説明

モジュール式試行プロテーゼヘッド

プロテーゼ試行システムは、外側面及びステム部材の外面と結合するように構成されたキャビティを有する、少なくとも一つのヘッド部材を含む。前記プロテーゼ試行システムは、前記少なくとも一つのヘッド部材の外側面と結合するように構成された内側面を有する少なくとも一つのシェル部材を、さらに含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は2009年5月7日付け出願の米国仮出願第61/176、457号の優先権の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に折り込まれる。
本出願は整形外科の分野に関する。より具体的には、本出願は、大腿骨用の試行プロテーゼに関する。
【背景技術】
【0002】
成功した人工股関節置換手術または関節形成術は、一つには、特定の患者の骨格と一致するように、寸法が決められかつ位置決めされた人工関節コンポーネントの選択の結果、生じる。コンポーネント選択プロセスは、関節画像の術前分析を含むことができる。コンポーネント選択プロセスは、また、プロテーゼを永久固定(permanent fixation)する前に、骨に対する一つまたは二つ以上の仮コンポーネントの一時固定を含むことができる。これらの仮コンポーネントは、「試行」、「試行ヘッド」、「試行プロテーゼ」と称されることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国仮出願第61/176、457号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
満足のゆく試行プロテーゼが見つけられた後、試行プロテーゼは取り外されて、同じ寸法の永久プロテーゼと置換される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態において、大腿骨試行システムは、複数のステムと共に用いることができる。大腿骨試行システムは、各ヘッド部材が外側面を有する複数のヘッド部材と、ステムコンポーネントの外面と結合するように構成され、少なくとも一つの側壁を有するキャビティと、を含む。各ヘッド部材は、さらに、第一の深部(first depth)で前記キャビティの側壁に配置された第一組のバーブ(first set of barbs)と、前記第一の深部から離れて配置された第二の深部(second depth)で前記キャビティの前記側壁に配置された第二組のバーブ(second set of barbs)と、を含む。大腿骨試行システムは、また、複数のシェル部材を含み、各シェル部材が前記複数のヘッド部材のうちの少なくとも一つの外側面と結合するように構成された内側面を有する。
【0006】
別の実施形態において、プロテーゼ装置は、医療用インプラントの試行装着に用いることができる。プロテーゼ装置は、その中に配置されたキャビティを有するヘッド部材を含み、前記キャビティがステムコンポーネントの外面と結合するように構成され、かつ前記キャビティが少なくとも一つの側壁を有する。前記プロテーゼ装置は、また、第一の深部で前記キャビティの前記側壁に配置された第一のバーブと、前記第一の深部とは異なる第二の深部で前記キャビティの前記側壁に配置された第二のバーブと、を含む。
【0007】
別の実施形態において、プロテーゼ試行システムは、外側面を有する少なくとも一つのヘッド部材と、ステム部材の外面と結合するように構成されたキャビティと、を含む。プロテーゼ試行システムは、前記少なくとも一つのヘッド部材の前記外側面と結合するように構成された内側面を有する、少なくとも一つのシェル部材を、さらに含む。
【0008】
添付図面において、以下に示される詳細な説明とともに図示された構造は、特許請求された発明の例示的な実施形態を示している。
【0009】
以下の図面及び説明において、同様の要素は同じ参照番号が付されている。単一のコンポーネントとして示された要素は複数のコンポーネントとして示された要素と置換することができると共に、複数のコンポーネントとして示された要素は単一のコンポーネントと置換することができることを理解されたい。図面は正確な縮尺ではなく、特定の要素の比率は説明のために誇張されていることがある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】大腿骨試行システムのコンポーネントの斜視図である。
【図2A】前記大腿骨試行システムの例示的なヘッド部材の斜視図である。
【図2B】前記大腿骨試行システムの例示的なヘッド部材の斜視図である。
