モノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法および装置
【課題】モノ低級アルキルモノアルカノールアミンの収率の高い製造方法および装置を提供する。
【解決手段】モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとを結晶性メタロシリケートを含む触媒の存在下で反応させることにより、製造する方法において、前記触媒の存在下における反応ゾーンの冷却を該反応ゾーンの上流部分における温度上昇をより低減させることにより行う。装置としては、前記触媒の上流部分における温度上昇をより低減させる上流温度低減機構を設ける。
【解決手段】モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとを結晶性メタロシリケートを含む触媒の存在下で反応させることにより、製造する方法において、前記触媒の存在下における反応ゾーンの冷却を該反応ゾーンの上流部分における温度上昇をより低減させることにより行う。装置としては、前記触媒の上流部分における温度上昇をより低減させる上流温度低減機構を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法および装置に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンをモノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとの反応により得る製造方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
モノ低級アルキルアルカノールアミンは、一般的な有機合成の中間原料、例えば、カチオン系凝集剤や医農薬中間体、樹脂用エッチング液、合成繊維用の柔軟剤、腐蝕防止剤、石油精製又は石油プロセス用中和剤、分散剤など商業的需要が高い有用な化合物である。
【0003】
モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドの反応によるモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造については古くから文献等で報告されている(例えば、非特許文献1)。モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとの反応では、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンとモノ低級アルキルジアルカノールアミンとが並行して生成される。この反応において、有用なモノ低級アルキルモノアルカノールアミンを選択的に得るためには、アルキレンオキシドに対しモノ低級アルキルアミンを大過剰に使用する必要がある。そのため、この反応では、未反応のモノ低級アルキルアミンが大量に残存する。
【0004】
一方、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドの反応によるモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法としては、この反応を水の存在下で行う製造方法が広く知られている。しかし、この方法には、精製系で大量の水を蒸留除去するために大きな熱負荷が必要であるという問題があった。
【0005】
特許文献1には、モノメチルアミンとエチレンオキシドからモノメチルアミノエタノールを製造する方法が開示されている。特許文献1に記載の方法では、アミン回収系の蒸留塔に粗液をアルコールと混合後、または別ラインで粗液とアルコールを仕込むことによって、未反応のモノメチルアミンを回収している。しかし、この方法では、モノメチルアミンを回収するために、アルコールと混合する必要があり、また、モノメチルアミンを再利用するためには、更なる蒸留塔が必要である等、工程が煩雑であり、しかも、設備費が高くなるという問題があった。
【0006】
これに対して、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとの反応からモノ低級アルキルモノアルカノールアミンを製造に際して、水の存在下で反応させることによる熱負荷の問題なく、選択性よくモノ低級アルキルモノアルカノールアミンを得る技術が提供されている(特許文献2)。
【0007】
前記特許文献2に記載の技術の特徴は、触媒として水を使用せずに、結晶性メタロシリケートもしくは層状粘土化合物からなる触媒を用いる点にある。すなわち、特許文献2に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法は、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとを反応させてモノ低級アルキルモノアルカノールアミンを製造する方法であって、結晶性メタロシリケートもしくは層状粘土化合物からなる触媒の存在下で上記反応を行うことを特徴とする。また、この特許文献2に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置は、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとからモノ低級アルキルモノアルカノールアミンを製造するための装置であって、少なくとも、触媒が充填され、かつモノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとの反応を行うための反応部;前記反応部から排出された反応生成混合物からモノ低級アルキルアミンを回収するための回収手段;ならびに前記回収されたモノ低級アルキルアミンを原料モノ低級アルキルアミンに合流させるための循環手段を有することを特徴とする。
【0008】
この特許文献2に記載の技術は、反応に水を用いないので、熱負荷の問題なく、選択性よくモノ低級アルキルモノアルカノールアミンを得ることができる大変優れた技術である。
【0009】
【非特許文献1】小田良平、寺村一広、「界面活性剤」、槇書店、1965年、p.262〜263
【特許文献1】特開平8−333310号公報
【特許文献2】特開2004−275933号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述のように、特許文献2に記載の技術は、反応に水を用いないので、熱負荷の問題なく、選択性よくモノ低級アルキルモノアルカノールアミンを得ることができる大変優れた技術である。しかしながら、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンをより大量に、かつ経済的に製造することを考えた場合、連続的に製造するとともに、その収率をさらに向上させることが要望される。そして、そのためのより効率的な製造方法および装置が提供されることが要望される。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その課題は、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンの収率のより高い製造方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するための本発明の第1の発明は、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとを結晶性メタロシリケートまたは/および層状粘土化合物を含む触媒の存在下で反応させることにより、製造する方法において、前記触媒の存在下における反応ゾーンの冷却を該反応ゾーンの上流部分における温度上昇をより低減させることにより行うことを特徴とすることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0013】
第2の発明は、第1の発明において、前記反応ゾーンを複数の反応器から構成し、前段の反応器を冷却効率の高い管型反応器から構成するとともに、後段の反応器を触媒充填量の多い槽型反応器から構成することにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0014】
第3の発明は、第2の発明において、前記前段の管型反応器の反応管の管径を上流部分より下流部分が大きくなるように形成することにより前段の反応器内部の上流部分の冷却効率をより高めることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0015】
第4の発明は、第1の発明において、前記反応ゾーンを一つの管型反応器から構成し、該管型反応器の反応管の管径を上流部分より下流部分が大きくなるように形成することにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0016】
第5の発明は、第1の発明において、前記反応ゾーンを複数の管型反応器から構成し、前段の管型反応器の反応管の管径を後段の管型反応器の反応管の管径よりも小さくするとともに、前段の反応器の反応管設置本数を後段の反応器の反応管設置本数より増加させることにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0017】
第6の発明は、第1の発明において、前記反応ゾーンを一つの槽型反応器から構成し、前記槽型反応器内に冷媒が上流から下流に流れる冷却管を布設することにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0018】
第7の発明は、第6の発明において、前記一つの槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度を上流部分が下流部分より密にすることにより、さらに前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0019】
第8の発明は、第1の発明において、前記反応ゾーンを複数の槽型反応器から構成し、前段の槽型反応器内に冷媒が上流から下流に流れる冷却管を布設することにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0020】
第9の発明は、第8の発明において、前記前段の槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度を上流部分が下流部分より密にすることにより、前段の反応器内部の上流部分の冷却効率をより高めることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0021】
第10の発明は、第1の発明において、前記反応ゾーンを内部に冷媒が上流から下流に流れる冷却管を布設した複数の槽型反応器から構成し、前段の槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度を後段の反応器内に布設した冷却管の布設密度より密にすることにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0022】
第11の発明は、第10の発明において、前記前段の槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度を上流部分が下流部分より密にすることにより、前段の反応器内部の上流部分の冷却効率をより高めることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0023】
第12の発明は、第1の発明において、前記反応ゾーンを複数の反応器から構成し、前段の反応器に充填する触媒の粒径を後段の反応器に充填する触媒の粒径より大きくすることにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0024】
第13の発明は、第12の発明において、前記前段の反応器内に充填する触媒の粒径を上流部分が下流部分より大きくすることにより、前段の反応器内部の上流部分の冷却効率をより高めることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0025】
第14の発明は、第1の発明において、前記反応ゾーンを一つの反応器から構成し、該反応器内に充填する触媒の粒径を上流部分が下流部分より大きくすることにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0026】
第15の発明は、第1〜第14のいずれか一つの発明において、前記結晶性メタロシリケートを含む触媒がさらに層状粘土化合物を含むことを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0027】
第16の発明は、第15の発明において、前記結晶性メタロシリケートと層状粘土化合物との混合比(質量比)が、5:95〜50:50であることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0028】
第17の発明は、第1〜第16のいずれか一つの発明において、前記結晶性メタロシリケートが、Al、Ga、Fe、B、Zn、P、Ge、Zr、Ti、Cr、Be、V、およびAsからなる群から選ばれる金属元素Mの少なくとも一種を含むことを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0029】
第18の発明は、第17の発明において、前記結晶性メタロシリケートは、Siと金属元素Mとの比が、酸化物基準で、Si/M=5〜1000であることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0030】
第19の発明は、第18の発明において、前記Siと金属元素Mとの比が、酸化物基準で、Si/M=10〜500であることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0031】
第20の発明は、第1〜第19のいずれか一つの発明において、前記結晶性メタロシリケートは、MOR構造、MFI構造および/またはMEL構造を有することを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0032】
第21の発明は、第1〜第20のいずれか一つの発明において、前記結晶性メタロシリケートは、結晶性アルミノシリケートであることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0033】
第22の発明は、第21の発明において、前記結晶性アルミノシリケートは、ゼオライトであることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0034】
第23の発明は、第1、第15または第16の発明において、前記層状粘土化合物が、酸性白土または活性白土であることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0035】
第24の発明は、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとを結晶性メタロシリケートまたは/および層状粘土化合物を含む触媒を用いて反応させることにより、製造する装置であって、前記触媒の上流部分における温度上昇をより低減させる上流温度低減機構を有することを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0036】
第25の発明は、第24の発明において、前記触媒が充填される反応器が複数とされ、前段の反応器が冷却効率の高い管型反応器から構成されるとともに、後段の反応器が触媒充填量の多い槽型反応器から構成されることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0037】
第26の発明は、第25の発明において、前記前段の管型反応器の反応管の管径が上流部分より下流部分が大きく形成されていることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0038】
第27の発明は、第24の発明において、前記触媒が充填される反応器が一つの管型反応器から構成され、該管型反応器の反応管の管径が上流部分より下流部分が大きく形成されることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0039】
第28の発明は、第24の発明において、前記触媒が充填される反応器が複数の管型反応器から構成され、前段の管型反応器の反応管の管径が後段の管型反応器の反応管の管径よりも小さく形成され、前段の反応器の反応管設置本数が後段の反応器の反応管設置本数より増加されることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0040】
第29の発明は、第24の発明において、前記触媒が充填される反応器が一つの槽型反応器から構成され、前記槽型反応器内に冷媒が上流から下流に流れる冷却管が布設されることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0041】
第30の発明は、第29の発明において、前記一つの槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度が下流部分より上流部分が密にされていることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0042】
第31の発明は、第24の発明において、前記触媒が充填される反応器が複数の槽型反応器から構成され、前段の槽型反応器内に冷媒が上流から下流に流れる冷却管が布設されることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0043】
第32の発明は、第31の発明において、前記前段の槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度が下流部分より上流部分が密にされていることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0044】
第33の発明は、第24の発明において、前記触媒が充填される反応器が内部に冷媒が上流から下流に流れる冷却管を布設した複数の槽型反応器から構成され、前段の槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度が後段の反応器内に布設した冷却管の布設密度より密にされることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0045】
第34の発明は、第33の発明において、前記前段の槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度が下流部分より上流部分が密にされていることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0046】
第35の発明は、第24の発明において、前記触媒が充填される反応器が複数の反応器から構成され、前段の反応器に充填する触媒の粒径が後段の反応器に充填する触媒の粒径より大きくされることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0047】
第36の発明は、第35の発明において、前記前段の反応器内に充填する触媒の粒径が下流部分より上流部分が大きくされていることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0048】
