説明

モデル予測制御のための差動計算機械

【課題】高等工業制御技術、つまり、モデル予測制御問題とそれに対する線型計画問題linear programming(いわゆる凸計画問題)を解く効率のよい方法と装置を提供すること。
【解決手段】モデル予測制御問題を構成するクラスのうちの一つに属する線型計画問題linear programmingに基づき、定常状態目標計算に関する線型プログラムを、制御対象となる工業モデル全体の入力量と出力量の「差動」によって駆動する線型プログラムとして構成する。このとき、モデルの不確定性記述を有する特性ゲインパラメータVを有するシステムに対して、本発明は定常状態目標を達成する目的関数Wを適用することによって、既知の不確定性記述内におけるパラメータVのすべての可能値に対し、システム制御変数が定常状態を達成可能にする臨界値を提供する。そのような臨界値に修正が迫られる場合には、随時、特殊臨界値の提供により上記臨界値の修正を実行する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にコンピュータをベースとした制御システムおよびその制御アルゴリズムの分野、とりわけ、コンピュータ制御アルゴリズムのモデル予測制御クラスに属する拡張されたBCSS機械の実行に関する。
【従来の理論】
【0002】
BCSS機械とは、Blum−Cucker−Shub−Smaleによって1997年に開発されたランダムアクセスマシン(RAM)の一種で、複素数の有限列を入力・状態・出力

コンピュータ、つまり、チューリング機械とほぼ等価の意味で用いられるが、数学的にはチューリング機械Mが自然数から自然数への写像で定義されるのに対して、BCSS機械は単位コストあたりの計算が実数上の有理関数で定義されている点が特徴的である。
【0004】
【非特許文献1】この事情について、とくに論理的な構成について詳しくは、例えば、BCSS:Blum,L.,Cucker,F.,Shub,M.,and Smale,S.,(1997).Complexity and Real Computation,Springer−Verlag,New York.等を参照のこと。
【背景技術】
【0003】
より精密には、BCSS機械とは、所与の最適化問題を実時間で解くためのモデル予測制御問題MPC problem−Model Predictive Control problemとして構成可能であり、多変数システム(実際には、例えば、10億変数以上)の工業技術制御問題として、それが供するコンピュータ制御システムは、製造プラント、化学プラント、もしくは、電力の需給バランスの最適分配のために発電コストを最小化するという目的の実行等、幅広い分野に利用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
モデル予測制御問題MPC problemの一つのクラスとは、所与のシステムにおける状態量のシーケンス(制御変動)を調節することによって、将来の挙動を最適化する操作変数を予測し、算定することである。工業プロセスを望み得る“最適”状態にもってゆくための最適制御変動を決定するのに用いられるのが、一般に線型計画法Linear Programmingおよび二次計画法Quadratic Programmingである。数学的に重要であるばかりでなく、商業上重要なこの問題に対する解法はシンプレックス法、楕円体法、そして、内点法もしくはカーマーカー法、その発展版である予測子・修正子法および主双対内点法などが開発されてきたが、これらは単一で用いられるよりは工業システムに対する組み合わせ最適化問題として上述の解法が複数個用意され、コンピュータ上で実行されるのが常である。
【0006】
多くの工業的要求、いわゆる工業用プロセスプラントの制御という目的で開発されてきたMPCソルバーもしくはLPソルバーは、しかしながら、実行される上述の制御アルゴリズムの設計と実装に多大の時間的・技術的労力が要求される。
【0007】
もし、MPC/LPコントローラに実装されたこれらアルゴリズムに改善されるべき問題があるとすれば、それはこのような人的・技術的コストを考慮しても、工業実務上実装されたアルゴリズムが効率的な観点から見てみて単位コストあたりの経済的な計算効果にほとんど優劣をつけることができないと指摘される点である。
【0008】
このようなMPC制御構造は、制御対象となる工業システム(例えば、発電プラントもしくは電気的炉心内部)そのものを意味するが、実際にはシステムそのものはシステムの最適制御変動に介入するパラメータ化された入力量、状態量、そして出力量からなる工業システム全体の和である。したがって、システムの状態を示す目的関数Objective functionを最小化することによって産業プロセスの望み得る最適制御変動を決定するMPC/LPシステムに改善されるべき問題があるとすれば、それは、いかにしてMPC/LP制御構造において実装されたアルゴリズムの「正しさ」を判断すべきかという点にあるものと考えられる。
【0009】
実装されたアルゴリズムが所与の工業予測を多項式時間内に解決できるかどうかという問題とは別に、多項式時間内に解決可能なアルゴリズムの「正しさ」を担保する明白な事由をどこに求めるべきかという問題がある。少なくとも、対象となる工業システムとして考慮された明示的なプロセスモデルは、それ自体が一つの独立した理論的考察対象として捉えられるべきであって、言い換えれば、アルゴリズムの「正しさ」を証明するには、それを担保する「自然法則」、つまり「力学系」モデルの構築に依存していると言い切ってよい。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、このような応答を受けて、高等工業制御技術、つまり、モデル予測制御問題とそれに対する線型計画問題linear programmingを解く効率のよい方法を提供すること、いいかえれば、工業システムの全体にとって入力量と出力量の差によって定義された差動プログラムを実行する複数個のパーツ(これらはバッチと呼ばれる)からなる機械を考え、論理的には複素数(四元数)上の計算プログラムを実行させることでシステムの最適化手続きに必要とされる計算量の著しい低減を目的とする。
【0011】
【特許文献1】このようなBCSS機械を工学的に実現するMPC/LPソルバーの標準規格コンポーネントの標準的な技術仕様と構成については、例えば、“モデル予測制御用ロバスト定常状態目標計算”、特許出願公表番号P2002−525773(P2002−525773A)に詳しい。
【0012】
【発明を実施するための形態】
【0013】
力学的には、拡張されたBCSS機械とは、二つの入力量の差によって「間接的に」定義された状態量の目的関数を最小化するための多変数制御論理、すなわち、モデル予測制御論理(MPC)の実行に深く関わっており、その意味では所与の工業システムの最適化問題を解くためのシステムである。また、目的関数を四元数上の特性関数Wとして理解することによって、所与の工業システムの最適制御状態の将来予測のための数値計算は、状態量に相当する「間隙gap」内部で観測されるものと想定されるColored Cellular Automaton Solitonを、たとえば、入力量に対する状態量をビットシフト演算器における離散化された数値変動と置き換えることによってギャップgap内部において端点間を運動する「内部運動点」の物理学的状況を仮想的に実現することに等しく、実質的に、モデル予測制御をおこなうMPC/LPソルバーとはディジタル制御装置である。
【0014】
MPC/LP制御装置によってMPC最適化を実施するLP Programming(つまり、内部運動点の軌道計算アルゴリズム)を実行するためには、以下のMPC/LPソルバーに実装された内部運動点の軌道計算アルゴリズムの詳細を知ることによって理解できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明において開示される拡張されたBCSS機械とは、二つの入力量の差動によって駆動する計算プログラムを複数個のバッチに分散・負担させることによって、制御対象となる工業システムの現在および将来の状態を予測・制御、最適化することを目的としている。
【0016】
この機械に実装されたアルゴリズムは、制御対象となる工業システムをバッチと呼ばれる4つのパーツへと分解することで明らかになるが、その全体は、四元数上のMorse関数として理解・構成が可能であり、従来理論におけるMPC制御階層構造は、円の系列における全凸な領域の階層、つまりプラント内部で観測されるクラスタ・ジェットcluster jetをつないでできる凸領域の階層構造と代替可能である。
【0017】
制御システムの入/出力モデルとして採用されるのが、いわゆる、ストン・モデル、もしくは、上述の[特許文献1]に指摘される「水コック」の事例に相当する現在の出力に対する過去の入力の関数の全体の和で
【0018】
【数1】


