説明

モジュールをタイヤ壁に取り付ける支持体及びインサート

本発明は、モジュールをタイヤの壁に取り付けるよう設計された取り付け支持体であって、実質的に細長い形状の実質的に可撓性の本体を有し、本体がタイヤの壁に実質的に永続的に当てて配置可能な連結面、連結面と反対側に位置した第2の自由面及び本体の第2自由面に直角な軸線を有すると共に第2自由面上に開口した少なくとも1つの実質的に円筒形の凹部を有する、取り付け支持体において、凹部は、実質的に円筒形の形をしているチャンバ内に延びる第1の実質的に円筒形の部分を有し、チャンバは、第1の部分と同軸であり且つ凹部の第1の部分の直径よりも大きな直径を有することを特徴とする取り付け支持体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ壁へのモジュール、特に電子モジュール、例えば圧力センサの取り付けに関する。本発明は、特に、かかるモジュールの取り付けのための支持体及びインサートに関する。本発明は又、かかる取り付け支持体を備えたタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
安全上の理由で、車両の車輪の各々に取り付けられ、車輪のタイヤのパラメータ、例えば圧力又は温度の測定専用であり且つ測定パラメータの異常な変化があればこれを運転手に知らせるよう設計された電子モジュール及び/又はセンサを有するモニタシステムを搭載した自動車の数が増えている。
【0003】
電子デバイスが用いられる場合、これをタイヤに直接取り付けないようにすることが好ましい。というのは、これにより、走行時、特にタイヤが変形する際にタイヤの機械的挙動が乱される恐れがあるからである。さらに、これにより、機械的に大きすぎる応力がモジュールに加わり、場合によってはモジュールが損傷することがある。
【0004】
欧州特許第1385710号明細書は、電子モニタモジュールをタイヤに取り付ける装置を記載している。この装置は、ねじを受け入れるよう設計された剛性インサートを備えたゴム状混合物で作られた複数のパッチ又は支持体を有している。ねじ止めにより取り付けられるよう設計された電子モニタモジュールは、ねじが通される有孔側部突起を備えている。この装置は、複雑であり、製作がコスト高であり、しかもそれほど信頼性がある訳ではない。その理由は、主として、この装置があまりにも剛性的に取り付けられるからである。
【0005】
米国特許第7009506号明細書は、取り外し可能な取り付け具の使用を可能にする種々の形態に従って提供されたパッチを有する電子モジュールの取り付けシステムを記載している。一形態によれば、パッチは、モジュールの挿入を可能にするよう部分的に開口している球形キャビティを備えたケーシング又はインサートを有している。かかるキャビティは、極めて特定の形状を電子モジュールに与える。さらに、クランプによるだけの保持は、走行時の場合にしばしば見受けられるような大きな応力の場合に不十分であることが分かる。別の形態によれば、インサートは、雌ねじ付き部分を有している。これら種々の形態では、電子モジュールは、全体がインサート内に保持されるか殆どの言って良いほど大部分がインサート内に保持されるかのいずれかである。これには、大きな寸法のインサートが必要である。これにより、主として、モジュールに極めて高い機械的応力が加わり、モジュールは、パッチの受ける応力を全て受ける。タイヤが耐えなければならない過酷な走行条件に鑑みて、この種の取り付けは、軽量であり、コンパクトであり、しかも高すぎるほどの機械的応力を受けないことを目指している最近の技術のモジュールにとって制約的でありすぎる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許第1385710号明細書
【特許文献2】米国特許第7009506号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主目的は、タイヤの表面に対する組立体の良好な耐久性の実現を可能にする取り付け方法を提案することにある。別の目的は、電子モジュールを容易且つ迅速に取り付けたり保守か交換かのいずれかのために容易且つ迅速に取り外したりすることができるようにする取り付け方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のため、本発明の要旨は、モジュールをタイヤの壁に取り付けるよう設計された取り付け支持体であって、実質的に細長い形状の実質的に可撓性の本体を有し、本体がタイヤの壁に実質的に永続的に当てて配置可能な連結面、連結面と反対側に位置した第2の自由面、及び軸線が本体の第2自由面に対して直角に向けられていて、第2自由面上に開口した少なくとも1つの実質的に円筒形の収納部を有する、取り付け支持体において、収納部は、第1の実質的に円筒形の部分を有し、円筒形の部分の延長部として実質的に円筒形の形をしているチャンバが設けられ、チャンバは、第1の部分と同軸であり且つ収納部の第1の部分の直径よりも大きな直径を有することを特徴とする取り付け支持体にある。
