説明

メタ検索システム及びメタ検索方法とこれに用いるユーザ端末及びプログラム

【課題】 検索エンジンの使い方を習熟していないユーザであっても、所望のウェブページを簡単に見つけ出すことができるメタ検索システムを提供する。
【解決手段】 本発明は、ウェブページの検索を複数の検索エンジン2に同時に実行させるメタ検索を行うメタ検索システムであり、ユーザUの入力表現に含まれかつ複数の検索エンジン2の中の特定の検索エンジン2と関連づけられるターゲットワードに基づいて、複数の検索エンジン2の中から当該特定の検索エンジン2を選択し、ユーザUの入力表現に含まれるキーワードを有するウェブページの検索を選択された特定の検索エンジン2に実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット等のネットワークにおいてウェブサイトを効率的に検索するメタ検索システム及びメタ検索方法と、これに用いるユーザ端末及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータ技術や通信技術の進展により、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)等の高速かつ低価格な通信サービスが提供され、インターネットが一般の家庭にも急速に普及している。かつてのウェブサイトは、ウェブページの公開そのものに意義があったが、資金集めや新規顧客開拓のための自社製品の紹介、優秀な人材を集めるための求人情報の公開、及び、オンライショッピング等の様々な目的に適ったビジネスツールとして活用されている。
【0003】
一方、インターネットのユーザは、所望の情報を掲載したウェブサイトのURL(Uniform Resource Locator)が判明している場合には、直接そのウェブサイトにアクセスできるが、通常、ユーザは、いわゆる検索サイトが提供する検索エンジンを利用して、所望の情報を掲載したウェブサイトにアクセスしている。
この検索サイトの検索エンジンは、ウェブブラウザ(Web Browser)を利用してユーザがキーワードを入力すると、検索サイトのデータベースから当該キーワードに対応するウェブページのURLを検索し、検索結果のURL(検索リスト)をウェブブラウザに所定のウェブポジションで順番に表示するものである。
【0004】
なお、検索エンジンとは、本来「ロボット型」のエンジンを言うが(狭義)、本明細書では、あるキーワードに基づいて当該キーワードに対応するウェブサイトを検索する機能一般を検索エンジンといい(広義)、「ディレクトリ型」、「ロボット型」及び「複合型」の三種類のエンジンを含む概念である。
このうち、ディレクトリ型の検索エンジンは、検閲者がウェブサイトを人力で審査して、インターネットユーザにとって有益であると認めたウェブサイトのみをウェブサイトの内容に合わせてカテゴリごとに分類して検索エンジンのデータベースに登録し、このデータベースを参照して検索リストを出力するエンジンである。
【0005】
他方、ロボット型の検索エンジンは、クローラと呼ばれるプログラムがインターネット上の各ウェブサイトを自動的に巡回してウェブページを収集し、インデクサと呼ばれるプログラムが検索エンジンのデータベースを作成し、このデータベースを参照して検索リストを出力するエンジンである。
ディレクトリ型の検索エンジンは、データベースへの登録が人間の審査を経て行われるため、比較的質の高い情報を掲載したウェブページが登録されるという長所がある反面、登録が人手によるため、データベースに登録されているウェブページの数が少ないという短所がある。
【0006】
一方、ロボット型の検索エンジンの長所と短所は、ディレクトリ型の検索エンジンの逆となっている。このため、通常の検索サイトでは、一方のタイプを主としかつ他方のタイプを補助的に使用する複合型の検索エンジンを利用している。
また、検索サイトの中には、住所情報、路線情報、飲食店情報、株価情報等の個別の商品やサービスに関する情報データベースを有する検索エンジンを使用することにより、専門情報の検索に特化した専門検索サイトもある。
【0007】
このように、検索エンジンはそのシステム構成や検索目的によってそれぞれ利害得失があるので、一つの検索エンジンで行える検索には自ずから限界があり、同じキーワードに対する検索結果が検索エンジンによって相違することがある。このため、所望の検索結果が得られない場合は、ユーザは種々の検索エンジンを用いて検索作業を繰り返す必要がある。
そこで、ウェブページの検索を複数の検索エンジンに同時に実行するように依頼するメタ検索が知られており、これによれば、メタ検索エンジンが複数の検索エンジンに検索を行わせるため、所望の検索結果を得る可能性が高まることになる。
