説明

モバイル機器用カスタマイザー

【課題】移動ホスト装置をカスタマイズする方法及びシステムを提供する。
【解決手段】移動ホスト装置850とのインターフェースとなり、かつ移動ホスト装置850をカスタマイズする補助装置800は、双方向通信リンクを補助装置800とホスト装置850との間で確立するように構成される通信チャネル814を含む。補助装置800は更に、通信チャネル814に通信可能に接続されるプロセッサ802を含む。プロセッサ802は複数のアプリケーションを実行するように構成される。更に、補助装置800は、プロセッサ802に通信可能に接続される入力アセンブリを含む。入力アセンブリは、入力アセンブリに組み込まれる入力要素の合計数を最小にするように構成される。更に、少なくとも第1入力要素が、ホスト装置850の一つ以上の入力機能にユーザ選択に基づいて割り当てられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2005年10月11日出願の米国特許出願第11/249,009号の利益、及び2006年9月11日出願の米国特許出願第11/519,435号の利益を主張するものである。米国特許出願第11/249,009号及び米国特許出願第11/519,435号の内容を参照することにより、内容全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
次の記述は、電子機器とのインターフェースとなる携帯型入力アクセラレータ装置に関するものであり、電子機器として、携帯電話機、携帯情報端末(「PDAs」)、ポケットパーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯型ゲーム機器、バーコードリーダ、MP3プレーヤ、及びキーパッドまたは一つ以上の入力要素を有する他の同様の入力デバイスを挙げることができ、次の記述は更に、携帯型入力アクセラレータ装置に使用されるヒューマンインターフェース入力システムに関するものである。
【背景技術】
【0003】
電子機器は、処理能力の価格比が割安になり、同時に小型機器に対する消費者の要求が高まっていることが部分的な要因となって、益々高機能化し、かつ物理的に小型化している。しかしながら、このような機器は、機器とのインターフェースとなってデータ入力(例えば、テキスト入力、数字入力、及び機能入力)、及び/又はデバイス制御を行なえるユーザの能力によって機能面及び実用面で制限され易く、このデータ入力及び/又はデバイス制御は、データ入力及び/又はデバイス制御のために使用される入力要素を位置決めするための機器表面上の利用可能なスペースが小さくなり続けているので、益々難しくなる。
【0004】
更に、テキスト中心のアプリケーション(例えば、e−mailデータの入力、インスタントメッセージング、SMS(ショートメッセージサービス)、及びMMS(マルチメディアメッセージングサービス))、リストナビゲーションアプリケーション(例えば、歌の長いリストをスクロールダウンして一つの歌を選択するような1次元または2次元ナビゲーション)、及びゲームアプリケーション(例えば、一人称視点の運転ゲームでの自動車のハンドル操作)のようなアプリケーションの使用が増えると、携帯電話機のような電子機器のキーパッドは益々、データ入力、ゲームプレイ、長いリストからのアイテムの選択、ウェブブラウジング、及びアプリケーション起動の速度、正確さ、及び容易さに関してボトルネックとなってくる。
【0005】
例えば、多くの携帯型電子機器、特に携帯電話機では通常、Dパッドを、歌のリストのようなアイテムリストをアイテムごとに上下方向に辿るための主要手段として使用する。しかしながら、このようなアイテムごとのスクロールは通常、特にリストが数百ものアイテムを含む場合には、リストの先頭アイテムからリストの末尾アイテムを辿るためには非効率的である。これらの電子機器のほとんどは、ユーザにページアップ及びページダウン機能を提供し、これによってユーザは多数のアイテムを一度にスクロールすることができる、例えば或るアプリケーションでは、ページ当たり10個のアイテムを結合することができるが、多くの場合、このようなページアップ及びページダウン機能は、一つ以上の入力要素、すなわち通常キーパッドを構成する入力要素を複数回叩く、または押下することにより実行する必要がある。このようなページアップ及びページダウン機能を呼び出すために必要になるタップ回数の特定数、または入力要素の特定数は通常、アプリケーション開発者の嗜好によって変わるので、同じ電子機器内でもアプリケーションごとに異なることが多い。同じアプリケーションでも、異なる携帯型電子機器の異なるユーザインターフェースを使用して実行することができる。
【0006】
携帯型電子機器に関する種々のヒューマンインターフェース入力システム及び方法がデータ入力及びデバイス制御を行なうために開発されている。これらのシステム及び方法として、和音入力方式(chordal input techniques)、モーダル入力技術(modal input techniques)、及び/又はスマートキーと組み合わせて使用されるミニチュアキーボード及びキーパッド;及び、オンスクリーンキーボードソフトウェアまたはオンスクリーンキーパッドソフトウェア、或いは手書き認識ソフトウェアと組み合わせて使用されるタッチスクリーンを挙げることができる。更に、ゲームの場合、携帯電話機のような或る携帯型電子機器では、方向ナビゲーションパッド(directional navigation pad:Dパッド)の代わりに、小型親指ジョイスティックを機器自体の面に内蔵している。
【0007】
和音入力方式、モーダル入力技術、及びスマートキー技術に使用されるキーボードまたはキーパッド
ミニチュアキーボード及びキーパッドは、キーボード及びキーパッドの標準のフルサイズバージョンと同様の構成である、すなわち、キーボードは概して、フルセットの、またはほぼフルセットの数字入力要素、文字入力要素、及び機能入力要素を有し、キーパッドは通常、キーボードに比べて少ないセットの数字入力要素、文字入力要素、及び/又は機能入力要素を有する。これらの小型入力デバイスは通常、携帯型電子機器の一つの表面上の利用可能なスペースに丁度収まるように設計される、または小型で容易に持ち運び可能な外部プラグインデバイスとして設計される。従って、携帯型電子機器が小型になるにつれて、入力要素のサイズは通常、所望数の入力要素が電子機器の一つの表面上に丁度収まるように小さくなってきている。
【0008】
データ入力及びデバイス制御を行なうために、ミニチュアキーボード及びキーパッドは通常、2つの入力方法、親指または親指以外の4本指を含む1つ以上の指を使用して所望の入力要素を押下する、またはスタイラスを使用して所望の入力要素を「つつく」(この操作は普通、入力要素のサイズが小さい場合に行なわれる)のいずれか一つの方法を必要とする。和音入力方式、モーダル入力技術、及びスマートキーのような種々の技術が開発され、そして実装されてミニチュアキーボード及びキーパッドを使用する際の効率及び実効性を高めている。
【0009】
和音入力方式
和音入力方式は普通、文字、記号、単語、語句、またはコンセプトを、少ないセットの入力要素によって表わすことができる原理を利用する。従って、少ない組み合わせの入力要素を押下するだけで済ませることにより、機能を増やすことができ、そしてより迅速、かつより正確なデータ入力が可能になる。和音入力方式はキーボード構造またはキーパッド構造に、または1つよりも多くの入力要素を有する全ての機器に使用することができ、そして通常、従来のキーボードまたはキーパッドに比べて、少ない入力要素または多くの機能が得られる。両手を使う和音入力方式を使用する電子機器の一つの例が、法廷レポーターが叩くタイプライター、または速記者が叩くタイプライターである。キーパッドを使用して作動回数を減らして多数の機能を実現する一つの和音入力方式が、Levyによる「キーをコンパクトにまとめた入力デバイス」と題する米国特許第5,973,621号に記載されており、この特許文献をここで参照することにより、当該文献の内容が本明細書に組み込まれる。
【0010】
モーダル入力技術
モーダル入力技術は、電子機器の機能、例えば携帯電話機またはPDAのテキストメッセージングを、キーボードまたはキーパッドの特定の入力要素(または、これらの要素の組み合わせ)を押下することにより利用することができるというコンセプトを利用する。一旦、該当する特定の入力要素を押下すると、キーボードまたはキーパッドの複数の入力要素の全て、または一部分の機能を変更することができる。モーダル技術は通常、計算機、携帯電話機、及びPDAの中で使用される。例えば、携帯電話機では、マルチタップ(multi−tap)と呼ばれるモーダル技術が普通に利用され、この場合、キーボードの個々の入力要素は、文字(characters:アルファベットのような単音文字以外の文字)、字(letters:アルファベットのような単音文字)、数字、アイコンのような複数の記号、または他の種類の記号に関連付けられ、これによって、所望の機能を実現するために必要な入力要素の数を減らし易くなる、例えば12個の入力要素を持つキーパッドを使用して英語アルファベット及び10進数字の全ての字(letters)を表わすことができる。ユーザは、所定の入力要素に関連付けられる一連の記号に含まれる所望の記号を、該当する特定の入力要素を親指、親指以外の4本指、またはスタイラスで1回以上叩いて所望の文字を入力することにより入力することができる。従って、ユーザがテキストメッセージを送信したいと考える場合、ユーザは機能入力要素、例えばモードキーを押下して、携帯電話機のテキストメッセージング機能を利用し、次に個々の入力要素を1回以上叩いて関連する記号を選択して入力する。一つの特定の記号を入力するために必要になるタップ回数は、選択する言語文字セットによって異なる。例えば、日本語キーパッドまたはキーボードは通常、テキスト入力のために46文字の最小セットを必要とするのに対し、英語または米語キーボード及びキーパッドは普通、そしてテキスト入力のために26文字の最小セットを必要とする。これらのモーダル入力技術は、ユーザが、より多くのテキスト機能を実行するのでかなり流行しているが、これらの技術は手数が掛かる、というのは、幾つかの字、または幾つかの文字を利用するために、キーボードの一つの入力要素を3回または4回叩く必要があるからである。また、キーパッドを搭載する携帯電話機のような携帯型機器では、これらのモーダル入力技術は通常、ユーザの4本指ほどには普通器用ではないユーザの親指を利用する。
【0011】
スマートキー
スマートキーは通常、キーパッド上で使用され、押下されると、ユーザが実行する次の論理的アクションを予測するように機能する単一のキーまたはキーの組み合わせを指す。或る実施形態は、他の実施形態よりも良好に動作し、そして或るアプリケーションでは、一つの機能を完了させるために必要なキーストロークの回数が他のアプリケーションにおけるよりも少なくなる。単語予測ソフトウェアは、例えばユーザが、ユーザが入力する一つ以上の字(letters)を利用して入力しようとする単語または文字を予測し、更に所定言語の文字の生起確率を予測しようとする。ソフトウェアが正しく予測する確率は、単語の長さ、または入力される字または文字の個数とともに高くなる。キーパッド上のスマートキーを使用する機器では、ユーザはキー2,2,及び8を順番に叩いて単語「cat」を生成し、そして機器は当該単語を最初に表示することになるが、これは、当該単語が普通、最も頻度の高い組み合わせであるからであり、これに対して、同じキーを押下することにより生成することができる単語「bat」は、当該単語が頻度の高い組み合わせではないので表示されない。また、単語「cat」は、「2」キーを単語予測ソフトウェアの予測に基づいて2回目に押下した後に表示することができる。
【0012】
また、スマートキーは通常、日本語データ入力に使用され、この場合、ユーザは発音どおりに、日本語文字(例えば、漢字文字)の音を表わす字を入力する。入力される字に基づいて、予測ソフトウェアは日本語文字を推測する。文字を選択するために、ユーザはアクセプトボタンを押下する、またはスクロール機能を使用して、同様のセットの発音入力で入力される次の文字に進む。
【0013】
オンスクリーンキーボードまたは手書き認識ソフトウェアを使用するタッチスクリーン
オンスクリーンキーボードソフトウェアまたはオンスクリーンキーパッドソフトウェアを、タッチスクリーンと一緒に使用することにより、ユーザはデータを、4本指または親指でスクリーンサイズのキーボードまたはボタンを押すことにより入力して、スタイラスまたは物理キーボードまたはキーパッドアクセサリーを使用することなく高速にデータを入力する手段を獲得することができ、同時に、手書き認識ソフトウェアを、パームオペレーティングシステム(Palm operating system)のGraffiti(商標)のようなタッチスクリーンと一緒に使用することにより、ユーザはテキストをスタイラスを使って、テキストをタッチスクリーンに直接書き込むことにより入力する手段を獲得する。タッチスクリーンは普通、多量の電力を消費し、そして非タッチスクリーンよりも高価である。この大きな消費電力が、電力リソースが通常限られている携帯型電子機器の問題となり得る。更に、タッチスクリーンの場合は普通、ユーザが両手を使用する(例えば、一方の手を使用して機器を保持して固定するとともに、他方の手を使用してスタイラスを把持する)必要があり、この状態は通常、携帯電話機のような片手で操作できる携帯型電子機器とのインターフェースとし、そして携帯型電子機器を制御するためには望ましくない。手書き認識ソフトウェアによって、スタイラス、4本指または親指による入力に特有の緩慢さ、及び「ぎこちなさ」を軽減することができるが、消費電力が大きいこと、両手を使用する必要があること、及び入力要素を触ったときの触感をユーザにフィードバックすることができないことといった他の不具合が依然として残る。更に、認識ソフトウェアでは、ソフトウェアを正しく使用するために慣れることが必要であり、慣れたとしても依然としてエラーレートが高い。
【0014】
ゲームコントロール
ゲームコントロールを行なう場合、上記アプローチの多くが使用されているが、ほとんどの携帯型電子機器では、ユーザは通常、ゲームプレイを、機器の正面側に通常配置されるミニチュアキーパッド及び/又はDパッドの上に設けられるような或る形態の入力要素を使用して制御する。携帯電話機のような或る携帯型電子機器で行なうゲームコントロールは元々、機器のサイズが小さいので片手で行なわれる、またはせいぜい両方の親指を使って行なわれる程度であるのに対し、PDA及び従来のゲームコンソールコントローラのような他の携帯型電子機器で行なうゲームコントロールは通常、両手で行なわれる。アナログ入力要素がPC用ゲームコントローラ、及びMicrosoft製のXboxまたはSony製のプレイステーション2のようなコンソールゲームシステムに使用されてきているものの、これらの機器で行なわれるゲームコントロールに関連する入力要素は通常、デジタル要素であり、特にDパッドである。
【0015】
子供が使い易いモバイル機器
モバイルハンドセット製造業者の中でも幾つかの製造業者は、子供用に設計される特殊なモバイルハンドセットを設計している。これらのハンドセットは通常、利用可能なボタンの数が少ない。例えば、数字キーパッド、ナビゲーションキー、及び他のユーザ入力要素が全て揃うのではなく、これらのハンドセットには所定の機能を実行するためのボタンが数個しか配設されない傾向にある。例えば、FireFly(商標)子供電話機は、「mommy」及び「daddy」ボタン、幾つかの数字をラベルに持つ電話帳ボタンの他に、呼を開始し、そして終了させるキーを備える。LG Migo(商標)電話機及びWherifone(商標)電話機は、4つ、または5つのプログラマブルキーを備えることにより、親が電話番号をプログラムして子供が使用することができるようにしている。Tic Talk(商標)電話機では、ボタンが電話機の表面に配設されていない。親は通常、人のリスト、または電話のリストを作成して(電話番号を貼り付けて)子供が電話を掛けられるようにすることができ、そして子供は単にリストを、側面の2つの入力要素を使用してスクロールすることにより、電話を掛ける相手の人を選択する。これらの製品は、製品が市場に送り出される際のターゲットになる年齢グループに適する、目を引くような明るい色でデザインされることが多い。Tic Talk(商標)電話機には更に、子供がプレイすることができるゲームが予め読み込まれている。
