説明

モノシランの製造方法

請求項1に記載のプラントにおける操作温度及び1〜50bar abs.の圧力でのトリクロロシランの触媒不均化によるモノシラン及び四塩化ケイ素の連続的生産方法であって、その際、−トリクロロシラン(A)を熱交換器において予熱し、そして触媒(3)を備えている向流反応器(1)に供給し、−向流反応器(1)において形成された生成混合物を、−25〜50℃の範囲内の温度で、凝縮物を向流反応器(1)中に逆流させながら、冷却器(5)によって少なくとも部分的に凝縮し、−冷却器(5)において凝縮されていない生成物相を、−40〜−110℃の範囲内の温度で操作される冷却装置(8)に通過させ、−冷却装置(8)からの揮発性生成物相を、−60〜−170℃の範囲内の温度で操作される蒸留塔(9)に供給し、そしてモノシラン(C)を、蒸留塔(9)の塔頂部で排出し、−向流反応器(1)からのSiCl4を含有する残留物を、気化器(6)において60〜110℃の範囲内の温度まで昇温させ、並びに−気化器(6)からの残留生成物を、二重壁(2)中に熱変換器(7)を介して運搬し、かつSiCl4を含有する生成物流(B)を、反応器(1)の上部でのレベルで排出する上記の連続的生産方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリクロロシランの不均化による触媒の存在下でのモノシラン及び四塩化ケイ素の連続的生産方法に関する。
【0002】
モノシランは、ソーラーシリコン(solar silicon)の製造のための重要な出発物質である。
【0003】
モノシランは、現在、一般的にはトリクロロシランの不均化によって製造される(例えばDE 21 62 537号、DE 25 07 864号、DE 39 25 357号、DE 33 11 650号、DE 100 17 168号、US 3 968 199号)。
【0004】
トリクロロシラン(TCS、HSiCl3)の触媒不均化において、モノシラン(SiH4)は、例えばSiO2の製造のために使用されうる四塩化ケイ素(STC、SiCl4)の副産物と共に形成される。不均化反応において、ジクロロシラン(DCS、H2SiCl2)及びモノクロロシラン(MCS、H3SiCl)は、中間生成物として形成される:
【表1】

【0005】
不均化のための触媒として、通常、例えばアミン官能化ポリスチレン(DE 100 57 521号)、アミン官能化無機担体(EP 0 474 265号、EP 0 285 937号)又はオルガノポリシロキサン触媒(DE 39 25 357号)の形状で、イオン交換体が使用される。これらは、(DE 25 07 864号)として、層(US 5 338 518号、US 5 776 320号)中で又は織物メッシュ構造(WO 90/02603号)中で、直接塔中に導入されうる。代わりとして、触媒を1つ以上の外部反応器中で適応することができ、その際、注入口及び流出口は、蒸留塔(US 4 676 967号、EP 0 474 265号、EP 0 285 937号、DE 37 11 444号)上の様々な点に繋がれる。
【0006】
第1表に含まれるシランの物理特性、及びしばしば不均化反応中の化学平衡の非常に不利な位置によって、蒸留による反応及び進行は、一般に、1つの統合プロセスとして操作される。
【0007】
第1表:クロロシラン及びモノシランの物理データ
【表2】

【0008】
従って、DE 198 60 146号は、1〜50bar abs.の範囲の圧力における反応蒸留塔中のTCSの触媒不均化によるモノシランの連続的生産方法を開示しており、その際、この方法において得られた生成混合物は、−25〜50℃の範囲の温度で一時的に凝縮され(塔中の液相の還流)、及び凝縮されていない、モノシランを含有する生成物の相は、反応性蒸留塔の塔頂部にある冷却器中で凝縮され、かつ最終生成物として排出される。さらに、SiCl4は、該方法において高沸点の残留生成物として反応性蒸留塔中で形成され、かつ熱交換器を介して該系から排出される。
【0009】
さらに、上記の方法で反応性蒸留塔の塔頂部にある冷却器中でモノシランを含有する生成物流の凝縮における残留分として得られるクロロシランは、少なくとも部分的に塔の反応性/蒸留性の反応領域に再循環されうる。
