説明

モバイル機器のデータストレージ方法及びプログラム

【課題】モバイル機器の通信データの書き込み及び取り出し等のデータアクセスピードを高め、広帯域、且つ高速データ通信に対応できるようにするとともに、セキュリティ機能を持たせるモバイル機器のデータストレージ方法及びプログラムを実現する。
【解決手段】このモバイル機器のデータストレージプログラムは、CPU2、ローカルメモリ3、無線送受信ユニット4及び内部バス10を備えたモバイル機器1を、配信元から配信され無線で受信したデータを前記ローカルメモリ3のブロックキャッシュエリア9に1次キャッシュする手段、及びブロックキャッシュエリア9に1次キャッシュされたデータを、前記モバイル機器1の内蔵ストレージ7又は無線I/F6を介して無線通信によって送受信可能な遠隔地ストレージ8に、転送して書き落とす階層キャッシュ構造のデータストレージ機能を有するデータトランスミッション手段、として機能させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モバイル機器のデータストレージ方法に関し、また、モバイル機器を階層構造キャッシュによる高速データ通信機能及びアクセスの方向性によるセキュリティ機能を持つモバイルストレージとして機能させるプログラムに関する。本明細書においてモバイル機器は、携帯電話、携帯型PDA(Personal Digital Assistants:個人用情報機器)、センサーに接続される検出データを収集する携帯端末等の携帯情報端末機器を意味する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話や携帯型PDAが発達し、一般に普及している。これらの携帯電話や携帯型PDAでは、通信したコンテンツを格納するストレージとして、不揮発メモリを内蔵している。
【0003】
一方、近年、ますますコンピュータの演算処理速度は高速化され、コンピュータによる外部記憶装置やネットワークを介して行われるデータ検索・処理の需要が一層高まっている。従来のコンピュータでは、データのアクセス及び取り出しでは、ネットワーク等の外部装置から新たにデータが、取り込まれ又は更新されて、記憶された外部記憶装置とローカルメモリとの間で、メインバス(内部バス)を介して、データの更新が行われている。
【0004】
そして、このようなローカルメモリに、CPUの演算・処理のために一時的に記憶(保存)させるデータ(キャッシュデータ)の更新のために、外部記憶装置に記憶されたデータへのアクセスは、CPUの演算処理工程で生ずる要求として、その都度行われている。
【0005】
ところで、ますます大容量化するネット通信では、データのアクセス、取り出しのスピードアップ、しかも、大容量データに対応する格納デバイスの実現が望まれている。この解決策の一例として、特許文献1には、実データを記憶する半導体メモリから成るデータメモリをメインバスに直接接続してマザーボードに実装し、メインバスには、CPU、I/O及びLAN6が接続されているダイレクトメモリ接続型サーバーコンピュータが開示されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−304325号公報(第1頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の携帯電話、携帯型PDA(Personal Digital Assistants:個人用情報機器)等のモバイル機器に内蔵されたストレージ(不揮発性メモリ等が使用されている。)は、受信したコンテンツを単に格納することを目的としており、通信性能の向上等の目的は考慮していない。従って、高帯域の高速データ通信では、格納デバイスの性能による実通信転送スピードに速度低下という問題があった。
【0007】
そして、従来の携帯電話及び携帯型PDA装置のストレージでは、内蔵されたストレージのサイズが物理的に制限されていた為、コンテンツの種類、画像データに対してストレージ容量搭載限界があった。
【0008】
さらに、従来の携帯電話及び携帯型PDA装置のストレージでは、連続する蓄積データを継続送信するには、送信状況もふくめた制限が多く実質的に不可能であった。
【0009】
本発明は、上記従来の問題を解決することを目的とするものであり、具体的には、次のような課題を解決するデータストレージ方法及びプログラムを実現することである。
(1)モバイル機器の通信データの書込み及び取り出し等のデータアクセスピードを高めることで、広帯域、且つ高速データ通信に対応できるようにするとともに、セキュリティ機能を持たせる。
【0010】
(2)キャッシュデータを内蔵ストレージ又は遠隔地ストレージに書き落とすことで、モバイル機器で利用できるデータの格納容量大容量まで十分を確保できるようにするとともに、セキュリティー機能を付与することで、モバイル機器で取得可能な特有のデータ、例えば、医療介護用センサー、人の作業をモニターするセンサー、交通輸送機関に携わる乗務員等の個人データを、常時、連続的に蓄積可能とするとともに、特定アクセス権を持つ会員向けのコンテンツ配信サービス用の共有ストレージとして利用可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記課題を解決するために、CPU、ローカルメモリ、無線送受信ユニット及び内部バスを備えたモバイル機器のデータストレージ方法であって、配信元から配信され無線で受信したデータを前記ローカルメモリのブロックキャッシュエリアに1次キャッシュし、ブロックキャッシュエリアに1次キャッシュされたデータを、前記モバイル機器に内蔵された内蔵ストレージ、又は無線インターフェースを介して無線通信によって送受信可能な遠隔地ストレージに、転送して書き落とし、アクセスの方向性を持ち、広帯域且つ高速送受信を可能とすることを特徴とするモバイル機器のデータストレージ方法を提供する。
