メタデータ管理装置、メタデータ管理方法、及び、メタデータ管理プログラム
【課題】メタデータを付与する手間を利用者にかけさせることなく、クエリコンテンツ中の区間あるいは領域のメタデータ生成することができるようにする。
【解決手段】コンテンツ対応関係取得部101は、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、当該区間あるいは領域のクエリコンテンツの信号に類似する信号の蓄積コンテンツの区間あるいは領域および当該蓄積コンテンツIDとからなる対応関係を複数取得する。結合対応関係生成部102は、これら複数の対応関係を結合して結合対応関係を生成する。クエリメタデータ生成部103は、この結合対応関係を用いて、クエリコンテンツの時間区間ごとにメタデータを生成する。これにより、基準時刻を管理することなし、クエリコンテンツの区間あるいは領域についてのメタデータを生成できる。
【解決手段】コンテンツ対応関係取得部101は、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、当該区間あるいは領域のクエリコンテンツの信号に類似する信号の蓄積コンテンツの区間あるいは領域および当該蓄積コンテンツIDとからなる対応関係を複数取得する。結合対応関係生成部102は、これら複数の対応関係を結合して結合対応関係を生成する。クエリメタデータ生成部103は、この結合対応関係を用いて、クエリコンテンツの時間区間ごとにメタデータを生成する。これにより、基準時刻を管理することなし、クエリコンテンツの区間あるいは領域についてのメタデータを生成できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メタデータ管理装置、メタデータ管理方法、及び、メタデータ管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
映像コンテンツや楽曲コンテンツに関連する様々な付随情報を、メタデータとしてコンテンツに対して付与することが行われている。楽曲コンテンツを例にとると、曲名、アーチスト名、ジャンル等がメタデータとしてコンテンツに付与されている。さらに、コンテンツ全体に対するメタデータばかりでなく、歌唱映像に対して時間毎に付随する歌詞のテキスト情報、ドラマの映像に対して時間毎に付随する出演者情報等、コンテンツ中の所定の区間あるいは領域に対するメタデータがコンテンツの所定の区間あるいは領域に対して付与されている。
【0003】
このように、再生コンテンツ中の区間あるいは領域に対するメタデータ生成するものとしては、従来、例えば特許文献1(特開2008−219608)に記載されているものがある。特許文献1に示されるものでは、再生コンテンツの特徴データの抽出開始時刻となる基準時刻が取得され、再生コンテンツから特徴データが抽出される。そして、その特徴データに基づいて、蓄積コンテンツ中の特徴データが探索され、再生コンテンツから導き出された特徴データに対応する蓄積コンテンツ中の時刻が該当基準時刻として特定され、再生コンテンツの現在の再生時刻が取得される。そして、再生時刻と基準時刻と該当基準時刻とに基づいて再生該当基準時刻が計算され、蓄積コンテンツ中の時刻ごとに対応付けられたメタデータの中から、再生該当基準時刻に該当する時刻に対応付けられたメタデータが選択される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−219608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示されるものでは、基準時刻を用いることで、再生コンテンツとメタデータとの同期管理することが可能となり、再生コンテンツ中の区間あるいは領域に対するメタデータを生成することが可能になる。しかしながら、特許文献1に示されるものでは、コンテンツのメタデータを時刻ごとに管理する必要があり、時刻ごとのメタデータの付与のために手間がかかるという問題がある。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、メタデータを付与する手間を利用者にかけさせることなく、クエリコンテンツ中の区間あるいは領域のメタデータを生成することができるメタデータ管理装置、メタデータ管理方法、及び、メタデータ管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明は、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、当該区間あるいは領域のクエリコンテンツの信号に類似する信号の蓄積コンテンツの区間あるいは領域および当該蓄積コンテンツIDと、からなる対応関係を複数取得するコンテンツ対応関係取得部と、前記クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび前記クエリコンテンツの区間あるいは領域と、前記蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび前記蓄積コンテンツの区間あるいは領域との複数の対応関係を結合して結合対応関係を生成する結合対応関係生成部と、前記結合対応関係から前記クエリコンテンツの区間あるいは領域についてのメタデータまたはクエリコンテンツ全体についてのメタデータを、対応する蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDまたはメタデータのうち少なくとも1つ以上に基づいて生成するクエリメタデータ生成部と、を備えることを特徴とするメタデータ管理装置である。
【0008】
また、本発明は、上記メタデータ管理装置において、前記結合対応関係からクエリコンテンツの区間あるいは領域ごとの蓄積コンテンツ中の出現頻度を表すヒストグラムを計算する対応領域出現頻度計算部を備え、前記クエリメタデータ生成部は、前記対応領域出現頻度計算部が計算したヒストグラムを、当該結合対応関係のクエリコンテンツの区間あるいは領域またはクエリコンテンツ全体についてのメタデータとして付与することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記メタデータ管理装置において、検索結果として、前記クエリメタデータ生成部がメタデータに付与したヒストグラムが示す出現頻度を取得するメタデータ取得部を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記メタデータ管理装置において、前記メタデータ取得部は、取得したヒストグラムが示す出現頻度に基づいて、検索結果の出力順序を決定することを特徴とする
【0011】
また、本発明は、上記メタデータ管理装置において、処理後のクエリコンテンツと蓄積コンテンツの対応関係を蓄積するメタデータ蓄積部と、蓄積済みのクエリコンテンツと蓄積コンテンツの対応関係に新規に入力された対応関係を追加して更新する蓄積メタデータ更新部と、蓄積済みのメタデータからメタデータを取得するメタデータ取得部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記メタデータ管理装置において、メタデータの索引付けを行うメタデータ索引過程を有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、コンテンツ対応関係取得部が、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、当該区間あるいは領域のクエリコンテンツの信号に類似する信号の蓄積コンテンツの区間あるいは領域および当該蓄積コンテンツIDと、からなる対応関係を複数取得するコンテンツ対応関係取得過程と、結合対応関係生成部が、前記クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび前記クエリコンテンツの区間あるいは領域と、前記蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび前記蓄積コンテンツの区間あるいは領域との複数の対応関係を結合して結合対応関係を生成する結合対応関係生成過程と、クエリメタデータ生成部が、前記結合対応関係から前記クエリコンテンツの区間あるいは領域についてのメタデータまたはクエリコンテンツ全体についてのメタデータを、対応する蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDまたはメタデータのうち少なくとも1つ以上に基づいて生成するクエリメタデータ生成過程と、を有することを特徴とするメタデータ管理方法である。
【0014】
また、本発明は、コンピュータを、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、当該区間あるいは領域のクエリコンテンツの信号に類似する信号の蓄積コンテンツの区間あるいは領域および当該蓄積コンテンツIDと、からなる対応関係を複数取得するコンテンツ対応関係取得手段、前記クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび前記クエリコンテンツの区間あるいは領域と、前記蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび前記蓄積コンテンツの区間あるいは領域との複数の対応関係を結合して結合対応関係を生成する結合対応関係生成手段、前記結合対応関係から前記クエリコンテンツの区間あるいは領域についてのメタデータまたはクエリコンテンツ全体についてのメタデータを、対応する蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDまたはメタデータのうち少なくとも1つ以上に基づいて生成するクエリメタデータ生成手段、として機能させるメタデータ管理プログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、当該区間あるいは領域のクエリコンテンツの信号に類似する信号の蓄積コンテンツの区間あるいは領域および当該蓄積コンテンツIDとからなる対応関係を複数取得し、これら複数の対応関係を結合して結合対応関係を生成し、この結合対応関係を用いて、クエリコンテンツの時間区間ごとにメタデータを生成している。これにより、メタデータを付与する手間を利用者にかけさせることなく、クエリコンテンツの区間あるいは領域についてのメタデータを生成することができ、さまざまな情報を時刻ごとに対応付けることができる。また、本発明によれば、蓄積コンテンツに付与されているメタデータ以外の情報、例えば出現頻度ヒストグラムの情報等を付与することができる。さらに、例えば出現頻度ヒストグラムの情報を用いて、蓄積コンテンツの優先順位付けを行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るメタデータ管理装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】本実施形態に係るメタデータ管理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】本実施形態に係る結合対応関係の一例を示す概念図である。
【図4】本実施形態に係るメタデータの一例を示す概念図である。
【図5】本実施形態に係る結合対応関係の一例を示す概念図である。
【図6】本実施形態のメタデータ管理装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図7】本実施形態に係る対応領域出現頻度計算部の動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態に係る出現頻度のヒストグラムの一例を示す概念図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係るメタデータ管理装置の構成を示すブロック図である。
【図10】本実施形態に係る蓄積メタデータ更新部の動作の一例を示すフローチャートである。
【図11】本実施形態に係るメタデータの一例を示す概念図である。
【図12】本発明の第4の実施形態のメタデータ管理装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図13】本実施形態に係るメタデータ索引部の動作の一例を示すフローチャートである。
【図14】メタデータ取得部が表示するメタデータの一例を示す図である。
【図15】メタデータ取得部が表示するメタデータの別の一例を示す図である。
【図16】メタデータ取得部が表示するメタデータの別の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0018】
<メタデータ管理装置の構成について>
図1は、本発明の第1の実施形態に係るメタデータ管理装置の構成を示す概略ブロック図である。この図において、メタデータ管理装置は、コンテンツ対応関係取得部101、結合対応関係生成部102、及びクエリメタデータ生成部103を含んで構成される。また、メタデータ管理装置は、クエリコンテンツIDおよびクエリコンテンツの区間あるいは領域と、蓄積コンテンツIDおよび蓄積コンテンツの区間あるいは領域を入力とし、クエリデータに付与するクエリメタデータを出力とする。ここで、メタデータ管理装置に入力又は記憶されるコンテンツとは、例えば、動画や音楽等のコンテンツであり、利用者がメタデータ管理装置にアップロード、又は、コンピュータプログラムによって自動的にウェブサイトからメタデータ管理装置にダウンロードされたコンテンツである。
【0019】
コンテンツ対応関係取得部101は、クエリとなるクエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、当該区間あるいは領域のクエリコンテンツの信号に類似する信号の蓄積コンテンツの区間あるいは領域および当該蓄積コンテンツIDと、からなる対応関係を複数取得する。
結合対応関係生成部102は、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび当該蓄積コンテンツの区間あるいは領域の複数の対応関係を結合して、結合対応関係を生成する。具体的には、結合対応関係生成部102は、当該複数の対応関係のクエリコンテンツの時間区間(クエリ時間区間という)の差、および当該蓄積コンテンツの時間区間(蓄積時間区間という)の差、を計算する。結合対応関係生成部102は、計算した差に基づいて、複数の対応関係のクエリ時間区間および蓄積時間区間を結合し、クエリコンテンツIDおよび結合したクエリ時間区間と、蓄積コンテンツIDおよび結合した蓄積時間区間と、からなる結合対応関係を生成する。
クエリメタデータ生成部103は、結合対応関係生成部102が生成した結合対応関係から、クエリコンテンツの区間あるいは領域についてのメタデータ、またはクエリコンテンツの全体についてのメタデータを、対応する蓄積コンテンツの蓄積コンテンツID、メタデータのうちの少なくとも1つ以上に基づいて生成する。
【0020】
<メタデータ管理装置の動作について>
次に、上述したコンテンツ対応関係取得部101からクエリメタデータ生成部103における処理を具体的に説明する。
図2は、本実施形態に係るメタデータ管理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【0021】
(ステップS101)コンテンツ対応関係取得部101は、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび時間区間と、当該クエリコンテンツに対応するデータベース中の蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび時間区間を読み込む。そして、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび時間区間と、当該クエリコンテンツに対応するデータベース中の蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび時間区間との対応関係を複数取得する。
【0022】