【0009】
この取り付け支持体の本質的な特徴は、取り付け支持体が電子モジュールを取り付けるための組み立て要素と相互作用するよう設計されたインサートを取り付ける少なくとも1つの収納部を有するということにある。インサートは、雪又は氷で覆われた表面に対するタイヤグリップを向上させるよう設計されたスタッドの幾何学的形状と同一又は類似した幾何学的形状を有する。これらスタッドは、通常、この目的のためにタイヤのトレッドに設けられた収納部内に挿入されることにより取り付けられる。収納部及びスタッドの形状は、これら収納部内におけるスタッドの優れた経時的耐久性を提供するようになっている。
【0010】
従って、本発明の支持体及びインサートは、極めて通常の工具による挿入によって極めて容易に組み立て可能であり、しかも、このようにして取り付けられた電子モジュールの優れた経時的耐久性を提供するという利点をもたらす。
【0011】
さらに、かかる取り付け支持体により、通常、可撓性であるタイヤ壁及び支持体とこれよりも剛性であるモジュールとの間に生じる応力の極めて良好な切り離しをもたらすことができる。さらに、この取り付け支持体により、モジュールを再使用することができる。
【0012】
有利な一実施形態によれば、取付け支持体は、大部分がゴム状材料から成り、連結面は、接着剤を含む。
【0013】
別の有利な特徴によれば、互いに反対側の表面、即ち、頂面と連結面との間の接合面により画定された周縁部を有し、互いに反対側の表面は、9°〜15°、より好ましくは10°〜12°の角度(α)をなして接合面上に収斂している。
【0014】
支持体の境界部の角度は、タイヤへの支持体の取り付けに耐久性があるようにするうえで考慮に入れられるべき敏感な又は慎重な扱いを要するパラメータである。具体的に説明すると、この角度が9°未満の場合、支持体の境界部に折り目が現れる場合がある。というのは、その周縁部を正確に平べったくすることが困難な場合があるからである。この状況は、「スカロッピング(scalloping)」と呼ばれる。この角度が15°を超えた場合、支持体の周縁部は、剛性が高すぎることになる。この場合、それによりタイヤ壁に過度の応力が加わり、かかる過度の応力により、走行時に支持体の割れ又は離脱が生じる場合がある。
【0015】
本発明は又、上述した支持体を有するタイヤに関する。
【0016】
このタイヤでは、支持体の連結面のゴム状混合物の10%伸び率におけるモジュラスは、好ましくは、支持体が取り付けられているタイヤの壁の部分の10%伸び率におけるモジュラスにせいぜい等しい。
【0017】
支持体は、支持体の周縁部に対して直角をなした状態でオーバーラップすることなく連結面上に配置された連結混合物層を更に有するのが良い。かかる変形例では、支持体を成形により製造し、次に硬化させた後、未硬化連結混合物の層を連結面に被着させる。その目的は、タイヤの表面と支持体の連結面との間に連結部を提供することにある。この連結混合物層の厚さは、0.3mmのオーダのものである。次に、支持体と連結混合物層の集成体をダイを用いて切り欠く。連結混合物の切り欠き面は、支持体の縁取り部の切り欠き面と正確に整列した状態になければならない。これにより、タイヤ表面への取り付け後、連結混合物層が支持体から突き出るのを回避することができる。かかる突出により、突き出ている連結混合物の酸化により集成体の有効寿命が短くなる場合がある。縁取り部の存在により、連結混合物を含む支持体を切り欠く作業の公差マージンが増大する。頂面の傾斜部分への食い込みの恐れが事実上ゼロになる。
【0018】
本発明のもう1つの要旨は、上述の支持体と相互作用する取り付けインサートであって、細長い円筒形本体を有し、この円筒形本体上には実質的に円筒形の形をしていて且つ円筒形本体の直径よりも大きな直径を有する取り付けヘッドが載せられており、インサートは、この目的のために提供された支持体の収納部内に挿入されることにより取り付けられるのに適していることを特徴とする取り付けインサートにある。
