説明

モジュール型補充気体調整器及びそれを使用する呼吸治療装置

患者に供給する呼吸用気体の加圧流を発生する気体供給装置(10)。加圧された気体流を患者の気道に供給する主要気体供給装置(16,16')と補充気体供給装置(20,20')とを気体供給装置に設ける。補充気体供給装置は、気体供給源から主要気体供給装置に供給される補充気体の流量を調整し、呼吸用気体の加圧流と同時に補充気体を患者に供給するモジュール型気体調整組立体である。使用者は、例えば、酸素、ヘリウム、窒素又はそれらの何れかの組み合わせである補充気体と患者に供給される呼吸用気体の加圧流との気体濃度レベルを気体供給装置により選択的に制御することができる。

【発明の詳細な説明】
【優先権主張】
【0001】
本願は、米国特許法第119条(e)の規定により、2005年7月8日に出願された米国仮出願第60/697,744号の利益を主張し、参照することにより仮出願の開示内容を本明細書中に組み込むものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は、呼吸治療装置、特に、酸素、ヘリウム、窒素又はそれらの何れかの組み合わせ等の補充気体を患者(被験者、使用者)に供給する主要気体流に導入するモジュール型組立体(複数の機能を集積する組立体)を含む各装置に関する。
【背景技術】
【0003】
呼吸用気体の加圧流(呼吸に適する加圧された気体流)を患者に供給して睡眠時呼吸障害等の呼吸障害を含む様々な病状を治療する人工呼吸器、圧力支援装置及び同類の装置(「人工呼吸器」と総称する)が一般的に使用されている。呼吸用気体の加圧流に補充酸素を組み合わせて、患者に供給する気体の酸素濃度レベルを制御できる従来の人工呼吸器も存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この機能を有する人工呼吸器は、通常高価である。患者に供給する気体の酸素濃度レベルを上昇する安価な装置として、人工呼吸器により患者に供給する気体に補充酸素流を導入することは、公知である。このように、呼吸用気体に補充酸素を導入する機能のない人工呼吸器でも、人工呼吸器の下流位置に設けられて患者の気道に連絡する患者回路を取り付ける患者界面装置又はその混入口等に補充酸素を導入する補充酸素供給源を人工呼吸器に接続すれば、人工呼吸器を使用することができる。人工呼吸器の下流で人工呼吸器からの呼吸用気体に補充酸素を供給する従来の前記方法により、呼吸用気体の酸素濃度レベルを上昇できるが、酸素濃度レベルを正確に制御することができない。
従って、本発明の目的は、従来の気体供給技術の課題を解決する補充気体調整組立体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
患者に供給する気体の濃度を選択的に制御するモジュール型気体調整組立体を提供する本発明の一実施の形態により、本発明の目的が達成される。気体供給装置は、呼吸用気体の加圧流を患者に発生し、モジュール型気体調整器は、酸素又はヘリオックス(即ち、ヘリウムと酸素の混合気体)等の補充気体流を呼吸用気体流と共に患者に供給するが、気体供給装置は、モジュール型気体調整器内に設けられる供給制御プロセッサ(供給制御装置)により制御される。
【0006】
例示的な実施の形態では、制御インタフェイス、気体流調整器及び調整器プロセッサがモジュール型気体調整組立体に設けられる。制御インタフェイスにより、気体濃度レベルの設定値を選択することができる。気体流調整器は、気体供給源から供給される補充気体の流量を制御する。調整器プロセッサは、気体流調整器を制御して、気体供給源から供給される補充気体と患者に供給される加圧呼吸用気体流との気体混合濃度レベルを気体混合濃度レベルの設定値に実質的に等しくさせる。調整器プロセッサは、供給制御プロセッサから独立する。
【0007】
本発明の別の実施の形態は、気体供給装置、供給制御プロセッサ、モジュール型気体調整組立体及び調整器プロセッサを有する患者治療装置に関連する。気体供給装置は、患者に供給される呼吸用気体の加圧流(加圧された気体流)を発生する。気体供給装置に接続される供給制御プロセッサは、呼吸用気体の加圧流を発生するとき、気体供給装置を制御する。モジュール型気体調整組立体は、例えば、酸素又はヘリウム等の気体供給源から供給される補充気体の流量を調整する。呼吸用気体の加圧流と同時に患者に補充気体を供給して、患者に同時に供給される補充気体と呼吸用気体の加圧流との気体濃度レベルを選択的に制御することができる。モジュール型気体調整組立体に接続される調整器プロセッサは、補充気体の流量を制御する。調整器プロセッサは、供給制御プロセッサから独立する。
【0008】
本発明の別の実施の形態は、第1のハウジング、圧力発生装置、第1のプロセッサ、第1のハウジングから独立する第2のハウジング、気体流調整器及び第2のプロセッサを有する患者治療装置に関連する。第1のハウジング内に収容された圧力発生装置は、患者に供給される呼吸用気体の加圧流を発生する。第1のハウジング内に収容される第1のプロセッサは、圧力発生装置を制御する。第2のハウジング内に収容される気体流調整器は、補充気体供給源から供給されかつ呼吸用気体の加圧流と共に患者に供給される酸素又はヘリオックス等の補充気体の流量を調整する。第2のハウジング内に収容される第2のプロセッサは、気体流調整器を制御する。
