説明

モジュール式のストランドガイドローラ

それほどの費用をかけずに、異なった連続鋳造幅に装備変更可能で、その中心領域から出発して表面近傍領域まで、ストランドガイドローラの寿命を改善する冷却作用を備え、比較的安価な保守整備作業を可能にする、モジュール式に構成されたストランドガイドローラを得るとの課題を、各ローラモジュール(2,3,4)内に、中心に配設されかつ軸方向に延設された第1の流路と、中心に配設されかつ軸方向に延設された第2の流路が設けられていること、各ローラモジュール(2,3,4)の表面近傍領域に、流路(15,16)が形成されていること、接続路(17)が、対応する流路(15)を第1の独立した流路(11)に接続し、接続路(18)が、対応する流路(16)を第2の独立した流路(12)に接続することによって解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の連続鋳造装置のストランドガイド装置用のモジュール式のストランドガイドロールと、請求項13の上位概念に記載のストランドガイド装置と、請求項14の上位概念に記載のストランドガイド装置を運転するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ストランドガイドロールは、特許文献1から公知であるが、この特許文献1は、発明の課題から出発して、少なくとも端部側を軸受ピンによって軸受台に軸受けされた支持ローラ及び/又は搬送ローラの冷却水給排装置のための回転実施装置に狙いを定めたものである。水冷式の支持ローラ及び/又は搬送ローラは、外側の領域に軸方向に延設された通路と、これら通路に合流するもしくはこれら通路から出発する中央の分配システムに通じる通路とを備える。中央の分配システムは、支持ローラ及び/又は搬送ローラ内の中心孔と、その中に配設されたチューブ状の配管とから成り、この配管は、冷却水のための中心の供給路を備え、中心孔と共に、冷却水を排出するための環状路を形成する。
【0003】
この特許文献1に開示されたストランドガイドローラは、2つ以上のローラ部分から成り、各ローラ部分は、端部側を軸受けされている。個々のローラ部分のこのような端部側の軸受部は、費用がかかり、ストランドガイド装置の保守修理作業時に、軸受ユニットの取付け取外しのために著しい費用を必要とする。
【0004】
更に、ストランドガイド装置は、ローラ部分のこのような端部側の軸受部のために、相当の費用をかけずには、他の鋳造機幅に装備変更可能でない。
【0005】
特許文献2からは、連続鋳造機によって鋳造されたストランドを案内するストランドガイド装置の、少なくとも2つのローラ部分から成るストランドガイドローラが公知であるが、これによれば、2つのローラ部分間に、差込み結合部が形成され、非分割式の単軸受として形成されたただ1つの軸受が設けられている。
【0006】
前記特許文献に対する一連の利点以外に、本質的にストランドガイドローラの幅にわたって延設された、冷却媒体のためのただ1つの中央の流路は、ストランドガイドローラの十分な冷却作用を示さない。特に、ストランドガイドローラの表面近傍領域は、化学的及び機械的負荷から生じるストランドガイドローラの摩耗を低減するために必要な冷却を受けない。従って、中心に延設された流路は、もっぱら、ストランドガイドローラもしくはローラ部分のピン領域の軸受内輪を冷却するために使用される。
【0007】
更に特許文献3及び4から公知の内部冷却式のストランドガイドローラは、回転可能な中央の軸と、この軸に回転しないように固定及び支持された、冷却液通路を統合した複数のローラジャケットを有する。
【0008】
実務から、ローラジャケットを有するこれらストランドガイドローラが、ローラ胴の不満足な冷却以外に、多くのシール要素を備え、これにより、整備性の良好な運転における信頼性を有する解決策ではないことが、知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許第1 485 218号明細書
【特許文献2】国際公開第2007/121821号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2004/094087号パンフレット
