒子の孔容積が0.3〜1cm−1であり、表面積が300〜1000m−1である。
前記メソポーラス粒子の形状は球体、ロッド状、ディスク状又はロープ状にすることができる。
【0043】
本発明のある実施例では、前記メソポーラス粒子の巨視的直径が1〜10μmである。前記メソポーラス粒子の巨視的直径は1〜5μmとすることができ、かつその形状は球体である。
本発明のある実施例では、前記メソポーラス粒子が単一の方向に規則化されている。
【0044】
更に、本発明によれば上述した方法により合成したメソポーラス粒子が提供される。
【0045】
また、本発明によれば、本明細書に記載の方法により調製されるメソポーラス粒子であって、5nm超のメソ孔直径と、0.3〜1cm−1の孔容積と、300〜1000m−1の表面積と、1〜10μmの巨視的直径を有するメソポーラス粒子が提供される。
【0046】
本発明のある側面によれば、球体、ロッド状、ディスク状又はロープ状の形状をなすメソポーラスシリカ粒子が提供される。
【0047】
更に、本発明によれば、5nm超のメソ孔直径と、0.3〜1cm−1の孔容積と、300〜1000m−1の表面積と、1〜10μmの巨視的直径とを有するメソポーラス粒子が提供される。
【0048】
また、本発明によれば、クロマトグラフィ固定相における本明細書に記載の巨視的メソポーラス粒子の使用が提供される。前記粒子は、巨視的メソポーラスシリカ粒子とすることができる。
【0049】
更に、本発明によれば、プレゾル溶液を調製し、かつ前記プレゾル溶液を超臨界流体条件下で加水分解しかつ縮合することにより調製した規則的孔構造を有する金属酸化物巨視的メソポーラス粒子からなるクロマトグラフィ固定相が提供される。好ましくは、前記巨視的メソポーラス粒子が5nm超のメソ孔直径と、0.3〜1cm−1の孔容積と、300〜1000m−1の表面積と、1〜10μmの巨視的直径を有する。
【0050】
定義
メソポーラス粒子は球体、ロッド状、ディスク状又はロープ状のものからなり、かつ六方晶、立方晶又は層状構造として説明される対称性を有する規則的な配列に粒子内でメソ孔を配置した粒子を含むものと解される。このように、規則的メソポーラス構造は、例えば固体の粒子間のトラップ容積から生じる蛇行状のメソ孔から形成されるランダムに配置されたメソポーラスと同じものではない。ここで形成される規則的メソポーラス構造は、頭字語MCM(Mobil
Composition of Matter)又はSBA(Santa Barbara
Adsorbents)を用いて先に説明した材料と類似するものであり、2〜15nmの範囲の孔径を有する。
【0051】
巨視的の語は、100nm又はそれ以上のオーダーのサイズを含むものと解される。
【0052】
有機鋳型は、溶媒−界面活性剤相互作用により定義される溶媒における表面活性剤分子の集合に由来する明確な構造配列を含むものと解される。また、有機鋳型は、構造指向剤(SDA)として説明することができる。
【0053】
メソポーラスSDAとして使用される一般的な界面活性剤は、PEO−PPO−PEOの一般的化学式を有するポリエチレン酸化物(PEO)−ポリプロピレン酸化物(PPO)−ポリエチレン酸化物(PEO)トリブロック共重合体界面活性剤である。一般的にセチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)である共界面活性剤即ちSDAを用いて、前記粒子の巨視的構造(球体、ロッド状、ディスク状又はロープ状)を制御する。
【0054】
無機プリカーサは、他の化学化合物と反応して酸化物材料を生成することができる化学化合物である。この酸化物は、有機型構造の周囲に現れて、有機SDA成分を除去する処理に対して残存する無機酸化物骨格を形成する。無機プリカーサの一例は、テトラエトキシシラン(TEOS)のような金属アルコキシドである。SDA、溶媒及び他の材料の存在下で、TEOSは加水分解して、水酸基を含む分子及び分子集合体を得る。これらの水酸基を含む種は、水を除去することにより反応して、−M−O−M−(Mは金属イオンを表し、Oは酸素イオンを表す)結合を生成する。このプロセスは縮合として知られる。前記縮合反応の生成物は、金属酸化物、金属水酸化物及び金属有機結合を含む、化学的、構造的及び化学量的に十分に明確でない固体又はゲルである。注いだときに容易に流れる希釈ゲルがゾルと呼ばれる。
【0055】
超臨界流体は、それ以下では状態変化が温度及び/又は圧力の変化により生じ得る臨界温度(T)又は臨界圧力(P)以上の元素、化合物又は混合物として定義される。
【0056】
超臨界流体処理は、プレゾル溶液が超臨界流体環境で加水分解されかつ縮合されて、メソポーラスシリカ粒子のゾルを形成する処理として定義される。
【0057】
プレゾルは、所定の条件下で反応して、メソポーラスシリカ粒子のゾルを形成する化学製品の混合物である。
【0058】
仮焼は、空気中での熱処理として説明される。これに代わるものとして、空気及びオゾンの混合物を、有機材料の完全な除去を確実にするものとして、用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0059】
本発明は、添付図面を参照しつつ、単なる実施例として以下に記載される詳細な説明からより明確に理解することができる。
本願発明者らは、超臨界流体処理技術を用いて高品質の規則化メソポーラス粒子を調製するための簡単かつ再現可能な方法を見出した。この方法は、メソポーラス形態及び巨視的形態を調節可能な均一の粒子、特に球体、ロッド状、ディスク状及びロープ状の形態をなすメソポーラスシリカ粒子の調製を可能にする。
