説明

メルカプトエタノールの酸化

本発明は、酸素または酸素を含む気体混合物を使用し、マンガン塩または銅塩を使用し、アンモニアおよび/またはアミンの存在下でメルカプトエタノールを酸素と反応させる、ジチオジグリコールを生成する方法に関する。この方法は、収率の高い均一な生成物を供給し、実際上、中間生成物は得られない。反応時間は極めて短い。過剰酸化は起こらず、どんな排気および排水問題もない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メルカプトエタノールを酸素または酸素含有ガスと反応させることによってジチオジグリコールを調製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
二硫化ジヒドロキシエチレンとしても知られているジチオジグリコールの調製は、下記の反応式によって表すことができる。
2HO−CH2CH2−SH+1/2O2→HO−CH2CH2−S−S−CH2CH2−OH+H2
【0003】
このタイプの酸化反応は、すでに以前から知られている。たとえば、米国特許明細書第3978137号には、硫黄含有化合物を酸化する方法が記載されており、同特許明細書では、pHが8〜14の範囲にある媒体中でその化合物を酸素含有ガスと反応させている。この反応では、VIIB族金属フタロシアニンおよびVIII族金属フタロシアニンを含む触媒系を使用している。
【0004】
この場合、硫化ナトリウム、硫化アンモニウムなどの硫化物のみならずチオフェノールやメチルメルカプタンも反応することができることが実施例から理解されよう。
【0005】
また、たとえばメルカプトエタノールやシステインなど他の官能基をもつメルカプタンも、その明細書の長いリスト中に広く言及されている。しかし、ジチオジグリコールをメルカプトエタノールから調製することについての具体的な情報は、同特許明細書中に見出すことはできない。
【0006】
メルカプトエタノールを酸化することによってジチオジグリコールを調製する実験を、この米国特許明細書に記載の方法に従って実施する場合、第1に非常に長い反応時間が必要であり、第2にジチオジグリコールの収率が非常に低い。
【0007】
加えて、副反応(過剰酸化)のために、一様でない生成物が形成され、コスト高で手間のかかる仕方で精製しなければならない。使用する触媒系もまた、非常に複雑で、コスト高であり、調製および除去するのに費用がかかる。
【0008】
米国特許明細書第4090954号に記載のメルカプタンを酸化する方法では、特定の非常に複雑な触媒、具体的には、ポルフィリンをベースにした金属錯体が用いられているが、ジチオジグリコールの調製にはあまり適当ではない。使用される錯体用の金属は、広範囲の金属が可能であるが、触媒である簡単な金属塩については言及されていない。さらに、この特許明細書では、メルカプトエタノールを酸化して二硫化ジヒドロキシエチレンにすることは明確には言及されていない。
【0009】
米国特許明細書第4258212号では、2−メルカプトエタノールを酸化する方法が記載されており、同特許明細書では、過酸化水素を酸化剤として使用しているが、これにより二硫化物と三硫化物の混合物が形成される。さらに、理論量以上の過酸化水素が必要であるため、プロセスにかなりの費用がかかる。
【0010】
米国特許明細書第4288627号では、チオールの酸化によって二硫化物を調製する方法が記載されており、同特許明細書では、モリブデン酸コバルトと第三級の液体アミンの混合物を触媒として使用している。ジチオジグリコールの調製については、この特許明細書では記載されていない。これも同様に副生成物および過剰酸化をもたらすので、この方法をジチオジグリコールの調製に適用すると選択性および収率が低くなる。
【0011】
同様に、米国特許明細書第4078992号でも、メルカプタン含有の炭化水素蒸留物を酸素または酸素含有ガスで酸化し、使用する触媒が金属フタロシアニンである方法が記載されている。
【0012】
同特許明細書に記載の触媒に加えて、助触媒、たとえばホウ酸、クロム酸アンモニウム、塩化アンモニウム、また金属塩、特に塩化鉄(III)をその反応中に使用することも可能である。この特許明細書では助触媒である他の金属塩について明確には言及されていない。
【0013】
最後に、米国特許明細書第4721813号を参照すると、酸素による酸化によって二硫化物を対応するメルカプトアルカノールから調製することが記載されている。同特許明細書では、少量の、具体的には、アンモニアとメルカプトアルカノールのモル比が0.01:1より低い量の気体の無水アンモニアを使用することが規定されている。金属含有のどんな触媒もなしで行うことが必須であることも規定されている。100%の転換を明言しているが、その目的には比較的高圧が必要である。得られる生成物は無臭ではなく、非常にわずかではあるが過剰酸化の危険もある。