ここで、コンテンツ対応関係取得部101は、特開2008−219608号公報の段落「0016」に記載された手法により、音または映像の対応区間を探索して得られた探索結果を使用して、対応関係を取得する。具体的には、コンテンツ対応関係取得部101は、記憶部(図示せず)が予め記憶する特徴系列であって蓄積コンテンツを3秒毎に16秒の長さに区切ったデータの特徴系列(蓄積特徴系列という)を読み出す。次に、コンテンツ対応関係取得部101は、クエリコンテンツの信号(入力信号という)中に窓(入力信号注目窓という)をかけ、当該入力信号注目窓内の信号について特徴量系列を生成する(生成した特徴量系列をクエリ特徴量系列という)。コンテンツ対応関係取得部101は、生成したクエリ特徴量系列と読み出した蓄積特徴系列との類似度合いを示す入力信号類似値を計算する。コンテンツ対応関係取得部101は、当該計算した入力信号類似値に基づいて、入力信号注目窓を移動できる量を示す移動可能量を計算し、その移動可能量に基づいて、入力信号注目窓の位置を決定し、その位置に該入力信号注目窓を設定する。さらに、コンテンツ対応関係取得部101は、これらの処理を繰り返すことによって、入力信号注目窓の各位置について、入力信号類似値を計算する。コンテンツ対応関係取得部101は、入力信号類似値が予め設定された閾値より大きい場合、クエリ特徴量系列と蓄積特徴系列とが一致すると判定し、閾値以下の場合、一致しないと判定する。
【0023】
コンテンツ対応関係取得部101は、クエリ特徴量系列と蓄積特徴系列とが一致すると判定した場合、次のように対応関係を生成する。コンテンツ対応関係取得部101は、探索に用いたクエリコンテンツのファイル名をクエリコンテンツIDとし、入力信号注目窓の区間をクエリ時間区間として抽出する。そして、探索の出力として得られた一致する蓄積コンテンツのIDを蓄積コンテンツID、その蓄積コンテンツのうちのクエリ時間区間と対応する箇所として出力された該当区間を、蓄積時間区間として抽出する。なお、蓄積コンテンツID(ファイル名)、クエリ時間区間、及び蓄積特徴系列の記憶場所を示す情報(パス、ファイル名)の対応付け情報は予め記憶部に記憶されている。
コンテンツ対応関係取得部101は、抽出したクエリコンテンツID、クエリ時間区間、蓄積コンテンツID、及び蓄積時間区間を対応付けた対応関係を生成する。その後、ステップS102に進む。
【0024】
なお、ここでは、対応する範囲として、時間区間を使用するが、時間と音の時間伸縮やピッチ変動を組み合わせた時間・時間伸縮率・周波数伸縮率の空間中の軌跡を区間として使用してもよいし、静止画像の平面中の部分画像のような領域を使用してもよいし、映像中の部分画像と時間を組み合わせた空間中の領域を使用してもよい。また、特開2008−219608号公報に記載された手法に代えて特開2006−524545号公報に記載された手法により、対応関係を取得してもよい。また、本実施形態では、クエリコンテンツID及び蓄積コンテンツIDとして、クエリコンテンツ及び蓄積コンテンツのファイル名としているが、クエリコンテンツ及び蓄積コンテンツを識別する情報であればよい。
【0025】
(ステップS102)結合対応関係生成部102は、ステップS101にて取得した対応関係であって、前回までのステップS102で選択した対応関係以外の対応関係を、1つ選択する(選択した対応関係を第一の対応関係という)。その後、ステップS103に進む。
【0026】
(ステップS103)結合対応関係生成部102は、ステップS101にて取得した対応関係であって、あるステップS103〜S106の繰り返しにおいて前回までのステップS103で選択した対応関係以外の対応関係を、1つ選択する(選択した対応関係を第二の対応関係という)。その後、ステップS104に進む。
なお、ステップS103で選択する対応関係は、直前のステップS102で選択された第一の対応関係以外の対応関係である。
(ステップS104)結合対応関係生成部102は、第一の対応関係と第二の対応関係に基づいて結合条件を判定する。結合条件を満たす場合には、第二の対応関係を第一の対応関係に結合する(結合した対応関係を結合対応関係という)。この結合対応関係の生成処理については後述する。その後、ステップS105に進む。
【0027】
(ステップS105)クエリメタデータ生成部103は、結合対応関係からクエリ時間区間に対応するメタデータを生成する。なお、このメタデータの生成処理については後述する。その後、ステップS106に進む。
(ステップS106)結合対応関係生成部102は、全ての第二の対応関係を選択済みか否か、つまり、第二の対応関係を処理済みであるか否かを判定する。全ての第二の対応関係を処理済みであると判定した場合(Yes)、ステップS103に戻る。一方、全ての第二の対応関係を処理済みでないと判定した場合(No)、ステップS107に進む。
(ステップS107)結合対応関係生成部102は、全ての第一の対応関係を選択済みか否か、つまり、第一の対応関係を処理済みであるか否かを判定する。全ての第一の対応関係を処理済みであると判定した場合(Yes)、ステップS102に戻る。一方、全ての第一の対応関係を処理済みでないと判定した場合(No)、動作を終了する。
このように、図2に示す動作では、結合対応関係生成部102は、第一の対応関係と、第二の対応関係を読み込んだ全ての対応関係の中からそれぞれ選択し、条件を満足するかどうかの結合判定を行いながら、結合対応関係を生成する。
【0028】
<結合対応関係の生成処理について>
図3は、本実施形態に係る結合対応関係の一例を示す概念図である。なお、結合対応関係の生成処理は、結合対応関係生成部102が行う。この図は、クエリコンテンツとしてファイル名「C2.mp3」の音楽データが入力された場合の図である。この図は、まず、第一の対応関係A(図3(A))と第二の対応関係B(図3(B))が入力され、結合対応関係(図3(C))が生成されたことを示す。なお、生成された結合対応関係は第二の対応関係(図3(D))として記憶部に記憶される。次に、第一の対応関係C(図3(E))と第二の対応関係(図3(D))とが入力され、結合対応関係(図3(F))が生成されたことを示す。
【0029】
結合対応関係生成部102は、対応関係Aから対応関係Cまでの対応関係について、クエリコンテンツと対応する蓄積時間区間を結合し、結合対応関係を生成する。クエリメタデータ生成部103は、結合できるかできないかを、q1を第一の対応関係のクエリ時間区間の始まり、q2を第二の対応関係のクエリ時間区間の始まり、d1を第一の蓄積時間区間の始まり、d2を第二の蓄積時間区間の始まり、θを予め決めておいた閾値(5秒)として、以下の式(1)を用いて判定する。
【0030】
【数1】
【0031】
上記式(1)を満たす場合、結合対応関係生成部102は、第一の対応関係と第二の対応関係とを結合する。つまり、式(1)は上記の結合条件である。
なお、閾値θが大きくなると、結合する結合対応関係の時間区間が長くなり、この時間区間に対応するメタデータには関連性のないメタデータが多く含まれてしまう。一方、閾値θが小さくなると、結合する結合対応関係の時間区間が短くなり、関連性のあるメタデータを結合できなくなる。本実施形態では、シミュレーションの結果、関連性のあるメタデータが含まれる適切な時間区間となる閾値θとして、5秒を選択している。なお、この閾値は、5秒から数秒前後してもよい。
【0032】
図3の例では、図3(A)に示す対応関係Aを第一の対応関係、図3(B)に示す対応関係Bを第二の対応関係として、式(1)の左辺が「0」になるので、式(1)を満たす。この場合、結合対応関係生成部102は、図3(C)に示すように、対応関係Aと対応関係Bを結合する。
また、図3(D)に示す結合した対応関係を第一の対応関係、図3(E)に示す対応関係Cを第二の対応関係として、式(1)が「0」になるので、式(1)を満たす。この場合、結合対応関係生成部102は、図3(F)に示すように、対応関係Aと、AとBとの結合対応関係を結合する。その結果、図3(F)に示すように、対応関係Aから対応関係Cまでが結合され1つの結合対応関係となる。例えば、図3(F)は、クエリコンテンツID「C2.mp3」のクエリコンテンツの「3分21秒」から「3分43秒」と、蓄積コンテンツID「C1.wav」の蓄積コンテンツの「14秒」から「30秒」との結合対応関係が生成されたことを示す。
なお、上記の例では、時間区間の始まりを用いて結合可能か判定を行ったが、時間区間の終わりを用いてもよい。
【0033】
また、結合対応関係生成部102は、第一、第二の対応関係に加えて、第三の対応関係を選択し、これらの対応関係の時間区間の差分の比を結合条件としてもよい。例えば、結合対応関係生成部102は、結合条件を、q1を第一の対応関係のクエリ時間区間の始まり、q2を第二の対応関係のクエリ時間区間の始まり、q3を第三の対応関係のクエリ時間区間の始まり、d1を第一の蓄積時間区間の始まり、d2を第二の蓄積時間区間の始まり、d3を第三の蓄積時間区間の始まり、θを予め決めておいた閾値(0.5)として、以下の式(2)を用いて判定する。なお、この閾値θも、シミュレーションの結果、関連性のあるメタデータが含まれる適切な時間区間となる閾値θとして、0.5を選択している。
【0034】
【数2】
【0035】
上記式(2)を満たす場合、結合対応関係生成部102は、第一の対応関係と第二の対応関係と第三の対応関係とを結合する。なお、結合対応関係生成部102は、結合の条件を満たす対応関係の時間区間の始まりのうち最も小さい時間を結合後の時間区間の始まりとし、対応関係の時間区間の終わりのうち最も大きい時間を結合後の時間区間の終わりとして、この時間区間を結合対応関係の時間区間にする。
【0036】
また、上記では時間区間に基づいて対応関係を結合する場合について説明をしたが、本発明はこれに限らず、位置領域に基づいて対応関係を結合してもよい。この場合、対応関係として、2次元画像中の部分画像のような領域毎にコンテンツIDと位置領域情報を取得する。この場合、結合対応関係生成部102は、以下のような結合条件を用いて、結合するかしないかを判定してもよい。例えば、結合対応関係生成部102は、q1=(q11,q12,q13,q14)を第一の対応関係のクエリコンテンツの2次元座標の縦軸の上限値、下限値、横軸の上限値、下限値からなる領域を表すベクトルとし、q2=(q21,q22,q23,q24)を第二の対応関係のクエリコンテンツの縦軸の上限値、下限値、横軸の上限値、下限値からなる領域を表すベクトルとし、d1=(d11,d12,d13,d14)を第一の蓄積コンテンツの左上の縦軸の上限値、下限値、横軸の上限値、下限値からなる領域を表すベクトルとし、d2=(d21,d22,d23,d24)を第二の蓄積コンテンツの左上の縦軸の上限値、下限値、横軸の上限値、下限値からなる領域を表すベクトルとし、θ=(θ1,θ2,θ3,θ4)を予め決めておいた閾値として、以下の式(3)〜(6)を用いて判定する。
【0037】
【数3】
【0038】
上記式(3)〜(6)のすべてを満たす場合、結合対応関係生成部102は、第一の対応関係と第二の対応関係とを結合する。
【0039】
<メタデータの生成処理について>
図4は、本実施形態に係るメタデータの一例を示す概念図である。クエリメタデータ生成部103は、結合対応関係生成部102が生成した結合対応関係のクエリコンテンツのメタデータに、対応する蓄積コンテンツのメタデータを加えたメタデータを、新たなクエリコンテンツのメタデータとして生成する。この図は、図3(C)に示す結合対応関係に基づいて行うメタデータの生成処理前後のメタデータを示す。
【0040】
図4(A)は、メタデータの生成処理前のメタデータを示す概略図である。この図は、生成処理前、クエリコンテンツID「C2.mp3」のクエリ時間区間「03:21−03:40」について、メタデータがないこと示す。また、この図は、生成処理前、蓄積コンテンツID「C1.wav」の蓄積時間区間「00:14−00:27」についてのメタデータが、「楽曲名:ABC、ジャンル:ロック、アーチスト:○○太郎」であることを示す。
図4(B)は、メタデータの生成処理後のメタデータを示す概略図である。この図は、生成処理後、クエリコンテンツID「C2.mp3」のクエリ時間区間「03:21−03:40」についてのメタデータが、「楽曲名:ABC、ジャンル:ロック、アーチスト:○○太郎」であることを示す。つまり、クエリメタデータ生成部103が、図3(F)に示す結合対応関係のクエリコンテンツ(C2.mp3)のメタデータに、対応する蓄積コンテンツ(C1.wav)のメタデータを加えたメタデータを、クエリコンテンツの新たなメタデータとして生成したことを示す。なお、メタデータには蓄積コンテンツIDが含まれてもよい。また、本実施形態では、生成するメタデータがクエリ時間区間のメタデータである場合について説明したが、本発明はこれに限らず、クエリコンテンツ全体のメタデータとしてメタデータを生成してもよい。
【0041】
以上の結合対応関係の生成処理及びメタデータの生成処理をくり返すことにより、メタデータ管理装置は、メタデータを結合して生成することができる。例えば、クエリコンテンツID「C2.mp3」のクエリ時間区間「03:21−03:43」に対し、対応蓄積コンテンツID「C1.wav」の時間区間「00:14−00:30」のメタデータを追加することができる。
【0042】
このように、本実施形態では、メタデータ管理装置は、クエリとなるクエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、当該区間あるいは領域のクエリコンテンツの信号に類似する信号の蓄積コンテンツの区間あるいは領域および当該蓄積コンテンツIDとからなる対応関係を複数取得し、これら複数の対応関係を結合して結合対応関係を生成し、この結合対応関係を用いて、クエリ時間区間ごとにメタデータを生成している。これにより、メタデータを付与する手間を利用者にかけさせることなく、クエリコンテンツの区間あるいは領域についてのメタデータを生成することができ、さまざまな情報を時刻ごとに対応付けることができる。
【0043】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図面を用いて説明する。なお、第1の実施形態では、クエリコンテンツに対応する蓄積コンテンツが1つである場合について説明した。クエリコンテンツに対応する蓄積コンテンツが複数ある場合、蓄積コンテンツ毎に、クエリコンテンツと蓄積コンテンツとの結合対応関係が生成される。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る結合対応関係の一例を示す概念図である。この図は、クエリコンテンツに対応する蓄積コンテンツが複数ある場合の結合対応関係の一例である。この図は、クエリコンテンツID「C3.mpeg」のクエリコンテンツに対して、蓄積コンテンツID「C4.mpeg」、「C5.wav」、「C6.wmv」、「C7.mp3」の蓄積コンテンツが対応する場合の結合対応関係を示す。対応関係1〜4は、それぞれ、蓄積コンテンツID「C4.mpeg」、「C5.wav」、「C6.wmv」、「C7.mp3」の蓄積コンテンツに対応する結合対応関係である。例えば、結合対応関係2は、クエリコンテンツID「C3.mpeg」のクエリコンテンツの「0分0秒」から「3分50秒」に、蓄積コンテンツID「C4.mpeg」の蓄積コンテンツの「2分31秒」から「6分31秒」が対応することを示す。
本実施形態では、結合対応関係に基づいて、メタデータ管理装置が蓄積コンテンツに付与されているメタデータ以外の情報、例えば出現頻度ヒストグラムの情報等を付与する。
【0044】
<メタデータ管理装置の構成について>
図6は、本実施形態のメタデータ管理装置の構成を示す概略ブロック図である。この図において、メタデータ管理装置は、コンテンツ対応関係取得部201、結合対応関係生成部202、対応領域出現頻度計算部203、及びクエリメタデータ生成部204を含んで構成される。また、メタデータ管理装置は、クエリコンテンツIDおよびクエリコンテンツの区間あるいは領域と、蓄積コンテンツIDおよび蓄積コンテンツの区間あるいは領域を入力とし、クエリデータに付与するクエリメタデータを出力とする。
【0045】
コンテンツ対応関係取得部201は、クエリとなるクエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、当該区間あるいは領域のクエリコンテンツの信号に類似する信号の蓄積コンテンツの区間あるいは領域および当該蓄積コンテンツIDと、からなる対応関係を複数取得する。
結合対応関係生成部202は、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび当該蓄積コンテンツの区間あるいは領域の複数の対応関係を結合して、結合対応関係を生成する。
【0046】
対応領域出現頻度計算部203は、上述の結合対応関係からクエリコンテンツの区間あるいは領域ごとの蓄積コンテンツ中の出現頻度を表すヒストグラムを計算する。
クエリメタデータ生成部204は、クエリコンテンツの区間あるいは領域、またはクエリコンテンツ全体についてのメタデータを対応するヒストグラムに基づいて生成する。
【0047】
<メタデータ管理装置の動作について>