【0010】
前記の反応性蒸留における遅い反応速度の欠点を補正するために、その問題は、1つ以上の副反応器を付加してのより多い触媒量による費用のかかる方法で問題に対処されている。使用されたケイ素に対する十分に高い収量が所望されうる。さらに、前記方法によって得られたモノシランの純度は、約98%である。
【0011】
従って、本発明の目的は、モノシランのさらなる製造方法を提供することであった。特定の目的は、実質的に前記の欠点を回避させることであった。
【0012】
前記目的は、本発明によれば、特許請求の範囲に記載の方法で達成される。
【0013】
従って、例えば99.5%の高い純度を有するモノシランは、図1及び2中に述べられるように、
−トリクロロシラン(A)を、上記に示されているように、有利には55〜65℃の範囲内の温度まで、特に60℃まで、1〜10bar abs.の圧力で、熱交換器(7)によって予熱し、かつ触媒(3)を提供されている向流反応器(1)に供給し、
−向流反応器(1)において形成された生成混合物を、−25〜50℃、有利には−25〜−15℃の範囲内の温度で、縮合体を向流反応器(1)中に逆流させながら、冷却器(5)によって少なくとも部分的に凝縮し、
−冷却器(5)において凝縮されない生成物相を、−110〜−40℃の範囲内の温度℃で操作される冷却装置(8)に通過させ、
−冷却装置(8)からの揮発性生成物相を、−60〜−170℃の範囲内の温度で操作される蒸留塔(9)に供給し、有利に約99.5%の純度を有するモノシラン(C)を、蒸留塔(9)の塔頂部で排出し、
−向流反応器(1)からのSiCl4を含有する塔底物を、気化器装置(6)中で60〜110℃、有利には70〜90℃の範囲内の温度まで昇温させ、
−気化器(6)からの塔底生成物を、向流反応器(1)の二重壁(2)中に熱交換器(7)を介して運搬し、かつSiCl4を含有する生成物流(B)を、反応器(1)の上部域でのレベルで排出する
場合に、化学量論的に可能な収率の98.6%までの使用されたケイ素に対して優れた収率で、副産物テトラクロロシランと共に、トリクロロシランの触媒不均化による比較的単純かつ経済的方法で、作業温度及び1〜50bar abs.、有利には2〜20bar abs.、特に有利には3〜15bar abs.、特に4〜10bar abs.の圧力で、連続的に製造されうることが見出された。
【0014】
さらに、本発明の方法は、エネルギー的に有利であり、本発明による利点であるプラント設備のための装置に関連する費用は、比較的安い。
【0015】
供給流(トリクロロシラン)を予熱するための塔底生成物(四塩化ケイ素)のエネルギーの有効な利用率、付加的な加熱及び触媒の領域(向流反応器の反応域)及びこの領域の下方の領域内で設定される標的温度、並びにモノシランの分離における凝縮クロロシラン流を再利用する可能性をこの可能性に関連した利点と共に詳細に述べることができる。
【0016】
こうして、ソーラーシリコンの製造に必要とされる等級のモノシランを製造するための、トリクロロシランを触媒不均化する一段での連続的方法は、さらに製品品質と経済性の双方に関連して特に有利に著しく改良することができた。
【0017】
よって、本発明は、以下の装置:
・二重壁(2)を有する向流反応器(1)、
・向流反応器(1)中に位置し、かつ触媒(3)を備えている少なくとも1種類の触媒層(4)、
・向流反応器(1)の塔頂部にある冷却器(5)、
・向流反応器(1)の塔底部にある気化器(6)、
・向流反応器(1)中にトリクロロシランの導入(7.1、7.2)のための少なくとも1種類のトリクロロシラン供給管路(A)、
・トリクロロシランが最初に熱交換器(7)を介した管路(7.1、7.2)によって運搬され、かつそこで予熱され、そして気化器(6)からの塔底生成物が、二重壁(2)中に向流反応器(1)の下部でのレベルで管路(6.1、6.2)により熱交換器(7)を介して供給され、二重壁(2)から向流反応器(1)の上部でのレベルで排出される、すなわち四塩化ケイ素(B)が排出される熱交換器(7)、
