説明

モグラが忌避する薬剤を、土壌に注入する容器。

【課題】モグラによる農耕地の作物の生育阻害、又は、水田の漏水被害等を防止するためにモグラの活動生活圏内からモグラを撃退放逐すること。
【解決手段】モグラが忌避する薬剤をモグラの活動生活圏内の坑道へ長期に忌避剤を注入してモグラを撃退放逐する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モグラによる農耕地の作物の生育阻害、又は水田においては漏水による問題等の被害を防止することを目的とするもので。モグラが忌避する薬剤をその農耕地の土壌に長期間散布し、その農耕地からモグラを放逐する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
平成5年以降から現在までのモグラに関する公開公報のリストを表示した71件の中で、音と振動による忌避撃退装置に関するのが15件、モグラ捕獲器に関するのが14件、薬剤による忌避撃退又は薬殺に関するのが4件表示されている。
【0003】
本発明の目的と類似の薬剤でモグラを忌避撃退する4件の中で、モグラが食するミミズを仕掛けた装置に噛み付くとモグラの口中に薬液を注入して薬殺するのが公開しているが。
他の薬剤によるモグラを忌避撃退する方法には、アンモニアガスが発生する薬剤は粉体、粒体でも良いが、取扱い易さと持続性の点から錠剤にしたものが好ましく、これをモグラの坑道上に空気孔を掘削しこの穴から忌避剤を複数個投入後、穴を塞いで坑道を密閉してモグラを忌避撃退する方法。
【0004】
又は、木タール液とニンニクの成分を混合したモグラ忌避剤をその所要の土壌へ適宜な間隔で穴を掘て忌避剤を埋めてモグラを忌避撃退する実施例が公開されている。
以上のようにモグラを撃退する忌避剤の散布は手作業で頒布するのが現状である。
【特許文献1】実開平06−068468
【特許文献2】特開平06−001705
【特許文献3】特開2005−179330
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、忌避剤の効果の持続性が土壌の作用と大気への発散で低下するとその都度新たに忌避剤を手作業で散布しなければならない煩わしがあり。又そこに忌避剤を多量にため置くと効用が大気に発散する不合理がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ブロー成型された軟質のプラスチックス容器で俗にジュースの容器として、呑口が長いパイプ状の形状をした馴染みのある容器にペースト状のモグラ忌避剤を充填したことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、軟質のプラスチックス容器にモグラ忌避剤をペースト状にして充填したところに特徴があり、モグラを忌避退治するときには直接、薬剤に手を触れることなく容易にモグラの坑道近くの土壌に適量の忌避剤を注入ができ、また注入後の残りの忌避剤はそのままに容器に充填されたままの状態で土壌に触れず、大気に発散することがなく忌避剤の効用は減衰しない容器入りのモグラ忌避剤をその耕地の適所に配置しておける。
そしてモグラの活動を監視しながら、農作業中に軟質のプラスチックス容器であるから必要に応じてプラスチックス容器を圧搾し容易に坑道近くの土壌に長期に忌避剤を注入できて確実にモグラを忌避撃退できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
忌避剤を充填する軟質のプラスチックス容器の形状は俗に即飲できるジュース容器の形状で、この容器から内容物のジュースが口中で吸引できるようにした呑口部分が長いパイプ状の形状にしたパイプ状呑口部分の中に、本発明では更に忌避剤を土壌に注入するための注入パイプをこの呑口部分のパイプ状の中に嵌挿し、この呑口部分で注入パイプが伸縮できるようにし、この注入パイプの長さは呑口部分から容器の底部までの長さにする。
【0009】
そして、指先で取り外せる物体で注入パイプ先端を閉塞した注入パイプは、この呑口部分から忌避剤を充填後に、忌避剤が流出しないように注入パイプをパイプ状の呑口部分に押し込んで嵌挿してから、パイプ状の呑口部分の先端は熱溶着して容器中に注入パイプを嵌挿した状態で忌避剤と一緒に容器内へ密閉封止して仕上げる。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明の1実施例で、容器を逆立てにした状態の本発明容器の立面図であって。これを使用するには容器1のパイプ状口部2の先端を切断開封してから容器1の本体部4を圧搾して内圧が発生すると、注入パイプ5の先端を閉塞した栓6の作用で内圧を受けた注入パイプ5は、パイプ状口部2から外に忌避剤の圧力で押し出され、押し出された注入パイプ5を更に引き出して適当の長さの状態にしてから閉塞栓6を取り払い、パイプ状口部2を指先で挟んで注入パイプ5とを同体にして、ともに差し押さえながら土壌の適所に忌避剤が注入できるように差し込み、土壌に差し込んだ注入パイプ5はこの容器1が逆立ちにして忌避材を再注入できる状態を保ち。モグラを忌避退治したい耕作地にこの容器1と共に注入パイプ5を差し込んで植え付け配付する。