【図3A】第一実施形態のステムを係合する例示的なヘッド部材の断面図である。
【図3B】第二実施形態のステムを係合する例示的なヘッド部材の断面図である。
【図4】前記大腿骨試行システムの複数のヘッド部材の断面図である。
【図5】前記大腿骨試行システムの複数のヘッド部材の斜視図である。
【図6】前記大腿骨試行システムの複数のヘッド部材の側面図である。
【図7】前記大腿骨試行システムの複数のシェル部材の側面図である。
【図8A】前記大腿骨試行システムの例示的なシェル部材の斜視図である。
【図8B】前記大腿骨試行システムの例示的なシェル部材の斜視図である。
【図8C】前記大腿骨試行システムの例示的なシェル部材の断面図である。
【図8D】ヘッド部材とシェル部材との間に配置されるように構成された環状リングの斜視図である。
【図9】特定ヘッド部材を係合する特定シェル部材の断面図である。
【図10】特定ヘッド部材を係合する特定シェル部材の断面図である。
【図11】特定ヘッド部材を係合する特定シェル部材の断面図である。
【図12】特定ヘッド部材を係合する特定シェル部材の断面図である。
【図13】特定ヘッド部材を係合する特定シェル部材の断面図である。
【図14】特定ヘッド部材を係合する特定シェル部材の断面図である。
【図15】特定ヘッド部材を係合する特定シェル部材の断面図である。
【図16】特定ヘッド部材を係合する特定シェル部材の断面図である。
【図17A】一実施形態のヘッド部材を係合する一実施形態のシェル部材の斜視図である。
【図17B】一実施形態のヘッド部材を係合する一実施形態のシェル部材の斜視図である。
【図18】特定ヘッド部材を係合することができない特定シェル部材の組合せの断面図である。
【図19】特定ヘッド部材を係合することができない特定シェル部材の組合せの断面図である。
【図20】特定ヘッド部材を係合することができない特定シェル部材の組合せの断面図である。
【図21】特定ヘッド部材を係合することができない特定シェル部材の組合せの断面図である。
【図22】特定ヘッド部材を係合することができない特定シェル部材の組合せの断面図である。
【図23】特定ヘッド部材を係合することができない特定シェル部材の組合せの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、ステム102と、複数のヘッド部材104〜116と、複数のシェル部材118〜146と、を含む大腿骨試行システム100の一実施形態を示す。図示された実施形態において、大腿骨試行システムは、1個のステム102と、7個のヘッド部材104〜116と、15個のシェル部材118〜146と、を含む。代替的な実施形態(図示省略)において、任意の数の、ステム、ヘッド部材およびシェル部材を使用することができる。大腿骨試行システムは、ここにおいて大腿骨試行システムとして説明されるが、同様の装置を、他のプロテーゼ試行システム、例えば肩試行システム(shoulder trial system)などに用いることができることを理解されたい。
【0012】
ステム102は、対象の大腿骨内に形成されたキャビティに挿入されるように構成された長尺シャフトを含む。ステムは、ヘッド部材と結合するように構成されたネック部を、さらに含む。ステム102は、市販のステムとすることができる。ステム102は、コバルトクロム、チタン、およびステンレス鋼合金を含む、プロテーゼの使用に適した任意の材料から構成することができるが、限定されない。
【0013】
各ヘッド部材104〜116は、ステム102を係合するようにまたはステム102と結合するように、構成されている。図示された実施形態において、各ヘッド部材104〜116は、円形の断面を有する。各ヘッド部材104〜116は、外側面を有し、それは球状部または半球状部を有することができる。一実施形態において、各ヘッド部材104〜116の外側面は、実質的に同じ最大直径を有する。一の特定実施形態において、各ヘッド部材104〜116の外側面は、28mmの最大直径を有する。代替的な実施形態において、異なる寸法を適用することができる。
【0014】
各ヘッド部材104〜116は、一時的な外科的使用に有用な、任意の適切した材料から構成することができる。このような材料は、ポリマー材料、例えばポリオキシメチレン、ポリエーテルイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニルサルホンなどを含むが、限定されない。追加の材料は、ナイロン及びその混合物、並びに、例えばアルミニウム及びステンレス鋼などの金属を含む。
【0015】