・装置(5)の下流に設置された冷却装置(8)、並びに
・モノシラン(C)の流出口を有する
・二次蒸留塔(9)
に対して、作業温度及び1〜50bar abs.の圧力で、トリクロロシランの触媒不均化によるモノシラン及びテトラクロロシランの連続的生産のためのプラントを提供する。
【0018】
本発明のプラントにおいて、トリクロロシラン(A)の投入は、有利には向流反応器(1)の中間領域又は反応域中に導入する1種類以上の供給装置によって有利に行われる。
【0019】
従って、トリクロロシラン(A)の注入口は、有利には、固定された触媒層の下方及び/又は触媒層の中間の高さで配置される。
【0020】
本発明のプラントにおいて、触媒層(4)は、自体公知の方法で固定層として、例えば図2に示されているように形成され、かつ冒頭に記述されたように触媒を備えている。従って、1種類以上の固定層(4)は、反応器(1)中に重ねられていてよい。
【0021】
しかしながら、少なくとも1種類の管状要素(4.1)、有利には3〜6400個の管状要素、特に有利には7〜1600個の管状要素、及び特に13〜400個の管状要素(図1に示される素子(4.1)を参照)を含む触媒層(4)で満たされるための本発明による向流反応器(1)のために特に有利であることが判明している。ここで、かかる管状要素(4.1)は、例えば2〜4mmの管の壁厚で、50mmより大きい、有利には100〜300mmの直径を適切に有する。該管状要素は、反応器に対応する物質から製造されうる。不均化反応を行うための反応器の構造のための好適な物質は、それ自体が知られている。管状要素の壁は、固体であり、有孔、例えば穴もしくは細隙もしくは切断の多様性を提供され、又はメッシュ構造を有していてよい。特に、個々の管状要素の流入側及び流出側は、最初に、管状要素が触媒を適応させ、そして第二に、反応混合物が、管状要素中に反応器からの比較的大きい流れに耐えることなしに移動しうるように構成されている。適切な流体学的溶液は、当業者にそれ自体知られている。従って、例えば管状要素の流入側及び流出側は、金網を備えている。このような管状要素(4.1)は、管束で配置され、又は反応器(1)中で個々に懸吊されうる。1つ以上の管束は、反応器中で重ね合わせることもできる。
【0022】
本発明によるプラントにおいて、また特に使用したケイ素に対する収率に関連して、冷却装置(8)の底部で得られた高クロロシラン凝縮物のために向流反応器(1)の上部まで管路(8.2)を介して再循環されることは、特に有利である。
【0023】
さらに、分離板(10)及び/又は分離填材(11)が1つ以上の向流反応器(1)の領域中に配置されうることは、本発明によるプラントにおいて、さらに有利であってよい。同様に、有利には、反応性蒸留塔(9)が、それ自体が知られている分離板(10)及び/又は分離填材(11)を備えている。
【0024】
本発明によるプラントの好ましい実施態様は、図1及び2における系統図として示される。さらに、実地において実施できる本発明の方法により実行させるポンプ、制御製造及び調整器は、当業者に公知の方法で使用されうる。
【0025】
同様に、本発明は、本発明によるプラント中で作業温度及び1〜50bar abs.の圧力でトリクロロシランの触媒不均化によるモノシラン及び四塩化ケイ素の連続的生産法を提供し、その際
−トリクロロシラン(A)を、熱交換器(7)中で予熱し、触媒(3)を備えた向流反応器(1)に供給し、
−向流反応器(1)において形成された生成混合物を、凝縮物を向流反応器(1)中に逆流させ、−25℃〜50℃の範囲内の作業温度で冷却器(5)によって少なくとも部分的に凝縮し
−冷却器(5)において凝縮されなかった生成物相を、−40℃〜−110℃の範囲内の温度で操作される冷却装置(8)に通過させ、
−冷却装置(8)からの揮発性生成物を、−60〜−170℃の範囲内の温度で操作される蒸留塔(9)に供給し、モノシラン(C)を蒸留塔(9)の塔頂部で排出し、
−向流反応器(1)からのSiCl4を含有する残留物を、気化器(6)において、60〜110℃、有利には70〜90℃の範囲内の作業温度にさせ、かつ