そこで、目的関数Vは
【0019】
【数2】

である。
【0020】
このとき、二つの流出入量の差によってシステムのプロセス作動領域を限定された「間隙」において算出されるべき停留作用値は、通常の古典力学における四次元Euclid座標空間において任意にとられた二つの代表点間をつなぐ線型経路
【0021】
【数3】

上を運動する内部運動点の最短経路である。
【0022】
本発明が提供する軌道計算アルゴリズムは、この内部運動点が形式的に要求す

とを意味する。かくして、制御対象となるシステム全体は、
【0023】
【数4】

である。ただし、i,j,kは虚数単位であり、以下の規則に従う。
【0024】
【数5】

【0025】
工業システムを四元数上のMorse関数として構築する理論
工業システムとみなされた力学モデルを「間隙gap」と呼ぶことができるとすれば、その「間隙」内の端点間を運動する点は「内部運動点」である。本発明において開示されるgap法、もしくは、内部運動点アルゴリズムとは、「間隙」の領域内を運動する「内部運動点」の軌道計算アルゴリズムである。
【0026】
一複素変数の超過写像
本発明のアルゴリズムの中心的な理解は、制御対象そのものとして考慮された工業システムの最適目標状態がシステムに介入される入力変数とシステムで観測される出力変数の「差動」によって「間接的に」定義された超過写像
【0027】
【数6】

として写し取られるということである。
【0028】
このことは、式(1)において指摘した入力量・状態量・出力量全体の和からなる総体和totive−sumτが
【0029】
【数7】

へと書き改められることを意味する。
【0030】

微分可能な実関数の列
【0031】
【数8】

は本開示における実施形態による特性関数Vを構成すると考えてよい。
【0032】
プラント等の制御対象となる工業システムの出力は、したがって、システム全体、つまり、内部運動点の軌道計算アルゴリズムを構成するバッチ全体の統括

【0033】
【数9】

を構成するが、n個の関数
【0034】
【数10】

を満たすベクトル(x,x,x,x)で与えられる。
【0035】
かくして、本開示において「間隙gap」の全体は形式的に
【0036】
【数11】

(ただし、Sは単位球面を記す)
上で定義される。
【0037】
本開示においては、制御対象と制御システム(MPC/LPソルバー)は、力学モデルとそこで進行する軌道計算アルゴリズムの視点を導入することによって、理論的には、それらが志向する指示内容は同一のものであると推定される。しかしながら、工業実務者にとって、この同一性は本開示の実施形態において、何ら混乱を招くものではない。
【0038】
当業者は制御システムの目標となる入力をFに、目標出力をF′と置き換えて後、その差動によって駆動する一連のバッチ・プロセシングbatch processingをSで代表させることによってシステムの全体を代数的に理解することができる。ごく単純に力学的には「プラント」もしくは「工業システム」たる「水桶」の状態量の変動は、そこに流出入する流量の「差」によって間接的に知ることができるのである。
【0039】
当業者は制御システムを構成する仮想計算ブロックに制御目標となる入力Fを設定しさえすれば、制御対象となるプラント等から出力される観測値をF′と置き換えて後、ふたたび制御システムへの出力が制御対象へとフィードバックされるとみなすことで、システムへの「最適な」入力Sを介入させるだけでよい。
【0040】
具体的には、図1において示されるMPC/LPソルバーを含むBCSS機械は次のように駆動する。プラント等の工業システム70で観測、もしくは、検出された出力xは内部運動点の軌道を示す運動量座標であり、ライン60で送られる「目標」計算ブロック71に対する「目標」入力である。
【0041】
「内部運動点」の運動量座標xはHopf写像p:S→Sを用いることによって複数信号列pによって表現され、したがって、ライン60は制御対象となる工業システム70の作動状態を反映する複数の電気信号である。
【0042】
制御対象となる工業システム70の最適化を図るためには、ブロック71においてあらかじめ「間隙gap」の変分の可能解の最大、もしくは、最小許容範囲b,cを設定しておけば、ライン64を経て「最適」計算ブロック72に「内部運動点」の「重み」を提供する。
【0043】
ブロック72に提供された「重み」に基づいて、あらかじめブロック71で「目標」設定される円の半径はロバストLPにおいて実行される凸形プログラムの実行範囲を決定する。したがって、ブロック72で「最適化」されたクラスタ・ジェットcluster jetは、ライン61を経て工業システム70へとフィードバックされる「最適」入力Δuである。
【0044】
さらに、ブロック71においては「半径」が設定されるのと同時に、当業者のみが知り得る「現場」の「知識」を「色」と呼ぶことができれば、この数値化された「色」はあらかじめブロック71に設定されるべき数値「目標」である。
【0046】
装置制御更新手段としてあらかじめ円の結合共有半径を知ることで「内部運動点」の軌道xが修正されたとみなせるならば、修正器80に「目標」設定される修正「半径」はライン42を経てブロック71の半径の補正を誘導する「目標」入力である。
【0047】
本開示においては、二つのフロー量の差によってのみ観測可能な「間隙gap」とそれに仮想的に付随する状態量を模した力学モデルの構築に依存した複数個のバッチが展開される。この軌道計算アルゴリズムを実装したバッチからなるBCSS機械の具体的な工学的実現については、[特許文献1]に詳しい。が、いずれにしても、市販の標準規格品によって容易に構成可能である。
【0048】
【非特許文献1】この超過「需要」写像に関する簡潔な言及として、Smale,S.,(2000).“Mathematical problems for the next century”,Mathematics:frontiers and perspectives(Providence,RI:American Mathematics Society):271−294.における問題8「経済理論への力学の導入Introduction of dynamics into economic theory」を、本開示におけるシステム制御の中心的課題に関する凸計画法と階層クラスタ分析については問題9「線型計画法問題The linear programming problem」の部分的理解とを挙げることができる。
【0041】
システム全体で観測されるシーケンスの点測度への分解の理論的根拠
本開示のシステムにおける出力変数の最適値、もしくは、臨界値を求める工程は、「間隙gap」において実行可能領域を形成するクラスタ・ジェットcluster jetを大円の弧に投影することによって実行される。
【0042】
システムの経済「目的」を達成する臨界点集合uは「内部運動点」の座標x=(x,x,x,x)である四元数に連動して変動するベクトルp=(p,...,p)によって誘導される。つまり、変動列(p,...,p)はシステム全体の写像
【0043】
【数12】

によって定義される。
【0044】
このとき、「間隙gap」上において形式的に導入された関数
【0045】
【数13】


標に連動して円内部の凸領域を変形させながら変動することから、MPCコント

上で任意にとられた端点間を運動する「運動点」の座標は四元数である。
【0043】
所与の「目的」関数Wが整数解で与えられるとき、そのような整数解はすべて幾何学的点の方形配列へと分解可能であること、さらに、これら秩序だった点の配列に座標を貼り付けることが可能であること、最終的に座標表示可能な点の配列が高々四つの平方の和であらわされること、結局、四平方和の定理を四次元時空上の点の座標として物理学的に再構成することによって力学モデルを構築しようとする試みについて数学的な関心を満たすためにはそれぞれ順に次の文献を参考にするのが近道である。
【0044】
【非特許文献2】

【0045】
【非特許文献3】

【0046】
【非特許文献4】Hamilton,William Rowan(1833),“On a general method of expressing the paths of light,and of the planets,by the coefficients of a characteristic function”,Dublin University Review,795−826.
【0047】
【非特許文献5】Hamilton,William Rowan(1844),“On a new species of imaginary quantities connected with a theory of quaternions”,Proceedings of the Royal Irish Academy,2 424−434
【0048】
最適制御状態目標を実現するための制御システムの一連のオペレーションの全

