説明

メンテナンス装置及びアプリケーションシステム

【課題】画面メンテナンスに対する効率的な管理を提供し、好適な使用者によるアプリケーション画面のメンテナンス環境を実現する情報処理装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】実施形態のメンテナンス装置は、画面項目を含む画面情報に対してアプリケーション画面の画面レイアウトを識別するレイアウトバージョンが割り当てられ、画面項目にレイアウトバージョンが関連付けられた画面情報を格納する記憶部と、画面エディタを通じたレイアウトバージョンに関連付く画面項目を含む画面情報の編集処理を制御する画面エディタ制御部と、変更後の画面項目に異なるレイアウトバージョンを関連付けるメンテナンス制御部と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、アプリケーション画面の画面メンテナンスに関する。
【背景技術】
【0002】
アプリケーション画面は、アプリケーションの機能、アプリケーションの使用目的やその使用者の要望に応じて作成され、使用者は、アプリケーション画面を通じて当該アプリケーションが提供する機能を利用する。
【0003】
通常、アプリケーション画面を変更する場合、使用者はアプリケーションを提供する開発者(アプリケーション提供者)側に作業を依頼し、アプリケーション画面のメンテナンス(画面の新規作成、画面項目の修正、追加、削除、画面レイアウトの変更など)を行っていた。開発者は使用者からの依頼を受け、所定の画面作成モジュールを介して画面メンテナンス作業を行い、編集された画面情報をアプリケーションに反映(更新)していた。
【0004】
一方、既存のアプリケーション画面に対するメンテナンスは、当該アプリケーション画面を通じて入力された入力データやその保存先(格納場所)との整合性など、メンテナンス前後のアプリケーション画面それぞれの関係を適切に管理する必要があるため、メンテナンス管理が煩雑となり、アプリケーションを使用する使用者が容易にアプリケーション画面に対するメンテナンスを行えない実情があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−217534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
画面メンテナンスに対する効率的な管理を提供し、好適な使用者によるアプリケーション画面のメンテナンス環境を実現するメンテナンス装置及びアプリケーションシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の装置は、利用者端末の表示部にアプリケーション画面を表示させ、アプリケーション画面から入力される入力データの記憶処理及び記憶された入力データを表示部に表示させる表示処理を遂行するアプリケーションシステムのメンテナンス装置であり、入力データのデータ保存先が関連付けられるアプリケーション画面の画面項目を含む画面情報に対して該アプリケーション画面の画面レイアウトを識別するレイアウトバージョンが割り当てられ、画面項目にレイアウトバージョンが関連付けられた画面情報を格納する記憶部と、画面エディタを通じて行われる、レイアウトバージョンに関連付く画面項目を含む画面情報に対する編集処理を制御する画面エディタ制御部と、画面エディタから入力された変更情報を含む変更後の画面項目に、変更前の画面項目に関連付くレイアウトバージョンと異なるレイアウトバージョンを割り当て、変更後の画面項目に異なるレイアウトバージョンを関連付けるメンテナンス制御部と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1実施形態のアプリケーションシステムのシステムシステム構成図である。
【図2】第1実施形態のアプリケーションシステムの構成ブロック図である。
【図3】第1実施形態のアプリケーションシステムの画面情報例を示す図である。
【図4】第1実施形態のアプリケーションシステムのケース情報例を示す図である。
【図5】第1実施形態のアプリケーションシステムの入力画面例を示す図である。
【図6】第1実施形態のアプリケーションシステムのメンテナンスDBの一例であり、(a)はリリース管理情報、(b)はデータ保存先情報の一例を示す図である。
【図7】第1実施形態のアプリケーションシステムのメンテナンスDBの一例であり、(a)は画面構成情報、(b)は画面ブロック情報、(c)は項目情報の一例を示す図である。
【図8】第1実施形態のアプリケーションシステムの画面エディタ例を示す図である。
【図9】第1実施形態のアプリケーションシステムのメンテナンス後のリリース管理情報(a)、データ保存先情報(b)の一例を示す図である。
【図10】第1実施形態のアプリケーションシステムのメンテナンス後の画面構成情報(a)、画面ブロック情報(b)、項目情報(c)の一例を示す図である。
【図11】第1実施形態のアプリケーションシステムのメンテナンス後の画面情報例を示す図である。
【図12】第1実施形態のアプリケーションシステムのメンテナンス後のアプリケーション画面例を示す図である。
【図13】第1実施形態のアプリケーションシステムのメンテナンス後のケース情報例を示す図である。
【図14】第1実施形態のアプリケーションシステムの処理フロー(新規情報入力処理)を示したフローチャートである。
【図15】第1実施形態のアプリケーションシステムの処理フロー(入力済みデータ読み出し処理)を示したフローチャートである。
【図16】第1実施形態のアプリケーションシステムのメンテナンス処理フローを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態につき、図面を参照して説明する。
【0010】
実施形態に係るアプリケーションシステムは、例えば、コンタクトセンターシステムを一例に挙げることができ、使用者(管理者)によるアプリケーション画面のメンテナンス機能及び画面メンテナンスの管理機能を提供する。
【0011】
従来のコンタクトセンターシステムでは、インバウンド業務及びアウトバウンド業務に対する入力業務が発生し、オペレーターは各業務において顧客との対応記録(対応情報)を、オペレーター端末に表示される入力画面に入力する。入力画面から入力されたデータは、各入力データを識別する識別ID(ケースID)と関連付けられてデータベースに格納され、オペレーターは、識別IDに紐付く過去の対応記録を閲覧することができる。例えば、入力画面に設けられた入力欄に識別IDを入力すると、入力画面の各項目に識別IDに紐付く入力済みデータが読み出され、オペレーター端末のディスプレイ装置に表示される。
【0012】
このような入力画面は、コンタクトセンターシステムが受付可能な対応種別毎に異なり、また、顧客からの問い合わせ等に対する入力事項、アンケート調査の実施、製品、季節、キャンペーン等に応じて入力画面の画面項目が各々異なるので、頻繁に画面メンテナンスが行われている。
【0013】