各シェル部材118〜146は、ヘッド部材104〜116のうちの少なくとも一つの外側面を係合するように、または少なくとも一つのヘッド部材104〜116の外側面と結合するように、構成された内側面を有する。一実施形態において、各シェル部材118〜146は、選択されたヘッド部材104〜116の外側面と結合するように構成されていると共に、残りのヘッド部材104〜116の外側面と結合しないように構成されている。
【0016】
図示された実施形態において、各シェル部材118〜146は、少なくとも部分的に球面部を備えた外側面を有し、それは対象の股関節を係合するように構成されている。一実施形態において、第一のシェル部材118及び第二のシェル部材120は同じ直径を有する。一の特定実施形態において、第一のシェル部材118及び第二のシェル部材120は、32mmの直径を有する。
【0017】
図1を引き続き参照すると、第三のシェル部材122及び第四のシェル部材124は、同じ直径を有する。一の特定実施形態において、第三のシェル部材122及び第四のシェル部材124は、36mmの直径を有する。残りのシェル部材126〜146のそれぞれは、異なるサイズである。一実施形態において、第五のシェル部材126は、38mmの直径を有し、かつシェル部材128〜146は、最も大きいシェル部材が58mmの直径を有するように、2mmずつ次第に大きくなる。代替的な実施形態において、異なる寸法を適用することができる。
【0018】
シェル部材118〜146のそれぞれは、一時的な外科的使用に有用な任意の適した材料から構成することができる。このような材料は、限定されないが、ポリマー材料、例えばポリオキシメチレン、ポリエーテルイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリフェニルサルホンなどを含む。追加の材料は、ナイロン及びその混合物、並びに、例えばアルミニウム及びステンレス鋼などの金属を含む。
【0019】
図2A及び図2Bは、例示的なヘッド部材104の斜視図を示す。ヘッド部材104は、外側面、及び少なくとも一つの側壁230により規定されるキャビティを含む。キャビティ220は、壁部により規定され、それはステム120のコンポーネントの外面と結合するように構成されている。図示された実施形態において、キャビティ220の側壁230は、離れて配置された複数の突起部(またはフィンガー部)240を含む。ステム102がキャビティ220内に挿入されると、突起部240は、ステム102のコンポーネントを受けるように半径方向外側に曲げることができる。六つの突起部240が示されたが、任意の数の突起部が適用可能であることを理解されたい。
【0020】
側壁部230は、第一の深部(depth)に配置された第一組のバーブ(first set of barbs)250と、第二の深部に配置された第二組のバーブ(second set of barbs)260と、を含む。第一組のバーブ250は、第一のステムの外面に、対応する特徴部を係合するように位置決めされ、かつ第二組のバーブ260は、第二のステムの外面に、対応する特徴部を係合するように位置決めされている。第一組のバーブ250及び第二組のバーブ260は、リブとして示され、それは突起部240と一体であり、かつ丸い輪郭を有する。しかしながら、バーブとして、種々の形状の異なる突起部が適用可能であることを理解されたい。
【0021】
図示された実施形態において、特定の突起部240は、第一組のバーブ250及び第二組のバーブ260の両方を含み、かつ特定の突起部240は、第一組のバーブ250と、第二の深部での平滑面270と、を含む。突起部240は、第一組のバーブ250と第二組のバーブ260とを繰り返す。代替的な実施形態(図示省略)において、各突起部は、単一の組のバーブのみを含む。本実施形態において、突起部は、第一組のバーブと第二組のバーブとを繰り返すことができる。別の代替的な実施形態(図示省略)において、各突起部は、第一組のバーブと第二組のバーブとの両方を含む。
【0022】
図3Aは、ステム102aの第一実施形態を係合する例示的なヘッド部材104の断面図である。第一実施形態のステム102aは、第一のステム102aの上面320aから第一の距離Dに配された溝310aを有する。ヘッド部材104を第一のステム102aと結合するため、オペレータは、第一のステム102a上でヘッド部材104のキャビティ220をスライドさせる。ステム102aの直径は、側壁230の突起部240を半径方向外側に曲げるものである。オペレータは次にヘッド部材104を下方に押し、すると第一組のバーブ250は溝310aを係合する。オペレータがヘッド部材104を下方に押し続けると、第一組のバーブ250が溝310aから出て、次に第二組のバーブ260が溝310aを係合する。第一組のバーブ250は、ステム102と接触するが、ステム102と係合されない。