分可能な距離関数の臨界点集合である(四元数上のMorse関数)。
【0049】
W上の一点pを非負実数で測定され、かつ、「間隙」において達成可能な経済「目的」のi番目のコンポーネントをなすと定義するとき、そのような点は内部運動点の変動座標の数値情報を反映したpareto臨界点として理解される。
【0050】
該システムに相当する「間隙gap」を点測度の系の中心を巻いて境界をもつ面積最小の領域を張る臨界点のついた停留作用空間として考慮すれば、MPCにおけるLP programmingは以下に従うバッチと呼ばれる一連のプログラムの集合名辞collective nameである。
【0051】
バッチ1 円のcluster jet階層性

的対応物の具体的な事例として、本開示では点測度pをmを超えない要素へと分解する方法、すなわち、(状態)量の線型形式
【0052】
【数14】

が導入されることが提案される。
【0053】
かくして、四元数上のMorse関数においてi番目のバンドルbundle pは、定数グループと係数グループへと分解されることが了解される。つまり、係数クラスタ点coefficient cluster pointはjetグループを、variablesは重みweightグループを形成する。
【0054】
gapに関する複合分割の理論

運動点の座標に連動して変動する所与の分割可能なバンドルpが三つかそれ以上の複合要素compound component k,k,...,k;l,l,...,l;m,m,...,m;...,で同時に構成され得るかを問うことである。
【0055】
物理学的な理解としては、S上の大円に分布する「重み付けられた」係数クラスタ点coeffcient cluster points、つまり、「重み付けられた」ジェットweighted jetは所与の中心に関して互いが自己均衡するような面にばらまかれた点の系を形成する。
【0056】
このことは、三つかそれ以上の均衡面からなる関数空間
【0057】
【数15】

上に点在する係数クラスタ点がそのような点の系の中心において、内部運動点の運行に伴って点密度の形態morphが変形することを指示する。
【0058】
したがって、S上の三つのcluster面K,L,Mのそれぞれにおけるcluster点の系は、連立線型方程式
【0059】
【数16】

【0060】
を満たす座標
【0061】
【数17】

上を運動する点が「間隙」において物理的に観測されなければならず、それは一つの「重み」をもつことを指示する。
【0062】
このようなクラスタ点の座標の算出は古典的にEulerien generating functionによる。すなわち、mを超えない変動列pの狭義複合分割strict compound partitionは、具体的にEulerien fraction
【0063】
【数18】

によって算出されるのであって、それらはそれぞれが分割要素に対応する変動座標
【0064】
【数19】

である。
【0065】
Diophantine線型方程式における「重み」の和は、
【0066】
【数20】

によって与えられる。
【0067】

おいて進行する内部運動点の軌道計算アルゴリズムである。
【0068】
バッチ2 孤立波の点による臨界点集合の時間発展の算出
一般に数学的または統計的な表現によるプラント等の入出力応答の時間発展は、離散形式の下で表現される。目標となる経済「目的」の実現のために状態空間p:W=S上において伝搬するソリトン・バンドルsoliton bundleの時間発展time evolutionと速度velocityの数値情報を「内部運動点」の変動情報に反映させる方法は次のとおりである。
【0069】
均衡平面上で線型に発展するn色のソリトンの振幅(=速度)と時間発展に関する散乱データは、「色付けられた」セルラー・オートマトン・ソリトンcolored Cellular Automaton soliton(colored CA soliton)を用いるが、CA solitonが入出力応答を表現する手段として最適であるのは、時間変数、空間変数等の実行可能な領域のパラメータ化に際して丸め誤差などの心配なく計算の信頼性を高めることができる点にある。
【0070】
「間隙」の均衡状態は一複素変数関数(つまり、四元数)上の超過写像Z(p)=D(p)−S(p)によって実現されること、システムの経済「目的」を達成す

つまり、統計多様体(=観測されるシステムの応答反応)W上で定義された実

【0071】
【数21】

(ただし、Lは非負整数で固定されシステムサイズは半無限である)
もしくは、時間発展tについて正となる導関数
【0072】
【数22】

上の曲線
【0073】
【数23】


的な)臨界点集合がS上の大円の弧に投影されることから、本開示における実施形態による四元数上のMorse関数の解はロバストLPを構成する。
【0074】
作用量積分の範囲Lが指示する「自然法則」の本源的な理解のためには、tの時間発展とともに曲線上の「運動点」の解析的な構成を直接実施することが望ましい。しかしながら、本開示における実施形態によるロバストLPが、エンジニアリング問題に対して要求されるさまざまな工業的解決策を提案しようとする性質のものであろうとするならば、そのような「力学系」の最適化を解析「力学」的に変分法に依拠して構成することはむしろ望ましくないものと思われる。
【0075】
本開示におけるアルゴリズム的側面を強調した力学の変分問題は、したがって、一複素変数関数の超過写像として表現された汎関数の解を一次元凸包の頂点vertexをつないで描かれる稜線を「経路」とみなすこと、言い換えれば、ロバストLPの半無限プログラムLが円錐曲線上の最適化問題に関する決定問題のうちの一つ、すなわち、不等辺多角形による円の近似化を行うことに実質的に等しいものと考えられる。
【0076】
「経路=変分方程式」という理解が「間隙」の力学系において成立するならば、「経路」に相当する一次元凸包が半径rの円の原点から発せられるn本のray

cluster点は原点を囲うencloseようにして引かれたS上の円のrayの影であり、

【0077】
ロバストLPにおける不等辺多角形による円の近似化は、たとえば線型計画法におけるようにして通常理論の一次元凸包の構成手順によって知られるが、本開示においては「間隙」の状態量Wの一点で実行可能な複合分割は円の最小および最大範囲を与えるものと考えてよい。
【0078】
目的となる「経済」量Wのスケールが大きくなるのに応じて複合分割の個数も増加することが容易に予想される。これは制御対象となるプラント等の個別の応答信号の増加に対応するものと考えればよい。ただし、バッチ1における式(18)Eulerien fractionによって複合分割の個数を無制約に増やすことができないことに注意せよ。
【0079】
Wの一点pは非負実数で測定されたm個の個別のシーケンス(=複数信号列)からなる「間隙」において達成可能なl個の統計処理を施された複数信号列の応答パラメータのi番目の変動バンドルである。この「間隙」において達成可能な均衡状態を実現する最適値を、理論経済学においては一般にpareto臨界点と呼ぶ。もし、これらm個の臨界値集合u=(u,...,u),i=1,...,mについて、汎関数(21)の可能解が古典的な線型計画法問題における一変数連立一次線型不等式
【0079】
【数26】


の下で与えられるならば、実係数行列Aは「間隙」における複合分割された係数cluster点であり、円の影をなすcluster jetはjet階層性に服するために、円

じて、円の系列の個数もまた増減する。
【0080】

られるとき、「魂の円」の領域内において間接的に記述される「内部運動点」の「重み」の系列x=(x,...,x)を出力することは、「間隙」における線型計画の最適化問題に関する決定問題の一つを実行すること、言い換えれば、この円の凸形プログラムを実行することに実質的に等しい。しかし、この実行において、バッチ2最大の関心事は時刻tにおけるソリトンの状態である。
【0081】
いま、「間隙」における変分の可能解Axを求めるとは、m×nの実数行列Aとベ