第37の発明は、第24の発明において、前記触媒が充填される反応器が一つの反応器から構成され、該反応器内に充填する触媒の粒径が下流部分より上流部分が大きくされることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0049】
第38の発明は、第24〜第37のいずれか一つの発明において、前記結晶性メタロシリケートを含む触媒がさらに層状粘土化合物を含むことを特徴とする記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0050】
第39の発明は、第38の発明において、前記結晶性メタロシリケートと層状粘土化合物との混合比(質量比)が、5:95〜50:50であることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0051】
第40の発明は、第24〜第39のいずれか一つの発明において、前記結晶性メタロシリケートが、Al、Ga、Fe、B、Zn、P、Ge、Zr、Ti、Cr、Be、V、およびAsからなる群から選ばれる金属元素Mの少なくとも一種を含むことを特徴とする記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0052】
第41の発明は、第40の発明において、前記結晶性メタロシリケートは、Siと金属元素Mとの比が、酸化物基準で、Si/M=5〜1000であることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0053】
第42の発明は、第41の発明において、前記Siと金属元素Mとの比が、酸化物基準で、Si/M=10〜500であることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0054】
第43の発明は、第24〜第42のいずれか一つの発明において、前記結晶性メタロシリケートは、MOR構造、MFI構造および/またはMEL構造を有することを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0055】
第44の発明は、第24〜第43のいずれか一つの発明において、前記結晶性メタロシリケートは、結晶性アルミノシリケートであることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0056】
第45の発明は、第44の発明において、前記結晶性アルミノシリケートは、ゼオライトであることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0057】
第46の発明は、第24、38または39の発明において、前記層状粘土化合物が、酸性白土または活性白土であることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【発明の効果】
【0058】
前記構成の本発明によれば、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンの収率の高い製造方法および装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0059】
以下、本発明の構成をさらに詳しく説明するとともに、代表的な実施の形態を説明する。
【0060】
(使用触媒)
本発明において、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンをモノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとを反応させて製造するために用いる触媒としては、結晶性メタロシリケートを挙げることができる。
【0061】
本発明では、結晶性メタロシリケートとして、例えば、Al、Ga、Fe、B、Zn、P、Ge、Zr、Ti、Cr、Be、V、およびAsからなる群から選ばれる金属元素の少なくとも一種を含むものを用いることができ、中でも、Alおよび/またはGaを含むものを用いることが好ましく、特に、Alを含むものを用いることが好ましい。具体的には、結晶性アルミノシリケートを用いることが好ましく、中でも、ゼオライトを用いることが好ましい。結晶性メタロシリケートは、いわゆる水熱合成法やドライゲル法などの公知の方法によって調製されたものを用いることができる。
【0062】
本発明において使用される結晶性メタロシリケートにおいて、Siと金属元素Mとの比は、酸化物基準で、Si/M(ここでMは金属元素を表す)=5〜1000であることが好ましく、より好ましくは10〜500である。Siと金属元素Mとの比が上記範囲内であれば、モノ低級アルキルジアルカノールアミン(以下、「ジ型」ともいう)に対してモノ低級アルキルモノアルカノールアミン(以下、「モノ型」ともいう)を選択性よく得ることができる。
【0063】
メタロシリケートの種類としては、国際ゼオライト学会の構造を示すフレームワークトポロジーコードで表すと、MFI、MEL、BEA、MOR、MTW、TON、FAUなどが挙げられる。中でも、本発明では、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンの選択的合成の面から、MOR構造、MFI構造および/またはMEL構造を有するものを用いることが好ましい。MFIとMELは構造が良く似ており、インターグロースが起こって一つの結晶の中に両方の構造を含む場合があるが、本発明ではいずれも使用することができる。
【0064】
MFI構造を有するメタロシリケートとしては、合成ゼオライトとして知られるZSM−5が挙げられる。ZSMとは、開発した会社の名に由来したZeolite of Socony Mobilの略である。またMEL構造を有するものとしては、同じく合成ゼオライトとして知られるZSM−11が挙げられる。本発明では、ゼオライトを用いることが好ましく、特に、ZSM−5を用いることが好ましい。
【0065】
一般に、結晶性メタロシリケートは、陽イオンとして、プロトンやアンモニウムイオンなどを含有する。そのような陽イオンとしては、例えば、H+、NH4+、Na+、K+、Ca2+、La3+等を挙げることができ、陽イオンの種類によって、プロトン型、アンモニウムイオン型等と呼ばれる。本発明では、いずれのタイプのものも用いることができ、中でも好ましいものは、NH4+、H+、Na+を含有するものであり、特に好ましいものは、NH4+、H+を含有するものである。
【0066】
本発明では、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとを反応させてモノ低級アルキルモノアルカノールアミンを製造するために用いる触媒として、層状粘土化合物を挙げることもできる。ここで、「層状粘土化合物」とは、層状粘土鉱物を含む粘土をいい、層状粘土鉱物としては、カオリン鉱物、雲母粘土鉱物、スメクタイト(モンモリロナイト)の3種類および混合層鉱物を挙げることができる。これらを含む粘土はイオン交換性、吸着性、触媒能、複合体形成能、膨潤性など特異的な性質を有している。これらの化学的活性を表面活性と言い、この性質を持つ層状粘土化合物としては、スメクタイトを主成分鉱物として含有する、ベントナイト、酸性白土などと呼ばれる層状粘土化合物を挙げることができる。また層状粘土化合物は、それを構成する結晶性ケイ酸塩におけるケイ酸四面体の層の重なり方とその層内の原子の種類や配置などによって、ハイロサイト、カオリナイト、スメクタイト、バーミキュライト、クロライト等に分類される。
【0067】
本発明において使用される触媒として好適な層状粘土化合物としては、酸性白土、Caベントナイト及びハイロサイトが挙げられ、さらにこれらを酸処理することにより吸着能・脱色能・触媒能等の性能を向上させた活性白土が挙げられる。選択性の点で特に好適な層状粘土化合物は酸性白土である。
【0068】
前記層状粘土化合物は、そのまま触媒として用いることもできるが、選択性の面からは、乾燥処理して用いることが好ましい。乾燥処理は、重量減少が一定になるまで行うことが好ましく、通常、重量が5〜10%程度減少するまで行うことができ、例えば、50〜200℃で0.5〜24時間程度行うことができる。
【0069】
本発明では、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとの反応において、上記の結晶性メタロシリケートと層状粘土化合物を含む触媒を用いることもできる。結晶性メタロシリケートと層状粘土化合物との混合比(質量比)は、5:95〜50:50であることが好ましく、より好ましくは、5:95〜30:70である。両成分の混合比が上記範囲内であれば、それぞれを単独で用いる場合に比べて、より高い選択性でモノ低級アルキルモノアルカノールアミンを製造することができる。また、一般に、結晶性メタロシリケートは、層状粘土化合物に比べて高価であるため、コスト面からは、所望の選択性が得られる範囲で、結晶性メタロシリケートの割合を少なくすることが好ましい。
【0070】
本発明において、結晶性メタロシリケートと層状粘土化合物を含む触媒を用いる場合、両者の組み合わせに特に制限はないが、好適な組み合わせとして、ゼオライトと酸性白土、ゼオライトと活性白土、ゼオライトと酸性白土および活性白土が挙げられる。特に好適な組み合わせとしては、ゼオライトと酸性白土が挙げられる。
【0071】
前記触媒は、そのまま使用することができるが、使用に際して適当な大きさや硬さに成形してもよい。必要であれば、シリカゾルなどの各種酸化物ゾルや粘土鉱物類などの助剤またはバインダーを用いて成形してもよい。
【0072】
本発明で使用するモノ低級アルキルアミンに特に制限はないが、モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノn−プロピルアミン、モノイソプロピルアミン、モノn−ブチルアミン、モノイソブチルアミン、モノsec−ブチルアミン、モノt−ブチルアミン、モノn−ペンチルアミン、イソペンチルアミン、モノn−ヘキシルアミンなどの1乃至6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状モノアルキルアミンを用いることができ、好適にはモノメチルアミン、モノエチルアミン、モノn−プロピルアミン、モノイソプロピルアミン、モノn−ブチルアミン、モノイソブチルアミン、モノt−ブチルアミンを用いることができ、特に好適にはモノメチルアミン、モノエチルアミン、モノn−プロピルアミン、モノイソプロピルアミン、モノn−ブチルアミンを用いることができる。
【0073】
本発明で使用するアルキレンオキシドに特に制限はないが、好適にはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどの2乃至4個の炭素原子を有するアルキレンオキシドを用いることができ、特に好適にはエチレンオキシド及びプロピレンオキシドを用いることができる。
【0074】
モノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造は、例えば、40乃至300℃の温度範囲で行うことができる。好適な温度範囲は50乃至200℃であり、特に好適な温度範囲は50乃至150℃である。操作圧力は、例えば0.1乃至20MPaとすることができ、好ましくは0.1乃至15MPaであり、特に好適には3.0乃至10MPaである。 モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドの使用量および触媒の使用量は、反応条件等に応じて適宜設定することができる。モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとの反応によってモノ型を選択的に得るためには、アルキレンオキシドに対してモノ低級アルキルアミンを過剰量使用する必要があり、例えば、モル基準で1.5〜20倍の量で用いることができ、特に、2〜10倍の量で用いることが好ましい。
【0075】
本発明のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置は、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとを結晶性メタロシリケートまたは/および層状粘土化合物を含む触媒の存在下で反応させることにより、製造する装置である。この製造装置の特徴構成は、前記触媒の上流部分における温度上昇をより低減させる上流温度低減機構を有する点にある。この上流温度低減機構を実現するための様々な構成については、以下に示す実施例において説明する。
【実施例】
【0076】
前述のように、本発明のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置は、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとを結晶性メタロシリケートまたは/および層状粘土化合物を含む触媒の存在下で反応させることにより、製造する装置において、前記触媒の上流部分における温度上昇をより低減させる上流温度低減機構を有する点に特徴がある。
【0077】
(実施例1)
本実施例のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置において、その特徴とする上流温度低減機構は、図1に示すように、触媒が充填される反応器が複数(図では2基)とされ、前段の反応器が冷却効率の高い管型反応器1から構成されるとともに、後段の反応器が触媒充填量の多い槽型反応器2から構成されることにより、実現された上流温度低減機構101である。
【0078】
前記管型反応器1および槽型反応器2には、それぞれ好ましくは内装冷却ジャケット3及び外装ジャケット4が取り付けられており、冷熱媒によって内部の触媒5を冷却できるようになっている。前記管型反応器1は図示では煩雑にならないように1本に描かれているが、複数本の反応管6から構成されている。これら反応管6の具体的な管径、管長、設置本数としては、例えば、内径30mm×長さ8000mm、60本である。一方の槽型反応器2には区画が無く、内容積の全部に触媒5が充填されており、前記管型反応器1への触媒充填量を大幅に上回る充填量の触媒5が収納されている。
【0079】
前記管型反応器1には、その上部から、原料7、すなわち、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとが供給される。管型反応器1内に導入されたモノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとは、各反応管6内の触媒5によって、反応させられて、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを生成する。この管型反応器1の触媒充填量は比較的少ないので、供給原料の全量の反応は実現できずに、未反応原料が残る。その未反応分は下流の槽型反応器2において反応される。この槽型反応器2の触媒量は充分に確保されているので、未反応原料のほとんどが反応させられる。
【0080】
前記槽型反応器2から導出された反応生成混合物8の中には、そのほとんどを占めるモノ低級アルキルモノアルカノールアミン(モノマー)の他、少量の未反応原料と、副反応物であるモノ低級アルキルジアルカノールアミン(ダイマー)とが含まれるので、不図示の次工程において、蒸留法などにより、未反応原料を回収して原料用に循環させるとともに、ダイマーを分別、除去する。
【0081】
触媒5によって反応を起こされるモノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとの反応は、発熱反応であり、発熱量は比較的に大きい。したがって、反応によって生じる熱を冷却しないままにすると、反応速度が落ちるばかりでなく、触媒5の早期劣化を引き起こすことになる。この発熱は原料濃度が高ければ高いほど大量に発生するので、触媒の上流における発熱が顕著になり、上流の触媒ほど劣化が早くなる。しかし、触媒の温度を極端に低くすると、そもそもの反応が起こりにくくなる。そこで触媒の劣化を防ぎ、反応速度も充分に挙げることのできる温度範囲に触媒の温度をコントロールすることが重要になる。
【0082】
また、前述にように、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとの反応では、副生成物としてモノ低級アルキルジアルカノールアミン(ダイマー)が生じるので、このダイマーの生成量によって、目的物であるモノ低級アルキルモノアルカノールアミン(モノマー)の収率が左右される。モノマーの収率は低温ほど高くなり、原料のアルキルオキシドの反応率は高温ほど高くなる。かかる観点からも、反応環境温度、換言すれば触媒温度を、最適な範囲にコントロールする必要がある。
【0083】
前述の温度コントロールの要請に対して、図1に示す装置構成では、前段の反応器が触媒冷却効率の高い管型反応器1から構成されているため、触媒5の温度は、反応速度を低減せず、かつ触媒の寿命を縮めず、さらにモノマーの収率を高めるために好適な温度範囲に、容易にコントロールすることができる。前記好適な温度範囲としては、触媒としてゼオライト系触媒を用いた場合では、100℃〜130℃である。
【0084】
また、前述のように、前段の管型反応器1に供給される原料濃度は、後段の槽型反応器2に供給される原料濃度より高いので、全体としてのモノマー収率を考えた場合、前段の管型反応器1における反応率を、一方の原料であるアルキルオキシドを基準として、50〜70%に、後段の槽型反応器2における同反応率を50〜30%することが好ましい。また、これら反応率に制御することにより、モノマーの収率を充分な値とした場合、後段の槽型反応器2から導出される反応生成混合物7中の原料アルキルオキシドの残存濃度は、500ppm以下に制御される。
【0085】
図1の装置構成において、図2に示すように、前段の管型反応器1の反応管をその管径が上流部分より下流部分が大きく形成されている反応管6aから構成しても良い。かかる形状の反応管6aを用いることによって、管型反応器1内の触媒5の最も温度上昇が生じやすい上流部分の温度上昇をより低減させることができる。
【0086】
(実施例2)
この実施例2のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置の特徴構成である上流温度低減機構102は、図3に示すように、触媒が充填される反応器が一つの管型反応器9から構成され、該管型反応器9の反応管10の管径が上流部分より下流部分が大きく形成されることにより、実現されている。
【0087】
前記管型反応器9には、好ましくは内装冷却ジャケット11が取り付けられており、冷熱媒によって内部の触媒5を冷却できるようになっている。また、この管型反応器9は図示では煩雑にならないように1本に描かれているが、複数本の反応管9から構成されている。これら反応管9の具体的な管径、管長、設置本数としては、例えば、上流部分の内径20mm×下流部分の内径40mm×長さ4500mm、275本である。
【0088】
前記管型反応器9には、その上部から、原料7、すなわち、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとが供給される。管型反応器9内に導入されたモノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとは、各反応管10内の触媒5によって、反応させられて、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを生成する。各反応管10の狭隘な上流部分の触媒充填量は比較的少ないので、供給原料の全量の反応は実現できずに、未反応原料が残る。その未反応分は管径の大きな下流部分において反応される。下流部分の触媒量は充分に確保されているので、未反応原料のほとんどが反応させられる。