【0009】
参照符号により各図の対応する部分を示す添付図面に関する以下の説明、特許請求の範囲及び本明細書の全構成部分により、本発明の前記目的及び他の目的、特徴及び特性、構造の関連要素の操作法及び機能、部品の組み合わせ並びに製造経済性は、明らかとなろう。しかしながら、図面は、図示及び説明の目的に過ぎず、発明の範囲を制限しないものであることは、明確に理解できよう。別途明記しない限り、明細書及び特許請求の範囲に使用する用語「1つ(a)」、「1つ(an)」及び「その(the)」の単数形は、複数の対象を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明の一実施の形態により、選択的に制御可能な気体濃度レベルで気体流12を患者14に供給する患者治療装置10を示す。患者治療装置10は、主要気体流とも称する呼吸用気体18の加圧流を発生する気体供給装置16を備える。気体供給装置16は、非侵襲式の圧力支援人工呼吸器(NPPV)又は圧力支援装置を備え、圧力支援装置は、例えば、持続気道陽圧(CPAP)、2段階気道陽圧(bi-PAP)、自動滴定(タイトレーション)、比例補助換気(PAV)、シーフレックス(C-Flex)(呼気時に呼吸気体圧力を低下して違和感を軽減する機能)、ビーフレックス(Bi-Flex)(吸気時及び呼気時に呼吸気体圧力をそれぞれ上昇及び低下して違和感を軽減する機能)、比例気道陽圧(PPAP)又は侵襲式若しくは非侵襲式の他の従来換気法等の従来の換気方法により呼吸用気体18の加圧流を発生する。
【0011】
呼吸用気体18の加圧流又は主要流と同時に酸素供給源24から患者14に供給される酸素22等の補充気体の流量を調整できる独立型装置として実施されるモジュール型酸素調整組立体20を患者治療装置10に設けて、気体供給装置16から供給される加圧気体流18と補充酸素22とを同時に搬送する混合流により、含酸素気体12を形成することができる。酸素供給源24は、如何なる酸素供給源でもよく、例えば、タンクからの圧縮酸素、酸素濃縮装置若しくは液体酸素貯蔵装置から供給される酸素又は何らか別の方法により発生する酸素でもよい。
【0012】
図2は、本発明による気体供給装置16の例示的な実施の形態を略示する。本発明の例示的な実施の形態では、気体供給装置16は、予め決められた換気モードにより、患者に供給される呼吸用気体に圧力を付与しかつ付与する圧力を自動的に制御することができる。呼吸用気体供給源28から供給される呼吸用気体を受け取りかつ患者の気道に供給される気体の圧力を上昇する圧力発生装置26が気体供給装置16に設けられる。圧力発生装置26は、呼吸用気体供給源28から患者に供給される呼吸用気体の圧力を上昇できる送風機(ブロワ)、ピストン又は送風器(ベローズ)等の如何なる装置を備えてもよい。一実施の形態では、呼吸用気体供給源28は、圧力発生装置26が気体供給装置16内に吸引する単なる大気である。他の実施の形態では、呼吸用気体供給源28は、圧力発生装置26に接続される加圧気体タンクを構成する。一実施の形態では、加圧気体タンクは、空気タンクである。
【0013】
圧力調整器により圧力を制御して患者に供給する加圧気体を貯蔵する容器又はタンクにより、圧力発生装置26を形成すれば、個別に呼吸用気体供給源28を使用する必要がないので、本発明は、この構造も企図する。また、図2の実施の形態は、個別の呼吸用気体供給源28を示すが、本発明では、呼吸用気体供給源28は、気体供給装置16の一部でもよい。また、他の実施の形態では、他の気体供給装置16の他の部位と同一のハウジング内に呼吸用気体供給源28を設けることができる。更に別の実施の形態では、気体供給装置16の一部としてのみならず、呼吸可能な気体の加圧流を供給する装置として呼吸用気体供給源28を考えれば、呼吸用気体供給源28は、圧力発生装置を構成することになり、個別の圧力発生装置26を省略できる。
【0014】
本発明の一実施の形態では、圧力発生装置26は、圧力支援治療中に一定速度で駆動されて一定圧力の出力30を発生する送風機である。
【0015】
図示の実施の形態では、制御弁32が気体供給装置16に設けられる。圧力発生装置26の下流に設けられる制御弁32に高圧力の呼吸用気体が供給される。本実施の形態では、制御弁32単独で又は圧力発生装置26と組み合わせにより、圧力発生装置26及び制御弁32を備える圧力/流量発生装置から排出される気体34の最終圧力又は最終流量を制御することができる。患者回路内の圧力を制御する方法として、適切な制御弁32の例は、患者回路からの気体を排出するスリーブ弁又はポペット弁等の少なくとも1つの弁を含む。大気中に気体を排出する制御弁32としての使用に適しかつ圧力発生装置26から患者に供給する気体の流量を制限する二重ポペット弁装置を開示する米国特許第5,694,923号の内容を参照することにより、本明細書の一部とする。他の適切な圧力/流量制御装置も当業者には周知であろう。例えば、本発明の制御弁としての使用に適するスリーブ弁を開示する米国特許第6,615,831号の内容を参照することにより、本明細書の一部とする。
【0016】