【0082】
【数27】

となる「重み」
【0083】
【数28】

を出力することである。
【0084】
ここに「内部運動点」の係数クラスタ点は連立一次線型不等式の形式下で
【0085】
【数29】

もしくは(16)式より行列
【0086】
【数30】

を得るが、制約条件
【0089】
【数31】


を最大化するような「重み」の系列である。
【0090】

る連立一次線型不等式群は上式と同様の手順を踏むことで計算される。
【0091】
「間隙」における変分の可能解Axを求めるための凸形プログラムの実行手順は以下に従う。
1. 円の半径rの入力。

あるが、該システムにおいては理論的に予測される観測値である。言い換えるならば、制御対象となるプラントの状態から出力される流出量に相当する。
3. 間隙の経済量Wの増加に伴って内部運動点への座標分解はEuclid一次元的、二次元的、三次元的に複合的に分割されEulerien fractionに反映される。
4. 実質的な理論値は観測者による定係数aij,b,cの入力、つまり、制御対象において観測される出力量をBCSS機械に入力することによって内部運動点の「重み」x=(x,...,x)は機械的/形式的に計算され出力される。
【0092】
円の凸形プログラムを実行することによって「内部運動点」の「重み」は仮想計算ブロックへの目標入力として提供される。本開示においては、制御対象と被制御対象とは同一の意味内容を指示する力学モデルとして考慮されるが、「間隙」によって正当化されたBCSS機械の工学的実現のためには、BCSS機械は形式的・強制的に「目標」計算ブロックと「最適」計算ブロックが区別されるべきであることは、[特許文献1]に詳しい。
【0093】
これは力学モデルある「間隙」は観測者にとっての観測対象であるべきこと、すなわち、BCSS機械とこれを操作する当業者が区別されるべきことを意味する。制御対象において観測された複数個のcluster jetの複数信号列はあらかじめ観測者(=当業者)がBCSS機械の「目標」計算ブロックに入力した半径を持つ円の領域内に目標入力としてプロットされるが、さらに当業者は「間隙」の変分の可能解を知るために、定係数b,cをあらかじめ「目標」計算ブロックに入力しておく必要がある。
【0094】
上記cluster行列は標準的な線型代数操作によってBCSS機械における「目標」計算ブロックに制御対象の出力として考慮された「重み」を目標計算ブロックに目標入力する。
【0095】
BCSS機械における「目標」計算ブロックに対する「重み」の「目標」入力とあらかじめ当業者によって設定された二つの定係数b,cより計算された係数クラスタaijから制御対象(例えば、プラント)への「最適」入力uとその特性知ることが、バッチ2最大の関心である。
【0095】

ける凸形プログラムLの全長を非負整数で固定し、そのシステムサイズは半無限であるものと考える。「間隙」の変分の作用量積分の範囲Lがそのままプログラムに対応していることに当業者は気づかれることであろう。力学的には、「間隙」の変分の最適解を求めるとは、二つの関数D(p)およびS(p)の差によって代表される四元数上の超過写像Z(p)が「間隙」の「均衡」解であることを示すことである。
【0096】
「間隙」における複数信号列(シーケンス)の均衡は、次の物理的描像による。
すなわち、数値変動系において「均衡」とは、「間隙」に封入された未定深度の点密度からなる大洋おいてソリトンが観測される事態を指示し、しかも、その波を通してのみ、そして、そのときにおいてのみ内部運動点は間接的に観測可能である。
【0097】
したがって、S上の大円において内部運動点を原点として周囲に伝搬する波束の抽出とその解析を通して制御対象への「最適」入力uの時間変動は知られるものと考えられるべきである。
【0098】
図2を参照しながら、波束の解析を実行する。図2において表示される円80は半径rのS上の単位円である。原点からクラスタ・ジェットcluster jet81上の点のことごとくへと向かって線分を引くとき、そのような線分をrayと呼ぶことができるならば、そのようなrayはS上の円のrayである。
【0099】
もし単一点光源、つまり、原点から発せられるrayのすべてがcluster jet81を横断するならば、jet射影多様体上に投影されたcluster pointは原点を囲うようにして引かれたS上の円80のrayである。このrayの描く一次元不等辺凸図形の外殻によって円の近似化を行うことは、二次元球面S上の大円の弧に分布する臨界効用点をcluster jetに投影することに等しい。
【0100】
一般にSoliton bundleの特性を知るには次の数学的事実を用いる。すなわち、統計多様体として考慮された「間隙」という状態量W上に定義された滑らかな実数値関数u,...,u上で与えられる点をpareto臨界点81と呼ぶ。このMorse関数の臨界点(特異点)81は一般に孤立点であることから、「間隙」におけるpareto臨界点81はCellular automaton(CA)90で表現された孤立波の点であることが分かる。
【0097】

上の大円の弧に沿って連続的に変動する。いま。時間変動を開半区間t∈I(た

されたuの滑らかな接ベクトル場を構築する。
【0098】
pareto臨界点81の近傍の場を芯core or wickと呼ぶことにしよう。いまこの芯が「単一の」jet多様体を横断することThomのjet横断性という。
【0099】
【数32】

【0100】

最大で、かつ、安定な点となるための基準を観測者たる当業者はjet横断の数だけ求め得る。これは、変分の解として考慮された経路の位相を考えるとき、ある基準点から数えてソリトンの成分が何番目にあるかを示す基準でもある。
【0101】
いま、芯球面上の原点は「間隙」における中心であるものとしよう。このとき、

渦動)。ここに写像
【0102】
【数33】

【103】

言い換えるならば、図2における円の円周上にプロットされた臨界効用点は階層性を持つ。
【0104】
全長Lのひもにプロットされた臨界効用点のベクトル勾配流の速度を知ることによって、Whitney芯球面上のベクトル勾配流を知ることは、変分の解の位相の変化、つまりベクトル勾配流の流速を知ることに等しい。当業者の興味は時刻tにおけるソリトンの状態である。
【0105】

の中心を巻いて流れる曲線を描く導関数(22)の解が差分スキームで与えられるものと仮定する。このとき、Whitney芯球面上のベクトル勾配流の特性を知ることは、解の位相の流速を知ることに実質的に等しい。これは力学的には、可微分全凸性を仮定された全測地空間X上を走るjetの挙動を芯球面上に投影された「魂の影」を通してみると言い換えることができる。
【0106】
いま、芯球面上に投影された「魂の影」80‐すなわち、クラスタジエットcluster jet81上の変動点列pをn色の玉83が入った箱82の系列からなるものとする。
作用量積分の範囲Lは非負整数で固定されているものとし、システムサイズは半無限である。ラベリングされたカラーボールの入った箱の系列とは、技術的

して定義され、そのような可付番カラーボールはアフィン・クリスタルに付随するsoliton cellular automatonのことをいう。
【0107】
仮想計算ブロックにおいて目標入力された「重み」は、あらかじめ凸形プログラムLのプロセス作動領域を限定するために目標設定された計算複雑度b,cを入力することによって最適出力
【0108】
【数34】

を制御系へと出力する。
【0109】

「間隙」上における変動点列pが(a+...+a)へと分解されることからjet

【0110】
変動Δuの時間発展はCA soliton bundleを直接計算することによって達成される。当業者たる観測者は均衡点列pの変動座標
【0111】
【数35】

のうちから任意に取り出されたどれか一つを計算している。
【0112】
「間隙」において観測値x∈Wが観測されるならば、それに連動して変動する均衡点列は次のように計算される。
【0113】
母関数generating functionで計算された変動座標を召喚せよ。Batch1より個別の変動座標はそれぞれ標準的でシンプルな分割に関するEulerien generating function
【0114】
【数36】