【特許文献4】欧州特許第1 646 463号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明の根底にある課題は、それほどの費用をかけずに、異なった連続鋳造幅に装備変更可能で、その中心領域から出発して表面近傍領域まで、ストランドガイドローラの寿命を改善する冷却作用を備える、モジュール式に構成されたストランドガイドローラを得ることにある。更に、本発明の課題は、比較的安価な保守整備作業を可能にするモジュール式に構成されたストランドガイドローラを得ることにある。更に、本発明の根底にある課題は、寿命の向上と簡単な保守整備作業に関して改善されたストランドガイドローラを備えるストランドガイド装置を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
課題は、本発明によれば、請求項1の特徴と、請求項13及び14の特徴によって解決される。
【0012】
請求項1の特徴によれば、連続鋳造装置のストランドガイド装置用のモジュール式に構成されたストランドガイドローラは、
・少なくとも、第1のローラモジュールと第2のローラモジュールを有し、両ローラモジュールは、軸方向に相並んで配設されており、第1のローラモジュールが、第2のローラモジュール側の端面に、中心に配置されたローラピンを備え、
・第1のローラモジュールのローラピンを収容及び軸受けするために第1のローラモジュールと第2のローラモジュール間に配設された中間軸受を有し、中間軸受が、非分割式の単軸受であり、
第2のローラモジュールと第1のローラモジュールのローラピン間に形成された、第1のローラモジュールと第2のローラモジュールを互いに差込み結合するための差込み結合部を有し、
・両ローラモジュール内中心に延設された、冷却液を導くための流路を有し、中心に延設された流路が、本発明により、第1の独立した流路と第2の独立した流路とから成り、
・各ローラモジュールの第1の独立した流路と第2の独立した流路が、表面近傍領域に形成された流路と、接続路によって接続されている。
【0013】
本発明の別の形成では、各ローラモジュールの表面近傍領域に形成された流路が、対を成すように設けられている。この場合、対を成す流路の第1の流路内を、冷却液が、中心に延設された流路内を流れる冷却液の流れ方向と反対に流れ、対を成す流路の第2の流路内を、冷却液が、中心に延設された流路内を流れる冷却液の流れ方向に流れる。
【0014】
従って、各ローラモジュール内に、開放した冷却回路が形成されている。
【0015】
対を成す流路の一端に、第1のローラモジュールとこれに続くローラモジュール内の冷却液を方向転換させるために使用されるチャンバが形成されている。チャンバは、カバーによって外部に対してシールするように閉鎖されているので、冷却液は、流出することができない。
【0016】
更に、対を成す流路のそれぞれ第1の流路は、相応の第1の接続路を介して、中心に延設された第1の流路に接続されており、対を成す流路のそれぞれ第2の流路は、相応の第2の接続路を介して、中心に延設された第2の流路と接続されている。
【0017】
この場合、接続は、一方では、第1の接続路が、中心に延設された第1の流路の流入側の出口を、対を成す流路の対応する流路の流出側の入口に接続するように行なわれ、他方では、第2の接続路が、対を成す流路の対応する第2の流路の流入側の出口を、中心に延設された第2の流路の流出側の入口に接続するように行なわれる。
【0018】
1つのローラモジュール内の流路の本発明によるこのような延設により、従来技術から知られているように中心領域と軸受部の領域だけでなく、ローラモジュールの表面近傍領域も、十分冷却される。
【0019】
本発明の別の形成では、第1のローラモジュールと第2のローラモジュール間の差込み結合が行なわれる場合、第1のローラモジュールの中心に延設された第2の流路と、第2のローラモジュールの中心に延設された第1の流路は、スリーブを介して接続されているので、第1のローラモジュールの中心に延設された第2の流路から、冷却液は、第2のローラモジュールの中心に延設された第1の流路に流れることができる。
【0020】
ストランドガイドローラの第2のローラモジュールとそれ以外の各ローラモジュールは、流路と接続路の形成の全体に関して、第1のローラモジュールと同一の方法で形成されている。
【0021】
例えば第1のローラモジュールと第2のローラモジュールを有するストランドガイドローラの場合、第1の開放した冷却液回路は、第2の開放した冷却液回路と、1つの共通の開放した冷却回路に統合されており、第1の冷却液回路は、冷却液供給口に接続可能であり、第2の冷却液回路は、冷却液排出口に接続可能である。
【0022】
有利なことに、モジュール式に形成されたストランドガイドローラによって、初めて、中心領域も表面近傍領域も十分冷却される、異なった鋳造幅のためのストランドガイドローラを形成することが可能である。