【0016】
別の構成として、従来のモバイルハンドセットは、機能及び使用に対する制約を受け入れることができる携帯電話事業者から入手することができる。親は子供のハンドセットに電話番号リストを書き込んで、子供のハンドセットから発信される呼の転送先をリストの電話番号に限定することができる。例えば、子供は911、及び子供の親及び祖父母の電話番号をダイヤルすることはできるが、子供がキーパッドを押して電話番号をダイヤルしたとしても、他のどの人の電話番号もダイヤルすることはできない。親は1日の内の所定の時間帯は電話機を操作することができないようにロックすることもできる。例えば、親は電話機を設定して、子供が学校に行っていると考えられる時間帯は、子供が911以外のどの電話番号もダイヤルすることができない、または911以外のどの電話番号宛てにもテキストメッセージを送信することができないようにすることができる。Disney(登録商標)Mobileは家族指向サービスの一例であり、このサービスでは特に、子供によるモバイルハンドセットの使用状態を監視したい、または管理したいと考えている親の要求を満たす。
【0017】
子供用に設計されるハンドセット以外の製品も存在する。Hasbro(登録商標)の商標名で販売されているChatNow(商標)ハンドセットは基本的に携帯用無線電話機であり、この電話機は音声通信機能及びテキストメッセージング機能を、サービスプランの費用を転嫁することなく提供する。ChatNowハンドセットはモバイルハンドセットのように見え、そして動作するように設計されているが、半径2マイルの範囲で通信が可能な無線通信を利用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本願発明者らは、携帯型電子機器の従来のヒューマンインターフェース入力システムが、非常に柔軟性に乏しく、取り扱いが難しく、かつ使用効率が低いことを見出したが、これは種々の理由の中でもとりわけ、これらのシステムが人間の手の身体的な動きの利点を生かすように設計されていない、特に親指と4本指とが対向する構成、及び親指の便利な属性、例えば範囲の広い動き、及び強い力を加える能力、及び4本指の便利な属性、例えば繊細な運動制御、空間的記憶力、及び迅速な動きに関連する利点を生かすように設計されていないからである。
【0019】
本願発明者らは更に、和音入力方式及びモーダル入力技術のようなデータ入力及びデバイスコントロールの効率を高めるために開発された入力技術は、従来の入力システムに内在する非効率性によって制限されてきたことを見出した。例えば、ミニチュアキーボード及びキーパッドを和音入力方式と組み合わせて使用することによって、ユーザは多数の入力組み合わせを記憶し、そして必要な運動技能を身に付けて、少ない数の入力要素を制御することにより、通常のQWERTYキーボードよりも格段に複雑な機能を実現する必要があっただけでなく、ヒトの手の4本指及び親指を効率的に使用することができなかった、または入力作業をヒトの手の4本指及び親指に効率的に割り付けることができなかった。更に、ミニチュアキーボード及びキーパッドをモーダル入力技術と組み合わせて使用することによって、ユーザがデータを効率的に入力する能力が、特定の記号をユーザが入力するために必要になるタップ回数、及びユーザがどの位素早く入力要素をユーザの親指またはスタイラスで叩いて特定の記号を選択するかによって変わる形で制限される傾向があった。
【0020】
本願発明者らは更に、MP3のようなマルチメディア機能が提供されることにより、多くの携帯型電子機器において、高速かつ直感的スクロール操作、及びリストナビゲーション操作をサポートする必要が生じていることを見出した。例えば、多くの携帯型電子機器、特に携帯電話機には通常、Dパッドが主要手段として使用されて、歌のリストのようなアイテムリストを上下方向にアイテムごとに辿るようになっている。しかしながら、このようなアイテムごとのスクロールは通常、リストの先頭アイテムからリストの末尾アイテムまで辿るためには、特にリストが数百ものアイテムを含む場合には非効率となる。更に、これらの電子機器の多くの電子機器に実装されて、ユーザがアイテムの長いリストを辿る操作を容易にするページアップ及びページダウン機能は多くの場合、一つ以上の入力要素を複数回叩く、または押下することにより実行する必要がある。このようなページアップ及びページダウン機能を使用するために必要になるタップ回数または入力要素の数は普通、アプリケーション開発者の嗜好によって変わるので、同じ電子機器でもアプリケーションごとに異なる場合が多い。
【0021】
本願発明者らは更に、ゲームプレイをこのような機器において制御するユーザの能力が大幅に制限されていることを見出した。例えば、アナログゲームコントロールはPC及びコンソールゲームシステムのユーザが利用することができるが、アナログゲームコントロールは普通、携帯電話機及びPDAのような携帯型電子機器で広く利用するということができていない。上に述べたように、Xboxまたはプレイステーション2のようなゲームプラットフォームで実行されるほとんどのハイエンドゲームでは、ミニチュアジョイスティックまたはフルサイズのジョイスティックのような一つ以上の入力要素からのアナログ入力操作、または連続入力操作によりゲーム用指示入力が行なわれる。これとは異なり、携帯電話機及びPDAにはボタンまたはキーだけがゲームプレイ用の入力要素として配設される。更に、本願発明者らの知見として、携帯電話機には入力要素の配置に関する標準はない、または入力要素をゲーム機能に割り当てる方法に標準はない。例えば、多くの場合、これらの携帯電話機のほとんどに配設されるDパッドは、ゲーム開発者が利用してゲーム入力として使用するということができない。その結果、キーパッド上の数字入力要素、特にキーパッド上の「2」、「8」、「4」、及び「6」の入力要素を使用して上、下、左及び右方向移動を行なう方向移動入力が配設される場合が多い。本願発明者らは、この配置は幾つかの問題をもたらすことを見出した。第1に、入力が散らばっているので、一人称視点の運転ゲームで自動車のハンドル操作のような連続入力操作は全く行なうことができない。このようなゲームでは、自動車のハンドルを操作して、左側に、真っ直ぐに、または右側にだけ、事前に設定された増分だけ移動させることしかできず、ゲームプレイの快適さが極めて小さくなる。第2に、方向移動は、数字入力要素によって可能になるが、Dパッド上の明確にラベル付けされた矢印キーは使用されないままである。これにより通常、数字入力要素の操作に慣れることが必要になり、かつユーザの混乱を招く恐れがある。第3に、数字入力要素は通常、電話機表面の一方の端部に配置されるので、通常数字入力要素の上方に配置されるDパッドよりも快適に使用するということができない。その結果、ゲームプレイが制限され、かつ良好なインターフェースを備える場合よりも広く楽しまれるということがない。
【0022】
本願発明者らは更に、従来のモバイルハンドセットが多くの場合、複雑過ぎて幼児が使用するには実用的ではなく、そしてモバイルハンドセットに関連するサービスプランの費用が多くの場合、膨大な金額になることを見出した。特殊なモバイルハンドセットは、幼児が使用するためには容易であるが、通常、高価であり、かつ子供が成長すると子供の方がモバイルハンドセットに対して大きくなってしまいモバイルハンドセットを使えなくなる。
【課題を解決するための手段】
【0023】
従って、本願発明者らは、キーフォブまたはリモートコントロールのような種々の小型の携帯型補助装置または「入力アクセラレータ(input accelerator)」装置に実装することができるフレキシブルかつ効率的なヒューマンインターフェース入力システム及び方法を開発した。入力アクセラレータ装置または補助装置は、携帯電話機、PDA、ポケットPC、スマートフォン、MP3プレーヤのような従来の携帯型電子機器(すなわち、ホスト電子装置)、またはBluetooth(登録商標、以下同様)のような有線または無線通信プロトコルを使用する他の同様のデバイスとの接続を行ない、そして接続先ホスト電子装置の全ての機能を離れた場所から制御することができる。入力アクセラレータ装置は、ホスト電子装置の入力要素と連動させて使用することにより、テキスト入力、ゲームプレイ、リストナビゲーション及びスクロールのような機能を実行するユーザ能力を高めることができる。別の構成として、入力アクセラレータ装置によって、接続先ホスト電子装置の非効率的なヒューマンインターフェース入力システムとの直接的なインターフェースを取る必要を無くすこともできる。入力アクセラレータ装置を実装することにより、リモートコントロールの機能の他に、無線ハンドセットを含む種々のハイブリッドデバイスを実現することもできる。入力アクセラレータ装置(片手把持型または両手把持型であるかどうかに関係なく)を実装することにより、対向する親指及び4本指が示すような手が本来持っている使い易さ、及び従来の入力技術を使用するために既に身に付けている技法を利用することができるので、データ入力、リストナビゲーション、デバイスコントロール、及びゲームコントロールをタイムリーに、効率的に、快適に、楽しみながら、そして直感的に行なうこともできる。従って、新規に購入する携帯型装置に関して通常予測される使いこなしを超えた使いこなしは特に必要はないと考えられる。更に、補助装置には、幼児による使用に適する特殊設計ユーザインターフェースを設けることができる。子供にとって使い勝手が良いこの補助装置は、従来のモバイルハンドセットを幼児用にカスタマイズし、そして当該モバイルハンドセットを制御するように用いることができる。従って、どのような普通のモバイルハンドセットであっても、子供にとって使い勝手が良い通信デバイスに改造することができ、この通信デバイスによって子供は、彼または彼女の保護者から離れることなく保護者とずっと一緒に居ることができる、または高齢者は当該高齢者の家族から離れることなく家族とずっと一緒に居ることができる。この装置は、既存の多くのモバイルハンドセットと連動して動作することができるので、当該装置を、無線ネットワーク通信が可能な既存のどの製品よりもずっと安いコストで保有することができる。本発明によって、危険な状況に陥り易い社会構成員の個人セキュリティ及び安心を高めることができる。
【0024】
本明細書において記載する補助装置に関するヒューマンインターフェース入力システム及び方法の実施形態は、次の特徴の種々の組み合わせを含むことができる。
【0025】
一の態様では、移動ホスト装置とのインターフェースとなる補助装置は、双方向通信リンクを補助装置とホスト装置との間に確立するように構成される通信チャネルを含む。補助装置は更に、通信チャネルに通信可能に接続されるプロセッサを含む。プロセッサは複数のアプリケーションを実行するように構成される。更に、補助装置は、プロセッサに通信可能に接続される入力アセンブリを含む。入力アセンブリは、入力アセンブリに組み込まれる入力要素の合計数を最小にするように構成される。更に、少なくとも第1入力要素が、ホスト装置の一つ以上の入力機能にユーザ選択に基づいて割り当てられる。
【0026】
別の態様では、補助装置は、データをホスト装置と補助装置との間で双方向に送信するために使用される通信チャネルを設けることにより構成される。また、通信チャネルに通信可能に接続されるストレージユニットを設ける。ストレージユニットは、一つ以上のデータを保存するように構成される。更に、一つ以上の表面に、入力アセンブリを配置する。入力アセンブリは、入力要素の操作によるヒューマン入力を受け付けるように構成される種々の入力要素を含む。これらの入力要素の内の少なくとも一つの入力要素は更に、ホスト装置の一つ以上の機能に選択的に割り当てられるように構成される。更に、ストレージユニット、通信チャネル、及び入力アセンブリに通信可能に接続される補助プロセッサを設ける。補助プロセッサは、一つ以上のデータを実行するように構成される。
【0027】
更に別の態様では、種々のホスト装置は、一つの補助装置を設けることにより制御することができる。補助装置は、データを、複数のホスト装置と補助装置との間で双方向に送信するように構成される通信チャネルを含む。補助装置は更に、通信チャネルに通信可能に接続されるストレージユニットを含む。ストレージユニットは、種々のデータを保存するように構成される。補助装置は更に、種々の入力要素を含む入力アセンブリを含む。少なくとも第1入力要素が、ホスト装置の一つ以上の入力機能に選択的に割り当てられるように構成される。補助装置は更に、通信チャネル及び入力アセンブリに通信可能に接続され、かつ一つ以上のデータを処理するように動作するプロセッサを含む。更に、種々のホスト装置は、少なくとも第1入力要素を作動させて、第1入力要素に選択的に割り当てられたホスト装置の機能の内、少なくとも第1機能を、通信チャネルを使用して制御することにより制御することができる。
【0028】
実施形態は任意に、次の特徴の内の一つ以上の特徴を含むことができる。補助装置は更に、プロセッサに通信可能に接続される出力ユニットを含むことができる。出力ユニットは、出力データを、ユーザが少なくとも第1入力要素を作動させると出力するように構成される。出力ユニットはスピーカフォンを含むことができる。更に、補助装置は、通信チャネルに通信可能に接続されるストレージユニットを含むことができ、ストレージユニットは種々のデータを保存するように構成される。或る例では、ストレージユニットは、SDメモリカード、ミニSDメモリカード、マイクロSDメモリカード、及びコンパクトフラッシュ(登録商標)カードを含む取り外し可能なメモリユニットを含む。また、通信チャネルは、データ通信及び音声通信の両方を送信するように構成することができる。更に、通信チャネルは、一つ以上の更に別の補助装置とのインターフェースとなるように構成することができる。また、通信チャネルは更に、Bluetooth接続、赤外線接続、Wi−Fi接続、及びWi−Max接続の内の少なくとも一つを含む無線データ接続を含むことができる。また、請求項に記載の補助装置は、プロセッサに通信可能に接続される全地球測位システム(GPS)ユニットを含むことができる。GPSユニットは、補助装置の測位データをホスト装置に送信するように構成される。入力アセンブリは更に、ヒトユーザの対向する親指及び4本指の身体的機能を最適化するように構成することができる。
【0029】
本明細書において記載する入力アクセラレータ装置、及びヒューマンインターフェース入力システム及び方法は、次の利点の内の一つ以上の利点をもたらす。ヒューマンインターフェース入力システム、及び関連する方法によって、最も要求の強いゲーム入力要件をサポートすることができる高機能ゲームコントローラの機能、及び従来の標準のQWERTYキーボードを使用し、大きな実装面積を必要としないで達成されるデータ入力の速度及び正確さが実現する。また、ヒューマンインターフェース入力システム、及び関連する方法によって、所定数の入力要素に関連付けることができる機能の数を、必要とされるキーストロークまたはタップの回数を増やすことなく増やすことができる。更に、ヒューマンインターフェース入力システム及び関連する方法によって、入力要素のサイズを人間の手で扱い易いサイズに、入力システムの使用方法を学習するために要する時間が、従来の入力システムの場合よりも長くなることなく、維持することができる。
【0030】
ヒューマンインターフェース入力システム及び方法を入力アクセラレータ装置に実装することによって、従来の携帯型電子機器に配設される柔軟性に乏しく、取り扱いが難しく、かつ非効率的な入力システムとのインターフェースを取る必要を無くすことができる。入力アクセラレータ装置は複数の携帯型電子機器との接続を、有線または無線通信プロトコルを使用して行なうことができるので、単一の入力アクセラレータ装置によって複数の従来の携帯型電子機器の不具合を補うことができる。従って、入力アクセラレータ装置によって、従来の携帯型電子機器を修理する、または設計し直して、開示されるヒューマンインターフェース入力システム、及び関連する方法を直接実装するという必要を無くすことができる。更に、入力アクセラレータ装置は、装飾アクセサリーとして審美的に価値ある小型デバイスとすることができる。例えば、入力アクセラレータ装置は、広範囲に選択される色の他に、スポーツチームのロゴ、または漫画キャラクターを追加要素として実装することができる。入力アクセラレータ装置は更に、キーチェーンまたは携帯ストラップに容易に取り付ける、またはポケットまたは財布にクリップで留める、またはポケットまたは財布に入れて携行することができる。