【0012】
前記モバイル機器のデータストレージ方法では、内蔵ストレージは不揮発性ストレージ又は超小型ハードディスクであり、前記遠隔地ストレージは不揮発性ストレージ又は超小型ハードディスクであることが好ましい。
【0013】
前記モバイル機器のデータストレージ方法では、モバイル機器は、携帯電話、携帯型個人用情報機器又はセンサに接続され検出データを収集する携帯端末であることが好ましい。
【0014】
本発明は上記課題を解決するために、CPU、ローカルメモリ、無線送受信ユニット及び内部バスを備えたモバイル機器を、配信元から配信され無線で受信したデータを前記ローカルメモリのブロックキャッシュエリアに1次キャッシュする手段、及びブロックキャッシュエリアに1次キャッシュされたデータを、前記モバイル機器に内蔵された内蔵ストレージ、又は無線インターフェースを介して無線通信によって送受信可能な遠隔地ストレージに転送して書き落とす階層キャッシュ構造のデータストレージ機能を有するデータトランスミッション手段として機能させ、アクセスの方向性を持ち、広帯域且つ高速送受信を可能とするためのモバイル機器のデータストレージプログラムを提供する。
【0015】
前記モバイル機器のデータストレージプログラムでは、遠隔地ストレージに、読み出しのみを許可するアクセスの方向性によるセキュリティ機能を持たせ、複数のモバイル機器の利用者が、前記遠隔地ストレージの同一のストレージ領域を共有化することを可能とすることが好ましい。
【0016】
前記モバイル機器のデータストレージプログラムでは、遠隔地ストレージに、データの格納について書き込みのみを許可するアクセスの方向性によるセキュリティ機能を持たせることを可能とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
以上の構成から成る本発明に係るモバイル機器のデータストレージ方法、及びプログラムが機能させる階層キャッシュ構造のストレージを有するデータトランスミッション手段によれば、次のような効果が生じる。
(1)階層キャッシュ構造のストレージを有するデータトランスミッション手段は、受信時のデータをローカルメモリ(例.DRAMが利用される。)のブロックキャッシュエリアにライトバックして書き込むので、格納デバイスのスピード限界が上がり、高速データ通信に対応でき、また通信帯域をフルに活用することが出来、さらにアクセスの方向性によるセキュリティ機能を持つことができる。
【0018】
(2)階層キャッシュ構造のストレージを有するデータトランスミッション手段は、遠隔地のストレージを、モバイル機器配下の使用容量として運用できるので、物理的な制限がなく、大容量まで十分なストレージ容量を確保できる。これによって、例えば、人体からの生体情報を、逐次状態監視できる医療用途データとして取扱うとともに、逐次遠隔地のストレージに保存し、長期間の生涯データ容量(現在のセンサレベルでは10TBと推定。)としても取り扱えることが可能になる。さらには、遠隔地のストレージを、特定アクセス権を持つ会員向けのコンテンツ配信サービス用の共有ストレージとしても応用できることが可能となる。
【0019】
(3)階層キャッシュ構造のストレージを有するデータトランスミッション手段は、医療介護用情報、作業情報、輸送手段の運行情報等を検出する各種センサからのデータをローカルメモリのブロックキャッシュエリアにライトバックして書き込むことで連続蓄積し、一定量のキャッシュデータが蓄積されると、これを通信状態の良い場合に、遠隔地ストレージに書き落とすことが可能であるために、通信状況にかかわらず、センサーからのデータを連続的、大量に記憶することを可能とする。
【0020】
(4)階層キャッシュ構造のストレージを有するデータトランスミッション手段は、アクセス制限によるセキュリティも実現したことで、個人情報を扱う医療介護用のセンサー(例.心電図等)から得られるデータの情報通信や、その他の人への着脱可能な機器(ウエアラブル機器)のセンサーから得られるデータの情報通信用のストレージとしても実用的である。また、常時データを遠隔地ストレージに大量に蓄積できるので、パーソナルな履歴箱(ブラックボックス)にも応用可能と成り、一般業務での運用として、パイロットや電車・自動車の運転手及び業務作業者への管理目的にも応用が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明に係るモバイル機器のデータストレージ方法及びプログラムを実施するための最良の形態を実施例に基づき図を参照して、以下説明する。
【実施例】
【0022】
(適用するモバイル機器の全体構成)
図1は、本発明の実施例を模式的に説明するための図である。この図1により、以下、本発明に係るモバイル機器のデータストレージ方法及びプログラムを説明し、また、本発明に係るモバイル機器のデータストレージプログラムが、高速データ通信及びアクセスの方向性によるセキュリティ機能を持つモバイルストレージとして機能させるモバイル機器(携帯情報端末機器)とその周辺機器の全体構成を説明する。
【0023】
このモバイル機器1は、CPU2(図1中「モバイルCPU」と記述されているが、その機能は通常のCPUと同じである。)と、CPU2に接続されるローカルメモリ3(例.DRAMを利用する。)と、無線送受信ユニット4と、内臓ストレージ用インターフェース5(図1中「USB/SATAストレージインターフェース」)と、外部ストレージ用インターフェース6(図1中「無線I/F(外部不揮発性ストレージストレージ用)」と記述。)を備えている。