【0115】
したがって、たとえば、cluster座標の一つは
【0116】
【数37】

と計算される。
【0117】
CA solitonの時間発展を知るために、Young図のsolitonの堆積について確認し

標の分割を表す長さjの行を上から順に堆積させてできたYoung図は「箱玉系」90におけるsolitonの長さを順に並べたものに等しい。この経緯と詳細な理論の解説については、
【0118】
【非特許文献6】時弘哲司、『箱玉系の数理』、朝倉書店、2010年、を参照のこと。
【0119】
分割された変動座標は、長さjを持つYoung図の行とその中に収納されたただ一つの玉83によって表現され、solitonの伝搬は箱82の中の玉を規則的に入れ替えることによって行われるが、それは箱玉系90とみなされる。均衡解の実現を左右する傾向trendを「間隙」においては、単に「色」と定義する。「色」とはクラスタの可解な「重み」の格子配列に相当し、さらにいえば、箱玉系にお

レンドに左右されるのであって、線型な時間発展のダイナミクスを決める色自由度nは当業者の任意な選択にゆだねられるべき内部保存量であり、あらかじめ「重み」の配列に反映させられ、目標計算ブロックにおいて設定されるべき数値目標入力量である。
【0120】
カラー演算子の導入1

その内容物contentの多体散乱はヤン・バクスタ関係式により二体散乱の合成として表される。jet横断性基準を満たすような相対均衡点が「間隙」上の可解格子点(g,h)のうちより近いどちらか一方の点を選好するかについては、sln+1CAの時間発展を与えるカラー演算子を選好順序関係
【0121】
【数38】

を満たすような交換関係
【0122】
【数39】

によって与えられる(ι,κはそれぞれ近接する個別のsoliton bundleの選好順序関係を表す)。
【0123】
カラー演算子の導入2
当業者が被制御対象の最適解を導出するために設定する状態量の変動の傾向trendは当業者にとって「現場」において通用する数値化された「知識」である。
【0124】


負整数の範囲
【0125】
【数40】

で定義されるが、カラーボールのラベルを与えるものとする(mの系列はcolorballのsoliton contentである)。
【0126】
クリスタルの同型写像
【0127】
【数41】

を「組み合わせR」と定義する。
【0128】
クリスタルとは無限個の格子点の和が所与の非負整数Lに等しい集合
【0129】
【数42】

(とくにLもしくはLを区別していない)
を与えることであるから無限次元格子力学系の元(=格子上の粒子)b,b,...は

【0130】
パスpathとは正整数1,2,...,nと番号付けられた有限列の集合p=b...b∈Bであり、箱玉系の文脈でいえば、ラベリングされたカラーボールの列、つまり、色付けされた玉のなすソリトンの集合であり、次のような形式のデータで与えられる。当業者は、この形式下における散乱データが仮想計算ブロック上の最適計算ブロックにおいて処理されることは容易に理解されるであろう。
【0131】
【数43】

【0132】
【非特許文献7】これら表式とKKR理論については、高木太一郎、「可積分オートマトンとKerov−Kirillov−Reshetikhin全単射」、数理解析研究所講究録、1497巻、2006年、を参照のこと。
【0133】

【0134】
【数44】

の規則が与えられることを確認しておこう。
【0135】
Soliton contentの一般的な組み合わせは写像
【0136】
【数45】

で与えられるが、格子の系が可解で、かつ可積分ならば整数の組を増やすことが可能である。
【0137】
事態の単純化のためにクリスタルの頂点集合が整数の組couple(g,h)で与えられる場合に限定して考える。このとき、箱玉系におけるカラーボールの遷移状態T(p)は、
【0138】
【数45】

のとき、
【0139】
【数46】

もしくは

ならば、一般のg>hにつき
【0140】
【数47】

【0141】
【数48】

【0142】
【非特許文献8】以上の公式については、尾角正人、数学セミナー2006年3月号、29頁を参照せよ。
【0143】
以上より、箱玉系の時間発展は
【0144】
【数49】

で定義され、A型sln+1CAにTを有限回作用させることにより色荷を得る。
【0145】
時間発展の規則について
次のような形のデータをrigged configurationと呼ぶ。
【0146】
【数50】

【0147】
ここでパスpath p
【0148】
【数51】

はそれぞれ分割に対応するYoung図の系列であり、実測された変動列p=(p,...,p)の変動座標のうち任意に取り出されたどれか一つである。また、Young図の各行に割り振られる整数をriggingと呼び、
【0149】
【数52】

と定義する。
【0150】
n個あるsolitonの堆積(=Young図)のデータ、つまり、path μ(a)(ただし、

らば、
【0151】
【数53】


ると仮定する)、分割μ(a)は「重み」の配列configuration(KKR写像)である。

Young図μ(a)の各行に割り当てられた整数をriggingといい、そこで各riggingの速度は対応するcolored solitonの振幅m=(m,...,m)である。
【0152】
【非特許文献7】Bethe仮設とヤング図形については特に次の文献が重要である。国場敦夫、Bethe仮説とヤング図形、数理科学2007年1月号。
【0153】
バッチ3
「間隙」に対する物理学的解釈によって、半無限プログラムLを全長Lの一次元のひもによって近似化する手法は次のとおりである。これは指定された時刻tにおけるCAソリトン・バンドルの状態を知ると同時にその局所確率状態として考慮されたYoung図の堆積をstringに対応付けることによる。
【0154】

仮設)、非負整数で固定されたstringの集団は全長Lのひもであり、そのひもは

ば、各升目は一つのベーテ根によって占められるのであり、riggingはstingの

たstringの集団‐つまり、全長Lのひもで測られた一行からなるYoung図の束縛状態を物理的に実現しているものと理解されるのであり、そこでひもは両端で閉じているがねじれてはおらず振動はしているものと想定される。
【0155】

ためにnormalization、「箱」もしくは「numeraire」pの導入を考えよう。物理的にはエネルギーをもった空孔の集団に二つのcolored CAを注入することによって基底状態を励起する場合である。A型slpathをAff(B)={b[d]b∈B,d∈

を想定せよ。このとき、任意にとりだされた一つの変動座標
【0156】
【数54】



【0157】
【数55】

もしくは、離散化された変動列である。
【0158】

とが有用であるが、一つの指針として超離散化された変形KdV方程式を考える。


の系
【0159】
【数56】

は観測機器から出力される期待値ρである。
【0160】
結局、変分方程式の解の位相空間がエルゴード性を満たすならば、一次元量子可積分CAの平均
【0161】
【数57】

がとる値は、箱玉系90において十分遠方の箱82から玉83が収容される状況を考えれば、大数の法則より、
【0162】
【数58】

である。
【0163】
取り扱われる経済量の規模に応じて変動列の複合分割系の増加に伴いソリトンの波数(ただし、N>2)も増加することが容易に予想されるが、観測者が入力される「色」と半径を選択したとき、単色の2‐ソリトンの時間発展は、離散戸田方程式(の箱玉系)
【0164】
【数59】

を、K種N‐ソリトン解を期待するならば(KdV方程式の箱玉系)
【0165】
【数60】

(ただし、カラーラベルはi<<jで、i<j−Kである)
によってあらかじめ計算することが可能である。
【0166】
シーケンスpの流入量D(p)に対する「間隙」のtrend要因を増やすためにcolored soliton contentの中身を増やしたい場合には、カラーラベル♯の分割

【0167】
Buffonの針
Batch3最大の関心事である局所確率解析については、簡潔に次のことのみ理解すればよい。局所確率過程とは、「間隙」においては(48)式より、整数の組