【特許文献1】特開平11−191114号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、単一の検索サイトを利用する検索にしても、複数の検索サイトを同時に利用するメタ検索にしても、従来のウェブページの検索では、一般に、ブラウザに入力されるユーザの入力表現をそのままキーワードと見なして、そのキーワード自体が存在するウェブサイトを探索するようになっている。このため、検索入力のコツ、すなわち、検索エンジンに検索させるキーワードの選定の仕方を熟知していないユーザの場合には、所望の検索結果を得られないことがある。
【0009】
例えば、立命館大学(びわこ・くさつキャンパス)の住所、すなわち、同大学の行政区画上の地番表示である「滋賀県草津市野路東1丁目1番1号」を知りたいと仮定した場合において、あるユーザが、アンド条件になっている入力ボックスに「立命館大学」及び「住所」を入力したとしても、通常、検索エンジンはそれらの各単語が掲載されたウェブページを検索するだけである。
このため、ユーザが真に欲しい情報である上記地番表示を掲載したウェブページが上位のウェブポジションで表示される可能性は非常に小さい。従って、この場合、ユーザは数多くヒットした検索リストの中から、上記地番表示が掲載されているウェブページを自ら探し出す必要がある。
【0010】
また、最近では、携帯電話機やPDA等の携帯端末からインターネットを介して検索サイトにアクセスすることも一般的になっているが、携帯電話機の場合には、文字入力を電話番号ボタンで行う必要があり、またPDAの場合には、文字入力を小さな操作ボタンやペン入力で行う必要があるので、パソコンでのキーボード入力に比べて文字入力が非常に面倒である。このため、キーワード検索のコツがある程度分かっているユーザであっても、複数の検索サイトにアクセスしないと所望の検索結果が得られないような場合には、検索作業に時間と手間がかかるという問題もある。
【0011】
本発明は、このような実情に鑑み、検索エンジンの使い方を習熟していないユーザであっても、所望のウェブページを簡単に見つけ出すことができるメタ検索システムを提供することを第一の目的とする。
また、本発明は、携帯電話機やPDA等のような文字入力の操作が面倒なユーザ端末であっても、所望のウェブページを簡単に見つけ出すことができるメタ検索システムを提供することを第二の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、ウェブページの検索を複数の検索エンジンに同時に実行させるメタ検索を行うメタ検索システムであって、ユーザの入力表現に含まれかつ前記複数の検索エンジンの中の特定の検索エンジンと関連づけられるターゲットワードに基づいて、前記複数の検索エンジンの中から当該特定の検索エンジンを選択する選択手段と、前記入力表現に含まれるキーワードを有する前記ウェブページの検索を前記選択手段で選択された前記特定の検索エンジンに実行させる検索実行手段と、を備えていることを特徴とする。
【0013】
本発明のメタ検索システムでは、ユーザの入力表現をすべてそのままキーワードと見なすのではなく、ユーザの入力表現の中に、特定の検索エンジンと関連づけられるターゲットワードと、検索すべきウェブページに掲載されているであろうキーワードとが含まれていることを前提としている。
上記ターゲットワードは、後述の実施形態でも述べるが、例えば「住所」や「電話番号」のように、多数の具体例を内包する集合体としての抽象概念を意味する単語よりなる。すなわち、これら「住所」及び「電話番号」の場合で言うと、抽象概念としての「住所」は、その具体例として多数の地番表示を含み、また、抽象概念としての「電話番号」は、その具体例として多数の個別具体的な番号数字を含んでいる。
【0014】
そして、本発明のメタ検索システムでは、上記した「住所」や「電話番号」のような抽象概念を検索の入力ワードとしてユーザが選択する場合には、その言葉自体が掲載されたウェブサイトをユーザが欲しているのではなく、その抽象概念に内包される個別具体的な情報(「住所」の場合は地番表示、「電話番号」の場合は番号数字)が掲載されたウェブサイトを欲しているのであろうとの経験則に基づき、ユーザの入力表現に含まれる抽象概念であるターゲットワードに基づいて特定の検索エンジンを選択し、その入力表現に含まれるキーワードを有するウェブページの検索を、その選択された特定の検索エンジンに実行させるようにしている。
【0015】