【0060】
使用する界面活性剤の量及びタイプ並びに超臨界流体の圧力のような反応条件を注意深く制御することによって、メソポーラス層の孔径及び孔構造を事前に決定することができる。
【0061】
本発明の方法を用いると、規則的で予測可能かつ制御された形状を有する巨視的メソポーラス材料を調製することができる。以前には、このような材料の巨視的特性及びメソポーラス特性の双方を制御することは、一貫性を持って行うことが困難であった。
【0062】
前記方法によれば、サイズ分布が狭くかつ内部細孔が規則化されたメソポーラス粒子が提供される。このような材料は大きな表面積を有し、かつクロマトグラフィ、吸収剤及び分離などの用途において使用するのに非常に有効である。
【0063】
メソポーラスシリカは、現在の市販されている多孔性シリカ球体に対して、以下の記載を含む多くの利点が得られる。
i)クロマトグラフィマトリックスとして優れた分離性能が得られる、一般に500〜1000m−1の高表面積。高表面積及び従って高保持比(k’)が、効果的にキラールエナンチオマーの分離を可能にする。
【0064】
ii)十分に明確で調節可能な細孔サイズ。メソポーラスシリカは一般に、単一方向性、サイズ単分散粒子を生成するミセル鋳型重合法を用いて製造される。メソポーラスシリカ粉末において、これら細孔のサイズは、2〜30nmの間で容易に調節することができる〔6〕。しかしながら、製造される大部分のメソポーラスシリカ球体は、2〜4nmのメソ孔直径を有する。メソ孔直径を制御する能力は、これらの材料をサイズ排除クロマトグラフィにおいて使用するのに重要な意味を有する。また、プロテインのような生体高分子の有効な分離には、>6nmの大きな孔径のメソポーラスシリカ球体が望ましい。
【0065】
iii)規則的な多孔質、即ち六方晶メソポーラスシリカにおいて全ての細孔が一方向に規則化されている。この規則的な多孔質は、より高くかつより均質な分子拡散を提供することにより、市販のメソポーラスシリカと比較して高い流量のカラム効率を向上させる〔3a〕。これによって、カラム効率を大きく損失することなく、化合物を大幅に高速で分離する可能性が得られ、その結果生産性が増大する。
【0066】
iv)メソポーラスシリカの球状粒子をミリングなしで製造することができる。噴霧乾燥、油滴及び疑似格子整合合成を含む球状メソポーラス粒子を形成するための多数の技術が報告されている〔3a、7〕。
【0067】
また本発明のメソポーラス材料は、担持材料として触媒産業と、特異性の高い化学センサ及び光電子デバイスを含む一般的な材料の市場と関連させることができる。特に、本発明は、超臨界流体(SCF)を利用した方式を用いて、球体、ロッド状、ディスク状及びロープ状のような明確な巨視的寸法を有するメソポーラス粒子を調製することに関連する。SCFプロセスは、従来の細孔膨張技術に対して顕著な利点である、メソポーラス粒子における六方晶の規則性に影響を与えない。その結果、1〜10μmの範囲の巨視的直径を有する球状粒子及び直径が2〜15nmの高度に規則化されたサイズ調節可能なメソ孔を、本発明のSCF方法によって製造することができる。
【0068】
メソポーラス寸法は、プロセスの一部として、超臨界二酸化炭素(sc−CO)のようなSCFを利用して調節することができる。球状粒子は、Zhang他が報告するそれに類似した方法で製造される〔8〕。前記調製において、P123(PEO69−PPO20−PEO69)のようなポリエチレン(PEO)−ポリプロピレン(PPO)−ポリエチレン酸化物(PEO)からなる、トリブロック共重合体界面活性剤から形成されるミセルを、テトラエトキシシラン(TEOS)のようなシリカプリカーサ及びセチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)のようなイオン性界面活性剤と酸条件(プレゾル溶液と称する)下で混合し、処理してメソポーラス材料を形成する。前記酸条件を変えることによって、調節可能な巨視的直径、即ち1〜10μmのサイズ単分散球状粒子を形成することができる。超臨界流体においてプレゾル溶液を処理する結果、メソ孔の膨張が2〜15nmに制御されることになる。本発明によって、単一方向性及び調節可能なメソポーラス直径を有する膨張メソポーラスシリカ材料を合成する方法が提供される。
【0069】
メソポーラスシリカ粉末内でのメソ孔直径の制御は、以前は、膨張剤の添加を介して、又は界面活性剤鋳型剤を変更することにより行われていた〔9〕。しかしながら、膨張剤の使用は、メソ孔の長い距離での規則性がなくなり、かつ反応材料の壊れやすい化学組成を破壊することを示している。また、膨張剤は、反応化学量論を妨げかつ規則性の喪失になる場合がある。以前に、本願発明者らは、シリカ高密度化プロセスの際に膨張剤として超臨界二酸化炭素(sc−CO)を用いて六方晶メソポーラスシリカ「粉末」の細孔サイズを調整するための方法を提示した〔10〕。本発明において、本願発明者らは、球体を含む大きな細孔のメソポーラス粒子を得るために、加水分解及び縮合プロセスの際にSCF膨張法を用いる。この方法は、他の方法により合成されるメソポーラスシリカ球体に対して次のような利点を有する。
【0070】
i)有効なカラムパッキングを可能にする、球状で比較的サイズ単分散の粒子を製造することができる。この粒子は、多くの他の方法で報告されているように、それ自体が集合したり連結することがない。