【0023】
第二組のバーブ260が溝310aと係合させられた場合、ヘッド部材104は、第一のステム102aと完全に結合し、かつ第一のステム102aの上面320aは、ヘッド部材104の上部内面330に接触する。ヘッド部材104の上部は、開口340を有し、それは、オペレータが第一のステム102aの上面320aを観察するのを可能にすると共に、ヘッド部材104が第一のステム102aと完全に結合されたことを確認することを可能にする。第一組のバーブ250が第一のステム102aの溝310aに係合すると、オペレータは、開口340を通して、第一のステム102aの上面320aが上部内面330から離れていることを観察することができ、それはヘッド部材104が第一のステム102aと完全に結合していることを示している。
【0024】
図3Bは、ステム102bの第二実施形態を係合するヘッド部材104の断面図である。ステム102bの第二実施形態は、第二のステム102bの上面320bから第二の距離Dに配置された溝310bを有する。ヘッド部材104を第二のステム102bと結合するため、オペレータは、ヘッド部材104のキャビティ220を、第二のステム120b上でスライドさせる。第二のステム102bの直径は、側壁230の突起部240を半径方向外側に曲げるものである。オペレータは次に、第一組のバーブ250が溝310bを係合するまで、ヘッド部材104を下方に押す。
【0025】
第一組のバーブ250が溝310bと係合させられた場合、ヘッド部材104は、第二のステム102bと完全に結合し、かつ第二のステム102bの上面320bは、ヘッド部材104の上部内面330に接触する。オペレータは、ヘッド部材104の開口340を介して、第二のステム102bの上面320bがヘッド部材104の上部内面330に接触していることを観察することにより、ヘッド部材104が第二のステム102bと完全に結合されていることを確認することができる。
【0026】
図4は、大腿骨試行システム100の複数のヘッド部材104〜116の断面図を示す。複数のヘッド部材104〜116のそれぞれは、実質的に同じ最大直径を有するが、ヘッド部材は、上部内面330と外側面210の上部410との距離が異なる。この距離は、ヘッド部材のオフセットと言われることがある。例えば、ヘッド部材104は、最小オフセットOを有し、かつヘッド部材116は、最大オフセットOを有する。異なる製造業者は、これらのオフセットを記述する異なる専門用語を有することがある。例えば、出願人の用語によれば、ヘッド部材104は、−4mmのオフセットを有すると記述されることがあり、ヘッド部材106は、−3mmのオフセットを有すると記述されることがあり、ヘッド部材108は、+0mmのオフセットを有すると記述されることがあり、ヘッド部材110は、+4mmのオフセットを有するといわれることがあり、ヘッド部材112は、+8mmのオフセットを有すると記述されることがあり、ヘッド部材114は、+11mmのオフセットを有すると記述されることがあり、ヘッド部材116は、+15mmのオフセットを有すると記述されることがある。別の製造業者は、そのヘッドのオフセットを記述するために、+0、+4という用語を使うことがあるが、その+0は、他の製造業者の+0のヘッドとは異なる寸法(dimension)を有することがある。別の用語において、ヘッド部材は、A,B,Cなどのオフセットと記述されることがある。
【0027】
異なるオフセットを有することに加えて、ヘッド部材104〜116は、その外側面に異なる特徴部を有し、異なるシェル部材を係合する。これらの特徴部は、図5及び図6に示され、図5及び図6はそれぞれ、大腿骨試行システム100の複数の例示的なヘッド部材の斜視図及び側面図を示す。例えば、ヘッド部材104は、外側面の上部から離隔した平坦面510を含む。ヘッド部材106及びヘッド部材114は、外側面の上部から離隔した平坦面520を有するが、ヘッド部材104の平坦面510よりも近い距離にある。ヘッド部材106,114は、また、溝530を有する。ヘッド部材108,110,112は、その外側面に形成された凹部540、及び溝530を有する。ヘッド部材170は、溝530の上方に、実質的に滑らかな外側面を有する。
【0028】