【0031】
更に、移動ホスト装置を本明細書に説明するようにカスタマイズする補助装置によって、移動ホスト装置の画期的なユーザインターフェース(UI)及び機能を実現することができ、かつ移動ホスト装置に固有のユーザインターフェース(UI)及び機能を実装しなくても済む。補助装置によって更に、既存の従来のモバイル機器のユーザインターフェース(UI)を、従来のモバイル機器を変更する、または置き換える必要を生じることなくカスタマイズする小型の携帯型低コストモバイル機器が実現する。カスタマイズ可能な補助装置は、ターゲット人口層(例えば、幼児)に適するユーザインターフェース及び一連の機能を実現するように構成することができる。補助装置によって、子供が使用する簡易型ユーザインターフェース(UI)が実現し、そして親は、補助装置を従来のモバイルハンドセットとペアリングすることができる。その後、モバイルハンドセットの機能は、子供が補助装置をインターフェースとして操作することにより容易に制御することができる。補助装置は更に、携帯無線機能を実装することにより、親が補助装置を携行する子供と、無線サービス使用料を負担することなく通話することができる。更に、補助装置は、全地球測位システム(GPS)ユニットを搭載することにより、親が子供の場所を見守り易くすることができる。子供が子供の親から離れずに親の傍に居易くなり、更に必要なときに救急措置を講じ易くなる他に、本明細書に開示する主題事項を適用することにより、使用が容易なモバイルインターフェースを、高齢者のような、または特殊な認知インターフェース及びユーザインターフェースが必要になる状態に陥っている人のような他の人口層に提供することもできる。
【0032】
一つ以上の実施形態についての詳細を添付の図及び以下の記述に示す。他の特徴及び利点は、記述及び図から、そして請求項から明らかになる。
【0033】
種々の図における同様の参照記号は同様の構成要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1はヒューマンインターフェース入力システムを実装することができる携帯型入力アクセラレータ装置のブロック図である。
【図2】図2はヒューマンインターフェース入力システムを実装することができる入力アクセラレータ装置の別のブロック図である。
【図3】図3はヒューマンインターフェース入力システムのブロック図である。
【図4】図4はヒューマンインターフェース入力システムの入力アセンブリの詳細ブロック図である。
【図5a】携帯型入力アクセラレータ装置の正面図、側面図、及び背面図をそれぞれ示し、第2入力アセンブリは、複数の構成可能な活性領域を有する圧力センサアレイを含む。
【図5b】携帯型入力アクセラレータ装置の正面図、側面図、及び背面図をそれぞれ示し、第2入力アセンブリは、複数の構成可能な活性領域を有する圧力センサアレイを含む。
【図5c】携帯型入力アクセラレータ装置の正面図、側面図、及び背面図をそれぞれ示し、第2入力アセンブリは、複数の構成可能な活性領域を有する圧力センサアレイを含む。
【図5d】携帯型入力アクセラレータ装置の正面図、側面図、及び背面図をそれぞれ示し、第2入力アセンブリは、複数の構成可能な活性領域を有する圧力センサアレイを含む。
【図6】図6は携帯型入力アクセラレータ装置に搭載される第2入力アセンブリの別の実施形態を示す。
【図7a】リモートコントロール及び無線ハンドセットを組み合わせた形で備える携帯型入力アクセラレータ装置の一の実施形態を示す。
【図7b】リモートコントロール及び無線ハンドセットを組み合わせた形で備える携帯型入力アクセラレータ装置の一の実施形態を示す。
【図7c】リモートコントロール及び無線ハンドセットを組み合わせた形で備える携帯型入力アクセラレータ装置の一の実施形態を示す。
【図7d】リモートコントロール及び無線ハンドセットを組み合わせた形で備える携帯型入力アクセラレータ装置の一の実施形態を示す。
【図8】図8は、カスタマイズされたユーザインターフェースを実現する補助装置のブロック図である。
【図9a−b】図9a〜bは、カスタマイズされたユーザインターフェースを有する補助装置の一の実施形態を示す。
【図9c−d】図9c〜dは、ホスト装置の音声通信機能を制御する補助装置を示す。
【図9e】図9eは、ホスト装置または更に別の補助装置と通信する短距離無線トランシーバを組み込むようにカスタマイズされた補助装置を示す。
【図9f】図9fは、特定のフォームファクタを持つようにカスタマイズされた補助装置を示す。
【図9g】図9gは、全地球測位システム(GPS)ユニットを搭載するようにカスタマイズされた補助装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
ヒトの手の身体的な特質
ヒトの手は、向かい合わせにできる親指と、そして4本指と、から成る、すなわち、親指は、4本指のどの指とも向かい合わせになることができる、一緒に使うことができる、組み合わせることができる、または機能的に連携する関係になっている。ヒトの4本指と比べると、ヒトの親指は、動く範囲が広い、強い力を加えることができる、そして器用さに欠けるという特徴を持つ。ヒトの親指の第1関節は、左右移動、上下移動、及び親指の長軸を中心とした回転のように3自由度を有し、一方、4本指の第1関節は、左右移動及び上下移動のように2自由度を有する。従って、親指は通常、運動範囲が4本指のどの指よりも広いと考えられる。また、ヒトの親指は4本指のどの指よりも動力筋が大きいので、親指は4本指よりも強い力を加えることができる。しかしながらまた、動力筋が大きいことにより、ヒトの親指は、4本指と比べると、繊細な運動制御を行なうことができず、かつ動きを迅速に行なうことができないという不具合を持つ。従って、ヒトの4本指は、繊細な動きを生み出す必要がある作業を行なう、または一点集中する、または繰り返し動作を迅速に行なう機能を必要とする作業を行なうために相対的に適している。
【0036】
携帯型入力アクセラレータ装置のハードウェア概要
図1は、携帯型入力アクセラレータ装置100の高位ブロック図であり、入力アクセラレータ装置100に、ここで説明するヒューマンインターフェース入力システム、及び関連する入力方法を実装して、携帯型ホスト装置117に搭載され、かつホスト装置で実行されるソフトウェアアプリケーションを制御する。入力アクセラレータ装置100は携帯型ホスト装置117に付随する補助装置であるので、ユーザは補助装置及び携帯型ホスト装置117とのインターフェースを取ることができる、または携帯型ホスト装置117に代わって補助装置単独とのインターフェースを取ることができる。入力アクセラレータ装置100は、携帯電話機、PDA,ポケットPC、またはスマートフォンのような携帯型ホスト装置117、或いは他の同様のデバイスにBluetoothプロトコルのような通信リンク111を使用して通信可能に接続される。Bluetoothプロトコルは、2.4GHz帯域で動作し、短距離低電力1メガビット/秒の無線ネットワーク標準仕様であり、ピコネットにおける使用に適する。ピコネットは1台のマスタと、そして最大7台のスレーブと、を有することができる。マスタは偶数番号のタイムスロットで送信を行ない、スレーブは奇数番号のタイムスロットで送信を行なう。一つのピコネット内の複数のデバイスは、合計で1メガビット/秒の伝送容量を有する共通の通信データチャネルを共有する。ヘッダ及びハンドシェーキング情報をBluetoothデバイスが使用して会話を開始し、そして互いを確認して接続を行なう。
【0037】
通信リンク111は別の構成として、ユニバーサルシリアルバスインターフェース、IEEE 1394ファイアワイヤ、または他のシリアルまたはパラレルポート接続のような標準のデータポートを使用する有線リンクとすることができる。更に、通信リンク111は、赤外線,無線フィデリティ(Wi−Fi)、または他のいずれかの無線接続のような他の標準の無線リンクとすることができる。Wi−Fiとは、802.11a/b/gを含むいずれかのタイプのIEEE 802.11プロトコルを指す。Wi−Fiによって普通、インターネットへのデバイスによる無線接続、またはデバイス間の接続が可能になる。Wi−Fiは、無認可の2.4GHz無線帯域で動作し、この場合、11メガビット/秒(802.11b)または54メガビット/秒(802.11a)のデータレートで動作する、或いは両方の帯域を含む製品で動作する。赤外線とは、ヒトの眼が感知できる範囲から外れる低周波数の光波を指す。ほとんどのテレビジョンリモートコントロールシステムにおいて行なわれるように、情報はデバイス間を赤外光ビームで伝送される。標準の赤外線システムは赤外線データ接続(infrared data association:IrDA)と呼ばれ、そして標準の赤外線システムを使用して何台ものコンピュータを周辺機器にデジタルモードで接続する。
【0038】
通信リンク111は入力アクセラレータ装置の通信インターフェース116を、携帯型ホスト装置117の通信インターフェース118に接続する。入力アクセラレータ装置100は、通信インターフェース116と通信するインターフェース入力システム114を含む。インターフェース入力システム114は、キー、ボタン、圧力センサパッド、タッチパッド、ロータリーダイヤル、親指ジョイスティック、直線状のリニアセンサ、またはヒューマンユーザの親指または4本指の一方または両方で操作することができる一つ以上のセンサに接続される他のアクチュエータのような入力要素(図示せず)を含む。入力要素は、ホスト装置100に保存されるソフトウェアアプリケーションの一つ以上の機能に選択的に割り当てられる。入力要素をソフトウェアアプリケーションの一つ以上の機能に選択的に割り当てる操作、または割り当て直す操作は、「携帯型装置の入力要素を割り当て直す方法」と題する同時係属中の米国特許出願第11/221,412号に開示される複数の技術の内の一つの技術を使用することにより行なうことができ、この特許文献をここで参照することにより、当該文献の内容全体が本明細書に組み込まれる。
【0039】
この実施形態では、インターフェース入力アセンブリ114は4つの入力要素を備える形で実装されるが、4つよりも多くの、または少ない入力要素を備える形で実装することができる。一つの入力要素が作動すると、電気信号が入力アセンブリ114によって生成される。生成される電気信号は入力信号122に変換され、これらの入力信号が通信リンク111を経由して携帯型ホスト装置117に送信され、ホスト装置117が入力信号122を通信インターフェース118を経由して受信する。入力信号122を携帯型ホスト装置117が処理して、作動した入力要素に割り当てられたソフトウェア機能を実行する。通常、携帯型ホスト装置117は、ARM,OMAPのようなプロセッサ(図示せず)を有する、または他の同様のプロセッサを有し、このプロセッサが入力信号を処理し、更にホスト装置に保存され、そしてホスト装置で実行されるソフトウェアアプリケーションを処理する。
【0040】
図2は入力アクセラレータ装置200を示すブロック図であり、入力アクセラレータ装置200に、ここで説明するヒューマンインターフェース入力システム、及び関連する入力方法を実装することができる。この実施形態では、任意のハードウェアコンポーネントを実装して、更に処理能力の高い補助装置を構成することにより、携帯型ホスト装置117で実行する必要のある複数の処理の内の更に多くの処理を入力アクセラレータ装置200で行なう。入力アクセラレータ装置200を携帯型ホスト装置117と連動させて使用することにより、入力アクセラレータ装置200自体に保存され、かつ入力アクセラレータ装置自体で実行されるソフトウェアアプリケーションを制御することができる。例えば、この実施形態では、入力アクセラレータ装置200は、同時係属中の米国特許出願第11/221,412号に記載されているようなリマッピングソフトウェアを当該装置に格納し、そして当該装置で実行することができる。別の例として、入力アクセラレータ装置200はインターネットブラウジングアプリケーションを保存し、そして実行することができ、インターネットブラウジングアプリケーションは、携帯電話機向けの携帯通信プロトコル(例えば、CDMAまたはGSM(登録商標)/GPRS)のような、携帯型ホスト装置に搭載される通信機能と組み合わせて使用することによりインターネットをブラウジングすることができる。
【0041】
入力アクセラレータ装置200は携帯型ホスト装置117と無線通信(または、別の構成として有線通信)する。携帯型ホスト装置117は、入力アクセラレータ装置200に関して示す同じコンポーネントの内の幾つかを含むことができる。この実施形態では、携帯型ホスト装置117は従来の携帯電話機であるが、他のタイプの携帯型電子機器を入力アクセラレータ装置200と一緒に使用することができる。入力アクセラレータ装置200は、情報を授受するためのバス202または他の通信機構と、そしてバス202に接続されて情報を処理する、ARM、OMAPのようなプロセッサ204、または他の同様のプロセッサと、を含むことができ、情報として、一つ以上の命令を含む一つ以上のシーケンスを挙げることができ、これらの命令は、携帯型ホスト装置117を制御する埋め込みソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアアプリケーションとすることができ、例えばリマッピングソフトウェアまたはテキストアプリケーション、ゲームアプリケーション、またはスクロールアプリケーション、或いは他のいずれかのソフトウェアアプリケーションとすることができる。
【0042】
入力アクセラレータ装置200は更に、バス202に接続されて情報、及びプロセッサ204が実行する命令を保存する、ランダムアクセスメモリ(RAM)または他のダイナミックストレージデバイスのようなメインメモリ206を含むことができる。メインメモリ206を使用することにより、プロセッサ204が実行する命令を実行している間に一時変数または他の中間情報を保存することもできる。入力アクセラレータ装置200は更に、バス202に接続されて静的情報及び命令をプロセッサ204用に保存するリードオンリーメモリ(ROM)208または他のスタティックストレージデバイスを含むことができる。記憶装置210を配設し、そしてバス202に接続することにより、情報及び命令をプロセッサ204用に保存することができる。記憶装置210は、EEPROM,コンパクトフラッシュ(登録商標)のようなフラッシュメモリ、または同様のストレージユニットを含むことにより、デバイスファームウェアを記憶することができる。ファームウェアのアップグレード版は、ホスト装置を経由して容易にダウンロードすることができる。入力アクセラレータ装置200は更に、情報をユーザに対して表示する液晶表示装置(LCD)のような任意のディスプレイ212と、そして情報及び選択コマンドをヒューマンユーザからプロセッサ204に送信するヒューマンインターフェース入力システム114と、を含むことができる。ヒューマンユーザからの選択コマンドは、入力信号122としてインターフェース入力システム114からバス202に送信されて、プロセッサ204のような他のコンポーネントに送信される。入力アクセラレータ装置200は更に、バス202に接続される通信インターフェース216を含むことができる。
【0043】
通信インターフェース216は双方向データ通信211を実現して、携帯型ホスト装置117、無線サービスデバイス、または無線サービスステーションとの接続を可能にする。双方向データ通信211によって、携帯型ホスト装置117と入力アクセラレータ装置200との間の対話式データの授受が可能になる。対話式データは音声データを含むことにより、携帯電話ホスト装置を使用する会話を可能にする。対話式データは、任意のディスプレイ212での表示を可能にするグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を含むことによりインターネットのブラウジングを可能にする。この実施形態では、携帯電話ホスト装置は通信コンジットとして機能することにより、前に述べたようにインターネットからのデータの受信を可能にする。通信インターフェース216は、Bluetoothのような無線リンク、またはこの技術分野の当業者には公知の他のいずれかの無線通信インターフェースとすることができる。無線リンク形態では、通信インターフェース216は、種々のタイプの情報を表わすデジタルデータストリームを伝送する電気信号、電磁信号、または光信号を送信し、そして受信することができる。