【0071】
ii)前記粒子は熱的に(850℃まで)、機械的にかつ化学的にロバストである。これは、メソポーラス球体を鋳型とするトリブロック共重合体を使用したことの結果である。伝統的に、イオン性界面活性剤が鋳型界面活性剤として使用されているが、これらが製造する材料は大幅にロバスト性が低いものである。
【0072】
iii)前記粒子のメソ孔直径は、2〜15nmの範囲に制御することができる。今日まで製造された大部分のメソポーラスシリカ球体は、孔サイズが2〜4nmである。sc−COは、メソポーラスシリカ粉末内における細孔サイズをオングストロームレベルの精度で制御できることを示している〔9b〕。
【0073】
iv)前記メソポーラス粒子は、クロマトグラフィ分離のための有効な固定相として機能する。
【0074】
使用する界面活性剤は、ポリエチレン酸化物(PEO)、ポリプロピレン酸化物(PPO)又はポリブチレン酸化物(PBO)セグメントを有するジブロック(A−B)又はトリブロック共重合体(A−B−A又はA−B−C)、ポリアルキルエーテル、例えばBrij界面活性剤のようなC2x+1-(CH-CHO)H(CEO)、ビス(2−エチルヘキシル)スルホこはく酸ナトリウムのような陰イオン界面活性剤、及びカチオン界面活性剤、例えばセチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)及びTriton-X(商品名)のいずれか1つ又は複数とすることができるが、これらに限定されるものではない。
【0075】
使用されるアルコール形の溶媒は、限定するものではないが、エタノール、プロパノール又はブタノールのいずれか1つ又は複数とすることができる。
【0076】
適当なシレート化剤は、限定するものではないが、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラプロポキシシラン(TPOS)、及びテトラブトシキシラン(TBOS)、テトラアセトキシシラン、テトラクロロシラン、又はそれらの、化学式RSiX(4−n)、Rは有機ラジカル、Xはハロゲン化物、アセトキシ、アルコキシ、テトラメチルシラン、テトラエチルシランのような加水分解可能な基、で表される有機誘導体のいずれか1つ又は複数とすることができる。
【0077】
細孔形成膨張剤として適当な超臨界流体は、限定するものではないが、二酸化炭素、キセノン、アンモニア、並びに、エタン、プロパン及びブタンのようなアルカン(C2x+1)のいずれか1つ又は複数とすることができる。
【0078】
前記ゾルを調製するのに使用する金属酸化物の源は、限定するものではないが、アルコキシド、カルボキシレート、又は、シリコン、ほう素、セリウム、ランタン、イットリウム、チタニウム、ジルコニウム、バナジウム、モリブデン、タングステン若しくはハフニウムのハロゲン化物とすることができる。
【0079】
シリカメソポーラス粒子の調製に使用する界面活性剤濃度の制御によって、得られる粒子の孔構造を決定することが可能である。六方晶構造及び層状構造は、それぞれ平行な配列の細孔及び多孔面を有する。立方晶構造は、表面との間での輸送を可能にする、粒子全体を走る溝を有する。これは、吸収剤、触媒又はセンサデバイス及び用途に使用される多孔質粒子にとって望ましい特性である。
【0080】
好ましくは、メソポーラス粒子の膨張が低濃度の界面活性剤で、好ましくは20重量%未満の濃度で行われる。膨張プロセスは2つの界面活性剤を使用し、かつ膨張は加水分解プロセスにおいて実行される。
【0081】
本発明の方法によって次の利点が得られる。1.従来調製された材料よりも大きな熱ロバスト性を有するロバストなメソポーラス粒子を調製する能力であり、一定の場合には、これらの材料の合成において重要な実験上の困難さが軽減される。2.sc−COの使用が、粒子内部のメソスコピックな六方晶規則性を増進させる。3.前記方法は簡単で、広く適用することができる。4.前記方法は特定の界面活性剤又はそれらの混合物に限定されず、従ってその合成は、メソポーラス粒子の細孔サイズ及び孔構造を決定する制御を可能にする。5.メソポーラス粒子は一貫性をもって形成することができる。6.前記方法は、混合金属メソポーラス酸化物粒子を調製し得る技術と一致する。
【0082】
本発明は以下の実施例からより明確に理解することができる。
【実施例】
【0083】
メソポーラスシリカ粒子は、図1に概略的に表される幾つかの段階で調製されるが、以下に説明する。
【0084】
工程1:これはSCF処理であり、高度に規則化されたメソ孔性を示す非常に高い熱安定性を有する大きな細孔のメソポーラス粒子を実現する責任を持つ。このプロセスでは、シリコン化合物が、次の成分即ち、多くの場合にアルコールである適当な溶媒、構造指向剤の混合物(界面活性剤鋳型)、酸加水分解触媒、及び制御された量の水と混合して、プレゾル溶液を生成する。前記プレゾル溶液は、−5〜80℃の温度で調製することができる。前記プレゾル溶液は清澄かつ可視粒子がない状態で、高品質のメソポーラス粒子を作成すべきものである。
【0085】
工程2:工程1で調製した前記プレゾル溶液は、高圧セル内で調製し、かつ流体に、その圧力及び温度が臨界値以上であるように暴露させることができる。この処理の際に、試料を圧力下(2〜1000バール)で加熱(500℃まで)することができる。このプロセスの目的は、SCF雰囲気でのシリコン化合物の加水分解及び無機ポリマ鎖の架橋(縮合プロセス)を可能にして、メソポーラス粒子のゾルを形成することである。