次に、上述したコンテンツ対応関係取得部201からクエリメタデータ生成部204における処理を具体的に説明する。上記の第1の実施形態と同様に、コンテンツ対応関係取得部201は、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび時間区間と、当該クエリコンテンツに対応するデータベース中の蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび時間区間を取得する。結合対応関係生成部202では、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび時間区間と、蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび時間区間の複数の対応関係について、少なくとも1つ以上の対応関係を結合して、結合対応関係を生成する。
次に、対応領域出現頻度計算部203は、以下のようにしてヒストグラムを計算する。
【0048】
図7は、本実施形態に係る対応領域出現頻度計算部203の動作の一例を示すフローチャートである。
(ステップS201)対応領域出現頻度計算部203は、結合対応関係生成部202が生成した結合対応関係を読み込む。その後、ステップS202に進む。
(ステップS202)対応領域出現頻度計算部203は、ステップS201で読み込んだ結合対応関係のクエリコンテンツIDを選択する。その後、ステップS203に進む。
(ステップS203)対応領域出現頻度計算部203は、ヒストグラム配列を生成し、ヒストグラム配列中の出現頻度を空にする。つまり、出現頻度を「0」回にする。その後、ステップS204に進む。ここで、ヒストグラム配列は、例えば、クエリ時間区間を10秒間の時間区間(ビンの幅)で区切った区間各々の出現頻度を示す。
【0049】
(ステップS204)対応領域出現頻度計算部203は、ステップS202で選択したクエリコンテンツIDの結合対応関係であって、あるステップS204〜S206の繰り返しにおいて前回までのステップS204で選択した結合対応関係以外の結合対応関係を、1つ選択する。また、対応領域出現頻度計算部203は、選択した結合対応関係の蓄積コンテンツIDを抽出する。つまり、選択されたコンテンツIDに対応する結合対応関係について蓄積コンテンツIDを選択する。その後、ステップS205に進む。
(ステップS205)対応領域出現頻度計算部203は、ステップS204にて選択した結合対応関係のクエリ時間区間を抽出する。例えば、ステップS204にて図6中の結合対応関係2が選択された場合、対応領域出現頻度計算部203は、「00:50−02:10」を抽出する。対応領域出現頻度計算部203は、抽出した時間区間が、ヒストグラム配列が示す時間区間に含まれる場合、その時間区間の出現頻度を「1」回加算してインクリメントする(図8参照)。
このように、対応領域出現頻度計算部203は、クエリ時間区間について該当するヒストグラム配列中の時間区間の出現頻度をインクリメントする。その後、ステップS206に進む。
【0050】
(ステップS206)対応領域出現頻度計算部203は、ステップS203で全ての蓄積コンテンツIDを選択したか否かを判定する。つまり、全ての蓄積クエリコンテンツについて処理済みであるか否かを判定する。全ての蓄積クエリコンテンツについて処理済みであると判定した場合、ステップS207に進む。一方、全ての蓄積クエリコンテンツについて処理済みでないと判定した場合、ステップS204に戻る。
(ステップS207)対応領域出現頻度計算部203は、全てのクエリコンテンツIDについて、ステップS202で選択を行ったか否かを判定する。つまり、全てのクエリコンテンツを処理済みであるか否かを判定する。全てのクエリコンテンツについて処理済みであると判定した場合、ステップS208に進む。一方、全ての蓄積クエリコンテンツについて処理済みでないと判定した場合、ステップS202に戻る。
(ステップS208)対応領域出現頻度計算部203は、ヒストグラム配列の結果、つまり、計算した出現頻度のヒストグラムを出力する。その後、動作を終了する。
【0051】
上記の対応領域出現頻度計算部203の動作後、クエリメタデータ生成部204は、対応領域出現頻度計算部203から出力された出現頻度のヒストグラムを示す情報を、メタデータに追加する。
【0052】
図8は、本実施形態に係る出現頻度のヒストグラムの一例を示す概念図である。この図は、図5に示した結合対応関係が入力された場合のヒストグラムを示す。
図8は、クエリコンテンツID「C3.mpeg」の時間区間「00:00−03:00」のクエリコンテンツのヒストグラムを示す。例えば、この図は、時間区間「00:50−00:59」及び「01:00−01:09」の出現頻度が「3」回であり、時間区間「01:10−01:09」、「01:10−01:19」、及び「01:20−01:29」の出現頻度が「4」回であることを示す。
このように、対応領域出現頻度計算部203は、結合対応関係のクエリコンテンツ側の時間区間をクエリコンテンツごとにリストアップし、出現頻度を時間ごとに計数することになる。
なお、本実施形態では、ヒストグラムビンの幅(時間区間)を10秒としたが、本発明はこれに限られず、ヒストグラムのビンの幅を調節することにより、メタデータを付与する時間区間の分解能を変更してもよい。また、メタデータとして付与された出現頻度ヒストグラムは、後述する第3の実施形態のメタデータ取得部307で検索の検索キー又は検索結果としての出力に用いられる。
【0053】
このように、本実施形態では、メタデータ管理装置は、結合対応関係からクエリコンテンツの区間あるいは領域ごとの蓄積コンテンツ中の出現頻度を表すヒストグラムを計算し、クエリコンテンツの区間あるいは領域、またはクエリコンテンツ全体についてのメタデータを対応するヒストグラムに基づいて生成する。これにより、メタデータ管理装置は、出現頻度ヒストグラムの情報等を付与することができる。
【0054】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について図面を用いて説明する。本実施形態では、新たなクエリコンテンツが追加されたときに、メタデータを最新の情報に更新する場合について説明をする。
【0055】
<メタデータ管理装置の構成について>
図9は、本発明の第3の実施形態に係るメタデータ管理装置の構成を示すブロック図である。この図において、メタデータ管理装置は、コンテンツ対応関係取得部301、結合対応関係生成部302、対応領域出現頻度計算部303、クエリメタデータ生成部304、メタデータ蓄積部305、蓄積メタデータ更新部306、及びメタデータ取得部307を含んで構成される。また、メタデータ管理装置は、クエリコンテンツIDおよびクエリコンテンツの区間あるいは領域と、蓄積コンテンツIDおよび蓄積コンテンツの区間あるいは領域を入力とし、クエリデータに付与するクエリメタデータを出力とする。
【0056】
コンテンツ対応関係取得部301は、クエリとなるクエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、当該区間あるいは領域のクエリコンテンツの信号に類似する信号の蓄積コンテンツの区間あるいは領域および当該蓄積コンテンツIDと、からなる対応関係を複数取得する。
結合対応関係生成部302は、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび当該蓄積コンテンツの区間あるいは領域の複数の対応関係を結合して、結合対応関係を生成する。
対応領域出現頻度計算部303は、上述の結合対応関係からクエリコンテンツの区間あるいは領域ごとの蓄積コンテンツ中の出現頻度を表すヒストグラムを計算する。
【0057】
クエリメタデータ生成部304は、クエリコンテンツの区間あるいは領域、またはクエリコンテンツ全体についてのメタデータを対応するヒストグラムに基づいて生成する。
メタデータ蓄積部305は、処理後のクエリコンテンツと蓄積コンテンツの対応関係をデータベース308に蓄積する。
蓄積メタデータ更新部306は、蓄積済みのクエリコンテンツと蓄積コンテンツの対応関係に、新規に入力された対応関係を追加して更新する。
メタデータ取得部307は、蓄積済みのメタデータからメタデータを取得する。
【0058】
<メタデータ管理装置の動作について>
次に、上述したコンテンツ対応関係取得部301からメタデータ取得部307における処理を具体的に説明する。上記の第1実施形態と同様に、コンテンツ対応関係取得部301は、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび時間区間と、当該クエリコンテンツに対応するデータベース中の蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび時間区間を取得する。結合対応関係生成部302では、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび時間区間と、蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび時間区間の複数の対応関係について、少なくとも1つ以上の対応関係を結合して、結合対応関係を生成する。前述の第2の実施形態と同様に、結合対応関係からクエリコンテンツの区間あるいは領域ごとの蓄積コンテンツ中の出現頻度を表すヒストグラムを計算する。クエリメタデータ生成部304は、クエリコンテンツの区間あるいは領域、またはクエリコンテンツ全体についてのメタデータを対応するヒストグラムに基づいて生成する。メタデータ蓄積部305は、クエリメタデータ生成部304が生成した結合対応関係をデータベース308に蓄積する。
次に、蓄積メタデータ更新部306は、以下のようにして対応関係を追加して更新する。
【0059】
図10は、本実施形態に係る蓄積メタデータ更新部306の動作の一例を示すフローチャートである。
(ステップS301)蓄積メタデータ更新部306は、結合対応関係とメタデータとを抽出し、メタデータから出現頻度ヒストグラムを読み込む。つまり、蓄積メタデータ更新部306は、結合対応関係と出現頻度ヒストグラムを読み込む。その後、ステップS302に進む。
(ステップS302)蓄積メタデータ更新部306は、結合対応関係の蓄積コンテンツに該当する蓄積済みメタデータ中のクエリコンテンツIDを選択する。具体的には、蓄積メタデータ更新部306は、ステップS301で読み込んだ出現頻度ヒストグラムのクエリコンテンツID(例えば、図8では「C3.mpeg」)を選択する。その後、ステップS303に進む。
(ステップS303)蓄積メタデータ更新部306は、新たなクエリコンテンツの入力を待つ。その後、ステップS304に進む。
【0060】
(ステップS304)蓄積メタデータ更新部306は、選択された蓄積済みメタデータのクエリコンテンツIDに対応する蓄積コンテンツとして、結合対応関係のクエリコンテンツを追加する。具体的には、蓄積メタデータ更新部306は、新たなクエリコンテンツが入力されると、その結合対応関係を抽出する。蓄積メタデータ更新部306は、ステップS302にて選択したクエリコンテンツIDのうち、抽出した結合対応関係の蓄積コンテンツIDと同じクエリコンテンツIDを選択する。また、蓄積メタデータ更新部306は、抽出した結合対応関係のクエリコンテンツIDを蓄積コンテンツIDとして選択する。その後、ステップS305に進む。
(ステップS305)蓄積メタデータ更新部306は、選択された蓄積済みメタデータの出現頻度ヒストグラムをインクリメントする。具体的には、蓄積メタデータ更新部306は、ステップS304で選択したコンテンツIDの出現頻度ヒストグラムであってステップS301で読み込んだ出現頻度ヒストグラムから、ヒストグラム配列と当該ヒストグラム配列が示す時間区間を抽出する。蓄積メタデータ更新部306は、ステップS304にて抽出した結合対応関係の蓄積時間区間が、抽出したヒストグラム配列が示す時間区間に含まれる場合、その時間区間の出現頻度を「1」回加算してインクリメントし、当該出現頻度ヒストグラムを更新する。その後、ステップS306に進む。
【0061】
(ステップS306)蓄積メタデータ更新部306は、ステップS303で入力された全てのクエリコンテンツを処理済みであるか否かを判定する。全てのクエリコンテンツを処理済みであると判定した場合、動作を終了する。一方、全てのクエリコンテンツを処理済みでないと判定した場合、ステップS303に戻る。
このように、蓄積メタデータ更新部306は、新規にクエリコンテンツが入力されると、蓄積済みのクエリコンテンツと蓄積コンテンツの対応関係に新規に入力された対応関係を追加して更新する。
【0062】
メタデータ取得部307では、メタデータ取得命令が入力されると、指定されたメタデータを出力する。メタデータ取得命令は、例えば、コンテンツIDと時間区間を含む情報である。なお、メタデータ取得部307は、検索結果として、メタデータに付与したヒストグラムが示す出現頻度を取得して出力してもよいし、メタデータ取得命令に含まれる出現頻度からメタデータを検索してもよい。ここで、メタデータ取得部307は、検索結果としてヒストグラムが示す出現頻度が高い時間区間を示す情報を出力してもよいし、ヒストグラムが示す出現頻度が順に従って検索結果(例えば、蓄積コンテンツIDやそのコンテンツ名)を並び換えて出力してもよい。すなわち、メタデータ取得部307は、取得したヒストグラムが示す出現頻度に基づいて、検索結果の出力順序を決定する。このように、出現頻度ヒストグラムの情報を用いて、蓄積コンテンツの優先順位付けを行うことが可能になる。
以上により、メタデータ管理装置は、新たなクエリコンテンツが追加された場合に、指定したコンテンツID、時間区間に対応するメタデータを更新することが可能となる。
【0063】
以下、新たなクエリコンテンツが追加された場合のメタデータについて説明をする。なお、出現頻度ヒストグラムについては上述したので、説明は省略する。
図11は、本実施形態に係るメタデータの一例を示す概念図である。この図は、図4(B)に示すメタデータが蓄積コンテンツのメタデータとして記憶されている場合に、新たなクエリコンテンツ(コンテンツID「C8.mpeg」)が追加された場合を示す。
【0064】
図11(A)は、メタデータの生成処理前のメタデータを示す概略図である。この図は、生成処理前、クエリコンテンツID「C8.mpeg」のクエリコンテンツのメタデータが「ジャンル1:ドラマ、ジャンル2:サスペンス、出演者:△△花子」であることを示す。また、この図は、生成処理前、蓄積コンテンツID「C1.wav」及び「C2.mp3」のメタデータが、「楽曲名:ABC、ジャンル:ロック、アーチスト:○○太郎」であることを示す。
図11(B)は、メタデータの生成処理後のメタデータを示す概略図である。この図は、生成処理後、クエリコンテンツID「C8.mpeg」のクエリコンテンツのメタデータが、「ジャンル1:ドラマ、ジャンル2:サスペンス、出演者:△△花子、楽曲名:ABC、ジャンル:ロック、アーチスト:○○太郎」であることを示す。つまり、クエリメタデータ生成部303が、クエリコンテンツ(C8.mpeg)のメタデータに、対応する蓄積コンテンツ(C1.wav、C2.mp3)のメタデータを加えたメタデータを、クエリコンテンツの新たなメタデータとして生成したことを示す。
このように、メタデータ管理装置は、蓄積コンテンツのメタデータをクエリコンテンツのメタデータに加えたメタデータを、クエリコンテンツのメタデータとして生成する。これにより、メタデータ管理装置は、利用者がメタデータを付与する手間をかけることなく、クエリコンテンツのメタデータを追加し、充実させることができる。例えば、図11の例では、映像のクエリコンテンツに楽曲情報が追加されている。このように、メタデータ管理装置は、例えば、映像のシーンで流れるBGM(BackGround Music)の楽曲を検索し、映像のクエリコンテンツのメタデータに検索した楽曲の情報を追加することができる。
【0065】
このように、本実施形態によれば、メタデータ管理装置は、蓄積済みのクエリコンテンツと蓄積コンテンツの対応関係に新規に入力された対応関係を追加して更新する。例えば、メタデータ管理装置は、新たなコンテンツが追加された場合に、メタデータ、例えば、出現頻度ヒストグラムを更新する。これにより、メタデータ管理装置は、メタデータを付与する手間を利用者にかけさせることなく、メタデータを更新することができ、また、最新の情報を含むメタデータを提供することができる。
【0066】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について図面を用いて説明する。
【0067】
<メタデータ管理装置の構成について>
図12は、本発明の第4の実施形態のメタデータ管理装置の構成を示す概略ブロック図である。この図において、メタデータ管理装置は、コンテンツ対応関係取得部401、結合対応関係生成部402、対応領域出現頻度計算部403、クエリメタデータ生成部404、メタデータ蓄積部405、蓄積メタデータ更新部406、メタデータ取得部407、及びメタデータ索引部409を含んで構成される。また、メタデータ管理装置は、クエリコンテンツIDおよびクエリコンテンツの区間あるいは領域と、蓄積コンテンツIDおよび蓄積コンテンツの区間あるいは領域を入力とし、クエリデータに付与するクエリメタデータを出力とする。