【0024】
無線送受信ユニット4は、携帯電話、携帯型PDA、携帯端末等が備えている通常の送受信ユニットであるから、ここでは、その説明は省略する。
【0025】
内蔵ストレージ用インターフェース5は、USB又はSATA等のストレージインターフェース(図1中、「USB/SATAストレージインターフェース参照)が使用され、これによって、不揮発性ストレージ(不揮発性メモリ)又は超小型ハードディスク等の内蔵ストレージ7を接続するものである。
【0026】
外部ストレージ用インターフェース6は、無線I/Fが使用され、これを介して無線LAN又は、携帯電話通信網によって、遠隔地に設置されている遠隔地ストレージ8に接続されている。遠隔地ストレージ8として、不揮発性ストレージ又は小型ハードディスク等の記憶装置が利用される。
【0027】
内蔵ストレージ7又は遠隔地ストレージ8へは、CPU2で制御され、ローカルメモリ3にキャッシュされているキャッシュデータが転送されて書き落とされ、また適宜、取り出される。なお、本発明に係るデータストレージ方法及びプログラムが適用される環境は、内蔵ストレージ7及び遠隔地ストレージ8は、適用するモバイル機器1の用途に応じて、そのいずれか一方又は両方を備える構成とする。
【0028】
(データトランスミッション手段)
本発明に係るモバイル機器1のデータストレージ方法及びプログラムの特徴は、モバイル機器1を、階層キャッシュ構造を持つデータストレージとして動作するデータトランスミッション手段(以下、本明細書中では「DTS」とも言う。)として機能させることである。
【0029】
本発明に係るモバイル機器1のデータストレージ方法、及びデータストレージプログラムが機能させる上記データトランスミッション手段の概要は次のとおりである。
(1)携帯電話又は無線LANによって、受信するデータ(例.コンテンツデータ等)を、ローカルメモリ3の一部領域であるブロックキャッシュエリア9(高速の1次キャッシュメモリとして機能する。)に記憶し、ファーストイン・ファーストアウト方式(FIFO:先に格納したデータから取り出して移動する方式。)のデータ管理方法で、一時的なバッファーとして機能させる。この記憶のための通信とは同期を取らずに、このバッファーされたデータを、ブロックキャッシュエリア9から内臓ストレージ7又は遠隔地ストレージ8に接続し、ある基準値まで蓄えられた段階から時間差を持って、書き落しを開始する。
【0030】
(2)ブロックキャッシュエリア9には、データのうち、アクセス頻度の高いデータのみをブロックデータとして保持し、次の読み出し等におけるアクセスの高速化を計る。
【0031】
以下において、さらに、本発明に係るモバイル機器1のデータストレージ方法、及びデータストレージプログラムが機能させるデータトランスミッション手段について詳述する。
【0032】
図1に記載の構成のモバイル機器1において、内蔵ストレージ7又は遠隔地ストレージ8にアクセス(本明細書では、「データの読み出しや書き込みを行う」意味。)される頻度、つまり、使用頻度が高いデータをサンプリングし、サンプリングされたデータを、CPU2に接続されるローカルメモリ3に常駐させ、このデータを用いて検索、処理を行う。
【0033】
要するに、本発明では、CPU2に直結して制御されるローカルメモリ3に一時的に保存されるキャッシュデータが、内蔵ストレージ7又は遠隔地ストレージ8にアクセスされる頻度の高いデータの場合に、このキャッシュデータをローカルメモリ3の一部の領域(一部領域)に常駐させる(固定する)。
【0034】
このようにして、内蔵ストレージ7又は遠隔地ストレージ8にアクセスされる頻度(アクセス頻度)の高いデータのみが、キャッシュデータとされて、ローカルメモリ3の一部領域に固定されると、CPU2によるデータ取り出しの処理の多くが、ローカルメモリ3内の一部領域に固定された、アクセス頻度の高いデータ(キャッシュデータ)を用いて行われる。
【0035】
このため、内部バス10を介して接続されている内蔵ストレージ7、又は無線LANを介して接続されている遠隔地ストレージ8に対し、CPU2の演算処理プロセスにおいて、データの要求、格納、処理がその都度行われることが無くなる。従って、内蔵ストレージ7又は遠隔地ストレージ8のそれらの性能自体に影響されることなく、これらストレージへのアクセス速度がローカルメモリ3へのアクセス速度に比べて遅い場合でも、CPU2の検索、処理能力を最大限に発揮させ、処理速度を大幅に高めることができる。
【0036】
本発明では、このように、ローカルメモリ3をキャッシュメモリとして利用し、内蔵ストレージ7又は遠隔地ストレージ8に書き落とすとともに、これらのストレージにアクセスされる頻度の高いデータのみをローカルメモリ3に固定するのであるが、このような機能をさせるために、ローカルメモリ3内の一部領域を利用する。このローカルメモリ3内の模式的な領域構成として、図1に示すように、OSエリア11と、キャッシュドライバエリア12と、アプリケーションデータエリア13と、ブロックキャッシュエリア9との4つの領域が割り当てられている。
【0037】
ブロックキャッシュエリア9は、ローカルメモリ3に一時的に保存されるキャッシュデータであって、内蔵ストレージ7又は遠隔地ストレージ8にアクセスされる頻度の高いデータのみを、キャッシュデータとして専用に常駐させる(固定する)手段である。そして、ローカルメモリ3をこのような手段として機能させる本発明に係るモバイル機器1のデータストレージプログラムは、キャッシュドライバエリア12に記憶される。
【0038】