【0044】
入力アクセラレータ装置200は更に、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)をディスプレイユニット212に表示して、入力アクセラレータ装置200の通信範囲内に位置する携帯型ホスト装置117のリストを供給することができる。通信範囲内に位置する携帯型ホスト装置117のリストは、各装置のテキスト名、各装置を表わすアイコン、またはテキスト名、及び各装置を表わすアイコンの組み合わせを使用して表示することができる。入力アセンブリ406,408,409(以下に、図4に関して詳細に記載される)の入力要素は、組み合わせて、または個々に作動させることにより、所望の携帯型ホスト装置117を、入力アクセラレータ装置200の通信範囲内に位置する装置リストから選択することができる。
【0045】
上に説明した入力アクセラレータ装置100,200によって、携帯型ホスト装置117をユーザのポケット、バッグ、または他の保管場所から取り出す必要を、最も簡単なテキスト/音声制御機能を実行することにより無くすことができる。入力アクセラレータ装置100,200は更に、デバイスドライバ(図示せず)を含むことにより、携帯型ホスト装置117、及び携帯型ホスト装置117に搭載される全ての関連ソフトウェアアプリケーションに対する制御を行なうことができる。
【0046】
ヒューマンインターフェース入力システム概要
図3は、入力アクセラレータ装置100または入力アクセラレータ装置200のヒューマンインターフェース入力システム114のサブシステムのブロック図を示している。「ヒューマンインターフェースシステム」と題し、かつここで参照することにより内容全体が本明細書に組み込まれることになる同時係属中の米国特許出願第10/699,555号に更に詳細に記載されているヒューマンインターフェース入力システム114は、入力コントローラ316と通信する入力アセンブリ305を含むことにより、入力アセンブリ305に対するユーザの操作に応答して入力信号を解釈し、そして生成する。入力アセンブリ305は複数の入力アセンブリを含むことができ(図4に関して以下に詳細に説明する)、各アセンブリは、入力アクセラレータ装置100または入力アクセラレータ装置200の一つ以上の表面に配置される多数の入力要素を含む。これらの入力要素を、携帯型ホスト装置117に搭載されるソフトウェアアプリケーションの一つ以上の機能に選択的に割り当てることにより、これらの入力要素の内の一つの入力要素が作動すると、作動した入力要素に割り当てられた機能が実行される。
【0047】
詳細には、一つの入力要素が作動すると、入力コントローラ316が受信し、そして解釈する一つ以上の電気信号312が生成される。一つ以上のプロセッサを含むことができる入力コントローラ316は一つ以上の電気信号312を受信し、そしてこれらの電気信号を入力信号122に変換し、これらの入力信号は携帯型ホスト装置117に、入力アクセラレータ装置100の通信インターフェース116を携帯型ホスト装置117の通信インターフェース118に接続する通信リンク111を経由して送信される。同様に、入力信号122は携帯型ホスト装置117に、入力アクセラレータ装置200の通信インターフェース216を携帯型ホスト装置117の通信インターフェース118に接続する通信リンク211を経由して送信される。一の実施形態では、携帯型ホスト装置117は入力信号122を、マッピングソフトウェアのようなソフトウェアを使用してオンザフライで解釈して、作動した入力要素に割り当てられた機能を実行する。別の構成として、入力アクセラレータ装置200は入力信号122を、ストレージユニット210に搭載されるソフトウェアを使用して解釈することができる。
【0048】
図4は、複数の入力アセンブリを含む入力アセンブリ305の一の実施形態を示している。入力アセンブリ305は正面入力アセンブリ406と、背面入力アセンブリ408と、そして側面入力アセンブリ409と、を含む。正面入力アセンブリ406及び背面入力アセンブリ408は一つ以上の入力要素を含む。これらの入力要素は、入力要素が作動すると一つ以上の電気信号312を生成する。一つ以上のプロセッサを含むことができる入力コントローラ316は一つ以上の電気信号312を受信し、そしてこれらの電気信号を、携帯型ホスト装置117が受信し、そして解釈するために適する形式の入力信号122に変換する。別の構成として、入力信号122は、入力アクセラレータ装置200のプロセッサ104が解釈することができる。
【0049】
携帯型ホスト装置117は入力信号122を受信し、そして入力信号を、上に説明し、かつ以下に更に詳細に説明するリマッピングソフトウェアを使用して解釈し、このリマッピングソフトウェアは携帯型ホスト装置に読み込むことができる。詳細には、入力アクセラレータ装置100、200から送信される入力信号122は、携帯型ホスト装置117の通信インターフェース118が、Bluetooth無線プロトコルのような標準の通信プロトコルを使用して受信する。Bluetoothプロトコルによって、入力アクセラレータ装置100、200から送信される入力信号122を使用して、埋め込みソフトウェア、ファームウェア、またはテキストメッセージングアプリケーションまたはゲームアプリケーションのようなソフトウェアアプリケーションの携帯型ホスト装置117上での実行を制御することができる。入力信号122は、携帯型ホスト装置117が受信し、そして使用することにより、正面入力アセンブリ406、背面入力アセンブリ408、及び側面入力アセンブリ409の入力要素を、携帯型ホスト装置117で実行されるソフトウェアアプリケーションの一つ以上のソフトウェア機能に割り当て、そして割り当て直す。
【0050】
例えば、テキストアプリケーションが携帯型ホスト装置117で実行されている場合、携帯型ホスト装置117の入力コントローラ(図示せず)は、携帯型ホスト装置117の一つ以上の入力要素(例えば、携帯電話機のキーパッドを構成する入力要素)を、文字、字、数字、アイコン、他の種類の記号、または異なる種類の記号の組み合わせのような一つ以上の記号に割り当て、そして入力アクセラレータ装置100、200の正面入力アセンブリ406の一つ以上の入力要素を、シフト機能またはインデックス機能に割り当てる。従って、ユーザが字「X」を挿入しようとする場合、ユーザは、入力アクセラレータ装置100、200の第1シフトキーを、次に携帯型ホスト装置117の数字キー「9」を押下する。ユーザが字「Y」を挿入しようとする場合、ユーザは、入力アクセラレータ装置100、200の第2シフトキーを、次に携帯型ホスト装置117の数字キー「9」を押下する。ユーザが字「Z」を挿入しようとする場合、ユーザは、入力アクセラレータ装置100、200の第3シフトキーを、次に携帯型ホスト装置117の数字キー「9」を押下する。従って、ほとんどのマルチタップインターフェースの標準的な方法となっている、字「Z」を挿入するために携帯型ホスト装置117の数字キー「9」を3回押下する必要がある操作に代わって、ユーザは同じ字を、携帯型ホスト装置117の数字キー「9」の1度押しを、入力アクセラレータ装置100、200の第3シフトキーの1度押しと組み合わせて行なうことにより挿入することができる。
【0051】
また、入力アクセラレータ装置100、200の背面入力アセンブリ408の一つ以上の入力要素は、スクロール機能、ナビゲーション機能、またはカーソルコントロール機能に割り当てることができる。更に、側面入力アセンブリ409の一つ以上の入力要素をショートカットキーとして割り当てることにより、テキストアプリケーション、ゲームアプリケーション、または音楽アプリケーションのようなお気に入りのアプリケーションを携帯型ホスト装置117で実行することができる。携帯型ホスト装置117がゲームアプリケーションを実行している場合、入力信号122を使用してゲームプレイを制御することができる。すなわち、携帯型ホスト装置117の入力コントローラ(図示せず)は、入力アクセラレータ装置100、200の入力アセンブリ406、408、409の入力要素をゲーム機能に割り当てることができる。入力要素を所定のソフトウェアアプリケーションの特定の入力機能に割り当てる操作は、この操作を、入力アクセラレータ装置100、200が送信する入力信号122に応答して携帯型ホスト装置117の入力コントローラまたはプロセッサのいずれが実行するかに関係なく、アプリケーション開発者またはユーザがダウンロードを行なうことによりカスタマイズする、または他のプログラミング機能を用いてカスタマイズすることができる。更に、入力要素の割り当ては、言語キー配列を変更するために行なうことができ、この変更によって、複数の国でビジネスを行なっている製造業者が負担する携帯型電子機器の製造コストを小さくすることができる。
【0052】
別の構成として、入力アクセラレータ装置200のプロセッサ204が、上に説明したマッピング機能を実行し、そして携帯型ホスト装置117の処理負荷のかなりの部分を軽減することができる。更に、ヒューマンインターフェース入力システム114は、特にコストが問題となる場合には入力コントローラを備える必要はない。これらの例では、プロセッサ204は電気信号312を直接受信し、そして電気信号を適切な入力信号122に変換することができ、入力信号122は、上に説明し、かつ以下に更に詳細に説明するマッピング方法を使用して割り当てられる。
【0053】
同時係属中の米国特許出願第11/221,412号は、携帯型電子機器の入力要素を、共通要件(例えば、ゲーム、テキスト入力、音楽、及びスクロール操作)を満たす特定クラスのアプリケーションソフトウェア、及び/又は特定ユーザに関して最適となるように選択的に割り当て、そして割り当て直す方法について記載している。これらの方法を使用して、ここに開示する入力アクセラレータ装置100、200、及び/又は携帯型ホスト装置117の入力要素を割り当て、そして割り当て直すことができる。別の構成として、入力アクセラレータ装置100、200は入力信号122を、ユーザが入力要素を操作すると携帯型ホスト装置117に単に送信すれば良いだけであり、この場合、携帯型ホスト装置117で実行されるアプリケーションソフトウェアが、送信されてくる入力信号を解釈する。
【0054】
一の実施形態においては、携帯型電子機器を割り当て直す方法では、少なくとも一つの機能に関連付けられる少なくとも一つの物理入力要素を含むことができ、かつソフトウェアアプリケーション、または或るクラスのソフトウェアアプリケーションに対応するコンフィグレーション設定を受信し、マッピング機能をコンフィグレーション設定に基づいて変更し、そしてソフトウェアアプリケーションの動作中の物理入力要素の作動、例えば入力要素の押下または操作に応じて、物理入力要素に関連付けられる機能を実行する。物理入力要素は、入力アクセラレータ装置の3つの入力アセンブリ406、408、409、及び/又は携帯型ホスト装置の入力アセンブリによって作動させることができる。上に説明したように、Bluetoothのような標準の無線通信プロトコルを使用して、入力アクセラレータ装置100,200の入力アセンブリを物理的に作動させることにより生成される信号を携帯型ホスト装置117に送信して、特定のソフトウェアまたはソフトウェアアプリケーションの実行を制御する。そして、ソフトウェアまたはソフトウェアアプリケーションを、入力アクセラレータ装置から送信される信号によって実行するのに応答して、マッピング及びリマッピング手順が行なわれる。マッピング機能は、キーボードデバイスドライバ、キーボードデバイスドライバのデバイスレイアウトまたは変換レイヤ、これらの要素の組み合わせ、または別のマッピング機能を含むことができる。
【0055】
マッピング機能がデバイスレイアウトを含む実施形態では、物理入力要素が作動すると、物理入力要素に関連付けられる機能を実行するステップは、スキャンコードをバッファに書き込むステップと、スキャンコードをバッファから取り出すステップと、取り出したスキャンコードを仮想入力要素コード(virtual input element code)に、変更済みのデバイスレイアウトを使用して変換するステップと、キーボードイベントをスキャンコード及び仮想入力要素コードで呼び出すステップと、キーボードイベントに関連付けられる機能を実行するステップと、を含むことができ、この機能は、物理入力要素に関連付けられる機能である。
【0056】
マッピング機能が変換レイヤを含む実施形態では、物理入力要素が作動すると、物理入力要素に関連付けられる機能を実行するステップは、スキャンコードをバッファに書き込むステップと、スキャンコードをバッファから取り出すステップと、スキャンコードを元の仮想入力要素コードに変換するステップと、元の仮想入力要素コードを新規の入力要素コードに、キーボードデバイスドライバの変更済みの変換レイヤを使用して変換するステップと、キーボードイベントをスキャンコード及び新規の仮想入力要素コードで呼び出すステップと、キーボードイベントに関連付けられる機能を実行するステップと、を含むことができ、この機能は、物理入力要素に関連付けられる機能である。
【0057】
別の実施形態では、ソフトウェアアプリケーション、または或るクラスのソフトウェアアプリケーションを再構成する、または割り当て直す方法は、入力アクセラレータ装置に配置される一つ以上の物理入力要素を、少なくとも第1の実行可能機能に関連付けるステップと、第2の実行可能機能との一つ以上の物理入力要素の関連付けを設定するためのマッピング機能を、第1の実行可能機能との一つ以上の物理入力要素の関連付けを設定するためのマッピング機能に変更することにより、第1の実行可能機能が、ソフトウェアアプリケーション、またはソフトウェアアプリケーションの或るクラスに含まれるソフトウェアアプリケーションが動作している間に一つ以上の物理入力要素が作動すると開始するように構成されるステップと、を含むことができる。第2の実行可能機能は通常、一つ以上の物理入力要素を押下する、または作動させるとデフォルト状態で実行されるソフトウェアアプリケーションに組み込まれるデフォルト機能である。
【0058】
更に別の実施形態では、一つ以上の物理入力要素に関連付けるために利用することができる機能を特定するグラフィカルユーザインターフェースを配設することができる。グラフィカルユーザインターフェースは、ユーザが選択することができるソフトウェアアプリケーションを特定することにより、当該ユーザの物理入力要素を機能関連付けに適用することもできる。一つの例では、グラフィカルユーザインターフェースは、物理入力要素に対応する入力要素アイコンと、そして実行可能機能に対応する機能アイコンと、を含むことができる。従って、ユーザは複数の機能を指定して、これらの機能を物理入力要素に関連付けることができる。
【0059】
携帯型入力アクセラレータ装置の実施形態
図5a〜dは、携帯型入力アクセラレータ装置の500の正面図、側面図、背面図、及び「把持状態」図をそれぞれ示し、携帯型入力アクセラレータ装置500に、ヒューマンインターフェース入力システムを実装することができる。一の実施形態では、入力アクセラレータ装置の500は、4つの平坦表面または凹凸表面、すなわち、正面502、背面508、左側面504及び右側面506を含むリモートコントロール装置として用いられる。他の実施形態では、入力アクセラレータ装置500は4つの表面よりも多い、または少ない平坦表面及び/又は凹凸表面を有することができる。入力アクセラレータ装置500はスタンドアローンの小型無線補助装置とすることができ、この補助装置は、携帯電話機、PDA、ポケットPC、スマートフォン、ラップトップ、または他の同様のデバイスのような種々の携帯型装置と、Bluetooth無線プロトコルのような有線または無線通信プロトコルを使用して通信する。
【0060】