このとき、メンテナンス後の入力画面とメンテナンス前の入力画面を別々に管理すれば、メンテナンス前後の各入力画面に対する入力データ同士やデータ保存先同士の関連付けを行う必要はないが、メンテナンスする度に画面情報が個別に生成されるので、複数の画面それぞれの管理が煩雑化してしまう。
【0014】
さらに、メンテナンス後の入力画面に対して入力した入力データとメンテナンス前の入力画面において入力した入力済みデータとが紐付かないため、例えば、1つの入力画面に新たに項目を追加した場合であっても、メンテナンス後の入力画面の全項目に対する各データ保存先を別途確保しなければならず、記憶領域の効率が図れない。
【0015】
また、入力画面から入力された入力済みデータは、データベースから呼び出してその入力画面に表示して、入力済みデータの閲覧、更新、削除等が行われる。この場合、メンテナンス前後の入力画面に対する入力データ同士やデータ保存先同士の関連付けがないので、メンテナンスした後の入力画面でメンテナンス前の入力画面で入力した入力済みデータを呼び出すことができず、入力済みデータを参照することができない。特に、入力済みデータは、入力作業を行った入力画面の画面項目と対応関係にあり、メンテナンス後の入力画面の画面項目と入力済みデータとの整合性を確保しなければならず、メンテナンス作業の非効率化を招くとともに、データのリレーショナル構造を考慮した高度な技術がなければ、画面メンテナンスを行うことができない。
【0016】
実施形態に係るアプリケーションシステムは、既存のアプリケーション画面に対する画面項目の修正、追加、削除、サイズ変更、ラベル名称の変更、フォントや修飾の変更、画面及び画面項目のレイアウトの変更などのメンテナンス作業に対し、メンテナンス前のアプリケーション画面とメンテナンス後のアプリケーション画面とを1つのアプリケーション画面に対するレイアウトバージョンで管理し、入力済みデータやメンテナンス前後の画面管理の効率化を通じて、使用者による好適なアプリケーション画面のメンテナンス環境を実現する。
【0017】
以下の説明では、コンタクトセンターシステムを一例に説明するが、これに限らず、アプリケーション機能を提供する他のシステムであってもよい。
【0018】
(第1実施形態)
図1から図16は、第1実施形態を示す図である。図1は、一実施形態に係るアプリケーションシステムの構成ブロック図である。図1に示すように、本実施形態のアプリケーションシステムは、アプリケーションモジュール(システム管理サーバ100、システムDBサーバ110)及びメンテナンスモジュール(メンテナンスサーバ200、メンテナンスDBサーバ210)を含んで構成される。
【0019】
アプリケーションモジュールは、アプリケーション機能全般を制御(実行)し、システム管理サーバ100は、インターネット等のネットワークNを通じて接続する端末装置(管理者端末300,オペレータ端末400)に、1つ又は複数のアプリケーション画面を通じたアプリケーション機能を提供する。システムDBサーバ110は、システム管理サーバ100が接続する端末装置に提供する情報や端末装置から入力された情報など、システム管理サーバ100が提供するアプリケーション機能に必要な情報を記憶する。なお、コンタクトセンターシステムのアプリケーション機能としては、データ入力処理、入力済みのデータ出力処理、分析処理、検索処理等がある。
【0020】
メンテナンスモジュールは、アプリケーションモジュールが提供する機能に対する1つ又は複数のアプリケーション画面それぞれのメンテナンス機能全般を制御(実行)し、メンテナンスサーバ200は、ネットワークNを通じて接続する管理者端末にエディタプログラムを伝送して画面エディタを通じたメンテナンス環境を提供し、画面エディタを介したメンテナンス作業に対するメンテナンス結果情報の受信及び画面情報生成処理を遂行する。メンテナンスDBサーバ210は、各アプリケーション画面全ての画面情報及びアプリケーション画面の各レイアウトバージョンの画面情報、画面エディタを介したメンテナンス作業に必要な情報を記憶する。
【0021】
本実施形態のアプリケーションシステムは、例えばHTMLやXHTML、その他技術で実現されるHTTPプロトコルを介して通信されるアプリケーション画面のデータをオペレーター端末400及び管理者端末300の各端末装置に伝送し、各端末装置に予めインストールされたブラウザ(表示制御部331)が、画面データを読み込むことで端末装置に表示される。図1に示すように、管理者端末300は、ネットワークNを通じたアプリケーションシステムとの通信制御を行う通信制御部310、記憶部(主記憶装置、補助記憶装置等)320、制御部(CPU)330、ディスプレイ装置340、及びマウス、キーボート等の操作入力装置350を備える。なお、オペレーター端末400も管理者端末300と同様であり、これらの構成に加え、必要に応じて音声入力装置や通話機能等を備えることもできる。
【0022】
図2は、本実施形態に係るアプリケーションシステムの構成ブロック図の一例を示す図であり、システム管理サーバ100は、制御部(CPU)101、通信制御部102、メモリ103を含んで構成され、オペレーター端末400を通じて入力されるアクセス制御情報(例えば、オペレーターIDやパスワード)を用いて認証処理を行う認証部1001、オペレーター端末400に伝送される画面情報を生成する画面生成部1002、オペレーター端末400を通じた操作入力に基づく各種の制御(画面遷移等の画面表示制御、入力データや指示コマンド等の受信制御、各種アプリケーション機能に従う処理の実行及び制御、オペレーター端末400へのデータ等の伝送制御等)を遂行するシステム制御部1003、及びシステムDBサーバ110に対するデータ入出力制御を遂行するデータ処理部1004を備え、これら各部全体の制御は、制御部(CPU)101が司り、画面生成部1002、システム制御部1003、及びデータ処理部1004が、アプリケーションシステムのアプリケーション制御部として機能する。
【0023】
システムDBサーバ110は、システム管理情報111、画面情報112、顧客情報113、及びケース情報114を記憶する。システム管理情報111は、認証処理に使用されるアクセス制御情報やアプリケーションシステムを使用する使用者情報等を記憶する。
【0024】
図3は、画面情報112の一例を示す図であり、画面情報112は、画面構成情報、画面ブロック情報、及び項目情報を含む。画面構成情報は、アプリケーション画面それぞれのレイアウトバーション、ブロックID、情報ブロックの表示順位(又は画面内の座標情報に基づく表示位置)を含む。本実施形態のアプリケーション画面は、複数の情報ブロックで区画され、画面項目が各情報ブロックに関連付けられた画面構成となっており、1つのアプリケーション画面が複数の情報ブロックを含んで構成される。画面ブロック情報は、画面構成情報のブロックIDをキーに、各情報ブロックのブロック名称、ブロック領域(画面内でのブロックサイズ)等の詳細情報を含む。
【0025】