内蔵ストレージ7又は遠隔地ストレージ8は、セクタ(ハードディスク等の円盤状の遠隔地ストレージ8における最小の記録単位)につけた番号を使ってアクセスするが、このセクタを指定する方法としてブロックアドレス(後述する図2中A〜C、E、F等で示す。)という単一のパラメータで指定する。
【0039】
つまり、CPU2に直結して制御される(CPU2配下の)ローカルメモリ3の一部領域を利用するブロックキャッシュエリア9に、内蔵ストレージ7又は遠隔地ストレージ8に格納されたブロックアドレスに係るデータ(ブロックデータ)のうち、読み出し及び書き込み等のアクセス頻度の多いブロックデータを固定するものである。
【0040】
次に、本発明に係るモバイル機器のデータストレージプログラムが、CPU2に機能させる、ローカルメモリ3のブロックキャッシュエリア9に、内蔵ストレージ7又は遠隔地ストレージ8にアクセスされる頻度の高いデータのみを固定する手段、方法について詳述する。
【0041】
CPU2は、予め定められた一定のサンプリング時間に、この内蔵ストレージ7又は遠隔地ストレージ8のストレージ領域にアクセスがあったブロックデータの番号、つまり、ブロックアドレスについて、ブロックアドレス毎に、そのアクセスの頻度(回数)を監視する。つまり、サンプリング時間内で、アクセスされるブロックデータのブロックアドレスについて、アクセスの頻度からその重要度を判断する。
【0042】
そして、サンプリングされたデータ(要するにブロックデータ)のアクセスされる頻度が、予め設定された使用頻度以上である場合には、このブロックデータは、使用頻度がハイレベル(High Level)のキャッシュデータとして判断し、ブロックキャッシュエリア9においてのハイレベル管理テーブル上の先頭にそのブロックアドレスを移行する。それ以後は、このブロックデータは、次の複数アクセスのあったハイレベルのキャッシュデータが出現するまで固定化して運用する。
【0043】
図2は、上記アクセスの頻度の高いブロックデータのブロックアドレスを、ブロックキャッシュエリア9のハイレベル管理テーブル14に移行し、書込み及び読み出しの際の動作を説明する図である。ブロックキャッシュエリア9(図1参照)には、図2に示すように、ブロックアドレス(図2中A〜C、E、F等で示す。)を管理するローレベル(Low Level)管理テーブル15(通常の管理テーブル)とハイ(High Level)レベル管理テーブル14がある。
【0044】
受信時(書込み)には、次の動作をする。
(イ)受信(書込み)時には、必ず、その受信したデータがブロックキャッシュエリア9に存在するかどうかを確認する。
(ロ)ブロックキャッシュエリア9に存在する場合には、そこに上書きし、High-Level管理テーブル14の先頭へそのブロックアドレスを移動する。
(ハ)ブロックキャッシュエリア9に無い場合には、受信(書込み)してLow-level管理テーブル15の先頭にブロックアドレスを格納する。
【0045】
送配信時(読出し)には次の動作を行う。
(イ)送配信時には、必ずブロックキャッシュエリア9に存在するかどうかを確認する。
(ロ)ある場合には、ブロックキャッシュエリア9から読出して、そのブロックアドレスをHigh-Level管理テーブル14の先頭に移動する。
(ハ)無い場合には、内蔵ストレージ7又は遠隔地ストレージ8からその読み出しされたブロックアドレスを読み出しLow-level管理テーブル15の先頭エリアに格納する。
【0046】
このようにして、高頻度のアクセスが行われるブロックデータのサンプリングは、その後も継続して行われ、常にアクセス頻度の高いデータのみが、ローカルメモリ3内の一部領域であるブロックキャッシュエリア9に存在する。このため、自動的にアクセス頻度の高いデータの書き換え作業が行われる(自己学習機能を有する)ので、大容量、高速化データの検索要請にも十分対処可能である。
【0047】
常にアクセス頻度の高いデータのみが、ブロックキャッシュエリア9に固定されることにより、CPU2による処理の多くが、ローカルメモリ3内のブロックキャッシュエリア9に固定されたデータを用いて行われるため、内蔵ストレージ7又は遠隔地ストレージ8に頻繁にアクセスされない。そのために、内部バス10を介して接続された内蔵ストレージ7又は遠隔地ストレージ8自体の処理速度が遅い場合でも、これらストレージ7、8のアクセスにかかる大きな待ち時間が生じることがなく、CPU2の性能を最大限に発揮でき、迅速な検索、処理を行うことができる。
【0048】
本発明に係るモバイル機器のデータストレージ方法及びプログラムは、例えば専用のリアルタイムOS、Linux又はWindows(登録商標名)が搭載されたモバイル機器の環境の下で動作し、上述のとおり、一定のサンプリング時間内で、必要なデータ(ブロックデータ)のみを抽出してローカルメモリ3の一部領域であるブロックキャッシュエリア9に常駐させ固定し、この結果、モバイル機器1が、図6に示すように、頻繁にネットワークを介して他のモバイル機器16、17との通信を行うような場合でも、データのアクセス処理の速さを大幅に高めることが可能となる。
【0049】
本発明に係るモバイル機器のデータストレージ方法及びプログラムでは、内蔵ストレージ7又は遠隔地ストレージ8に格納されたブロックデータの読み出しについて、特定の利用者に限定した読み出し許可のセキュリティを掛ける事が出来る。これによって個人情報の漏洩を防いだり、遠隔地ストレージ8にアクセスする特定会員の電子認証にも利用することができる。
【0050】
つまり、内蔵ストレージ7又は遠隔地ストレージ8にアクセスできる特定利用者及び会員についての認証(パスワード)に相当するデータ(認証データ)を予めブロックデータの一つとして内蔵ストレージ7又は遠隔地ストレージ8に格納しておく。これによって、セキュリティ専用のソフトウェアプログラムを導入することなく、CPU2はブロックデータへのアクセスを監視する際に、認証データの監視(確認)も行うことが可能である。