このため、本発明によれば、ユーザが思いつくままの素直な入力表現で、ユーザが真に欲している情報が掲載されたウェブページが検索される可能性が非常に高く、検索エンジンの使い方を習熟していなユーザであっても、所望のウェブページを簡単に見つけ出すことができる。従って、前記した第一の目的が達成される。
本発明のメタ検索システムにおいて、ユーザによる入力表現の入力方法としては、自然文(「立命館大学の住所はどこか?」等)をそのまま入力する文章入力でもよいし、単語を一つ一つ入力する単語入力でもよい。
【0016】
しかし、文章入力にしても単語入力にしても、ユーザの入力表現中のどの単語をターゲットワードと判断し、かつ、どの単語をキーワードと判断するかは、言語解析処理等の特別な解析手法が必要となって、システム全体のコストアップに繋がる。
そこで、本発明のメタ検索システムとしては、ターゲットワードを入力するための第一入力部と、キーワードを入力するための第二入力部を個別に有する入力手段を更に備えた構成とすることが推奨される。
【0017】
この場合、選択手段に、第一入力部に入力された表現をターゲットワードとして認識させ、検索実行手段に、第二入力部に入力された表現をキーワードとして認識させることにより、ユーザの入力表現からターゲットワードを抽出する言語解析処理を採用する必要がなくなり、本発明によるメタ検索をより簡単に実現することができる。
また、この場合、ユーザは第一及び第二入力部にそれぞれターゲットワードとキーワードを入力するだけでよいので、携帯電話機やPDA等のような文字入力の操作が面倒なユーザ端末であっても、本発明のメタ検索システムを利用して所望のウェブページを簡単に見つけ出すことができる。従って、前記した第二の目的が達成される。
【0018】
本発明のメタ検索システムのより具体的なシステム構成は、選択手段及び検索実行手段が、各検索エンジンを有する複数の検索用サーバとネットワークを介して通信可能なメタ検索用サーバに格納されたものである。また、この場合、入力手段は、第一及び第二入力部に入力された入力表現を、ネットワークを介して上記メタ検索用サーバに送信可能なユーザ端末より構成することができる。
【0019】
かかるユーザ端末としては、デスクトップ型又はノート型のパソコンの他、携帯電話機、PDAやカーナビゲーション等の携帯端末もこれに含まれる。
これらのユーザ端末からメタ検索用サーバにアクセスして検索用の入力表現を送信するには、インターネット通信を行うためのウェブブラウザや電子メールを送受信するためのメールソフト等のクライアントソフトを利用して行うことができる。
【0020】
ユーザ端末からの入力表現の送信手段として電子メールを利用する場合には、その電子メールの件名記載部分をターゲットワード用の第一入力部に設定し、かつ、本文記載部分をキーワード用の第二入力部に設定することが好ましい。
この場合には、既にユーザ端末にインストールされている既存のメールソフトを利用してメタ検索用サーバに入力表現を送信できるので、第一及び第二入力部を有する特別なブラウザをユーザ端末にインストールしてもらう必要がなくなり、本発明のメタ検索システムをより簡便かつ安価に実現することができる。
【0021】
更に、本発明において、前記ユーザ端末が、当該端末の現在位置を示す位置情報(例えばGPS情報)を発信可能である場合には、検索実行手段で検索されたウェブサイトのうち前記位置情報との関連が高いウェブサイトの表示優先度を高める優先度設定手段を更に備えていることが好ましい。
この場合には、ユーザ端末の位置情報と関連が高いウェブサイトが優先的に表示されるので、例えば近隣の飲食店情報といったユーザ端末周辺の情報を欲しているユーザの満足度がより高いウェブサイトを、効果的にユーザに提供することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上の通り、本発明によれば、検索エンジンの使い方を習熟していないユーザであっても、所望のウェブページを簡単に見つけ出すことができる。また、本発明によれば、携帯電話機やPDA等のような文字入力の操作が面倒なユーザ端末であっても、所望のウェブページを簡単に見つけ出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
図1〜図5は、本発明の一実施形態に係るメタ検索システムを示している。
〔システムの全体構成〕