【0023】
個々のローラモジュール間の軸受隙間の軸方向の大きさが小さいことに基づいて、有利なことに、スラブの、ストランドガイドローラによって支持されない領域でのスラブの膨らみは、明らかに軽減もしくは最小化することができる。
【0024】
流路の本発明による形成により、ローラ寿命の向上と鋳造すべき鋼種スペクトルの拡大の結果と共にストランドガイドローラの全体的に改善された冷却が得られる。
【0025】
周辺の流路又はチャンバのために取外し可能なカバーを設けることは、周辺の流路又はチャンバが、操作可能となり、クリーニング可能となるとの利点を有する。
【0026】
周辺の流路を螺旋状に配設する場合、これら流路は、グループとして、例えば多条ネジとして、配設して運転することができる。その場合、第1のグループを冷却液の供給のために使用し、第2のグループを冷却液の環流のために使用することができる。
【0027】
隣接するストランドガイドローラ、隣接するローラセグメント又はセグメントの上部フレーム及び下部フレームにおける冷却液の異なったもしくは交互の流れ方向は、ストランドもしくはスラブへの冷却作用を均等化するために寄与する。
【0028】
本発明のその他の利点及び特徴は、従属請求項と、添付図に図示した実施例の説明とに記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図4の切断線A−Aによる断面図で、3つのローラモジュールから成るストランドガイドローラを示す。
【図2】図1のZ部の拡大図で、中心領域からの冷却液流を表面近傍領域に導く流路及び接続路を示す。
【図3】図1の切断線D−Dによるストランドガイドローラの横断面図を拡大して示す。
【図4】図1の切断線B−Bによるストランドガイドローラの横断面図を拡大して示す。
【図5】図6のA方向に見た第2又は中間のローラモジュールの図を示す。
【図6】図5の切断線C−Cによる縦断面図で、ストランドガイドローラの第2又は中間のローラモジュールを示す。
【図7】図6のストランドガイドローラの第2又は中間のローラモジュールの側面視を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1に図示したストランドガイドローラ1は、第1のローラモジュール2と、第2のローラモジュール3と、第3のローラモジュール4とから成る。全てのローラモジュールは、特許文献2に従って、1つのストランドガイドローラに組み立てられており、しかも、第2又は中間のローラモジュール3と第1のローラモジュール2の内側のローラピン2.1間の第1の差込み結合と、第3のローラモジュール4と第2又は中間のローラモジュール3の内側のローラピン3.1間の差込み結合とによって組み立てられている。
【0031】
第1のローラモジュール2の内側のローラピン2.1は、非分離式の中間軸受5内に収容され、第2又は中間のローラモジュール3の内側のローラピン3.1は、非分離式の中間軸受6内に収容されている。両中間軸受5,6は、有利なことに、その軸方向の広がりが比較的短く形成されており、これにより、ローラモジュール2,3と3,4間の移行領域7が、同様に比較的短く形成されているので、有利なことに、鋳造されたストランド(スラブ)の膨らみが、最小化もしくは明らかに軽減される。
【0032】
ストランドガイドローラ1のローラモジュール2の外側のローラピン2.2とローラモジュール4の外側のローラピン4.1は、それぞれ1つの外側軸受8もしくは9に収容されている。
【0033】
第2又は中間のローラモジュール3は、中間軸受5に収容されておらず、第3のローラモジュール4は、中間軸受6に収容されていない。対応するローラモジュール2,3と3,4間の結合部として、例えば差込み結合部が設けられている。この場合、ローラモジュール3と4は、第1のローラモジュール2もしくは第2のローラモジュール3側の端面に、図6に最もよく見られる切欠き10を備え、この切欠きに、例えば、環状に形成された構造要素23が回転しないように挿入されている。対応するローラピンの、本来のローラピンに対して更に除去加工された突起2.1.1もしくは3.1.1は、噛合い係合により構造要素23と結合可能である。本発明の対象ではないので、噛合い係合による結合又は差込み結合の詳細には、この場では立ち入らない。
【0034】
更に図1から分かるように、各ローラモジュール2,3,4は、中心に延設された第1及び第2の流路11もしくは12を備える。この場合、ローラモジュール2の流路11は、冷却液供給口13に接続可能であり、ローラモジュール4の流路12は、冷却液排出口14に接続可能である。