項目情報は、画面に表示される各画面項目(ラベル、テキスト入力ボックス、選択ボタン(ラジオボタン)、チェックボックス、プルダウンメニュー、日時入力/日時表示欄、表等)を項目ID別に保持し、各項目がブロックIDをキーに画面に関連付けられている。項目情報は、項目ID、項目種別、ブロックID、データ保存先、ラベルID、サイズ1(高さ)、サイズ2(幅)、情報ブロック内での表示位置(例えば、情報ブロック領域の座標情報)を含む。データ保存先は、アプリケーション画面を介して入力された入力データ等のシステムDBサーバ110における格納場所を示す情報であり、例えば、ケース情報114を保持するシステムDBサーバ110のデータテーブルのカラム情報(テーブル1カラム1)である。また、ラベルIDは、ラベルマスタテーブルに格納されるラベル情報(文字情報)と関連付けられる(不図示)。
【0026】
なお、本実施形態では、入力画面1を複数の情報ブロックで構成し、情報ブロックが画面項目と関連付けられているが、これに限らず、入力画面1を複数の情報ブロックに区分せずに各情報ブロックに含まれる画面項目と入力画面1とをレイアウトバージョンを介して関連付けるように構成することも可能である。
【0027】
ケース情報は、画面情報112に基づいて生成される各レイアウトバージョンの入力画面1から入力された入力データを保持し、図4に示すように、ケース別バージョン情報及びケース詳細情報を含む。本実施形態では、コンタクトセンターシステムにおいてオペレーターが顧客との対応履歴を入力する際の入力画面を一例として説明しているので、当該入力画面1を通じてオペレーターから入力される入力データがケース詳細情報に相当する。
【0028】
図5は、画面情報112に基づいて生成された入力画面1の一例であり、システム管理サーバ100による認証処理後にオペレーター端末400に表示されるアプリケーション画面である。コンタクトセンターシステムでは、入電する顧客からの各問い合わせ等に対してケースIDを割り当て、ケースID別に顧客からの問い合わせ内容が入力及び保持される。同じ顧客からの問い合わせ等であっても、問い合わせ内容が異なれば、個別のケースIDが割り当てられ、同じ顧客に対して複数のケースIDが紐付けられる。すなわち、本実施形態のケースIDは、入力画面を通じて入力される入力データを識別する情報である。
【0029】
ケースIDは、システム側が所定のアルゴリズムを用いて自動的に生成した識別情報であり、数字、英字等を含む文字列で構成される。例えば、システム管理サーバ100のシステム制御部1003は、受信するオペレーターの操作指示に基づいて自動的にケースIDを生成することができる。なお、顧客の問い合わせ等に対する新規のデータ入力の場合、生成されたケースIDをオペレーター端末400の入力画面に表示することができ、この場合、システム制御部1003は、生成されたケースIDをオペレーター端末400に伝送し、オペレーター端末400のブラウザ331が、受信したケースIDを入力画面のケースID項目に表示する。また、入力データを登録する際(図5の登録ボタンの選択等の操作指示に基づいて)、ケースIDを生成し、ケースIDをオペレーター端末400に表示させずに、登録される入力データとケースIDとを関連付けてシステムDBサーバ110に記憶するように構成することもできる。
【0030】
ケース別バージョン情報(入力データ別レイアウトバージョン情報)は、ケースID、入力画面1のレイアウトバージョン、備考(例えば、画面の説明)を含み、ケースIDで管理される入力データとその入力データが入力された入力画面1のレイアウトバージョンとが関連付けられる。
【0031】
レイアウトバージョンは、1つのアプリケーション画面に対して複数の画面レイアウトを管理するために割り当てられる情報であり、例えば、入力画面1に対するメンテナンス遷移(履歴)を示している。例えば、メンテナンス作業が行われていない現行の入力画面1であればレイアウトバージョン「1」、レイアウトバージョン「1」の入力画面1に対してメンテナンス作業が行われた場合、新たにレイアウトバージョン「2」が割り当てられ、入力画面1に複数のレイアウトバージョンが割り当てられる。
【0032】
また、レイアウトバージョンは、図4に示すように入力データ(ケース情報)と一対一に関連付けられ、入力データが入力画面1のどのレイアウトバージョンと関連付けられるのか、すなわち、入力画面1のどの画面レイアウト状態の画面項目と対応付けられているのかを管理する情報となる。
【0033】
ケース詳細情報は、テーブル構造で各種データを保持する。例えば、ケース詳細情報は、カラム1からカラムNまでの複数のカラムを含み、ケースID毎に1レコードのケース詳細情報が保存される。各カラムには、ケースID(カラム1)、顧客ID(カラム2)、ステータス(カラム3)のように、入力データの各画面項目が関連付けられており、本実施形態のカラムは、図5の例で示した各情報ブロックの画面項目(入力項目、選択項目等)のデータ保存先である。
【0034】
図2に示すように、メンテナンスサーバ200は、制御部(CPU)201、通信制御部202、メモリ203を含んで構成され、認証部2001、システム管理サーバ100が提供するアプリケーション機能に関連するアプリケーション画面のエディタプログラムを管理者端末300に伝送し、管理者端末300で実行されるエディタ機能を制御する画面エディタ制御部2002、管理者端末300での操作入力によってメンテナンスされたアプリケーション画面のメンテナンス情報を受信し、画面情報を生成する画面情報生成部2003、メンテナンスされたアプリケーション画面の動作テスト処理を遂行するテスト部2004、及び受信したメンテナンス情報をアプリケーションモジュールに反映するメンテナンス情報反映制御部2005を備える。これら各部全体の制御は、制御部(CPU)201が司る。画面情報生成部2003、テスト部2004及びメンテナンス情報反映制御部2005等がメンテナンスモジュールのメンテナンス制御部として機能する。
【0035】
メンテナンスDBサーバ210は、画面メンテナンス情報211、リリース管理情報212、データ保存先情報213、仮登録情報214を記憶する。
【0036】
図6に示すように、リリース管理情報213は、入力画面1に関連付けられる1つ又は複数のレイアウトバージョン、レイアウトバージョンそれぞれの適用日、適用終了日、作成者、作成日などのリリース情報(アプリケーションモジュールで使用されるアプリケーション画面の適用有無及び最新のレイアウトバージョンがどれであるかを示す情報)を含む。データ保存先情報214は、入力画面1の各レイアウトバージョン全ての画面項目の保存先情報を保持する。例えば、ケース詳細情報のテーブルカラムと当該カラムに関連付けられる入力項目を含む。
【0037】