【0089】
前記管型反応器9から導出された反応生成混合物8の中には、そのほとんどを占めるモノ低級アルキルモノアルカノールアミン(モノマー)の他、少量の未反応原料と、副反応物であるモノ低級アルキルジアルカノールアミン(ダイマー)とが含まれるので、不図示の次工程において、蒸留法などにより、未反応原料を回収して原料用に循環させるとともに、ダイマーを分別、除去する。
【0090】
この図3に示す装置構成では、管型反応器9内に設置されている複数本の反応管10の上流部分が細く形成されて冷却効率が高められているため、温度が上昇しやすい上流部分の触媒温度をより低減することができる。その結果、管型反応器9内の触媒5の温度は、反応速度を低減せず、かつ触媒の寿命を縮めず、さらにモノマーの収率を高めるために好適な温度範囲に、容易にコントロールすることができる。前記好適な温度範囲としては、触媒としてゼオライト系触媒を用いた場合では、100℃〜130℃である。
【0091】
(実施例3)
この実施例3のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置において、その特徴とする上流温度低減機構は、図4に示すように、触媒が充填される反応器が複数(図では2基)とされ、前段の反応器が冷却効率の高い管型反応器12から構成されるとともに、後段の反応器が同じく冷却効率が高い管型反応器13から構成されることにより、実現された上流温度低減機構103である。前段の管型反応器12および後段の管型反応器13には、それぞれ複数の反応管14および15が設けられている。前段の管型反応器12内の反応管14の管径は、後段の管型反応器13内の反応管15の管径より小さく形成されており、それに応じて、前段の管型反応器12内の反応管14の設置本数は、後段の管型反応器13内の反応管15の設置本数より多くなっている。
【0092】
前段の管型反応器12内の反応管14の具体的な管径、管長、設置本数としては、例えば、内径20mm×長さ3600mm、275本であり、後段の管型反応器13内の反応管15の具体的な管径、管長、設置本数としては、例えば、内径40mm×長さ3600mm、69本である。そのため、前段の管型反応器12は、後段の反応器13に比べての冷却(除熱)性能が高くなり、それに対応して、後段の管型反応器13では触媒15の充填量が多くなっている。
【0093】
前段の管型反応器12および後段の管型反応器13には、それぞれ好ましくは内装冷却ジャケット16および17が取り付けられており、冷熱媒によって内部の触媒5を冷却できるようになっている。
【0094】
前段の管型反応器12には、その上部から、原料7、すなわち、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとが供給される。管型反応器12内に導入されたモノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとは、各反応管14内の触媒5によって、反応させられて、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを生成する。この管型反応器12の触媒充填量は比較的少ないので、供給原料の全量の反応は実現できずに、未反応原料が残る。その未反応分は後段の管型反応器13において反応される。この管型反応器13の触媒量は比較的多くなっているので、未反応原料のほとんどが反応させられる。
【0095】
前記槽型反応器13から導出された反応生成混合物8の中には、そのほとんどを占めるモノ低級アルキルモノアルカノールアミン(モノマー)の他、少量の未反応原料と、副反応物であるモノ低級アルキルジアルカノールアミン(ダイマー)とが含まれるので、不図示の次工程において、蒸留法などにより、未反応原料を回収して原料用に循環させるとともに、ダイマーを分別、除去する。
【0096】
この図4に示す装置構成では、前段の管型反応器12内に設置されている複数本の反応管14が後段の管型反応管13内に設置されている反応管15より細く形成されて冷却効率が高められているため、温度が上昇しやすい前端の触媒温度をより低減することができる。その結果、前段の管型反応器12内の触媒5の温度は、反応速度を低減せず、かつ触媒の寿命を縮めず、さらにモノマーの収率を高めるために好適な温度範囲に、容易にコントロールすることができる。前記好適な温度範囲としては、触媒としてゼオライト系触媒を用いた場合では、100℃〜130℃である。
【0097】
(実施例4)
この実施例4のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置の特徴構成である上流温度低減機構104は、図5に示すように、触媒が充填される反応器が一つの槽型反応器18から構成され、該槽型反応器18の内部には、上流から下流にかけて一本構成の冷却管19が蛇行するように配設されており、冷熱媒によって内部の触媒5を上流から下流にかけて冷却できるようになっている。冷熱媒は上流から冷却管19内に導入されるので、触媒の冷却(除熱)効率は、上流ほど高くなる。
【0098】
前記槽型反応器18には、その上部から、原料7、すなわち、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとが供給される。槽型反応器18内に導入されたモノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとは、槽内の触媒5によって、反応させられて、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを生成する。反応器18は槽型であるため、充分量の触媒5が充填されており、そのため原料のほとんどが反応させられる。
【0099】
前記槽型反応器18から導出された反応生成混合物8の中には、そのほとんどを占めるモノ低級アルキルモノアルカノールアミン(モノマー)の他、少量の未反応原料と、副反応物であるモノ低級アルキルジアルカノールアミン(ダイマー)とが含まれるので、不図示の次工程において、蒸留法などにより、未反応原料を回収して原料用に循環させるとともに、ダイマーを分別、除去する。
【0100】
この図5に示す装置構成では、槽型反応器18内に配設されている冷却管19が冷熱媒を上流から下流に流すので、上流部分の冷却効率がより高められているため、温度が上昇しやすい上流部分の触媒温度をより低減することができる。その結果、槽型反応器18内の触媒5の温度は、反応速度を低減せず、かつ触媒の寿命を縮めず、さらにモノマーの収率を高めるために好適な温度範囲に、容易にコントロールすることができる。前記好適な温度範囲としては、触媒としてゼオライト系触媒を用いた場合では、100℃〜130℃である。
【0101】
図5の装置構成において、図6に示すように、槽型反応器18の内部に配設する冷却管を槽内で並列に分岐して上流から下流に流れる構造の反応管20から構成しても良い。かかる形状の冷却管20を用いても、図5に示した冷却管19を設けた場合と同様の作用および効果を得ることができる。
【0102】
図5の装置構成において、図7に示すように、槽型反応器18の冷却管をその上流部分が下流部分より密に布設されている反応管19aから構成しても良い。かかる形状の冷却管19aを用いることによって、槽型反応器18内の触媒5の最も温度上昇が生じやすい上流部分の温度上昇をより低減させることができる。
【0103】
図6の装置構成において、図8に示すように、槽型反応器18の冷却管をその上流部分が下流部分より密に布設されている(換言すれば、多数に分岐されている)反応管20aから構成しても良い。かかる形状の冷却管20aを用いることによって、槽型反応器18内の触媒5の最も温度上昇が生じやすい上流部分のさらに上流部分の温度上昇をより低減させることができる。
【0104】
(実施例5)
この実施例5のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置において、その特徴とする上流温度低減機構は、図9に示すように、触媒が充填される反応器が複数(図では2基)とされ、前段および後段の反応器が共に槽型反応器21および22から構成され、前段の槽型反応器21の内部には、上流から下流にかけて一本構成の冷却管23が蛇行するように配設されていることにより、実現された上流温度低減機構105である。前段の槽型反応器21には冷却管23が配設されているので、前段の槽型反応器21内の触媒における除熱効果が高められており、さらに冷熱媒は上流から冷却管19内に導入されるので、前段の槽型反応器21内の触媒5の冷却(除熱)効率は、槽内の上流ほど高くなる。
【0105】
前記槽型反応器21には、その上部から、原料7、すなわち、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとが供給される。槽型反応器21内に導入されたモノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとは、槽内の触媒5によって、反応させられて、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを生成する。そして、反応生成混合物は後段の槽型反応器22に送られて、反応混合物中の未反応原料のほとんどが槽型反応器22内の触媒5によって反応させられる。
【0106】
後段の槽型反応器22から導出された反応生成混合物8の中には、そのほとんどを占めるモノ低級アルキルモノアルカノールアミン(モノマー)の他、少量の未反応原料と、副反応物であるモノ低級アルキルジアルカノールアミン(ダイマー)とが含まれるので、不図示の次工程において、蒸留法などにより、未反応原料を回収して原料用に循環させるとともに、ダイマーを分別、除去する。
【0107】
この図9に示す装置構成では、前段の槽型反応器21内に配設されている冷却管23によって、反応熱の発生量が多くなる前段の槽型反応器21内の触媒の温度上昇を抑制することができる。さらに冷却管23には冷熱媒が上流から下流に流れるので、前段の槽型反応器21内の上流部分の冷却効率がより高められているため、温度が上昇しやすい上流部分の触媒温度をより低減することができる。その結果、槽型反応器21内の触媒5の温度は、反応速度を低減せず、かつ触媒の寿命を縮めず、さらにモノマーの収率を高めるために好適な温度範囲に、容易にコントロールすることができる。前記好適な温度範囲としては、触媒としてゼオライト系触媒を用いた場合では、100℃〜130℃である。
【0108】
図9の装置構成において、図10に示すように、前段の槽型反応器21の冷却管をその上流部分が下流部分より密に布設されている反応管23aから構成しても良い。かかる形状の冷却管23aを用いることによって、槽型反応器21内の触媒5の最も温度上昇が生じやすい上流部分の温度上昇をより低減させることができる。
【0109】
(実施例6)
この実施例6のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置において、その特徴とする上流温度低減機構は、図11に示すように、触媒が充填される反応器が複数(図では2基)とされ、前段および後段の反応器が共に槽型反応器24および25から構成され、前段の槽型反応器24および後段の槽型反応器25のそれぞれ内部には、上流から下流にかけて一本構成の冷却管26および27が蛇行するように配設されていることにより、実現された上流温度低減機構106である。前段の槽型反応器24に配設されている冷却管26の布設密度は後段の槽型反応器25に配設されている冷却管27の布設密度より高くなっているので、前段の槽型反応器21内の触媒における除熱効果がより高められている。さらに冷熱媒は上流から各冷却管26および27内に導入されるので、それぞれの槽型反応器24および27において、内部の触媒5の冷却(除熱)効率は、各槽内の上流ほど高くなる。
【0110】
前段の槽型反応器24には、その上部から、原料7、すなわち、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとが供給される。槽型反応器24内に導入されたモノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとは、槽内の触媒5によって、反応させられて、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを生成する。そして、反応生成混合物は後段の槽型反応器27に送られて、反応混合物中の未反応原料のほとんどが槽型反応器27内の触媒5によって反応させられる。
【0111】
後段の槽型反応器27から導出された反応生成混合物8の中には、そのほとんどを占めるモノ低級アルキルモノアルカノールアミン(モノマー)の他、少量の未反応原料と、副反応物であるモノ低級アルキルジアルカノールアミン(ダイマー)とが含まれるので、不図示の次工程において、蒸留法などにより、未反応原料を回収して原料用に循環させるとともに、ダイマーを分別、除去する。
【0112】
この図11に示す装置構成では、前段の槽型反応器24内に配設されている冷却管26に布設密度が後段の槽型反応器25内に配設されている冷却管27の布設密度より高くなっていることによって、反応熱の発生量が多くなる前段の槽型反応器24内の触媒の温度上昇を適切に抑制することができる。さらに各冷却管26および27には冷熱媒が上流から下流に流れるので、各槽型反応器26および27内の上流部分の冷却効率がより高められているため、各槽内において温度が上昇しやすい上流部分の触媒温度をより低減することができる。その結果、槽型反応器24および25内の各触媒5の温度は、反応速度を低減せず、かつ触媒の寿命を縮めず、さらにモノマーの収率を高めるために好適な温度範囲に、容易にコントロールすることができる。前記好適な温度範囲としては、触媒としてゼオライト系触媒を用いた場合では、100℃〜130℃である。
【0113】
図11の装置構成において、図12に示すように、前段の槽型反応器24の冷却管をその上流部分が下流部分より密に布設されている反応管26aから構成しても良い。かかる形状の冷却管26aを用いることによって、前段の槽型反応器24内の触媒5の最も温度上昇が生じやすい上流部分の温度上昇をより低減させることができる。
【0114】
なお、前述の図9に示した冷却管23、図11に示した冷却管27および図12に示した冷却管27は、図6に示した冷却管20のような分岐構造の冷却管から構成しても良い。また、図10に示した冷却管23aおよび図12に示した冷却管26aは、図8に示した冷却管20aのような分岐構造の冷却管から構成しても良い。
【0115】
(実施例7)
この実施例7のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置において、その特徴とする上流温度低減機構は、図13に示すように、触媒が充填される反応器が複数(図では2基)とされ、前段および後段の反応器が共に槽型反応器28および29から構成され、前段の槽型反応器24の内部には細粒サイズ(粒径0.8〜1.5mm)の触媒5aが充填され、後段の槽型反応器25の内部には中粒サイズ(粒径0.5〜1.0mm)の触媒5bが充填されていることにより、実現された上流温度低減機構107である。前段の槽型反応器28に充填されている触媒5bの粒径が後段の槽型反応器29に充填されている触媒5aの粒径より大きくなっているので、前段の槽型反応器28内の触媒における除熱効果がより高められている。
【0116】
前段の槽型反応器28には、その上部から、原料7、すなわち、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとが供給される。槽型反応器28内に導入されたモノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとは、槽内の触媒5bによって、反応させられて、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを生成する。そして、反応生成混合物は後段の槽型反応器29に送られて、反応生成混合物中の未反応原料のほとんどが槽型反応器29内の触媒5aによって反応させられる。
【0117】
後段の槽型反応器29から導出された反応生成混合物8の中には、そのほとんどを占めるモノ低級アルキルモノアルカノールアミン(モノマー)の他、少量の未反応原料と、副反応物であるモノ低級アルキルジアルカノールアミン(ダイマー)とが含まれるので、不図示の次工程において、蒸留法などにより、未反応原料を回収して原料用に循環させるとともに、ダイマーを分別、除去する。
【0118】
この図13に示す装置構成では、前段の槽型反応器28内に充填されている触媒5bの粒径が後段の槽型反応器29内に充填されている触媒5aの粒径より大きくなっていることによって、反応熱の発生量が多くなる前段の槽型反応器28内の触媒の温度上昇を適切に抑制することができる。その結果、槽型反応器28の触媒5bの温度は、反応速度を低減せず、かつ触媒の寿命を縮めず、さらにモノマーの収率を高めるために好適な温度範囲に、容易にコントロールすることができる。前記好適な温度範囲としては、触媒としてゼオライト系触媒を用いた場合では、100℃〜130℃である。
【0119】
図13の装置構成において、図14に示すように、前段の槽型反応器28に充填する触媒5bの上流部分をさらに粒径の大きな触媒5cに置き換えても良い。かかる粒径分布の触媒充填配置とすることによって、前段の槽型反応器28内の触媒の最も温度上昇が生じやすい上流部分(触媒5c)の温度上昇をより低減させることができる。
【0120】
(実施例8)
この実施例8のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置において、その特徴とする上流温度低減機構は、図15に示すように、触媒が充填される反応器が一つの槽型反応器30から構成され、この槽型反応器30の内部には、下流側半分に細粒サイズ(粒径0.5〜1.0mm)の触媒5aが充填され、上流側半分に中粒サイズ(粒径0.8〜1.5mm)または大粒サイズ(粒径1.5〜2.0mm)の触媒5bまたは5cが充填されていることにより、実現された上流温度低減機構108である。槽型反応器30に充填されている触媒の粒径が上流側半分(触媒5bまたは5c)が下流側半分(触媒5a)より大きくなっているので、槽型反応器30内の触媒の上流における除熱効果がより高められている。
【0121】
槽型反応器30には、その上部から、原料7、すなわち、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとが供給される。槽型反応器30内に導入されたモノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとは、槽内の触媒5cおよび5bによって、反応させられて、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを生成する。
【0122】
槽型反応器30から導出された反応生成混合物8の中には、そのほとんどを占めるモノ低級アルキルモノアルカノールアミン(モノマー)の他、少量の未反応原料と、副反応物であるモノ低級アルキルジアルカノールアミン(ダイマー)とが含まれるので、不図示の次工程において、蒸留法などにより、未反応原料を回収して原料用に循環させるとともに、ダイマーを分別、除去する。
【0123】
この図15に示す装置構成では、槽型反応器30内の上流側半分に充填されている触媒5cの粒径が下流側半分に充填されている触媒5bの粒径より大きくなっていることによって、反応熱の発生量が多くなる槽型反応器30内の触媒の上流部分の温度上昇を適切に抑制することができる。その結果、槽型反応器30の触媒温度は、反応速度を低減せず、かつ触媒の寿命を縮めず、さらにモノマーの収率を高めるために好適な温度範囲に、容易にコントロールすることができる。前記好適な温度範囲としては、触媒としてゼオライト系触媒を用いた場合では、100℃〜130℃である。