圧力発生装置26が常に一速度で動作する送風機を使用する実施の形態では、制御弁32は、制御弁32から出力して通常可撓性導管を通じて患者に供給される呼吸用気体34の最終圧力を単独で制御する。しかしながら、制御弁32と協働して圧力発生装置26の動作速度を制御することにより、患者に供給する呼吸用気体の最終圧力及び最終流量を制御することも、本発明は、企図する。例えば、圧力発生装置26に適する動作速度を達成して、制御弁32と共に所望の圧力に近い圧力又は所望の流量に近い流量を設定し、圧力発生装置26と制御弁32とを協働させて、呼吸用気体34の最終圧力を決定することができる。
【0017】
圧力センサ36は、呼吸用気体の加圧流の圧力を測定する。図2の実施の形態では、圧力センサ36は、圧力発生装置26と制御弁32の下流に配置される単一のセンサユニットである。しかしながら、他の実施の形態では、制御弁32の入口又は気体供給装置16の下流位置等他の場所に配置される単一のセンサユニットにより圧力センサ36を構成してもよい。別法として、気体供給装置16内の種々の位置に配置される複数のセンサユニットを圧力センサ36に設けてもよい。気体供給装置16から発生する呼吸用気体の加圧流の圧力を測定できる如何なる装置、変換器又は複数の装置を圧力センサ36に設けてもよい。
【0018】
図2の実施の形態では、流量センサ38が気体供給装置16に設けられる。制御弁32から出力される呼吸用気体34の加圧流は、流量センサ38に供給され、流量センサ38は、患者に供給する気体の瞬時(実時間)体積(V)及び/若しくは前記気体の瞬時(実時間)流量(V')又はその両方を測定する。肺活量計、呼気気流計、可変オリフィス変換器又は他の従来の流量変換器等前記計器の媒介変数の測定に適する如何なる装置を流量センサ38に設けてもよい。送風機に供給される電圧、電流又は電力、送風機の動作速度を含み、患者回路内の圧力又は流量と共に変動する全要因について圧力発生装置26の動作を監視することにより、流量を決定できることは、理解されよう。患者回路からの信号を帰還制御する圧力発生モジュール内の弁の位置が患者回路内の気体の流量を表わすことは、公知であるから、本発明は、弁の位置等の制御弁32の動作を監視して、患者回路の気体の流量を決定することも企図する。このように、圧力発生装置26、制御弁32又はその両方に流量センサ38を組み込んでもよい。
【0019】
図示のように、気体供給装置16の種々の動作形態を制御する供給制御プロセッサ40が気体供給装置16に設けられる。例えば、流量センサ38及び圧力センサ36の出力は、供給制御プロセッサ40に送出されて、必要に応じてそこで処理され、呼吸用気体の圧力、瞬時体積(V)及び/又は瞬時流量(V')が決定される。供給制御プロセッサ40は、流量センサ38が測定する測定流量を積分して、瞬時体積を決定する場合もある。一実施の形態では、患者に呼吸用気体を供給する位置から比較的遠くに流量センサ38を配置して、患者への実質気体流量(又は患者から排出される負の作動気体流量)を決定するので、供給制御プロセッサ40は、流量センサ38から供給される出力信号を推定流量として受信する。供給制御プロセッサ40は、例えば、推定漏出量を算出してこの推定流量情報を処理し、当業者には公知のように、患者の気道での実流量を決定することができる。
【0020】
供給制御インタフェイス42は、気体供給装置16の供給制御プロセッサ40に情報と命令を付与する。配線接続又は無線通信接続を通じて供給制御プロセッサ40に情報及び/又は命令を付与する如何なる装置を供給制御インタフェイス42に設けてもよい。通常の例では、使用者が気体供給装置16に情報を入力できるキーパッド、キーボード、タッチパッド、マウス、マイクロホン、スイッチ、ボタン、目盛板(ダイヤル)又は如何なる他の装置を供給制御インタフェイス42に設けてもよい。シリアルポート、パラレルポート、USBポート、RS-232ポート、スマートカード端子、モデムポート等の供給制御プロセッサ40に情報及び/若しくは命令を送信する配線接続技術又は無線通信接続技術を供給制御インタフェイス42に適用してもよい。
【0021】
供給制御プロセッサ40は、圧力発生装置26及び制御弁32の作動を制御して、気体供給装置16が発生する加圧された呼吸用気体の圧力を制御することができる。一実施の形態では、供給制御プロセッサ40は、単一又は複数の必要なアルゴリズムにより適切にプログラム制御されて種々の換気モードの何れか1つにより患者に付与される圧力を演算するプロセッサを備える。また、供給制御プロセッサ40は、圧力センサ36及び/又は流量センサ38から受信する情報に基づいて、圧力発生装置26及び/又は制御弁32を制御し、気体供給装置16内の呼吸用気体に演算した圧力を印加することができる。本発明の一実施の形態では、供給制御インタフェイス42を使用して介護者又は患者が選択する換気モードに基づき、複数の換気モードを実行するのに必要なプログラムを記憶する記憶装置44が気体供給装置16の供給制御プロセッサ40に設けられる。気体供給装置16の動作に関連するデータ、入力命令、警報器の許容値は勿論、流量、容量、圧力、装置の使用状態、動作温度及びモータ速度の計測値等の気体供給装置16の動作に関連する他の全ての情報も記憶装置44に記憶することができる。
【0022】