【0035】
ストランドガイドローラ1の各ローラモジュールを総合的に冷却するために、即ち、中心領域及び軸受領域を冷却するだけでなく表面近傍領域も冷却するために、ローラモジュールのそれぞれは、別の流路と接続路を備え、これら別の流路と接続路は、各ローラモジュール2,3,4の、最終的には本発明により形成されたストランドガイドローラの中心に延設された流路11,12と共に、1つの開放した冷却回路を形成する。
【0036】
これについては、図2に図示されているように、ストランドを案内及び支持する、各ローラモジュール2,3,4の外周の表面近傍領域に、軸方向に延設された流路15,16が形成されており、これら流路は、第1の接続路17と第2の接続路18を介して、軸方向に延設された流路15,16を、中心に延設された流路11,12に接続し、1つの開放した冷却回路を形成する。
【0037】
この場合、冷却回路は、図3から分かるように、一方で、表面近傍領域で、しかも各ローラモジュール2,3,4内に、特に規則的に広範囲に配分されるように、流路15,16が対を成すように配設されているように、形成されており、対を成す流路15,16の一方の流路は、接続路17を介して、流路11の流入側の出口11.1に接続されており、対を成す流路15,16の他方の流路は、接続路18を介して、流路12の流出側の入口12.1に接続されている。
【0038】
対を成す流路15,16は、対応するローラモジュールの端面に形成された相応のチャンバ20と関係して冷却液の流れ方向の変更を保証するように、それぞれ端部側で個々に又は共に図2,5及び6に最もよく見られるようなカバー19もしくは27によって閉鎖されている。
【0039】
このような冷却回路において特に有利であるのは、接続路17,18が、ピン側から、冷却液供給口13の方向に、各ローラモジュール2,3,4に形成されていること、従って、各ローラモジュールの周面が、シール要素が必然的に設けられる接続路を形成するためのいずれの機械加工から解放されていることである。
【0040】
ストランドガイドローラ1の組立て状態で、ローラモジュール2及び3のそれぞれ中心に延設された第2の流路12は、接続スリーブ21によって、ローラモジュール3もしくは4のそれぞれ中心に延設された第1の流路11と接続されている。従って、各ローラモジュールの開放した冷却回路は、ストランドガイドローラ1の1つの開放した冷却回路にまとめられている。
【0041】
ストランドガイドローラ1内の冷却回路をよく理解するために、冷却液供給口13から冷却液排出口14までの冷却液22の流れ方向が、方向矢印によって図示されている。
【0042】
ローラモジュール2の流路11内に流入する冷却液22は、流路11の端部側で接続路17内に流れ、対を成すように配設された流路15,16の流路15に達する。流路15の端部側で、冷却液22は、対を成すように配設された流路15,16の流路16に導かれ、接続路18を介して、中心に延設された第2の流路12の流出側の入口12.1に達し、そこから、冷却液は、接続スリーブ21を介して、ローラモジュール3の中心に延設された第1の流路11に達する。
【0043】
ローラモジュール3及び4内での冷却液22の更なる流れの経過は、ローラモジュール2内に図示した流れの経過と同様に行なわれるので、これについての更なる説明は、省略することができる。
【0044】
図2には、図1のZ部のローラモジュール2の流路と接続路の重要な形成が、冷却液22の流れ方向と共に図示されている。図1と2の同じ部分に対して、同じ符号が使用されている。
【0045】
図3に示した図1の接続線D−Dによる断面図は、ローラモジュール2とローラモジュール3間の差込み結合部の領域と、カバー27を取り除いた、ローラモジュール3の表面近傍領域で対を成すように配設された軸方向に延設された流路15と16を開示する。この場合、対を成すように形成された流路は、それぞれ1つの、冷却液22が流入する流路15と冷却液22が流出する流路16である。対を成す流路15,16は、ローラモジュールに形成されたそれぞれ1つのチャンバ20によって互いに接続されている。更に、ローラモジュール2のローラピン2.1内に、中心に延設された第2の流路12が図示されている。
【0046】
図4は、図1の切断線B−Bによる断面図で、表面近傍に配設された対を成す流路15及び16と、中心に延設された第1の流路11とを有するローラモジュール3を示す。
【0047】