【0086】
工程3:前記粒子をSCFプロセスから取り出し、洗浄し、4日間まで空気乾燥し、かつ更に空気又は空気/オゾン混合物中で数分から数日までの期間で200〜550℃の温度で仮焼する。別の実施例では、前記粒子を、多くの場合にアルコールである溶媒の存在下で40〜1000ワットのマイクロ波照射に晒して、SDAを抽出する。開口細孔からなる、即ち有機界面活性剤が全く存在しない酸化物粒子が形成される。
【0087】
工程4:前記メソポーラス粒子は、伝統的な湿式充填技術を用いて、即ちメソポーラスシリカを溶媒で湿潤させて、クロマトグラフィカラム内に送るスラリを生成するようにして、直径1.0cm及び長さ30cmのような一般的な寸法を有する伝統的なクロマトグラフィカラム内に詰めることができる。クロマトグラフィの対象となる混合物の液体試料を、一般にジクロロメタンである溶媒内に溶解させて、前記カラムの上部に配置する。次に、開始剤のカラム溶媒(最初の2つの場合にはヘキサン)をカラム内に配置する。次に、手動ポンプを用いて必要な圧力を発生させて、前記溶媒をカラムの中に通して前記混合物の成分を分離することができる。
【0088】
実施例1:メソポーラスシリカ球体の調製
メソポーラスシリカ球体を、Ma外〔11〕及びZhang外〔12〕に記載される修正した方法に基づいて調製した。テトラエトキシシラン(TEOS)をシリカ源として使用すると共に、P123(PEO20PPO69PEO20)とセチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)を混合界面活性剤鋳型として機能させた。エタノール(EtOH)を共溶媒として用いた。
【0089】
0.3gのP123と0.05gのCTABとを一緒に高圧セル内で100mlの1.6M・HClと混合し、2時間撹拌(400rpm)した。この溶液に3mlのEtOHと1.5mlのTEOSを加えた。ここで、前記圧力セルを密封した。前記圧力セル内に超臨界二酸化炭素(sc−CO)を導入し、これをサーモスタットで60℃の温度に調温し、かつ500バールの一定圧力に維持した。4日後に前記圧力セルから固体生成物を取り出し、かつ洗浄した。これを60℃で1日空気乾燥させた。界面活性剤鋳型の仮焼を550℃で8時間行った。次のモル比1:0.007:9:0.027:22.6のTEOS:P123:EtOH:CTAB:HClで、高規則化したメソポーラスシリカ球体を生成した。表1は、合成した様々なメソポーラスシリカ粒子のモル組成及び物理化学的特性を示している。界面活性剤のタイプ、界面活性剤の割合、温度及び圧力を選択することによって、細孔サイズ及び孔構造を変化させ得ることが分かる。
【0090】
【表1】

【0091】
メソポーラス粒子の粉末X線回折(PXRD)プロファイルを、Cu−Kα放射源及び加速器検出器を備えたPhilips
X'Pert回折装置に記録した。0.2°の高さ及び反射ソーラースリットをプログラム可能な発散スリットに用いて、試料に10mmのフットプリントを維持した。試料の高さを、試料がビーム強度を50%低減させた位置でθ=2θ=0で測定した。仮焼したメソポーラスシリカ球体の表面積はMicromeritics
Gemini2375定量分析器で窒素のブルナウア・エメット・テラー(BET)等温線を用いて測定した。各試料は、BET測定の前に、200℃で12時間ガス抜きした。仮焼したシリカの平均孔サイズ分布は、30点のBET表面積プロットからバレット・ジョイナ・ハランダ(BJH)モデルで計算した。調べた全てのメソポーラスシリカは、メソポーラス固体に一般的なタイプIVの吸着等温線を示した。平均孔径を計算するために、脱着等温式を用いた。100kV加速電圧で動作するJEOL2010(0.5nm解像度)を透過型電子顕微鏡検査(TEM)に用いた。試料をクロロホルムに分散させ、かつ一滴の混合物を炭素被覆銅TEM格子上に置いた。走査型電子顕微鏡検査(SEM)の測定(0.05μm解像度)を、炭素テープ上に置いた試料についてJEOL5510SEMで行い、かつ次に黄銅スタブに接着させた。粒子サイズ分布測定のために、200個の球体の頻度カウントを用いて、球体の平均サイズを測定した。
【0092】
図1は、本発明による方法を示すフロー図であり、規則化したメソポーラスシリカ粒子を形成する一般的な方法を示している。最初に、シリカプレゾル溶液を作る。これは、高圧セル内で直接行うことができ、又はビーカ内で行った後に高圧セルに移すことができる。このプレゾル溶液の加水分解及びそれに続く縮合はSCF環境下で行われる。ブロック2に示すように、前記プレゾル溶液をSCF環境内で粒子として縮合させる。最後に、ブロック3に示すように、前記粒子を仮焼して、SDAのないメソポーラス粒子を作成する。このメソポーラス粒子は、ジメチルオクタデシルクロロシラン(CH(CH17Si(CHCl;C18)のようなアルキル鎖(C、n=8〜26)を含むシランのような有機種で調製され又は機能化されているので、クロマトグラフィカラム、例えば伝統的なカラム又は高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)内に詰めることができ、かつ先端のクロマトグラフィの固定相として用いることができる(ブロック4)。
【0093】