【0051】
(基本的動作)
本発明に係るモバイル機器のデータストレージ方法及びプログラムは上記のとおりであるが、このデータストレージ方法及びプログラムの適用されるモバイル機器1は、きわめて有用な動作が可能となる。以下、このモバイル機器1に特有な基本的な動作を説明する。
【0052】
モバイル機器1での基本的なキャッシュ動作(キャッシュポリシー)には、次の3つがある。
(1)ライトバックスルー(Write back & through)
(2)書込のみ(Write only)
(3)読込のみ(Read only)
【0053】
(1)ライトバックスルーの場合
モバイル局から受信するコンテンツ情報や通信相手から情報等のデータが、ローカルメモリ3のブロックキャッシュエリア9(「1次キャッシュメモリ」として機能する。)に入力され、データの蓄積を開始する。この状態で、バックグラウンド処理として、CPU2配下の内蔵ストレージ7又は遠隔地ストレージ8(例.不揮発性ストレージ)に書き落としを実行する。
【0054】
この場合、図6に示すように、モバイル局18(図1、6、7中の「携帯基地局」と記述。)から受信するコンテンツ情報や通信相手からの情報等のデータが、常に高速な1次キャッシュメモリの書き込み性能で入力処理されるため、受信側のモバイル機のコンテンツ格納待ち時間が生じないため、結果的に広帯域通信の性能を低下させることなく、スムースに通信速度を維持できる。この効果は、Gbit通信時には、数倍から数十倍の通信時間短縮となって現れる。
【0055】
また、データの送配信では、直近まで使用していたコンテンツデータがブロックキャッシュエリア9(1次キャッシュメモリ)上に常駐することになるので、そのままメモリから配信が出来、広帯域通信が実現出来る。一方、送配信されたデータを受信する側も、上記DTSの1次キャッシュメモリの機能が搭載されている場合には、相互にメモリ間通信という高速データ通信環境が実現する。これを、図6において、相互のモバイル機器1、16、17でのDRAM、即ちローカルメモリ間同志の通信として示している。
【0056】
(2)連続した書き込のみの場合
例えば、モバイル機器1の利用者自身が身につけた医療介護用センサー(例.心電図計等)のからの連続したデータの書き込みにおいて、1次キャッシュメモリ(DRAMのブロックキャッシュエリア9)が蓄積し、適宜、時差をもって、遠隔地の病院やケアセンターに設置された遠隔地ストレージ8(不揮発性ストレージ等)に携帯通信もしくは、無線LANを介して上記データを送信し、書き落とす(図7参照)。この動作例では、書き込のみの一方向ポリシーで運用され、利用者は、個人のプライバシーを最適に保護する事ができる。
【0057】
(3)読込のみの場合
遠隔地の遠隔地ストレージ8(不揮発性ストレージ等)の読み出しのみを許すことによって、無線LANを介して、複数の利用者からの読み出しを可能にし、結果としてアクセス制御からの高いセキュリティストレージ容量を実現する事が出来る。
【0058】
この場合、遠隔地の遠隔地ストレージ8(遠隔地ストレージ8容量)は、前述したアクセスする特定会員の電子認証を行うことで、会員ベースであって他者の侵入のない、データ配信サービスや、映像、ニュース・天気予報配信など様々なコンテンツをリアルタイムに制限無しに利用可能となる。
【0059】
(動作例)
(1)受信の場合
図3は、本発明に係るモバイル機器のデータストレージ方法を示し、またデータストレージプログラムで機能するモバイル機器1の動作例1を示すフローチャートである。この動作例1は、データの受信に関する例であり、以下、図3のフローチャートに沿って説明する。
【0060】
図3において、モバイル機器1の使用に際してアクセス制限要求のない場合は、通信相手から接続があってモバイル局18からデータ配信があると、このデータをモバイル機器1がデータ受信し、ローカルメモリ3(例.DRAMが利用される。)のブロックキャッシュエリア9へ1次キャッシュデータとして取り込む。
【0061】
ここで、このモバイル機器1が内蔵ストレージ7を備えている場合は、上記キャッシュデータをライトバック後に内蔵ストレージ7に書き落とす。このモバイル機器1が内蔵ストレージ7を備えておらず、遠隔地ストレージ8を備えている場合は、通信データを暗号化し、通信状態が良い場合には逐次送信され、通信状態が悪い場合には良くなるまで待ってから、遠隔地ストレージ8へ書き落とす。この結果、ブロックキャッシュエリア9の空きを増やす。
【0062】
モバイル機器1の使用に際してアクセス制限要求がある場合(例えば、特定会員のみ使用制限のある場合)は、利用者は、モバイル機器1に付設された指紋、静脈認証等の生体認証センサーにより生体認証データを得る。この生体認証データに対応し予め登録されているブロックアドレスをブロックキャッシュエリア9(図3中の「1次ブロックキャッシュエリア」)から読み出す許可をしてから、ブロックキャッシュエリア9からそのブロックアドレスを探す。このブロックアドレスが存在する場合は、そのブロックアドレスに記憶されているデータを読み出し、使用許可を判断する。使用許可が終了すれば、相手からの接続に応じて、上記同様の動作が行われる。
【0063】
(2)送配信の場合
図4は、本発明に係るモバイル機器のデータストレージ方法を示し、また本発明のデータストレージプログラムで機能するモバイル機器1の動作例2を示すフローチャートである。この動作例2は、データの送配信に関する例であり、以下、図4のフローチャートに沿って説明する。図4において、モバイル機器1の使用に際してアクセス制限要求のない場合おいて、通信相手に接続する。
