説明

モデル予測コントローラの解の解析プロセス

【課題】プロセスの動的挙動および定常状態挙動を操作して運転状態の最適化を進める。
【解決手段】多変数予測コントローラからの解を解析する方法は、多様な変数制約ステータスをもたらす定常状態最適化ツールを備える多変数予測コントローラからの解であって、操作変数から予測される制御変数を含む解を取得する工程と、解を操作して制約付き変数と制約なし変数との関係を取得して、制約なし変数が制約付き変数の変化にどのように応答するかを決定する工程とを含む。解は行列で表現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は制御システム、より詳細にはプロセスの動的挙動および定常状態挙動を操作して運転状態の最適化を進める方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アスペンテクノロジー社(Aspen Technologies,Inc.)のAspenTech(登録商標)から提供されているDMCplus(商標)やハネウェルインターナショナル社(Honeywell International Inc.)から提供されているRMPCT等の多変数予測制御アルゴリズムは、プロセスの動的挙動および定常状態挙動を操作して運転状態の最適化を進めるための演算の組み合わせである。制御方式で使用される定常状態アルゴリズムは、通常、一次プログラム(LP)であるが、二次プログラム(QP)となる場合もある。小規模な問題の場合、LPまたはQPの解を理解することは比較的に簡単である。二次元の問題は、オペレータがプロセスを理解できるように、紙面上に視覚化して実証することができる。モデリングの詳細な背景が分かれば、エンジニアや熟練したオペレータは中規模の問題(10次元未満)を理解することができる。しかし、大規模で相互作用が強い問題では、しばしば、オフラインシミュレーションが必要となる。このため、定性的にも理解に非常に時間がかかる場合がある。
【0003】
通常、多変数予測コントローラ(MPC)のオペレータは、現行の制約を観察することができ、プロセスの開ループモデルへのアクセスが可能である。しかし、制約セットの軽減を十分に理解するために、オペレータはプロセスモデルに精通し、モデルを通して独立関係および従属関係を追跡する能力が必要となる。そのために、オフラインシミュレーションまたは解析ツールが必要である。それが無ければ、オペレータは、制約をどの程度変更すべきか、次にどの制約がアクティブになるかを把握することができない。
【0004】
オフラインシミュレーションの1つの概念では、行列の回転が使用され、行列の回転では、制約なし操作変数(MV)が制約付き制御変数(CV)と置換される。制約付き変数は「独立変数」となり、制約なし変数は「従属変数」となる。行列の回転は、以下のように記号で表すことができる。
【数1】