取り付けインサートは、有利には、取り付けヘッドから見て反対側の端部のところに、モジュール、特に電子モジュールを取り付けるための組み立て要素と相互作用するよう設計された円筒形開口部を有する。
【0019】
組み立て要素は、ねじ止め、クリップ止め、接着、圧力ばね、磁気作用又は結合によりインサートと相互作用するのが良い。
【0020】
有利な変形例によれば、軸方向円筒形開口部は、軸方向雌ねじを備え、組み立て要素は、ねじである。
【0021】
好ましくは、取り付けヘッドの外径Φとインサートの円筒形本体の最大外径φの比は、1.1〜1.3である。
【0022】
インサートの円筒形本体は、取り付けヘッドに隣接して位置する直径の小さなゾーンを更に有するのが良い。
【0023】
本発明のもう1つの要旨は、モジュールの取り付け組立体であって、上述の取り付け支持体と、上述のインサートとを含むことを特徴とする組立体にある。
【0024】
本発明の内容は、一例として与えられているにすぎず、添付の図面を参照して行われる以下の説明を読むと良好に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の支持体の斜視図である。
【図2】図1の平面II−IIに沿って取った図1の支持体の中央部分の断面図である。
【図3】図2に類似した図であり、インサートが支持体の収納部のうちの1つの中に配置されている状態を示す図である。
【図4】図2に類似した図であり、インサートの第2の実施形態が支持体の収納部のうちの1つの中に配置されている状態を示す図である。
【図5】図1の平面II−IIに沿って取った図1の支持体の大部分の断面図であり、2つのインサート及び電子モジュールがねじ止めにより組み立てられている状態を示す図である。
【図6】本発明の内容に従って支持体及びインサートによってタイヤの壁に当てて配置された電子モジュールを示す図である。
【図7】支持体の周縁部の第1の実施形態の拡大断面図である。
【図8】連結ガムの層を備えた支持体の周縁部の一実施形態の拡大断面図である。
【図9】連結ガムの層を備えた支持体の周縁部の別の実施形態の拡大断面図である。
【図10】連結ガムの層を備えた支持体の周縁部の別の実施形態の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
これらの図は、ねじ止めによる取り付け具との電子モジュール−支持体組立体の一実施形態を示しているが、この内容は、特許請求の範囲に記載された他の実施形態にも同様に利用できる。これら実施形態は、純粋に例示の目的で与えられているにすぎず、本発明を限定するものではない。
【0027】
ガム又はゴム状混合物の「弾性率」は10%変形伸び率におけると共に周囲又は指定された温度での割線モジュラスを意味し、測定値は、最大10%変形率までの最初の適応サイクル後に取られ、次の通りである。
【数1】

上式において、ε10は、0.1に等しく、ゴム状材料の場合、E10は、10%変形伸び率における割線モジュラスであり、F10は、10%伸び率における伸張力であり、S0は、試験片の初期断面積であり、Sは、伸び変形量εでの試験片の断面積である場合、次式が知られている。
【数2】

上式において、ε10 は、10%における伸び変形量である。
【0028】
図は、電子モジュール又は他のモジュールをあらゆるタイヤ及び特に航空機用タイヤのタイヤ表面に取り付けるのに適した支持体及び取り付けインサートの例を示している。支持体10は、電子モジュール60をタイヤ100のキャビティの内側、特にタイヤの内壁101に当てて取り付けるためにタイヤ100に取り付けられるよう設計されている。取り付けられるモジュールは、種々の要件及び計画された使用形式に応じて種々の形式のものであって良い。一例として、電子モジュール、例えば圧力センサ、温度センサ、振動センサ等を挙げることが可能であり、これらは全て、好ましくは、車両に設けられた集中型装置と通信する手段を備えている。
【0029】
図1は、本発明の取り付け支持体10の斜視図である。この取り付け支持体は、実質的に平べったく且つ細長い本体11を有している。第1のフェース上には、一様な連結面26が設けられ、この連結面は、好ましくは永続的である取り付けのためにタイヤの内壁と相互作用するよう設計されている。組立体の配置及び取り付けを容易にするために、この表面は、ゴム状材料に適した接着剤を備えるのが良い。別の実施形態によれば、この表面は、以下に説明するように連結混合物の層44を更に備えるのが良い。本体11は、表面26と反対側に位置した第2の自由面28を更に有している。
【0030】