【0014】
図1に、米国特許明細書第4721813号の方法によるメルカプトエタノール酸化のプロフィール(曲線b)を本発明によるメルカプトエタノール酸化のプロフィール(曲線a)と概略図で比較している。曲線aは、冒頭に明記した反応式での理論消費量に相当する100%でそれ以上の酸素が取り込まれない、すなわち、反応が終了し、過剰酸化などそれ以上の酸化反応が行われないことを示している。
【0015】
曲線bは、理論酸素量の100%を消費した後でさえも、さらに酸素が転換される、すなわち過剰酸化などの付加的反応がさらに行われることを示している。また、理論量の100%の酸素が消費される前に2次反応がすでに進行している、すなわち、酸素の一部は冒頭に明記した反応式に従って反応していないことも分かっている。過剰酸化は、硫黄の価数のより高い化合物またはS−O結合のある化合物の形成によって知ることができる。
【0016】
メルカプトエタノールを酸化することによってジチオジグリコールを得ることができる方法は、すでにいくつか知られているが、メルカプトエタノールを反応させることによってジチオジグリコールを調製するための、工業的に実現が容易で、環境に優しくかつ費用のかからない改良方法に対する必要性は依然大きい。
【特許文献1】米国特許明細書第3978137号
【特許文献2】米国特許明細書第4090954号
【特許文献3】米国特許明細書第4258212号
【特許文献4】米国特許明細書第4288627号
【特許文献5】米国特許明細書第4078992号
【特許文献6】米国特許明細書第4721813号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、本発明の目的は、実施するのに簡単で、明確な組成をもつ均一な生成物をもたらし、収率および選択性の高い、短い反応時間内に実施できる方法を提供することである。
【0018】
本発明の他の目的は、経済的に実施でき、特に排気および排水に対するどんな問題も引き起こさず、酸素または酸素含有ガスが過剰に供給されても過剰酸化の危険のない方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この目的は、メルカプトエタノールを酸素または酸素含有ガスと反応させることによってジチオジグリコールを調製する方法であって、銅塩またはマンガン塩を使用し、アンモニアおよび/またはアミンの存在下でメルカプトエタノールを酸素または酸素含有ガスと反応させる方法によって達成することができる。
【0020】
使用する触媒は、好ましくは銅(II)塩(2価の銅塩)またはマンガン(II)塩(2価のマンガン塩)である。特に適した銅(II)塩は酢酸銅であり、特に適したマンガン(II)塩は酢酸マンガンである。
【0021】
アンモニア水溶液の形でアンモニアを使用することが有利である。アミンは無水の形で使用することが好ましい。
【0022】
20〜70℃、特に35〜45℃で反応を実施することが好ましい。
【0023】
反応では最初にメルカプトエタノールを仕込み、酸素を計量して最初の仕込み中に入れることが有利である。
【0024】
また、酸素分圧0.5〜5バールで反応を実施することも有利である。
【0025】
常圧より高くした酸素圧力下で、特に1〜5バール、特に1〜2.5バールの常圧より高くした圧力下で反応を実施することが好ましい。
【0026】
常圧より高い一定の酸素圧力下で反応を実施するのが有利である。
【0027】
他の有機溶媒なしでプロセスを実施するのが有利である。
【0028】
本発明による方法の有利な実施形態では、反応を水性媒体中で実施する。本発明の文脈で水性媒体とは、水が、使用する総物質量に対して数%から、たとえば70%以上までの範囲の量で存在することをいう。
【0029】
水が10〜70重量%の量で存在するのが有利である。
【0030】
たとえば、最初に水を仕込み、次いでメルカプトエタノールを加え、触媒、さらにアンモニアまたはアミンを混合し、次いで酸素または酸素含有ガスを反応器中に導入することが可能である。
【0031】
まずメルカプトエタノールを直接水に溶解し、その溶液を反応容器に供給することも可能である。
【0032】
水を余分に使用することによって、収率および選択性に悪い影響を与えずに反応速度を制御することが可能になる。これによって、単位時間あたり放出される熱量が制御され、温度の過度の急上昇または過度に激しい反応を防止することも可能になる。
【0033】
酸素を不活性ガスとともにかつ/または水性媒体中で使用する手順には、さらに安全上の利点がある。そうであるのは、たとえば発火源が突然現れる場合に起こり得る可能な爆発の危険が回避されるからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