各ヘッド部材104〜116の外側面は、選択されたシェル部材118〜146の内側面と結合するように構成されている。既知の市販の常置プロテーゼ(permanent prosthesis)は、限られた数の直径とオフセットとの組合せを有する。このため、大腿骨試行システム110のコンポーネントは、ヘッド部材及びシェル部材の組合せが、対応する常置プロテーゼが存在する場合のみ可能となるように、構成することができる。例えば、一つの既知の常置プロテーゼシステムにおいて、36mmの直径を有しかつ+11mmのオフセットを有する常置ヘッドは利用可能であるが、36mmの直径を有しかつ−4mmのオフセットを有する常置ヘッドは利用可能でない。このため、大腿骨試行システム100のコンポーネントは、例えば、シェル部材124が+11mmのオフセットを有するとともにヘッド部材114と結合するように構成され、それは+11mmのオフセットを有するが、ヘッド部材104と結合しないように構成され、それは−4mmのオフセットを有するように、構成可能である。
【0029】
図7は、複数の例示的なシェル部材の側面図を示す。ここに示されるように、シェル部材は、異なる輪郭形状を有することができる。例えば、30mmのシェル部材118は、半球状の外側面710と、溝720と、少なくとも一つのノッチ730と、を有する。34mmのシェル部材122は、部分的に球状の外側面740と、溝750と、少なくとも一つのノッチ760と、を有する。38mmのシェル部材126は、部分的に球状の外側面770と、溝780と、を有する。
【0030】
図8Aは、例示的なシェル部材126の底部斜視図を示す。シェル部材126は、ヘッド部材の外側面と結合するように構成された内側面810を有する。内側面810は、選択されたヘッド部材の外側面の特徴部に対応する、リブ820及び溝830を含む。
【0031】
図8Bは、例示的なシェル部材126の上部斜視図を示す。図7を参照して上述したように、シェル部材126は、部分的に球状の外側面770と、溝780と、を有する。シェル部材126は、さらに、ねじ山が付けられた開口840を有する。
【0032】
図8Cは、例示的なシェル部材126の断面図を示す。外側面770、内側面810、及びねじ山のつけられた開口840に加えて、シェル部材126は、環状リング850(図8D中、斜視で示されている)を受けるように構成されている。
【0033】
図9〜図16は、シェル部材がヘッド部材と結合する例示的ヘッド部材と併用される例示的なシェル部材の断面図を示す。図17A及び図17Bは、特定のヘッド部材と結合しない特定のシェル部材の斜視図を示す。図18〜図23は、例示的ヘッド部材と併用される例示的なシェル部材の断面図を示し、ここで、シェル部材は、ヘッド部材と結合しない。図示された実施形態は、例示に過ぎないことを理解されたい。コンポーネントは、ヘッド部材及びシェル部材の任意の組合せを可能とするように、構成することができる。一の代替的な実施形態(図示省略)において、各ヘッド部材は、各シェル部材と結合するように構成される。
【0034】
図9は、−3mmのオフセットを有し、32mmの直径を有するシェル部材と結合された、ヘッド部材106を示す。シェル部材118は、その内側面にリブ910を含み、それはヘッド部材106の溝530を係合するように構成されている。シェル部材124の内側面の上部は平滑部920を有し、それはヘッド部材106の平坦部520をカバーする。平滑部920は、ヘッド部材106の平坦部520と結合しないが、二つの部分は互いに干渉しない。このため、シェル部材124は、ヘッド部材106と完全に結合することができる。
【0035】
図10は、+11mmのオフセットを有し、36mmの直径を有するシェル部材124と結合された、ヘッド部材114の断面図を示す。シェル部材124は、その内側面にリブ1010を含み、それはヘッド部材114の溝530を係合するように構成されている。シェル部材124の内側面の上部は、第二のリブ1020を有し、それはヘッド部材114の平坦部520と一致する。このため、シェル部材124は、ヘッド部材114と完全に結合することができる。
【0036】
図11は、+8mmのオフセットを有し、38mmの直径を有するシェル部材126と結合された、ヘッド部材112の断面図を示す。シェル部材126は、その内側面に溝1110を含み、それは環状リング1120を受けるように構成されている。一方、環状リング112は、ヘッド部材112の溝530を係合する。シェル部材124の内側面の上部は、突起部を有し、それはヘッド部材112の凹部540と結合する。このため、シェル部材126は、ヘッド部材112と完全に結合することができる。
【0037】