【0124】
なお、前述の図1〜12に示した装置構成に、前記実施例7、8に示した触媒の粒径制御による上流温度低減機構を組み合わせても良い。それによって、さらにきめの細かい温度低減コントロールを実現することができる。
【0125】
本発明において、触媒の除熱を行うために用いられる冷熱媒として、原料モノ低級アルキルアミンを用いてもよい。原料モノ低級アルキルアミンを冷熱媒として用いることにより装置全体の消費エネルギーを節約することができる。
【産業上の利用可能性】
【0126】
以上説明したように、本発明にかかるモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法及び装置は、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを効率よく高い収率で連続的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明にかかるモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置の実施例1を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す実施例1の変形例を示す概略構成図である。
【図3】本発明にかかるモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置の実施例2を示す概略構成図である。
【図4】本発明にかかるモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置の実施例3を示す概略構成図である。
【図5】本発明にかかるモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置の実施例4を示す概略構成図である。
【図6】図5に示す実施例4の変形例を示す概略構成図である。
【図7】図5に示す実施例4の他の変形例を示す概略構成図である。
【図8】図6に示す実施例1の変形例の変形例を示す概略構成図である。
【図9】本発明にかかるモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置の実施例5を示す概略構成図である。
【図10】図9に示す実施例5の変形例を示す概略構成図である。
【図11】本発明にかかるモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置の実施例6を示す概略構成図である。
【図12】図11に示す実施例6の変形例を示す概略構成図である。
【図13】本発明にかかるモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置の実施例7を示す概略構成図である。
【図14】図13に示す実施例7の変形例を示す概略構成図である。
【図15】本発明にかかるモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置の実施例8を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0128】
1,12,13 管型反応器
2,9,18,21,22,24,25,28,29,30 槽型反応器
3,4,11,16,17 冷却ジャケット
5,5a,5b,5c 触媒
6,6a,10,14,15 反応管
7 原料
8 反応生成混合物
19,19a,20,20a,23,23a,26,26a,27 冷却管
101,102,103,104,105,106,107,108 上流温度低減機構
【技術分野】
【0001】
本発明は、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法および装置に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンをモノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとの反応により得る製造方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
モノ低級アルキルアルカノールアミンは、一般的な有機合成の中間原料、例えば、カチオン系凝集剤や医農薬中間体、樹脂用エッチング液、合成繊維用の柔軟剤、腐蝕防止剤、石油精製又は石油プロセス用中和剤、分散剤など商業的需要が高い有用な化合物である。
【0003】
モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドの反応によるモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造については古くから文献等で報告されている(例えば、非特許文献1)。モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとの反応では、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンとモノ低級アルキルジアルカノールアミンとが並行して生成される。この反応において、有用なモノ低級アルキルモノアルカノールアミンを選択的に得るためには、アルキレンオキシドに対しモノ低級アルキルアミンを大過剰に使用する必要がある。そのため、この反応では、未反応のモノ低級アルキルアミンが大量に残存する。
【0004】
一方、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドの反応によるモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法としては、この反応を水の存在下で行う製造方法が広く知られている。しかし、この方法には、精製系で大量の水を蒸留除去するために大きな熱負荷が必要であるという問題があった。
【0005】
特許文献1には、モノメチルアミンとエチレンオキシドからモノメチルアミノエタノールを製造する方法が開示されている。特許文献1に記載の方法では、アミン回収系の蒸留塔に粗液をアルコールと混合後、または別ラインで粗液とアルコールを仕込むことによって、未反応のモノメチルアミンを回収している。しかし、この方法では、モノメチルアミンを回収するために、アルコールと混合する必要があり、また、モノメチルアミンを再利用するためには、更なる蒸留塔が必要である等、工程が煩雑であり、しかも、設備費が高くなるという問題があった。
【0006】
これに対して、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとの反応からモノ低級アルキルモノアルカノールアミンを製造に際して、水の存在下で反応させることによる熱負荷の問題なく、選択性よくモノ低級アルキルモノアルカノールアミンを得る技術が提供されている(特許文献2)。
【0007】
前記特許文献2に記載の技術の特徴は、触媒として水を使用せずに、結晶性メタロシリケートもしくは層状粘土化合物からなる触媒を用いる点にある。すなわち、特許文献2に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法は、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとを反応させてモノ低級アルキルモノアルカノールアミンを製造する方法であって、結晶性メタロシリケートもしくは層状粘土化合物からなる触媒の存在下で上記反応を行うことを特徴とする。また、この特許文献2に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置は、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとからモノ低級アルキルモノアルカノールアミンを製造するための装置であって、少なくとも、触媒が充填され、かつモノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとの反応を行うための反応部;前記反応部から排出された反応生成混合物からモノ低級アルキルアミンを回収するための回収手段;ならびに前記回収されたモノ低級アルキルアミンを原料モノ低級アルキルアミンに合流させるための循環手段を有することを特徴とする。
【0008】
この特許文献2に記載の技術は、反応に水を用いないので、熱負荷の問題なく、選択性よくモノ低級アルキルモノアルカノールアミンを得ることができる大変優れた技術である。
【0009】
【非特許文献1】小田良平、寺村一広、「界面活性剤」、槇書店、1965年、p.262〜263
【特許文献1】特開平8−333310号公報
【特許文献2】特開2004−275933号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述のように、特許文献2に記載の技術は、反応に水を用いないので、熱負荷の問題なく、選択性よくモノ低級アルキルモノアルカノールアミンを得ることができる大変優れた技術である。しかしながら、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンをより大量に、かつ経済的に製造することを考えた場合、連続的に製造するとともに、その収率をさらに向上させることが要望される。そして、そのためのより効率的な製造方法および装置が提供されることが要望される。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その課題は、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンの収率のより高い製造方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するための本発明の第1の発明は、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとを結晶性メタロシリケートまたは/および層状粘土化合物を含む触媒の存在下で反応させることにより、製造する方法において、前記触媒の存在下における反応ゾーンの冷却を該反応ゾーンの上流部分における温度上昇をより低減させることにより行うことを特徴とすることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0013】
第2の発明は、第1の発明において、前記反応ゾーンを複数の反応器から構成し、前段の反応器を冷却効率の高い管型反応器から構成するとともに、後段の反応器を触媒充填量の多い槽型反応器から構成することにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0014】
第3の発明は、第2の発明において、前記前段の管型反応器の反応管の管径を上流部分より下流部分が大きくなるように形成することにより前段の反応器内部の上流部分の冷却効率をより高めることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0015】
第4の発明は、第1の発明において、前記反応ゾーンを一つの管型反応器から構成し、該管型反応器の反応管の管径を上流部分より下流部分が大きくなるように形成することにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0016】
第5の発明は、第1の発明において、前記反応ゾーンを複数の管型反応器から構成し、前段の管型反応器の反応管の管径を後段の管型反応器の反応管の管径よりも小さくするとともに、前段の反応器の反応管設置本数を後段の反応器の反応管設置本数より増加させることにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0017】
第6の発明は、第1の発明において、前記反応ゾーンを一つの槽型反応器から構成し、前記槽型反応器内に冷媒が上流から下流に流れる冷却管を布設することにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0018】
第7の発明は、第6の発明において、前記一つの槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度を上流部分が下流部分より密にすることにより、さらに前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0019】
第8の発明は、第1の発明において、前記反応ゾーンを複数の槽型反応器から構成し、前段の槽型反応器内に冷媒が上流から下流に流れる冷却管を布設することにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0020】
第9の発明は、第8の発明において、前記前段の槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度を上流部分が下流部分より密にすることにより、前段の反応器内部の上流部分の冷却効率をより高めることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0021】
第10の発明は、第1の発明において、前記反応ゾーンを内部に冷媒が上流から下流に流れる冷却管を布設した複数の槽型反応器から構成し、前段の槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度を後段の反応器内に布設した冷却管の布設密度より密にすることにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0022】
第11の発明は、第10の発明において、前記前段の槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度を上流部分が下流部分より密にすることにより、前段の反応器内部の上流部分の冷却効率をより高めることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0023】
第12の発明は、第1の発明において、前記反応ゾーンを複数の反応器から構成し、前段の反応器に充填する触媒の粒径を後段の反応器に充填する触媒の粒径より大きくすることにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0024】
第13の発明は、第12の発明において、前記前段の反応器内に充填する触媒の粒径を上流部分が下流部分より大きくすることにより、前段の反応器内部の上流部分の冷却効率をより高めることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0025】
第14の発明は、第1の発明において、前記反応ゾーンを一つの反応器から構成し、該反応器内に充填する触媒の粒径を上流部分が下流部分より大きくすることにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0026】
第15の発明は、第1〜第14のいずれか一つの発明において、前記結晶性メタロシリケートを含む触媒がさらに層状粘土化合物を含むことを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0027】
第16の発明は、第15の発明において、前記結晶性メタロシリケートと層状粘土化合物との混合比(質量比)が、5:95〜50:50であることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0028】
第17の発明は、第1〜第16のいずれか一つの発明において、前記結晶性メタロシリケートが、Al、Ga、Fe、B、Zn、P、Ge、Zr、Ti、Cr、Be、V、およびAsからなる群から選ばれる金属元素Mの少なくとも一種を含むことを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0029】
第18の発明は、第17の発明において、前記結晶性メタロシリケートは、Siと金属元素Mとの比が、酸化物基準で、Si/M=5〜1000であることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0030】
第19の発明は、第18の発明において、前記Siと金属元素Mとの比が、酸化物基準で、Si/M=10〜500であることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0031】
第20の発明は、第1〜第19のいずれか一つの発明において、前記結晶性メタロシリケートは、MOR構造、MFI構造および/またはMEL構造を有することを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0032】
第21の発明は、第1〜第20のいずれか一つの発明において、前記結晶性メタロシリケートは、結晶性アルミノシリケートであることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0033】
第22の発明は、第21の発明において、前記結晶性アルミノシリケートは、ゼオライトであることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0034】
第23の発明は、第1、第15または第16の発明において、前記層状粘土化合物が、酸性白土または活性白土であることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法にある。
【0035】
第24の発明は、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとを結晶性メタロシリケートまたは/および層状粘土化合物を含む触媒を用いて反応させることにより、製造する装置であって、前記触媒の上流部分における温度上昇をより低減させる上流温度低減機構を有することを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0036】
第25の発明は、第24の発明において、前記触媒が充填される反応器が複数とされ、前段の反応器が冷却効率の高い管型反応器から構成されるとともに、後段の反応器が触媒充填量の多い槽型反応器から構成されることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0037】
第26の発明は、第25の発明において、前記前段の管型反応器の反応管の管径が上流部分より下流部分が大きく形成されていることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0038】
第27の発明は、第24の発明において、前記触媒が充填される反応器が一つの管型反応器から構成され、該管型反応器の反応管の管径が上流部分より下流部分が大きく形成されることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0039】
第28の発明は、第24の発明において、前記触媒が充填される反応器が複数の管型反応器から構成され、前段の管型反応器の反応管の管径が後段の管型反応器の反応管の管径よりも小さく形成され、前段の反応器の反応管設置本数が後段の反応器の反応管設置本数より増加されることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0040】
第29の発明は、第24の発明において、前記触媒が充填される反応器が一つの槽型反応器から構成され、前記槽型反応器内に冷媒が上流から下流に流れる冷却管が布設されることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0041】
