説明

メロディ表示制御装置及びカラオケ装置

【課題】従来と比較して、歌唱者が歌唱し易いようにメロディを表示することのできる技術を提供する。
【解決手段】利用者が操作部14を用いて楽曲指定操作を行うと、まず、カラオケ装置1の制御部11は、指定された楽曲のガイドメロディデータを走査してメロディの切れ目を検出し、検出した区切り位置を示す区切りデータを生成する。次いで、制御部11は、カラオケ伴奏の再生を開始するとともに、再生されるカラオケ伴奏に対応するメロディ画像を、区切り位置データに基づいたページ区間毎に表示部13に表示する。このとき、制御部11は、時間長が最長である最長ページ区間のメロディ画像を表示する場合には、表示部13の表示領域いっぱいにメロディ画像を表示する。一方、最長ページ区間以外のページ区間を表示する場合には、制御部11は、メロディ画像を中央に寄せて表示し、左側の余白には前のページの一部を、右側には次のページの一部を挿入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メロディを表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケ装置においては、歌唱者の歌唱を支援するために、歌唱の旋律をガイドする方法が種々提案されている。例えば、主旋律となるメロディをカラオケ伴奏の進行に伴って演奏するカラオケ装置が提案されている。また、例えば特許文献1には、ガイドメロディの各音の音高を画面に表示する技術が提案されている。特許文献1に記載の技術によれば、歌唱者は、画面を参照することで、メロディを構成する各音の音高をある程度把握することができる。また、ガイドメロディを表示する他の例としては、メロディの音符を棒状の図形で表示し、棒状図形の画面縦方向の表示位置で音高を示すとともに、画面横方向の位置で発音タイミングを、棒状図形の長さで音符の実時間長を表す装置もある。
【特許文献1】特開2006−189471号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来のカラオケ装置では、ガイドメロディは、歌唱している区間(以下、歌唱区間とする)を含む一部を一ページとして表示し、ページ内の歌唱している部分がカーソルで表示される。このとき、一ページの長さをフレーズの切れ目で決定しており、ページの実時間長は均一でない。一ページの範囲を同じサイズの描画領域に表現するから、ページのサイズに依存して、音符を表す棒状図形の実時間あたりの長さが、ページによって異なる。そのため、棒状図形の長さと時間との関係に楽曲のページによってばらつきが生じるから、歌唱者が違和感を覚え、歌唱し難い場合があった。
【0004】
本発明は上述した背景の下になされたものであり、従来と比較して、歌唱者が歌唱しやすいようにメロディを表示することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本願の好適な態様であるメロディ表示制御装置は、楽曲のメロディを表すメロディデータと該メロディデータの時間的な区切りを表す区切りデータとが記憶された記憶手段と、前記記憶手段に記憶された区切りデータに基づいて前記メロディデータを複数の時間区間に区切った場合の、その時間長が予め定められた条件を満たす時間区間を特定時間区間として特定する特定時間区間特定手段と、前記メロディデータが表すメロディの音高の時間的な変化を示す画像を、前記時間区間毎に、所定の表示領域を有する表示手段に表示する表示制御手段であって、前記特定時間区間特定手段によって特定された特定時間区間を表示する場合には、該特定時間区間のメロディの音高の時間的な変化を示す最長メロディ画像のサイズと前記表示領域のサイズとが一致するように該最長メロディ画像を前記表示手段に表示する一方、前記特定時間区間以外の時間区間を表示する場合には、該時間区間と前記特定時間区間との時間長比が、該時間区間のメロディの音高の時間的な変化を示すメロディ画像と前記最長メロディ画像とのサイズ比に一致するように、該メロディ画像を前記表示手段に表示する表示制御手段とを具備することを特徴とする。
【0006】
上述の態様において、前記特定時間区間特定手段は、前記記憶手段に記憶された区切りデータに基づいて前記メロディデータを複数の時間区間に区切った場合の、その時間長が最長となる時間区間を特定時間区間として特定してもよい。