図5aに示すように、正面502には、LCDのようなディスプレイ(図示せず)、及び正面入力アセンブリ526を互いに隣接して配置することができる。別の構成として、ディスプレイは個別アセンブリに搭載することができ、このようなディスプレイとして、スウィーベル機構を採用した画面を有する、または折畳み式のPDA及び携帯電話機のディスプレイを挙げることができる。また、正面入力アセンブリ526は1つよりも多くの表面に配置することができる。正面入力アセンブリ526は4つの入力要素510、512、514及び516を含むことができるが、ユーザの親指または4本指で作動させることができる、どのような数の入力要素も配設することができる。入力要素510、512、514及び516を、シフト1(510)、シフト2(512)、シフト3(514)及びシフト4(516)のようなシフトキーまたはインデックスキーとして機能に割り当てることにより、携帯電話機またはPDAのキーパッドのようなホスト電子装置の入力要素に関連付けられる、文字、字、及び/又は数字のような記号の間のシフト処理またはインデックス処理を容易にすることができる。例えば、携帯電話機のようなホスト電子装置には通常、キーパッドが配設され、キーパッドは「7PQRS」キーまたは入力要素を有する。入力アクセラレータ装置500を使用することにより、これらの記号、P、Q、R、及びSの内のいずれか一つの記号は、適切な入力要素510、512、514及び516を叩き、そしてホスト電子装置の「7PQRS」キーを叩くことにより入力することができる。すなわち、文字「P」は、例えばホスト電子装置上で、入力要素510(シフト1として割り当てられる)を押下し、そしてホスト電子装置の「7PQRS」キーを押下することにより入力することができる。同様に、シフト2の入力要素512を「7PQRS」キーと一緒に押下することにより、文字「Q」を生成することができる。シフト3の入力要素514を「7PQRS」キーと一緒に押下することにより、文字「R」を生成することができる。「7」キーをシフトキーを使わずに押下することにより、ユーザ選択によって変わる形で数字「7」または文字「P」を生成することができ、この形態は、ソフトウェアで構成することができる。シフト4の入力要素516を「7PQRS」キーと一緒に押下することにより、文字「S」を生成することができる。従って、ホスト装置の同じキーを複数回(すなわち3回)叩いて、例えば文字「S」を入力する必要がなくなる。上に説明したように、複数のシフト入力要素(shift input elements)またはインデックス入力要素(indexing input elements)を搭載することによって、種々の携帯型ホスト装置ユーザによるテキスト入力の快適さ、正確さ、及び速度を劇的に向上させることができる。
【0061】
図5bに示すように、背面入力アセンブリ528は背面308に配置することができる。この実施形態では、正面入力アセンブリ526(図5a)は、ヒトの親指及び4本指が向かい合うという利点を生かすように背面入力アセンブリ528に対して配置される。別の構成として、ユーザは入力アクセラレータ装置をひっくり返すことにより、背面入力アセンブリを当該ユーザの4本指ではなく親指で使用することができる。背面入力アセンブリ528は2つのセンサアレイを含むことができ、これらのセンサアレイをソフトウェアで構成することにより、アプリケーションによって変わる異なるプログラム可能な機能に対応する一つ以上の区画活性領域を表わすことができる。センサアレイはリング状の屈曲センサアレイ518、及び細片状の直線センサアレイ520を含むことができる。屈曲センサアレイ518を実装することにより、センサアレイの表面を親指(または4本指)の持つ運動自由度に沿って横向きになぞって水平カーソル移動を生み出すことができる。更に、直線センサアレイ520の表面を、親指(または4本指)を使用して垂直方向になぞって垂直カーソル移動を生み出すことができる、または長い選択リストのスクロールバーを制御することができる。この実施形態における屈曲センサアレイ518及び直線センサアレイ520は、エラストマー材料のようなアクチュエータを含むことができ、このアクチュエータは、力検出抵抗アレイ、静電容量マットまたは静電容量アレイに取り付ける、或いはセンサアレイの複数の活性領域の圧力測定値に対応する複数の出力を供給することができる他の同様の圧力検出デバイス、または格子状圧力検出素子に取り付ける。圧力センサアレイ518、520の別の構成では、センサアレイ518、520の表面全体を、小さな矩形の非活性領域の間に散在する矩形の活性領域によって被覆して、所望のどのような数の活性領域も形成することができる。圧力センサアレイ518、520の他の構成は、所望のアプリケーションの要件によって変わる形で実現することができる。
【0062】
別の構成として、背面入力アセンブリ528は、センサを含まない構成とすることができ、そして正面入力表面502の入力要素をソフトウェアでプログラムすることにより、ユーザは直線センサアレイ520の表面を上または下になぞって、垂直方向のスクロール運動をリスト選択の際に行なうことができる。この実施形態によってユーザは、長いリストを、更に別のセンサを背面側に設けることなく効率的かつ効果的に辿ることができる。更に、正面入力表面502または背面入力表面508によって適宜、小型親指ジョイスティックを、左右方向及び上下方向の両方向にアナログ的な入力を行なって操作することができる。この親指ジョイスティックによってアナログ信号を供給して、携帯電話ホスト装置117で遊べるゲームを制御することができる。
【0063】
側面入力アセンブリ529は、図5a〜cに示すように、左側面504及び/又は右側面506に配置することができる。入力アクセラレータ装置300の左側面504及び右側面506は、更に別の入力要素または選択要素522、524、526、528が配設されるように使用することができ、これらの要素を使用して他のタイプの携帯電話機能に、上に説明し、かつ同時係属中の米国特許出願第11/221,412号に記載されたリマッピング方法を使用して割り当てることができる。側面入力アセンブリ529の入力要素または選択要素は、モード間のシフトが行なわれるように実装することもできる。例えば、入力要素または選択要素522、524、526、528の内の一つの要素を押し続ける操作は、ショートカットキーとして機能するので、ショートメッセージサービス(SMS)、インスタントメッセンジャー(IM)、またはミュージックのような好みのアプリケーションを起動することができる。これらの選択要素の内の一つの要素を押し続ける操作は、ショートカットキーとして機能して、電話番号サーチ及び選択、電話番号ダイヤル、及びコールアンサーのような携帯電話機能を作動させることもできる。2つの入力要素または選択要素522、524を左利きユーザ用に実装し、そして他の2つの選択要素526、528を右利きユーザ用に実装することができる。
【0064】
この実施形態、及び他のいずれかの実施形態における正面入力アセンブリ526の入力要素510、512、514、516、側面入力アセンブリ529の側面入力要素522、524、526、528、及び背面入力アセンブリ528の背面入力要素518、520は、アナログ及び/又はデジタルボタン、キー、ロッカー(一つ以上の位置調節ボタンまたはアナログジョイスティックボタンとすることができる)、スライダー、ダイヤル、または圧力センサ(力検出抵抗、圧電抵抗センサ、及び静電容量センサのような)と組み合わせて使用されるタッチパッド、位置検出センサ(ロータリーエンコーダ、リニアポテンショメータなどのような)、小型アナログ親指ジョイスティック、または他のセンサ、或いはこれらの要素の組み合わせとすることができる。
【0065】
図6は、背面入力アセンブリ408の別の実施形態を示している。入力要素610は、従来のロータリーダイヤル(Blackberryデバイスの親指操作型ホイールのような)として実装され、ロータリーダイヤルを使用して水平及び垂直カーソル移動、スクロール移動、及び/又はナビゲーション移動を制御することができる。他の実施形態では、上に説明した他のセンサは、対象となるユーザの年齢及びアプリケーションのカテゴリーによって変わる形で利用することができる。
【0066】
図7a〜dは、携帯型入力アクセラレータ装置を無線ハンドセットとして用いる様子を示している。図7aに示すように、ハンドセット700は、親指ホイールを正面730の入力要素710として備える形で用いることができ、入力要素710によってユーザは左右にスクロールすることができる。正面730には更に、複数の入力要素722、724を搭載することができ、これらの入力要素は入力要素710とともに、正面入力アセンブリを構成する。正面入力要素722、724は、入力要素710と連動する形で作動させて、左右にスクロールしながらオブジェクト選択を行なうことができる。
【0067】
図7bに示すように、ハンドセット700の背面760は背面入力アセンブリの一の実施形態を表わしている。背面760に直線センサアレイ720を搭載することにより、垂直スクロール操作、長いリストからの選択、及びナビゲーション操作を容易にすることができる。4つの表面の上の入力要素及び活性領域は、上に説明した入力要素及び活性領域とほぼ同様の構成とすることができる。
【0068】
図7b及び7cは更に、左側面740及び右側面750を示しており、これらの側面には、ハンドセット700の側面入力アセンブリが配置され、側面入力アセンブリは、少なくとも4つの側面選択要素712、714、716、718を搭載することにより、モード間のシフト処理またはインデックス処理、及びテキスト入力が容易になるように構成することができる。選択要素は、ダイヤリングまたは呼に対する応答のような種々の機能へのショートカットに割り当てることができる。2つの選択要素712、714を左利きユーザ用に実装し、そして他の2つの選択要素716、718を右利きユーザ用に実装することができる。
【0069】
図7dは、リモートコントロールとして使用されているハンドセット700を示している。すなわち、リモートコントロール入力をハンドセット700に一体的に組み込むことにより、ユーザは離れた場所から一つ以上の携帯型ホスト電子装置の全ての機能を、複数の機能を提供するハンドセット700を使用するだけで実行することができる。携帯電話機のようなホスト装置で会話する、または音楽を聴く場合、ハンドセット700を普通のハンドセットとして使用して、音声信号をスピーカ(図示せず)及びマイクロホン(図示せず)を通して受信し、そして送信することができる。テキストを入力する場合、ハンドセット700を片手または両手で保持し、そして使用してテキスト入力を迅速に行なうことができる。アプリケーションをホスト装置で実行する場合、親指ホイール710及びセンサアレイ720を使用して長いリスト、及びアイコンアレイを辿り、そしてスクロールすることができる。従って、リモートコントロールを組み込んだハンドセット700を用いて携帯電話機のようなホスト装置を、ホスト装置を当該装置の格納場所(例えば、ユーザのポケット、ジャケット、バックパック、または財布)から取り出すことなく動作させることができる。
【0070】
ホスト装置を特殊使用目的にカスタマイズする
図1〜7に関して上に説明した補助装置または入力アクセラレータ装置は、種々のホスト装置とのインターフェースとなるように実装することにより、入力機能を制御し、そして/またはデータを補助装置とホスト装置との間で転送することができる。本明細書において使用されるデータとは、通信目的で必要とされる情報や、ホスト装置に搭載されるソフトウェアアプリケーションをインストールしたり、開始したり、操作したりするために必要な情報や、ホスト装置に格納される他のタイプのモバイルコンテンツを指すことができる。通信目的のデータとして、音声コールをモバイル機器で開始したり、維持したり、終了したりするための情報(例えば、事前登録電話番号、開始、停止、電話帳のエントリ選択、ボリュームコントロール)や、テキストメッセージをショートメッセージングサービス(SMS)を利用して送信するための情報や、緊急時のCampus Police(大学警察)または911通報のようなセキュリティサービスプロバイダに送信される地域情報を挙げることができる。アプリケーションをインストールしたり、開始したり、実行したりするためのデータとして、補助装置からホスト装置に配信される実際のアプリケーションを挙げることができ、または生産性ソフトウェア(例えば、ワードプロセッサ、メッセージングアプリケーション、企業ソフトウェアなど)またはゲームソフトウェア(例えば、カードゲーム、カジノゲーム、運転ゲーム、1人称シューティングゲーム、ロールプレイゲームなど)を含む種々のアプリケーションを実行するために必要な情報を挙げることができる。ホスト装置に格納される他のモバイルコンテンツとして、ビジュアルコンテンツ(例えば、壁紙、写真など)、音楽ファイル(例えば、MP3ソング、MIDIファイル、WAVファイル、リングトーン、警告音など)、マルチメディアファイル(例えば、ビデオクリップなど)、アドレス帳エントリ(例えば、名前、アドレス、電話番号、emailアドレスなど)、カレンダーエントリ、文書(例えば、プレゼンテーションファイル、テキストファイルなど)、コンピュータコマンドまたはコンピュータ命令、音声データなどを挙げることができる。補助装置は、携帯電話機、iPod、MP3プレーヤ、PDAなどのような携帯型ホスト装置とのインターフェースとなることができる。或る実施形態では、補助装置は、衛星無線装置、ラップトップ、デスクトップ、ビデオゲームコンソール、テレビジョン、DVDプレーヤ、及びステレオシステムのような他の適切なコンシューマ向け電子ホスト装置とのインターフェースとなることができる。
【0071】
一の態様では、補助装置を実装することにより、ホスト装置を制御するようにカスタマイズされたユーザインターフェースを実現することができる。ユーザインターフェースをカスタマイズすることにより、ホスト装置に対する特定ユーザによる制御を容易にすることができる。特定ユーザとして、子供、視覚障害者、高齢者、及びカスタマイズされたユーザインターフェースの利点を享受する他のユーザを挙げることができる。図8は、このような特定ユーザのためにカスタマイズされたユーザインターフェースを実現するために用いられる補助装置800の機能ブロック図を示している。本明細書に開示する補助装置800は、図1〜4に関して上に説明した入力アクセラレータ100及び200と同様の機能を備えることができる。補助装置800は、プロセッサ802と、ストレージユニット810と、通信チャネル814と、入力ユニット822と、そして出力ユニット820と、を含む。補助装置800のこれらの機能部分はデータバス812によって互いに通信可能に接続される。ホスト装置850は従来の移動装置機能部分を含むことができ、移動装置機能部分として、ホストプロセッサ860、通信チャネル862、そしてモバイル音声/データネットワーク880との接続を適切な通信プロトコル818を使用して行なうトランシーバ864を挙げることができる。
【0072】
補助装置800は携帯型ホスト装置850とのインターフェースを、2つの通信チャネル814と862との間の通信リンクを開始することにより取ることができる。通信チャネル814及び862は、図1〜4に関して上に説明した種々の通信媒体830に結合することができる。例えば、無線接続はWiFi接続、Bluetooth接続、WiMax接続、またはIR接続、或いは短距離無線接続を含むことができる。通信チャネル814は、補助装置800と携帯型ホスト装置850との間の双方向通信リンクを確立する機能を備える。一の実施形態では、通信チャネル814は、音声データ用チャネル(A)及び非音声データ用チャネル(B)の2つの個別チャネルを含む。別の実施形態では、通信チャネル814は、音声データ及び非音声データの両方を単一のチャネルで送信することができる。
【0073】
入力ユニット822を実装することにより、複数のユーザ入力要素を有する入力アセンブリを組み込むことができる。図1〜7dを参照しながら上に説明したように、入力アセンブリは、複数の入力アセンブリユニットを含むように構成することができ、この場合、各入力アセンブリユニットは補助装置800の異なる表面に配置される。これらのユーザ入力要素は複数のユーザ入力機能に、図1〜7dに関して上に説明した方法を使用して選択的に割り当てることができる。ユーザ入力要素を割り当てる操作を行なうことにより、ホスト装置850を制御するためにカスタマイズされたユーザインターフェースを実現することができる。
【0074】