第30の発明は、第29の発明において、前記一つの槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度が下流部分より上流部分が密にされていることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0042】
第31の発明は、第24の発明において、前記触媒が充填される反応器が複数の槽型反応器から構成され、前段の槽型反応器内に冷媒が上流から下流に流れる冷却管が布設されることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0043】
第32の発明は、第31の発明において、前記前段の槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度が下流部分より上流部分が密にされていることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0044】
第33の発明は、第24の発明において、前記触媒が充填される反応器が内部に冷媒が上流から下流に流れる冷却管を布設した複数の槽型反応器から構成され、前段の槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度が後段の反応器内に布設した冷却管の布設密度より密にされることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0045】
第34の発明は、第33の発明において、前記前段の槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度が下流部分より上流部分が密にされていることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0046】
第35の発明は、第24の発明において、前記触媒が充填される反応器が複数の反応器から構成され、前段の反応器に充填する触媒の粒径が後段の反応器に充填する触媒の粒径より大きくされることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0047】
第36の発明は、第35の発明において、前記前段の反応器内に充填する触媒の粒径が下流部分より上流部分が大きくされていることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0048】
第37の発明は、第24の発明において、前記触媒が充填される反応器が一つの反応器から構成され、該反応器内に充填する触媒の粒径が下流部分より上流部分が大きくされることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0049】
第38の発明は、第24〜第37のいずれか一つの発明において、前記結晶性メタロシリケートを含む触媒がさらに層状粘土化合物を含むことを特徴とする記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0050】
第39の発明は、第38の発明において、前記結晶性メタロシリケートと層状粘土化合物との混合比(質量比)が、5:95〜50:50であることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0051】
第40の発明は、第24〜第39のいずれか一つの発明において、前記結晶性メタロシリケートが、Al、Ga、Fe、B、Zn、P、Ge、Zr、Ti、Cr、Be、V、およびAsからなる群から選ばれる金属元素Mの少なくとも一種を含むことを特徴とする記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0052】
第41の発明は、第40の発明において、前記結晶性メタロシリケートは、Siと金属元素Mとの比が、酸化物基準で、Si/M=5〜1000であることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0053】
第42の発明は、第41の発明において、前記Siと金属元素Mとの比が、酸化物基準で、Si/M=10〜500であることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0054】
第43の発明は、第24〜第42のいずれか一つの発明において、前記結晶性メタロシリケートは、MOR構造、MFI構造および/またはMEL構造を有することを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0055】
第44の発明は、第24〜第43のいずれか一つの発明において、前記結晶性メタロシリケートは、結晶性アルミノシリケートであることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0056】
第45の発明は、第44の発明において、前記結晶性アルミノシリケートは、ゼオライトであることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【0057】
第46の発明は、第24、38または39の発明において、前記層状粘土化合物が、酸性白土または活性白土であることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置にある。
【発明の効果】
【0058】
前記構成の本発明によれば、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンの収率の高い製造方法および装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0059】
以下、本発明の構成をさらに詳しく説明するとともに、代表的な実施の形態を説明する。
【0060】
(使用触媒)
本発明において、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンをモノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとを反応させて製造するために用いる触媒としては、結晶性メタロシリケートを挙げることができる。
【0061】
本発明では、結晶性メタロシリケートとして、例えば、Al、Ga、Fe、B、Zn、P、Ge、Zr、Ti、Cr、Be、V、およびAsからなる群から選ばれる金属元素の少なくとも一種を含むものを用いることができ、中でも、Alおよび/またはGaを含むものを用いることが好ましく、特に、Alを含むものを用いることが好ましい。具体的には、結晶性アルミノシリケートを用いることが好ましく、中でも、ゼオライトを用いることが好ましい。結晶性メタロシリケートは、いわゆる水熱合成法やドライゲル法などの公知の方法によって調製されたものを用いることができる。
【0062】
本発明において使用される結晶性メタロシリケートにおいて、Siと金属元素Mとの比は、酸化物基準で、Si/M(ここでMは金属元素を表す)=5〜1000であることが好ましく、より好ましくは10〜500である。Siと金属元素Mとの比が上記範囲内であれば、モノ低級アルキルジアルカノールアミン(以下、「ジ型」ともいう)に対してモノ低級アルキルモノアルカノールアミン(以下、「モノ型」ともいう)を選択性よく得ることができる。
【0063】
メタロシリケートの種類としては、国際ゼオライト学会の構造を示すフレームワークトポロジーコードで表すと、MFI、MEL、BEA、MOR、MTW、TON、FAUなどが挙げられる。中でも、本発明では、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンの選択的合成の面から、MOR構造、MFI構造および/またはMEL構造を有するものを用いることが好ましい。MFIとMELは構造が良く似ており、インターグロースが起こって一つの結晶の中に両方の構造を含む場合があるが、本発明ではいずれも使用することができる。
【0064】
MFI構造を有するメタロシリケートとしては、合成ゼオライトとして知られるZSM−5が挙げられる。ZSMとは、開発した会社の名に由来したZeolite of Socony Mobilの略である。またMEL構造を有するものとしては、同じく合成ゼオライトとして知られるZSM−11が挙げられる。本発明では、ゼオライトを用いることが好ましく、特に、ZSM−5を用いることが好ましい。
【0065】
一般に、結晶性メタロシリケートは、陽イオンとして、プロトンやアンモニウムイオンなどを含有する。そのような陽イオンとしては、例えば、H+、NH4+、Na+、K+、Ca2+、La3+等を挙げることができ、陽イオンの種類によって、プロトン型、アンモニウムイオン型等と呼ばれる。本発明では、いずれのタイプのものも用いることができ、中でも好ましいものは、NH4+、H+、Na+を含有するものであり、特に好ましいものは、NH4+、H+を含有するものである。
【0066】
本発明では、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとを反応させてモノ低級アルキルモノアルカノールアミンを製造するために用いる触媒として、層状粘土化合物を挙げることもできる。ここで、「層状粘土化合物」とは、層状粘土鉱物を含む粘土をいい、層状粘土鉱物としては、カオリン鉱物、雲母粘土鉱物、スメクタイト(モンモリロナイト)の3種類および混合層鉱物を挙げることができる。これらを含む粘土はイオン交換性、吸着性、触媒能、複合体形成能、膨潤性など特異的な性質を有している。これらの化学的活性を表面活性と言い、この性質を持つ層状粘土化合物としては、スメクタイトを主成分鉱物として含有する、ベントナイト、酸性白土などと呼ばれる層状粘土化合物を挙げることができる。また層状粘土化合物は、それを構成する結晶性ケイ酸塩におけるケイ酸四面体の層の重なり方とその層内の原子の種類や配置などによって、ハイロサイト、カオリナイト、スメクタイト、バーミキュライト、クロライト等に分類される。
【0067】
本発明において使用される触媒として好適な層状粘土化合物としては、酸性白土、Caベントナイト及びハイロサイトが挙げられ、さらにこれらを酸処理することにより吸着能・脱色能・触媒能等の性能を向上させた活性白土が挙げられる。選択性の点で特に好適な層状粘土化合物は酸性白土である。
【0068】
前記層状粘土化合物は、そのまま触媒として用いることもできるが、選択性の面からは、乾燥処理して用いることが好ましい。乾燥処理は、重量減少が一定になるまで行うことが好ましく、通常、重量が5〜10%程度減少するまで行うことができ、例えば、50〜200℃で0.5〜24時間程度行うことができる。
【0069】
本発明では、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとの反応において、上記の結晶性メタロシリケートと層状粘土化合物を含む触媒を用いることもできる。結晶性メタロシリケートと層状粘土化合物との混合比(質量比)は、5:95〜50:50であることが好ましく、より好ましくは、5:95〜30:70である。両成分の混合比が上記範囲内であれば、それぞれを単独で用いる場合に比べて、より高い選択性でモノ低級アルキルモノアルカノールアミンを製造することができる。また、一般に、結晶性メタロシリケートは、層状粘土化合物に比べて高価であるため、コスト面からは、所望の選択性が得られる範囲で、結晶性メタロシリケートの割合を少なくすることが好ましい。
【0070】
本発明において、結晶性メタロシリケートと層状粘土化合物を含む触媒を用いる場合、両者の組み合わせに特に制限はないが、好適な組み合わせとして、ゼオライトと酸性白土、ゼオライトと活性白土、ゼオライトと酸性白土および活性白土が挙げられる。特に好適な組み合わせとしては、ゼオライトと酸性白土が挙げられる。
【0071】
前記触媒は、そのまま使用することができるが、使用に際して適当な大きさや硬さに成形してもよい。必要であれば、シリカゾルなどの各種酸化物ゾルや粘土鉱物類などの助剤またはバインダーを用いて成形してもよい。
【0072】
本発明で使用するモノ低級アルキルアミンに特に制限はないが、モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノn−プロピルアミン、モノイソプロピルアミン、モノn−ブチルアミン、モノイソブチルアミン、モノsec−ブチルアミン、モノt−ブチルアミン、モノn−ペンチルアミン、イソペンチルアミン、モノn−ヘキシルアミンなどの1乃至6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状モノアルキルアミンを用いることができ、好適にはモノメチルアミン、モノエチルアミン、モノn−プロピルアミン、モノイソプロピルアミン、モノn−ブチルアミン、モノイソブチルアミン、モノt−ブチルアミンを用いることができ、特に好適にはモノメチルアミン、モノエチルアミン、モノn−プロピルアミン、モノイソプロピルアミン、モノn−ブチルアミンを用いることができる。
【0073】
本発明で使用するアルキレンオキシドに特に制限はないが、好適にはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどの2乃至4個の炭素原子を有するアルキレンオキシドを用いることができ、特に好適にはエチレンオキシド及びプロピレンオキシドを用いることができる。
【0074】
モノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造は、例えば、40乃至300℃の温度範囲で行うことができる。好適な温度範囲は50乃至200℃であり、特に好適な温度範囲は50乃至150℃である。操作圧力は、例えば0.1乃至20MPaとすることができ、好ましくは0.1乃至15MPaであり、特に好適には3.0乃至10MPaである。 モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドの使用量および触媒の使用量は、反応条件等に応じて適宜設定することができる。モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとの反応によってモノ型を選択的に得るためには、アルキレンオキシドに対してモノ低級アルキルアミンを過剰量使用する必要があり、例えば、モル基準で1.5〜20倍の量で用いることができ、特に、2〜10倍の量で用いることが好ましい。
【0075】
本発明のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置は、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとを結晶性メタロシリケートまたは/および層状粘土化合物を含む触媒の存在下で反応させることにより、製造する装置である。この製造装置の特徴構成は、前記触媒の上流部分における温度上昇をより低減させる上流温度低減機構を有する点にある。この上流温度低減機構を実現するための様々な構成については、以下に示す実施例において説明する。
【実施例】
【0076】
前述のように、本発明のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置は、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとを結晶性メタロシリケートまたは/および層状粘土化合物を含む触媒の存在下で反応させることにより、製造する装置において、前記触媒の上流部分における温度上昇をより低減させる上流温度低減機構を有する点に特徴がある。
【0077】
(実施例1)
本実施例のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置において、その特徴とする上流温度低減機構は、図1に示すように、触媒が充填される反応器が複数(図では2基)とされ、前段の反応器が冷却効率の高い管型反応器1から構成されるとともに、後段の反応器が触媒充填量の多い槽型反応器2から構成されることにより、実現された上流温度低減機構101である。
【0078】
前記管型反応器1および槽型反応器2には、それぞれ好ましくは内装冷却ジャケット3及び外装ジャケット4が取り付けられており、冷熱媒によって内部の触媒5を冷却できるようになっている。前記管型反応器1は図示では煩雑にならないように1本に描かれているが、複数本の反応管6から構成されている。これら反応管6の具体的な管径、管長、設置本数としては、例えば、内径30mm×長さ8000mm、60本である。一方の槽型反応器2には区画が無く、内容積の全部に触媒5が充填されており、前記管型反応器1への触媒充填量を大幅に上回る充填量の触媒5が収納されている。
【0079】
前記管型反応器1には、その上部から、原料7、すなわち、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとが供給される。管型反応器1内に導入されたモノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとは、各反応管6内の触媒5によって、反応させられて、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを生成する。この管型反応器1の触媒充填量は比較的少ないので、供給原料の全量の反応は実現できずに、未反応原料が残る。その未反応分は下流の槽型反応器2において反応される。この槽型反応器2の触媒量は充分に確保されているので、未反応原料のほとんどが反応させられる。
【0080】
前記槽型反応器2から導出された反応生成混合物8の中には、そのほとんどを占めるモノ低級アルキルモノアルカノールアミン(モノマー)の他、少量の未反応原料と、副反応物であるモノ低級アルキルジアルカノールアミン(ダイマー)とが含まれるので、不図示の次工程において、蒸留法などにより、未反応原料を回収して原料用に循環させるとともに、ダイマーを分別、除去する。
【0081】
触媒5によって反応を起こされるモノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとの反応は、発熱反応であり、発熱量は比較的に大きい。したがって、反応によって生じる熱を冷却しないままにすると、反応速度が落ちるばかりでなく、触媒5の早期劣化を引き起こすことになる。この発熱は原料濃度が高ければ高いほど大量に発生するので、触媒の上流における発熱が顕著になり、上流の触媒ほど劣化が早くなる。しかし、触媒の温度を極端に低くすると、そもそもの反応が起こりにくくなる。そこで触媒の劣化を防ぎ、反応速度も充分に挙げることのできる温度範囲に触媒の温度をコントロールすることが重要になる。
【0082】
また、前述にように、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとの反応では、副生成物としてモノ低級アルキルジアルカノールアミン(ダイマー)が生じるので、このダイマーの生成量によって、目的物であるモノ低級アルキルモノアルカノールアミン(モノマー)の収率が左右される。モノマーの収率は低温ほど高くなり、原料のアルキルオキシドの反応率は高温ほど高くなる。かかる観点からも、反応環境温度、換言すれば触媒温度を、最適な範囲にコントロールする必要がある。
【0083】
前述の温度コントロールの要請に対して、図1に示す装置構成では、前段の反応器が触媒冷却効率の高い管型反応器1から構成されているため、触媒5の温度は、反応速度を低減せず、かつ触媒の寿命を縮めず、さらにモノマーの収率を高めるために好適な温度範囲に、容易にコントロールすることができる。前記好適な温度範囲としては、触媒としてゼオライト系触媒を用いた場合では、100℃〜130℃である。