図2は、SCF処理を用いて大きな細孔のメソポーラスシリカ粒子を形成することの有利な効果を示している。図2は、モル比1:0.007:9:0.027:22.6のTEOS:P123:EtOH:CTAB:HClを用いて生成し、かつsc−COで206バールの圧力でかつ60℃の温度で処理したメソポーラスシリカ球体の一例を示している。SEM画像から、前記球体の表面が円滑で大きな欠陥が無いことが確認される。sc−CO内で調製したメソポーラスシリカ球体の粒径及び形態は、メソ孔の直径がCOの圧力の増加と共に増加することを除いて、sc−COが無い状態で製造したそれと異ならない。表1に示すように、高いCO圧力(>150バール)では、未処理の試料及び低CO圧力(<150バール)で処理したものと比較して、より球状の粒子が形成される。CEABの非存在下で調製した試料は球状の形態が保持されず、球状形態の粒子を製造するためには共界面活性剤が必要なことを示している。
【0094】
図3は、sc−COで調製したメソポーラスシリカ球体(次の反応条件:比率1:0.007:9:0.027:22.6のTEOS:P123:EtOH:CTAB:HCl及び206バールのCO圧力から得た)におけるメソ孔の立方晶構造を示している。孔径は9.0nmとなるように計算し、かつ孔壁幅は約2.1nmとなるように計算したが、これらは窒素収着データと一致している。
【0095】
図4に示すPXRDパターンは、次のモル比1:0.007:9:0.027:22.6のTEOS:P123:EtOH:CTAB:HClを用いて調製した仮焼メソポーラスシリカ球体の格子間隔へのCO処理の効果を示している。2θ値が、0.97(未処理シリカ、線a)から0.77(482バールでsc−CO処理、線v)まで変化していることが分かり、格子間隔が9.2nmから11.4nmまで増加したことを表している。<100>、<200>及び<110>の反射は全て明確に指示されているが、高い圧力では、前記ピークがより高い解像度を示し、COの反応混合物との相互作用が細孔の規則性に好ましい影響を有することを示唆している。前記sc−CO試料における3つの十分に明確なピークの存在は、メソ孔の優れた規則性を示しており、これは一般に混合界面活性剤鋳型法では見られない。sc−COの非存在下で調製した球状の試料は、同程度の規則性を示さない。
【0096】
加水分解プロセスの際にCO圧力の関数としてメソポーラスシリカの孔径の変化が、図5の細孔サイズ分布曲線により示されている。CO圧力が増加するに連れて、孔径が増加する。P123/CTAB混合物を鋳型とした未処理のメソポーラスシリカが6.2nmの平均孔径を示すのに対し、482バールのCO圧力下で処理したメソポーラスシリカは10.9nmの平均孔径を示す。この孔径の増加は、約80%の孔膨張を表している。
【0097】
実施例2:クロマトグラフィ固定相としてのメソポーラスシリカ球体
SCF処理したメソポーラスシリカ粒子は、クロマトグラフィの固定相として用いることができる。本願発明者らは、SCF処理したメソポーラスシリカ球体を用いて、(a)オルガノ金属化合物、アセチルフェロセンとフェロセンとの分離及び(b)オルガノビピリジル化合物(ビフェニル、2,2-ビピリジル及び4,4-ビピリジル)とビフェニルの分離が成功したことを示している。アセチルフェロセンのフェロセンからの分離については、これら化学種の高い有色性が、これら2つの成分の分離を目で観察できることを意味している。図6には、SCF処理したメソポーラスシリカ球体を固定相として用いて、オルガノ−ビピリジル化合物(2,2-ビピリジル及び4,4-ビピリジル)とビフェニルとの分離に関するUV可視吸収データを示している。この実施例で用いた特定のメソポーラスシリカ粒子は、UCC/CTAB/EtOH/CO2(b)、P123/CTAB、482バールのCO圧力、粒径3μm及び孔径10.9nmを用いて調製した上述したものである。
【0098】
実施例3:アルミニウムドープドメソポーラスシリカ球体の合成
Alドープドメソポーラスシリカ球体を形成するための一般的な合成の要点を説明する。0.02gのヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)及び0.1gのP123界面活性剤を20mlの1.6M・HClに溶解させ、これに0.2gの硝酸アルミニウム九水和物(Al(NO・9HO)を加えた。一旦溶解させると、0.2mlのテトラエトキシシラン(TEOS)を加えて、メソポーラス材料の構造中に金属イオンを良好に分布させた。前記プレゾル溶液を高圧セルに移し、COで344バールの圧力で加圧した。前記システムを1〜7日間放置した。沈殿した試料を洗浄しかつ80℃で一晩乾燥させ、かつ550℃で12時間仮焼した。上述した合成に対する変更は、添加するAl(NO・9HOの量を変えたことである。このように調製した試料の低角度PXRDの研究は、メソポーラスシリカ材料に一般的な(100)、(110)及び(200)反射として同定し得る3つの特徴的なピークを示した。表面積分析は、前記材料が598m−1の表面積を有することを示した。これら粒子の平均メソ孔直径は8.5nmであることが分かった。走査型電子顕微鏡検査(SEM)分析は、約0.5μmの単分散球体の存在を確認した。
【0099】
更に、Al(NO・9HOをアルミニウムイソプロポキシドに置き換えることによって、Alドープドメソポーラスシリカを調製した。
【0100】
Alドープドメソポーラスシリカ球体は、例えば精密化学合成におけるナノ触媒として潜在的な用途を有する。
【0101】
実施例4:ほう素ドープドメソポーラスシリカ球体の合成