気体供給装置16の別の実施の形態を図3について以下説明する。図2の実施の形態とは異なり、単独でも又は圧力発生装置26と協働しても、呼吸用気体の最終圧力は、制御弁により制御されない。その代わり、気体供給装置16は、圧力発生装置26の出力のみに基づいて呼吸用気体の圧力を制御する。即ち、供給制御プロセッサ40は、圧力発生装置26のモータ速度を制御して、患者に供給される呼吸用気体の圧力を制御する。従って、図3の気体供給装置16では、制御弁32を省略する。一実施の形態では、圧力発生装置26は、送風機である。本発明は、圧力センサ36により呼吸用気体の圧力を測定し、送風機モータの速度を監視して、圧力発生装置26の動作を制御する供給制御プロセッサ40に圧力信号と速度信号の帰還情報を付与することを企図する。
【0023】
本発明は、患者への又は患者からの気体流を濾過する細菌濾過器、気体流を測定し、監視しかつ分析する温度センサ、湿度センサ及び気体センサ(例えば、吸気中の二酸化炭素濃度を測定するカプノメータ)、空調を行う加湿器及び加熱器等他の従来装置及び部材を気体供給装置16又は16'並びにその付属部材に設けることも企図する。
【0024】
図4は、モジュール型酸素調整組立体20の更に別の略示ブロック図である。気体供給装置16に着脱可能に連結される接続器45では、酸素調整組立体20は、気体供給装置16から呼吸用気体18の加圧流を受ける。気体供給装置16に設けられるハウジングで気体供給装置16に接続器45を連結できる場合もある。別法として、気体供給装置16の患者回路又は他の導管に接続器45を連結してもよい。例示的な実施の形態では、例えば、マスク等の従来の患者界面組立体(呼吸用気体供給装置)を取り付ける患者回路の取付位置に酸素調整組立体20が取り付けられる。勿論、短い患者回路又は導管を使用して、酸素調整組立体20の入口(接続器45)に気体供給装置16の出口を連結してもよい。
【0025】
酸素調整組立体20に設けられる第1の流量センサ46は、呼吸用気体の加圧流の流量を測定する。呼吸用気体の加圧流と酸素供給源24から供給される補充酸素とが合流する接合部48の上流の任意の位置に第1の流量センサ46が配置される。酸素調整組立体20内に設ける独立型流量センサとして第1の流量センサ46を図4に示すが、他の実施の形態として、酸素調整組立体20外に設けられる流量センサから呼吸用気体の加圧流の流量値を得られることは、理解できよう。例えば、酸素調整組立体20を気体供給装置16に動作接続し、気体供給装置16から供給される流量センサ38が測定する加圧呼吸用気体流の流量の情報を酸素調整組立体20により受信してもよい。
【0026】
図4に示すように、酸素制御弁50は、酸素供給源24から供給される補充酸素の流量を制御する。酸素供給源24に酸素調整組立体20を連結する接続器、補充酸素を濾過しかつ補充酸素の供給圧力を調整する濾過/調整器及び/又は補充酸素の流量を制御する弁を酸素制御弁50に設けることができる。
【0027】
所望の流量を供給できる単一又は複数のソレノイド駆動制御弁が酸素制御弁50の弁に含まれる。例えば、ニュートロニクス(Pneutronics)社製等の複数の小型弁、既製弁、常閉弁、ばね復帰ポペット弁(ソレノイド駆動)が酸素制御弁50に含まれる。例えば、各弁は、駆動圧力241300Pa(35psi)で約35リッター/分の流量を供給し、一実施の形態では、3個の弁を使用できる。3個の弁を配線で接続して、各弁を同時に制御しかつ駆動することができる。全弁を同時に開弁できない装置に付随する非直線性制御の問題を回避できるニュートロニクス社製の前記弁は、正確な電流レベルで開弁するように設計される。
【0028】
一実施の形態では、開弁状態に保持して酸素の漏洩により、酸素制御弁50内の粒子の蓄積を防止するように、酸素制御弁50の濾過/調整器を設計できる。また、例えば、補充酸素の搬送圧力を344800Pa(50psi)程度の所望低レベルに低下して、供給圧力又は弁制御特性に影響を与える不注意な設計変更(例えば、製造不良)のばらつきを減少して濾過/調整器を設計できる。例えば、パーカーハネフィン(Parker-Hannifin)社製の「ボウル」型濾過/調整器が濾過/調整器に含まれる。
【0029】
図4の実施の形態では、酸素調整組立体20に設けられる第2の流量センサ52は、補充酸素の流量を測定する。酸素制御弁50の下流に設けられる第2の流量センサ52は、呼吸用気体の加圧流との合流に対する接合部48に流動する補充酸素の流量比を監視する。
【0030】
呼吸用気体18の加圧流と補充酸素24との混合流は、接合部48で含酸素気体流を形成し、含酸素気体流は、患者界面組立体56に呼吸用気体流を搬送する単一の可撓性導管により通常構成される患者回路54を通じて患者に供給される。図示の実施の形態では、患者界面組立体56及び/又は患者回路54から周囲大気に気体を排出するのに適切な排気口58が患者界面組立体56及び/又は患者回路54に設けられる。排出気体の流量を制限して、患者界面組立体56内の気体の圧力を制御する固定式常開排気口として排気口58を設けることが好ましい。しかしながら、排出流量を制御する別形態の可変排気口として排気口58を設けられることは、理解できよう。例えば、米国特許第5,685,296及び5,937,855号は、適切な排気口の例を開示するが、参照することにより、この米国特許の内容を本明細書の一部とする。