図5は、図6に図示したローラモジュール3の側面視を示す。ローラモジュール3の表面近傍領域に対を成すように配設された軸方向に延設された流路15,16は、端部側が、それぞれ1つ又は共通のカバー27によってシールされるように、特に取外し可能に、閉鎖されている。更に、ローラモジュール3の中心に延設された流路11,12が図示されている。
【0048】
流路11は、鋭角に延設された接続路17を介して、対を成す流路15,16の対応する流路15に接続されているが、流路12は、鋭角に延設された接続路18を介して対を成す流路15,16の対応する流路16に接続されている。
【0049】
図6は、図5の切断線C−Cによる縦断面図を示す。よく分かるような形態で、もう一度、ロータピン3.1と、ローラピン3.1の延長上にローラピン3.1に配設された、特に多角形に形成された突起3.1.1が図示されている。
【0050】
ローラモジュール3は、既に詳細に説明した流路及び接続路以外に切欠き10を備え、この切欠きは、ローラピン3.1とは反対側の端面に存在する。切欠き10内に、環状の構造要素23が挿入されており、この構造要素は、適当な固定手段24、例えば位置決めピン、によって回転しないように固定されている。この場合、環状の構造要素23の内部は、ローラピン2.1の突起2.1.1の横断面形状に応じて、相応の、例えば多角形の、横断面を備える。切欠き10には、中心の流路11の入口側に、スリーブ21のための収容孔25が続く(図1も参照のこと)。この場合、収容孔25は、直径が、中心に延設された流路11の直径よりも大きい。更に、同じ目的のために使用される収容孔26を、ローラモジュール3のローラピン3.1の突起3.1.1が備える。
【0051】
図7は、図6に図示したローラモジュール3の別の側面視を示す。表面近傍領域に、図5の形成と同様に、対を成す流路15,16が、流路11もしくは12を中心として配設されており、閉鎖カバー19によって閉鎖されている。図6に単に図示されたに過ぎないチャンバ20は、対を成すように配設された両流路15,16を接続するので、冷却液22の流れは、そこで方向転換を受ける。
【0052】
更に、この側面視は、突起3.1.1の多角形の形成と、スリーブ21のための収容孔26と、中心に延設された流路12,11を示す。
【符号の説明】
【0053】
1 ストランドガイドローラ
2 ローラモジュール
2.1 内側のローラピン
2.1.1 突起
2.2 外側のローラピン
3 ローラモジュール
3.1 ローラピン
3.1.1 突起
4 ローラモジュール
4.1 外側のローラピン
5 中間軸受
6 中間軸受
7 移行領域
8 外側軸受
9 外側軸受
10 切欠き
11 流路
11.1 流入側の出口
12 流路
12.1 流出側の入口
13 冷却液供給口
14 冷却液排出口
15 流路
15.1 流出側の入口
16 流路
16.1 流入側の出口
17 接続路
18 接続路
19 カバー
20 チャンバ
21 スリーブ
22 冷却液
23 構造要素
24 固定手段
25 収容孔
26 収容孔
27 閉鎖カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストランドガイドロール(1)が、
少なくとも、軸方向に相並んで配設された第1のローラモジュール(2)と第2のローラモジュール(3)を有し、第1のローラモジュール(2)が、第2のローラモジュール(3)側の端面に、中心に配置されたローラピン(2.1)を備え、
第1のローラモジュール(2)のローラピン(2.1)を収容及び軸受けするために第1のローラモジュール(2)と第2のローラモジュール(3)間に位置決めされた中間軸受(5)を有し、
第2のローラモジュール(3)と第1のローラモジュール(2)のローラピン(2.1)間に形成された、第1のローラモジュール(2)と第2のローラモジュール(3)を互いに差込み結合するための差込み結合部と、両ローラモジュール(2,3)内中心に軸方向に延設された、冷却液(21)を導くための流路を有する、
連続鋳造装置のストランドガイド装置用のモジュール式のストランドガイドロール(1)において、
中心に配設されかつ軸方向に延設された流路が、第1の独立した流路(11)と第2の独立した流路(12)とから成ること、
ストランドを案内及び支持する各ローラモジュール(2,3)の外周の表面近傍領域に、流路(15,16)が形成されていること、
第1の接続路(17)が、対応する流路(15)を第1の独立した流路(11)に接続し、第2の接続路(18)が、対応する流路(16)を第2の独立した流路(12)に接続すること