本発明による方法は、たとえば下記のように実施することができる。
【0035】
圧力反応器に最初にメルカプトエタノールを仕込み、触媒量の濃アンモニア水溶液、そして触媒量のマンガン塩、好ましくは酢酸マンガン、あるいは対応する触媒量の銅塩、特に酢酸銅と混合する。
【0036】
続いて、酸素を激しく撹拌しながら、たとえば2.5バールの圧力下で導入する。この過程で反応器を冷却する。純酸素の代わりに、酸素含有気体混合物、たとえば空気あるいは酸素と、窒素や希ガスなどの1種または複数の不活性ガスを使用することも可能である。
【0037】
適切な酸素圧を得るために、所望の酸素分圧に達するように全圧を調整することが必要であることは理解されよう。
【0038】
アンモニアまたはアミン中に溶解した金属塩を加えることが好ましい。
【0039】
酸素含有気体混合物を使用する場合、純酸素で行う場合に匹敵する反応速度を実現するために、酸素分圧が純酸素を使用する手順での酸素圧に相当するように気体混合物の全圧を適切に高めることがもちろん必要である。
【0040】
反応は直ちに開始される。可能であれば、温度を50℃より高く上昇させるべきではない。反応は強く発熱性であり、したがって適切で効率のよい冷却を保証するのが適切である。それでも温度が50℃より高くなる場合、酸素分圧を下げることによって反応を遅くすることができる。
【0041】
酸素を直接メルカプトエタノール中に導入することができ、酸素を直ちに液体内に分配し反応させる。しかし、酸素雰囲気を有効にメルカプトエタノールの上方に形成させるために酸素を液体表面の上方に導入することも可能である。撹拌(好ましくはスパージング撹拌器による)中にメルカプトエタノールは、必要とする酸素を速やかに雰囲気から吸収する。
【0042】
正確に理論量の酸素が消費されたときに反応は終結するが、これは反応混合物からそれ以上の酸素が吸収されないことによって分かる。
【0043】
反応を常圧より高くした一定の酸素圧力下で実施することが好ましい。これは、触媒ならびにアンモニアおよび/または複数のアミンの供給を受けた最初に仕込まれたメルカプトエタノールの上方に、たとえば常圧より高くしたある圧力、たとえば2.5または5バールにある酸素含有気体混合物によって圧力反応器内の酸素雰囲気を確立するようにして行うことができる。反応器を酸素源、たとえば容積計を備えたチューブに連結する。反応が進行する限り、選択された値の常圧より高い圧力下の酸素はこのチューブにより補給される。反応が終結するやいなや、それ以上の酸素の消費は生じず、したがって酸素の補給も行われない。
【0044】
他の変形形態は、反応容器中にある出発高圧を確立し、反応プロフィールに従って酸素の消費により圧力が下がるものである。酸素圧がある低い値に達すると、圧力下の酸素を新たに供給することによって出発時の圧力に回復させる。
【0045】
圧力が一定値、すなわち出発時の圧力に対応する値に留まる(これは反応が完了したことを意味する)までこれを繰り返す。
【0046】
本発明による方法の他の実施形態として、メルカプトエタノールを圧力反応器に仕込んだ後に不活性ガス、たとえば窒素を導入する形態がある。この場合、圧力下の酸素の供給によって適切な酸素分圧が確立されて反応が開始される。反応を完結させるために、理論量の酸素を供給する。
【0047】
この反応は、どんな有機溶媒も必要とせず、水の添加なしで進行させることもできる、すなわち触媒として必要であるアンモニアを気体の形で反応混合物に加えることもできる。しかし、水の存在によって反応が妨害されることはない。
【0048】
使用するアミンは、第一級、第二級、または第三級の脂肪族アミンでよい。アミンの混合物を使用することも可能である。
【0049】
本発明で使用するアミンには、下記のアミン、すなわちモノメチルアミン、またジ−、トリメチルアミン、モノ−、ジ−、トリエチルアミン、そして対応するn−プロピルおよびイソプロピルアミンを含めてモノ−、ジ−、トリプロピルアミンが挙げられる。直鎖または分枝ブチル基をもつ対応するブチルアミン、すなわち対応するn−、イソ−、第三級ブチルアミン、また基の混合したアミン、たとえばジメチルエチルアミン、メチルエチルアミン、ジエチルメチルアミンなども使用することができる。5個以上の炭素原子を含むアミンを含めて他の脂肪族アミンの使用も可能である。
【0050】
有用な銅塩は、有機または無機酸の1価および2価の塩である。1価の銅塩の例を挙げれば、塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)がある。チオシアン酸銅、酢酸銅、硫化銅などを使用することも可能である。2価の銅塩としては、塩化銅(II)、臭化銅(II)、硫化銅(II)、硫酸銅(II)、硝酸銅(II)、亜硝酸銅(II)、チオシアン酸銅(II)、シアン化銅(II)などが適している。