【0031】
本発明は、従来の人工呼吸器に通常使用される2対のアーム回路の患者回路54の実施の形態(図示せず)も企図する。2対のアーム回路の第1のアームは、排気口がない点を除き、患者回路54と同様に患者に含酸素気体22を供給する。その代わり、第2のアームは、患者から周辺大気に排出気体を搬送する。通常、制御装置(例えば、調整器プロセッサ60)の制御の下で、第2のアームの可変排気口は、所望レベルの呼気終末陽圧(PEEP)を患者に供給する。
【0032】
図示のように、酸素調整組立体20の種々の動作形態を制御する調整器プロセッサ60が酸素調整組立体20に設けられる。例えば、第1の流量センサ46及び第2の流量センサ52の各出力信号が付与される調整器プロセッサ60は、必要に応じて、情報処理を行って、呼吸用気体の加圧流と補充酸素との流量比(V')を決定しかつ/又は調整する。
【0033】
調整器制御インタフェイス62は、酸素調整組立体20の調整器プロセッサ60にデータと命令を付与する。配線接続又は無線通信接続を通じて調整器プロセッサ60に情報及び/又は命令を付与する如何なる装置を調整器制御インタフェイス62に設けてもよい。使用者が酸素調整組立体20に情報を入力できるキーパッド、キーボード、タッチパッド、マウス、マイクロホン、スイッチ、ボタン、目盛板(ダイヤル)又は如何なる他の装置を調整器制御インタフェイス62に通常の例として設けてもよい。シリアルポート、パラレルポート、USBポート、RS-232ポート、スマートカード端子、モデムポート等の調整器プロセッサ60に情報及び/又は命令を送信する配線接続技術又は無線通信接続技術を調整器制御インタフェイス62に適用してもよい。
【0034】
本発明の一実施の形態では、調整器制御インタフェイス62を使用して、患者又は別人が、酸素濃度レベル設定値を入力する。調整器制御インタフェイス62で入力される酸素濃度レベル設定値に基づき、調整器プロセッサ60は、患者に供給される含酸素気体の酸素濃度レベルが酸素濃度設定値と実質的に同一となるように、補充酸素の流量を制御する。即ち、調整器プロセッサ60は、酸素制御弁50の作動を制御して、酸素供給源24から接合部48に供給される補充酸素の流量を制御する。
【0035】
本発明の一実施の形態では、前記の機能及び他の機能の実行に必要なプログラムを記憶する調整器プロセッサ60の記憶装置64が酸素調整組立体20に設けられる。入力命令、警報器しきい値等の酸素調整組立体20の動作に関する情報は勿論、患者への流量、容量、圧力、装置の使用量及び動作温度の計測値等の酸素調整組立体20の動作に関する他の如何なる情報も記憶装置64に記憶することができる。
【0036】
本発明の一実施の形態では、調整器プロセッサ60は、必要な単一又は複数のアルゴリズムにより適切にプログラム制御されるプロセッサを備え、プロセッサにより呼吸用気体と補充酸素の各流量及び患者に供給する含酸素気体の酸素濃度レベルを演算し、プロセッサは、第1の流量センサ46及び/又は第2の流量センサ52から受信するデータに基づき酸素制御弁50を制御し、酸素濃度レベル設定値に含酸素気体の酸素濃度レベルを実質的に同一に確実に維持する流量で補充酸素を供給することができる。
【0037】
例えば、調整器プロセッサ60は、補充酸素の流量を示す酸素流量設定値を決定し、この流量により、下式(1)に従って、患者に供給する含酸素気体の酸素濃度レベルを確実に酸素濃度レベル設定値とほぼ同一にすることができる。
【0038】
【数3】

【0039】
ここで、Qappは、酸素流量設定値、Qbgは、第1の流量センサ46により測定される呼吸用気体の測定流量、Φbgは、呼吸用気体の酸素濃度レベル(例えば、周囲大気の酸素濃度レベルの0.79倍)、Φsetは、調整器制御インタフェイス62により入力された酸素濃度レベル設定値をそれぞれ示す。そのとき、調整器プロセッサ60は、演算される酸素濃度設定値とほぼ(実質的に)同一の流量で酸素供給源24から補充酸素流が供給されるように酸素制御弁50を制御する。呼吸用気体に補充酸素を合流する精度を向上するため、調整器プロセッサ60が演算した酸素流量設定値と第2の流量センサ52が測定する流量との差を修正する帰還閉回路を通じて、第2の流量センサ52が測定する流量を酸素制御弁50が実行するように、調整器プロセッサ60は、酸素制御弁50を制御する。
【0040】
図5は、本発明の一実施の形態による酸素調整組立体20'の他の形態の略示ブロック図である。図5の実施の形態では、接合部48の下流に設けられる第1の流量センサ46'は、気体供給装置16が発生する呼吸用気体の加圧流と、酸素調整組立体20が供給する補充酸素とを含む含酸素気体の流量を測定する。第1の流量センサ46の取付位置を移動しても、酸素調整組立体20の動作の基本モードが実質的に変更されず、酸素流量設定値を決定する式は、以下の通りである。
【0041】
【数4】

【0042】
ここで、Qgasは、第1の流量センサ46'が測定する含酸素気体の流量である。
【0043】