支持体は、少なくとも1つの収納部20を有している。図1の例では、支持体の周囲に実質的に一致した長方形の形をした電子モジュールのために保持力を正確に分布させるよう4つの収納部20が設けられている。収納部の数、配置状態及び収納部相互間の間隔は、用いられる組み立て要素50の幾つかのパラメータ、例えば形式及び数、取り付けられるべきモジュールの表面積及び形状、タイヤの予定使用形式(航空機、乗用車、農業車両又はローリ、産業車両等)、意図した取り付け期間等の関数として実施形態に応じて様々である。
【0031】
収納部20は、有利には、厚さが支持体の残部よりも厚い本体11の部分に設けられる。これら部分相互間に厚さの減少したツール12を設けることにより、支持体の重量を減少させると共に所望の可撓性レベルを調節することができる。
【0032】
図1、図7及び図8、図9及び図10に示されているように、支持体は、連結面26と頂面42との間の接合線41により画定された周縁部40を有している。製造上の理由で、特に、成形中におけるエアレーションを容易にするために、接合線41は、ゼロ厚さのものではなく、0.1〜0.2mmのオーダの薄手のものであることが良い。この場合、この接合線は、接合面41と呼ばれている。2つの表面26,42は、接合線41上に収斂し、接合線41の近くで、互いに9°〜15°、好ましくは10°〜12°の角度アルファをなしている。
【0033】
好ましくは、2つの表面26,42相互間の角度アルファは、接合線41から約7mmの距離dのところまで延びる周縁部40のゾーンでは10°〜12°である。
【0034】
図8、図9及び図10は、周縁部40についての3つの実施形態の拡大断面図である。これら3つの図では、連結混合物の層44が示されている。図8では、2つの表面26,42が互いに繋がって接合線41、即ち、厚さがゼロの接合面41を形成している。
【0035】
図9では、周縁部40は、表面26に対して直角をなすと共に0.1〜0.2mmのオーダの厚さaを有する接合面41によって画定されている。
【0036】
図10では、周縁部40は、長方形断面を有すると共に0mm(図8に示されている)〜約1.5mmの距離にわたって延びる縁取り部47を有している。この縁取り部47及び接合面41が設けられていることにより、支持体を製造するモールドを通気することができる。また、ベントを例えば他の場所に用い、図8に示されているような幾何学的形状を保つことが可能である。
【0037】
依然として図8、図9及び図10を参照すると、約0.3mmの厚さbの連結混合物層44が連結面26に被着された状態で設けられていることが注目される。このオプションとしての連結混合物層は、縁取り部、接合面又は接合線から突き出ることなく、周縁部で終端している。
【0038】
図2は、図1の取り付け支持体の一部分、特に、収納部20が設けられている部分の断面図である。この例によれば、収納部は、連結面26と反対側に、即ち、自由面28の側に開口部を有している。収納部は、自由面28に対して直角をなした軸線を持つ。第1の実質的に円筒形の部分22を有し、この第1の円筒形部分22は、支持体中で、実質的に円筒形の形をしたチャンバ21を経て連結面26に向かって延び、このチャンバ21は、収納部の第1の部分と同軸であり且つこの第1の部分の直径よりも大きな直径を有している。
【0039】
この収納部20は、図3及び図4に示されているように取り付けインサート30,35を受け入れるよう設計されている。インサート30は、取り付けヘッド又はロックカラー32を載せた細長い円筒形本体31を有している。この取り付けヘッドの機能は、インサート35を支持体10の収納部20に押し込んだときにインサート35を定位置にロックすることにある。取り付けヘッド32は、本体の隣接部分である隣接の円筒形部分31の直径φよりも大きな直径Φを有している。その目的は、インサートを支持体の対応の収納部内の定位置にある時に、クランプ作用によってこの保持効果を得ることにある。比Φ/φは、好ましくは1.1〜1.3である。
【0040】
円筒形本体31は、取り付けヘッド32と反対側で開口した円筒形ボア34を有している。このボア34は、電子モジュールの取り付けのための組み立て要素と相互作用するよう設計されている。
【0041】
インサート30は、グリップスタッドと同種の材料、例えばスチール又はアルミニウムのような金属で作られるのが良いが、全体又は一部がプラスチックで作られても良い。
【0042】