Whitney芯球面Sを考えることによって全長Lのひも(=針)が格子間隔lattice

なわち「ひも」)が平行線系列と交差する確率を問うことによって「円」の近似化を実行する手法のことをいう。
【0168】
この過程の理解については、しかしながら、次の注意が必要である。すなわち、針needleたるフィラメントfilamentは大円の弧に分布するcluster jetを横断するか否かに関わりなく、言い換えれば、n個の頂点集合を構成する整数格子点と交差するか否かに関わりなく、「重み」の格子点のどちらか一方を「選好」しなければならないものとすれば、「円」内部の凸領域の外縁をなす頂点集合が横断する臨界点集合は格子点から分離しているのか連結しているかの区別を必要としない。つまり、頂点集合をつないで引かれたパスpathは一次元凸図形の外郭contourに張られた伸縮する(が、捻じられていない)ひもの近似化である。
【0169】
かくして、局所確率過程は玉が収納された箱に張られたひもの長さ(=系の長さ)によって測られるが、そこで箱の中のcolored CA solitonをなす玉の個数はフィラメントfilamentと呼ばれる。
【0170】
ソリトンの内容物Soliton contentの堆積を示す系列
【0171】
【数61】

は全長Lのひもである。
【0172】
かくして、「単一のsingle」cluster jet上に投影された一次元凸図形上における点密度の集団がとり得る確率は、その周囲に張り巡らされた弦の長さ(の関数)
【0173】
【数62】

である。
【0174】
いま、変動ベクトル列のひもの伸長(しかし、ひもはねじれていない)まで込めて考えれば、伸縮するひもを構成する変動ベクトルの成分は負の範囲negative finitenessを許容すること、つまり、「間隙」を張る単純閉曲線の解(=差分スキーム)が断熱膨張を許容することに注意すれば、「間隙」において観測されるべき「色付けられた」点測度は負の確率密度として観測されるべきである。
【0175】
【非特許文献8】この「負の範囲negative finiteness」についてはSmale,S,“Global analysis and economics III−pareto optima and price equilibria”,The collected papers of Steve Smale,Vol.I,pp.285−294.を参照のこと。
【0176】
【非特許文献9】局所確率過程に関する古典的理解であるBuffonの針については次の貴重な歴史的証言がある。とくに注意されたい。 Sylvester,James Joseph,(1890‐1),“On a funicular solution of ‘Buffon’s problem of the needle’ in its most general form”,Acta Mathematica,XIV.pp.185−205.
【0176】
かくして、凸図形(の堆積)とloopsBn+1は等しく、loop方程式、もしくは、jetのloops集団は
【0178】
【数63】

と構成される。これは三つの図形の外郭に張られた一次元のひもがとり得る形状に関わりなくそうあるべきである(大文字のΠは凸図形を表す)。
【0179】
実際、両端で閉じた震える一本の一次元のひもの全長Lはn+1個の確率密度の集合からなる図形の集合Πn+1に等しく
【0180】
【数64】

である。
【0181】
かくして、「間隙」における一次元量子可積分同時分布における確率変数[p]は変動ベクトル列p=(p,...,pn+1)が与えられるとき、芯球面上の「裏格子」の頂点集合に交差するか否かに関わりなく、
【0182】
【数65】

と定義する。
(ただし、sもしくは−sは格子間隔に収納される振動弦の弧長である。)
【0183】
【数66】

を得て、
【0184】
【数67】

は点密度の局所確率変動である。
【0185】
バッチ4
仮想計算システムにおいて制御対象である「プラント」へと入力された「内部運動点」の最適な解軌道を補正することによって制御装置の更新を行う。力学的には、「間隙」を張る単純閉曲線が特異点をもつという特殊な状況を考えることによって、「間隙」における数値変動が修正を余儀なくされる場面を想定することである。
【0184】
数値補正numerical adjustmentの動力学として提出されたこの問題は、技術的には「間隙」に張られた「膜」が折りたたまれる、もしくは、全長Lのひもがひねられてできるi+1個の特殊臨界点の数値情報が反映された間隔変数interval parameterの特性について知ることが直接的な理解であるものと予想されるが、考察下の文脈においては、観測者による「内部運動点」の解軌道の強制的な修正過程の古典的物理学的な理解に終始すること、とりわけ、そのような退化点point of retrocession、もしくは、放射点points of radiation or radiant−pointの代数幾何学的な生成過程を理解することが重要であるように思われる。
【0184】
したがって、バッチ4に持たせられるべき機能とは、次の仮説にのっとって、内部運動点の運動量座標(x,...,x)の分解過程を通して修正されるべき入力量を抽出することである。
【0185】
本開示における「間隙gap」法では、「内部運動点」の最適軌道が補正を含むような力学モデルが構築されている。「解軌道」が補正されるとは、次のような状況をいうものとする。
【0186】

「特殊」pareto臨界値がエンド構造をもたないとき「間隔interval」をもつといわれるならば、そのような「間隔interval」を置いて芯球面上に現れる退化特異点は尖点cuspである。この事情について、詳しくは[非特許文献9]などを参照のこと。
【0187】
当業者は、本開示におけるバッチ4が、クラスタ「jet階層」性を持つ一次元不等辺凸図形によって近似化された「ただ一つの円single circle」内に収められた内部運動点の変動座標を考察下においていることにすぐに気付かれるであろう。
【0187】
ただし、当業者は
【0188】
【数68】

のうちからどれか一つを任意にとりだして計算している。
【0189】
最終的に観測者たる当業者はひもの全長をW=Sの円のrayが収納される個別の三つの均衡価格面にそれぞれ対応するような三つの凸図形と置き換えるのである。
【0190】
計算事例1
数値補正の動力学の基本的なコンセプトとは、successive involutesと呼ばれる四個の実変数x,x,x,xを持つn個の実数値関数f,...,fの系に結び付けられた二つのサイクロイド型微分方程式を考えることである。これら微分方程式の基本的な図解とは、二つの隣接する不等辺直角三角形が互いの直角を向かい合わせてできる四辺形PQRSの接合部である三角形の斜辺PRを半径に持つ基準円が、内部運動点の運動に伴ってサイクロイド族−successive involutesを描くという古典的描像の下で理解され、運行経路の座標は
【0191】
【数69】

および
【0192】
【数70】

を満たす二つのベクトル列(x,x)と(x,x)へと分解される。
【0193】
実際、Batch4においては、このSylvesterのサイクロド型微分方程式を解くアルゴリズムを仮想計算ブロックに実装させることが最終目標となるのであって、芯球面上の退化尖点に対応する(ものと予想される)間隔変数interval parameterに関する理論的考察が最適軌道計算アルゴリズムの設計に直接的であるわけではない。
【0194】
計算事例2
修正された内部運動点の最適経路は二つのサイクロイドの共有半径rを持つ円の円周上にプロットされたcluster jetの座標によって表示される。バッチ3において計算された「間隙」上のシーケンスの一次元量子可積分独立同時分布確

定理によって二つに分けることから容易に理解される。
【0195】
いま、二つの不等辺直角三角分子のうちのどれか一つは、ピタゴラスの定理pythagorean theoremによって
【0196】
【数71】

であるが、二つの各辺にはstring(つまり、rigging)の行が堆積することによってKKRにおける「重み」の格子配列configurationが艤装されているものと考えられる。このとき、艤装の完全平方を□と□′で表すことにすれば、代数曲