【0005】
しかし、このアプローチでは、オペレータによる変更がコントローラの解にどの程度影響を与えるかについて、定量的な答えを得られない。
【0006】
従って、任意の規模の問題に対する過去または現行の動的行列制御(DMC)の解を解析してDMCコントローラの制約軽減に関する有効な定量的指示をオペレータにリアルタイムで提供するための簡易なユーティリティが必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態の様態は、MPCからの解を解析および説明し、MPCの解のコントローラリミットを変更することの効果についてオペレータに定量的な入力を提供することができる方法に関する。
【0008】
本発明の実施形態の他の様態は、当該方法を使用して制御システムのオペレータが直ちに利用、アクセス、且つ理解できる情報を提供することに関する。
【0009】
本発明は、多変数予測コントローラからの解を解析する方法に関連し、その方法は、多様な変数制約ステータスをもたらす定常状態最適化ツールを備える多変数予測コントローラからの解であって操作変数から予測される制御変数を含む解を取得する工程と、解を操作して制約付き変数と制約なし変数との関係を取得して制約なし変数が制約付き変数の変化にどのように応答するかを決定する工程とを含む。解は行列で表現することができる。
【0010】
本発明はまた、プロセス施設で使用される制御システムを運転する方法に関し、方法は操作変数と制御変数との間の定常状態応答に基づいてプロセスに関する操作変数および制御変数を含む未処理のゲイン行列をベースモデルファイルから抽出する工程を含む。操作変数と制御変数はアクティブな制約条件によって分類され、分類は制約付き条件、制約なし条件、または違反条件に基づく。変数ごとの予想される移動量は、アクティブな制約条件の分類に基づいて算出される。最適化解を表すモデル行列を取得するために、アクティブな制約条件に基づいてゲイン行列の順序が変更される。結果行列は、モデル行列内で結果行列を形成するように制約付き制御変数と制約なし操作変数を回転させることにより、形成される。結果行列と予想される移動量は、制約付き変数の変化に対する制約なし変数の応答を算出するために使用される。
【0011】
本発明はまた、プロセスで使用される制御システムに関し、制御システムはプロセスに関連する操作変数および制御変数を含むベースモデルファイルを格納する記憶装置と、操作変数と制御変数との定常状態応答に基づいてベースモデルファイルから未処理のゲイン行列を抽出する記憶装置と関連付けられたコントローラとを有する。コントローラは最適化解を使用して、制約なし変数が制約付き変数の変化にどのように応答するかを示し、その手段として、操作変数と制御変数をアクティブな制約条件によって分類する工程であって、分類が制約付き条件、制約なし条件、または違反条件に基づく工程と、変数ごとにアクティブな制約条件の分類に基づいて予想される移動量を算出する工程と、アクティブな制約条件に基づいてゲイン行列の順序を変更することで最適化解を表すモデル行列を取得する工程と、モデル行列を使用して操作変数から制御変数を予測する工程と、結果行列を形成するようにモデル行列内で制約付き制御変数と制約なし操作変数を回転させて結果行列を形成する工程と、結果行列と予想される移動量を使用して制約付き変数の変化に対する制約なし変数の応答を算出する工程とを実行する。
【0012】
本発明の上述の様態および他の様態は、詳細な説明および添付の図面を参照すれば明らかになろう。
【0013】
次に本発明について添付の図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るプロセスの基本的な工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書で説明する本発明の好適な実施形態は、動的行列コントローラ(DMC)に関する。しかし、本発明は多変数予測コントローラ(MPC)全般に対して、および種々のアプリケーションでプロセスリミットを最適化することが望ましい制御方式に対して、より広く適用されることを意図するものである。
【0016】
本明細書で使用されるオペレータという用語は、任意のエンドユーザを示すものである。例えば、エンドユーザとしては、オペレータ、プロセス技術者、シフトリード、制御技術者、またはマネージャが考えられる。
【0017】
本発明の基本的な機能を実証するため、簡単な問題を扱う。最も簡単な形態において、DMCコントローラ用の制約感度解析ツールは、変換、ランプ、および最小移動MVなしで提供される。基本的な機能には制約付き変数解析が含まれる。解析では、次の制約がアクティブになるまでに制約をどれだけ移動可能かを決定し、次の制約を同定する。制約なし変数解析もまた実行される。解析では、どの制約を受けてコントローラは何らかの制約なし変数(例えば、フィード)を下方(または上方)に移動させるのかを特定し、更に、この変数に対する全てのアクティブな制約の感度(閉ループゲイン)を決定する。不能性解析が実行される。解析では、どの制約付き変数をどれだけ移動すれば、解を実現可能にすることができるかを求める。テストまたはExcelベースのインターフェイスによって解析結果が提供される。グラフィックユーザインターフェイス(GUI)は効果的である。
【0018】
より複雑な問題を解析する能力を高めるには、MV変換およびCV変換の計算および自動認識が実行され、その結果が解析に組み込まれる。更に以下の機能が有効になる。最小移動MVを認識し処理する機能、ランプ変数およびランプでリンクされた関係を認識し処理する機能、使用可能な制約軽減メカニズムの経済的優先順位付け、外部目標を処理する機能、優先順位の分類により不能性を解析する機能、グラフィックを使用してループ組み合わせ(制約なしのMVと制約付きCV)を表現する機能、履歴データを基に一連の解をたどる機能。この技法は複合的なアプリケーションで有効であり、組み合わせられた複数のコントローラに対して1つの最適化機能が使用される。GUIおよびハイパーテキスト・マークアップ言語(HTML)インターフェイスの利用が可能である。
【0019】
最高レベルになると、ツールはまた、QP目的関数を認識および説明する機能、および不能性の軽減のために複数ランクのグループを解析する機能を提供し、アクティブなゲイン増倍率を認識し、それを取り込む。AspenTech(登録商標)から提供されるAspenWatchやハネウェルインターナショナル社(Honeywell International Inc.)から提供されるProcess History Database(PHD)等の市販のデータベースとのリンクも実現可能と考えられる。
【0020】
特に、図1のフローチャートを参照すると、本発明で実行されるプロセスは、当該変数に関係するオペレータに情報を提供することから始まる。第1の工程は、ファイルまたはデータベースからコントローラの定義を読み込むことである。これにより、操作変数、フィードフォワード変数、および制御変数の個数と名前が与えられる。次に、モデルファイルを読み込み、独立(MVまたはフィードフォワード)変数と従属(CV)変数との対ごとにモデル「ゲイン」を抽出する。一般にモデルは動的であり、従って、この計算にはモデルの定常状態の部分(即ち、ゲイン)のみが使用される。プロセスの変形例では、モデルが、非線形コントローラ内の変数間の線形関係になり得る。モデルはまた、リアルタイム最適化問題での変数間の線形関係にもなり得る。
【0021】
4MV X 7CV行列でのMVとCVとの間の定常状態応答の例を以下に示す。
【0022】
【表1】