図1に示すように、本実施形態のメタ検索システム1は、検索エンジンを有する複数の検索用サーバ2とインターネットを介して接続されたメタ検索用サーバ3と、インターネットに接続されかつ電子メールEMの送受信を行うメールサーバ4と、インターネットに接続されかつウェブブラウザ等のクライアントソフトウェアの要求に応じてHTML文書や画像等よりなる情報ファイルIFを送受信するウェブサーバ5と、ユーザUがウェブサイトの検索のための入力表現を入力しかつその検索結果を受け取るためのユーザ端末6とを備えている。
【0024】
上記ユーザ端末6としては、例えば、デスクトップ型又はノート型のパソコンや、携帯電話機、PDAやカーナビゲーション端末等の各種の移動端末を採用することができる。なお、図1では、ユーザ端末6の一例として携帯電話機を例示している。
メールサーバ4は、そのネットワーク内のユーザ端末6の電子メールの送受信を行なうコンピュータである。従って、ユーザ端末6から発信した電子メールEMは、メールサーバ4を介してメタ検索用サーバ3に送信される。他方、ユーザ端末6は、メタ検索用サーバ3からの検索結果を受けたメールサーバ4から送信された電子メールEMによって受け取ることができる。
【0025】
ウェブサーバ5は、WWWシステムによって情報の送受信を行なうコンピュータである。従って、ユーザ端末6は、この端末6にインストールされたウェブブラウザ等のクライアントソフトウェアを利用して、HTML形式等の情報ファイルIFをウェブサーバ5を介してメタ検索用サーバ3に送信することができ、メタ検索用サーバ3から発信された同形式の情報ファイルIFをウェブサーバ5を介して受信することができる。
【0026】
前記メタ検索用サーバ3は、インターネットを介して多数の検索エンジン2よりなる検索エンジン群7と繋がっており、これらの検索エンジン2の中から選択した複数の検索エンジン2を同時に実行させ、所望の検索結果を得るものである。
上記検索エンジン群7に含まれる検索エンジン2としては、各種のパソコン用検索サイト2Aや携帯用検索サイト2B、特定の専門情報の検索に特化した専門検索サイト2C及びブログ系検索サイト2D等が含まれる(図2参照)。なお、これらは前記した「ディレクトリ型」、「ロボット型」及び「複合型」を問わない。
【0027】

上記パソコン用検索サイト2Aには、例えば、Google(TM)、Yahoo!(登録商標)検索及びgoo(登録商標)等が含まれる。また、携帯用検索サイト2Bとしては、例えば、上記Google(TM)やYahoo!の携帯用検索サイトが含まれる。更に、専門検索サイト2Cとしては、飲食店の専門サイトであるぐるなび(登録商標)、住所や郵便番号の検索サイト及び旅行や証券情報の専門サイト等が含まれる。
【0028】
図1に示すように、メタ検索用サーバ3からメール又はブラウザによって検索結果が示されると、ユーザUはその検索結果に示されたウェブサイトを提供する情報提供サイト8にインターネットを介してアクセスすることができ、その情報提供サイト8から所望のウェブサイト9を取得することができる。
【0029】
〔メタ検索用サーバ〕
本実施形態のメタ検索用サーバ3は、後述するメタ検索処理を行わせるプログラムが格納されたプログラマブルなコンピュータよりなり、当該サーバ3と繋がっている検索エンジン群7の中から実際に検索を行う特定の検索エンジン2を選択する選択手段11と、この選択手段11で選択された特定の検索エンジン2に検索を行わせる検索実行手段12と、各検索エンジン2で得られた検索結果を所定の優先基準で並べ替える優先度設定手段13とを備えている。
【0030】
このうち、選択手段11は、ユーザUの入力表現に含まれるターゲットワードに基づいて、検索エンジン群7の中からウェブ検索を行うべき特定の検索エンジン2を選択する。また、検索実行手段12は、ユーザUの入力表現に含まれるキーワードを有するウェブページの検索を上記選択手段11で選択された特定の検索エンジン2に実行させるものであり、優先度設定手段13は、検索対象先から取得した情報の精度やランキングに基づいて複数のURLよりなる検索結果を集計し、ユーザUが欲するであろう所定の順位付け基準に基づいて、検索結果を並べ替えるものである。
【0031】
本実施形態のメタ検索用サーバ3は、更に、特定の検索エンジン2と関連づけられるターゲットワードが記録されたデータベース14を備えている。図4に示すように、このデータベース14は、個々のターゲットワードに対して、このターゲットワードの意味と関連深い一つ又は複数の検索エンジン2を対応させて作成されたテーブル15を備えている。
上記ターゲットワードは、例えば、「住所」、「電話番号」、「郵便番号」及び「飲食店」のように、多数の具体例を内包する集合体としての抽象概念を意味する単語が選択されている。
【0032】