図4は、第2の実施形態としてのインサート35を示している。このインサートは、上述のインサートとは2つの点で異なっている。実質的に円筒形の本体31は、取り付けヘッド32に隣接して配置された細いゾーン36を有し、このゾーンは、円筒形本体31の残部の直径よりも小さな直径を有している。このように細くすることにより、収納部20内へのインサートの固定有効性が高められる。円筒形本体31は、取り付けヘッドと反対側に配置されると共に本体の細い延長部として設けられた足部33を更に有している。支持体の本体11及びインサートは、図5に示されているように電子モジュール60の支承面を得るために足部33が本体から突き出るよう構成されている。この構成により、モジュール60を少なくとも1mmだけ本体11から離隔させることが可能である。
【0043】
注目されるべきこととして、電子モジュールと支持体の自由面28との間の同じ間隔を図3に示されている取り付けインサートの使用によって容易に得ることができる。組み立て要素のヘッドとインサートとの間に所望の厚さのワッシャを追加するだけで十分である。
【0044】
図5の例では、インサート35は、図4に示されているように、足部とヘッドとの間に非一定の直径を有するが、ヘッド32に隣接して位置する部分は、ヘッドに対して凹んだ周囲部を有している。インサートの外径及び対応の収納部20の内径は、締り嵌め関係が得られるよう設計されている。このようにすると、組立体が耐えなければならない多くの機械的応力にもかかわらず、良好な保持具合が得られる。図4は、インサートを使用中、支持体から追い出す傾向のある相当大きな軸方向力にもかかわらず、インサートの効果的な保持具合を提供するボトルネック部分36を示している。
【0045】
インサート30は、組み立て要素50と相互作用するよう設計され、この組み立て要素は、更に、取り付けられなければならない電子モジュール60と相互作用する。この実施形態では、図5に示されているように、組み立て要素50は、ねじである。これらねじは、モジュール60をインサート35の足部33に当てた状態に保持するよう設けられており、ねじの頭は、モジュールの外部に載っており、ねじのステムは、雌ねじ37により円筒形開口部34内に保持されている。
【0046】
図6は、本発明の支持体及びインサートによってタイヤ100の内壁101に取り付けられた電子モジュールを示している。図6は、モジュール60が取り付けられた支持体10の周縁部40を示している。この例では、組立体は、タイヤのサイドウォールの底部内に位置決めされている。この位置及び組立体の向きは、用途に応じて様々であって良い。
【0047】
支持体10は、好ましくは、単一のゴム状混合物で作られる。これにより、支持体は、製作が容易になる。この混合物は、支持体が取り付けられるようになったタイヤ壁の10%伸び率におけるモジュラスにせいぜい等しい10%伸び率におけるモジュラスを有している。換言すると、支持体は、タイヤの隣接混合物よりも可撓性が高い。一例として、タイヤ内部の混合物の10%伸び率におけるモジュラスが65℃において2.2MPaに等しい場合、支持体のゴム状混合物は、モジュラスが65℃においてせいぜい2.2MPaに等しい混合物であるように選択される。組立体の良好な耐久性を得るためには、用いられる混合物のモジュラスは、走行時におけるタイヤの温度範囲全体にわたり、代表的には、0℃〜80℃においてこの限度値に適合する必要がある。混合物は、天然ゴムを主成分とすると共に/或いは合成ゴムを主成分とするものであることが可能である。
【0048】
当然のことながら、支持体が数個のゴム状混合物の層から成ることも又可能である。この場合、連結面のゴム状混合物は、タイヤ壁の混合物のモジュラスにせいぜい等しいモジュラスを有する。
【0049】
図1に示されているような4つの収納部を有する支持体及び図4に示されているような取り付けインサートによって航空機用タイヤに電子モジュールを装着した。組み立て要素は、ねじであった。このタイヤに通常の確認試験を実施したが、電子モジュールは、引きちぎれず又は損傷しなかった。
【0050】
最後に、本発明は、上述の実施例には限定されることはない。例えば、支持体及びインサートに関して複数種類の幾何学的形状を提供することが可能である。さらに、インサート及び組み立て要素の個数も又、特に電子モジュールの寸法形状の関数として実施形態によって様々であって良い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュールをタイヤ(100)の壁(101)に取り付けるよう設計された取り付け支持体(10)であって、実質的に細長い形状の実質的に可撓性の本体(11)を有し、該本体(11)がタイヤの壁に実質的に永続的に当てて配置可能な連結面(26)、前記連結面と反対側に位置した第2の自由面(28)、及び軸線が前記本体(11)の前記第2自由面に対して直角に向けられていて、前記第2自由面(28)上に開口した少なくとも1つの実質的に円筒形の収納部(20)を有する、取り付け支持体(10)において、前記収納部(20)は、第1の実質的に円筒形の部分(22)を有し、該円筒形の部分(22)の延長部として実質的に円筒形の形をしているチャンバ(21)が設けられ、該チャンバ(21)は、前記第1の部分と同軸であり且つ前記収納部の前記第1の部分の直径よりも大きな直径を有する、取り付け支持体(10)。