【0051】
マンガン塩としては、酢酸マンガン、硫酸マンガン、塩化マンガン、および銅塩について上記に指定したのと同じ陰イオンをもつマンガン塩も特に適している。
【0052】
本発明による方法により、メルカプトエタノールを酸素と反応させることによって高収率でジチオジグリコールを調製することが可能であることは特に驚くべきことであった。転換率は事実上100%であり、形成された生成物は均一で明確な組成を有し、水中で清澄である。どんな副反応も起こらないので、費用のかかる精製のステップが省ける。
【0053】
したがって、転換されなかった出発材料を回収することも必要でない。反応時間は非常に短い。二硫化物は、蒸留(分解)によって精製できないので、これは特に有利な点である。
【0054】
反応が完結したら、使用したアミンまたはアンモニアを生成した反応水とともに蒸留して上方から除き、それを次の反応で再利用することができる。
【0055】
使用した出発材料が反応で完全に転換されるので、排気を清浄化するためにどんな特別の予防策をも必要としない。排水問題も皆無である。
【0056】
従来の技術による方法と異なり、酸素が過剰に存在しても反応がそれ以上には起こらない。これはプロセスの安全上さらなる大きな利点である。
【0057】
反応生成物になお痕跡量存在する金属塩触媒は妨げにならない。したがって、最終製品を直接さらに処理することができる。
【0058】
本発明を以下の実施例によって詳細に例示する。
【実施例1】
【0059】
最初に100l容のオートクレーブにメルカプトエタノール55kg、濃アンモニア水200mlおよび酢酸マンガン15mgを仕込む。反応器にクーラおよびスパージング撹拌器を装着する。スパージング撹拌器を室温で作動開始し、酸素を2.0バールの貯蔵容器から流量計を通して引き込み、オートクレーブのバルブを開く。
【0060】
約30℃まで加熱した後、反応が開始される。流量計を通る酸素の消費および反応器中の温度の激しい上昇によってこれを知ることができる。次いで、冷却によって、またおそらくは酸素の圧力を低下させることによって、可能なら温度が60℃を超えないようにすることが必要である。酸素の導入には2〜5時間を必要とするが、理論量の酸素の導入が終わるやいなや、反応は自発的に停止する。なお、反応の停止は反応器中の温度の低下および流量計中のガスの流れの停止によって知ることができる。次いで、酸素との連絡を断つ。反応器中を真空度50〜100ミリバールにし、水をアンモニアとともに蒸留して上方から除く。残留物である清澄な液体54kgが残り、これはジチオジグリコールの収率99.5%に相当する。
【実施例2】
【0061】
実施例1と同様に、最初にメルカプトエタノール55kgをトリエチルアミン150mlおよび酢酸銅(II)25mgとともに仕込み、スパージング撹拌器のスイッチを入れた後、圧力4バールの酸素を反応器内に送り込み、次いで酸素貯蔵容器への接続を再び閉じる。
【0062】
反応は直ちに開始し、温度は60℃まで上昇し、反応器中の酸素の圧力は速やかに低下し始める(酸素消費のため)。反応器中の圧力が1.5バールまで低下したとき(約30分後)、酸素貯蔵容器へのバルブを再び開き、それにより反応器中の圧力は4バールまで増加する。再び55℃までの有意の温度上昇があり、次いで圧力は約30分かけて1.5バールまで戻る。
【0063】
この手順を繰り返すと、もはやどんな圧力低下も検出できなくなる。これによって反応が完了し、それ以上の酸素の消費が行われないことが示される。真空操作を適用し、ならびに反応水を第三級アミンとともに上方蒸留することによって、実施例1と同様に作業を終了する。残留物である、純度99.9%の清澄でわずかに褐色(生成物中に残留する痕跡量の銅塩の結果として)の液体54.1kgが残り、これはジチオジグリコールの収率99.6%に相当する。
【実施例3】
【0064】
ノズルリング、撹拌器、バッフルおよび圧力クーラを装着したPfaudler製の800l容ホウロウ引き圧力反応器にメルカプトエタノール440kgをトリブチルアミン1lおよび硫酸マンガン200mgとともに最初に仕込み、撹拌器を作動させた。次いで室温で、反応器の底部にあるノズルリングから10〜15バールの圧縮空気を導入し、圧力クーラの底部にある8〜10バールに調整した逆止弁(昇圧のため)から排出した。これによって圧縮空気の酸素含量の一部が消費される。これは反応器中の反応温度の上昇によって知ることができる。通過させる圧縮空気の量は、反応器中の反応温度が60℃を超えないように調整する。
【0065】