【0007】
また、上述の態様において、前記記憶手段に記憶されたメロディデータからメロディの区切りを検出し、検出した区切り位置を示すデータを区切りデータとして前記記憶手段に記憶させる区切り検出手段を備えてもよい。
【0008】
また、上述の態様において、前記表示制御手段は、前記特定時間区間以外の時間区間を表示する場合には、前記メロディデータから、該時間区間の時間軸における中心位置を中心として、前記特定時間区間の時間長と一致する時間部分を抽出し、抽出した時間部分のメロディを表すメロディ画像のサイズと前記表示領域のサイズとが一致するように、該メロディ画像を前記表示手段に表示してもよい。
【0009】
また、上述の態様において、前記メロディデータは、前記楽曲のメロディをノートの列で表すデータであり、前記表示制御手段は、前記メロディデータに含まれる各ノートを、該ノートの時間長がその表示サイズで表されるノート図形として表示してもよい。
また、上述の態様において、前記表示制御手段によって表示される画面上に、時間の経過に伴って一定速度で移動するカーソル図形を表示するカーソル図形表示手段を具備してもよい。
【0010】
また、本発明の好適な態様であるカラオケ装置は、上述のメロディ表示制御装置と、前記楽曲の伴奏を再生する伴奏再生手段とを具備し、前記表示制御手段は、前記伴奏再生手段によって再生中の伴奏に対応する時間区間のメロディを表すメロディ画像を表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、従来と比較して、歌唱者が歌唱しやすいようにメロディを表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
<A:構成>
図1は、この発明の一実施形態であるカラオケ装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。図において、制御部11は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備え、ROM又は記憶部12に記憶されているコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、バスBUSを介してカラオケ装置1の各部を制御する。記憶部12は、制御部11によって実行されるコンピュータプログラムやその実行時に使用されるデータを記憶するための記憶手段であり、例えばハードディスク装置である。表示部13は、液晶パネル等により構成される所定の表示領域を備え、制御部11による制御の下に各種の画像を表示する表示装置である。操作部14は、カラオケ装置1の利用者による操作に応じた信号を制御部11に出力する。マイクロホン15は、収音し、収音した音声を表すアナログ信号を出力する収音装置である。音声処理部16は、マイクロホン15が出力するアナログ信号をA/D変換してデジタルデータに変換する。また、音声処理部16は、制御部11の制御の下、オーディオデータをD/A変換して楽音信号を生成し、生成した楽音信号をスピーカ17に出力する。スピーカ17は、音声処理部16から供給される楽音信号に応じた強度で放音する。
【0013】
なお、この実施形態では、マイクロホン15とスピーカ17とがカラオケ装置1に含まれている場合について説明するが、音声処理部16に入力端子及び出力端子を設け、オーディオケーブルを介してその入力端子に外部マイクロホンを接続するとしても良く、同様に、オーディオケーブルを介してその出力端子に外部スピーカを接続するとしても良い。また、この実施形態では、マイクロホン15から音声処理部16へ入力される音声信号及び音声処理部16からスピーカ17へ出力される音声信号がアナログ音声信号である場合について説明するが、デジタル音声データを入出力するようにしても良い。このような場合には、音声処理部16にてA/D変換やD/A変換を行う必要はない。表示部13、操作部14についても同様であり、カラオケ装置1に内蔵される形式であってもよく、外付けされる形式であってもよい。
【0014】
記憶部12は、図示のように、楽曲データ記憶領域121と、背景画データ記憶領域122と、区切りデータ記憶領域123とを有している。楽曲データ記憶領域121には、カラオケ伴奏の際に用いられる、楽曲の伴奏音や歌詞を表す楽曲データが記憶されている。背景画データ記憶領域122には、カラオケ伴奏時に背景として表示される動画像を表す背景画データが記憶されている。区切りデータ記憶領域123には、メロディデータの表すメロディの時間的な区切り位置を示す区切りデータが記憶される。