−気化器(6)からの残留生成物を、向流反応器(1)の二重壁(2)中に熱交換器(7)を介して運搬し、SiCl4を含有する生成物流を、反応器(1)の上部領域でのレベルで排出する。
【0026】
純粋なトリクロロシランが、本発明の方法において使用される。しかしながら、本発明の方法において、例えば98.8%〜99.5%の純度を有する等級の工業用トリクロロシランを使用することが可能であり、利点でもある。
【0027】
本発明の方法の向流反応器(1)は、有利には、不均化反応を発熱的に行い、かつ反応の継続を補助しながら、触媒層(4)の領域内で70〜90℃の範囲内の温度及び1〜10bar abs.の圧力で操作される。ここで有利な条件下で、主に四塩化ケイ素を含有する液相は反応器の底部の領域に降下するが、ガス状の生成混合物は、向流反応器(1)中で上昇する。
【0028】
さらに、本発明の方法において向流反応器(1)中で形成された生成混合物は、有利には、−10℃〜−25℃の範囲内の温度及び1〜10bar abs.の圧力で、特に約−15℃〜−20度及び1〜10bar abs.の圧力で、冷却器(5)によって部分的に凝縮される。
【0029】
冷却器(5)において凝縮されない生成物相は、有利には、60質量%以上80質量%までのモノシラン含有率に調整される。
【0030】
本発明の方法のさらなる過程中に、冷却装置(8)は、有利には、−40〜−100℃の範囲内の温度及び1〜10bar abs.の圧力で、有利には−60℃以下及び1〜10bar abs.の圧力で、特に−95℃及び1〜10bar abs.の圧力で操作される。
【0031】
冷却器(8)において得られたクロロシランを含有する凝集物は、有利には向流反応器(1)に再循環される。該凝集物は、有利には、反応器(1)の上部中、特に約20℃の温度が優勢である場合に反応器の領域において、適切には、反応器の塔頂部の下方で再循環される。
【0032】
本発明の方法において、冷却装置(8)からの揮発性生成物相は、装置(8)を有利には5〜10bar abs.の圧力で操作しながら、有利には1質量%以下のクロロシラン含有率に調整される。この相は、装置(9)が供給される前に、ポンプによって適切に圧縮される。
【0033】
本発明によって、蒸留塔(9)は、有利には、−90〜−110℃の範囲内の温度で、特に有利には約−100℃で、及び1〜10bar abs.の圧力で操作される。そして、99.5%〜99.8%の高い純度を有するモノシランは、蒸留塔(9)の塔頂部で得られ、かつ管路(9.1)を介して排出されうる。
【0034】
副産物のテトラクロロシランは、向流反応器(1)の底部で、すなわち気化器(6)中で高温の生成物相として得られる。
【0035】
本発明の方法において、気化器(6)からの高温の塔底生成物は、反応器の下方領域でのレベルで、管路(6.1)、熱交換器(7)及び管路(6.2)を介して向流反応器(1)の二重壁(2)中へ運搬され、かつ実質的に四塩化ケイ素を含有する生成物流(B)は、反応器(1)の上部でのレベルで、特にまさに反応器の塔頂部(5)の下方で排出される。ここで得られる四塩化ケイ素は、有利には、シリカ、特に熱分解法シリカに使用されてよい。
【0036】
一般的には、本発明の方法は、次のように行われてよい。
【0037】
本発明によるプラントにおいて、例えば図1又は2で見られうるように、トリクロロシランは、予熱され、そして触媒によって提供され、かつ作業温度である1〜50bar abs.で向流反応器中に供給される。さらに、得られたSiCl4生成物中のエネルギー/熱は、二重壁によって、特に触媒層の領域内で向流反応器の有利な付加的な加熱のために利用される。向流反応器において不均化反応中に形成される生成混合物は、反応器の塔頂部で部分的に凝縮されてよく、その際、本質的にクロロシランが液状で反応器中に逆流される。凝縮されなかった生成物相を、有利には−40〜−110℃の範囲内の温度での過圧下で操作された他の冷却装置に通過させる。ここで得られたクロロシランを含有する凝縮物は、有利には、向流反応器の上部に再循環される。そして、後部復水器からの揮発性生成物相を、蒸留塔に通過させてよく、蒸留塔からモノシランが、比較的高い収率で、かつ高い純度で塔頂留出物として排出されうる。