画面メンテナンス情報212は、アプリケーションモジュールの画面情報に格納されている最新レイアウトバージョンの画面情報と共に、入力画面1の他の全てのレイアウトバージョンの画面情報を含む。図7に示すように、最新のバージョン「3」と共に、バージョン「2」及びバージョン「1」の画面構成情報を有している。画面ブロック情報は、上述したアプリケーションモジュールの画面ブロック情報と同様である。項目情報においても、上述したアプリケーションモジュールの項目情報と同様に、項目ID別に各項目情報が保存されるとともに、入力画面1における全レイアウトバージョン毎に、各レイアウトバージョンの項目IDが関連付けられている。
【0038】
また、図7に示すように、レイアウトバージョン間で共通の画面項目については同じ項目IDが関連付けられている。すなわち、レイアウトバージョン間で共有する画面項目は、現行(変更前)のレイアウトバージョンに関連付く画面項目がそのままメンテナンス後(変更後)のレイアウトバージョンに関連付けられ、データ保存先も現行のレイアウトバージョンでのデータ保存先がそのまま関連付けられる。言い換えれば、変更前の画面項目とそのデータ保存先との関連付けを変更せずに、変更後のレイアウトバージョンは、共有する画面項目について変更前のレイアウトバージョンに関連付く画面項目をそのまま引き継いで、変更後のレイアウトバージョンに関連付けられる。
【0039】
図8は、画面エディタの一例を示す図であり、使用者にアプリケーション画面に対するメンテナンス機能と提供する。画面エディタは、所定のアプリケーション画面の最新又は過去のレイアウトバージョンの情報ブロック及び画面項目に対する画面メンテナンスを支援し、情報ブロック表示領域D1、メンテナンス操作領域D2、項目(部品)表示領域D3、プロパティ領域D4を含んで構成される。
【0040】
メンテナンスサーバ200は、接続する管理者端末300にエディタプログラム(画面エディタ機能を含むエディタ画面情報)を伝送し、管理者端末300のブラウザ331がエディタプログラムを読み込んで、ディスプレイ装置340に表示する。ブラウザ331は、操作入力装置350から操作指示に基づいて、画面項目の編集処理を遂行する。このとき、管理者は、メンテナンスを行うアプリケーション画面及びレイアウトバージョンを画面エディタを通じて入力する。メンテナンスサーバ200は、受信したアプリケーション画面選択情報(アプリケーション画面識別情報及びレイアウトバージョン)に基づいて、メンテナンスDBサーバ210の画面メンテナンス情報から該当するレイアウトバージョンの画面情報(画面構成情報、画面ブロック情報、項目情報)を抽出し、管理者端末300に伝送する。管理者端末300のブラウザ331は、受信した画面情報を画面エディタに表示する。受信した画面情報は記憶部320に保持する。
【0041】
図8の例で説明すると、管理者が、情報ブロック表示領域D1に表示された情報ブロック(基本情報、顧客情報、製品情報、問い合わせ情報等)を選択すると、ブラウザ331は、メンテナンスサーバ200から受信した画面情報に基づいて、選択された情報ブロックをメンテナンス操作領域D2に表示し、管理者は、メンテナンス操作領域D2に表示された情報ブロックに対して画面項目を追加、変更、削除や情報ブロックのサイズ変更等の編集を行うことができる。
【0042】
また、新たに情報ブロックを追加することもでき、図8では、入力画面1(ケース画面1)の最新レイアウトバージョン3に対して新たに情報ブロックを追加する画面メンテナンスの一例を示している。管理者は、例えば、項目表示領域D3において「情報ブロック」を選択し、情報ブロック表示領域D1に情報ブロック1を挿入(ドラッグアンドドロップ)することで、入力画面1に情報ブロック1を追加することができる。情報ブロック表示領域D1において情報ブロック1が選択されると、ブラウザ331は、メンテナンス操作領域D2に情報ブロック1に対する表示領域T1を表示し、管理者は、表示領域T1のサイズを拡大、縮小したり、表示領域T1内に項目表示領域D3の各項目をドラッグアンドドロップして画面項目を任意の位置に配置し、ラベル情報のテキスト入力、配置した画面項目のサイズ調整等を行い、入力画面1に対して新規に情報ブロック1を作成することができる。また、プロパティ情報表示領域D4で配置した画面項目のプロパティ情報(データ属性、フォント、高さ、幅、位置など)を操作することもできる。
【0043】
これらのメンテナンス作業の結果情報、すなわち、受信したアプリケーション画面の画面情報に対する変更情報は、記憶部340に格納される。変更情報の格納は、画面エディタでの操作入力に対してリアルタイムに行うことができ、また、メンテナンス作業の終了後に行われる。
【0044】
管理者は、画面エディタを通じたアプリケーション画面のメンテナンス作業が終了すると、画面エディタのテストボタンB1を選択し、メンテナンス後のアプリケーション画面をテスト表示して確認することができる。ブラウザ331は、テストボタンC1が選択されると、メンテナンス作業による変更情報を現行レイアウトバージョンの画面情報に反映し、変更情報と現行レイアウトバージョンの画面情報を含むメンテナンス情報をメンテナンスサーバ200に伝送する。
【0045】
メンテナンスサーバ200は、テストボタンC1の選択情報とともに受信するメンテナンス情報を仮登録情報215に格納する。メンテナンスサーバ200は、仮登録情報215に記憶されたメンテナンス情報を用いてテスト画面情報を生成し、仮登録情報215に格納する。
【0046】
メンテナンスサーバ200は、生成されたテスト画面情報に基づいてメンテナンス後のアプリケーション画面を生成し、管理者端末300に伝送する。管理者は、管理者端末300に伝送されたテスト画面情報に基づくメンテナンス後のアプリケーション画面を閲覧することができる。
【0047】
テスト画面情報に基づくアプリケーション画面を確認した管理者は、リリースボタンB2を選択することで、アプリケーションモジュールにメンテナンス後のアプリケーション画面(テスト画面情報)を反映することができる。リリースボタンB2が選択されると、メンテナンスサーバ200は、リリース管理情報211を参照してメンテナンス前において最も新しいレイアウトバージョンの番号「3」を取得し、レイアウトバージョン「3」に1を加えたレイアウトバージョン「4」をテスト画面情報に新たに割り当てる。そして、メンテナンスDBサーバ210及びシステムDBサーバ110にレイアウトバージョン4の画面情報を反映する。
【0048】
具体的には、図9に示すように、メンテナンスDBサーバ210のリリース管理情報211に入力画面1に対するレイアウトバージョン4を追加し、画面項目が新たに追加されている場合には、入力画面1のデータ保存先情報213に、追加された画面項目に対応するデータ保存先カラムを新たに割り当ててデータ保存先情報213を更新する。このとき、メンテナンスサーバ200は、追加された画面項目のデータ保存先を入力画面1の過去のレイアウトバージョンで使用しているデータテーブルのカラムと対応付ける。すなわち、レイアウトバージョンが変更されても各レイアウトバージョンが画面項目のデータ保存先として参照するデータテーブルは、入力画面1に対して設けられた1つのデータテーブルとすることができる。なお、上述のように、レイアウトバージョン間で共有する画面項目は、過去のレイアウトバージョンに関連付く画面項目がそのまま変更後のレイアウトバージョンに関連付けられ、データ保存先も過去のレイアウトバージョンでのデータ保存先がそのまま変更後のレイアウトバージョンに関連付けられる。