ほう素ドープドメソポーラスシリカ球体を形成するための一般的な合成の要点を説明する。0.02gのヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)及び0.1gのP123界面活性剤を20mlの1.6M・HClに溶解させ、これに0.2gのほう酸トリエチル(B(CHCH)を加えた。一旦溶解させ、0.2mlのテトラエトキシシラン(TEOS)を加えて、メソポーラス材料の構造中に金属イオンを良好に分布させた。ここで、前記プレゾル溶液を高圧セルに移し、かつCOで206バールの圧力で加圧した。前記システムを1〜7日間放置した。沈殿した試料を洗浄し、かつ80℃で一晩乾燥させ、かつ550℃で12時間仮焼した。低角度PXRDの研究は、メソポーラスシリカ材料の一般的な(100)、(110)及び(200)反射として同定し得る3つの特徴的なピークを示した。表面積分析は、前記材料が650m−1の表面積を有することを示した。これら粒子の平均メソ孔直径は7.5nmであることが分かった。
【0102】
Bドープドメソポーラスシリカ球体は、例えば精密化学合成におけるナノ触媒として潜在的な用途を有する。
【0103】
本発明は、上述した実施例に限定されるものでなく、その詳細において様々に変更することができる。特定の機器、パラメータ、方法及び材料を含む特定の実施例について説明したが、当業者であれば、詳細な部分、材料、並びに材料及び工程の構成における他の様々な変化又は変更を、本発明の要旨及び技術的範囲から逸脱することなく、行い得ることが理解される。
【0104】
参考資料
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【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明による方法を示すフロー図である。
【図2】206バールの圧力でsc−COで処理した、1:0.007:9:0.027:22.6の割合のTEOS:P123:EtOH:CTAB:HClから本発明の方法により調製したメソポーラスシリカ球体の走査型電子顕微鏡画像である(スケールバー=8μm)。
【図3】モル比1:0.007:9:0.027:22.6のTEOS:P123:EtOH:CTAB:HClから206バールの圧力でsc−COを用いて調製した、2つの異なる倍率(a)100nm及び(b)25nmで撮ったメソポーラスシリカ球体の透過型電子顕微鏡(TEM)画像である。
【図4】モル比1:0.007:9:0.027:22.6のTEOS:P123:EtOH:CTAB:HClを用いてCO圧力を変化させてsc−CO中で処理したメソポーラスシリカ球体のPXRDパターンを示す線図である。
【図5】次のモル比1:0.007:9:0.027:22.6のTEOS:P123:EtOH:CTAB:HClを用いて(i)0バール(ii)137バール及び(iii)486バールで製造したメソポーラスシリカ球体のsc−CO処理した試料及び未処理の試料について、N収着プロファイルから計算した細孔サイズ分布を示す図である。
【図6】sc−CO処理したメソポーラスシリカ粒子を固定相として用いてクロマトグラフィカラムで分離した(条件:溶媒1:ヘキサン−ビフェニルを溶離;溶媒2:50%ヘキサン・ジエチル+微量の酢酸−2,2-ビピリジルを溶離、及び溶媒3:4,4-ビピリジルを溶離する100%ジエチルエーテル)ビフェニル、2,2-ビピリジル及び4,4-ビピリジルのUV可視吸収データを示す線図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属酸化物粒子を合成するための方法であって、
i.プレゾル溶液を調製する過程と、
ii.前記プレゾル溶液を超臨界流体条件下で加水分解しかつ縮合して、規則的孔構造を有する巨視的メソポーラス粒子を形成する過程とからなる方法。
【請求項2】
前記プレゾル溶液が界面活性剤の混合物を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記界面活性剤の混合物がイオン性界面活性剤を含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記界面活性剤の混合物がカチオン界面活性剤を含む請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記プレゾル溶液がセチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)を含む請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記界面活性剤がジブロック(A−B)又はトリブロック共重合体(A−B−A又はA−B−C)を含む請求項2乃至5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記ジブロック(A−B)又はトリブロック共重合体(A−B−A又はA−B−C)が、ポリエチレン酸化物(PEO)、ポリプロピレン酸化物(PPO)及びポリブチレン酸化物(PBO)セグメントを有する共重合体である請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記プレゾル溶液がP123(PEO20PPO69PBO20)を含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記超臨