【0015】
ここで、楽曲データ記憶領域121に記憶された楽曲データの内容の一例について説明する。楽曲データは、図2に示すように、ヘッダと複数のトラックとを有しており、複数のトラックには、利用者が歌唱すべき旋律(ピッチ)の内容を表すガイドメロディデータが記述されたガイドメロディデータトラック、カラオケ演奏音の内容を表す演奏データが記述された演奏トラック、歌詞の内容を表す歌詞データが記述された歌詞トラックがある。楽曲データのヘッダ部分には、図2に示すように楽曲を特定する曲番号データ、楽曲の曲名を示す曲名データ、ジャンルを示すジャンルデータ、楽曲の演奏時間を示す演奏時間データ等が含まれている。また、楽曲データのヘッダには、その楽曲の1泊あたりの時間長を示す拍データ(以下「基準時間長データ」という)や、拍子(1小節あたりの拍数)を示す拍子データ等も含まれている。以上のデータは、MIDIフォーマットに従って記述されている。楽曲データの歌詞トラックには、歌詞を構成する各文字を示すデータと、各文字を表示する表示タイミングを示すタイミングデータとを含む歌詞データが記述される。
【0016】
次に、ガイドメロディデータトラックに記述されているガイドメロディデータの具体例について説明する。図3は行と列のマトリックスになっているので、まず、列について説明する。第1列のデルタタイムは、イベントとイベントとの時間間隔を示しており、テンポクロックの数で表される。デルタタイムが「0」の場合は、直前のイベントと同時に実行される。第2列には演奏データの各イベントが持つメッセージの内容が記述されている。このメッセージには、発音イベントを示すノートオンメッセージ(NoteOn)や消音イベントを示すノートオフメッセージ(NoteOff)の他、コントロールチェンジメッセージ等が含まれる。なお、図3に示す例では、コントロールチェンジメッセージは含まれていない。
【0017】
第3列にはチャンネルの番号が記述されている。ここでは、説明の簡略のためガイドメロディデータトラックのチャンネル番号を「1」としている。
第4列には、ノートナンバ(NoteNum)あるいはコントロールナンバ(CtrlNum)が記述されるが、どちらが記述されるかはメッセージの内容により異なる。例えば、ノートオンメッセージ又はノートオフメッセージであれば、ここには音階を表すノートナンバが記述され、またコントロールチェンジメッセージであればその種類を示すコントロールナンバが記述されている。
第5列にはMIDIメッセージの具体的な値(データ)が記述されている。例えばノートオンメッセージであれば、ここには音の強さを表すベロシティの値が記述され、ノートオフメッセージであれば、音を消す速さを表すベロシティの値が記述され、またコントロールチェンジメッセージであればコントロールナンバに応じたパラメータの値が記述されている。
【0018】
次に、図3に示す各行は、歌唱すべきメロディの各音符の属性を示す楽音パラメータとなっており、ノートオンイベント、ノートオフイベントで構成される。
図3に示す例では、デルタタイム480の長さを4分音符の長さとしている。この場合、第1行、第2行のイベント処理によりC4音が4分音符の長さにわたって発音されることが示され、第3行、第4行のイベント処理によりG4音が4分音符の長さにわたって発音されることが示される。そして、第5行、第6行の処理によりF4音が2分音符の長さにわたって発音されることが示される。
【0019】
<B:動作>
図4はカラオケ装置1の制御部11が行う処理の流れを示す図である。以下、図4を参照しつつこの実施形態の動作について説明する。利用者が操作部14を用いて楽曲指定操作を行うと、まず、カラオケ装置1の制御部11は、指定された楽曲のガイドメロディデータを楽曲データ記憶領域121から読み出し、読み出したガイドメロディデータを最初から最後まで走査し、メロディの切れ目を検出し、検出した区切り位置を示す区切りデータを生成する(ステップS1)。この処理は、より具体的には、例えば、制御部11は、ガイドメロディデータのノートオフイベントと次のノートオンイベントとの間の時間間隔(すなわちメロディの切れ目)が予め定められた閾値以上であるか否かを判定し、判定結果が肯定的である場合に、メロディの区切り位置として検出する。制御部11は、検出した区切り位置を示す区切りデータを生成し、区切りデータ記憶領域123に記憶していく。