【0038】
本発明は、本発明の趣旨に制限されることなく、続く実施例によって明示される。
【0039】
実施例
本発明の方法は、図1における好適な実施態様のような原理において示されたプラント中の製造条件下で試験され、かつ好ましい操作方法は、前述されている。技術水準のトリクロロシラン(98.8%)は、出発物質として使用された。陰イオン交換樹脂Amberlyst21は、触媒として使用された。トリクロロシランの消費量は、700kg/hourであった。
【0040】
本発明による操作方法は、化学量論的に可能な値のケイ素回収率98.2〜98.6%で増加をもたらした。本方法において得られたモノシランは、純度99.5%を有した。さらに、直接変動費は、本発明による操作方法を使用して2〜2.2の係数まで低減させることができた。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は、本発明によるプラントの好ましい実施態様を示す。
【図2】図2は、本発明によるプラントの好ましい実施態様を示す。
【符号の説明】
【0042】
1 向流反応器
2 二重壁
3 触媒
4 触媒層
5 冷却器
6 気化器
7 熱交換器
8 冷却装置
9 蒸留塔
10 分離填材
11 分離板
A トリクロロシラン
B 四塩化ケイ素
C モノシラン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業温度及び1〜50bar abs.の圧力でトリクロロシランの触媒不均化によるモノシラン及びテトラクロロシランの連続的生産のためのプラントであって、その際、以下の装置:
・二重壁(2)を有する向流反応器(1)、
・向流反応器(1)中に配置され、かつ触媒(3)を備える少なくとも1つの触媒層(4)、
・向流反応器(1)の塔頂部にある冷却器(5)、
・向流反応器(1)の塔底部にある気化器(6)、
・向流反応器(1)中にトリクロロシランの導入(7.1、7.2)のための少なくとも1つのトリクロロシラン供給管路(A)、
・トリクロロシランが最初に熱交換器(7)を介して管路(7.1、7.2)により運搬され、かつそこで予熱され、そして気化器(6)からの塔底生成物が、向流反応器(1)の下部でのレベルで熱交換器(7)を介して管路(6.1、6.2)により二重壁(2)中に供給され、かつ二重壁(2)から向流反応器(1)の上部でのレベルで排出される熱交換器(7)、
・装置(5)の下流に設置された冷却装置(8)、並びに
・モノシラン(C)の流出口を有する
・二次蒸留塔(9)
に基づくプラント。
【請求項2】
触媒層(4)として少なくとも1つの管状要素(4.1)によって特徴付けられる、請求項1に記載のプラント。
【請求項3】
向流反応器(1)の中間域又は反応域中に導入する1つ以上のトリクロロシラン供給管路(A)によって特徴付けられる、請求項1又は2に記載のプラント。
【請求項4】
トリクロロシラン(A)の注入口が、固定された触媒層の下方で及び/又は触媒層の中間の高さで配置されることを特徴とする、請求項3に記載のプラント。
【請求項5】
管路(8.2)が、冷却装置(8)の底部から向流反応器(1)の上部中に導びかれていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載のプラント。
【請求項6】
分離板(10)及び/又は分離填材(11)が、向流反応器(1)の1つ以上の領域中に配置されていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載のプラント。
【請求項7】
蒸留塔(9)が、分離板(10)及び/又は分離填材(11)を備えていることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載のプラント。
【請求項8】
請求項1に記載のプラントにおける操作温度及び1〜50bar abs.の圧力でのトリクロロシランの触媒不均化によるモノシラン及び四塩化ケイ素の連続的生産方法であって、その際、
−トリクロロシラン(A)を、上記に示されているように、1〜10bar abs.の圧力で、熱交換器(7)において予熱し、かつ触媒(3)を備えている向流反応器(1)に供給し、