図12は、+15mmのオフセットを有し、30mmの直径を有するシェル部材118と結合された、ヘッド部材116の断面図を示す。図9を参照して上述されたように、シェル部材118は、その内側面にリブ910を含み、それはヘッド部材116の溝530を係合するように構成されている。シェル部材118の内側面の上部は、平滑部920を有し、それはヘッド部材116の平滑外側面550をカバーする。このため、シェル部材118は、ヘッド部材116と完全に結合することができる。
【0038】
図13は、−4mmのオフセットを有し、46mmの直径を有するシェル部材134と結合された、ヘッド部材104の断面図を示す。シェル部材134は、その内側面に溝1310を含み、それは環状リング1320を受けるように構成されている。一方、環状リング1320は、ヘッド部材104を係合する。シェル部材134の内側面の上部は、突起部1330を有し、それはヘッド部材104の平坦面510と干渉しない。このため、シェル部材134は、ヘッド部材104と完全に結合することができる。
【0039】
図14は、+0mmのオフセットを有し、32mmの直径を有するシェル部材118と結合された、ヘッド部材108の断面図を示す。図9を参照して上述されたように、シェル部材118は、その内側面にリブ910を含み、それはヘッド部材108の溝530を係合するように構成されている。シェル部材118の内側面の上部は、平滑部920を有し、それはヘッド部材108の凹部540をカバーする。このため、シェル部材118は、ヘッド部材108と完全に結合することができる。
【0040】
図15は、+0mmのオフセットを有し、46mmの直径を有するシェル部材1520の代替的な実施形態と結合された、ヘッド部材1510の代替的な実施形態の断面図を示す。シェル部材1520は、その内側面に溝1530を含み、それは環状リング1540を受けるように構成されている。一方、環状リング1320は、ヘッド部材1510の下側を係合する。図示された実施形態において、溝1310は、角度がつけられた溝であり、かつ環状リング1320は、対応する角度を有する。代替的な実施形態において、溝及び環状リングは、直線状の輪郭を有する。
【0041】
図15を引き続いて参照すると、シェル部材1520の内側面の上部は、突起部1550を有し、それはヘッド部材1510の凹部1560を係合する。このため、シェル部材1520は、ヘッド部材1510と完全に結合することができる。
【0042】
図16は、+0mmのオフセットを有し、36mmの直径を有するシェル部材124と結合された、ヘッド部材108の断面図を示す。シェル部材124は、その内側面にリブ1610を含み、ヘッド部材108の凹部540を係合するように構成されている。シェル部材124の内側面の上部は突起部1620を有し、それはヘッド部材108の凹部540を係合する。このため、シェル部材124は、ヘッド部材108と完全に結合することができる。
【0043】
図17A及び図17Bはそれぞれ、−4mmのオフセットを有するヘッド部材104と併用される32mmのシェル部材122の斜視図及び側面図である。シェル部材122は、以下に示される理由のために、ヘッド部材104と結合することができない。
【0044】
図18は、ヘッド部材104と併用される32mmのシェル部材122の断面図を示す。シェル部材122は、リブ1810を含み、それはヘッド部材104を係合しない。シェル部材122は、さらに平滑面1820を含み、それはヘッド部材104の平坦面510に適合しない。したがって、シェル部材122は、ヘッド部材104と結合しない。
【0045】
図19及び図20は、+15mmのオフセットを有し、36mmの直径を有するシェル部材124と併用されるヘッド部材116の断面図を示す。シェル部材124は、その内側面に、リブ1910を含み、ヘッド部材116の溝530を係合するように構成されている。しかしながら、シェル部材124の内側面の上部は、突起部1920を有し、それはヘッド部材116に干渉する。このため、シェル部材124は、ヘッド部材116と結合しない。
【0046】
図21は、−4mmのオフセットを有し、36mmの直径を有するシェル部材124と併用とされる、ヘッド部材104の断面図を示す。シェル部材124は、リブ1010を含むが、ヘッド部材104は、対応する溝を有していない。加えて、ヘッド部材104は、非球体形状を有し、それはシェル部材124の第二のリブ1020に適合しない。このため、シェル部材124は、ヘッド部材104と結合しない。
【0047】