【0020】
次いで、制御部11は、区切りデータ記憶領域123に記憶された区切りデータに基づいてメロディデータを複数の時間区間(以下「ページ区間」という)に区切った場合の、その時間長が最長となる時間区間を特定時間区間(以下「最長ページ区間」)として特定する(ステップS2)。
【0021】
次いで、制御部11は、カラオケ伴奏の再生を開始する(ステップS3)。制御部11の制御の下、利用者によって指定された楽曲の楽曲データが楽曲データ記憶領域121からRAMへ転送されるとともに、指定された楽曲に対応する背景画データが背景画データ記憶領域122からRAMへ転送される。制御部11は、RAM内の楽曲データのイベントを順次読み出すことによりカラオケ伴奏を行うとともに、RAM内の楽曲データの歌詞データと背景画データを順次読み出すことにより歌詞と背景画とを表示部13に表示する。具体的には、制御部11は、楽曲データの演奏トラックに記述されたイベントデータを音声処理部16に出力する。音声処理部16は、供給されるイベントデータに基づいて楽音信号を生成する。生成された楽音信号はスピーカ17により楽音として出力される。また、制御部11は、背景画データと歌詞トラックの歌詞データとを表示部13に出力する。この結果、カラオケ伴奏音がスピーカ17から放音される一方、歌詞データの表す歌詞画像と背景画データの表す背景画とが表示部13に表示される。
【0022】
このとき、制御部11は、ガイドメロディが表す旋律をカラオケ伴奏の進行に従って表示部13に表示する。すなわち、制御部11は、再生中の伴奏に対応するページ区間のメロディの音高の時間的な変化を示すメロディ画像を表示部13に表示させる。このガイドメロディの表示処理について以下に説明する。まず、制御部11は、楽曲データのガイドメロディトラックに記述されたガイドメロディデータを順次読み出し、ガイドメロディデータを構成する各イベントのデルタタイムに従って、楽曲のメロディを構成する各ノートのピッチ(音高)、発音開始タイミング及び発音時間を特定する。次いで、制御部11は、メロディデータの表すメロディを示す画像(以下、「メロディ画像」という)を、ステップS1で検出した区切り位置に基づいたページ区間毎に、表示部13の表示領域に表示する(ステップS4)。このとき、制御部11は、描画領域の左端から右端まででその時間分とし、一ページがその長さに満たない場合は中央に寄せて表示する。すなわち、制御部11は、最長ページ区間のメロディを表示する場合には、最長ページ区間のメロディを表す画像(以下「最長メロディ画像」という)のサイズと、表示部13の表示領域のサイズとが一致するように(すなわち表示部13の表示領域いっぱいに)、そのページ区間のメロディ画像を表示する。一方、制御部11は、最長ページ区間以外のページ区間のメロディを表示する場合には、ページ区間と最長ページ区間との時間長比が、そのページ区間のメロディ画像と最長メロディ画像とのサイズ比に一致するように、メロディ画像を表示部13に表示する。
【0023】
図5及び図6は、表示部13に表示される画面の一例を示す図である。図5は、最長ページ区間のメロディ画像が表示された画面の一例を示す図であり、図6は、最長ページ区間以外のページ区間のメロディ画像が表示された画面の一例を示す図である。制御部11は、ガイドメロディデータに基づいて、ガイドメロディデータに含まれる各ノートのそれぞれを表すノート図形を表示部13に表示させるとともに、各ノートに対応する歌詞を表す文字画像を表示部13に表示させる。このとき、制御部11は、メロディデータに含まれる各ノートを、そのノートの時間長が表示サイズで表されるノート図形として表示する。
【0024】