【0023】
全ての変数の目標値と制約ステータスが読み込まれ、変数が制約付き変数または制約なし変数のいずれかに分類される。違反変数は制約なし変数に分類され、非アクティブな操作変数は制約付き変数に分類される。データは整合性が取れていること、即ち、全て同じ実行サイクルからのデータであることが必要である。ステータスは、ファイルまたはコンピュータデータベースから読み取り可能である。データは、コントローラの現在または過去の実行に基づくものとなり得る。
【0024】
変数ごとに、次の制約に到達するまで各方向への許容される定常状態移動(AM)が算出される。全ての変数について、この計算が実行される。この計算は、アクティブ制約指示のタイプに基づいて変化する。
【0025】
制約なし変数については、変数が制約に到達するまでデルタで変化が示される。例えば、制約なし変数がオペレータのハイリミットとオペレータのローリミットの間にあるとする。上方への許容される移動(AM up)は、オペレータのハイリミット(OPHIGH)から定常状態目標を引き算した値に等しい。これは以下の式で表すことができる。
AM up=OPHIGH−定常状態目標
【0026】
下方への許容される移動(AM down)は、定常状態目標からオペレータのローリミット(OPLO)を引き算した値に等しい。これは以下の式で表すことができる。
AM down=定常状態目標−OPLO
【0027】
違反変数の場合は、変数が実行可能になるまで、変化量としてデルタが算出される。例えば、変数がオペレータのハイリミットを超過すると、以下のようになる。
AM down=定常状態目標−OPHIGH
【0028】
制約付き変数については、次の制約に到達するまでデルタで変化が示される。例えば、エンジニアリングリミット(エンジニアリングHi)が運転リミットを越える次のリミットである場合、オペレータハイリミットで制約を受ける変数については以下のように表される。
AM up=エンジニアリングHi−OPHIGH
【0029】
許容される定常状態移動の計算時には、単一の変数が複数組のリミット(例えば、オペレータ、技術者、装置、安全性、範囲等を含む)を保持することが可能である。ユーザは許容される変化の計算で考慮すべきリミットを選択または選択解除することができる。例えば、ユーザは許容される移動を計算するのに、エンジニアリングリミットを選択解除し、測定の範囲を使用することができる。
【0030】
次の工程は、制約なし変数に対する制約付き変数の影響(MV対CVではなく)を示す閉ループ行列を作成することである。制約なし/違反変数ごとに、それに影響を及ぼす制約付き変数が表示される。これらは、選択された制約なし変数に対してゼロ以外の行列要素を持つ制約である。これは制約の状態に応じてゲイン行列の順番を変更することにより実現可能である。制約なしMVは上側に移動され、制約付きCVは左側に移動される。結果として得られる行列は、以下に示す4つの部分から構成される。
(a)制約付きCVに対する制約なしMVのモデル
(b)制約付きCVに対する制約付きMVのモデル
(c)制約なしCVに対する制約なしMVのモデル
(d)制約なしCVに対する制約付きMVのモデル
【0031】
モデル行列は、以下のように記号で表すことが可能である。
【0032】
【表2】

【0033】
CVはMVモデルから代数的に予測される。
CV=A*MV+B*MV
CV=C*MV+D*MV
【0034】
行列の形式では、この関係は以下のように表される。
【数2】

【0035】
方程式がスカラーである場合、2つの方程式がそれぞれ2つの未知数を持つことになり、既知数と未知数を置換可能であると考えられる。同じ方程式を行列の形式で表現すると、制約付きCVと制約なしMVとを以下のように置換または回転することができる。
【数3】

【0036】
結果として得られた方程式および行列は、以下に示すように制約付き変数の変化に対して制約なし変数がどのように応答するかを定性的に示す。
【0037】
【表3】