この「住所」や「電話番号」のような抽象概念を検索の入力ワードとしてユーザUが選択する場合には、その言葉自体が掲載されたウェブサイトをユーザUが欲しているのではなく、その抽象概念に内包される個別具体的な情報(例えば、「住所」の場合は地番表示、「電話番号」の場合は個別の番号数字)が掲載されたウェブサイトを欲しているであろうと推認できる。そこで、例えば、ターゲットワードが「住所」である場合には、「住所」の地番表示を検索できる専門サイトが当該ワードの対応サイトとしてデータベース14に記録され、また、ターゲットワードが「電話番号」である場合には、各人の個別の番号表示を検索できる専門サイトが当該ワードの対応サイトとしてデータベース14に記録されている。
【0033】
そして、選択手段11は、上記データベース14に記録されているターゲットワードがユーザUの入力表現中に存在すれば、それに対応する特定の検索エンジン2をデータベース14から抽出して検索実行手段12に送り、検索実行手段12は、その選択された特定の検索エンジン2に対してユーザUの入力表現に含まれるキーワードを送信し、そのキーワードを有するウェブサイトの検索を、その選択された特定の選択検索エンジン2に実行させるようになっている。
【0034】
〔メタ検索処理〕
次に、図2〜図4を参照しつつ、上記メタ検索サーバ3において行われるメタ検索処理の具体例について説明する。
まず、図2に示すように、ユーザUによる質問文(例えば、「立命館大学」と「住所」)の入力があると(ステップS1)、この質問文の入力表現からターゲットワードの分析処理を行う(ステップS2)。
【0035】
図4は、上記ターゲットワードの分析処理の一例を示している。
図4に示すように、この分析処理は、質問文が単語の羅列で構成される場合のものであり、まず、質問文をスペースで分割し(ステップ21)、分割した各文字列を解析してターゲットワードとキーワードを特定する(ステップ22)。
このターゲットワードの特定は、各文字列の中に前記データベース14に記録されている単語に一致するものがあるか否かを検索し、一致する文字列があればそれをターゲットワードとし、それ以外のものをキーワードと見なすことで行われる。
【0036】
次に、上記の文字列中のターゲットワードの特定に失敗したか否かが判断され(ステップS23)、この特定に成功した場合には、そのターゲットワード(この場合は、「住所」)に関連づけられた特定の検索先サイトの情報を選択手段11から受け(ステップS24)、これらターゲットワードとその関連サイトの情報が検索実行手段12に出力される(ステップS33(図2参照))。
【0037】
他方、ターゲットワードの特定に失敗した場合や、ターゲットワードでの検出結果がない場合(ステップS25)には結果がUNKNOWNにセットされ(ステップS26)、検索実行手段12に出力される。なお、この場合には、ターゲットワード自体も検索エンジン2にかけるキーワードと見なし、所定の検索サイト2を用いたキーワード検索が行われる。
【0038】
図2に戻り、検索実行手段12は、ターゲットワードとその関連サイトの情報を得た場合には、検索エンジン群7中のその関連サイトに一致する検索エンジン2に前記キーワードを送信し、そのキーワードを有するウェブサイトの検索を当該検索エンジン2に実行させる(ステップS33)。
この検索実行は、予め設定した所定時間だけ行われ、所定時間を超えてタイムアウトの場合には(ステップS3)、エラーメッセージが表示される(図3のステップS15)。また、所定時間だけ待って検索実行手段12が検索結果を取得すると(ステップS4)、検索結果のウェブサイトの中に該当情報があるか否かチェックされ、ない場合には前記エラーメッセージが表示される(図3のステップS15)。
【0039】
検索結果のウェブサイト中に該当情報がある場合には、検索ヒット先にヒットしたウェブページの送信が要求され(ステップS6)、この要求を所定時間だけ行ったあと(ステップS7)、ウェブサイト中のドキュメントの分析が行われる(ステップS8)。
このドキュメントの分析は、例えば、キーワード(この場合は、「立命館大学」)とターゲットワードの抽象概念に含まれる具体例(例えば、「住所」の場合は地番表示)が所定の行間以内で記載されているか否か等によって行われる。
【0040】
そして、あるドキュメントが所定の表示の基準を満たしている場合(ステップS10)には、該当したドキュメントが保管される(ステップS10)。ドキュメントの分析は、検索結果として得られたすべてのドキュメントについて実施される(ステップS11)。図3に移り、上記分析が終了すると、検索対象先から取得した情報の精度やサイトランキングに基づいて該当するURLが集計される(ステップS12)。