図5及び図6において、ノート図形Z1,Z2,Z3,…は、楽曲のガイドメロディを構成する各ノートを示している。図5及び図6に示す例においては、ノート図形Z1,Z2,Z3,…は、各ノートの発音タイミングがその図中左右方向の表示位置で示されるとともに、各ノートの発音時間がその左右方向の長さで示されている。また、各ノートのピッチが図中上下方向の表示位置で示されている。制御部11は、ガイドメロディを構成する各ノートを示すノート図形Z1,Z2,Z3,…を、各ノートの発音開始タイミングが画面左右方向の表示位置で示されるとともに、各ノートの発音時間(ノートオンメッセージからノートオフメッセージまでの時間長)が画面左右方向の幅で示されるような画像を表示部13に表示させるためのデータを生成し、生成したデータを表示部13に供給する。表示部13は、供給されるデータに応じて、図5又は図6に示すような画像を表示する。
【0025】
このとき、図5に示すように、最長ページ区間の最長メロディ画像G1を表示する場合には、最長メロディ画像G1が表示部13の表示領域131の画面いっぱいに表示される。一方、最長ページ区間以外のページ区間を表示する場合には、図6に示すように、そのページ区間に対応するメロディ画像G2が画面中央に表示され、その左側には前のページ区間のメロディ画像G3の一部が表示されるとともに、その右側には後のページ区間のメロディ画像G1の一部が表示される。図6に示すように、制御部11は、画面の左右に余白が生じる場合には、左側の余白には前のページのメロディ画像の一部を、右側には次のページのメロディ画像の一部を挿入する。すなわち、制御部11は、最長ページ区間以外のページ区間を表示する場合には、メロディデータから、ページ区間の時間軸における中心位置を中心として、最長ページ区間の時間長と一致する時間部分を抽出し、抽出した時間部分のメロディを表すメロディ画像のサイズと、表示部13の表示領域131のサイズとが一致するように、メロディ画像を表示部13に表示する。
【0026】
また、このとき、図5及び図6に示すように、制御部11は、メロディのノート図形が表示されている画面上に、再生中のカラオケ伴奏に対応するカーソル図形K1を表示する。ここで、画面上に表示されているノート図形は、時間長比とサイズ比との関係が全てのページにおいて一致しているから、画面上を移動するカーソル図形は、全てのページにおいて時間の経過に伴って一定速度で移動する。従来の装置では、画面上に表示されるカーソル図形の移動速度がページ毎に異なっていたから、歌唱者が違和感を覚える場合があった。それに対しこの実施形態では、カーソル図形が全てのページにおいて一定速度で移動するから、歌唱者は違和感を覚えることなく、カーソル図形を歌唱の参考とすることができる。
【0027】
図4の説明に戻る。制御部11は、カラオケ伴奏の再生が終了したか否かを判定し(ステップS5)、カラオケ伴奏の再生が終了していないと判定された場合には(ステップS5;NO)、ステップS4の処理に戻り、ページ区間毎のメロディ画像表示処理を行う(ステップS4)。一方、カラオケ伴奏の再生が終了したと判定した場合には(ステップS5;YES)、制御部11は、そのまま処理を終了する。
【0028】
以上説明したようにこの実施形態では、画面で表示する実時間長を一定とし、一ページがその時間長に満たない場合には画面中央に表示し、その両端に前後フレーズの一部を表示する。また、従来の手法では、音の長さが同じでも、一ページの長さに依存して、ガイドメロディ上での表現が変化したのに対し、この実施形態では、ある曲の中では同じ長さとなる。このようにすることで、音符の長さと時間の長さの対応が容易になり、歌唱者は、メロディの音符の長さを把握し易い。また、この実施形態では、ガイドメロディ上を動くカーソルの速度を一定にすることで、歌唱者がメロディを目で追い易くすることができる。
【0029】
<C:変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。以下にその一例を示す。なお、以下の各態様を適宜に組み合わせてもよい。
(1)上述の実施形態では、制御部11が、ガイドメロディデータからメロディの区切り位置を検出し、検出した区切り位置を示す区切りデータを生成したが、これに代えて、メロディの区切り位置を示す区切りデータを含む楽曲データを用いるようにしてもよい。この場合は、制御部11は、楽曲データに含まれる区切りデータを参照して、最長ページ区間を特定し、メロディデータを表すメロディ画像を、区切りデータに基づいたページ区間毎に、表示部13に表示するようにすればよい。
【0030】