を特徴とするストランドガイドローラ。
【請求項2】
流路(15,16)が、対を成すように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のストランドガイドローラ。
【請求項3】
対を成す流路(15,16)のそれぞれの少なくとも一端に、冷却液(22)を方向転換させるためのチャンバ(20)が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のストランドガイドローラ。
【請求項4】
流路(15,16)とチャンバ(20)が、それぞれ1つの固有のカバー(19)又は共通の環状のカバー(27)によって外部に対してシールするように、特に取外し可能に、閉鎖されていることを特徴とする請求項3に記載のストランドガイドローラ。
【請求項5】
対を成す流路(15,16)の対応する流路(15)が、接続路(17)を介して、それぞれの第1の流路(11)に接続されていること、対を成す流路(15,16)の対応する流路(16)が、接続路(18)を介して、それぞれの第2の流路(12)と接続されていることを特徴とする請求項2に記載のストランドガイドローラ。
【請求項6】
それぞれの接続路(17)が、第1の流路(11)の流入側の出口(11.1)を、対を成す流路(15,16)の対応する流路(15)の流出側の入口(15.1)に接続することを特徴とする請求項5に記載のストランドガイドローラ。
【請求項7】
それぞれの接続路(18)が、対を成す流路(15,16)の対応する流路(16)の流入側の出口(16.1)を、第2の流路(12)の流出側の入口(12.1)に接続することを特徴とする請求項5に記載のストランドガイドローラ。
【請求項8】
第1のローラモジュール(2)の流路(11)が、冷却液供給口(13)に接続可能であり、対応するローラモジュールの第2の流路(12)が、冷却液排出口(14)に接続可能であることを特徴とする請求項1に記載のストランドガイドローラ。
【請求項9】
第1のローラモジュール(2)の第2の流路(12)が、スリーブ(21)を介して、第2のローラモジュール(3)の第1の流路(11)に接続していることを特徴とする請求項1に記載のストランドガイドローラ。
【請求項10】
冷却液(21)の流れ方向が逆転可能であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載のストランドガイドローラ。
【請求項11】
第1の独立した流路(11)と第2の独立した流路(12)が、それぞれ同じ中心の流路の一部として形成されており、遮断装置、例えばストッパ、によって互いに分離されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載のストランドガイドローラ。
【請求項12】
流路(15,16)が、軸平行、螺旋状又は環状間隙の形態で、ローラモジュールの表面近傍領域に形成されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載のストランドガイドローラ。
【請求項13】
連続鋳造装置の鋳型から流出するストランドのためのストランドガイド装置において、
ストランドガイド装置が、請求項1〜12のいずれか1つに記載の、少なくとも第1のローラモジュール(2)と第2のローラモジュールから成るストランドガイドローラを備えることを特徴とするストランドガイド装置。
【請求項14】
請求項13に記載のストランドガイド装置を運転するための方法において、
冷却液が、隣接するストランドガイドローラ、隣接するローラセグメント、又はセグメントの上部フレーム及び下部フレームにおいて、それぞれ反体方向に流れることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−525425(P2011−525425A)
【公表日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−515171(P2011−515171)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際出願番号】PCT/EP2009/004396
【国際公開番号】WO2009/156093
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(390035426)エス・エム・エス・ジーマーク・アクチエンゲゼルシャフト (320)
【Fターム(参考)】