【0068】
コンテンツ対応関係取得部401は、クエリとなるクエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、当該区間あるいは領域のクエリコンテンツの信号に類似する信号の蓄積コンテンツの区間あるいは領域および当該蓄積コンテンツIDと、からなる対応関係を複数取得する。
結合対応関係生成部402は、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび当該蓄積コンテンツの区間あるいは領域の複数の対応関係を結合して、結合対応関係を生成する。
【0069】
対応領域出現頻度計算部403は、上述の結合対応関係からクエリコンテンツの区間あるいは領域ごとの蓄積コンテンツ中の出現頻度を表すヒストグラムを計算する。
クエリメタデータ生成部404は、クエリコンテンツの区間あるいは領域、またはクエリコンテンツ全体についてのメタデータを対応するヒストグラムに基づいて生成する。
メタデータ蓄積部405は、処理後のクエリコンテンツと蓄積コンテンツの対応関係をデータベース408に蓄積する。
蓄積メタデータ更新部406は、蓄積済みのクエリコンテンツと蓄積コンテンツの対応関係に新規に入力された対応関係を追加して更新する。
メタデータ索引部409は、メタデータの索引付けを行う。
メタデータ取得部407は、蓄積済みのメタデータからメタデータを取得する。
【0070】
<メタデータ管理装置の動作について>
次に、上述したコンテンツ対応関係取得部401からメタデータ取得部408における処理を具体的に説明する。
前述の第1実施形態と同様に、コンテンツ対応関係取得部401は、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび時間区間と、当該クエリコンテンツに対応するデータベース中の蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび時間区間を取得する。結合対応関係生成部402では、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび時間区間と、蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび時間区間の複数の対応関係について、少なくとも1つ以上の対応関係を結合して、結合対応関係を生成する。前述の第2の実施形態と同様に、対応領域出現頻度計算部403で出現頻度を表すヒストグラムが計算されている場合は、ヒストグラムも蓄積する。そして、クエリメタデータ生成部404は、対応領域出現頻度計算部303によって得られた出現頻度をメタデータとして出力し、メタデータ蓄積部305は、クエリメタデータ生成部404の処理後のクエリコンテンツと蓄積コンテンツの対応関係を蓄積する。そして、前述の第3の実施形態と同様に、蓄積メタデータ更新部406では、蓄積済みのクエリコンテンツと蓄積コンテンツの対応関係に新規に入力された対応関係を追加して更新する。
メタデータ索引部409は、以下のようにしてメタデータの索引付けを行う。
【0071】
図13は、本実施形態に係るメタデータ索引部409の動作の一例を示すフローチャートである。
(ステップS401)メタデータ索引部409は、結合対応関係とメタデータを読み込む。その後、ステップS402に進む。
(ステップS402)メタデータ索引部409は、メタデータの入力を待つ。その後、ステップS403に進む。
(ステップS403)メタデータ索引部409は、メタデータが入力されると、メタデータをキーとして結合対応関係を登録する。例えば、メタデータ索引部409は、メタデータ中のキーワードを抽出し、また、当該メタデータが付与されたコンテンツのファイル名に基づいて結合対応関係を抽出する。メタデータ索引部409は、抽出したキーワードと、結合対応関係中のクエリコンテンツID、クエリ時間区間、蓄積コンテンツID、或いは蓄積時間区間と、を索引付けする。また、メタデータ索引部409は、抽出したキーワードと、このキーワードを含む結合対応関係のクエリ時間区間と、を抽出して出現頻度ヒストグラムを計算し、計算したヒストグラムとキーワードと索引付けする。例えば、メタデータ索引部409は、抽出したクエリ時間区間が、ヒストグラム配列が示す時間区間(ビンの幅;例えば、10秒)に含まれる場合、その時間区間の出現頻度を「1」回加算してインクリメントすることを、抽出したクエリ時間区間のすべてについてくり返す。その後、ステップS404に進む。
(ステップS404)
メタデータ索引部409は、全ての結合対応関係とメタデータを処理済みであるか否かを判定する。全ての結合対応関係とメタデータを処理済みであると判定した場合(No)、ステップS402に戻る。全ての結合対応関係とメタデータを処理済みであると判定した場合(Yes)、動作を終了する。
【0072】
以上の動作により、キーワードに対応するメタデータを生成することが可能となる。
メタデータ取得部407は、メタデータ取得命令に従って、蓄積済みのメタデータからメタデータを取得する。メタデータ取得命令には、例えば、利用者が入力したキーワードが含まれる。メタデータ索引部409で、索引付けされているキーワードがメタデータ取得命令として指定された場合、そのキーワードで登録されているメタデータを出力する。
【0073】
このように、本実施形態では、メタデータ管理装置が、メタデータの索引付けを行う。これにより、メタデータを容易に検索することができる。例えば、メタデータ中のキーワードからクエリコンテンツID、クエリ時間区間、蓄積コンテンツID、或いは蓄積時間区間を検索でき、又は、その逆の検索を迅速に行うことができる。また、本実施形態では、メタデータ管理装置が、メタデータ中のキーワードと、そのキーワードと関連付けられたコンテンツの出現頻度ヒストグラムと、を索引付けするので、キーワードからそのキーワードに関連するコンテンツの出現頻度を容易かつ迅速に検索することができる。
【0074】
図14〜図16は、メタデータ取得部307、407が表示するメタデータの一例を示す図である。
図14は、結合対応関係での蓄積コンテンツIDの数が多い順にその蓄積コンテンツへのパス及び蓄積コンテンツのファイル名(URL)を表示している画面である。具体的には、メタデータ取得部307、407は、すべての結合対応関係の蓄積コンテンツIDとクエリコンテンツIDとの組を抽出し、重複を排除する。次に、メタデータ取得部307、407は、重複を排除した組の蓄積コンテンツIDを集計し、集計した蓄積コンテンツIDの数が多い順に、その蓄積コンテンツのURLを表示する。なお、メタデータ取得部307、407は、重複を排除することで蓄積コンテンツが含まれているクエリコンテンツの数を集計しているが、本発明はこれに限らず、重複を排除しなくてもよい。なお、クエリコンテンツに蓄積コンテンツが含まれていることを、蓄積コンテンツの二次利用という。
この図において、例えば、順位が「1」位の蓄積コンテンツは、二次利用頻度「21」件のクエリコンテンツに含まれ、そのURLが「http://XXXX/database/cid0002931.flv」であることを示す。
【0075】
図15は、図14にて符号P1で示したURLが選択されてクリックされた場合に表示される画面である。図15は、図14にて選択された蓄積コンテンツをクエリコンテンツとして、そのコンテンツの出現頻度ヒストグラムを表示していることを示す。
例えば、図15において、出現頻度が最も高い時間区間は、二次利用頻度が最もの高い「9」件の区間であり、時刻が「00:00:20−00:0040」の区間である。
人気があるコンテンツなど利用者の嗜好が強いコンテンツは、頻繁に放送等がなされ、また、多くの利用者がサーバ等にコンテンツをアップロードする。つまり、蓄積コンテンツの出現頻度が高い時間区間では、検索コンテンツが嗜好の強い蓄積コンテンツであり、同じ信号の蓄積コンテンツが複数存在する可能性が高い。よって、この出現頻度が高い時間区間では、検索コンテンツに合致した蓄積コンテンツを選択することができ、そのメタデータを選択することができる可能性が高い。図15では、メタデータ取得部307、407が出現頻度ヒストグラムを出力するので、出現頻度が高い時間区間のメタデータを選択することができ、検索コンテンツに合致したメタデータを表示することができる。
【0076】
図16は、図15にて符号P2で示した「詳細」が選択されてクリックされた場合に表示される画面である。図16は、図15のクエリコンテンツ(コンテンツIDが「cid0002931」)で選択された時刻(本例では、「00:00:20−00:00:40」)の蓄積コンテンツのメタデータを表示していることを示す。例えば、画面の上部に表示された一覧の下から2番目のメタデータは、コンテンツが「映像」メディア、結合対応関係に含まれるクエリコンテンツ上の時間区間(対応区間1という)が「00:00:00−00:00:23」、蓄積コンテンツのURLが「http://XXXX/database/cid6283258.flv」、対応する蓄積コンテンツ上の区間(対応区間2という)が「00:00:00−00:00:23」であることを示す。
【0077】
また、図16は、蓄積コンテンツのメタデータが、蓄積区間長(対応区間1の時間区間)が長い順に並び替えられて表示されていることを示す。例えば、画面の上部に表示された一覧の下から1番目、2番目のメタデータは、それぞれ、蓄積区間長が22秒、23秒であることを示す。
また、上から1番目のメタデータと下から1番目のメタデータとを比較すると、同じメディア(「音楽))、同じURL(蓄積コンテンツID「cid0242456.flv」)にもかかわらず、対応区間2が異なる。一般に音楽では、同じメロディと歌詞をくり返すことがある(1回目を1コーラス目、2回目を2コーラス目という)。つまり、上から1番目のメタデータは、cid0242456.flv中の音楽の全体の信号が類似する信号として抽出され、下から1番目のメタデータは、cid0242456.flv中の音楽の2コーラス目の一部の信号が、クエリコンテンツ(cid0002931.flv)の1コーラス目の信号と類似する信号として抽出されていることを示す。
また、画面下部の画像は、符号P3で示した対応区間「00:00:00−00:00:23」がクリックされた場合の動画である。検索対象動画G1は、クエリコンテンツ(コンテンツIDが「cid0002931」)のうち対応区間1の動画が表示されていることを示す。また、一致動画G2は、蓄積コンテンツ(コンテンツID「cid6283258.flv」)のうち検索対象動画G1として表示されている時刻と対応する時刻の動画が表示されていることを示す。また、図16は、一致動画G2では、検索対象動画G1に文字列(テロップ)が追加された動画であることを示す。このように、クエリコンテンツと対応する蓄積コンテンツを表示することにより、利用者が追加情報を得ることもできる。
【0078】
なお、上述した実施形態におけるメタデータ管理装置の一部、をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、メタデータ管理装置に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、特に、複数の楽曲や映像を加工したり合成したりして作成された編集済みコンテンツについてのメタデータを加工前のオリジナルのコンテンツのメタデータから生成して作成するような場合のように、メタデータを再利用する場合に利用することができる。
【符号の説明】
【0080】
101,201,301,401・・・コンテンツ対応関係取得部、102,202,302,402・・・結合対応関係生成部、103,204,304,404・・・クエリメタデータ生成部、203,303,403・・・対応領域出現頻度計算部、305,405・・・メタデータ蓄積部、306,406・・・蓄積メタデータ更新部、307,407・・・メタデータ取得部、308,408・・・データベース、409・・・メタデータ索引部
【技術分野】
【0001】
本発明は、メタデータ管理装置、メタデータ管理方法、及び、メタデータ管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
映像コンテンツや楽曲コンテンツに関連する様々な付随情報を、メタデータとしてコンテンツに対して付与することが行われている。楽曲コンテンツを例にとると、曲名、アーチスト名、ジャンル等がメタデータとしてコンテンツに付与されている。さらに、コンテンツ全体に対するメタデータばかりでなく、歌唱映像に対して時間毎に付随する歌詞のテキスト情報、ドラマの映像に対して時間毎に付随する出演者情報等、コンテンツ中の所定の区間あるいは領域に対するメタデータがコンテンツの所定の区間あるいは領域に対して付与されている。
【0003】
このように、再生コンテンツ中の区間あるいは領域に対するメタデータ生成するものとしては、従来、例えば特許文献1(特開2008−219608)に記載されているものがある。特許文献1に示されるものでは、再生コンテンツの特徴データの抽出開始時刻となる基準時刻が取得され、再生コンテンツから特徴データが抽出される。そして、その特徴データに基づいて、蓄積コンテンツ中の特徴データが探索され、再生コンテンツから導き出された特徴データに対応する蓄積コンテンツ中の時刻が該当基準時刻として特定され、再生コンテンツの現在の再生時刻が取得される。そして、再生時刻と基準時刻と該当基準時刻とに基づいて再生該当基準時刻が計算され、蓄積コンテンツ中の時刻ごとに対応付けられたメタデータの中から、再生該当基準時刻に該当する時刻に対応付けられたメタデータが選択される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−219608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示されるものでは、基準時刻を用いることで、再生コンテンツとメタデータとの同期管理することが可能となり、再生コンテンツ中の区間あるいは領域に対するメタデータを生成することが可能になる。しかしながら、特許文献1に示されるものでは、コンテンツのメタデータを時刻ごとに管理する必要があり、時刻ごとのメタデータの付与のために手間がかかるという問題がある。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、メタデータを付与する手間を利用者にかけさせることなく、クエリコンテンツ中の区間あるいは領域のメタデータを生成することができるメタデータ管理装置、メタデータ管理方法、及び、メタデータ管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明は、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、当該区間あるいは領域のクエリコンテンツの信号に類似する信号の蓄積コンテンツの区間あるいは領域および当該蓄積コンテンツIDと、からなる対応関係を複数取得するコンテンツ対応関係取得部と、前記クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび前記クエリコンテンツの区間あるいは領域と、前記蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび前記蓄積コンテンツの区間あるいは領域との複数の対応関係を結合して結合対応関係を生成する結合対応関係生成部と、前記結合対応関係から前記クエリコンテンツの区間あるいは領域についてのメタデータまたはクエリコンテンツ全体についてのメタデータを、対応する蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDまたはメタデータのうち少なくとも1つ以上に基づいて生成するクエリメタデータ生成部と、を備えることを特徴とするメタデータ管理装置である。
【0008】
また、本発明は、上記メタデータ管理装置において、前記結合対応関係からクエリコンテンツの区間あるいは領域ごとの蓄積コンテンツ中の出現頻度を表すヒストグラムを計算する対応領域出現頻度計算部を備え、前記クエリメタデータ生成部は、前記対応領域出現頻度計算部が計算したヒストグラムを、当該結合対応関係のクエリコンテンツの区間あるいは領域またはクエリコンテンツ全体についてのメタデータとして付与することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記メタデータ管理装置において、検索結果として、前記クエリメタデータ生成部がメタデータに付与したヒストグラムが示す出現頻度を取得するメタデータ取得部を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記メタデータ管理装置において、前記メタデータ取得部は、取得したヒストグラムが示す出現頻度に基づいて、検索結果の出力順序を決定することを特徴とする