【0064】
ここで、このモバイル機器1が内蔵ストレージ7を備えている場合は、内蔵ストレージ7からデータを読み出して(先読みして)ブロックキャッシュエリア9に保持する。そして、ローカルメモリ3(例.DRAMが利用される。)のブロックキャッシュエリア9から内部バス10及び無線送受信ユニット4により、モバイル局18へ高速メモリ配信する。
【0065】
このモバイル機器1が内蔵ストレージ7を備えておらず、遠隔地ストレージ8を備えている場合は、内蔵ストレージ7ではなく、携帯通信もしくは、無線通信を介して遠隔地ストレージ8に接続して、通信状態が良い場合は又は通信状態の良い場合を待って、遠隔地ストレージ8からデータを読み出してブロックキャッシュエリア9に保持する。そして、このブロックキャッシュエリア9から内部バス10及び無線送受信ユニット4により、モバイル局18へ高速メモリ配信する。
【0066】
モバイル機器1の使用に際してアクセス制限要求がある場合は、動作例1と同様に認証乃至使用許可のプロセスを経て通信相手に接続されることとなる。
【0067】
上記動作例1と動作例2を組み合わせれば、図6に示すように、複数の利用者甲、乙、丙のモバイル機器1、16、17間における互いの送受信が可能となる。例えば、利用者甲のモバイル機器1からのデータ配信は、ローカルメモリ3(例.DRAMを利用。)のブロックキャッシュエリア9から直接、内部バス10及び無線送受信ユニット4により、モバイル局18へ高速メモリ配信する。これを利用者乙、丙はモバイル機器16、17で受信してローカルメモリ3のブロックキャッシュエリア9に1次キャッシュとして保持し、あとから内蔵ストレージ7又は遠隔地ストレージ8へ書き落として保持する。
【0068】
(3)センサーからの連続受信の場合
図5は、本発明に係るモバイル機器のデータストレージ方法を示し、またデータストレージプログラムで機能するモバイル機器1の動作例3を示すフローチャートである。この動作例3は、センサーからのデータの連続受信に関する例であり、以下、図5のフローチャートに沿って説明する。
【0069】
図5において、モバイル機器1の使用に際してアクセス制限要求のない場合は、利用者が身につけた医療介護用センサー(例.心電図計)等から連続したデータを受信し、そのデータをブロックキャッシュエリア9へ1次キャッシュデータとして取り込む。
【0070】
ここで、書き込みのみを許可し(「個人情報の保護」が可能となる。)、ブロックキャッシュエリア9への格納データ量が予め設定した容量基準を超えた(規定値に達した)段階で、携帯通信もしくは、無線通信を介して遠隔地ストレージ8に接続し、ブロックキャッシュエリア9の格納データは暗号化した通信データとされる。そして、この通信データは、通信状態が良い場合には逐次送信され、通信状態が悪い場合には良くなるまで待ってから、遠隔地ストレージ8に送信され、センサーデータを書き落とす。この結果、ブロックキャッシュエリア9(図5中の「1次ブロックキャッシュエリア」)の空きを増やす。
【0071】
以上、本発明のモバイル機器のデータストレージ方法及びプログラムの実施例を説明したが、以下、本発明に係るモバイル機器のデータストレージ方法及びプログラムの特徴を、図6及び図7を参照して整理し且つ補充すると、次のとおりである。
【0072】
(1)本発明に係るモバイル機器のデータストレージ方法及びプログラムによれば、モバイル機器1の無線データ通信において、階層キャッシュ構造を持つデータストレージ機能を持つデータトランスミッション手段を機能させることが可能となる。これにより、図6に示すように、モバイル局18からの送受信及びモバイル機器1、16、17の利用者甲、乙、丙間のデータ相互通信においてDTSの持つインテリジェントキャッシュストレージ機能からの高速なデータ書き込みとインテリジェント読み出しによる高速化を行い、結果的に広帯域の高速受信と、高速配信をローカルメモリ3(例.DRAMを利用する。)メモリ間通信で実現することで、そのデータ通信速度自体を飛躍的に向上させ、アクセスの方向を持たせることができる。
【0073】
(2)本発明に係るモバイル機器のデータストレージ方法及びプログラムによれば、ローカルメモリ3のブロックキャッシュエリア9を1次キャッシュメモリとして利用するとともに、モバイル機器1に、図7に示すように、内蔵ストレージ7又は無線で通信可能な遠隔地ストレージ8(例えば、不揮発性ストレージ等が利用される。)に接続することで、モバイル機器1を階層キャッシュ構造を持つデータストレージ機能を持つデータトランスミッション手段として機能させることが可能となり、高速データ通信及びアクセスの方向性によるセキュリティ機能を持つモバイルストレージとして利用可能となる。
【0074】
具体的には、例えば、図7に示すように、内蔵ストレージ7又は遠隔地ストレージ8としては、不揮発性ストレージストレージ(例.Flashメモリ等を利用する。)又は超小型ハードディスクを使用し、利用者は、その不揮発性ストレージストレージ容量までを自分の使用できるストレージ容量として運用できることを特徴とする。
【0075】
そして、ローカルメモリ3のブロックキャッシュエリア9からの内蔵ストレージ7又は遠隔地ストレージ8への転送データには、必要に応じて暗号化を施す事が出来、高いセキュリティ機能も併せ持つモバイル機器1におけるストレージとなる。さらに、図7に示すように、遠隔地ストレージ8については、あたかもモバイル機器1の利用者が自分の使用できる総合容量として見なす事が出来るので、物理的な大きさ、重さに制限されること無く必要なコンテンツや映像音楽学情報を活用することが出来る。ここで、遠隔地ストレージ8に読み出しのみを許可するアクセス制限をかけることで、複数の利用者が同一のストレージ領域を共有化することも可能となる。