界流体(SCF)が、二酸化炭素、キセノン、アンモニア、及び、化学式Cx2x+1、式中xは1乃至6の整数、を有するプロパン及びブタンのようなアルカンのいずれか1つ又は複数から選択される請求項1乃至8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記SCFが超臨界二酸化炭素である請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記巨視的メソポーラス粒子が、超臨界流体条件を与える圧力下で調製される請求項1乃至10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記圧力が10乃至1000バールである請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記圧力が150バール超である請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記粒子が10乃至600バールの圧力で処理される請求項11乃至13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記メソポーラス粒子を洗浄し、濾過しかつ乾燥する過程を含む請求項1乃至14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記界面活性剤が仮焼によって前記メソポーラス粒子から除去される請求項1乃至15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記メソポーラス粒子が空気及び/又は空気−オゾン混合物中で200乃至600℃の温度で仮焼される請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記メソポーラス粒子が空気及び/又は空気−オゾン混合物中で1乃至24時間仮焼される請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記界面活性剤が、アルコール形溶媒存在下でマイクロ波照射により前記メソポーラス粒子から除去される請求項1乃至18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記アルコール形溶媒がエタノール、メタノール、1−プロパノール、及び2−プロパノールのいずれか1つ又は複数から選択される請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記プレゾル溶液が、溶媒、界面活性剤混合物、酸加水分解触媒、水及び超臨界流体の存在下で金属酸化物プリカーサの加水分解により調製される請求項1乃至20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記界面活性剤混合物が、前記プレゾル溶液の20重量%未満の濃度で存在する請求項2乃至21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記界面活性剤混合物が、前記プレゾル溶液の10重量%未満の濃度で存在する請求項2乃至22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記金属酸化物プリカーサが、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラプロポキシシラン(TPOS)、テトラブトキシシラン(TBOS)、テトラアセトキシシラン、テトラクロロシラン、及びそれらの有機誘導体のいずれか1つ又は複数から選択される請求項1乃至23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記有機誘導体が化学式RnSiX(4-n)を有し、式中Rは有機ラジカルであり、Xはハロゲン化物、アセトキシ、アルコキシ、テトラメチルシラン、及びテトラエチルシランのいずれか1つ又は複数から選択される加水分解可能な基であり、かつnは1乃至4の整数である請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記溶媒がアルコール形の溶媒である請求項21乃至25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
前記アルコール形の溶媒がエタノール、メタノール、1−プロパノール、2−プロパノール及び1−ブタノールのいずれか1つ又は複数から選択される請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記酸触媒が鉱酸又は有機酸である請求項21乃至27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
前記酸触媒が塩酸(HCl)、硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、及びクエン酸のいずれか1つ又は複数から選択される請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記酸触媒が0.001M乃至1Mの濃度範囲で存在する請求項28又は29に記載の方法。
【請求項31】
前記プレゾル溶液が−5乃至80℃の温度で調製される請求項1乃至30のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