【0011】
また、本発明は、上記メタデータ管理装置において、処理後のクエリコンテンツと蓄積コンテンツの対応関係を蓄積するメタデータ蓄積部と、蓄積済みのクエリコンテンツと蓄積コンテンツの対応関係に新規に入力された対応関係を追加して更新する蓄積メタデータ更新部と、蓄積済みのメタデータからメタデータを取得するメタデータ取得部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記メタデータ管理装置において、メタデータの索引付けを行うメタデータ索引過程を有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、コンテンツ対応関係取得部が、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、当該区間あるいは領域のクエリコンテンツの信号に類似する信号の蓄積コンテンツの区間あるいは領域および当該蓄積コンテンツIDと、からなる対応関係を複数取得するコンテンツ対応関係取得過程と、結合対応関係生成部が、前記クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび前記クエリコンテンツの区間あるいは領域と、前記蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび前記蓄積コンテンツの区間あるいは領域との複数の対応関係を結合して結合対応関係を生成する結合対応関係生成過程と、クエリメタデータ生成部が、前記結合対応関係から前記クエリコンテンツの区間あるいは領域についてのメタデータまたはクエリコンテンツ全体についてのメタデータを、対応する蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDまたはメタデータのうち少なくとも1つ以上に基づいて生成するクエリメタデータ生成過程と、を有することを特徴とするメタデータ管理方法である。
【0014】
また、本発明は、コンピュータを、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、当該区間あるいは領域のクエリコンテンツの信号に類似する信号の蓄積コンテンツの区間あるいは領域および当該蓄積コンテンツIDと、からなる対応関係を複数取得するコンテンツ対応関係取得手段、前記クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび前記クエリコンテンツの区間あるいは領域と、前記蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび前記蓄積コンテンツの区間あるいは領域との複数の対応関係を結合して結合対応関係を生成する結合対応関係生成手段、前記結合対応関係から前記クエリコンテンツの区間あるいは領域についてのメタデータまたはクエリコンテンツ全体についてのメタデータを、対応する蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDまたはメタデータのうち少なくとも1つ以上に基づいて生成するクエリメタデータ生成手段、として機能させるメタデータ管理プログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、当該区間あるいは領域のクエリコンテンツの信号に類似する信号の蓄積コンテンツの区間あるいは領域および当該蓄積コンテンツIDとからなる対応関係を複数取得し、これら複数の対応関係を結合して結合対応関係を生成し、この結合対応関係を用いて、クエリコンテンツの時間区間ごとにメタデータを生成している。これにより、メタデータを付与する手間を利用者にかけさせることなく、クエリコンテンツの区間あるいは領域についてのメタデータを生成することができ、さまざまな情報を時刻ごとに対応付けることができる。また、本発明によれば、蓄積コンテンツに付与されているメタデータ以外の情報、例えば出現頻度ヒストグラムの情報等を付与することができる。さらに、例えば出現頻度ヒストグラムの情報を用いて、蓄積コンテンツの優先順位付けを行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るメタデータ管理装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】本実施形態に係るメタデータ管理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】本実施形態に係る結合対応関係の一例を示す概念図である。
【図4】本実施形態に係るメタデータの一例を示す概念図である。
【図5】本実施形態に係る結合対応関係の一例を示す概念図である。
【図6】本実施形態のメタデータ管理装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図7】本実施形態に係る対応領域出現頻度計算部の動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態に係る出現頻度のヒストグラムの一例を示す概念図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係るメタデータ管理装置の構成を示すブロック図である。
【図10】本実施形態に係る蓄積メタデータ更新部の動作の一例を示すフローチャートである。
【図11】本実施形態に係るメタデータの一例を示す概念図である。
【図12】本発明の第4の実施形態のメタデータ管理装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図13】本実施形態に係るメタデータ索引部の動作の一例を示すフローチャートである。
【図14】メタデータ取得部が表示するメタデータの一例を示す図である。
【図15】メタデータ取得部が表示するメタデータの別の一例を示す図である。
【図16】メタデータ取得部が表示するメタデータの別の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0018】
<メタデータ管理装置の構成について>
図1は、本発明の第1の実施形態に係るメタデータ管理装置の構成を示す概略ブロック図である。この図において、メタデータ管理装置は、コンテンツ対応関係取得部101、結合対応関係生成部102、及びクエリメタデータ生成部103を含んで構成される。また、メタデータ管理装置は、クエリコンテンツIDおよびクエリコンテンツの区間あるいは領域と、蓄積コンテンツIDおよび蓄積コンテンツの区間あるいは領域を入力とし、クエリデータに付与するクエリメタデータを出力とする。ここで、メタデータ管理装置に入力又は記憶されるコンテンツとは、例えば、動画や音楽等のコンテンツであり、利用者がメタデータ管理装置にアップロード、又は、コンピュータプログラムによって自動的にウェブサイトからメタデータ管理装置にダウンロードされたコンテンツである。
【0019】
コンテンツ対応関係取得部101は、クエリとなるクエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、当該区間あるいは領域のクエリコンテンツの信号に類似する信号の蓄積コンテンツの区間あるいは領域および当該蓄積コンテンツIDと、からなる対応関係を複数取得する。
結合対応関係生成部102は、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび当該蓄積コンテンツの区間あるいは領域の複数の対応関係を結合して、結合対応関係を生成する。具体的には、結合対応関係生成部102は、当該複数の対応関係のクエリコンテンツの時間区間(クエリ時間区間という)の差、および当該蓄積コンテンツの時間区間(蓄積時間区間という)の差、を計算する。結合対応関係生成部102は、計算した差に基づいて、複数の対応関係のクエリ時間区間および蓄積時間区間を結合し、クエリコンテンツIDおよび結合したクエリ時間区間と、蓄積コンテンツIDおよび結合した蓄積時間区間と、からなる結合対応関係を生成する。
クエリメタデータ生成部103は、結合対応関係生成部102が生成した結合対応関係から、クエリコンテンツの区間あるいは領域についてのメタデータ、またはクエリコンテンツの全体についてのメタデータを、対応する蓄積コンテンツの蓄積コンテンツID、メタデータのうちの少なくとも1つ以上に基づいて生成する。
【0020】
<メタデータ管理装置の動作について>
次に、上述したコンテンツ対応関係取得部101からクエリメタデータ生成部103における処理を具体的に説明する。
図2は、本実施形態に係るメタデータ管理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【0021】
(ステップS101)コンテンツ対応関係取得部101は、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび時間区間と、当該クエリコンテンツに対応するデータベース中の蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび時間区間を読み込む。そして、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび時間区間と、当該クエリコンテンツに対応するデータベース中の蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび時間区間との対応関係を複数取得する。
【0022】
ここで、コンテンツ対応関係取得部101は、特開2008−219608号公報の段落「0016」に記載された手法により、音または映像の対応区間を探索して得られた探索結果を使用して、対応関係を取得する。具体的には、コンテンツ対応関係取得部101は、記憶部(図示せず)が予め記憶する特徴系列であって蓄積コンテンツを3秒毎に16秒の長さに区切ったデータの特徴系列(蓄積特徴系列という)を読み出す。次に、コンテンツ対応関係取得部101は、クエリコンテンツの信号(入力信号という)中に窓(入力信号注目窓という)をかけ、当該入力信号注目窓内の信号について特徴量系列を生成する(生成した特徴量系列をクエリ特徴量系列という)。コンテンツ対応関係取得部101は、生成したクエリ特徴量系列と読み出した蓄積特徴系列との類似度合いを示す入力信号類似値を計算する。コンテンツ対応関係取得部101は、当該計算した入力信号類似値に基づいて、入力信号注目窓を移動できる量を示す移動可能量を計算し、その移動可能量に基づいて、入力信号注目窓の位置を決定し、その位置に該入力信号注目窓を設定する。さらに、コンテンツ対応関係取得部101は、これらの処理を繰り返すことによって、入力信号注目窓の各位置について、入力信号類似値を計算する。コンテンツ対応関係取得部101は、入力信号類似値が予め設定された閾値より大きい場合、クエリ特徴量系列と蓄積特徴系列とが一致すると判定し、閾値以下の場合、一致しないと判定する。
【0023】
コンテンツ対応関係取得部101は、クエリ特徴量系列と蓄積特徴系列とが一致すると判定した場合、次のように対応関係を生成する。コンテンツ対応関係取得部101は、探索に用いたクエリコンテンツのファイル名をクエリコンテンツIDとし、入力信号注目窓の区間をクエリ時間区間として抽出する。そして、探索の出力として得られた一致する蓄積コンテンツのIDを蓄積コンテンツID、その蓄積コンテンツのうちのクエリ時間区間と対応する箇所として出力された該当区間を、蓄積時間区間として抽出する。なお、蓄積コンテンツID(ファイル名)、クエリ時間区間、及び蓄積特徴系列の記憶場所を示す情報(パス、ファイル名)の対応付け情報は予め記憶部に記憶されている。
コンテンツ対応関係取得部101は、抽出したクエリコンテンツID、クエリ時間区間、蓄積コンテンツID、及び蓄積時間区間を対応付けた対応関係を生成する。その後、ステップS102に進む。
【0024】
なお、ここでは、対応する範囲として、時間区間を使用するが、時間と音の時間伸縮やピッチ変動を組み合わせた時間・時間伸縮率・周波数伸縮率の空間中の軌跡を区間として使用してもよいし、静止画像の平面中の部分画像のような領域を使用してもよいし、映像中の部分画像と時間を組み合わせた空間中の領域を使用してもよい。また、特開2008−219608号公報に記載された手法に代えて特開2006−524545号公報に記載された手法により、対応関係を取得してもよい。また、本実施形態では、クエリコンテンツID及び蓄積コンテンツIDとして、クエリコンテンツ及び蓄積コンテンツのファイル名としているが、クエリコンテンツ及び蓄積コンテンツを識別する情報であればよい。
【0025】
(ステップS102)結合対応関係生成部102は、ステップS101にて取得した対応関係であって、前回までのステップS102で選択した対応関係以外の対応関係を、1つ選択する(選択した対応関係を第一の対応関係という)。その後、ステップS103に進む。
【0026】
(ステップS103)結合対応関係生成部102は、ステップS101にて取得した対応関係であって、あるステップS103〜S106の繰り返しにおいて前回までのステップS103で選択した対応関係以外の対応関係を、1つ選択する(選択した対応関係を第二の対応関係という)。その後、ステップS104に進む。
なお、ステップS103で選択する対応関係は、直前のステップS102で選択された第一の対応関係以外の対応関係である。
(ステップS104)結合対応関係生成部102は、第一の対応関係と第二の対応関係に基づいて結合条件を判定する。結合条件を満たす場合には、第二の対応関係を第一の対応関係に結合する(結合した対応関係を結合対応関係という)。この結合対応関係の生成処理については後述する。その後、ステップS105に進む。
【0027】
(ステップS105)クエリメタデータ生成部103は、結合対応関係からクエリ時間区間に対応するメタデータを生成する。なお、このメタデータの生成処理については後述する。その後、ステップS106に進む。
(ステップS106)結合対応関係生成部102は、全ての第二の対応関係を選択済みか否か、つまり、第二の対応関係を処理済みであるか否かを判定する。全ての第二の対応関係を処理済みであると判定した場合(Yes)、ステップS103に戻る。一方、全ての第二の対応関係を処理済みでないと判定した場合(No)、ステップS107に進む。
(ステップS107)結合対応関係生成部102は、全ての第一の対応関係を選択済みか否か、つまり、第一の対応関係を処理済みであるか否かを判定する。全ての第一の対応関係を処理済みであると判定した場合(Yes)、ステップS102に戻る。一方、全ての第一の対応関係を処理済みでないと判定した場合(No)、動作を終了する。
このように、図2に示す動作では、結合対応関係生成部102は、第一の対応関係と、第二の対応関係を読み込んだ全ての対応関係の中からそれぞれ選択し、条件を満足するかどうかの結合判定を行いながら、結合対応関係を生成する。
【0028】
<結合対応関係の生成処理について>
図3は、本実施形態に係る結合対応関係の一例を示す概念図である。なお、結合対応関係の生成処理は、結合対応関係生成部102が行う。この図は、クエリコンテンツとしてファイル名「C2.mp3」の音楽データが入力された場合の図である。この図は、まず、第一の対応関係A(図3(A))と第二の対応関係B(図3(B))が入力され、結合対応関係(図3(C))が生成されたことを示す。なお、生成された結合対応関係は第二の対応関係(図3(D))として記憶部に記憶される。次に、第一の対応関係C(図3(E))と第二の対応関係(図3(D))とが入力され、結合対応関係(図3(F))が生成されたことを示す。
【0029】
結合対応関係生成部102は、対応関係Aから対応関係Cまでの対応関係について、クエリコンテンツと対応する蓄積時間区間を結合し、結合対応関係を生成する。クエリメタデータ生成部103は、結合できるかできないかを、q1を第一の対応関係のクエリ時間区間の始まり、q2を第二の対応関係のクエリ時間区間の始まり、d1を第一の蓄積時間区間の始まり、d2を第二の蓄積時間区間の始まり、θを予め決めておいた閾値(5秒)として、以下の式(1)を用いて判定する。
【0030】
【数1】
【0031】
上記式(1)を満たす場合、結合対応関係生成部102は、第一の対応関係と第二の対応関係とを結合する。つまり、式(1)は上記の結合条件である。