【0076】
(3)本発明の用途として、携帯電話及びPDAに適用することで、階層キャッシュ構造を持つデータストレージ機能を持つデータトランスミッション手段を機能させることが可能となり、モバイルストレージを実現することが可能となる。
【0077】
この結果、利用者は、高速メモリ通信の利点のほか、遠隔地ストレージ8を自分の使用デバイスに指定出来る効果によって、特定メンバーのみでの高いセキュリティを持った共有データ環境を構築、読み出し制限からのセキュリティを可能する。
【0078】
本発明では、ローカルメモリ3のブロックキャッシュエリア9を1次キャッシュメモリとしてデータの格納について書き込みのみの許可するアクセス制限の機能を付与することで、高いセキュリティを実現する。
【0079】
具体的には、本発明のデータストレージ方法では、またプログラムは、各種のセンサー(例.心電図等の医療介護用のセンサー、交通輸送機関の乗務員のモニター用センサ)等、配信元から送り込まれる様々な連続データや状況変化データ等を、ローカルメモリ3のブロックキャッシュエリア9に逐次書き込み、蓄積し、その蓄積されたデータを、DTSのライトバックによる1次キャッシュから、図7に示すように、遠隔地ストレージ8に自動的に格納保存される機能を有するアクセスの方向性によるセキュリティ機能を付与する。
【0080】
そして、蓄積データの情報保護の観点から、個人または、特定の許可された管理者のみが読み出し権利を行使できるデータアクセスの方向性を持つセキュリティ機能を付与している
【0081】
以上、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0082】
以下、本発明の各種分野での適用例を説明する。
(1)広帯域対応・高速情報通信端末
本発明を、次世代の携帯電話、携帯型PDA、携帯端末等のモバイル機器に適用することで、情報通信を行うに当たって、ローカルメモリ3(例.DRAMを利用する。)のブロックキャッシュエリア9(1次キャッシュメモリ)による高速な送受信を実行可能とし、高い通信性能を可能とする。
【0083】
(2)会員制のコンテンツサービス
本発明によれば、遠隔地ストレージ8をモバイル機器1の配下の容量として使用できるので、指紋、静脈認証等の利用者の生体認証を利用すれば、特定の会員のみの読み出しコンテンツ専用サービスが展開できる。
【0084】
(3)携帯図書館
本発明のデータストレージ方法及びプログラムを適用したモバイル機器1によれば、遠隔地ストレージ8を使用できるから、モバイル機器1から利用できるデータ量が大容量となる。従って、いつでも、あたかも携帯図書館を利用するかのように、遠隔地ストレージ8を自分のストレージに存在するコンテンツ同様に、自由に使用することが可能である。
【0085】
(4)パーソナル歴史館
本発明のデータストレージ方法及びプログラムを適用したモバイル機器1によれば、個人の記憶や思い出を含め、自分の管理したいデータを遠隔地に設定できるので、容量や用途制限無しに情報バンクとして運用できる。
【0086】
(5)個人向け医療
本発明のデータストレージ方法及びプログラムを適用したモバイル機器1によれば、治療の必要な患者から、医療介護データ(例.心電図データ)を逐次医療介護用センサーで収集し、データロガーし、常時蓄積することができる。この場合の利点は、書き込みのみのセキュリティ漏洩防止がなされていることで、様々な医療介護データを、患者に着脱自在(ウエアラブル)に装着したモバイル機器1の内蔵ストレージ7内にリアルタイムに蓄積することができる。一定の期間で蓄積された生体情報を、後で、医師へ治療データとして提出する為に取り出しすることができる。
【0087】
(6)業務運行監視
本発明のデータストレージ方法及びプログラムを適用したモバイル機器1及びモニタ用センサーを、飛行機や列車の乗務員、或いは一般業務の作業者、従業者に携帯させ、飛行機や列車の運航や、一般業務の作業内容について、全て情報収集すれば、何か問題があった場合の証拠履歴の追求及び緊急時の作業対策に、使用できる。
【0088】
本発明のデータストレージ方法及びプログラムによれば、モニタ用センサーからの情報を、モバイル機器1のブロックキャッシュエリア9へのキャッシュを、逐次書き込みのみの方向性を持って行うので、特定な人物の許可がなければデータの読み出し、改ざんは出来ない。また、常にモニタ用センサーからの情報は、内蔵ストレージ7又は遠隔地ストレージ8に書き落とされるので、飛行機のブラックボックスの如く、個人の作業に関する連続的な履歴情報も確保できる。
【0089】
(7)車両搭載用センサーストレージ
本発明のデータストレージ方法及びプログラムを適用したモバイル機器1及びセンサーを、車両に適用し、運行する車両の各種情報(例えば、車両の状態、運行ルート、使用方法)をセンサーから逐次蓄積し、その情報を遠隔地の集中ストレージへ定期的に格納されることで、シームレスな運行管理が実現できる。物流のトラック車両から自家用車まで、必要に応じた履歴を元に常時管理が出来るので、不正使用や、盗難、事故などのリアルタイム処理が確実に行えるシステムに有効なストレージ運用が可能となる。
【0090】
(8)老人介護
本発明のデータストレージ方法及びプログラムを適用したモバイル機器1及び医療看護用センサー(例.心電図データ)を、高齢者に携帯させ、人体の状態を常に監視することが可能である為、様態の急変時にこのセンサー情報ストレージの記録をもって確実な対処が可能となる。
【0091】