【0049】
また、図10に示すように、メンテナンスサーバ200は、メンテナンスDBサーバ210の画面構成情報、画面ブロック情報及び項目情報それぞれに対してレイアウトバージョン4の各情報を反映して画面メンテナンス情報212を更新する。
【0050】
さらにメンテナンスサーバ200は、システムDBサーバ110の画面構成情報、画面ブロック情報それぞれにレイアウトバージョン4の画面情報を上書きし、画面情報112を更新する。上述のようにシステムDBサーバ110は、最新のレイアウトバージョンのみを保持するようにしているため、入力画面1に対して新たなレイアウトバージョンが生成された場合、今まで保持していたレイアウトバージョンの画面情報112が削除され、新たに最新のレイアウトバージョンの画面情報112が保持される。なお、画面情報112の項目情報については、新たに追加された画面項目に対応する新たな項目IDが割り当てられ、データ保存先としてデータテーブルに割り当てられた新たなカラムが保存され、既存の各項目IDに紐付く情報は、そのまま保持される。
【0051】
図12は、オペレーター端末300に表示されるレイアウトバージョン「4」の入力画面1を示す図である。図12に示すように、レイアウトバージョン「4」の入力画面1は、図5に示したレイアウトバージョン「3」の入力画面1に対して情報ブロック1が顧客情報ブロックB2と製品情報ブロックB3との間に組み込まれ、情報ブロック1以外の情報ブロック、すなわち、情報ブロック1以外の画面項目は、レイアウトバージョン「3」と共有する画面項目であり、そのデータ保存先もレイアウトバージョン「3」におけるデータ保存先がそのまま保持される。
【0052】
図13は、図12のレイアウトバージョン「4」の入力画面1から入力された入力データの一例を示す図であり、ケース別バージョン情報においてケースIDが「C7」がレイアウトバージョン「4」と関連付けられ、ケース詳細情報には、レイアウトバージョン「4」の各画面項目に入力されたデータが保存される。このとき、情報ブロック1に関連付けられた画面項目に対して入力されたデータは、ケース詳細情報に新たに割り当てられたカラムに格納されるが、レイアウトバージョン「3」と共有する画面項目については、そのままレイアウトバージョン「3」で使用されているデータ保存先カラムに格納される。
【0053】
図14は、本実施形態のアプリケーションシステムの処理(新規入力処理)フローを示したフローチャートである。
【0054】
図14に示すように、オペレーターは、オペレーター端末400を通じてシステム管理サーバ100に接続する。システム管理サーバ100の認証部1001は、オペレーター端末400から受信するアクセス制御情報を用いて認証処理を遂行する(S401、S101)。
【0055】
システム管理サーバ100のシステム制御部1003は、画面生成部1002にアプリケーション画面の生成指示を出力し、画面生成部1002は、システムDBサーバ112から画面情報112を抽出し、アプリケーション画面を生成する。このとき、画面生成部1002は、メンテナンスDBサーバ210のリリース管理情報211を参照し、適用日や最新レイアウトバージョンのチェックを行い(S102)、システムDBサーバ112から画面情報112を抽出する(S103)。また、抽出した画面情報112をHTML変換処理等してHTMLやXHTML等のHTTPプロトコルを介して通信される入力画面1の画面データを生成する(S104)。画面生成部1002は、生成した画面データをオペレーター端末400に伝送する(S105)。このとき、システム管理サーバ100は、予め又は所定のタイミングでシステムDBサーバ112から画面情報112を抽出してメモリ103に記憶させておくことができ、この場合、画面生成部1002は、メモリ103に記憶されている画面情報112を参照して入力画面1を生成することができる。
【0056】
オペレーターは、オペレーター端末400に表示された入力画面1から顧客からの問い合わせ等に対して各種データを入力する(S402)。入力画面1に入力された入力データは、例えば、図5の登録ボタンの選択によってオペレーター端末400からシステム管理サーバ100に伝送される。このとき、オペレーター端末400から伝送される入力データに、入力画面1のレイアウトバージョン情報が含まれるように構成することができる。
【0057】
システム制御部1003は、受信した入力データをデータ処理部1004に出力し、データ処理部1004は、データ保存処理を遂行する(S106)。具体的には、上述したように新規に入力された入力データに対するケースIDを生成し、ケースIDと入力画面1のレイアウトバージョンとを関連付けてケース別バージョン情報に格納し、ケースIDに関連付けられる入力データを、画面項目に紐付くデータ保存先のケース詳細情報における該当カラムに格納する。また、この場合もシステム制御部1003は、受信した入力データをメモリ103に一旦に記憶させ、所定のタイミングでメモリ103に記憶された1つ又は複数の入力データを出力し、データ処理部1004がデータ保存処理を遂行するように構成することも可能である。
【0058】
図15は、本実施形態のアプリケーションシステムの処理(入力済みデータ読み出し処理)フローを示したフローチャートである。
【0059】
オペレーターは、入力画面1を通じて入力した入力済みデータをケースIDを指定し、顧客からの問い合わせ内容等を閲覧することができる。例えば、再度の顧客からの問い合わせに対して初めに対応した時に入力した入力データを顧客名に基づき検索し、ケースIDを特定した後、指定して読み出すことができる。ケースIDを特定する方法としては、顧客名による検索以外に、処理ステータス(処理中、完了など)を持たせ、ステータスを指定することで対象を抽出表示し、参照したいケースIDを指定することもできる。
【0060】
オペレーターは、画面表示すべき対象を、例えば顧客名に基づき検索し、その結果特定されたケースIDを、図5に示した入力画面1の基本情報のケースID入力欄に入力すると(S403)、ブラウザ331は、入力されたケースIDをシステム管理サーバ100に伝送する。システム制御部1003は、受信したケースIDを用いてケース別バージョン情報を参照し、入力されたケースIDに紐付く入力画面1のレイアウトバージョンを識別する(S107)。システム制御部1003は、識別されたレイアウトバージョンが最新のレイアウトバージョン、すなわち、システムDBサーバ110に保持されている最新のレイアウトバージョンである場合(S108,YES)、システムDBサーバ110又はメモリ103に記憶されている画面情報112から画面情報を抽出する(S109)。一方、識別されたレイアウトバージョンが最新のレイアウトバージョンでない場合は(S108,NO)、メンテナンスDBサーバ210の画面メンテナンス情報212を参照し、該当のレイアウトバージョンの画面情報を抽出し、メモリ103に記憶する(S110)。