なお、閾値θが大きくなると、結合する結合対応関係の時間区間が長くなり、この時間区間に対応するメタデータには関連性のないメタデータが多く含まれてしまう。一方、閾値θが小さくなると、結合する結合対応関係の時間区間が短くなり、関連性のあるメタデータを結合できなくなる。本実施形態では、シミュレーションの結果、関連性のあるメタデータが含まれる適切な時間区間となる閾値θとして、5秒を選択している。なお、この閾値は、5秒から数秒前後してもよい。
【0032】
図3の例では、図3(A)に示す対応関係Aを第一の対応関係、図3(B)に示す対応関係Bを第二の対応関係として、式(1)の左辺が「0」になるので、式(1)を満たす。この場合、結合対応関係生成部102は、図3(C)に示すように、対応関係Aと対応関係Bを結合する。
また、図3(D)に示す結合した対応関係を第一の対応関係、図3(E)に示す対応関係Cを第二の対応関係として、式(1)が「0」になるので、式(1)を満たす。この場合、結合対応関係生成部102は、図3(F)に示すように、対応関係Aと、AとBとの結合対応関係を結合する。その結果、図3(F)に示すように、対応関係Aから対応関係Cまでが結合され1つの結合対応関係となる。例えば、図3(F)は、クエリコンテンツID「C2.mp3」のクエリコンテンツの「3分21秒」から「3分43秒」と、蓄積コンテンツID「C1.wav」の蓄積コンテンツの「14秒」から「30秒」との結合対応関係が生成されたことを示す。
なお、上記の例では、時間区間の始まりを用いて結合可能か判定を行ったが、時間区間の終わりを用いてもよい。
【0033】
また、結合対応関係生成部102は、第一、第二の対応関係に加えて、第三の対応関係を選択し、これらの対応関係の時間区間の差分の比を結合条件としてもよい。例えば、結合対応関係生成部102は、結合条件を、q1を第一の対応関係のクエリ時間区間の始まり、q2を第二の対応関係のクエリ時間区間の始まり、q3を第三の対応関係のクエリ時間区間の始まり、d1を第一の蓄積時間区間の始まり、d2を第二の蓄積時間区間の始まり、d3を第三の蓄積時間区間の始まり、θを予め決めておいた閾値(0.5)として、以下の式(2)を用いて判定する。なお、この閾値θも、シミュレーションの結果、関連性のあるメタデータが含まれる適切な時間区間となる閾値θとして、0.5を選択している。
【0034】
【数2】
【0035】
上記式(2)を満たす場合、結合対応関係生成部102は、第一の対応関係と第二の対応関係と第三の対応関係とを結合する。なお、結合対応関係生成部102は、結合の条件を満たす対応関係の時間区間の始まりのうち最も小さい時間を結合後の時間区間の始まりとし、対応関係の時間区間の終わりのうち最も大きい時間を結合後の時間区間の終わりとして、この時間区間を結合対応関係の時間区間にする。
【0036】
また、上記では時間区間に基づいて対応関係を結合する場合について説明をしたが、本発明はこれに限らず、位置領域に基づいて対応関係を結合してもよい。この場合、対応関係として、2次元画像中の部分画像のような領域毎にコンテンツIDと位置領域情報を取得する。この場合、結合対応関係生成部102は、以下のような結合条件を用いて、結合するかしないかを判定してもよい。例えば、結合対応関係生成部102は、q1=(q11,q12,q13,q14)を第一の対応関係のクエリコンテンツの2次元座標の縦軸の上限値、下限値、横軸の上限値、下限値からなる領域を表すベクトルとし、q2=(q21,q22,q23,q24)を第二の対応関係のクエリコンテンツの縦軸の上限値、下限値、横軸の上限値、下限値からなる領域を表すベクトルとし、d1=(d11,d12,d13,d14)を第一の蓄積コンテンツの左上の縦軸の上限値、下限値、横軸の上限値、下限値からなる領域を表すベクトルとし、d2=(d21,d22,d23,d24)を第二の蓄積コンテンツの左上の縦軸の上限値、下限値、横軸の上限値、下限値からなる領域を表すベクトルとし、θ=(θ1,θ2,θ3,θ4)を予め決めておいた閾値として、以下の式(3)〜(6)を用いて判定する。
【0037】
【数3】
【0038】
上記式(3)〜(6)のすべてを満たす場合、結合対応関係生成部102は、第一の対応関係と第二の対応関係とを結合する。
【0039】
<メタデータの生成処理について>
図4は、本実施形態に係るメタデータの一例を示す概念図である。クエリメタデータ生成部103は、結合対応関係生成部102が生成した結合対応関係のクエリコンテンツのメタデータに、対応する蓄積コンテンツのメタデータを加えたメタデータを、新たなクエリコンテンツのメタデータとして生成する。この図は、図3(C)に示す結合対応関係に基づいて行うメタデータの生成処理前後のメタデータを示す。
【0040】
図4(A)は、メタデータの生成処理前のメタデータを示す概略図である。この図は、生成処理前、クエリコンテンツID「C2.mp3」のクエリ時間区間「03:21−03:40」について、メタデータがないこと示す。また、この図は、生成処理前、蓄積コンテンツID「C1.wav」の蓄積時間区間「00:14−00:27」についてのメタデータが、「楽曲名:ABC、ジャンル:ロック、アーチスト:○○太郎」であることを示す。
図4(B)は、メタデータの生成処理後のメタデータを示す概略図である。この図は、生成処理後、クエリコンテンツID「C2.mp3」のクエリ時間区間「03:21−03:40」についてのメタデータが、「楽曲名:ABC、ジャンル:ロック、アーチスト:○○太郎」であることを示す。つまり、クエリメタデータ生成部103が、図3(F)に示す結合対応関係のクエリコンテンツ(C2.mp3)のメタデータに、対応する蓄積コンテンツ(C1.wav)のメタデータを加えたメタデータを、クエリコンテンツの新たなメタデータとして生成したことを示す。なお、メタデータには蓄積コンテンツIDが含まれてもよい。また、本実施形態では、生成するメタデータがクエリ時間区間のメタデータである場合について説明したが、本発明はこれに限らず、クエリコンテンツ全体のメタデータとしてメタデータを生成してもよい。
【0041】
以上の結合対応関係の生成処理及びメタデータの生成処理をくり返すことにより、メタデータ管理装置は、メタデータを結合して生成することができる。例えば、クエリコンテンツID「C2.mp3」のクエリ時間区間「03:21−03:43」に対し、対応蓄積コンテンツID「C1.wav」の時間区間「00:14−00:30」のメタデータを追加することができる。
【0042】
このように、本実施形態では、メタデータ管理装置は、クエリとなるクエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、当該区間あるいは領域のクエリコンテンツの信号に類似する信号の蓄積コンテンツの区間あるいは領域および当該蓄積コンテンツIDとからなる対応関係を複数取得し、これら複数の対応関係を結合して結合対応関係を生成し、この結合対応関係を用いて、クエリ時間区間ごとにメタデータを生成している。これにより、メタデータを付与する手間を利用者にかけさせることなく、クエリコンテンツの区間あるいは領域についてのメタデータを生成することができ、さまざまな情報を時刻ごとに対応付けることができる。
【0043】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図面を用いて説明する。なお、第1の実施形態では、クエリコンテンツに対応する蓄積コンテンツが1つである場合について説明した。クエリコンテンツに対応する蓄積コンテンツが複数ある場合、蓄積コンテンツ毎に、クエリコンテンツと蓄積コンテンツとの結合対応関係が生成される。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る結合対応関係の一例を示す概念図である。この図は、クエリコンテンツに対応する蓄積コンテンツが複数ある場合の結合対応関係の一例である。この図は、クエリコンテンツID「C3.mpeg」のクエリコンテンツに対して、蓄積コンテンツID「C4.mpeg」、「C5.wav」、「C6.wmv」、「C7.mp3」の蓄積コンテンツが対応する場合の結合対応関係を示す。対応関係1〜4は、それぞれ、蓄積コンテンツID「C4.mpeg」、「C5.wav」、「C6.wmv」、「C7.mp3」の蓄積コンテンツに対応する結合対応関係である。例えば、結合対応関係2は、クエリコンテンツID「C3.mpeg」のクエリコンテンツの「0分0秒」から「3分50秒」に、蓄積コンテンツID「C4.mpeg」の蓄積コンテンツの「2分31秒」から「6分31秒」が対応することを示す。
本実施形態では、結合対応関係に基づいて、メタデータ管理装置が蓄積コンテンツに付与されているメタデータ以外の情報、例えば出現頻度ヒストグラムの情報等を付与する。
【0044】
<メタデータ管理装置の構成について>
図6は、本実施形態のメタデータ管理装置の構成を示す概略ブロック図である。この図において、メタデータ管理装置は、コンテンツ対応関係取得部201、結合対応関係生成部202、対応領域出現頻度計算部203、及びクエリメタデータ生成部204を含んで構成される。また、メタデータ管理装置は、クエリコンテンツIDおよびクエリコンテンツの区間あるいは領域と、蓄積コンテンツIDおよび蓄積コンテンツの区間あるいは領域を入力とし、クエリデータに付与するクエリメタデータを出力とする。
【0045】
コンテンツ対応関係取得部201は、クエリとなるクエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、当該区間あるいは領域のクエリコンテンツの信号に類似する信号の蓄積コンテンツの区間あるいは領域および当該蓄積コンテンツIDと、からなる対応関係を複数取得する。
結合対応関係生成部202は、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび当該蓄積コンテンツの区間あるいは領域の複数の対応関係を結合して、結合対応関係を生成する。
【0046】
対応領域出現頻度計算部203は、上述の結合対応関係からクエリコンテンツの区間あるいは領域ごとの蓄積コンテンツ中の出現頻度を表すヒストグラムを計算する。
クエリメタデータ生成部204は、クエリコンテンツの区間あるいは領域、またはクエリコンテンツ全体についてのメタデータを対応するヒストグラムに基づいて生成する。
【0047】
<メタデータ管理装置の動作について>
次に、上述したコンテンツ対応関係取得部201からクエリメタデータ生成部204における処理を具体的に説明する。上記の第1の実施形態と同様に、コンテンツ対応関係取得部201は、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび時間区間と、当該クエリコンテンツに対応するデータベース中の蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび時間区間を取得する。結合対応関係生成部202では、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび時間区間と、蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび時間区間の複数の対応関係について、少なくとも1つ以上の対応関係を結合して、結合対応関係を生成する。
次に、対応領域出現頻度計算部203は、以下のようにしてヒストグラムを計算する。
【0048】
図7は、本実施形態に係る対応領域出現頻度計算部203の動作の一例を示すフローチャートである。
(ステップS201)対応領域出現頻度計算部203は、結合対応関係生成部202が生成した結合対応関係を読み込む。その後、ステップS202に進む。
(ステップS202)対応領域出現頻度計算部203は、ステップS201で読み込んだ結合対応関係のクエリコンテンツIDを選択する。その後、ステップS203に進む。
(ステップS203)対応領域出現頻度計算部203は、ヒストグラム配列を生成し、ヒストグラム配列中の出現頻度を空にする。つまり、出現頻度を「0」回にする。その後、ステップS204に進む。ここで、ヒストグラム配列は、例えば、クエリ時間区間を10秒間の時間区間(ビンの幅)で区切った区間各々の出現頻度を示す。
【0049】
(ステップS204)対応領域出現頻度計算部203は、ステップS202で選択したクエリコンテンツIDの結合対応関係であって、あるステップS204〜S206の繰り返しにおいて前回までのステップS204で選択した結合対応関係以外の結合対応関係を、1つ選択する。また、対応領域出現頻度計算部203は、選択した結合対応関係の蓄積コンテンツIDを抽出する。つまり、選択されたコンテンツIDに対応する結合対応関係について蓄積コンテンツIDを選択する。その後、ステップS205に進む。
(ステップS205)対応領域出現頻度計算部203は、ステップS204にて選択した結合対応関係のクエリ時間区間を抽出する。例えば、ステップS204にて図6中の結合対応関係2が選択された場合、対応領域出現頻度計算部203は、「00:50−02:10」を抽出する。対応領域出現頻度計算部203は、抽出した時間区間が、ヒストグラム配列が示す時間区間に含まれる場合、その時間区間の出現頻度を「1」回加算してインクリメントする(図8参照)。
このように、対応領域出現頻度計算部203は、クエリ時間区間について該当するヒストグラム配列中の時間区間の出現頻度をインクリメントする。その後、ステップS206に進む。
【0050】
(ステップS206)対応領域出現頻度計算部203は、ステップS203で全ての蓄積コンテンツIDを選択したか否かを判定する。つまり、全ての蓄積クエリコンテンツについて処理済みであるか否かを判定する。全ての蓄積クエリコンテンツについて処理済みであると判定した場合、ステップS207に進む。一方、全ての蓄積クエリコンテンツについて処理済みでないと判定した場合、ステップS204に戻る。
(ステップS207)対応領域出現頻度計算部203は、全てのクエリコンテンツIDについて、ステップS202で選択を行ったか否かを判定する。つまり、全てのクエリコンテンツを処理済みであるか否かを判定する。全てのクエリコンテンツについて処理済みであると判定した場合、ステップS208に進む。一方、全ての蓄積クエリコンテンツについて処理済みでないと判定した場合、ステップS202に戻る。
(ステップS208)対応領域出現頻度計算部203は、ヒストグラム配列の結果、つまり、計算した出現頻度のヒストグラムを出力する。その後、動作を終了する。
【0051】
上記の対応領域出現頻度計算部203の動作後、クエリメタデータ生成部204は、対応領域出現頻度計算部203から出力された出現頻度のヒストグラムを示す情報を、メタデータに追加する。
【0052】
図8は、本実施形態に係る出現頻度のヒストグラムの一例を示す概念図である。この図は、図5に示した結合対応関係が入力された場合のヒストグラムを示す。
図8は、クエリコンテンツID「C3.mpeg」の時間区間「00:00−03:00」のクエリコンテンツのヒストグラムを示す。例えば、この図は、時間区間「00:50−00:59」及び「01:00−01:09」の出現頻度が「3」回であり、時間区間「01:10−01:09」、「01:10−01:19」、及び「01:20−01:29」の出現頻度が「4」回であることを示す。
このように、対応領域出現頻度計算部203は、結合対応関係のクエリコンテンツ側の時間区間をクエリコンテンツごとにリストアップし、出現頻度を時間ごとに計数することになる。
なお、本実施形態では、ヒストグラムビンの幅(時間区間)を10秒としたが、本発明はこれに限られず、ヒストグラムのビンの幅を調節することにより、メタデータを付与する時間区間の分解能を変更してもよい。また、メタデータとして付与された出現頻度ヒストグラムは、後述する第3の実施形態のメタデータ取得部307で検索の検索キー又は検索結果としての出力に用いられる。
【0053】
このように、本実施形態では、メタデータ管理装置は、結合対応関係からクエリコンテンツの区間あるいは領域ごとの蓄積コンテンツ中の出現頻度を表すヒストグラムを計算し、クエリコンテンツの区間あるいは領域、またはクエリコンテンツ全体についてのメタデータを対応するヒストグラムに基づいて生成する。これにより、メタデータ管理装置は、出現頻度ヒストグラムの情報等を付与することができる。
【0054】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について図面を用いて説明する。本実施形態では、新たなクエリコンテンツが追加されたときに、メタデータを最新の情報に更新する場合について説明をする。
【0055】
<メタデータ管理装置の構成について>
図9は、本発明の第3の実施形態に係るメタデータ管理装置の構成を示すブロック図である。この図において、メタデータ管理装置は、コンテンツ対応関係取得部301、結合対応関係生成部302、対応領域出現頻度計算部303、クエリメタデータ生成部304、メタデータ蓄積部305、蓄積メタデータ更新部306、及びメタデータ取得部307を含んで構成される。また、メタデータ管理装置は、クエリコンテンツIDおよびクエリコンテンツの区間あるいは領域と、蓄積コンテンツIDおよび蓄積コンテンツの区間あるいは領域を入力とし、クエリデータに付与するクエリメタデータを出力とする。