また、上述の実施形態では、図5及び図6に示すように、ガイドメロディの各ノートを示すノート図形と、歌詞を表す文字画像とを併せて表示するようにしたが、歌詞を表示せずに、ガイドメロディを表す図形のみを表示するようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、ガイドメロディの各ノートを表す帯状図形をノート図形として表示するようにしたが、各ノートを表すノート図形は帯状図形に限らず、例えば、楕円形状の図形であってもよく、各ノートの発音時間長や発音タイミング等がその表示位置や形状で示される図形であればよい。なお、本実施形態に係る図形は、楕円図形や帯状図形に限らず、線、点、記号等も含む。
【0031】
また、上述の実施形態では、最長ページ区間以外のページ区間を表示する場合に、画面中央にそのページ区間に対応するメロディ画像を表示するとともに、その前後のページ区間のメロディ画像を画面の左右に表示するようにした(図6参照)が、これに限らず、前のページ区間を表示して後のページ区間を表示しないようにしてもよい。要するに、再生中のページ区間のメロディ画像を画面中央に表示するようにすればよい。
【0032】
また、上述の実施形態では、制御部11は、メロディデータを区切りデータに基づいて複数の時間区間に区切った場合の、その時間長が最長となる時間区間を特定時間区間として特定するようにしたが、特定時間区間はこれに限らず、例えば、時間長が2番目に長い時間区間を特定時間区間として特定するようにしてもよく、その時間長が予め定められた条件を満たす時間区間を特定時間区間として特定するようにすればよい。
【0033】
(2)上述の実施形態では、メロディ表示制御装置をカラオケ装置1に適用した例について説明したが、本発明に係るメロディ表示制御装置が適用される装置はカラオケ装置に限らず、例えばパーソナルコンピュータや、携帯オーディオプレーヤ、携帯通信端末等であってもよい。
【0034】
(3)上述の実施形態では、カラオケ装置1は、記憶部12からガイドメロディデータを読み出す構成としたが、ガイドメロディデータを取得する態様はこれに限らず、例えば、通信ネットワークを介して他のコンピュータ装置からガイドメロディデータを受信するようにしてもよい。また、例えば、SDメモリカード等の記録媒体に記録されたガイドメロディデータを読み出すようにしてもよい。要するに、カラオケ装置1が、ガイドメロディデータを取得するものであればよい。
【0035】
(4)上述の実施形態では、カラオケ装置1が本実施形態に係る全ての処理を実行するようになっていた。これに対し、通信ネットワークで接続された2以上の装置が上記実施形態に係る機能を分担するようにし、それら複数の装置を備えるシステムが同実施形態のカラオケ装置1を実現するようにしてもよい。例えば、マイクロホンやスピーカ、表示装置及び操作部等を備えるコンピュータ装置と、メロディデータからノート図形データを生成する処理等を実行するサーバ装置とが通信ネットワークで接続されたシステムとして構成されていてもよい。この場合は、例えば、サーバ装置が、メロディデータを解析してメロディデータに対応するメロディ画像をコンピュータ装置に送信し、コンピュータ装置が、サーバ装置から受信されるノート図形データの表すノート図形を表示するようにしてもよい。
【0036】
(5)上述の実施形態におけるカラオケ装置1の制御部11によって実行されるプログラムは、磁気テープ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光記録媒体、光磁気記録媒体、RAM、ROMなどの記録媒体に記録した状態で提供し得る。また、インターネットのようなネットワーク経由でカラオケ装置1にダウンロードさせることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】カラオケ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図2】楽曲データの内容の一例を示す図である。
【図3】楽曲データに含まれるリファレンスデータトラックの内容を示す図である。
【図4】制御部が行う処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【図6】表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