図9は、カスタマイズされたユーザ入力要素910を有する補助装置900の一の実施形態を示している。カスタマイズされたユーザ入力要素910を搭載して、ホスト装置950の選択入力機能に割り当てる。ユーザが、選択入力機能に選択的に割り当てられたこれらのユーザ入力要素910の内の一つのユーザ入力要素を作動させると、通信リンク920が確立されて、データが補助装置900とホスト装置950との間で転送される。転送されるデータは、作動した入力要素に対応する入力信号を含むことができる。ホスト装置が、補助装置から送信される入力信号を受信すると、ホストプロセッサ860は受信入力信号を解釈し、そして全ての必要なアプリケーションを起動してホスト装置950の入力機能を実行する。
【0075】
エンドユーザは、入力要素に割り当てるべき入力機能を決定し、そして選択することができる。図9bは、ホスト装置950の選択数の入力機能を子供が制御するためにカスタマイズされた入力要素910a〜fを有する補助装置900の詳細図を示している。例えば、補助装置900の入力要素910a〜fをホスト装置950の選択入力機能に、図1〜7を参照しながら上に説明したマッピング方法を使用して割り当てることにより、ユーザインターフェースを簡易化して子供が使用することができるようにする。選択的に割り当てられた入力機能として、例えば、1)Start Call 910a(呼の開始:910a)、2)End Call and Power On/Off 910b(呼の終了、及び電源オン/オフ:910b)、3)Call Mommy 910d(ママに電話する:910d)、4)Call Daddy 910c(パパに電話する:910c)、5)Access Phone Book 910e(電話帳を見る:910e)、及び6)Emergency/Panic 910f(緊急/パニック:910f)を挙げることができる。図9bに示すように、ユーザ入力要素910a〜fは視覚インジケータ(例えば、Call Mommyボタン910dは、図9bの女性のような姿をしたアイコンを使用して表示される)を含むことができる。親は電話帳ボタン910eを事前にプログラムして、電話番号(例えば、ベビーシッター、祖父母)の短いリストを作成し、子供のモバイルハンドセット(すなわち、ホスト装置950)から発信される呼を制限することができる。電話帳910eは少なくとも、入力要素910a〜fに直接割り当てられていない電話番号を含む。緊急/パニック入力要素をプログラムすることにより、子供が緊急/パニック入力要素を、911が自動的にダイヤルされる前の所定時間の間だけ押し続けなければならないようにすることができる。押し続けるこの所定時間を適用することにより、緊急/パニック入力要素910fを間違って作動させることによる誤アラームを防止することができる。更に、補助装置900は、子供が、自分自身が非常に困難な状況に陥りそうであると感じたときに、911コールが発呼されると必ず騒々しい警告音を発して困難な状況を回避するように構成することができる。
【0076】
入力要素910a〜fをホスト装置950の上述の入力機能、または他の入力機能に割り当てるようにプログラムする前に、通信リンクを補助装置900とホスト装置950との間に確立して、両方の装置の適切なシステム設定を検証し、そして初期化することができる。一旦、補助装置900が上述のようにカスタマイズされると、子供はホスト装置950(例えば、モバイルハンドセット)とのインターフェースを取って発呼する必要はない。実際、モバイルハンドセット950が補助装置900とモバイルハンドセット950との間の通信リンクによるカバー範囲に位置しているとすると、子供は彼/彼女の母親または父親に電話を掛けるときに、モバイルハンドセット950を彼/彼女のリュックサックまたは他の場所に収納したままの状態にしておくことができる。補助装置900を直接使用した電話発呼を容易にするために、マイクロフォン(図示せず)及びスピーカ(図示せず)を補助装置900に組み込むことができる。例えば、マイクロフォンは入力ユニット822に組み込み(図8参照)、そしてスピーカは出力ユニット820に組み込むことができる(図8参照)。図9cは、子供が、ホスト装置950(例えば、モバイルハンドセット)をリュックサックの中に放置したままの状態で、補助装置900を使用して発呼する様子を示している。或る実施形態では、補助装置900には、図9dに示すように、電話発呼を行なう場合のスピーカフォンを搭載することもできる。
【0077】
一の態様では、本明細書において説明する補助装置900を用いることにより、(1)補助装置とホスト装置または一つ以上の更に別の補助装置との間の音声通信、(2)補助装置とホスト装置または一つ以上の更に別の補助装置との間の無線通信リンクを使用しての、本明細書において説明するようなデータ送信、及び(3)データ送信に使用される同じ無線通信リンクを経由しての補助装置とホスト装置または一つ以上の更に別の補助装置との間の短距離音声通信に関連する機能を実行することができる。無線通信リンクは、Bluetoothのような、本明細書において説明する方式に従った従来のいずれかの無線プロトコルを実装することができる。例えば、補助装置900を用いることにより、補助装置とホスト装置との間のデータ送信に使用される無線通信メカニズムを利用することができる。通信チャネル814(図8参照)を実装することにより、短距離音声データを補助装置800とホスト装置950との間で、これらの装置間で送信されるデータの他に送受信することができる。これにより、補助装置は、短距離無線通信メカニズムを実装する必要のない携帯用無線機として機能することができる。同じ通信チャネルを利用して音声転送及びデータ転送の両方を行なうことにより、補助装置を更に簡易なコスト効率の高いデバイスとして構成することができる。携帯無線機能は、一人以上の人と通信するために有用な機能となることができ、セルラーネットワークに接続する必要がなく、かつ費用の嵩む無線サービス使用料を負担することがない。携帯無線機能は、セルラーネットワークの通信状態が悪い場合にも有用な機能となることができる。更に、携帯無線機能は、親が、親の近くに居るが見えない場所に居る(例えば、隣の建物に居る)彼/彼女の子供と直ぐに通話しようとする場合に有用な機能となることができる。親のモバイルハンドセット950は、複数の補助装置900と携帯無線モードで通信することができる。このような実施形態では、各子供に補助装置900だけを持たせ、モバイルハンドセット950は持たせないようにすることができる。親及び彼/彼女の子供が通話したいと思う場合、彼らは単に、短距離無線接続を利用して互いに会話することができ(例えば、各子供が補助装置900で通話する)、無線サービス使用料を負担することがない。補助装置900及びホスト装置950は、これらの装置が互いの電波が届く範囲の外に移動しているときに、ビープ音のような警告信号を発して親及び子供に警告するように構成することができる。
【0078】
一の実施形態では、同じ構成を用いて、子供が親から物理的に引き離されるときに、例えば子供が遠足に出掛け、そして親が仕事に出ているときに長距離通信を行なう必要がある場合、及び親及び子供が互いに近くに居るが、互いの声を聞くことができる距離に位置していないときに短距離通信を行なう必要がある場合の両方の場合に対処することができる。Bluetoothリンク機能のような無線リンク機能を持つ補助装置900は、2つのモードの内の一方のモードで使用することができ、第1モードでは、ホスト装置950を作動させてセルラーネットワークを経由して発呼して、子供が長距離通信を行なう必要がある場合の通信を可能にし、第2モードでは、子供が所持する補助装置900と、親が所持するホスト装置950との間の携帯無線接続を確立して、親及び子供が短距離通信を行なう必要がある場合の通信を可能にする。
【0079】
複数の補助装置900を一つのホスト装置950と通信させる形態は他の例において有用となり得る。例えば、大人(例えば、先生)の引率の下に一緒に遠足に出掛ける子供達は、互いにこの形態を利用して通信することができる。子供を引率する大人はホスト装置950(例えば、従来のモバイルハンドセット)を携行することができ、そして子供達は各自、補助装置900を携帯無線モードで携行することができる。音声通信及び警告インジケータ(上に説明した)を利用することにより、子供を引率する大人は容易に、全ての子供を見守り続けることができる。このような実施形態は、混雑するモール、スポーツアリーナなどにおけるように、種々の現場において適用することができる。
【0080】
或る実施形態では、補助装置900を、特殊製品デザイン要素を組み込むように用いることにより、子供または他のターゲット人口層の審美的感覚に訴える。例えば、ライセンスされたキャラクター(例えば、漫画のキャラクター)を補助装置900の筐体のデザインに取り入れることができる。デザイン要素によって、補助装置900を子供にとって一層魅力的なものとすることができる。図9は異なるデザイン要素を有する2つの補助装置900を示している。
【0081】
或る実施形態では、補助装置900には、ゲームアプリケーションのようなアプリケーションソフトウェアを、適切なユーザインターフェース要素と一緒に事前に搭載して、ゲームソフトウェアを実行する。例えば、補助装置900は、視覚ディスプレイ(図示せず)及びゲームコントロール(図示せず)を含むことができる。このような実施形態では、補助装置900はハンドヘルドゲーム機器として機能することもできる。別の構成として、補助装置900はゲームコントロール(図示せず)を含むことができ、ゲームコントロールを使用してホスト装置(950)で実行されるゲームを制御することができる。このような実施形態では、ゲームアプリケーションは、補助装置900からホスト装置950にアプリケーション全部を配信することができる、またはゲームアプリケーションは、一部が補助装置900で実行され、そして一部がホスト装置950で実行されるように実行することができ、この場合、双方向データリンクが2つの装置の間で、ゲームを実行している間にリアルタイムで維持される。この実施形態についての更なる詳細は、本開示と同時に出願された同時係属中の出願第XX/XXXXXX号に記載されており、この出願を参照することにより、この出願の内容全体が本明細書に組み込まれる。
【0082】
或る実施形態では、補助装置900は、全地球測位システム(GPS)ユニットを組み込むように構成され、GPSユニットによって親は、子供の移動先の場所を特定し、そして子供の動きを見守ることができる。GPSユニットは、携帯無線機能を備える形で実装することにより、親が彼/彼女の子供を見守り続け、そして即座に子供と通話する機能を高めることができる。図9はGPSを利用する実施形態を示している。モバイルハンドセット950を携行する親は、補助装置を携行している彼/彼女の子供の位置を探索し、そして特定することができる。この実施形態についての更なる詳細は、本開示と同時に出願された同時係属中の出願第XX/XXXXXX号に記載されており、この出願を参照することにより、この出願の内容全体が本明細書に組み込まれる。
【0083】
本明細書において説明した補助装置は、幼児以外の人口層に利点をもたらすように構成することができる。例えば、視力の低下した高齢者は、従来のハンドセットの入力機能に割り当てられた大型ボタンを配置した構成の補助装置を便利に使用することができる。別の構成として、言葉を発することができない、または意思疎通する能力を失った人は、介護者が所持するホスト装置または別の補助装置のいずれかの装置との通信リンクを即座に確立する入力機能に割り当てられた簡易ボタンを搭載した補助装置の簡易バージョンを使用することにより便利さを享受することができる。更に、言葉を発することができない人は、テキストメッセージングに最適化され、かつカスタマイズされたユーザ入力要素を有する補助装置を携行することができる。
【0084】
更に、ここに説明する入力アクセラレータ装置は、複数の「スレーブ」装置またはホスト装置と通信する「マスタ」装置として用いることができる。ユーザは一つのホスト装置から別のホスト装置に、所望のホスト装置を、入力アクセラレータ装置に配置されるスクリーンまたはLCに表示することができるホスト装置リストから選択するだけで容易に切り替えることができる。例えば、ユーザは、携帯電話機のようなホスト装置を選択的に制御して、電話コールに入力アクセラレータ装置を使用して応答することができる。発呼者とハンドセット700を使用して会話する場合、ユーザは発呼者を待たせ、そしてPDAのような別のホスト装置に登録されるemailアドレスを、PDAを選択的に制御することによりルックアップすることができる。emailアドレスを取り出した後、ユーザは電話の会話に、携帯電話機の制御に選択的に切り替えて元の状態とすることにより戻ることができる。
【0085】
上に説明した実施形態のいずれの実施形態においても、能動的及び/又は受動的触覚フィードバックを用いることができる。受動的触覚フィードバックを実現するために、第1及び/又は第2入力アセンブリの入力要素を、ドームキャップまたはドームスプリングのような触知可能な戻り止めと組み合わせて、ユーザが、当該ユーザの4本指または親指で入力要素の活性化状態及び/又は非活性化状態を触知することができるようにする。一の実施形態では、種々の構成の中でもとりわけ、触知可能な戻り止めが入力要素のアクチュエータ部品とセンサ部品との間に配置されるようにすることができる。能動的触覚フィードバックを実現するために、一つ以上の振動ユニットまたは力生成ユニットを携帯型電子機器に搭載し、そして作動させてタップの強さ、またはインデックスの貼り付け位置の高さ、或いは他の情報をユーザに伝えることができる。振動ユニットは、モータのシャフトに偏心部を設けた電気モータ、ソレノイド、可変リラクタンス型装置、拡声器、または触覚フィードバックを与えることができる他のいずれかのバイブレーターとすることができる。力生成ユニットは非振動モードのソレノイド、モータ、非振動型アクチュエータ、または力を生成することができる他のいずれかのアクチュエータとすることができる。振動ユニット及び/又は力生成ユニットは各入力要素に配設することができる。当該事例においては、振動ユニット及び/又は力生成ユニットを入力要素の下に装着して、振動ユニット及び/又は力生成ユニットが作動すると、振動ユニット及び/又は力生成ユニットによって電子機器の表面が、伝える情報によって変わる形で異なる高さ、または位置に押し出されるようにすることができる。従って、圧力センサパッドまたはタッチパッドを入力要素として使用する実施形態では、階段状アレイを構成して、インデックスの貼り付け位置の高さがタッチパッドまたは圧力センサパッドを横切って徐々に高くなる感覚を与えるようにすることができる。振動ユニット及び/又は力生成ユニットを使用して触覚フィードバックを与えることにより、ゲームアプリケーションにおけるターゲットロックのように、目標を捕捉したときの瞬間的な達成感を与えることもできる。触覚フィードバックは、ソレノイドのようなアクチュエータによって与えることもでき、ソレノイドによって、入力要素の硬さを電気的に変化させることにより、またはユーザの手または指を押すことにより、ソフトウェアアプリケーションにおける注目イベントを通知する。
【0086】
ここに説明する計算構造は、アナログまたはデジタル電子回路の中で、或いはコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、或いはこれらの要素の組み合わせの中で実現することができる。必要に応じて、これらのシステム及び方法の種々の態様は、機械読み取り可能な記憶媒体に明確に具体化され、かつプログラマブルプロセッサが実行するコンピュータプログラム製品の中で実現することができ、そして、方法ステップはプログラマブルプロセッサによって実行することができ、これによって命令プログラムを実行して、入力データを処理し、そして出力を生成することにより機能を実行する。
【0087】
上に説明したシステム及び方法は、親指及び4本指の身体的機能を利用することができる、すなわち親指及び4本指が向かい合う性質、4本指による繊細な運動制御、及び親指による広範囲の運動、及び強い力を加える能力を使用する。4本指及び親指を一緒に動かすことにより、一つの所定の機能を実行するために必要になるタップ回数を少なくし、そして時間を短くし、正確さを高め、そして他のシステムに必要とされる使い慣れをするのではなく、ヒトの手に本来備わっている自然なプログラミングを利用することができる。