−向流反応器(1)において形成された生成混合物を、−25〜50℃の範囲内の温度で、縮合体を向流反応器(1)中に逆流させ、冷却器(5)によって少なくとも部分的に凝縮し、
−冷却器(5)において凝縮されない生成物相を、−40〜−110℃の範囲内の温度℃で操作される冷却装置(8)に通過させ、
−冷却装置(8)からの揮発性生成物を、−60〜−170℃の範囲内の温度で操作される蒸留塔(9)に供給し、かつモノシラン(C)を、蒸留塔(9)の塔頂部で排出し、
−向流反応器(1)からのSiCl4を含有する残留物を、気化器装置(6)において、60〜110℃の範囲内の操作温度まで昇温させ、並びに
−気化器(6)からの残留生成物を、向流反応器(1)の二重壁(2)中に熱交換器(7)を介して運搬し、かつSiCl4を含有する生成物流(B)を、反応器(1)の上部でのレベルで排出する、上記の連続的生産方法。
【請求項9】
前記方法が、1〜10bar abs.の範囲内の圧力で操作されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
向流反応器(1)が、触媒層(4)の領域において、70〜90℃の範囲内の温度及び1〜10bar abs.の圧力で操作されることを特徴とする、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
向流反応器(1)において形成された生成混合物が、−25〜−10℃の範囲の温度及び1〜10bar abs.の圧力で冷却器(5)によって部分的に凝縮されることを特徴とする、請求項8から10までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
冷却器(5)において凝縮されない生成物相が、60質量%以上のモノシラン含有率に調整されることを特徴とする、請求項8から11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
冷却装置(8)が、−60℃以下の温度及び1〜10bar abs.の圧力で操作されることを特徴とする、請求項8から12までいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
冷却器(8)において得られたクロロシラン含有凝縮物が、向流反応器(1)に再循環されることを特徴とする、請求項8から13までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
冷却装置(8)からの揮発性生成物相が、質量%のクロロシラン含有率まで調整され、かつ圧縮され、その際、該装置(8)を5〜10bar abs.の圧力で操作することを特徴とする、請求項8から14までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
蒸留塔(9)が、−90〜−110℃の範囲内の温度及び1〜10bar abs.の圧力で操作されることを特徴とする、請求項8から15までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
気化器(6)からの高温の残留生成物が、管路(6.1)、熱交換器(7)及び管路(6.2)を介して向流反応器(1)の二重壁(2)中に反応器(1)の下方領域でのレベルで運搬され、かつSiCl4を含有する生成物流(B)が、反応器(1)の上部でのレベルで排出されることを特徴とする、請求項8から16までのいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−509901(P2009−509901A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−532688(P2008−532688)
【出願日】平成18年6月19日(2006.6.19)
【国際出願番号】PCT/EP2006/063316
【国際公開番号】WO2007/039326
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】