【0061】
入力されたケースIDに紐付くレイアウトバージョンの画面情報を抽出した後、システム制御部1003は、抽出した画面情報を画面生成部1002に出力し(S111)、さらにケースIDで特定される入力データをケース詳細情報から抽出する(S112)。そして、ケース詳細情報から抽出した入力データを、レイアウトバージョンと画面項目との関連付け及び画面項目と入力データの保存先との関連付けに基づいて、画面生成部1002で生成された画面データの各画面項目に入力データを含ませた入力画面1をオペレーター端末400に伝送する(S113)。
【0062】
オペレーターは、ケースIDを指定して呼び出した入力データを含む入力画面1から顧客からの問い合わせ等に対して各種データを更新することができ(S404)、図5の登録ボタンの選択によってオペレーター端末400からシステム管理サーバ100にケースID、レイアウトバージョン及び入力データが伝送される。データ処理部1004は、ケースIDで特定されるケース詳細情報の該当カラムに受信した入力データを各々格納する(S114)。
【0063】
図16は、本実施形態のアプリケーションシステムのメンテナンス処理フローを示したフローチャートである。
【0064】
図16に示すように、管理者は、管理者端末300を通じてメンテナンスサーバ200に接続する。メンテナンスサーバ200の認証部2001は、管理者端末300から受信するアクセス制御情報を用いて認証処理を遂行する(S301、S201)。認証処理後、画面エディタ制御部2002は、接続した管理者端末300にエディタプログラム(画面エディタ機能を含むエディタ画面情報)を伝送し(S202)、管理者端末300のブラウザ331がエディタプログラムを読み込んで、ディスプレイ装置340に表示する。ブラウザ331は、操作入力装置350から操作指示に基づいて、画面項目の編集処理を遂行するとともに、画面エディタ制御部2002が画面エディタに対する制御を開始する(S302、S203)。
【0065】
管理者は、メンテナンスを行うアプリケーション画面及びレイアウトバージョンを画面エディタを通じて入力する(S303)。画面エディタ制御部2002は、受信したアプリケーション画面選択情報(アプリケーション画面識別情報及びレイアウトバージョン)に基づいて、メンテナンスDBサーバ210の画面メンテナンス情報から該当するレイアウトバージョンの画面情報を抽出し(S204)、管理者端末300に伝送する(S205)。
【0066】
管理者は、画面エディタを通じたアプリケーション画面のメンテナンス作業が終了する場合(S304)、図5の画面エディタにけるテストボタンB1を選択し、ブラウザ331はテストボタンB1の選択に基づいて、変更情報と現行レイアウトバージョンの画面情報を含むメンテナンス情報をメンテナンスサーバ200に伝送する(S305)。
【0067】
画面エディタ制御部2002は、テストボタンC1の選択情報とともにメンテナンス情報を受信し、受信したメンテナンス情報を仮登録情報215に格納する。画面情報生成部2003は、仮登録情報215に記憶されたメンテナンス情報を用いてテスト画面情報を生成し、仮登録情報215に格納する(S206,S207)。
【0068】
テスト部2004は、画面生成部1002と同様の処理を行ってテスト画面情報に基づいてメンテナンス後のアプリケーション画面を生成し、管理者端末300に伝送する(S208)。管理者は、管理者端末300に伝送されたテスト画面情報に基づくメンテナンス後のアプリケーション画面を閲覧することができる。
【0069】
テスト画面情報に基づくアプリケーション画面を確認した管理者は、リリースボタンB2を選択することで、アプリケーションモジュールにメンテナンス後のアプリケーション画面を反映する(S307)。リリースボタンB2が選択されると、メンテナンス情報反映制御部2005は、リリース管理情報211を参照してメンテナンス前において最も新しいレイアウトバージョンの番号を取得し、レイアウトバージョンに1を加えたレイアウトバージョンをテスト画面情報に新たに割り当てる。
【0070】
メンテナンス情報反映制御部2005は、メンテナンスDBサーバ210のリリース管理情報211に入力画面1に対する割り当てたレイアウトバージョンを追加し、画面項目が新たに追加されている場合には、入力画面1のデータ保存先情報213に、追加された画面項目に対応するデータ保存先カラムを新たに割り当ててデータ保存先情報213を更新する。また、メンテナンス情報反映制御部2005は、メンテナンスDBサーバ210の画面構成情報、画面ブロック情報及び項目情報それぞれに対して新たに割り当てたレイアウトバージョンの各画面情報を反映して画面メンテナンス情報212を更新する。
【0071】
さらにメンテナンス情報反映制御部2005は、システムDBサーバ110の画面構成情報、画面ブロック情報それぞれに新たに割り当てたレイアウトバージョンの画面情報を上書きし、画面情報112を更新する(S209)。
【0072】
このように本実施形態では、アプリケーション画面である入力画面1に対して画面レイアウトを識別するレイアウトバージョンを割り当て、入力画面1と画面項目とが直接関連付けられずに、入力画面1のレイアウトバージョンを介して画面項目が関連付けられる。このため、入力画面1に対する画面メンテナンスが行われた場合、メンテナンスが行われる前の現行のレイアウトバージョンに対して新たな異なるレイアウトバージョンが別途入力画面1に割り当てられ、入力画面1は画面メンテナンスがなされることで、画面項目と関連付けられる複数のレイアウトバージョンと関連付けられることになる。
【0073】
また、入力画面1の画面メンテナンスをレイアウトバージョンで管理し、レイアウトバージョンと画面項目とを関連付けて管理するので、レウアウトバージョンが異なっても共有する画面項目については、レイアウトバージョンが変更される前のデータ保存先をそのまま活用したデータ管理(データの保存及び読み出し)を行うことが可能となる。
【0074】
また、入力データを識別するケースIDと入力画面1のレイアウトバージョンが関連付けられて保存されるため、ケースIDを指定することで入力画面1のレイアウトバージョンが特定され、さらにレイアウトバージョン別に紐付く画面項目を特定される。言い換えれば、ケースIDに対応する入力データが入力された入力画面1のレイアウトバージョンが特定され、そのケースIDに紐付くレイアウトバージョンの入力画面1の画面生成及びデータ保存先からのデータ抽出(データの読み出し)が、レイアウトバージョンに基づいて一括して行え、入力済みデータと入力画面1の画面項目との整合性が自動的に確保されることになる。
【0075】