図4及び図5に示す流量センサ46,52の形態が全てではなく、他の形態でも本発明を実施できることは、理解されよう。例えば、一実施の形態では、呼吸用気体18の加圧流の流量と含酸素気体流12の流量とを測定する流量センサ46,52を設け、調整器プロセッサ60は、前記流量の測定値に基づき酸素制御弁50を制御することができる。他の実施の形態では、呼吸用気体18の加圧流、補充酸素流22及び含酸素気体流12の各流量を測定する流量センサ46,52を設け、調整器プロセッサ60は、測定された前記流量に基づき酸素制御弁50を制御することができる。
【0044】
気体供給装置16の供給制御プロセッサ40は、圧力に基づく信号帰還法により呼吸用気体の加圧流の発生を制御し、酸素調整組立体20の調整器プロセッサ60は、測定流量に基づいて、補充酸素を制御するので、供給制御プロセッサ40と調整器プロセッサ60との間に実質的な通信がなく、供給制御プロセッサ40と調整器プロセッサ60とを独立して動作することができる。換言すれば、気体供給装置16は、圧力に基づき呼吸用気体の加圧流の発生を制御し、圧力センサ36は、酸素調整組立体20により患者治療装置10内に付加される補充酸素を圧力増加として検出し、それにより、制御信号又は他の信号を連絡して供給制御プロセッサ40と調整器プロセッサ60とを互いに作動接続しない本実施の形態でも、加圧される気体の流量を自動的に調整し、補充酸素を付加しても、患者に供給される全気体(含酸素気体)の圧力は、実質的に不変である。同様に、気体供給装置16が呼吸用気体の加圧流の流量を変化させて、患者に供給される気体の圧力を所望のレベルに保持するとき、調整器プロセッサ60は、第1の流量センサ46を通じて流量変化を検出し、検出する流量の変化により、補充酸素の流量を自動的に調整して、含酸素気体の酸素濃度レベルを保持する流量変化であると説明することができる。
【0045】
本発明により患者治療装置10を適切に作動するために、供給制御プロセッサ40と調整器プロセッサ60とを互いに作動接続する必要はないが、供給制御プロセッサ40と調整器プロセッサ60とを動作接続しない実施の形態では、気体供給装置16の下流の補充酸素の混合量を供給制御プロセッサ40の推定値(及びその後の使用者への表示値)に考慮しないので、患者に供給される気体の流量及び/又は容積に関する推定値は、幾分不正確である。供給制御プロセッサ40と調整器プロセッサ60とを作動接続しない一実施の形態では、酸素調整組立体20のハウジング上に可視表示装置を設けても、気体供給装置16と共に酸素調節装置組立体20を作動すると、酸素調節装置組立体20は、気体供給装置16から得られる流量及び/又は容積の推定値に実質的な影響を与える。例えば、図表示、説明文又は他の可視表示装置が可視表示装置に含まれる。他の実施の形態では、調整器制御インタフェイス62を通じて患者に供給される気体の流量及び/又は容積の正確な推定値を表示する同様の可視表示装置を酸素調整組立体20に設けることができる。
【0046】
プロセッサモジュール、即ち供給制御プロセッサ40と調整器プロセッサ60を動作接続する必要は勿論ないが、気体供給装置16と酸素調整組立体20とを互いに連絡すれば、呼吸用気体の加圧流の流量及び/又は補充酸素の流量の発生に関する種々の情報を送信できる実施の形態を本発明に含めてもよい。例えば、補充酸素の流量を酸素調整組立体20から気体供給装置16に送信して、供給制御プロセッサ40は、漏出量の推定値を算出するときに、補充酸素量を表示しかつ/又は患者に供給する気体の流量及び/又は容積の推定値を調整することができる。
【0047】
図4及び図5に示す酸素調整組立体20の実施の形態は、全例を網羅するものではなく、気体供給装置16と同様の装置であってこの装置の下流にモジュール型組立体を接続して、この装置により発生する気体流の酸素濃度レベルを選択的に変更可能なレベルに上昇できる如何なる形態の要素も本発明の技術的範囲に該当することを理解すべきである。例えば、酸素調整組立体20は、他の気体供給装置に接続できる内蔵型ユニットでもよい。一実施の形態では、酸素調整組立体20は、酸素調整(制御)弁50と、調整器プロセッサ60とを収容するハウジングを備える。非限定例であるが、記憶装置64、調整器制御インタフェイス62、第2の流量センサ52、第1の流量センサ46及び/又は接続器45もハウジング内に設けてもよい。例示的な一実施の形態では、圧力発生装置26と供給制御プロセッサ40とを配置するハウジングが気体供給装置16に設けられる。流量センサ38、圧力センサ36及び/又は供給制御インタフェイス42を気体供給装置16のハウジング内に収容してもよい。記憶装置44及び/又は制御弁32を気体供給装置16のハウジング内に収容してもよい。また、患者に供給する気体の酸素濃度レベルを調整する酸素調整組立体20を設ける患者治療装置10を説明したが、本発明は、酸素に他の気体組成を代えることも企図する。
【0048】
本発明は、主要気体流と同時に患者に供給する補充気体として供給酸素を説明したが、他の気体を補充気体として使用できることも理解されよう。例えば、ヘリウム、ヘリウムと酸素との混合気(ヘリオックス)、窒素、窒素と酸素の混合気(ニトロックス)、ヘリウムと酸素と窒素との混合気(トリミックス、3成分気体)又は何らかの他の気体若しくは組み合わせ気体を患者に供給することは、公知である。主要気体流と混合する補充気体22として複数の前記気体又は混合気体を使用することができる。ハードウェアをそのままで、補充気体の気体濃度レベルを設定する前記説明を異なる型の前記気体又は混合気体に適用することができる。主相違は、酸素供給源ではなく、患者に導入する他の気体又は混合気体の供給源と気体供給源24をすることである。