【0056】
コンテンツ対応関係取得部301は、クエリとなるクエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、当該区間あるいは領域のクエリコンテンツの信号に類似する信号の蓄積コンテンツの区間あるいは領域および当該蓄積コンテンツIDと、からなる対応関係を複数取得する。
結合対応関係生成部302は、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび当該蓄積コンテンツの区間あるいは領域の複数の対応関係を結合して、結合対応関係を生成する。
対応領域出現頻度計算部303は、上述の結合対応関係からクエリコンテンツの区間あるいは領域ごとの蓄積コンテンツ中の出現頻度を表すヒストグラムを計算する。
【0057】
クエリメタデータ生成部304は、クエリコンテンツの区間あるいは領域、またはクエリコンテンツ全体についてのメタデータを対応するヒストグラムに基づいて生成する。
メタデータ蓄積部305は、処理後のクエリコンテンツと蓄積コンテンツの対応関係をデータベース308に蓄積する。
蓄積メタデータ更新部306は、蓄積済みのクエリコンテンツと蓄積コンテンツの対応関係に、新規に入力された対応関係を追加して更新する。
メタデータ取得部307は、蓄積済みのメタデータからメタデータを取得する。
【0058】
<メタデータ管理装置の動作について>
次に、上述したコンテンツ対応関係取得部301からメタデータ取得部307における処理を具体的に説明する。上記の第1実施形態と同様に、コンテンツ対応関係取得部301は、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび時間区間と、当該クエリコンテンツに対応するデータベース中の蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび時間区間を取得する。結合対応関係生成部302では、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび時間区間と、蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび時間区間の複数の対応関係について、少なくとも1つ以上の対応関係を結合して、結合対応関係を生成する。前述の第2の実施形態と同様に、結合対応関係からクエリコンテンツの区間あるいは領域ごとの蓄積コンテンツ中の出現頻度を表すヒストグラムを計算する。クエリメタデータ生成部304は、クエリコンテンツの区間あるいは領域、またはクエリコンテンツ全体についてのメタデータを対応するヒストグラムに基づいて生成する。メタデータ蓄積部305は、クエリメタデータ生成部304が生成した結合対応関係をデータベース308に蓄積する。
次に、蓄積メタデータ更新部306は、以下のようにして対応関係を追加して更新する。
【0059】
図10は、本実施形態に係る蓄積メタデータ更新部306の動作の一例を示すフローチャートである。
(ステップS301)蓄積メタデータ更新部306は、結合対応関係とメタデータとを抽出し、メタデータから出現頻度ヒストグラムを読み込む。つまり、蓄積メタデータ更新部306は、結合対応関係と出現頻度ヒストグラムを読み込む。その後、ステップS302に進む。
(ステップS302)蓄積メタデータ更新部306は、結合対応関係の蓄積コンテンツに該当する蓄積済みメタデータ中のクエリコンテンツIDを選択する。具体的には、蓄積メタデータ更新部306は、ステップS301で読み込んだ出現頻度ヒストグラムのクエリコンテンツID(例えば、図8では「C3.mpeg」)を選択する。その後、ステップS303に進む。
(ステップS303)蓄積メタデータ更新部306は、新たなクエリコンテンツの入力を待つ。その後、ステップS304に進む。
【0060】
(ステップS304)蓄積メタデータ更新部306は、選択された蓄積済みメタデータのクエリコンテンツIDに対応する蓄積コンテンツとして、結合対応関係のクエリコンテンツを追加する。具体的には、蓄積メタデータ更新部306は、新たなクエリコンテンツが入力されると、その結合対応関係を抽出する。蓄積メタデータ更新部306は、ステップS302にて選択したクエリコンテンツIDのうち、抽出した結合対応関係の蓄積コンテンツIDと同じクエリコンテンツIDを選択する。また、蓄積メタデータ更新部306は、抽出した結合対応関係のクエリコンテンツIDを蓄積コンテンツIDとして選択する。その後、ステップS305に進む。
(ステップS305)蓄積メタデータ更新部306は、選択された蓄積済みメタデータの出現頻度ヒストグラムをインクリメントする。具体的には、蓄積メタデータ更新部306は、ステップS304で選択したコンテンツIDの出現頻度ヒストグラムであってステップS301で読み込んだ出現頻度ヒストグラムから、ヒストグラム配列と当該ヒストグラム配列が示す時間区間を抽出する。蓄積メタデータ更新部306は、ステップS304にて抽出した結合対応関係の蓄積時間区間が、抽出したヒストグラム配列が示す時間区間に含まれる場合、その時間区間の出現頻度を「1」回加算してインクリメントし、当該出現頻度ヒストグラムを更新する。その後、ステップS306に進む。
【0061】
(ステップS306)蓄積メタデータ更新部306は、ステップS303で入力された全てのクエリコンテンツを処理済みであるか否かを判定する。全てのクエリコンテンツを処理済みであると判定した場合、動作を終了する。一方、全てのクエリコンテンツを処理済みでないと判定した場合、ステップS303に戻る。
このように、蓄積メタデータ更新部306は、新規にクエリコンテンツが入力されると、蓄積済みのクエリコンテンツと蓄積コンテンツの対応関係に新規に入力された対応関係を追加して更新する。
【0062】
メタデータ取得部307では、メタデータ取得命令が入力されると、指定されたメタデータを出力する。メタデータ取得命令は、例えば、コンテンツIDと時間区間を含む情報である。なお、メタデータ取得部307は、検索結果として、メタデータに付与したヒストグラムが示す出現頻度を取得して出力してもよいし、メタデータ取得命令に含まれる出現頻度からメタデータを検索してもよい。ここで、メタデータ取得部307は、検索結果としてヒストグラムが示す出現頻度が高い時間区間を示す情報を出力してもよいし、ヒストグラムが示す出現頻度が順に従って検索結果(例えば、蓄積コンテンツIDやそのコンテンツ名)を並び換えて出力してもよい。すなわち、メタデータ取得部307は、取得したヒストグラムが示す出現頻度に基づいて、検索結果の出力順序を決定する。このように、出現頻度ヒストグラムの情報を用いて、蓄積コンテンツの優先順位付けを行うことが可能になる。
以上により、メタデータ管理装置は、新たなクエリコンテンツが追加された場合に、指定したコンテンツID、時間区間に対応するメタデータを更新することが可能となる。
【0063】
以下、新たなクエリコンテンツが追加された場合のメタデータについて説明をする。なお、出現頻度ヒストグラムについては上述したので、説明は省略する。
図11は、本実施形態に係るメタデータの一例を示す概念図である。この図は、図4(B)に示すメタデータが蓄積コンテンツのメタデータとして記憶されている場合に、新たなクエリコンテンツ(コンテンツID「C8.mpeg」)が追加された場合を示す。
【0064】
図11(A)は、メタデータの生成処理前のメタデータを示す概略図である。この図は、生成処理前、クエリコンテンツID「C8.mpeg」のクエリコンテンツのメタデータが「ジャンル1:ドラマ、ジャンル2:サスペンス、出演者:△△花子」であることを示す。また、この図は、生成処理前、蓄積コンテンツID「C1.wav」及び「C2.mp3」のメタデータが、「楽曲名:ABC、ジャンル:ロック、アーチスト:○○太郎」であることを示す。
図11(B)は、メタデータの生成処理後のメタデータを示す概略図である。この図は、生成処理後、クエリコンテンツID「C8.mpeg」のクエリコンテンツのメタデータが、「ジャンル1:ドラマ、ジャンル2:サスペンス、出演者:△△花子、楽曲名:ABC、ジャンル:ロック、アーチスト:○○太郎」であることを示す。つまり、クエリメタデータ生成部303が、クエリコンテンツ(C8.mpeg)のメタデータに、対応する蓄積コンテンツ(C1.wav、C2.mp3)のメタデータを加えたメタデータを、クエリコンテンツの新たなメタデータとして生成したことを示す。
このように、メタデータ管理装置は、蓄積コンテンツのメタデータをクエリコンテンツのメタデータに加えたメタデータを、クエリコンテンツのメタデータとして生成する。これにより、メタデータ管理装置は、利用者がメタデータを付与する手間をかけることなく、クエリコンテンツのメタデータを追加し、充実させることができる。例えば、図11の例では、映像のクエリコンテンツに楽曲情報が追加されている。このように、メタデータ管理装置は、例えば、映像のシーンで流れるBGM(BackGround Music)の楽曲を検索し、映像のクエリコンテンツのメタデータに検索した楽曲の情報を追加することができる。
【0065】
このように、本実施形態によれば、メタデータ管理装置は、蓄積済みのクエリコンテンツと蓄積コンテンツの対応関係に新規に入力された対応関係を追加して更新する。例えば、メタデータ管理装置は、新たなコンテンツが追加された場合に、メタデータ、例えば、出現頻度ヒストグラムを更新する。これにより、メタデータ管理装置は、メタデータを付与する手間を利用者にかけさせることなく、メタデータを更新することができ、また、最新の情報を含むメタデータを提供することができる。
【0066】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について図面を用いて説明する。
【0067】
<メタデータ管理装置の構成について>
図12は、本発明の第4の実施形態のメタデータ管理装置の構成を示す概略ブロック図である。この図において、メタデータ管理装置は、コンテンツ対応関係取得部401、結合対応関係生成部402、対応領域出現頻度計算部403、クエリメタデータ生成部404、メタデータ蓄積部405、蓄積メタデータ更新部406、メタデータ取得部407、及びメタデータ索引部409を含んで構成される。また、メタデータ管理装置は、クエリコンテンツIDおよびクエリコンテンツの区間あるいは領域と、蓄積コンテンツIDおよび蓄積コンテンツの区間あるいは領域を入力とし、クエリデータに付与するクエリメタデータを出力とする。
【0068】
コンテンツ対応関係取得部401は、クエリとなるクエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、当該区間あるいは領域のクエリコンテンツの信号に類似する信号の蓄積コンテンツの区間あるいは領域および当該蓄積コンテンツIDと、からなる対応関係を複数取得する。
結合対応関係生成部402は、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび当該蓄積コンテンツの区間あるいは領域の複数の対応関係を結合して、結合対応関係を生成する。
【0069】
対応領域出現頻度計算部403は、上述の結合対応関係からクエリコンテンツの区間あるいは領域ごとの蓄積コンテンツ中の出現頻度を表すヒストグラムを計算する。
クエリメタデータ生成部404は、クエリコンテンツの区間あるいは領域、またはクエリコンテンツ全体についてのメタデータを対応するヒストグラムに基づいて生成する。
メタデータ蓄積部405は、処理後のクエリコンテンツと蓄積コンテンツの対応関係をデータベース408に蓄積する。
蓄積メタデータ更新部406は、蓄積済みのクエリコンテンツと蓄積コンテンツの対応関係に新規に入力された対応関係を追加して更新する。
メタデータ索引部409は、メタデータの索引付けを行う。
メタデータ取得部407は、蓄積済みのメタデータからメタデータを取得する。
【0070】
<メタデータ管理装置の動作について>
次に、上述したコンテンツ対応関係取得部401からメタデータ取得部408における処理を具体的に説明する。
前述の第1実施形態と同様に、コンテンツ対応関係取得部401は、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび時間区間と、当該クエリコンテンツに対応するデータベース中の蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび時間区間を取得する。結合対応関係生成部402では、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび時間区間と、蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび時間区間の複数の対応関係について、少なくとも1つ以上の対応関係を結合して、結合対応関係を生成する。前述の第2の実施形態と同様に、対応領域出現頻度計算部403で出現頻度を表すヒストグラムが計算されている場合は、ヒストグラムも蓄積する。そして、クエリメタデータ生成部404は、対応領域出現頻度計算部303によって得られた出現頻度をメタデータとして出力し、メタデータ蓄積部305は、クエリメタデータ生成部404の処理後のクエリコンテンツと蓄積コンテンツの対応関係を蓄積する。そして、前述の第3の実施形態と同様に、蓄積メタデータ更新部406では、蓄積済みのクエリコンテンツと蓄積コンテンツの対応関係に新規に入力された対応関係を追加して更新する。
メタデータ索引部409は、以下のようにしてメタデータの索引付けを行う。
【0071】
図13は、本実施形態に係るメタデータ索引部409の動作の一例を示すフローチャートである。
(ステップS401)メタデータ索引部409は、結合対応関係とメタデータを読み込む。その後、ステップS402に進む。
(ステップS402)メタデータ索引部409は、メタデータの入力を待つ。その後、ステップS403に進む。
(ステップS403)メタデータ索引部409は、メタデータが入力されると、メタデータをキーとして結合対応関係を登録する。例えば、メタデータ索引部409は、メタデータ中のキーワードを抽出し、また、当該メタデータが付与されたコンテンツのファイル名に基づいて結合対応関係を抽出する。メタデータ索引部409は、抽出したキーワードと、結合対応関係中のクエリコンテンツID、クエリ時間区間、蓄積コンテンツID、或いは蓄積時間区間と、を索引付けする。また、メタデータ索引部409は、抽出したキーワードと、このキーワードを含む結合対応関係のクエリ時間区間と、を抽出して出現頻度ヒストグラムを計算し、計算したヒストグラムとキーワードと索引付けする。例えば、メタデータ索引部409は、抽出したクエリ時間区間が、ヒストグラム配列が示す時間区間(ビンの幅;例えば、10秒)に含まれる場合、その時間区間の出現頻度を「1」回加算してインクリメントすることを、抽出したクエリ時間区間のすべてについてくり返す。その後、ステップS404に進む。
(ステップS404)
メタデータ索引部409は、全ての結合対応関係とメタデータを処理済みであるか否かを判定する。全ての結合対応関係とメタデータを処理済みであると判定した場合(No)、ステップS402に戻る。全ての結合対応関係とメタデータを処理済みであると判定した場合(Yes)、動作を終了する。
【0072】
以上の動作により、キーワードに対応するメタデータを生成することが可能となる。
メタデータ取得部407は、メタデータ取得命令に従って、蓄積済みのメタデータからメタデータを取得する。メタデータ取得命令には、例えば、利用者が入力したキーワードが含まれる。メタデータ索引部409で、索引付けされているキーワードがメタデータ取得命令として指定された場合、そのキーワードで登録されているメタデータを出力する。
【0073】
このように、本実施形態では、メタデータ管理装置が、メタデータの索引付けを行う。これにより、メタデータを容易に検索することができる。例えば、メタデータ中のキーワードからクエリコンテンツID、クエリ時間区間、蓄積コンテンツID、或いは蓄積時間区間を検索でき、又は、その逆の検索を迅速に行うことができる。また、本実施形態では、メタデータ管理装置が、メタデータ中のキーワードと、そのキーワードと関連付けられたコンテンツの出現頻度ヒストグラムと、を索引付けするので、キーワードからそのキーワードに関連するコンテンツの出現頻度を容易かつ迅速に検索することができる。
【0074】
図14〜図16は、メタデータ取得部307、407が表示するメタデータの一例を示す図である。