前記プレゾル溶液が0乃至60℃の温度に加熱される請求項1乃至31のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
前記プレゾル溶液が少なくとも1分から最大48時間まで放置される請求項1乃至32のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
前記プレゾル溶液が少なくとも1分から最大24時間まで放置される請求項1乃至33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
前記プレゾル溶液にドーパント化合物を添加する過程を含む請求項1乃至34のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
前記ドーパント化合物はアルミニウム又はほう素からなる請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記ドーパント化合物が硝酸アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド及びほう酸トリエチルのいずれか1つ又は複数から選択される請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記メソポーラス粒子が2〜30nmのメソ孔直径を有する請求項1乃至37のいずれかに記載の方法。
【請求項39】
前記メソポーラス粒子が2〜15nmのメソ孔直径を有する請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記メソポーラス粒子が5〜15nmのメソ孔直径を有する請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記粒子が5nm超のメソ孔直径を有する請求項38又は39に記載の方法。
【請求項42】
前記メソポーラス粒子が0.3〜1cm3-1の孔容積を有する請求項1乃至41のいずれかに記載の方法。
【請求項43】
前記メソポーラス粒子が300〜1000m2-1の表面積を有する請求項1乃至42のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
前記メソポーラス粒子が球体、ロッド状、ディスク状又はロープ状の形態をなす請求項1乃至43のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
前記メソポーラス粒子が1〜10μmの巨視的直径を有する請求項1乃至44のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
前記メソポーラス粒子が1〜5μmの巨視的直径を有する請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記メソポーラス粒子の形状が球体である請求項1乃至46のいずれかに記載の方法。
【請求項48】
前記メソポーラス粒子が単一の方向に規則化されている請求項1乃至47のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
請求項1乃至48のいずれかに記載される方法により合成されるメソポーラス粒子。
【請求項51】
請求項1乃至48のいずれかに記載の方法により調製されるメソポーラス粒子であって、5nm超のメソ孔直径と、0.3〜1cm3-1の孔容積と、300〜1000m2-1の表面積と、1〜10μmの巨視的直径を有するメソポーラス粒子。
【請求項52】
請求項1乃至48のいずれかに記載の方法により調製される球体、ロッド状、ディスク状又はロープ状の形態をなすメソポーラスシリカ粒子。
【請求項53】
5nm超のメソ孔直径と、0.3〜1cm3-1の孔容積と、300〜1000m2-1の表面積と、1〜10μmの巨視的直径とを有するメソポーラス粒子。
【請求項54】
5nm超のメソ孔直径と、0.3〜1cm3-1の孔容積と、300〜1000m2-1の表面積と、1〜5μmの巨視的直径とを有するメソポーラス粒子。
【請求項56】
クロマトグラフィ固定相における請求項55に記載の巨視的メソポーラスシリカ粒子の使用。
【請求項58】
プレゾル溶液を調製し、かつ前記プレゾル溶液を超臨界流体条件下で加水分解しかつ縮合することにより調製した規則的孔構造を有する金属酸化物巨視的メソポーラス粒子からなるクロマトグラフィ固定相。
【請求項59】
前記巨視的メソポーラス粒子が5nm超のメソ孔直径と、0.3〜1cm3-1の孔容積と、300〜1000m2-1の表面積と、1〜10μmの巨視的直径を有する請求項58に記載のクロマトグラフィ固定相。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−535756(P2008−535756A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−504900(P2008−504900)
【出願日】平成18年4月5日(2006.4.5)
【国際出願番号】PCT/IE2006/000024
【国際公開番号】WO2006/106493
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(500489473)ユニバーシティ・カレッジ・コークーナショナル・ユニバーシティ・オブ・アイルランド,コーク (12)
【Fターム(参考)】