【0049】
現在最も実用的かつ好適と思われる実施の形態を図示して詳記したが、前記記載は単に説明の便宜に過ぎず、本発明を開示した実施の形態に限定されず、本発明は、特許請求の範囲内に該当すると共に、特許請求の範囲と同趣旨の変更態様並びに同等の装置を包含すること企図する。例えば、本発明は、何れかの実施の形態の単一又は複数の特徴を何れかの他の実施の形態の単一又は複数の特徴に可能な範囲内で組み合わせ可能なことを企図することも理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図面の簡単な説明
【図1】本発明の一実施の形態による患者治療装置を示す略示ブロック図
【図2】本発明の一実施の形態による気体供給装置を示す略示ブロック図
【図3】本発明の一実施の形態による気体供給装置の他の形態を示す略示ブロック図
【図4】本発明の一実施の形態による気体調整組立体を示す略示ブロック図
【図5】本発明の一実施の形態による気体調整組立体の別の形態を示す略示ブロック図
【符号の説明】
【0051】
(10)・・患者治療装置(気体供給装置)、 (12)・・通路、 (16,16')・・気体供給装置(主要気体供給装置、第1のハウジング)、 (18)・・呼吸用気体、 (20,20')・・モジュール型気体調整組立体(補充気体供給装置、第2のハウジング)、 (22)・・補充気体、 (26)・・圧力発生装置、 (32)・・制御弁、 (38,46,46')・・第1の流量センサ(流量センサ)、 (40)・・供給制御プロセッサ(第1のプロセッサ)、 (42)・・供給制御インタフェイス、 (50)・・気体流調整器(弁)、 (52,46')・・第2の流量センサ、 (60)・・調整器プロセッサ(第2のプロセッサ)、 (62)・・制御インタフェイス(調整器制御インタフェイス)、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体供給装置(16,16')が発生する呼吸用気体(18)の加圧流と同時に補充気体(22)を患者に供給し、供給制御プロセッサ(40)により気体供給装置(16,16')を制御し、補充気体(22)の流量を制御して、患者に供給される気体の濃度を選択的に制御するモジュール型気体調整組立体(20,20')において、
補充気体の濃度レベル設定値を選択できる制御インタフェイス(62)と、
気体供給源から供給される補充気体の流量を制御する気体流調整器(50)と、
気体流調整器を制御する調整器プロセッサ(60)とを備え、
患者に供給される呼吸用気体の加圧流と気体供給源から供給される補充気体とは、気体濃度レベル設定値に実質的に等しい気体濃度レベルを有し、
調整器プロセッサは、供給制御プロセッサから独立することを特徴とするモジュール型気体調整組立体。
【請求項2】
共通の通路(12)を通じて患者に補充気体と呼吸用気体の加圧流とを供給する請求項1に記載のモジュール型気体調整組立体。
【請求項3】
調整器プロセッサは、気体濃度レベル設定値に少なくとも部分的に基づき、補充気体の気体流量設定値を決定して、気体流調整器を制御し、気体流調整器を制御して補充気体の流量を制御することにより、補充気体の気体流量設定値に補充気体の流量を実質的に等しくし、
供給制御プロセッサから独立する調整器プロセッサにより、補充気体の気体流量設定値を決定する請求項1に記載のモジュール型気体調整組立体。
【請求項4】
調整器プロセッサに動作接続される第1の流量センサ(38,46,46')を更に備え、
第1の流量センサは、呼吸用気体の加圧流の流量を測定し、
調整器プロセッサは、気体濃度レベル設定値と呼吸用気体の加圧流の流量とに少なくとも部分的に基づいて、補充気体の気体流量設定値を決定する請求項3に記載のモジュール型気体調整組立体。
【請求項5】
気体供給装置に第1の流量センサを設け、
気体供給装置に動作接続される調整器プロセッサは、呼吸用気体の加圧流の流量に関する情報を第1の流量センサから受信する請求項4に記載のモジュール型気体調整組立体。
【請求項6】
調整器プロセッサは、下式:
【数1】

に基づき補充気体の気体流量設定値を決定し、
Qappは、気体流量設定値、Qbgは、呼吸用気体の測定された流量、Φbgは、呼吸用気体の気体濃度レベル、Φsetは、気体濃度レベル設定値である請求項4に記載のモジュール型気体調整組立体。
【請求項7】
調整器プロセッサに動作接続されて気体供給源から供給される補充気体の流量を測定する第2の流量センサ(52,46')を更に備え、
調整器プロセッサは、補充気体の気体流量設定値と第2の流量センサが測定する補充気体の流量とに基づき信号帰還法により気体流調整器を制御する請求項4に記載のモジュール型気体調整組立体。
【請求項8】
共通の通路を通じて患者に補充気体と呼吸用気体の加圧流とを供給する請求項3に記載のモジュール型気体調整組立体。
【請求項9】
調整器プロセッサに動作接続されて共通の通路内の呼吸用気体の加圧流と補充気体との流量比を測定する第1の流量センサ(38,46,46')を更に備え、