【0038】
この例示的な行列は回転されて、MV、MV、CV、およびCVが制約を受けている形態を示している。
【0039】
【表4】

【0040】
この行列内の各要素は、制約付き変数の統一的な変化に対する制約なし変数の変化量を示している。極めてゼロに近い行列要素は、ゼロとしてカウントされる。
【0041】
閉ループ行列を作成する他の方法として、コントローラをシミュレートし、制約の各々を一つずつ少し(ε)だけ摂動するという方法がある。制約付き変数と制約なし変数との各対のεに対する変化または制約なし変数の比は、閉ループ行列のゲインである。
【0042】
結果として、制約なし/違反変数ごとに、それに影響を及ぼす制約付き変数が表示される。この閉ループ行列内の情報は更に、オペレータへの3つの一般的クラスの情報(前述した制約付き変数、制約なし変数、および違反変数に関係する)について、情報の全てを計算するのに使用される。
【0043】
制約iごとに、プロセスでは別の制約に到達するまで、双方にどれだけ移動可能かを算出できる(CMi)。移動量および次の制約は、オペレータの用途に合わせて記録および表示される。特に、制約iに対する最低限許容される移動(AM)に加えて、制約なし変数jの許容される移動(AMj)/閉ループゲインGPijの比を確認できる。この計算を使用する場合は、正しい符号を使用することが重要となる。例えば、制約を上側にどれだけ移動できるかを算出する場合、ゲイン要素が負ならば、制約なし変数の下側への許容される移動を使用する必要がある。
【0044】
各制約のリミット緩和値を算出することも可能である。この値を算出するには、制約のシャドウ値(通常、計算自体で得られる結果)とCM(次の制約までの移動)を掛け算する。コントローラ最適化によるシャドウ値ではなく、計画およびスケジューリング、またはリアルタイム最適化等の別のプログラムによるシャドウ値を使用することも可能である。
【0045】
このツールを使用することで、以下の目的を達成する解決策を取得できる。
【0046】
制約解析の場合は、以下の質問に対する答えを求めることができる。
・別の制約がアクティブになるまでに、制約をどの程度変更できるか。
・次のアクティブな制約は何か。
【0047】
制約なし変数の解析の場合は、以下の質問に対する答えを求めることができる。
・変数の増大または減少が望ましい場合、どの制約が変化をもたらすか。
・それらの制約の感度(閉ループゲイン)とは何か。
・考えられる効果の大きさまたは全体的なLP最適化目的関数のコストに基づく制約の優先順位とはどのようなものか。
【0048】
不能性解析の場合は、以下の質問に対する答えを求めることができる。
・どの変数をどれだけ変更すれば、解は実現可能になるか。
【0049】
本発明によりMPCコントローラの解のコントローラリミットを変更することの効果について定量的な入力がオペレータおよび技術者に提供される、ことが理解できる。本発明の以前において、制約の依存性および軽減メカニズムに関する情報は技術者が利用できるだけであり、それには複数のオフラインMPCシミュレーションを実行する必要があった。全てのオペレータが直ちにこの情報を利用し、この情報にアクセスし、この情報を理解できるようにすることで、変化に対する迅速な応答およびより最適なプロセス運転が可能になる。
【0050】
本明細書で説明したように本発明の種々の変更を実施すること、装置および方法の多種多様な実施形態を作成することは、それらがクレームに記載した本発明の精神および範囲内に維持され、その精神と範囲とから逸脱しない限りは、可能である。添付の明細書に含まれる事項は全て単なる例示であって限定することを意図していない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセス施設で使用される制御システムを運転する方法であって、
プロセスに関連付けられた操作変数および制御変数を含む未処理のゲイン行列を前記操作変数と前記制御変数との間の定常状態応答に基づいてベースモデルファイルから抽出する工程;
前記操作変数と前記制御変数をアクティブな制約条件によって分類する工程であって、前記分類が制約付き条件、制約なし条件または違反条件に基づく工程;
変数ごとに前記アクティブな制約条件の分類に基づいて予想される移動量を算出する工程;
前記アクティブな制約条件に基づいて前記ゲイン行列の順序を変更することで、最適化解を表すモデル行列を取得する工程;
結果行列を形成する前記モデル行列内で前記制約付き制御変数と前記制約なし操作変数を回転することで、前記結果行列を形成する工程;および
前記結果行列と前記予想される移動量を使用して、前記制約付き変数の変化に対する前記制約なし変数の応答を算出する工程
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記制約なし変数について予想される移動量を算出することによりオペレータのハイリミット、オペレータのローリミットまたは工程リミットがもたらされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各変数が一連のリミットを有し、予想される移動量を算出する工程が、前記計算で使用する前記一連のリミットからリミットを選択することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記制約付き変数について予想される移動量を算出する工程が、次にどの制約条件に到達するかを決定することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記違反変数について予想される移動量を算出する工程が、どのような移動で前記変数がリミットに戻されるか決定することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ゲイン行列の順序を変更する工程が、前記制約なし操作変数を前記行列の上部に移動し、前記制約付き制御変数を前記行列の左側に移動することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ゲイン行列の順序を変更することにより行列がもたらされ、該行列が、