1…カラオケ装置、11…制御部、12…記憶部、13…表示部、14…操作部、15…マイクロホン、16…音声処理部、17…スピーカ、121…楽曲データ記憶領域、122…背景画データ記憶領域、123…区切りデータ記憶領域、131…表示領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽曲のメロディを表すメロディデータと該メロディデータの時間的な区切りを表す区切りデータとが記憶された記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された区切りデータに基づいて前記メロディデータを複数の時間区間に区切った場合の、その時間長が予め定められた条件を満たす時間区間を特定時間区間として特定する特定時間区間特定手段と、
前記メロディデータが表すメロディの音高の時間的な変化を示す画像を、前記時間区間毎に、所定の表示領域を有する表示手段に表示する表示制御手段であって、前記特定時間区間特定手段によって特定された特定時間区間を表示する場合には、該特定時間区間のメロディの音高の時間的な変化を示す最長メロディ画像のサイズと前記表示領域のサイズとが一致するように該最長メロディ画像を前記表示手段に表示する一方、前記特定時間区間以外の時間区間を表示する場合には、該時間区間と前記特定時間区間との時間長比が、該時間区間のメロディの音高の時間的な変化を示すメロディ画像と前記最長メロディ画像とのサイズ比に一致するように、該メロディ画像を前記表示手段に表示する表示制御手段と
を具備することを特徴とするメロディ表示制御装置。
【請求項2】
前記特定時間区間特定手段は、前記記憶手段に記憶された区切りデータに基づいて前記メロディデータを複数の時間区間に区切った場合の、その時間長が最長となる時間区間を特定時間区間として特定する
ことを特徴とする請求項1に記載のメロディ表示制御装置。
【請求項3】
前記記憶手段に記憶されたメロディデータからメロディの区切りを検出し、検出した区切り位置を示すデータを区切りデータとして前記記憶手段に記憶させる区切り検出手段
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のメロディ表示制御装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記特定時間区間以外の時間区間を表示する場合には、前記メロディデータから、該時間区間の時間軸における中心位置を中心として、前記特定時間区間の時間長と一致する時間部分を抽出し、抽出した時間部分のメロディを表すメロディ画像のサイズと前記表示領域のサイズとが一致するように、該メロディ画像を前記表示手段に表示する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載のメロディ表示制御装置。
【請求項5】
前記メロディデータは、前記楽曲のメロディをノートの列で表すデータであり、
前記表示制御手段は、前記メロディデータに含まれる各ノートを、該ノートの時間長がその表示サイズで表されるノート図形として表示する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載のメロディ表示制御装置。
【請求項6】
前記表示制御手段によって表示される画面上に、時間の経過に伴って一定速度で移動するカーソル図形を表示するカーソル図形表示手段
を具備することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載のメロディ表示制御装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1に記載のメロディ表示制御装置と、
前記楽曲の伴奏を再生する伴奏再生手段と
を具備し、
前記表示制御手段は、前記伴奏再生手段によって再生中の伴奏に対応する時間区間のメロディを表すメロディ画像を表示する
ことを特徴とするカラオケ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−122170(P2009−122170A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−293001(P2007−293001)
【出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【出願人】(390004710)株式会社第一興商 (537)
【Fターム(参考)】