【0084】
また、前述のように、前段の管型反応器1に供給される原料濃度は、後段の槽型反応器2に供給される原料濃度より高いので、全体としてのモノマー収率を考えた場合、前段の管型反応器1における反応率を、一方の原料であるアルキルオキシドを基準として、50〜70%に、後段の槽型反応器2における同反応率を50〜30%することが好ましい。また、これら反応率に制御することにより、モノマーの収率を充分な値とした場合、後段の槽型反応器2から導出される反応生成混合物7中の原料アルキルオキシドの残存濃度は、500ppm以下に制御される。
【0085】
図1の装置構成において、図2に示すように、前段の管型反応器1の反応管をその管径が上流部分より下流部分が大きく形成されている反応管6aから構成しても良い。かかる形状の反応管6aを用いることによって、管型反応器1内の触媒5の最も温度上昇が生じやすい上流部分の温度上昇をより低減させることができる。
【0086】
(実施例2)
この実施例2のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置の特徴構成である上流温度低減機構102は、図3に示すように、触媒が充填される反応器が一つの管型反応器9から構成され、該管型反応器9の反応管10の管径が上流部分より下流部分が大きく形成されることにより、実現されている。
【0087】
前記管型反応器9には、好ましくは内装冷却ジャケット11が取り付けられており、冷熱媒によって内部の触媒5を冷却できるようになっている。また、この管型反応器9は図示では煩雑にならないように1本に描かれているが、複数本の反応管9から構成されている。これら反応管9の具体的な管径、管長、設置本数としては、例えば、上流部分の内径20mm×下流部分の内径40mm×長さ4500mm、275本である。
【0088】
前記管型反応器9には、その上部から、原料7、すなわち、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとが供給される。管型反応器9内に導入されたモノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとは、各反応管10内の触媒5によって、反応させられて、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを生成する。各反応管10の狭隘な上流部分の触媒充填量は比較的少ないので、供給原料の全量の反応は実現できずに、未反応原料が残る。その未反応分は管径の大きな下流部分において反応される。下流部分の触媒量は充分に確保されているので、未反応原料のほとんどが反応させられる。
【0089】
前記管型反応器9から導出された反応生成混合物8の中には、そのほとんどを占めるモノ低級アルキルモノアルカノールアミン(モノマー)の他、少量の未反応原料と、副反応物であるモノ低級アルキルジアルカノールアミン(ダイマー)とが含まれるので、不図示の次工程において、蒸留法などにより、未反応原料を回収して原料用に循環させるとともに、ダイマーを分別、除去する。
【0090】
この図3に示す装置構成では、管型反応器9内に設置されている複数本の反応管10の上流部分が細く形成されて冷却効率が高められているため、温度が上昇しやすい上流部分の触媒温度をより低減することができる。その結果、管型反応器9内の触媒5の温度は、反応速度を低減せず、かつ触媒の寿命を縮めず、さらにモノマーの収率を高めるために好適な温度範囲に、容易にコントロールすることができる。前記好適な温度範囲としては、触媒としてゼオライト系触媒を用いた場合では、100℃〜130℃である。
【0091】
(実施例3)
この実施例3のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置において、その特徴とする上流温度低減機構は、図4に示すように、触媒が充填される反応器が複数(図では2基)とされ、前段の反応器が冷却効率の高い管型反応器12から構成されるとともに、後段の反応器が同じく冷却効率が高い管型反応器13から構成されることにより、実現された上流温度低減機構103である。前段の管型反応器12および後段の管型反応器13には、それぞれ複数の反応管14および15が設けられている。前段の管型反応器12内の反応管14の管径は、後段の管型反応器13内の反応管15の管径より小さく形成されており、それに応じて、前段の管型反応器12内の反応管14の設置本数は、後段の管型反応器13内の反応管15の設置本数より多くなっている。
【0092】
前段の管型反応器12内の反応管14の具体的な管径、管長、設置本数としては、例えば、内径20mm×長さ3600mm、275本であり、後段の管型反応器13内の反応管15の具体的な管径、管長、設置本数としては、例えば、内径40mm×長さ3600mm、69本である。そのため、前段の管型反応器12は、後段の反応器13に比べての冷却(除熱)性能が高くなり、それに対応して、後段の管型反応器13では触媒15の充填量が多くなっている。
【0093】
前段の管型反応器12および後段の管型反応器13には、それぞれ好ましくは内装冷却ジャケット16および17が取り付けられており、冷熱媒によって内部の触媒5を冷却できるようになっている。
【0094】
前段の管型反応器12には、その上部から、原料7、すなわち、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとが供給される。管型反応器12内に導入されたモノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとは、各反応管14内の触媒5によって、反応させられて、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを生成する。この管型反応器12の触媒充填量は比較的少ないので、供給原料の全量の反応は実現できずに、未反応原料が残る。その未反応分は後段の管型反応器13において反応される。この管型反応器13の触媒量は比較的多くなっているので、未反応原料のほとんどが反応させられる。
【0095】
前記槽型反応器13から導出された反応生成混合物8の中には、そのほとんどを占めるモノ低級アルキルモノアルカノールアミン(モノマー)の他、少量の未反応原料と、副反応物であるモノ低級アルキルジアルカノールアミン(ダイマー)とが含まれるので、不図示の次工程において、蒸留法などにより、未反応原料を回収して原料用に循環させるとともに、ダイマーを分別、除去する。
【0096】
この図4に示す装置構成では、前段の管型反応器12内に設置されている複数本の反応管14が後段の管型反応管13内に設置されている反応管15より細く形成されて冷却効率が高められているため、温度が上昇しやすい前端の触媒温度をより低減することができる。その結果、前段の管型反応器12内の触媒5の温度は、反応速度を低減せず、かつ触媒の寿命を縮めず、さらにモノマーの収率を高めるために好適な温度範囲に、容易にコントロールすることができる。前記好適な温度範囲としては、触媒としてゼオライト系触媒を用いた場合では、100℃〜130℃である。
【0097】
(実施例4)
この実施例4のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置の特徴構成である上流温度低減機構104は、図5に示すように、触媒が充填される反応器が一つの槽型反応器18から構成され、該槽型反応器18の内部には、上流から下流にかけて一本構成の冷却管19が蛇行するように配設されており、冷熱媒によって内部の触媒5を上流から下流にかけて冷却できるようになっている。冷熱媒は上流から冷却管19内に導入されるので、触媒の冷却(除熱)効率は、上流ほど高くなる。
【0098】
前記槽型反応器18には、その上部から、原料7、すなわち、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとが供給される。槽型反応器18内に導入されたモノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとは、槽内の触媒5によって、反応させられて、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを生成する。反応器18は槽型であるため、充分量の触媒5が充填されており、そのため原料のほとんどが反応させられる。
【0099】
前記槽型反応器18から導出された反応生成混合物8の中には、そのほとんどを占めるモノ低級アルキルモノアルカノールアミン(モノマー)の他、少量の未反応原料と、副反応物であるモノ低級アルキルジアルカノールアミン(ダイマー)とが含まれるので、不図示の次工程において、蒸留法などにより、未反応原料を回収して原料用に循環させるとともに、ダイマーを分別、除去する。
【0100】
この図5に示す装置構成では、槽型反応器18内に配設されている冷却管19が冷熱媒を上流から下流に流すので、上流部分の冷却効率がより高められているため、温度が上昇しやすい上流部分の触媒温度をより低減することができる。その結果、槽型反応器18内の触媒5の温度は、反応速度を低減せず、かつ触媒の寿命を縮めず、さらにモノマーの収率を高めるために好適な温度範囲に、容易にコントロールすることができる。前記好適な温度範囲としては、触媒としてゼオライト系触媒を用いた場合では、100℃〜130℃である。
【0101】
図5の装置構成において、図6に示すように、槽型反応器18の内部に配設する冷却管を槽内で並列に分岐して上流から下流に流れる構造の反応管20から構成しても良い。かかる形状の冷却管20を用いても、図5に示した冷却管19を設けた場合と同様の作用および効果を得ることができる。
【0102】
図5の装置構成において、図7に示すように、槽型反応器18の冷却管をその上流部分が下流部分より密に布設されている反応管19aから構成しても良い。かかる形状の冷却管19aを用いることによって、槽型反応器18内の触媒5の最も温度上昇が生じやすい上流部分の温度上昇をより低減させることができる。
【0103】
図6の装置構成において、図8に示すように、槽型反応器18の冷却管をその上流部分が下流部分より密に布設されている(換言すれば、多数に分岐されている)反応管20aから構成しても良い。かかる形状の冷却管20aを用いることによって、槽型反応器18内の触媒5の最も温度上昇が生じやすい上流部分のさらに上流部分の温度上昇をより低減させることができる。
【0104】
(実施例5)
この実施例5のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置において、その特徴とする上流温度低減機構は、図9に示すように、触媒が充填される反応器が複数(図では2基)とされ、前段および後段の反応器が共に槽型反応器21および22から構成され、前段の槽型反応器21の内部には、上流から下流にかけて一本構成の冷却管23が蛇行するように配設されていることにより、実現された上流温度低減機構105である。前段の槽型反応器21には冷却管23が配設されているので、前段の槽型反応器21内の触媒における除熱効果が高められており、さらに冷熱媒は上流から冷却管19内に導入されるので、前段の槽型反応器21内の触媒5の冷却(除熱)効率は、槽内の上流ほど高くなる。
【0105】
前記槽型反応器21には、その上部から、原料7、すなわち、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとが供給される。槽型反応器21内に導入されたモノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとは、槽内の触媒5によって、反応させられて、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを生成する。そして、反応生成混合物は後段の槽型反応器22に送られて、反応混合物中の未反応原料のほとんどが槽型反応器22内の触媒5によって反応させられる。
【0106】
後段の槽型反応器22から導出された反応生成混合物8の中には、そのほとんどを占めるモノ低級アルキルモノアルカノールアミン(モノマー)の他、少量の未反応原料と、副反応物であるモノ低級アルキルジアルカノールアミン(ダイマー)とが含まれるので、不図示の次工程において、蒸留法などにより、未反応原料を回収して原料用に循環させるとともに、ダイマーを分別、除去する。
【0107】
この図9に示す装置構成では、前段の槽型反応器21内に配設されている冷却管23によって、反応熱の発生量が多くなる前段の槽型反応器21内の触媒の温度上昇を抑制することができる。さらに冷却管23には冷熱媒が上流から下流に流れるので、前段の槽型反応器21内の上流部分の冷却効率がより高められているため、温度が上昇しやすい上流部分の触媒温度をより低減することができる。その結果、槽型反応器21内の触媒5の温度は、反応速度を低減せず、かつ触媒の寿命を縮めず、さらにモノマーの収率を高めるために好適な温度範囲に、容易にコントロールすることができる。前記好適な温度範囲としては、触媒としてゼオライト系触媒を用いた場合では、100℃〜130℃である。
【0108】
図9の装置構成において、図10に示すように、前段の槽型反応器21の冷却管をその上流部分が下流部分より密に布設されている反応管23aから構成しても良い。かかる形状の冷却管23aを用いることによって、槽型反応器21内の触媒5の最も温度上昇が生じやすい上流部分の温度上昇をより低減させることができる。
【0109】
(実施例6)
この実施例6のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置において、その特徴とする上流温度低減機構は、図11に示すように、触媒が充填される反応器が複数(図では2基)とされ、前段および後段の反応器が共に槽型反応器24および25から構成され、前段の槽型反応器24および後段の槽型反応器25のそれぞれ内部には、上流から下流にかけて一本構成の冷却管26および27が蛇行するように配設されていることにより、実現された上流温度低減機構106である。前段の槽型反応器24に配設されている冷却管26の布設密度は後段の槽型反応器25に配設されている冷却管27の布設密度より高くなっているので、前段の槽型反応器21内の触媒における除熱効果がより高められている。さらに冷熱媒は上流から各冷却管26および27内に導入されるので、それぞれの槽型反応器24および27において、内部の触媒5の冷却(除熱)効率は、各槽内の上流ほど高くなる。
【0110】
前段の槽型反応器24には、その上部から、原料7、すなわち、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとが供給される。槽型反応器24内に導入されたモノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとは、槽内の触媒5によって、反応させられて、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを生成する。そして、反応生成混合物は後段の槽型反応器27に送られて、反応混合物中の未反応原料のほとんどが槽型反応器27内の触媒5によって反応させられる。
【0111】
後段の槽型反応器27から導出された反応生成混合物8の中には、そのほとんどを占めるモノ低級アルキルモノアルカノールアミン(モノマー)の他、少量の未反応原料と、副反応物であるモノ低級アルキルジアルカノールアミン(ダイマー)とが含まれるので、不図示の次工程において、蒸留法などにより、未反応原料を回収して原料用に循環させるとともに、ダイマーを分別、除去する。
【0112】
この図11に示す装置構成では、前段の槽型反応器24内に配設されている冷却管26に布設密度が後段の槽型反応器25内に配設されている冷却管27の布設密度より高くなっていることによって、反応熱の発生量が多くなる前段の槽型反応器24内の触媒の温度上昇を適切に抑制することができる。さらに各冷却管26および27には冷熱媒が上流から下流に流れるので、各槽型反応器26および27内の上流部分の冷却効率がより高められているため、各槽内において温度が上昇しやすい上流部分の触媒温度をより低減することができる。その結果、槽型反応器24および25内の各触媒5の温度は、反応速度を低減せず、かつ触媒の寿命を縮めず、さらにモノマーの収率を高めるために好適な温度範囲に、容易にコントロールすることができる。前記好適な温度範囲としては、触媒としてゼオライト系触媒を用いた場合では、100℃〜130℃である。
【0113】
図11の装置構成において、図12に示すように、前段の槽型反応器24の冷却管をその上流部分が下流部分より密に布設されている反応管26aから構成しても良い。かかる形状の冷却管26aを用いることによって、前段の槽型反応器24内の触媒5の最も温度上昇が生じやすい上流部分の温度上昇をより低減させることができる。
【0114】
なお、前述の図9に示した冷却管23、図11に示した冷却管27および図12に示した冷却管27は、図6に示した冷却管20のような分岐構造の冷却管から構成しても良い。また、図10に示した冷却管23aおよび図12に示した冷却管26aは、図8に示した冷却管20aのような分岐構造の冷却管から構成しても良い。
【0115】
(実施例7)
この実施例7のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置において、その特徴とする上流温度低減機構は、図13に示すように、触媒が充填される反応器が複数(図では2基)とされ、前段および後段の反応器が共に槽型反応器28および29から構成され、前段の槽型反応器24の内部には細粒サイズ(粒径0.8〜1.5mm)の触媒5aが充填され、後段の槽型反応器25の内部には中粒サイズ(粒径0.5〜1.0mm)の触媒5bが充填されていることにより、実現された上流温度低減機構107である。前段の槽型反応器28に充填されている触媒5bの粒径が後段の槽型反応器29に充填されている触媒5aの粒径より大きくなっているので、前段の槽型反応器28内の触媒における除熱効果がより高められている。
【0116】
前段の槽型反応器28には、その上部から、原料7、すなわち、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとが供給される。槽型反応器28内に導入されたモノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとは、槽内の触媒5bによって、反応させられて、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを生成する。そして、反応生成混合物は後段の槽型反応器29に送られて、反応生成混合物中の未反応原料のほとんどが槽型反応器29内の触媒5aによって反応させられる。
【0117】
後段の槽型反応器29から導出された反応生成混合物8の中には、そのほとんどを占めるモノ低級アルキルモノアルカノールアミン(モノマー)の他、少量の未反応原料と、副反応物であるモノ低級アルキルジアルカノールアミン(ダイマー)とが含まれるので、不図示の次工程において、蒸留法などにより、未反応原料を回収して原料用に循環させるとともに、ダイマーを分別、除去する。
【0118】
この図13に示す装置構成では、前段の槽型反応器28内に充填されている触媒5bの粒径が後段の槽型反応器29内に充填されている触媒5aの粒径より大きくなっていることによって、反応熱の発生量が多くなる前段の槽型反応器28内の触媒の温度上昇を適切に抑制することができる。その結果、槽型反応器28の触媒5bの温度は、反応速度を低減せず、かつ触媒の寿命を縮めず、さらにモノマーの収率を高めるために好適な温度範囲に、容易にコントロールすることができる。前記好適な温度範囲としては、触媒としてゼオライト系触媒を用いた場合では、100℃〜130℃である。