【0088】
多くの実施形態について説明してきた。他の実施形態は異なる特徴、または更に別の特徴を含むことができる。例えば、正面、背面、及び側面入力アセンブリの一つ以上の入力要素の他の構成を実現することができる。また、本明細書に説明する入力アクセラレータ装置は6個よりも多くの、または少ない平坦表面または凹凸表面を有することができる。更に、入力アセンブリの入力要素の数は、上の実施形態に記載される入力要素の数に制限されない。また、入力アセンブリの一つ以上の入力要素は、キー、ボタン、タッチパッド、他のタイプのパッド、ロッカー、スライダ、ダイヤル、コンタクトセンサ、またはいずれかのセンサに接続される他のアクチュエータのような、この技術分野の当業者には公知のいずれかの入力形式、または選択形式とすることができる。アクチュエータに接続される各センサは、デジタル瞬時オン/オフスイッチ、または圧力センサ(例えば、力検出抵抗、圧電膜センサ、または静電容量センサ)のようなアナログセンサ、または位置検出センサ(例えば、ロータリーポテンショメータ、ロータリーエンコーダ、またはリニアポテンショメータ、リニアエンコーダ)、またはこの技術分野の当業者に公知の他のアナログセンサ、或いは加速度計またはジャイロスコープを含むことができる。入力アセンブリは、これらの異なるタイプの入力要素または選択要素の組み合わせを含むことができ、これらの要素は図に示す構成で装着することにより、または装置に収容することにより装置全体の動きによる制御を可能にする。
【0089】
更に、ハイブリッド構成の補助用入力アクセラレータ装置の他の実施形態を用いることができる。人々は既に、既存の補助装置を持ち歩いており、これらの補助装置は、更に別のセンサを装備することにより、更に別の入力信号をホスト装置に供給して入力能力を高めることができる。財布の中に、札入れの中に入れて、またはキーチェーンに付けて持ち運ぶデバイスは、これらのデバイスが既に別の主要機能を提供しているので理想的であり、そして入力能力をこれらのデバイス利用して高めることにより、融合型アクセラレータ装置が得られ、このアクセラレータ装置によって、ユーザにとっての操作性を、一人の人が持ち歩くために必要とするアイテムの数を増やすことなく大幅に高めることができる。スタンドアローン型のリモートコントロール形態と同じように、これらの融合型入力アクセラレータ装置はホスト装置とBluetoothプロトコルを使用して無線通信する、または無線波の送受信が可能な範囲で確立される赤外線リンクにより無線通信することができる。別の構成として、融合型入力アクセラレータ装置をホスト装置に、ホスト装置に既に配設されているヘッドセットジャックのようなコネクタを利用して、または上に説明した多くのデータポートの内の一つのポートを利用して物理的にプラグ接続することができる。
【0090】
別の実施形態では、補助用入力アクセラレータ装置は、リモートキーレスエントリー装置を備える自動車キーとすることができ、リモートキーレスエントリー装置は、ほとんどの人々がキーチェーンに付けて持ち歩くときの普通のデバイスである。リモートキーレスエントリー装置には既にボタン、無線周波数(RF)リンク、及びオンボードプロセッサが搭載されて、セキュリティ情報をリモートキーレスエントリー装置からホスト車両に送信して、ドア、窓、またはトランクを開ける、温度湿度調節(climate control)設定を変更する、または他のいずれかの車両機能を離れた場所から制御する。ほとんどのリモートキーレスエントリー装置は更に、サイズが小さく、かつなめらかなフォームファクタを持つ。ボタン、タッチパッド、または連続するセンサ片を含む一つ以上の入力アセンブリをリモートキーレスエントリー装置に組み込むことにより、リモートキーレスエントリー装置をハイブリッド型デバイスに変えることができ、このハイブリッド型デバイスがホスト装置の入力アクセラレータ装置として機能することができる。ハイブリッド型リモートキーレスエントリー入力アクセラレータ装置はホスト装置と、Bluetoothプロトコル、長距離RFプロトコル、または赤外線プロトコルを使用して通信することができる。
【0091】
更に別の実施形態では、補助用入力アクセラレータ装置はリモートガレージドア開閉装置とすることができる。これらのリモート開閉装置は通常、自動車のサンバイザーにクリップで装着して使用されるようであるが、これらの開閉装置は更にサイズを小型化し、そしてキーチェーンに付けて持ち歩くこともできる。これらの装置は、ホスト装置の入力アクセラレータ装置としての使用に適するボタン及びセンサを搭載するように容易に機能強化することができる。
【0092】
一の実施形態では、補助用入力アクセラレータ装置はプログラム可能な無線周波数識別(radio frequency identification:RFID)キーフォブとすることができる。今日では、多くの勤労者が、安全性が確保された勤労者の仕事場にRFIDキーフォブを利用して出入りする。このようなキーフォブの回路を、ボタン、センサアレイ、及び無線通信プロトコルを備える入力アクセラレータ装置の内部に収容して、ホスト装置の補助用入力アクセラレータ装置として使用することができる。
【0093】
別の実施形態では、補助用入力アクセラレータ装置はスマートカードとすることができる。欧州及びアジアでは、RFIDキーフォブと同様の技術を利用する非接触型無線スマートカードが益々、種々の商取引に使用されるようになっている。例えば、コロンビア特別区の地下鉄システムでは、全てのターミナルでスマートカードを利用することができ、そして人々は乗車賃を、プリペイドスマートカードを収容した財布を設置改札機の上を滑らせることにより精算することができる。このようなスマートカードは、キーチェーンに付けて持ち歩くことができる入力アクセラレータ装置に組み込むことができる。従って、スマートカード型入力アクセラレータを使用して、ホスト装置に対する操作性を高めるだけでなく、日常生活における本人証明及び精算の主な方法として利用することができる。
【0094】
更に別の実施形態では、補助用入力アクセラレータ装置はユニバーサルリモートコントロール装置とすることができる。ソフトキーを備えるポケットサイズのユニバーサルリモートコントロール装置は、携帯電話機のようなホスト装置の他に、テレビジョン、DVDプレーヤ、VHSプレーヤ、及びサウンドシステムのような全ての標準的な家庭用娯楽機器を制御するように構成することができる。ユニバーサルリモートコントロール装置は、同じ赤外線リンクを使用して家庭用娯楽機器と、そして携帯電話機と通信することができる、或いはユニバーサルリモートコントロール装置は携帯電話機と、Bluetoothプロトコルのような別の無線プロトコルを使用して通信することができる。
【0095】
更に別の実施形態では、補助用入力アクセラレータ装置は、入力アクセラレータ装置の機能を搭載したデジタル腕時計とすることができる。デジタル腕時計、特にランニング用または運動用腕時計は通常、デジタルディスプレイと、そしてラップタイム、心拍数、及び他の重要な生物学的統計量を追跡する多数のボタンと、を有する。これらの腕時計は更に通常、普通の腕時計よりも大きな表面積を有する。これらの腕時計は容易にプログラムすることができ、そして更に別のセンサアレイを適宜組み込んで装備を改良することにより、ホスト装置の入力アクセラレータ装置として使用することができる。
【0096】
一の実施形態では、補助用入力アクセラレータ装置は、iPodのようなMP3装置とすることができる。モバイルプラットフォームを利用したマルチメディアコンテンツ配信が普通になっているが、現在では多くの人々が依然として個別のMP3プレーヤを持ち歩いて音楽を聴いている。iPodまたは他のMP3プレーヤには既にセンサ及びボタンが搭載されており、これらのセンサ及びボタンは、携帯電話機のようなホスト装置とのインターフェースとなる入力アクセラレータ装置として使用するために容易に機能強化することができる。MP3プレーヤはホスト装置との接続を、Bluetoothのような既存の無線プロトコル、または更に別の無線プロトコルを使用して行なうことができる。
【0097】
一の実施形態では、補助用入力アクセラレータ装置は、最大限に融合した無線リモートコントローラ装置とすることができる。上に説明した複数の実施形態の幾つか、または全てを組み合わせることにより、単一の融合型入力アクセラレータ装置とすることができる。装置のフォームファクタをキーフォブのフォームファクタとすることによりキーチェーンに取り付けることができる、腕時計のフォームファクタとすることにより腕に装着することができる、または持ち運びを容易にする他のいずれかの小型フォームファクタとすることができる。最大限に融合したリモートコントローラ装置は、短距離または長距離無線リンクを利用することができる更に別の全てのデバイスを制御する機能の他に、次の機能の全てを実行することができる。最大限に融合したリモートコントローラ装置は、キー及び任意のセンサアレイを備えた携帯電話機用入力アクセラレータ装置、長距離RF回路を備えたリモートキーレスエントリー装置、リモートガレージドア開閉装置、短距離受動RF回路を備えたRFIDキーフォブ、短距離受動RF回路を備えた本人証明/商取引用のスマートカード、家庭用娯楽システム用のユニバーサルリモートコントローラ装置として機能することができ、そして/または人々が取り込みたいと考える他のいずれかの補助機能を提供することができる。
【0098】
更に、データ入力、デバイスコントロール、またはゲームコントロールを可能にする本方法は、異なる順番で実行することができ、そして異なる順番で実行しても所望の結果をもたらすことができる。従って、他の実施形態は以下の請求項の技術範囲に包含される。
【0099】
更に、ここに説明する入力アクセラレータ装置は、複数の「スレーブ」装置またはホスト装置と通信する「マスタ」装置として用いることができる。ユーザは一つのホスト装置から別のホスト装置に、所望のホスト装置を、入力アクセラレータ装置に配置されるスクリーンまたはLCに表示することができるホスト装置リストから選択するだけで容易に切り替えることができる。例えば、ユーザは、携帯電話機のようなホスト装置を選択的に制御して、電話コールに入力アクセラレータ装置を使用して応答することができる。発呼者とハンドセット700を使用して会話する場合、ユーザは発呼者を待たせ、そしてPDAのような別のホスト装置に登録されるemailアドレスを、PDAを選択的に制御することによりルックアップすることができる。emailアドレスを取り出した後、ユーザは電話の会話に、携帯電話機の制御に選択的に切り替えて元の状態とすることにより戻ることができる。
【0100】
上に説明した実施形態のいずれの実施形態においても、能動的及び/又は受動的触覚フィードバックを用いることができる。受動的触覚フィードバックを実現するために、第1及び/又は第2入力アセンブリの入力要素を、ドームキャップまたはドームスプリングのような触知可能な戻り止めと組み合わせて、ユーザが、当該ユーザの4本指または親指で入力要素の活性化状態及び/又は非活性化状態を触知することができるようにする。一の実施形態では、種々の構成の中でもとりわけ、触知可能な戻り止めが入力要素のアクチュエータ部品とセンサ部品との間に配置されるようにすることができる。能動的触覚フィードバックを実現するために、一つ以上の振動ユニットまたは力生成ユニットを携帯型電子機器に搭載し、そして作動させてタップの強さ、またはインデックスの貼り付け位置の高さ、或いは他の情報をユーザに伝えることができる。振動ユニットは、モータのシャフトに偏心部を設けた電気モータ、ソレノイド、可変リラクタンス型装置、拡声器、または触覚フィードバックを与えることができる他のいずれかのバイブレーターとすることができる。力生成ユニットは非振動モードのソレノイド、モータ、非振動型アクチュエータ、または力を生成することができる他のいずれかのアクチュエータとすることができる。振動ユニット及び/又は力生成ユニットは各入力要素に配設することができる。当該事例においては、振動ユニット及び/又は力生成ユニットを入力要素の下に装着して、振動ユニット及び/又は力生成ユニットが作動すると、振動ユニット及び/又は力生成ユニットによって電子機器の表面が、伝える情報によって変わる形で異なる高さ、または位置に押し出されるようにすることができる。従って、圧力センサパッドまたはタッチパッドを入力要素として使用する実施形態では、階段状アレイを構成して、インデックスの貼り付け位置の高さがタッチパッドまたは圧力センサパッドを横切って徐々に高くなる感覚を与えるようにすることができる。振動ユニット及び/又は力生成ユニットを使用して触覚フィードバックを与えることにより、ゲームアプリケーションにおけるターゲットロックのように、目標を捕捉したときの瞬間的な達成感を与えることもできる。触覚フィードバックは、ソレノイドのようなアクチュエータによって与えることもでき、ソレノイドによって、入力要素の硬さを電気的に変化させることにより、またはユーザの手または指を押すことにより、ソフトウェアアプリケーションにおける注目イベントを通知する。
【0101】
ここに説明する計算構造は、アナログまたはデジタル電子回路の中で、或いはコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、或いはこれらの要素の組み合わせの中で実現することができる。必要に応じて、これらのシステム及び方法の種々の態様は、機械読み取り可能な記憶媒体に明確に具体化され、かつプログラマブルプロセッサが実行するコンピュータプログラム製品の中で実現することができ、そして、方法ステップはプログラマブルプロセッサによって実行することができ、これによって命令プログラムを実行して、入力データを処理し、そして出力を生成することにより機能を実行する。
【0102】
上に説明したシステム及び方法は、親指及び4本指の身体的機能を利用することができる、すなわち親指及び4本指が向かい合う性質、4本指による繊細な運動制御、及び親指による広範囲の運動、及び強い力を加える能力を使用する。4本指及び親指を一緒に動かすことにより、一つの所定の機能を実行するために必要になるタップ回数を少なくし、そして時間を短くし、正確さを高め、そして他のシステムに必要とされる使い慣れをするのではなく、ヒトの手に本来備わっている自然なプログラミングを利用することができる。
【0103】
多くの実施形態について説明してきた。他の実施形態は異なる特徴、または更に別の特徴を含むことができる。例えば、正面、背面、及び側面入力アセンブリの一つ以上の入力要素の他の構成を実現することができる。また、本明細書に説明する入力アクセラレータ装置は6個よりも多くの、または少ない平坦表面または凹凸表面を有することができる。更に、入力アセンブリの入力要素の数は、上の実施形態に記載される入力要素の数に制限されない。また、入力アセンブリの一つ以上の入力要素は、キー、ボタン、タッチパッド、他のタイプのパッド、ロッカー、スライダ、ダイヤル、コンタクトセンサ、またはいずれかのセンサに接続される他のアクチュエータのような、この技術分野の当業者には公知のいずれかの入力形式、または選択形式とすることができる。アクチュエータに接続される各センサは、デジタル瞬時オン/オフスイッチ、または圧力センサ(例えば、力検出抵抗、圧電膜センサ、または静電容量センサ)のようなアナログセンサ、または位置検出センサ(例えば、ロータリーポテンショメータ、ロータリーエンコーダ、またはリニアポテンショメータ、リニアエンコーダ)、またはこの技術分野の当業者に公知の他のアナログセンサ、或いは加速度計またはジャイロスコープを含むことができる。入力アセンブリは、これらの異なるタイプの入力要素または選択要素の組み合わせを含むことができ、これらの要素は図に示す構成で装着することにより、または装置に収容することにより装置全体の動きによる制御を可能にする。
【0104】