図22は、−3mmのオフセットを有し、46mmの直径を有するシェル部材134と併用される、ヘッド部材106を示す。シェル部材134は、その内側面に溝1310を含み、それは環状リング1320を受けるように構成されている。一方、環状リング1320は、ヘッド部材106における溝530を係合する。シェル部材134の内側面の上部は、突起部1330を有し、それはヘッド部材106の平坦面520と干渉する。このため、シェル部材134は、ヘッド部材108と結合しない。
【0048】
図23は、+11mmのオフセットを有し、46mmの直径を有するシェル部材134と併用されるヘッド部材114を示す。シェル部材134は、その内側面に溝1310を含み、それは環状リング1320を受けるように構成されている。一方、環状リング1320は、ヘッド部材114における溝530を係合する。シェル部材134の内側面の上部は突起部1330を有し、それはヘッド部材114の平坦面520と干渉する。このため、シェル部材134は、ヘッド部材114と結合しない。
【0049】
用語「含む(includes)」または「含む(including)」が明細書中または特許請求の範囲中で用いられる限り、それは、用語「備える(comprising)」が請求項の移行部分の用語として用いられる場合に解釈される意味と同様の意味で包括的であることが意図されている。さらに、用語「または」が用いられる限り(例えばAまたはB)、それは「AまたはB、あるいは両方」を意味する。出願人が「AまたはBのみであり、両方ではない」ことを示すことを意図する場合、その場合は、用語「AまたはBのみであり、両方ではない」が用いられる。したがって、用語「または」の使用は本明細書において包括的であると共に、排他的な使用ではない。ブライアン A.ガーナー著、「現代法律用語用法辞典」、624頁(第2版、1995年)を参照。また、用語「の中に(in)」または「の中へ(into)」が明細書中または特許請求の範囲中で用いられる限り、それは「の上に(on)」または「の上へ(onto)」を追加的に意味することが意図される。さらに、用語「接続する」が明細書中または特許請求の範囲中で用いられる限り、「に直接接続する」のみを意味するのではなく、他の一つのコンポーネントまたは複数のコンポーネントを介して接続されるような「に間接的に接続される」も意味することが意図されている。
【0050】
本願はその実施形態の説明により示されたが、また前記実施形態は非常に詳細に説明されたが、その詳細に、添付された請求項を制限すること、または多少なりとも添付された請求項を限定することは、出願人の意図ではない。更なる利点及び修正は、当業者に容易に明らかである。したがって、本願は、そのより広範な態様において、特定の詳細、個々の装置及び方法、並びに、示された及び説明された例示的な実施形態に限定されない。このため、出願人の通常の発明概念の精神または要旨から逸脱することなく、前記詳細から逸脱がなされてもよい。
【符号の説明】
【0051】
100 大腿骨試行システム
102 ステムコンポーネント
104 ヘッド部材
118 シェル部材
210 外側面
220 キャビティ
230 側壁
250 第一組のバーブ
260 第二組のバーブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のステム(102)とともに使用する大腿骨試行システム(100)であって、前記大腿骨試行システム(100)が、
複数のヘッド部材(104〜116)であって、前記各ヘッド部材(104〜116)が、外側面(210)と、ステムコンポーネント(102)の外面と結合するように構成され、少なくとも一つの側壁(230)を有するキャビティ(220)と、第一の深部で前記キャビティ(220)の前記側壁(230)に配置された第一組のバーブ(250)と、前記第一の深部から離れて配置された第二の深部で前記キャビティ(220)の前記側壁(230)に配置された第二組のバーブ(260)と、を有する、前記複数のヘッド部材(104〜116)と、
複数のシェル部材(118〜146)であって、前記各シェル部材(118〜146)が、前記複数のヘッド部材(104〜116)のうちの少なくとも一つの前記外側面(210)と結合するように構成された内側面(810)を有する、前記複数のシェル部材(118〜146)と、
を備える大腿骨試行システム(100)。
【請求項2】
前記第一組のバーブ(250)が、第一のステムコンポーネント(102b)の外面における、対応する溝(310b)と結合するように構成された請求項1に記載の大腿骨試行システム(100)。
【請求項3】
前記第二組のバーブ(260)が、第二のステムコンポーネント(102a)の外面における、対応する溝(310a)と結合するように構成された請求項2に記載の大腿骨試行システム。