【0119】
図13の装置構成において、図14に示すように、前段の槽型反応器28に充填する触媒5bの上流部分をさらに粒径の大きな触媒5cに置き換えても良い。かかる粒径分布の触媒充填配置とすることによって、前段の槽型反応器28内の触媒の最も温度上昇が生じやすい上流部分(触媒5c)の温度上昇をより低減させることができる。
【0120】
(実施例8)
この実施例8のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置において、その特徴とする上流温度低減機構は、図15に示すように、触媒が充填される反応器が一つの槽型反応器30から構成され、この槽型反応器30の内部には、下流側半分に細粒サイズ(粒径0.5〜1.0mm)の触媒5aが充填され、上流側半分に中粒サイズ(粒径0.8〜1.5mm)または大粒サイズ(粒径1.5〜2.0mm)の触媒5bまたは5cが充填されていることにより、実現された上流温度低減機構108である。槽型反応器30に充填されている触媒の粒径が上流側半分(触媒5bまたは5c)が下流側半分(触媒5a)より大きくなっているので、槽型反応器30内の触媒の上流における除熱効果がより高められている。
【0121】
槽型反応器30には、その上部から、原料7、すなわち、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとが供給される。槽型反応器30内に導入されたモノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとは、槽内の触媒5cおよび5bによって、反応させられて、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを生成する。
【0122】
槽型反応器30から導出された反応生成混合物8の中には、そのほとんどを占めるモノ低級アルキルモノアルカノールアミン(モノマー)の他、少量の未反応原料と、副反応物であるモノ低級アルキルジアルカノールアミン(ダイマー)とが含まれるので、不図示の次工程において、蒸留法などにより、未反応原料を回収して原料用に循環させるとともに、ダイマーを分別、除去する。
【0123】
この図15に示す装置構成では、槽型反応器30内の上流側半分に充填されている触媒5cの粒径が下流側半分に充填されている触媒5bの粒径より大きくなっていることによって、反応熱の発生量が多くなる槽型反応器30内の触媒の上流部分の温度上昇を適切に抑制することができる。その結果、槽型反応器30の触媒温度は、反応速度を低減せず、かつ触媒の寿命を縮めず、さらにモノマーの収率を高めるために好適な温度範囲に、容易にコントロールすることができる。前記好適な温度範囲としては、触媒としてゼオライト系触媒を用いた場合では、100℃〜130℃である。
【0124】
なお、前述の図1〜12に示した装置構成に、前記実施例7、8に示した触媒の粒径制御による上流温度低減機構を組み合わせても良い。それによって、さらにきめの細かい温度低減コントロールを実現することができる。
【0125】
本発明において、触媒の除熱を行うために用いられる冷熱媒として、原料モノ低級アルキルアミンを用いてもよい。原料モノ低級アルキルアミンを冷熱媒として用いることにより装置全体の消費エネルギーを節約することができる。
【産業上の利用可能性】
【0126】
以上説明したように、本発明にかかるモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法及び装置は、モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを効率よく高い収率で連続的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明にかかるモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置の実施例1を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す実施例1の変形例を示す概略構成図である。
【図3】本発明にかかるモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置の実施例2を示す概略構成図である。
【図4】本発明にかかるモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置の実施例3を示す概略構成図である。
【図5】本発明にかかるモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置の実施例4を示す概略構成図である。
【図6】図5に示す実施例4の変形例を示す概略構成図である。
【図7】図5に示す実施例4の他の変形例を示す概略構成図である。
【図8】図6に示す実施例1の変形例の変形例を示す概略構成図である。
【図9】本発明にかかるモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置の実施例5を示す概略構成図である。
【図10】図9に示す実施例5の変形例を示す概略構成図である。
【図11】本発明にかかるモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置の実施例6を示す概略構成図である。
【図12】図11に示す実施例6の変形例を示す概略構成図である。
【図13】本発明にかかるモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置の実施例7を示す概略構成図である。
【図14】図13に示す実施例7の変形例を示す概略構成図である。
【図15】本発明にかかるモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置の実施例8を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0128】
1,12,13 管型反応器
2,9,18,21,22,24,25,28,29,30 槽型反応器
3,4,11,16,17 冷却ジャケット
5,5a,5b,5c 触媒
6,6a,10,14,15 反応管
7 原料
8 反応生成混合物
19,19a,20,20a,23,23a,26,26a,27 冷却管
101,102,103,104,105,106,107,108 上流温度低減機構
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとを結晶性メタロシリケートまたは/および層状粘土化合物を含む触媒の存在下で反応させることにより、製造する方法において、
前記触媒の存在下における反応ゾーンの冷却を該反応ゾーンの上流部分における温度上昇をより低減させることにより行うことを特徴とすることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項2】
前記反応ゾーンを複数の反応器から構成し、前段の反応器を冷却効率の高い管型反応器から構成するとともに、後段の反応器を触媒充填量の多い槽型反応器から構成することにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とする請求項1に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項3】
前記前段の管型反応器の反応管の管径を上流部分より下流部分が大きくなるように形成することにより前段の反応器内部の上流部分の冷却効率をより高めることを特徴とする請求項2に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項4】
前記反応ゾーンを一つの管型反応器から構成し、該管型反応器の反応管の管径を上流部分より下流部分が大きくなるように形成することにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とする請求項1に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項5】
前記反応ゾーンを複数の管型反応器から構成し、前段の管型反応器の反応管の管径を後段の管型反応器の反応管の管径よりも小さくするとともに、前段の反応器の反応管設置本数を後段の反応器の反応管設置本数より増加させることにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とする請求項1に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項6】
前記反応ゾーンを一つの槽型反応器から構成し、前記槽型反応器内に冷媒が上流から下流に流れる冷却管を布設することにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とする請求項1に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項7】
前記一つの槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度を上流部分が下流部分より密にすることにより、さらに前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とする請求項6に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項8】
前記反応ゾーンを複数の槽型反応器から構成し、前段の槽型反応器内に冷媒が上流から下流に流れる冷却管を布設することにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とする請求項1に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項9】
前記前段の槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度を上流部分が下流部分より密にすることにより、前段の反応器内部の上流部分の冷却効率をより高めることを特徴とする請求項8に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項10】
前記反応ゾーンを内部に冷媒が上流から下流に流れる冷却管を布設した複数の槽型反応器から構成し、前段の槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度を後段の反応器内に布設した冷却管の布設密度より密にすることにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とする請求項1に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項11】
前記前段の槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度を上流部分が下流部分より密にすることにより、前段の反応器内部の上流部分の冷却効率をより高めることを特徴とする請求項10に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項12】
前記反応ゾーンを複数の反応器から構成し、前段の反応器に充填する触媒の粒径を後段の反応器に充填する触媒の粒径より大きくすることにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とする請求項1に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項13】
前記前段の反応器内に充填する触媒の粒径を上流部分が下流部分より大きくすることにより、前段の反応器内部の上流部分の冷却効率をより高めることを特徴とする請求項12に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項14】
前記反応ゾーンを一つの反応器から構成し、該反応器内に充填する触媒の粒径を上流部分が下流部分より大きくすることにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とする請求項1に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項15】
前記結晶性メタロシリケートを含む触媒がさらに層状粘土化合物を含むことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項16】
前記結晶性メタロシリケートと層状粘土化合物との混合比(質量比)が、5:95〜50:50であることを特徴とする請求項15に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項17】
前記結晶性メタロシリケートが、Al、Ga、Fe、B、Zn、P、Ge、Zr、Ti、Cr、Be、V、およびAsからなる群から選ばれる金属元素Mの少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項18】
前記結晶性メタロシリケートは、Siと金属元素Mとの比が、酸化物基準で、Si/M=5〜1000であることを特徴とする請求項17に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項19】
前記Siと金属元素Mとの比が、酸化物基準で、Si/M=10〜500であることを特徴とする請求項18に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項20】
前記結晶性メタロシリケートは、MOR構造、MFI構造および/またはMEL構造を有することを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項21】
前記結晶性メタロシリケートは、結晶性アルミノシリケートであることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項22】
前記結晶性アルミノシリケートは、ゼオライトであることを特徴とする請求項21に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項23】
前記層状粘土化合物が、酸性白土または活性白土であることを特徴とする請求項1、15または16に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項24】
モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとを結晶性メタロシリケートまたは/および層状粘土化合物を含む触媒を用いて反応させることにより、製造する装置であって、
前記触媒の上流部分における温度上昇をより低減させる上流温度低減機構を有することを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項25】
前記触媒が充填される反応器が複数とされ、前段の反応器が冷却効率の高い管型反応器から構成されるとともに、後段の反応器が触媒充填量の多い槽型反応器から構成されることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とする請求項24に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項26】
前記前段の管型反応器の反応管の管径が上流部分より下流部分が大きく形成されていることを特徴とする請求項25に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項27】
前記触媒が充填される反応器が一つの管型反応器から構成され、該管型反応器の反応管の管径が上流部分より下流部分が大きく形成されることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とする請求項24に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項28】
前記触媒が充填される反応器が複数の管型反応器から構成され、前段の管型反応器の反応管の管径が後段の管型反応器の反応管の管径よりも小さく形成され、前段の反応器の反応管設置本数が後段の反応器の反応管設置本数より増加されることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とする請求項24に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項29】
前記触媒が充填される反応器が一つの槽型反応器から構成され、前記槽型反応器内に冷媒が上流から下流に流れる冷却管が布設されることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とする請求項24に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項30】
前記一つの槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度が下流部分より上流部分が密にされていることを特徴とする請求項29に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項31】
前記触媒が充填される反応器が複数の槽型反応器から構成され、前段の槽型反応器内に冷媒が上流から下流に流れる冷却管が布設されることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とする請求項24に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項32】
前記前段の槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度が下流部分より上流部分が密にされていることを特徴とする請求項31に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項33】
前記触媒が充填される反応器が内部に冷媒が上流から下流に流れる冷却管を布設した複数の槽型反応器から構成され、前段の槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度が後段の反応器内に布設した冷却管の布設密度より密にされることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とする請求項24に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項34】
前記前段の槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度が下流部分より上流部分が密にされていることを特徴とする請求項33に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項35】
前記触媒が充填される反応器が複数の反応器から構成され、前段の反応器に充填する触媒の粒径が後段の反応器に充填する触媒の粒径より大きくされることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とする請求項24に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項36】
前記前段の反応器内に充填する触媒の粒径が下流部分より上流部分が大きくされていることを特徴とする請求項35に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項37】