【0011】
尚、注入パイプ5を土壌に差し込んで、この容器1を逆立ちの状態で長期にこれを保つためにはパイプ状口部2を構成する肉厚を厚くすると、この先端部分3を切断開封し難いことから、この先端部分3にネジキャップを装着し、容器1の内容物を封止するのも良い。
【0012】
この容器へ充填した忌避剤はクレゾール、樟脳、硫黄粒、硫黄合剤等を混合攪拌してペースト状にした忌避剤をこの容器1内に充填するが、この忌避剤の態様は、注入パイプ5を土壌に差し込んで忌避剤が注入パイプ5内を流動して土壌に注入できれば良いことから、忌避剤の態様は粒体状、又は、粉体と液体の混合の態様でもよく、又、上記に列記した薬品以外にモグラが忌避する有効な物質でガスが発生して容器1が破裂しない物質を混合してモグラの忌避剤にするのも良い。
【0013】
注入パイプ5の先端の閉塞栓6の替わりに注入パイプ5の先端も熱で溶着閉塞7しておき、この容器を使用する時にはパイプ状口部2の先端部3を切断した後にこの切断道具で、注入パイプ5を指先で引き出した状態の注入パイプ先端部7も切断して閉塞を解いて注入パイプから忌避剤が流出できるようにする。
【0014】
容器1内に充填する忌避剤には独特の発色光の着色料を添加して着色した忌避剤を充填したこの容器を、モグラを忌避撃退して放逐したい耕作地のそれぞれの適地に容器を逆立てにして植え付けておくと、この容器が耕作地の中では独特の発色光であるから視認しやすく、モグラの活動状況に応じてこの容器ごと適所に移動植え付けてそこの新たな土壌に忌避剤を注入してモグラを忌避撃退が容易にでき、その耕作地からモグラを駆除するのが能率よくできる。
【0015】
そして、忌避剤に着色する発色光の色調は耕作地より対照的な色調が良く、例えばオレンジ色、ピンク色に染めるのが好ましい。このようにしておくとモグラの活動により長期に忌避剤を土壌に注入するから容器内の忌避剤の残量が確認でき、モグラを撃退するためのこの容器の管理が容易にできる。
【産業上の利用可能性】
【0016】
この発明の容器は、容器内に充填した内容物と、容器口から外に押し出すように注入パイプを繰り出して、この注入パイプから容器内の内容物を目的物へ注入するための、この注入パイプとをこの容器内に一緒に封止しておき。使用時には前期のような仕組みで使用することが特徴であるから、他の産業上の利用には接着作業に注入パイプを繰り出して手の届かない所に注入し、又、注入パイプの先端を改良して接着剤を塗布する作業にも利用でき、また手の届かない隙間に充填剤を注入する作業にも利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】容器の先端部3を切断開放し、注入パイプを引き出して閉塞栓6は取り去らずに土壌に差込み、容器を逆立てにした状態の立面図である。
【図2】図1の容器のパイプ状口部の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0018】
1 容器
2 パイプ状口部
3 先端部
4 本体部
5 注入パイプ
6 閉塞栓
7 注入パイプの先端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
俗に即飮できるジュース容器の形状でパイプ状呑口部分からモグラ忌避剤を充填後に、先端を閉塞した注入パイプをパイプ状呑口部分から容器内の底近くまで押し込んで、この注入パイプが容器外に延伸できるようにパイプ状呑口部分内に嵌挿し、この注入パイプと忌避剤を一緒に容器内に封止したことを特徴とするモグラが忌避する薬剤を、土壌に注入する容器。
【請求項2】
忌避剤として、クレゾール、樟脳、硫黄粒、硫黄合剤、又、耕作地で視認しやすい独特の発色光の着色料を添加して混合攪拌して容器内に充填したことを特徴とするモグラが忌避する薬剤を、土壌に注入する容器。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−124999(P2007−124999A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−349918(P2005−349918)
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願人】(505447179)
【出願人】(591238202)
【出願人】(592242246)
【出願人】(505447180)
【Fターム(参考)】