本実施形態では、入力画面1に対してメンテナンス作業を行った場合、メンテナンス作業後の入力画面1を、メンテナンス作業前の元の入力画面1と個別に管理(例えば、元の入力画面に含まれる画面情報と個別の画面情報を生成したり、元の入力画面に対応するデータ保存先を個別にしてデータ管理を行うなど)せずに、メンテナンス作業によって変更された入力画面1に対して変更前、変更後の各レイアウトを異なるバージョンで関連付け、各レイアウトバージョンを介して入力済みデータ及び各画面項目が管理されるメンテナンス環境が実現される。
【0076】
また、レイアウトバージョン間で共有する画面項目は、過去のレイアウトバージョンに関連付く画面項目がそのまま変更後のレイアウトバージョンに関連付けられ、データ保存先も過去のレイアウトバージョンでのデータ保存先がそのまま変更後のレイアウトバージョンに関連付けられるので、入力画面1に対してレイアウトバージョン間で共有する画面項目については、レイアウトバージョンが異なっても画面項目及びデータ保存先が変わらずに同一であるため、例えば、レイアウトバージョン全体を通じた特定の画面項目のデータを分析することができ、また分析に際して同じデータ保存先からデータを抽出できるので、分析処理の効率化を図ることができる。
【0077】
なお、上述の実施形態では、アプリケーションモジュール(システム管理サーバ100、システムDBサーバ110)及びメンテナンスモジュール(メンテナンスサーバ200、メンテナンスDBサーバ210)を個別に構成した一例について説明したが、例えば、システムDBサーバ110とメンテナンスサーバ200を統合したり、システム管理サーバ110が保持する画面情報112の変わりに、メンテナンスDBサーバ210の画面メンテナンス情報を参照してアプリケーション制御するように構成することもできる。また、メンテナンスサーバ200の各部をシステム管理サーバ100に統合することも可能である。
【0078】
また、上述の実施形態では、画面情報112を、画面構成情報及び画面ブロック情報に分けているが、例えば、情報ブロックを画面項目として関連付けることも可能ある。例えば、情報ブロックに対して項目IDを割り当てて項目情報に保持し、項目種別に「基本情報ブロック」、位置に「XY座標(アプリケーション画面におけるXY座標)」を格納し、情報ブロック上に配置される画面項目の位置に「XY座標(アプリケーション画面におけるXY座標)」を格納するように構成すればよい。
【0079】
また、上述の実施形態において、情報ブロック1が追加されたレイアウトバージョン4から、情報ブロック1を含まないレイアウトバージョン3に戻す場合、例えば、レイアウトバージョン4の画面項目に対して情報ブロック1を削除する画面メンテナンスを行うことで、レイアウトバージョン3の画面項目に戻すことができる。
【0080】
この場合、レイアウトバージョン4に対して画面メンテナンスが行われたので、レイアウトバージョン4から情報ブロック1を削除したレイアウトバージョン5が新たに入力画面1に関連付けられ(割り当てられ)、レイアウトバージョン3と同じ画面項目が関連付けられる異なるレイアウトバージョン5が生成される。このように構成することでレイアウトバージョンの段階的なメンテナンス履歴を明確にすることができ、特に、レイアウトバージョンが異なっても画面項目及びデータ保存先が共有されるので、容易かつ効率的な画面メンテナンス管理を提供することができる。
【0081】
なお、このように現行レイアウトバージョンのアプリケーション画面を過去のレイアウトバージョンに戻した運用を行う場合、上述したように1つのアプリケーション画面で多くのレイアウトバージョンを持たせるように構成することも可能であるが、例えば、入力業務における画面を基本入力画面及びカスタマイズ画面の個別のアプリケーション画面で管理した運用も可能である。一定期間のみ使用するキャンペーン用画面などを基本画面に対するカスタマイズ画面として管理し、キャンペーン期間中はカスタマイズ画面を使用し、キャンペーン終了後、基本入力画面に戻す。このように運用することで、1つのアプリケーション画面をキャンペーン前後にその都度画面メンテナンスを行う必要がない。
【0082】
また、日本語、中国語、韓国語、英語などの各言語にあわせて各々の画面情報をレイアウトバージョンに関連付けて保持することによって、同じデータベースの内容を表示する場合に、使用者の選択する言語にあわせた画面レイアウト、画面項目のラベル名称を提供するアプリケーションシステムを構築することも可能である。
【0083】
また、上述の実施形態の各処理は、コンピュータで実行可能なプログラムとして実現することも可能であり、当該プログラムがインストールされたコンピュータは、実施形態に係るアプリケーションモジュールの各処理又は/及びメンテナンスモジュールの各処理を遂行する情報処理装置として動作することが可能である。例えば、不図示の補助記憶装置に当該プログラムが格納され、CPU等の制御部が補助記憶装置に格納されたプログラムを主記憶装置に読み出し、主記憶装置に読み出された該プログラムを制御部が実行し、コンピュータに実施形態に係る各処理を動作させることができる。
【0084】
また、上記プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された状態で、コンピュータに適用することも可能であり、インターネット等のネットワークを通じてコンピュータにダウンロードすることも可能である。コンピュータ読取可能な記録媒体としては、CD−ROM等の光ディスク、DVD−ROM等の相変化型光ディスク、MO(Magnet Optical)やMD(Mini Disk)などの光磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスクやリムーバブルハードディスクなどの磁気ディスク、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、SDメモリカード、メモリスティック等のメモリカードが挙げられる。また、特別に設計されて構成された集積回路(ICチップ等)等のハードウェア装置も記録媒体として含まれる。
【0085】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0086】
100 システム管理サーバ
101 制御部(CPU)
1001 認証部
1002 画面生成部
1003 システム制御部
1004 データ処理部
102 通信制御部
103 メモリ
110 システムDBサーバ
111 システム管理情報
112 画面情報
113 顧客情報
114 ケース情報
200 メンテナンスサーバ
201 制御部(CPU)
2001 認証部
2002 画面エディタ制御部
2003 画面情報生成部
2004 テスト部
2005 メンテナンス情報反映制御部
202 通信制御部
203 メモリ
210 メンテナンスDBサーバ
211 画面メンテナンス情報
212 リリース管理情報
213 データ保存先情報
214 仮登録情報
300 管理者端末
310 通信制御部
320 記憶部
330 制御部(CPU)