ド型微分方程式はそれぞれ
【0197】
【数72】

である。
【0198】
【非特許文献10】この経緯については次の古典を参照されたい。Sylvester,James Joseph,(1869),“Outline trace of the theory of reducible cyclodes,that is a particular family of successive involutes to a circle whose determination depends on the solution of an algebraico−diophantine equation,and of the number and classification of the forms of such family for any given order of succession”,Proceedings of the London Mathematical Society,II,pp.137−160.
【0199】
二つの平方の和へと分解された「間隙」上の内部運動点の変動座標は芯球面によって近似化された「拡がりを持つ一次元のひも」の長さによってシーケンスが測られる。バッチ4に実装されるサイクロイド型アルゴリズムの正統性を担保する物理学的描像は次の仮説による。
【0200】
芯球面上のi+1個の退化尖点に対応する数値情報をインターバル・パラメータinterval parametersと呼ぶことができるとすれば、芯球面をi回ずつ折りたたむ、もしくは、球面上の全長Lのひもを捻じってできる退化尖点の個数iは、一般に基準円(KKR全単射)が生成する代数曲線族に対するフォーム・パラメータ form−parametersである。
【0201】
【非特許文献11】この仮説に関する指摘としては、Sylvester,James Joseph,(1868),“Note on successive involutes to a circle”,Philosophical Magazine,XXXVI.pp.295−306.が挙げられる。
【0202】
この仮説に従えば、結合共有半径r=(r,...,r;−r,...,−r)を持つ円の中心から引かれたinvolutesの長さがform‐parametersを含むことは次式から明らかである。
半径rの円の中心はサイクロイド族の極であるものとする。このとき、原点から起算されたreckoned弧の長さs,...,sに対応する半径ベクトルr,r,...,rは巻き込みの決定から
【0203】
【数73】

と計算される。
【0204】
仮想計算ブロックに目標入力される円の半径は、したがって、芯球面上の「裏格子」の格子間隔に収められる弧長sの系列をあらかじめ知ることによって修正される。この目標入力の修正について、すなわち、退化尖点の構成過程に関する重要な指摘については、再び[非特許文献10]を参照のこと。
【0205】
フォーム・パラメータform−parametersが結合共有半径rのどちらか一方ついて
【0206】
【数74】

と選択されるならば、そのとき、
【0207】
【数75】

【0208】
かくして、退化尖点の数値情報を反映したインターバル・パラメータinterval parametersとして考慮されたフォーム・パラメータform parametersの個数に関する情報を含むように「目標」入力される最適な解軌道の円の半径は
【0209】
【数76】

と修正される。
【0210】
バッチ4補器
仮想計算ブロックへの「目標」入力の修正を補完する装置とは次のようなものである。最適解軌道の変動情報をプロットした円の結合共有半径が描くサイクロイドの弧長s=(s,...,si−1)は、内部運動点の運行経路をi−1番目のevoluteの尖点に対する極を二つつなげる線分、すなわち、翼状突起構造aloeと呼ばれる代数曲線群を描くようなアルゴリズムを実装した補器をいう。
【0211】
このとき、そのような翼状突起構造を描くサイクロイド型微分方程式は考察対象となる代数曲線族のスペクトルパラメータを古典的に接触角φ、弧長s、半径ベクトルr、任意の極からの垂線ベクトルpとおいたとき
【0212】
【数77】

と構成される。
【0213】
当業者は、補器に対しであらかじめ目標設定されるべきパラメータは、代数幾何学的に想定可能であることを理解されるであろう。
【0214】

て求長可能な弧s,...,sもしくは−s,...,−sの出力を可能にするならば、次のような公式
【0215】
【数78】

を得て、
【0216】
【数79】

なる関係を援用すれば、
【0217】
【数79】

(ただし、α=(α,α,...)とα′=(α′,α′,...)は翼状突起構造の集合であり、Moorish archとよばれる。)
は格子間隔の組(g,h)に収納された二重接線の系の完全系とiずつ区分された全長Lのひもの長さの同次函数である。
【0218】
【非特許文献11】格子間隔に収納される求長可能な弧長については次の文献を参照せよ。Sylvester,James Joseph,(1869),“On tow remarkable resultants arising out of the theory of rectifiable compound logarithmic waves”,Philosophical Magazine,XXXVII,pp.375−382.
【0219】
以上より、本発明の最良の実施形態について詳述してきたが、各バッチにおいて実行される「最適化」プロセスを実装した工学的実施形態は、たとえば[特許文献1]において挙げられているような商用ベースで流通しているプロセッサ等の流用によって容易に実現可能である。同時に、本発明に関わるBCSS機械が、「自然現象」の「力学」法則を利用した高度に技術的な活動に関わることは、特許法体系に鑑みてもその精神に逸脱するものでないことは理解されるところである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるBCSS機械の概略図である。
【図2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的関数Wに従ってシステムを制御する方法であって、前記シス

一複素変数関数上の超過写像W:Z(p)=D(p)−S(p)によって記載されることが可能であり、ここでHopf写像p:S→Sは一つもしくは複数のシステム制御出

(i=1,...,m)として考慮される一つもしくは複数のシステム操作入力変数である。
(a)このとき、システムへの操作入力Fに対するシステムの応答反応F′の「差動」によって形成されるプロセス作動領域の全体を特性関数Vによってモデル化する工程であって、ここでVはシステムの状態量である停留作用値を指示するゲインパラメータでモデルの不確定性記述を有し、WはVの「経路」解について適用される前記目的関数Wである工程と、
(b)前記システム操作変数uに対する目標「設定」状態を計算して、前記システム制御変数のすべてが前記既知の不確定性記述内のシステムパラメータの可能な値すべてに対して定常状態で実行可能にする工程とを備えたシステム制御方法。
【請求項2】
請求項1において、システム操作変数に対する定常状態目標を計算する前記工程(b)が、前記目的関数Wを極値化するシステム制御方法。
【請求項3】
請求項1において、システム操作変数に対する定常状態目標を計算する前記工程(b)が、凸形プログラムとされる前記目的関数Wを極値化するシステム制御方法。
【請求項4】
請求項1において、システム操作変数に対する定常状態目標を計算する前記工程(b)が、列挙された半無限プログラムLとされる前記目的関数Wを極値化するシステム制御方法。
【請求項5】
目的関数Wに従ってシステムを制御する装置であって、前記シス

り、ここでpはHopf写像p:S→Sとして考慮された一つまたは複数のシステム制御出力変数、uはS上の大円の弧に投影された臨界効用点で関数u:W→

ある。

する工程であって、ここで、Z(p)はVの公称推定であり、既知の不確定性記述を有する工程と、
(b)以下の線型プログラムを解くことにより前記目的関数Wを極値化する工程であって、
【数1】

ただし、変分の可能解を
【数2】

とし、ここで、

に相当するm×nの実数行列であり、

囲に相当するベクトルであり、
xは、目的関数Wにおける出力変数に相当する「内部運動点」の「重み」であり、
前記システム操作変数およびシステム制御変数は、前記不確定性記述を示す、前記目的関数Wを極値化する工程とを備えたシステム制御方法。
【請求項6】
目的関数Wに従ってシステムを制御する方法であって、前記シス

り、ここでpはHopf写像p:S→Sとして考慮された一つまたは複数のシステム制御出力変数、uはS上の大円の弧に投影された臨界効用点で関数u:W→

ある。

する工程であって、ここで、Z(p)はVの公称推定であり、既知の不確定性記述を有する工程と、
(b)最小および最大範囲をZ(p)のエレメントに割り当てる工程と、
(c)以下の凸形プログラムを解くことにより前記目的関数Wを極値化する工程であって、
【数3】

ただし、変分の可能解を
【数4】

とし、ここで、

に相当するm×nの実数行列であり、

囲に相当するベクトルであり、
xは、目的関数Wにおける出力変数に相当する「内部運動点」の「重み」であり、
前記システム操作変数およびシステム制御変数は、前記不確定性記述を示し、
AはVの「経路」解Wの最大および最小限解の組み合わせを含む実係数クラスタ行列である、前記目的関数Wを極値化する工程とを備えたシステム制御方法。
【請求項7】
目的関数Wに従ってシステムを制御する方法であって、前記シス