(9)バーチャルブレイン(仮想記憶)
本発明のデータストレージ方法及びプログラムを適用したモバイル機器1のDTSの階層構造を利用し、人体へ装着されたヘッドマウントディスプレイ(HMD)との組合せで個人の実際の見てきた人生の場面を全て履歴として保管管理することで、時間軸を戻して同じ場面を再生、見ることが可能となる。この機能によって、過去の個人の人生を鮮明に再現する事が出来、再生確認によって、その後の処理や判断をミス無く確実にこなす業務用途と、個人のプライベート再現による従来の写真と同様な使い方が可能となる。
【0092】
(10)自然界の体系観測用センサーストレージ
本発明のデータストレージ方法及びプログラムを適用したモバイル機器1を小型化して、移動する動物や、野鳥等に装着させて、これらの生態を観測、研究する場合の長期連続運用において、常に遠隔地ストレージ8に情報が格納されるようにすることで、再捕獲の必要がなくなり、自然界の生態系の観測リアルタイムに実施できる。これによって、気候や、自然界の変動を容易に感知できる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の実施例を模式的に説明するための図であり、モバイルストレージとして機能させるモバイル機器、及びその周辺機器の構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明のDTSの管理テーブルを模式的に説明するための図である。
【図3】本発明の実施例の動作例を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の実施例の動作例を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の実施例の動作例を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の実施例の利用例を模式的に説明する図である。
【図7】本発明の実施例の他の利用例を模式的に説明する図である。
【符号の説明】
【0094】
1、16、17 モバイル機器
2 CPU(モバイルCPU)
3 ローカルメモリ
4 無線送受信ユニット
5 内臓ストレージ用インターフェース(USB/SATAストレージインターフェーズ)
6 外部ストレージ用インターフェース(無線IF)
7 内蔵ストレージ
8 遠隔地ストレージ
9 ブロックキャッシュエリア
10 内部バス
11 OSエリア
12 キャッシュドライバエリア
13 アプリケーションデータエリア
14 ハイレベル(High Level)管理テーブル
15 ローレベル(Low Level)管理テーブル
18 モバイル局(携帯基地局)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CPU、ローカルメモリ、無線送受信ユニット及び内部バスを備えたモバイル機器のデータストレージ方法であって、
配信元から配信され無線で受信したデータを前記ローカルメモリのブロックキャッシュエリアに1次キャッシュし、
ブロックキャッシュエリアに1次キャッシュされたデータを、前記モバイル機器に内蔵された内蔵ストレージ、又は無線インターフェースを介して無線通信によって送受信可能な遠隔地ストレージに、転送して書き落とし、アクセスの方向性を持ち、広帯域且つ高速送受信を可能とすることを特徴とするモバイル機器のデータストレージ方法。
【請求項2】
前記内蔵ストレージは不揮発性ストレージ又は超小型ハードディスクであり、前記遠隔地ストレージは不揮発性ストレージ又は超小型ハードディスクであることを特徴とする請求項1記載のモバイル機器のデータストレージ方法。
【請求項3】
前記モバイル機器は、携帯電話、携帯型個人用情報機器又はセンサに接続され検出データを収集する携帯端末であることを特徴とする請求項1又は2記載のモバイル機器のデータストレージ方法。
【請求項4】
CPU、ローカルメモリ、無線送受信ユニット及び内部バスを備えたモバイル機器を、
配信元から配信され無線で受信したデータを前記ローカルメモリのブロックキャッシュエリアに1次キャッシュする手段、及び
ブロックキャッシュエリアに1次キャッシュされたデータを、前記モバイル機器に内蔵された内蔵ストレージ、又は無線インターフェースを介して無線通信によって送受信可能な遠隔地ストレージに、転送して書き落とす階層キャッシュ構造のデータストレージ機能を有するデータトランスミッション手段、
として機能させ、アクセスの方向性を持ち、広帯域且つ高速送受信を可能とするためのモバイル機器のデータストレージプログラム。
【請求項5】
前記遠隔地ストレージに、読み出しのみを許可するアクセスの方向性によるセキュリティ機能を持たせ、複数のモバイル機器の利用者が、前記遠隔地ストレージの同一のストレージ領域を共有化することを可能とすることを特徴とする請求項4記載のモバイル機器のデータストレージプログラム。
【請求項6】
前記遠隔地ストレージに、データの格納について書き込みのみを許可するアクセスの方向性によるセキュリティ機能を持たせることを特徴とする請求項4又は5記載のモバイル機器のデータストレージプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−140979(P2007−140979A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−334765(P2005−334765)
【出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
【出願人】(399004175)DTS株式会社 (5)
【Fターム(参考)】