反応の開始時には、空気の供給をいくらか制限するべきであり、逆に反応の終結時には、最大限の(圧縮機の)空気量を通過させる。それでも、約8時間後に反応温度は室温にまで戻り、反応が終結する。反応水およびアミンを除いた後に収率99%に相当する清澄な液体420kgが残る。微量のメルカプトエタノールが空気とともに排出され、クーラ受け器で回収され、それにより、反応の選択性が実質的に定量的になる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】従来技術と本発明によるメルカプトエタノール酸化のプロフィールを比較した概略図である。
【図I】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
メルカプトエタノールを酸素と反応させることによってジチオジグリコールを調製する方法であって、銅塩またはマンガン塩を使用し、アンモニアおよび/またはアミンの存在下でメルカプトエタノールを酸素または酸素含有ガスと反応させる方法。
【請求項2】
使用する銅塩が銅(II)塩であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
使用するマンガン塩がマンガン(II)塩であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
銅(II)塩が酢酸銅であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
マンガン(II)塩が酢酸マンガンであることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
メルカプトエタノールを最初に仕込み、酸素を計量して最初の仕込み中に入れることを特徴とする、請求項1から5の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項7】
当該反応を酸素分圧0.5〜5バールで実施することを特徴とする、請求項1から6の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項8】
当該反応を常圧より高い酸素圧力下で、特に1〜5バール、好ましくは1〜2.5バールで実施することを特徴とする、請求項1から7の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項9】
当該反応を一定の酸素圧力下で実施することを特徴とする、請求項1から8の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項10】
理論量の酸素を当該反応のために使用することを特徴とする、請求項1から9の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項11】
アンモニア水溶液を使用することを特徴とする、請求項1から10の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項12】
アンモニアまたはアミン中に溶解した金属塩を使用することを特徴とする、請求項1から11の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項13】
当該反応を20〜60℃で実施することを特徴とする、請求項1から12の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項14】
当該反応を35〜45℃で実施することを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
当該反応を有機溶媒なしで実施することを特徴とする、請求項1から14の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項16】
当該反応を水性媒体中で実施することを特徴とする、請求項1から15の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項17】
当該反応を、使用する物質の総量に対して10〜70重量%の水の存在下で使用することを特徴とする、請求項16に記載の方法。

【公表番号】特表2007−501260(P2007−501260A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529669(P2006−529669)
【出願日】平成16年3月31日(2004.3.31)
【国際出願番号】PCT/EP2004/003383
【国際公開番号】WO2004/103956
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(505434010)シオプラスト ケミカルズ ゲーエムベーハー アンド シーオー. ケージー (1)
【Fターム(参考)】