一複素変数関数上の超過写像W:Z(p)=D(p)−S(p)によって記載されることが可能であり、ここでHopf写像p:S→Sは一つもしくは複数のシステム制御出

(i=1,...,m)として考慮される一つもしくは複数のシステム操作入力変数、Wは既知の不確定性記述を有するシステムゲインパラメータであり、WがVの解である場合、
(a)前記システムゲインパラメータWの公称推定たるCA Soliton bundleを導くエスティメータであって、ここで公称推定たるCA Soliton bundleはパスpath μ(a)によって計算され、
(b)以下の凸形プログラムを解くことにより前記目的関数Wを極値化する工程であって、
【数5】

ただし、変分の可能解を
【数6】

とし、ここで、

に相当するm×nの実数行列であり、

に相当するベクトルであり、
xは、目的関数Wにおける出力変数に相当する「内部運動点」の「重み」であり、
パスμ(a)は離散化されたシーケンスpで、エルゴード性を満たす正規分布であり、
【数7】


Wを極値化する工程とを備えたシステム制御方法。
【請求項8】
目的関数Wに従ってシステムを制御する装置であって、前記シス

一複素変数関数上の超過写像W:Z(p)=D(p)−S(p)によって記載されることが可能であり、ここでHopf写像p:S→Sは一つもしくは複数のシステム制御出

(i=1,...,m)として考慮される一つもしくは複数のシステム操作入力変数、Wは既知の不確定性記述を有するシステムゲインパラメータであり、WがVの解である場合、
(a)前記システムゲインパラメータWの公称推定たるCA Soliton bundleを導くエスティメータであって、ここで、ここで公称推定たるCA Soliton bundle μ(a)は既知の不確定性記述を有し、
(b)前記システム制御出力変数および前記システム操作入力変数の少なくとも一つの過去の値に応答し、前記システム操作変数uに対する目標「設定」状態を計算して、それにより前記システム制御変数のすべてが前記既知の不確定性記述内のシステムパラメータの可能な値すべてに対して定常状態で実行可能にする工程とを備えたシステム制御装置。
【請求項9】
請求項8において、前記計算回路が、目的関数Wに従って前記定常状態目標を計算するシステム制御装置。
【請求項10】
請求項8において、前記計算回路が、前記システム操作変数uに対する前記定常状態目標を計算して、目的関数Wを極値化する計算部を備えたシステム制御装置。
【請求項11】
請求項8において、前記計算回路が、凸形プログラムとされる目的関数を極値化する計算部を備えたシステム制御装置。
【請求項12】
請求項8において、前記計算回路が、列挙された線型プログラムとされる目的関数を極値化する計算部を備えたシステム制御装置。
【請求項13】
目的関数Wに従ってシステムを制御する装置であって、前記システムの動作が式τ=D(p)+Z(p)+S(p)によって記述されることが可能であり、ここでHopf写像p:S→Sは一つもしくは複数のシステム制御出力変数であ

として考慮される一つもしくは複数のシステム操作入力変数、Wは既知の不確定性記述を有するシステムゲインパラメータであり、WがVの解であり、
(a)前記システムゲインパラメータWの公称推定Z(p)を導くエスティメータ手段であって、μ(a)はZ(p)に適用される前記目的関数であるエスティメータ手段と、
(b)前記システム制御出力変数および前記システム操作入力変数の少なくとも一つの過去の値に応答し、前記システム操作変数uに対する目標「設定」状態を計算して、それにより前記システム制御変数のすべてが前記既知の不確定性記述内のシステムパラメータの可能な値すべてに対して定常状態で実行可能にする、計算手段とを備えたシステム制御装置。
【請求項14】
請求項13において、前記計算手段が、前記目的関数に従って定常状態目標を計算する手段を備えたシステム制御装置。
【請求項15】
請求項13において、前記計算手段が、前記システム操作変数uに対する定常状態目標を計算して、前記目的関数Wが極値化する手段を備えたシステム制御装置。
【請求項16】
請求項15において、μ(a)がZ(p)に近づくにつれて、前記既知の不確定性記述を条件として、前記計算された定常状態目標がWを極値化する定常状態目標に近づく装置。
【請求項17】
請求項16において、μ(a)がZ(p)に等しい場合に、前記既知の不確定性記述を条件として、前記計算された目標がWを極値化するシステム制御装置。
【請求項18】
請求項13において、前記計算手段が、前記目的関数Wを極値化する手段を備えたシステム制御装置。
【請求項19】
請求項13において、前記計算手段が、凸形プログラムとされる前記目的関数Wを極値化する手段を備えたシステム制御装置。
【請求項20】
請求項13において、前記計算手段が、列挙された線型プログラムとされる前記目的関数Wを極値化する手段を備えたシステム制御装置。
【請求項21】
目的関数Wに従ってシステムを制御する装置であって、前記システムの動作が式τ=D(p)+Z(p)+S(p)によって記述されることが可能であり、ここでHopf写像p:S→Sは一つもしくは複数のシステム制御出力変数であ

として考慮される一つもしくは複数のシステム操作入力変数、Wは既知の不確定性記述を有するシステムゲインパラメータであり、
(a)前記システムゲインパラメータWの公称推定Z(p)を導くエスティメータと、
(b)前記システム制御出力変数および前記システム操作入力変数の少なくとも一つの過去の値、ならびに前記公称推定Z(p)に応答し、以下の式を解くことにより前記目的関数を極値化する計算部であって、
【数8】

ただし、変分の可能解を
【数9】


とし、ここで、

に相当するm×nの実数行列であり、

に相当するベクトルであり、
xは、目的関数Wにおける出力変数に相当する「内部運動点」の「重み」であり、
前記システム操作変数およびシステム制御変数は、前記不確定性記述を示す、計算部とを備えたシステム制御装置。
【請求項22】
目的関数Wに従ってシステムを制御する装置であって、前記システムの動作が式τ=D(p)+Z(p)+S(p)によって記述されることが可能であり、ここでHopf写像p:S→Sは一つもしくは複数のシステム制御出力変数であ

として考慮される一つもしくは複数のシステム操作入力変数、Wは既知の不確定性記述を有するシステムゲインパラメータであり、
(a)前記システムゲインパラメータWの公称推定Z(p)を導くエスティメータと、
(b)前記システム制御出力変数および前記システム操作入力変数の少なくとも一つの過去の値、ならびに前記公称推定Z(p)に応答し、以下の式を解くことにより前記目的関数を極値化する計算部であって、
【数10】

ただし、変分の可能解を
【数11】

とし、ここで、

に相当するm×nの実数行列であり、

に相当するベクトルであり、
xは、目的関数Wにおける出力変数に相当する「内部運動点」の「重み」であり、
パスμ(a)は離散化されたシーケンスpで、エルゴード性を満たす正規分布であり、
【数12】


Wを極値化する計算部とを備えたシステム制御装置。
【請求項23】
請求項8から22のいずれかの装置によって読み取り可能なプログラム記憶媒体であり、内部に、請求項1から7のいずれかの方法を実行する命令を含む、符号化した命令プログラムを有する、プログラム記憶媒体。
【請求項24】
(a)プロセッサと、(b)プログラム記憶媒体とを備えたコントローラであって、
前記プログラム記憶媒体が前記プロセッサで読み取り可能であり、請求項1から7までにある請求項一群から選ばれた請求項によるシステム制御法を実行する命令プログラムを符号化するコントローラ。
【請求項25】
命令プログラムの機械読み取り可能なコピーを符号化するプログラム記憶媒体であって、前記命令プログラムが、コンピュータで実行可能であり、請求項1から7からなる請求項一群から選ばれた請求項によるシステム制御方法を実行する、プログラム記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−114666(P2013−114666A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−276429(P2011−276429)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(511308141)
【Fターム(参考)】