331 表示制御部(ブラウザ)
340 ディスプレイ装置
350 操作入力装置
400 オペレーター端末
N ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者端末の表示部にアプリケーション画面を表示させ、前記アプリケーション画面から入力される入力データの記憶処理及び記憶された前記入力データを前記表示部に表示させる表示処理を遂行するアプリケーションシステムのメンテナンス装置であって、
前記入力データのデータ保存先が関連付けられる前記アプリケーション画面に表示される画面項目を含む画面情報に対して該アプリケーション画面の画面レイアウトを識別するレイアウトバージョンが割り当てられ、前記画面項目に前記レイアウトバージョンが関連付けられた画面情報を格納する記憶部と、
画面エディタを通じて行われる、前記レイアウトバージョンに関連付く画面項目を含む画面情報に対する編集処理を制御する画面エディタ制御部と、
前記画面エディタから入力された変更情報を含む変更後の画面情報に、変更前の画面情報に割り当てられたレイアウトバージョンと異なるレイアウトバージョンを割り当て、変更後の画面項目に前記異なるレイアウトバージョンを関連付けるメンテナンス制御部と、 を含むことを特徴とするメンテナンス装置。
【請求項2】
前記メンテナンス制御部は、変更後の画面項目に変更前の画面項目が含まれる場合、変更前の前記レイアウトバージョンに関連付く画面項目を変更後の前記異なるレイアウトバージョンに関連付けることを特徴とする請求項1に記載のメンテナンス装置。
【請求項3】
前記アプリケーション画面は、複数の情報ブロックから構成され、前記画面項目は前記情報ブロックそれぞれと関連付けられており、前記情報ブロックが前記レイアウトバージョンと関連付けられ、前記画面項目が前記情報ブロックを通じて前記レイアウトバージョンと関連付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のメンテナンス装置。
【請求項4】
利用者端末の表示部にアプリケーション画面を表示させ、前記アプリケーション画面から入力される入力データの記憶処理及び記憶された前記入力データを前記表示部に表示させる表示処理を遂行するアプリケーションシステムの、前記アプリケーション画面に対するメンテナンスプログラムであって、
前記入力データのデータ保存先が関連付けられる前記アプリケーション画面の画面項目を含む画面情報に対して該アプリケーション画面の画面レイアウトを識別するレイアウトバージョンが割り当てられ、前記画面項目に前記レイアウトバージョンが関連付けられた画面情報を格納する機能と、
画面エディタを通じて行われる、前記レイアウトバージョンに関連付く画面項目を含む画面情報に対する編集処理を制御する機能と、
前記画面エディタから入力された変更情報を含む変更後の画面情報に、変更前の画面情報に割り当てられたレイアウトバージョンと異なるレイアウトバージョンを割り当て、変更後の画面項目に前記異なるレイアウトバージョンを関連付ける機能と、
をコンピュータに実現するためのプログラム。
【請求項5】
利用者端末の表示部にアプリケーション画面を表示させ、前記アプリケーション画面から入力される入力データの記憶処理を遂行するアプリケーション制御部と、
前記入力データのデータ保存先が関連付けられる前記アプリケーション画面の画面項目を含む画面情報に対して該アプリケーション画面の画面レイアウトを識別するレイアウトバージョンが割り当てられ、前記画面項目に前記レイアウトバージョンが関連付けられた画面情報を格納する記憶部と、
画面エディタを通じて行われる、前記レイアウトバージョンに関連付く画面項目を含む画面情報に対する編集処理を制御する画面エディタ制御部と、
前記画面エディタから入力された変更情報を含む変更後の画面情報に、変更前の画面情報に割り当てられたレイアウトバージョンと異なるレイアウトバージョンを割り当て、変更後の画面項目に前記異なるレイアウトバージョンを関連付けるメンテナンス制御部と、を含み、
前記アプリケーション制御部は、
前記入力データと前記入力データが入力された前記アプリケーション画面のレイアウトバージョンとを関連付けた入力データ別レイアウトバージョン情報を生成して第1記憶領域に格納する第1記憶処理と、前記アプリケーション画面のレイアウトバージョンに関連付く前記画面項目のデータ保存先に前記入力データを格納する第2記憶処理と、を遂行することを特徴とするアプリケーションシステム。
【請求項6】
前記アプリケーション制御部は、
前記利用者端末から、記憶された前記入力データに対する表示要求が入力された場合に、前記入力データ別レイアウトバージョン情報を参照して前記入力データに関連付くレイアウトバージョンを判別し、前記判別されたレイアウトバージョンに関連付く前記画面項目を含む画面情報に基づいて前記アプリケーション画面を生成することを特徴とする請求項5に記載のアプリケーションシステム。
【請求項7】
前記アプリケーション制御部は、
前記判別されたレイアウトバージョンに関連付く前記画面項目に対応するデータ保存先から前記入力データを抽出し、前記抽出した入力データを含む前記生成したアプリケーション画面を前記利用者端末に伝送することを特徴とする請求項6に記載のアプリケーションシステム。
【請求項8】
利用者端末の表示部にアプリケーション画面を表示させ、前記アプリケーション画面から入力される入力データの記憶処理を遂行する第1機能と、
前記入力データのデータ保存先が関連付けられる前記アプリケーション画面の画面項目を含む画面情報に対して該アプリケーション画面の画面レイアウトを識別するレイアウトバージョンが割り当てられ、前記画面項目に前記レイアウトバージョンが関連付けられた画面情報を格納する第2機能と、
画面エディタを通じて行われる、前記レイアウトバージョンに関連付く画面項目を含む画面情報に対する編集処理を制御する第3機能と、
前記画面エディタから入力された変更情報を含む変更後の画面情報に、変更前の画面情報に割り当てられたレイアウトバージョンと異なるレイアウトバージョンを割り当て、変更後の画面項目に前記異なるレイアウトバージョンを関連付ける第4機能と、をコンピュータに実現させるとともに、
前記第1機能は、
前記入力データと前記入力データが入力された前記アプリケーション画面のレイアウトバージョンとを関連付けた入力データ別レイアウト情報を生成して第1記憶領域に格納する第5機能と、前記アプリケーション画面のレイアウトバージョンに関連付く前記画面項目のデータ保存先に前記入力データを格納する第6機能と、をさらに含むことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−103813(P2012−103813A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−250217(P2010−250217)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】