その後、例えば、キーワード(立命館大学)とターゲットワードの具体例(地番表示)がなるべく近くに表示されているものを上位に配置する等の、独自の順位付け基準をベースに検索結果を並び替え(ステップS14)、ユーザ端末6のデバイスに対応した表示形式で、検索結果をユーザ端末6に送信する(ステップS16〜S20)。
【0041】
上記した本実施形態のメタ検索システム1によれば、ユーザUの入力表現(質問文)に含まれる抽象概念であるターゲットワードに基づいて特定の検索エンジン2を選択し、その入力表現に含まれるキーワードを有するウェブページの検索を、その選択された特定の検索エンジン2に実行させるようにしたので、ユーザUが思いつくままの素直な入力表現で、ユーザUが真に欲している情報が掲載されたウェブページを検索することができる。このため、検索エンジン2の使い方を習熟していなユーザUであっても、所望のウェブページを簡単に見つけ出すことができる。
【0042】
〔携帯電話機の場合の入力例〕
図5は、携帯電話機よりなるユーザ端末6に対するターゲットワードとキーワードの入力例を示している。
この場合のユーザ端末6は、ターゲットワードを入力するための第一入力部17と、キーワードを入力するための第二入力部18を個別に有しており、これらの各入力部17,18を構成するクライアントソフトとして、電子メールを送信するためのメールソフトを備えている。
【0043】
そして、図5に示すように、電子メールの件名記載部分がターゲットワード用の第一入力部17で、かつ、本文記載部分がキーワード用の第二入力部18に設定されており、選択手段11は、第一入力部17である件名記載部分に入力された表現(図例では「住所」)をターゲットワードとして認識するようになっている。また、検索実行手段12は、第二入力部18である本文記載部分に入力された表現(図例では「立命館大学」)をキーワードとして認識するようになっている。
【0044】
この場合、ターゲットワードのキーワードの入力部分を個別に設定して、それらのワードをユーザUに入力させるようにしたので、ユーザUの入力表現からターゲットワードを抽出する言語解析処理をメタ検索用サーバ3に備える必要がなくなり、本発明のメタ検索システム1をより簡単に実現することができる。
また、ユーザUは各入力部17,18にそれぞれターゲットワードとキーワードを入力するだけでよいので、携帯電話機のような文字入力の操作が面倒なユーザ端末6であっても、本発明のメタ検索システム1を利用して所望のウェブページを簡単に見つけ出すことができる。
【0045】
更に、電子メールの件名と本文の各記載部分を第一及び第二入力部17,18としたので、既にユーザ端末6にインストールされている既存のメールソフトを利用してメタ検索用サーバ3に入力表現を送信できる。このため、第一及び第二入力部17,18を有する特別なブラウザをユーザ端末6にインストールさせる必要がなく、本発明のメタ検索システム1をより簡便かつ安価に実現することができるという利点もある。
【0046】
〔他の実施形態〕
図6は、本発明の他の実施形態に係るメタ検索処理のフローチャートである。
本実施形態では、ユーザ端末6が、当該端末6の現在位置を示す位置情報であるGPS情報を発信可能であることを前提としている。
そして、メタ検索用サーバ3での検索処理において、GPS情報がある場合には、取得している検索結果の中からそのGPS情報に関連が高いウェブサイトがフィルタリングされる(ステップS27,S28)。
【0047】
このフィルタリングは、例えば、GPS情報の位置(ユーザ端末6の位置)を含む一定範囲のエリアに関する情報があるかを検索することによって行われ、できるだけGPS情報の位置に近い情報を含むウェブサイトのランキングを上位にランク付けするようになっている。
このため、ユーザ端末6の近隣の情報を有するウェブサイトを優先的にユーザUに与えることができるので、例えば、ユーザUがなるべく近い特定の飲食店の地番表示を知りたい場合等に特に有効となる。
【0048】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、ユーザUの入力表現は自然文で入力することにしてもよい。もっとも、この場合には、メタ検索用サーバ3において所定の自然文解析を行い、ターゲットワードとキーワードを自然文からそれぞれ抽出する処理を行う必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施形態に係るメタ検索システムの全体構成図である。
【図2】メタ検索処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】メタ検索処理の一例を示すフローチャート(図2の続き)である。