調整器プロセッサは、共通の通路内の呼吸用気体の加圧流と補充気体の流量比及び気体濃度レベル設定値とに少なくとも部分的に基づき補充気体の気体流量設定値を決定する請求項8に記載のモジュール型気体調整組立体。
【請求項10】
調整器プロセッサは、下式:
【数2】

に基づき補充気体の気体流量設定値を決定し、
Qappは、気体流量設定値、Qgasは、共通の通路内の呼吸用気体の加圧流と補充気体の測定した流量比、Φbgは、呼吸用気体の気体濃度レベル、Φsetは、気体濃度レベル設定値である請求項9に記載のモジュール型気体調整組立体。
【請求項11】
調整器プロセッサに動作接続されて気体供給源から供給される補充気体の実際の流量を測定する第2の流量センサ(52,46')を更に備え、
調整器プロセッサは、第2の流量センサが測定する補充気体の実際の流量と補充気体の気体流量設定値とに基づき信号帰還法により気体流調整器を制御する請求項10に記載のモジュール型気体調整組立体。
【請求項12】
調整器プロセッサは、気体供給源から供給される気体と加圧された気体流との混合に関する情報を供給制御プロセッサに送信する請求項1に記載のモジュール型気体調整組立体。
【請求項13】
調整器プロセッサを通じて制御できる弁(50)を気体流調整器に設けた請求項1に記載のモジュール型気体調整組立体。
【請求項14】
補充気体は、酸素、ヘリウム、窒素又はそれらの何れかの組み合わせである請求項1に記載のモジュール型気体調整組立体。
【請求項15】
患者に供給する呼吸用気体の加圧流を発生する気体供給装置(16,16')と、
気体供給装置に接続されて呼吸用気体の加圧流を発生するときに気体供給装置を制御する供給制御プロセッサ(40)と、
呼吸用気体の加圧流に付随して気体供給源から患者に供給される補充気体の流量を調整して、患者に同時に供給される補充気体と呼吸用気体の加圧流との気体濃度レベルを選択的に制御するモジュール型気体調整組立体(20,20')と、
供給制御プロセッサから独立して、モジュール型気体調整組立体に接続されて補充気体の流量を調整する調整器プロセッサ(60)とを備えることを特徴とする患者治療装置(10)。
【請求項16】
供給制御プロセッサは、気体供給装置を制御して、(1)実質的に一定の圧力又は(2)吸気と呼気との間で圧力が変化する2段階圧力レベルを有する呼吸用気体の加圧流を発生する請求項15に記載の患者治療装置。
【請求項17】
調整器プロセッサを通じて制御できる弁(50)をモジュール型気体調整組立体に設け、弁(50)により気体供給源から供給される補充気体の流量を調整する請求項15に記載の患者治療装置。
【請求項18】
共通の通路(12)を通じて患者に補充気体と呼吸用気体の加圧流とを供給する請求項15に記載の患者治療装置。
【請求項19】
モジュール型気体調整組立体に接続されて気体濃度レベル設定値を選択できる制御インタフェイス(62)を更に備え、
調整器プロセッサは、補充気体の流量の変動を制御して、患者に同時に供給される呼吸用気体の加圧流と補充気体との気体濃度レベルを気体濃度レベル設定値に実質的に等しくさせる請求項15に記載の患者治療装置。
【請求項20】
調整器プロセッサは、補充気体の流量に関する情報を供給制御プロセッサに送信する請求項15に記載の患者治療装置。
【請求項21】
補充気体は、酸素、ヘリウム、窒素又はそれらの何れかの組み合わせである請求項15に記載の患者治療装置。
【請求項22】
第1のハウジング(16,16')と、
第1のハウジング内に収容されて患者に供給する呼吸用気体の加圧流を発生する圧力発生装置(26)と、
第1のハウジング内に収容されて圧力発生装置を制御する第1のプロセッサ(40)と、
第1のハウジングから独立する第2のハウジング(20,20')と、
第2のハウジング内に収容されて補充気体の流量を調整する気体流調整器(50)と、
第2のハウジング内に収容されて気体流調整器を制御する第2のプロセッサ(60)とを備え、
補充気体は、気体供給源から供給されて呼吸用気体の加圧流と同時に患者に付与されることを特徴とする患者治療装置(10)。
【請求項23】
更に、第1の流量センサ(52)、第2の流量センサ(46,46')及び調整器制御インタフェイス(62)を第2のハウジング内に収容した請求項22に記載の患者治療装置。
【請求項24】
更に、制御弁(32)、流量センサ(38)及び供給制御インタフェイス(42)を第1のハウジング内に収容した請求項22に記載の患者治療装置。
【請求項25】
補充気体は、酸素、ヘリウム、窒素又はそれらの何れかの組み合わせである請求項22に記載の患者治療装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−500124(P2009−500124A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−520404(P2008−520404)
【出願日】平成18年7月7日(2006.7.7)
【国際出願番号】PCT/US2006/026413
【国際公開番号】WO2007/008619
【国際公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(505338497)アールアイシー・インベストメンツ・エルエルシー (81)
【Fターム(参考)】