【請求項4】
前記複数のヘッド部材(104〜116)が、第一の構造体を備えた外側面を有する第一のヘッド部材(106)と、
前記第一の構造体とは異なる第二の構造体を備えた外側面を有する第二のヘッド部材(112)と、
を含む請求項1に記載の大腿骨試行システム(100)。
【請求項5】
前記第一の構造体が平坦部(520)を含み、かつ前記第二の構造体が凹部(540)を含む請求項4に記載の大腿骨試行システム(100)。
【請求項6】
前記複数のシェル部材(118〜146)が、前記第一のヘッド部材(106)の外側面と結合する第一の構造体を備えた内側面を有する第一のシェル部材(118)と、
前記第二のヘッド部材(112)の外側面と結合する第二の構造体を備えた内側面を有する前記第二のシェル部材(126)と、
を含む請求項4に記載の大腿骨試行システム(100)。
【請求項7】
前記第一のシェル部材(118)が、前記第二のヘッド部材(112)の外側面と結合しないように構成された請求項6に記載の大腿骨試行システム(100)。
【請求項8】
前記第二のシェル部材(126)と前記第二のヘッド部材(112)との間に配置された環状リング(1120)をさらに備える請求項6に記載の大腿骨試行システム(100)。
【請求項9】
試行装着に使用されるプロテーゼ装置(100)であって、前記プロテーゼ装置(100)が、
キャビティ(220)を中に有するヘッド部材(104)であって、前記キャビティ(220)がステムコンポーネント(102a,102b)の外面と結合するように構成され、かつ前記キャビティ(220)が少なくとも一つの側壁(230)を有する、前記ヘッド部材(104)と、
第一の深部で前記キャビティ(220)の前記側壁(230)に配置された第一のバーブ(250)と、
前記第一の深部とは異なる第二の深部で、前記キャビティ(220)の前記側壁(230)に配置された第二のバーブ(260)と、
を備えるプロテーゼ装置(100)。
【請求項10】
前記第一のバーブ(250)が、第一のステムコンポーネント(102b)の外面と結合するように構成された請求項9に記載のプロテーゼ装置(100)。
【請求項11】
前記ヘッド部材(104)の外側面と結合するように構成されたキャビティを有する、少なくとも一つのシェル部材(34)をさらに備える請求項9に記載のプロテーゼ装置(100)。
【請求項12】
外側面と、ステム部材(102)の外面と結合するように構成されたキャビティ(220)と、を有する、少なくとも一つのヘッド部材(104〜116)と、
前記少なくとも一つのヘッド部材(104〜116)の外側面と結合するように構成された内側面を有する、少なくとも一つのシェル部材(118〜146)と、
を備えるプロテーゼ試行システム(100)。
【請求項13】
前記少なくとも一つのヘッド部材(104〜116)が、少なくとも、第一のヘッド部材(106)と、第二のヘッド部材(116)と、を含み、かつ前記少なくとも一つのシェル部材(118〜146)が、少なくとも、前記第一のヘッド部材(106)と結合するように構成された第一のシェル部材(118)と、前記第二のヘッド部材(116)と結合するように構成された第二のシェル部材(122)と、を含む請求項12に記載のプロテーゼ試行システム(100)。
【請求項14】
前記第一のシェル部材(118)が、さらに、前記第二のヘッド部材(116)と結合するように構成された請求項13に記載のプロテーゼ試行システム(100)。
【請求項15】
前記第二のシェル部材(122)が、さらに、前記第一のヘッド部材(122)と結合するように構成された請求項13に記載のプロテーゼ試行システム(100)。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C−8D】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公表番号】特表2012−525942(P2012−525942A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510015(P2012−510015)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/034058
【国際公開番号】WO2010/129880
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(397071355)スミス アンド ネフュー インコーポレーテッド (186)
【Fターム(参考)】