更に、ハイブリッド構成の補助用入力アクセラレータ装置の他の実施形態を用いることができる。人々は既に、既存の補助装置を持ち歩いており、これらの補助装置は、更に別のセンサを装備することにより、更に別の入力信号をホスト装置に供給して入力能力を高めることができる。財布の中に、札入れの中に入れて、またはキーチェーンに付けて持ち運ぶデバイスは、これらのデバイスが既に別の主要機能を提供しているので理想的であり、そして入力能力をこれらのデバイス利用して高めることにより、融合型アクセラレータ装置が得られ、このアクセラレータ装置によって、ユーザにとっての操作性を、一人の人が持ち歩くために必要とするアイテムの数を増やすことなく大幅に高めることができる。スタンドアローン型のリモートコントロール形態と同じように、これらの融合型入力アクセラレータ装置はホスト装置とBluetoothプロトコルを使用して無線通信する、または無線波の送受信が可能な範囲で確立される赤外線リンクにより無線通信することができる。別の構成として、融合型入力アクセラレータ装置をホスト装置に、ホスト装置に既に配設されているヘッドセットジャックのようなコネクタを利用して、または上に説明した多くのデータポートの内の一つのポートを利用して物理的にプラグ接続することができる。
【0105】
別の実施形態では、補助用入力アクセラレータ装置は、リモートキーレスエントリー装置を備える自動車キーとすることができ、リモートキーレスエントリー装置は、ほとんどの人々がキーチェーンに付けて持ち歩くときの普通のデバイスである。リモートキーレスエントリー装置には既にボタン、無線周波数(RF)リンク、及びオンボードプロセッサが搭載されて、セキュリティ情報をリモートキーレスエントリー装置からホスト車両に送信して、ドア、窓、またはトランクを開ける、温度湿度調節(climate control)設定を変更する、または他のいずれかの車両機能を離れた場所から制御する。ほとんどのリモートキーレスエントリー装置は更に、サイズが小さく、かつなめらかなフォームファクタを持つ。ボタン、タッチパッド、または連続するセンサ片を含む一つ以上の入力アセンブリをリモートキーレスエントリー装置に組み込むことにより、リモートキーレスエントリー装置をハイブリッド型デバイスに変えることができ、このハイブリッド型デバイスがホスト装置の入力アクセラレータ装置として機能することができる。ハイブリッド型リモートキーレスエントリー入力アクセラレータ装置はホスト装置と、Bluetoothプロトコル、長距離RFプロトコル、または赤外線プロトコルを使用して通信することができる。
【0106】
更に別の実施形態では、補助用入力アクセラレータ装置はリモートガレージドア開閉装置とすることができる。これらのリモート開閉装置は通常、自動車のサンバイザーにクリップで装着して使用されるようであるが、これらの開閉装置は更にサイズを小型化し、そしてキーチェーンに付けて持ち歩くこともできる。これらの装置は、ホスト装置の入力アクセラレータ装置としての使用に適するボタン及びセンサを搭載するように容易に機能強化することができる。
【0107】
一の実施形態では、補助用入力アクセラレータ装置はプログラム可能な無線周波数識別(radio frequency identification:RFID)キーフォブとすることができる。今日では、多くの勤労者が、安全性が確保された勤労者の仕事場にRFIDキーフォブを利用して出入りする。このようなキーフォブの回路を、ボタン、センサアレイ、及び無線通信プロトコルを備える入力アクセラレータ装置の内部に収容して、ホスト装置の補助用入力アクセラレータ装置として使用することができる。
【0108】
別の実施形態では、補助用入力アクセラレータ装置はスマートカードとすることができる。欧州及びアジアでは、RFIDキーフォブと同様の技術を利用する非接触型無線スマートカードが益々、種々の商取引に使用されるようになっている。例えば、コロンビア特別区の地下鉄システムでは、全てのターミナルでスマートカードを利用することができ、そして人々は乗車賃を、プリペイドスマートカードを収容した財布を設置改札機の上を滑らせることにより精算することができる。このようなスマートカードは、キーチェーンに付けて持ち歩くことができる入力アクセラレータ装置に組み込むことができる。従って、スマートカード型入力アクセラレータを使用して、ホスト装置に対する操作性を高めるだけでなく、日常生活における本人証明及び精算の主な方法として利用することができる。
【0109】
更に別の実施形態では、補助用入力アクセラレータ装置はユニバーサルリモートコントロール装置とすることができる。ソフトキーを備えるポケットサイズのユニバーサルリモートコントロール装置は、携帯電話機のようなホスト装置の他に、テレビジョン、DVDプレーヤ、VHSプレーヤ、及びサウンドシステムのような全ての標準的な家庭用娯楽機器を制御するように構成することができる。ユニバーサルリモートコントロール装置は、同じ赤外線リンクを使用して家庭用娯楽機器と、そして携帯電話機と通信することができる、或いはユニバーサルリモートコントロール装置は携帯電話機と、Bluetoothプロトコルのような別の無線プロトコルを使用して通信することができる。
【0110】
更に別の実施形態では、補助用入力アクセラレータ装置は、入力アクセラレータ装置の機能を搭載したデジタル腕時計とすることができる。デジタル腕時計、特にランニング用または運動用腕時計は通常、デジタルディスプレイと、そしてラップタイム、心拍数、及び他の重要な生物学的統計量を追跡する多数のボタンと、を有する。これらの腕時計は更に通常、普通の腕時計よりも大きな表面積を有する。これらの腕時計は容易にプログラムすることができ、そして更に別のセンサアレイを適宜組み込んで装備を改良することにより、ホスト装置の入力アクセラレータ装置として使用することができる。
【0111】
一の実施形態では、補助用入力アクセラレータ装置は、iPodのようなMP3装置とすることができる。モバイルプラットフォームを利用したマルチメディアコンテンツ配信が普通になっているが、現在では多くの人々が依然として個別のMP3プレーヤを持ち歩いて音楽を聴いている。iPodまたは他のMP3プレーヤには既にセンサ及びボタンが搭載されており、これらのセンサ及びボタンは、携帯電話機のようなホスト装置とのインターフェースとなる入力アクセラレータ装置として使用するために容易に機能強化することができる。MP3プレーヤはホスト装置との接続を、Bluetoothのような既存の無線プロトコル、または更に別の無線プロトコルを使用して行なうことができる。
【0112】
一の実施形態では、補助用入力アクセラレータ装置は、最大限に融合した無線リモートコントローラ装置とすることができる。上に説明した複数の実施形態の幾つか、または全てを組み合わせることにより、単一の融合型入力アクセラレータ装置とすることができる。装置のフォームファクタをキーフォブのフォームファクタとすることによりキーチェーンに取り付けることができる、腕時計のフォームファクタとすることにより腕に装着することができる、または持ち運びを容易にする他のいずれかの小型フォームファクタとすることができる。最大限に融合したリモートコントローラ装置は、短距離または長距離無線リンクを利用することができる更に別の全てのデバイスを制御する機能の他に、次の機能の全てを実行することができる。最大限に融合したリモートコントローラ装置は、キー及び任意のセンサアレイを備えた携帯電話機用入力アクセラレータ装置、長距離RF回路を備えたリモートキーレスエントリー装置、リモートガレージドア開閉装置、短距離受動RF回路を備えたRFIDキーフォブ、短距離受動RF回路を備えた本人証明/商取引用のスマートカード、家庭用娯楽システム用のユニバーサルリモートコントローラ装置として機能することができ、そして/または人々が取り込みたいと考える他のいずれかの補助機能を提供することができる。
【0113】
更に、データ入力、デバイスコントロール、またはゲームコントロールを可能にする本方法は、異なる順番で実行することができ、そして異なる順番で実行しても所望の結果をもたらすことができる。従って、他の実施形態は以下の請求項の技術範囲に包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動ホスト装置とのインターフェースとなる補助装置であって、
双方向通信リンクを前記補助装置と前記ホスト装置との間で確立するように動作する通信チャネルと、
前記通信チャネルに通信可能に接続され、かつ複数のアプリケーションを実行するように動作するプロセッサと、
前記プロセッサに通信可能に接続される入力アセンブリと、を備え、前記入力アセンブリは、組み込まれる入力要素の合計数を最小にするように構成され、少なくとも第1入力要素が、前記ホスト装置の一つ以上の入力機能にユーザ選択に基づいて割り当てられることを特徴とする補助装置。
【請求項2】
前記プロセッサに通信可能に接続される出力ユニットをさらに備え、前記出力ユニットは、出力データを、ユーザが少なくとも前記第1入力要素を作動させると出力するように構成されることを特徴とする請求項1記載の補助装置。
【請求項3】
前記出力ユニットは更にスピーカフォンを含むことを特徴とする請求項2記載の補助装置。
【請求項4】
前記通信チャネルに通信可能に接続されるストレージユニットをさらに備え、前記ストレージユニットは複数のデータを保存するように構成されることを特徴とする請求項1記載の補助装置。
【請求項5】
前記通信チャネルは更に、データ通信及び音声通信の両方を送信するように構成されることを特徴とする請求項1記載の補助装置。
【請求項6】
前記通信チャネルは、一つ以上の更に別の補助装置とのインターフェースとなるように構成されることを特徴とする請求項1記載の補助装置。
【請求項7】
前記プロセッサに通信可能に接続される全地球測位システム(GPS)ユニットをさらに備え、前記GPSユニットは、前記補助装置の測位データを前記ホスト装置に送信するように構成されることを特徴とする請求項1記載の補助装置。
【請求項8】
前記入力アセンブリは更に、ヒトユーザの対向する親指及び4本指の身体的機能を最適化するように構成されることを特徴とする請求項1記載の補助装置。
【請求項9】
前記通信チャネルは更に、Bluetooth接続、赤外線接続、Wi−Fi接続、及びWi−Max接続の内の少なくとも一つを含む無線データ接続を含むことを特徴とする請求項1記載の補助装置。
【請求項10】
前記ストレージユニットは、SDメモリカード、ミニSDメモリカード、マイクロSDメモリカード、及びコンパクトフラッシュ(登録商標)カードから成るグループから選択される一つのカードを含む取り外し可能なメモリユニットを含むことを特徴とする請求項1記載の補助装置。
【請求項11】
補助装置を構成する方法であって、
データをホスト装置と補助装置との間で双方向に送信するように構成される通信チャネルを設けるステップと、
前記通信チャネルに通信可能に接続され、かつ一つ以上のデータを保存するように構成されるストレージユニットを設けるステップと、
一つ以上の表面に、入力要素の操作によるヒューマン入力を受け付けるように構成される複数の入力要素を含む入力アセンブリを配置するステップであって、これらの入力要素の内の少なくとも一つの入力要素は更に、前記ホスト装置の一つ以上の機能に選択的に割り当てられるように構成される、ステップと、
前記ストレージユニット、前記通信チャネル、及び前記入力アセンブリに通信可能に接続される補助プロセッサを設けるステップであって、前記補助プロセッサは、一つ以上のデータを実行するように構成される、ステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記入力アセンブリを一つ以上の表面に配置するステップは、ヒトユーザの対向する親指及び4本指の身体的機能を最適化するように構成される少なくとも第1入力アセンブリを配置するステップをさらに含むことを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記通信チャネルを設けるステップは、前記通信チャネルを、データ通信及び音声通信の両方を送信するように構成するステップを含むことを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項14】
複数のホスト装置を制御する方法であって、
補助装置を設けるステップであって、前記補助装置は:
データを、前記複数のホスト装置と前記補助装置との間で双方向に送信するように構成される通信チャネルと、
前記通信チャネルに通信可能に接続され、かつ複数のデータを保存するように構成されるストレージユニットと、
複数の入力要素を含む入力アセンブリであって、少なくとも第1入力要素が、前記ホスト装置の一つ以上の入力機能に選択的に割り当てられるように構成される入力アセンブリと、
前記通信チャネル及び前記入力アセンブリに通信可能に接続され、かつ一つ以上のデータを処理するように動作するプロセッサとを備える、ステップと、
少なくとも前記第1入力要素を作動させて、前記第1入力要素に選択的に割り当てられた前記ホスト装置の機能の内、少なくとも第1機能を、前記通信チャネルを使用して制御するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
前記補助装置を設けるステップは、前記入力アセンブリを構成して、少なくとも第1入力要素を含む少なくとも第1入力アセンブリを組み込みステップであって、前記第1入力要素は第1表面に配置される、ステップをさらに含み、
前記第1入力アセンブリは更に、ヒトユーザの対向する親指及び4本指の身体的機能を最適化するように構成されることを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記補助装置を設けるステップは、前記プロセッサに通信可能に接続される出力ユニットを設けるステップをさらに含み、前記出力ユニットは、出力データを、ユーザが少なくとも第1入力要素を作動させると出力するように構成されることを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項17】
前記出力ユニットを設けるステップは、スピーカフォンを設けるステップをさらに含むことを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記補助装置を設けるステップは、前記通信チャネルを、データ通信及び音声通信の両方を送信するように構成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項19】
補助装置を設けるステップは、前記通信チャネルを、一つ以上の更に別の補助装置とのインターフェース接続を行なうように構成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項20】
前記補助装置を設けるステップは、前記プロセッサに通信可能に接続される全地球測位システム(GPS)ユニットを設けるステップをさらに含み、前記GPSユニットは、前記補助装置の測位データを前記ホスト装置に送信するように構成されることを特徴とする請求項14記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図7d】
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【図8】
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【図9a−b】
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【図9c−d】
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【図9e】
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【図9f】
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【図9g】
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【公開番号】特開2013−47953(P2013−47953A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−197378(P2012−197378)
【出願日】平成24年9月7日(2012.9.7)
【分割の表示】特願2008−535709(P2008−535709)の分割
【原出願日】平成18年10月11日(2006.10.11)
【出願人】(512162395)ジーモート テクノロジー インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】