【請求項2】
大部分がゴム状材料から成る、請求項1記載の取り付け支持体(10)。
【請求項3】
前記連結面(26)は、接着剤を含む、請求項1又は2記載の取り付け支持体(10)。
【請求項4】
互いに反対側の表面、即ち、頂面(42)と前記連結面(26)との間の接合面(41)により画定された周縁部(40)を有し、前記互いに反対側の表面は、9°〜15°、より好ましくは10°〜12°の角度(α)をなして前記接合面上に収斂している、請求項1〜3のいずれか一に記載の取り付け支持体(10)。
【請求項5】
請求項1〜4のうちいずれか一に記載のモジュール用の取り付け支持体(10)を有するタイヤ(100)。
【請求項6】
前記連結面(26)のゴム状混合物の10%伸び率におけるモジュラスは、前記支持体(10)が取り付けられている前記タイヤ(100)の前記壁(101)の部分の10%伸び率におけるモジュラスにせいぜい等しい、請求項5記載のタイヤ(100)。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれか一に記載の取り付け支持体(10)と相互作用するよう設計された取り付けインサート(30)であって、細長い円筒形本体(31)を有し、該円筒形本体(31)上には実質的に円筒形の形をしていて且つ前記円筒形本体の直径よりも大きな直径を有する取り付けヘッド(32)が載せられており、前記インサート(30)は、この目的のために提供された前記支持体(10)の前記収納部(20)内に挿入されることにより取り付けられるのに適している、取り付けインサート(30)。
【請求項8】
前記ヘッド(32)から見て反対側の端部のところに、電子モジュールを取り付けるための組み立て要素(50)と相互作用するよう設計された円筒形開口部(34)を有する、請求項7記載の取り付けインサート(30,35)。
【請求項9】
前記組み立て要素(50)は、ねじ止め、クリップ止め、接着、圧力ばね、磁気作用、又は結合により前記インサート(30)と相互作用することができる、請求項8記載の取り付けインサート(30,35)。
【請求項10】
前記円筒形開口部(34)は、軸方向雌ねじ(35)を備え、前記雌ねじは、ねじ(50)を収容するのに適している、請求項9記載の取り付けインサート(30,35)。
【請求項11】
前記取り付けヘッド(32)の外径と前記インサート(30)の前記円筒形本体(31)の最大外径の比は、1.1〜1.3である、請求項7〜10のうちいずれか一に記載の取り付けインサート(30,35)。
【請求項12】
前記円筒形本体(31)は、前記取り付けヘッドに隣接して位置する直径の小さなゾーン(36)を有する、請求項7〜11のうちいずれか一に記載の取り付けインサート(35)。
【請求項13】
モジュール(60)をタイヤ(100)の壁(101)に取り付ける組立体であって、請求項1〜4のうちいずれか一に記載の取り付け支持体(10)と、請求項7〜12のうちいずれか一に記載の取り付けインサート(30,35)とを含む、組立体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2012−514557(P2012−514557A)
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544871(P2011−544871)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【国際出願番号】PCT/EP2010/050154
【国際公開番号】WO2010/079215
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(599093568)ソシエテ ド テクノロジー ミシュラン (552)
【出願人】(508032479)ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム (499)