【図4】ターゲットワードの分析処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】携帯電話機の入力画面の一例を示す正面図である。
【図6】メタ検索処理の変形例を示すフローチャート(図2の続き)である。
【符号の説明】
【0050】
1 メタ検索システム
2 検索エンジン(検索用サーバ)
3 メタ検索用サーバ
6 ユーザ端末(入力手段)
11 選択手段
12 検索実行手段
13 優先度設定手段
17 第一入力部
18 第二入力部
U ユーザ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブページの検索を複数の検索エンジンに同時に実行させるメタ検索を行うメタ検索システムであって、
ユーザの入力表現に含まれかつ前記複数の検索エンジンの中の特定の検索エンジンと関連づけられるターゲットワードに基づいて、前記複数の検索エンジンの中から当該特定の検索エンジンを選択する選択手段と、
前記入力表現に含まれるキーワードを有する前記ウェブページの検索を前記選択手段で選択された前記特定の検索エンジンに実行させる検索実行手段と、
を備えていることを特徴とするメタ検索システム。
【請求項2】
前記ターゲットワードを入力するための第一入力部と、前記キーワードを入力するための第二入力部を個別に有する入力手段を更に備えており、
前記選択手段は、前記第一入力部に入力された表現を前記ターゲットワードとして認識し、前記検索実行手段は、前記第二入力部に入力された表現を前記キーワードとして認識する請求項1に記載のメタ検索システム。
【請求項3】
前記選択手段及び前記検索実行手段は、前記各検索エンジンを有する複数の検索用サーバとネットワークを介して通信可能なメタ検索用サーバに格納されており、
前記入力手段は、前記第一及び第二入力部にそれぞれ入力された入力表現を、前記ネットワークを介して前記メタ検索用サーバに送信可能なユーザ端末よりなる請求項2に記載のメタ検索システム。
【請求項4】
前記ユーザ端末は、電子メールを送信するためのメールソフトを備えており、
前記電子メールの件名記載部分が前記第一入力部でかつ本文記載部分が前記第二入力部に設定されている請求項3に記載のメタ検索システム。
【請求項5】
前記ユーザ端末は、当該端末の現在位置を示す位置情報を発信可能であり、
前記検索実行手段で検索されたウェブサイトのうち前記位置情報との関連が高いウェブサイトの表示優先度を高める優先度設定手段を更に備えている請求項3又は4に記載のメタ検索システム。
【請求項6】
ウェブページの検索を複数の検索エンジンに同時に実行させるメタ検索を行うメタ検索用サーバに、キーワードを含む入力表現をユーザが送信するためのユーザ端末であって、
前記複数の検索エンジンの中のある特定の検索エンジンと関連づけられるターゲットワードを入力するための第一入力部と、前記特定の検索エンジンに前記ウェブページの検索を行わせるために前記キーワードを入力するための第二入力部とが個別に設定されたクライアントソフトが格納されていることを特徴とするメタ検索に使用するユーザ端末。
【請求項7】
ウェブページの検索を複数の検索エンジンに同時に実行させるメタ検索方法であって、
ユーザの入力表現に含まれかつ前記複数の検索エンジンの中の特定の検索エンジンと関連づけられるターゲットワードに基づいて、前記複数の検索エンジンの中から当該特定の検索エンジンを選択するステップと、
前記入力表現に含まれるキーワードを有する前記ウェブページの検索を前記選択手段で選択された前記特定の検索エンジンに実行させるステップと、
を備えていることを特徴とするメタ検索方法。
【請求項8】
複数の検索エンジンの中から検索を行う特定の検索エンジンを選択する選択手段と、この選択手段で選択された前記特定の検索エンジンに検索を行わせる検索実行手段とを備えたメタ検索システムを制御するコンピュータのプログラムであって、
ユーザの入力表現に含まれかつ前記特定の検索エンジンと関連づけられるターゲットワードに基づいて、前記複数の検索エンジンの中から当該特定の検索エンジンを選択するステップと、
前記入力表現に含まれるキーワードを有する前記ウェブページの検索を前記選択手段で選択された前記特定の検索エンジンに実行させるステップと、
を備えていることを特徴とする前記コンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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