(i)制約付き制御変数に対する制約なし操作変数のモデル、
(ii)制約付き制御変数に対する制約付き操作変数のモデル、
(iii)制約なし制御変数に対する制約なし操作変数のモデル、および
(iv)制約なし制御変数に対する制約付き操作変数のモデル
を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記結果行列を使用する工程が、別の制約に到達するまで前記制約付き変数がどの程度変更され得るかを決定することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記結果行列を使用する工程が、各制約なし変数に影響を及ぼす全ての前記制約付き変数を決定することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記結果行列を使用する工程が、各制約の変化により対応する前記制約なし変数にどの程度影響を及ぼすかを決定することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記結果行列を使用する工程が、制約ごとに実現可能性を達成するために必要な移動を算出することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
プロセスで使用される制御システムであって、
前記プロセスに関連する操作変数および制御変数を含むベースモデルファイルを格納する記憶装置;および
前記操作変数と前記制御変数の定常状態応答に基づいて、前記ベースモデルファイルから未処理のゲイン行列を抽出する前記記憶装置と関連付けられたコントローラ
を含み、
前記コントローラは、最適化解を使用して制約なし変数が制約付き変数の変化にどのように応答するかを示すために、
前記操作変数と前記制御変数をアクティブな制約条件によって分類する工程であって、前記分類が制約付き条件、制約なし条件または違反条件に基づく工程;
変数ごとに前記アクティブな制約条件の分類に基づいて、予想される移動量を算出する工程;
前記アクティブな制約条件に基づいて前記ゲイン行列の順序を変更することで、最適化解を表すモデル行列を取得する工程;
結果行列を形成する前記モデル行列内で前記制約付き制御変数と前記制約なし操作変数を回転することで、前記結果行列を形成する工程;および
前記結果行列と前記予想される移動量を使用して、前記制約付き変数の変化に対する前記制約なし変数の応答を算出する工程
を実行することを特徴とする制御システム。
【請求項13】
前記コントローラが、最適化関数の結果で予想される変化を評価することにより、前記制約なし変数について予想される移動量を算出することを特徴とする請求項12に記載の制御システム。
【請求項14】
前記最適化関数の結果がオペレータのハイリミット、オペレータのローリミットまたは工程リミットであることを特徴とする請求項13に記載の制御システム。
【請求項15】
前記コントローラが次にどの制約条件に到達するかを決定することにより、前記制約付き変数について予想される移動量を算出することを特徴とする請求項12に記載の制御システム。
【請求項16】
前記コントローラがどのような移動で前記変数がリミットに戻されるかを決定することにより、前記違反変数について予想される移動量を算出することを特徴とする請求項12に記載の制御システム。
【請求項17】
前記コントローラが前記制約なし操作変数を前記行列の上部に移動し、前記制約付き制御変数を前記行列の左側に移動することにより、前記ゲイン行列の順序を変更することを特徴とする請求項12に記載の制御システム。
【請求項18】
前記コントローラが前記ゲイン行列の順序を変更することにより、
(i)前記制約付き制御変数に対する前記制約なし操作変数のモデル、
(ii)前記制約付き制御変数に対する前記制約付き操作変数のモデル、
(iii)前記制約なし制御変数に対する制約なし前記操作変数のモデル、および
(iv)前記制約なし制御変数に対する前記制約付き操作変数のモデル
を有する行列をもたらすことを特徴とする請求項12に記載の制御システム。
【請求項19】
前記コントローラが前記結果行列を使用することにより、別の制約に到達するまで前記制約付き変数がどの程度変更され得るかを決定することを特徴とする請求項12に記載の制御システム。
【請求項20】
前記コントローラが前記結果行列を使用することにより、前記各制約なし変数に影響を及ぼす全ての前記制約付き変数を決定することを特徴とする請求項12に記載の制御システム。
【請求項21】
前記コントローラが前記結果行列を使用することにより、各制約の変化が、対応する前記制約なし変数にどの程度影響を及ぼすかを決定することを特徴とする請求項12に記載の制御システム。
【請求項22】
前記コントローラが前記結果行列を使用することにより、各制約の実現可能性を達成するために必要な移動を算出することを特徴とする請求項12に記載の制御システム。

【図1】
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【公開番号】特開2013−33497(P2013−33497A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−224717(P2012−224717)
【出願日】平成24年10月10日(2012.10.10)
【分割の表示】特願2009−529228(P2009−529228)の分割
【原出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【出願人】(390023630)エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー (442)
【氏名又は名称原語表記】EXXON RESEARCH AND ENGINEERING COMPANY
【Fターム(参考)】