図14は、結合対応関係での蓄積コンテンツIDの数が多い順にその蓄積コンテンツへのパス及び蓄積コンテンツのファイル名(URL)を表示している画面である。具体的には、メタデータ取得部307、407は、すべての結合対応関係の蓄積コンテンツIDとクエリコンテンツIDとの組を抽出し、重複を排除する。次に、メタデータ取得部307、407は、重複を排除した組の蓄積コンテンツIDを集計し、集計した蓄積コンテンツIDの数が多い順に、その蓄積コンテンツのURLを表示する。なお、メタデータ取得部307、407は、重複を排除することで蓄積コンテンツが含まれているクエリコンテンツの数を集計しているが、本発明はこれに限らず、重複を排除しなくてもよい。なお、クエリコンテンツに蓄積コンテンツが含まれていることを、蓄積コンテンツの二次利用という。
この図において、例えば、順位が「1」位の蓄積コンテンツは、二次利用頻度「21」件のクエリコンテンツに含まれ、そのURLが「http://XXXX/database/cid0002931.flv」であることを示す。
【0075】
図15は、図14にて符号P1で示したURLが選択されてクリックされた場合に表示される画面である。図15は、図14にて選択された蓄積コンテンツをクエリコンテンツとして、そのコンテンツの出現頻度ヒストグラムを表示していることを示す。
例えば、図15において、出現頻度が最も高い時間区間は、二次利用頻度が最もの高い「9」件の区間であり、時刻が「00:00:20−00:0040」の区間である。
人気があるコンテンツなど利用者の嗜好が強いコンテンツは、頻繁に放送等がなされ、また、多くの利用者がサーバ等にコンテンツをアップロードする。つまり、蓄積コンテンツの出現頻度が高い時間区間では、検索コンテンツが嗜好の強い蓄積コンテンツであり、同じ信号の蓄積コンテンツが複数存在する可能性が高い。よって、この出現頻度が高い時間区間では、検索コンテンツに合致した蓄積コンテンツを選択することができ、そのメタデータを選択することができる可能性が高い。図15では、メタデータ取得部307、407が出現頻度ヒストグラムを出力するので、出現頻度が高い時間区間のメタデータを選択することができ、検索コンテンツに合致したメタデータを表示することができる。
【0076】
図16は、図15にて符号P2で示した「詳細」が選択されてクリックされた場合に表示される画面である。図16は、図15のクエリコンテンツ(コンテンツIDが「cid0002931」)で選択された時刻(本例では、「00:00:20−00:00:40」)の蓄積コンテンツのメタデータを表示していることを示す。例えば、画面の上部に表示された一覧の下から2番目のメタデータは、コンテンツが「映像」メディア、結合対応関係に含まれるクエリコンテンツ上の時間区間(対応区間1という)が「00:00:00−00:00:23」、蓄積コンテンツのURLが「http://XXXX/database/cid6283258.flv」、対応する蓄積コンテンツ上の区間(対応区間2という)が「00:00:00−00:00:23」であることを示す。
【0077】
また、図16は、蓄積コンテンツのメタデータが、蓄積区間長(対応区間1の時間区間)が長い順に並び替えられて表示されていることを示す。例えば、画面の上部に表示された一覧の下から1番目、2番目のメタデータは、それぞれ、蓄積区間長が22秒、23秒であることを示す。
また、上から1番目のメタデータと下から1番目のメタデータとを比較すると、同じメディア(「音楽))、同じURL(蓄積コンテンツID「cid0242456.flv」)にもかかわらず、対応区間2が異なる。一般に音楽では、同じメロディと歌詞をくり返すことがある(1回目を1コーラス目、2回目を2コーラス目という)。つまり、上から1番目のメタデータは、cid0242456.flv中の音楽の全体の信号が類似する信号として抽出され、下から1番目のメタデータは、cid0242456.flv中の音楽の2コーラス目の一部の信号が、クエリコンテンツ(cid0002931.flv)の1コーラス目の信号と類似する信号として抽出されていることを示す。
また、画面下部の画像は、符号P3で示した対応区間「00:00:00−00:00:23」がクリックされた場合の動画である。検索対象動画G1は、クエリコンテンツ(コンテンツIDが「cid0002931」)のうち対応区間1の動画が表示されていることを示す。また、一致動画G2は、蓄積コンテンツ(コンテンツID「cid6283258.flv」)のうち検索対象動画G1として表示されている時刻と対応する時刻の動画が表示されていることを示す。また、図16は、一致動画G2では、検索対象動画G1に文字列(テロップ)が追加された動画であることを示す。このように、クエリコンテンツと対応する蓄積コンテンツを表示することにより、利用者が追加情報を得ることもできる。
【0078】
なお、上述した実施形態におけるメタデータ管理装置の一部、をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、メタデータ管理装置に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、特に、複数の楽曲や映像を加工したり合成したりして作成された編集済みコンテンツについてのメタデータを加工前のオリジナルのコンテンツのメタデータから生成して作成するような場合のように、メタデータを再利用する場合に利用することができる。
【符号の説明】
【0080】
101,201,301,401・・・コンテンツ対応関係取得部、102,202,302,402・・・結合対応関係生成部、103,204,304,404・・・クエリメタデータ生成部、203,303,403・・・対応領域出現頻度計算部、305,405・・・メタデータ蓄積部、306,406・・・蓄積メタデータ更新部、307,407・・・メタデータ取得部、308,408・・・データベース、409・・・メタデータ索引部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、当該区間あるいは領域のクエリコンテンツの信号に類似する信号の蓄積コンテンツの区間あるいは領域および当該蓄積コンテンツIDと、からなる対応関係を複数取得するコンテンツ対応関係取得部と、
前記クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび前記クエリコンテンツの区間あるいは領域と、前記蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび前記蓄積コンテンツの区間あるいは領域との複数の対応関係を結合して結合対応関係を生成する結合対応関係生成部と、
前記結合対応関係から前記クエリコンテンツの区間あるいは領域についてのメタデータまたはクエリコンテンツ全体についてのメタデータを、対応する蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDまたはメタデータのうち少なくとも1つ以上に基づいて生成するクエリメタデータ生成部と、
を備えることを特徴とするメタデータ管理装置。
【請求項2】
前記結合対応関係からクエリコンテンツの区間あるいは領域ごとの蓄積コンテンツ中の出現頻度を表すヒストグラムを計算する対応領域出現頻度計算部を備え、
前記クエリメタデータ生成部は、前記対応領域出現頻度計算部が計算したヒストグラムを、当該結合対応関係のクエリコンテンツの区間あるいは領域またはクエリコンテンツ全体についてのメタデータとして付与することを特徴とする請求項1に記載のメタデータ管理装置。
【請求項3】
検索結果として、前記クエリメタデータ生成部がメタデータに付与したヒストグラムが示す出現頻度を取得するメタデータ取得部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のメタデータ管理装置。
【請求項4】
前記メタデータ取得部は、取得したヒストグラムが示す出現頻度に基づいて、検索結果の出力順序を決定することを特徴とする請求項3に記載のメタデータ管理装置。
【請求項5】
処理後のクエリコンテンツと蓄積コンテンツの対応関係を蓄積するメタデータ蓄積部と、
蓄積済みのクエリコンテンツと蓄積コンテンツの対応関係に新規に入力された対応関係を追加して更新する蓄積メタデータ更新部と、
蓄積済みのメタデータからメタデータを取得するメタデータ取得部と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの項に記載のメタデータ管理装置。
【請求項6】
メタデータの索引付けを行うメタデータ索引部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの項に記載のメタデータ管理装置。
【請求項7】
コンテンツ対応関係取得部が、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、当該区間あるいは領域のクエリコンテンツの信号に類似する信号の蓄積コンテンツの区間あるいは領域および当該蓄積コンテンツIDと、からなる対応関係を複数取得するコンテンツ対応関係取得過程と、
結合対応関係生成部が、前記クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび前記クエリコンテンツの区間あるいは領域と、前記蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび前記蓄積コンテンツの区間あるいは領域との複数の対応関係を結合して結合対応関係を生成する結合対応関係生成過程と、
クエリメタデータ生成部が、前記結合対応関係から前記クエリコンテンツの区間あるいは領域についてのメタデータまたはクエリコンテンツ全体についてのメタデータを、対応する蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDまたはメタデータのうち少なくとも1つ以上に基づいて生成するクエリメタデータ生成過程と、
を有することを特徴とするメタデータ管理方法。
【請求項8】
コンピュータを、
クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、当該区間あるいは領域のクエリコンテンツの信号に類似する信号の蓄積コンテンツの区間あるいは領域および当該蓄積コンテンツIDと、からなる対応関係を複数取得するコンテンツ対応関係取得手段、
前記クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび前記クエリコンテンツの区間あるいは領域と、前記蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび前記蓄積コンテンツの区間あるいは領域との複数の対応関係を結合して結合対応関係を生成する結合対応関係生成手段、
前記結合対応関係から前記クエリコンテンツの区間あるいは領域についてのメタデータまたはクエリコンテンツ全体についてのメタデータを、対応する蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDまたはメタデータのうち少なくとも1つ以上に基づいて生成するクエリメタデータ生成手段、
として機能させるメタデータ管理プログラム。
【請求項1】
クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、当該区間あるいは領域のクエリコンテンツの信号に類似する信号の蓄積コンテンツの区間あるいは領域および当該蓄積コンテンツIDと、からなる対応関係を複数取得するコンテンツ対応関係取得部と、
前記クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび前記クエリコンテンツの区間あるいは領域と、前記蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび前記蓄積コンテンツの区間あるいは領域との複数の対応関係を結合して結合対応関係を生成する結合対応関係生成部と、
前記結合対応関係から前記クエリコンテンツの区間あるいは領域についてのメタデータまたはクエリコンテンツ全体についてのメタデータを、対応する蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDまたはメタデータのうち少なくとも1つ以上に基づいて生成するクエリメタデータ生成部と、
を備えることを特徴とするメタデータ管理装置。
【請求項2】
前記結合対応関係からクエリコンテンツの区間あるいは領域ごとの蓄積コンテンツ中の出現頻度を表すヒストグラムを計算する対応領域出現頻度計算部を備え、
前記クエリメタデータ生成部は、前記対応領域出現頻度計算部が計算したヒストグラムを、当該結合対応関係のクエリコンテンツの区間あるいは領域またはクエリコンテンツ全体についてのメタデータとして付与することを特徴とする請求項1に記載のメタデータ管理装置。
【請求項3】
検索結果として、前記クエリメタデータ生成部がメタデータに付与したヒストグラムが示す出現頻度を取得するメタデータ取得部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のメタデータ管理装置。
【請求項4】
前記メタデータ取得部は、取得したヒストグラムが示す出現頻度に基づいて、検索結果の出力順序を決定することを特徴とする請求項3に記載のメタデータ管理装置。
【請求項5】
処理後のクエリコンテンツと蓄積コンテンツの対応関係を蓄積するメタデータ蓄積部と、
蓄積済みのクエリコンテンツと蓄積コンテンツの対応関係に新規に入力された対応関係を追加して更新する蓄積メタデータ更新部と、
蓄積済みのメタデータからメタデータを取得するメタデータ取得部と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの項に記載のメタデータ管理装置。
【請求項6】
メタデータの索引付けを行うメタデータ索引部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの項に記載のメタデータ管理装置。
【請求項7】
コンテンツ対応関係取得部が、クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、当該区間あるいは領域のクエリコンテンツの信号に類似する信号の蓄積コンテンツの区間あるいは領域および当該蓄積コンテンツIDと、からなる対応関係を複数取得するコンテンツ対応関係取得過程と、
結合対応関係生成部が、前記クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび前記クエリコンテンツの区間あるいは領域と、前記蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび前記蓄積コンテンツの区間あるいは領域との複数の対応関係を結合して結合対応関係を生成する結合対応関係生成過程と、
クエリメタデータ生成部が、前記結合対応関係から前記クエリコンテンツの区間あるいは領域についてのメタデータまたはクエリコンテンツ全体についてのメタデータを、対応する蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDまたはメタデータのうち少なくとも1つ以上に基づいて生成するクエリメタデータ生成過程と、
を有することを特徴とするメタデータ管理方法。
【請求項8】
コンピュータを、
クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび当該クエリコンテンツの区間あるいは領域と、当該区間あるいは領域のクエリコンテンツの信号に類似する信号の蓄積コンテンツの区間あるいは領域および当該蓄積コンテンツIDと、からなる対応関係を複数取得するコンテンツ対応関係取得手段、
前記クエリコンテンツのクエリコンテンツIDおよび前記クエリコンテンツの区間あるいは領域と、前記蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDおよび前記蓄積コンテンツの区間あるいは領域との複数の対応関係を結合して結合対応関係を生成する結合対応関係生成手段、
前記結合対応関係から前記クエリコンテンツの区間あるいは領域についてのメタデータまたはクエリコンテンツ全体についてのメタデータを、対応する蓄積コンテンツの蓄積コンテンツIDまたはメタデータのうち少なくとも1つ以上に基づいて生成するクエリメタデータ生成手段、
として機能させるメタデータ管理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−282376(P2010−282376A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−134451(P2009−134451)
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]