前記触媒が充填される反応器が一つの反応器から構成され、該反応器内に充填する触媒の粒径が下流部分より上流部分が大きくされることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とする請求項24に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項38】
前記結晶性メタロシリケートを含む触媒がさらに層状粘土化合物を含むことを特徴とする請求項24〜37のいずれか1項に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項39】
前記結晶性メタロシリケートと層状粘土化合物との混合比(質量比)が、5:95〜50:50であることを特徴とする請求項38に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項40】
前記結晶性メタロシリケートが、Al、Ga、Fe、B、Zn、P、Ge、Zr、Ti、Cr、Be、V、およびAsからなる群から選ばれる金属元素Mの少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項24〜39のいずれか1項に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項41】
前記結晶性メタロシリケートは、Siと金属元素Mとの比が、酸化物基準で、Si/M=5〜1000であることを特徴とする請求項40に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項42】
前記Siと金属元素Mとの比が、酸化物基準で、Si/M=10〜500であることを特徴とする請求項41に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項43】
前記結晶性メタロシリケートは、MOR構造、MFI構造および/またはMEL構造を有することを特徴とする請求項24〜42のいずれか1項に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項44】
前記結晶性メタロシリケートは、結晶性アルミノシリケートであることを特徴とする請求項24〜43のいずれか1項に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項45】
前記結晶性アルミノシリケートは、ゼオライトであることを特徴とする請求項44に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項46】
前記層状粘土化合物が、酸性白土または活性白土であることを特徴とする請求項24、38または39に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項1】
モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとを結晶性メタロシリケートまたは/および層状粘土化合物を含む触媒の存在下で反応させることにより、製造する方法において、
前記触媒の存在下における反応ゾーンの冷却を該反応ゾーンの上流部分における温度上昇をより低減させることにより行うことを特徴とすることを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項2】
前記反応ゾーンを複数の反応器から構成し、前段の反応器を冷却効率の高い管型反応器から構成するとともに、後段の反応器を触媒充填量の多い槽型反応器から構成することにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とする請求項1に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項3】
前記前段の管型反応器の反応管の管径を上流部分より下流部分が大きくなるように形成することにより前段の反応器内部の上流部分の冷却効率をより高めることを特徴とする請求項2に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項4】
前記反応ゾーンを一つの管型反応器から構成し、該管型反応器の反応管の管径を上流部分より下流部分が大きくなるように形成することにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とする請求項1に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項5】
前記反応ゾーンを複数の管型反応器から構成し、前段の管型反応器の反応管の管径を後段の管型反応器の反応管の管径よりも小さくするとともに、前段の反応器の反応管設置本数を後段の反応器の反応管設置本数より増加させることにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とする請求項1に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項6】
前記反応ゾーンを一つの槽型反応器から構成し、前記槽型反応器内に冷媒が上流から下流に流れる冷却管を布設することにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とする請求項1に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項7】
前記一つの槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度を上流部分が下流部分より密にすることにより、さらに前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とする請求項6に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項8】
前記反応ゾーンを複数の槽型反応器から構成し、前段の槽型反応器内に冷媒が上流から下流に流れる冷却管を布設することにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とする請求項1に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項9】
前記前段の槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度を上流部分が下流部分より密にすることにより、前段の反応器内部の上流部分の冷却効率をより高めることを特徴とする請求項8に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項10】
前記反応ゾーンを内部に冷媒が上流から下流に流れる冷却管を布設した複数の槽型反応器から構成し、前段の槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度を後段の反応器内に布設した冷却管の布設密度より密にすることにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とする請求項1に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項11】
前記前段の槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度を上流部分が下流部分より密にすることにより、前段の反応器内部の上流部分の冷却効率をより高めることを特徴とする請求項10に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項12】
前記反応ゾーンを複数の反応器から構成し、前段の反応器に充填する触媒の粒径を後段の反応器に充填する触媒の粒径より大きくすることにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とする請求項1に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項13】
前記前段の反応器内に充填する触媒の粒径を上流部分が下流部分より大きくすることにより、前段の反応器内部の上流部分の冷却効率をより高めることを特徴とする請求項12に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項14】
前記反応ゾーンを一つの反応器から構成し、該反応器内に充填する触媒の粒径を上流部分が下流部分より大きくすることにより、前記反応ゾーンの上流部分の温度上昇を低減させることを特徴とする請求項1に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項15】
前記結晶性メタロシリケートを含む触媒がさらに層状粘土化合物を含むことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項16】
前記結晶性メタロシリケートと層状粘土化合物との混合比(質量比)が、5:95〜50:50であることを特徴とする請求項15に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項17】
前記結晶性メタロシリケートが、Al、Ga、Fe、B、Zn、P、Ge、Zr、Ti、Cr、Be、V、およびAsからなる群から選ばれる金属元素Mの少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項18】
前記結晶性メタロシリケートは、Siと金属元素Mとの比が、酸化物基準で、Si/M=5〜1000であることを特徴とする請求項17に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項19】
前記Siと金属元素Mとの比が、酸化物基準で、Si/M=10〜500であることを特徴とする請求項18に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項20】
前記結晶性メタロシリケートは、MOR構造、MFI構造および/またはMEL構造を有することを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項21】
前記結晶性メタロシリケートは、結晶性アルミノシリケートであることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項22】
前記結晶性アルミノシリケートは、ゼオライトであることを特徴とする請求項21に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項23】
前記層状粘土化合物が、酸性白土または活性白土であることを特徴とする請求項1、15または16に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造方法。
【請求項24】
モノ低級アルキルモノアルカノールアミンを、モノ低級アルキルアミンとアルキレンオキシドとを結晶性メタロシリケートまたは/および層状粘土化合物を含む触媒を用いて反応させることにより、製造する装置であって、
前記触媒の上流部分における温度上昇をより低減させる上流温度低減機構を有することを特徴とするモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項25】
前記触媒が充填される反応器が複数とされ、前段の反応器が冷却効率の高い管型反応器から構成されるとともに、後段の反応器が触媒充填量の多い槽型反応器から構成されることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とする請求項24に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項26】
前記前段の管型反応器の反応管の管径が上流部分より下流部分が大きく形成されていることを特徴とする請求項25に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項27】
前記触媒が充填される反応器が一つの管型反応器から構成され、該管型反応器の反応管の管径が上流部分より下流部分が大きく形成されることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とする請求項24に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項28】
前記触媒が充填される反応器が複数の管型反応器から構成され、前段の管型反応器の反応管の管径が後段の管型反応器の反応管の管径よりも小さく形成され、前段の反応器の反応管設置本数が後段の反応器の反応管設置本数より増加されることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とする請求項24に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項29】
前記触媒が充填される反応器が一つの槽型反応器から構成され、前記槽型反応器内に冷媒が上流から下流に流れる冷却管が布設されることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とする請求項24に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項30】
前記一つの槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度が下流部分より上流部分が密にされていることを特徴とする請求項29に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項31】
前記触媒が充填される反応器が複数の槽型反応器から構成され、前段の槽型反応器内に冷媒が上流から下流に流れる冷却管が布設されることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とする請求項24に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項32】
前記前段の槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度が下流部分より上流部分が密にされていることを特徴とする請求項31に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項33】
前記触媒が充填される反応器が内部に冷媒が上流から下流に流れる冷却管を布設した複数の槽型反応器から構成され、前段の槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度が後段の反応器内に布設した冷却管の布設密度より密にされることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とする請求項24に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項34】
前記前段の槽型反応器内に布設した冷却管の布設密度が下流部分より上流部分が密にされていることを特徴とする請求項33に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項35】
前記触媒が充填される反応器が複数の反応器から構成され、前段の反応器に充填する触媒の粒径が後段の反応器に充填する触媒の粒径より大きくされることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とする請求項24に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項36】
前記前段の反応器内に充填する触媒の粒径が下流部分より上流部分が大きくされていることを特徴とする請求項35に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項37】
前記触媒が充填される反応器が一つの反応器から構成され、該反応器内に充填する触媒の粒径が下流部分より上流部分が大きくされることにより、前記上流温度低減機構が実現されていることを特徴とする請求項24に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項38】
前記結晶性メタロシリケートを含む触媒がさらに層状粘土化合物を含むことを特徴とする請求項24〜37のいずれか1項に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項39】
前記結晶性メタロシリケートと層状粘土化合物との混合比(質量比)が、5:95〜50:50であることを特徴とする請求項38に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項40】
前記結晶性メタロシリケートが、Al、Ga、Fe、B、Zn、P、Ge、Zr、Ti、Cr、Be、V、およびAsからなる群から選ばれる金属元素Mの少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項24〜39のいずれか1項に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項41】
前記結晶性メタロシリケートは、Siと金属元素Mとの比が、酸化物基準で、Si/M=5〜1000であることを特徴とする請求項40に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項42】
前記Siと金属元素Mとの比が、酸化物基準で、Si/M=10〜500であることを特徴とする請求項41に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項43】
前記結晶性メタロシリケートは、MOR構造、MFI構造および/またはMEL構造を有することを特徴とする請求項24〜42のいずれか1項に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項44】
前記結晶性メタロシリケートは、結晶性アルミノシリケートであることを特徴とする請求項24〜43のいずれか1項に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項45】
前記結晶性アルミノシリケートは、ゼオライトであることを特徴とする請求項44に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【請求項46】
前記層状粘土化合物が、酸性白土または活性白土であることを特徴とする請求項24、38または39に記載のモノ低級アルキルモノアルカノールアミンの製造装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−277160(P2007−277160A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−105631(P2006−105631)
【出願日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【出願人】(390014856)日本乳化剤株式会社 (26)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【出願人】(390014856)日本乳化剤株式会社 (26)
【Fターム(参考)】
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