モールドコイルの製造方法
【課題】小型且つ量産性に優れ、成形不良の少ないモールドコイルの製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】
プラスチック成形法を用いて、磁性体粉末と樹脂とを混練させた磁性体モールド樹脂で空芯コイルを封止する。形状が略真円状ではない空芯コイルを用いる。複数の金型から形成されるキャビティと、キャビティ内を垂直方向に移動可能な位置出しピンとを有する成形金型を用い、以下の動作を含むことを特徴とする。
(a)位置出しピンによってキャビティ内の所定の位置へ空芯コイルを配置する。
(b)キャビティ内に磁性体モールド樹脂をキャビティ内に充填する。
(c)その充填中に位置出しピンを所定の位置まで移動させる。
【解決手段】
プラスチック成形法を用いて、磁性体粉末と樹脂とを混練させた磁性体モールド樹脂で空芯コイルを封止する。形状が略真円状ではない空芯コイルを用いる。複数の金型から形成されるキャビティと、キャビティ内を垂直方向に移動可能な位置出しピンとを有する成形金型を用い、以下の動作を含むことを特徴とする。
(a)位置出しピンによってキャビティ内の所定の位置へ空芯コイルを配置する。
(b)キャビティ内に磁性体モールド樹脂をキャビティ内に充填する。
(c)その充填中に位置出しピンを所定の位置まで移動させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モールドコイルの製造方法に関し、特に空芯コイルを磁性体モールド樹脂で封止する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コイルを磁性体粉末と樹脂とを混練した磁性体モールド樹脂で封止してなるモールドコイルが広く利用されている。従来のモールドコイルの製造方法は、フェライトコアなどの巻芯に巻かれたコイルを金型のキャビティ内に配置し、その後キャビティ内に溶融状態の磁性体モールド樹脂を充填してコイルを封止する。特許文献1と特許文献2には巻芯を用いたモールドコイルの製造方法が開示されている。
【0003】
例えば、巻芯を用いずに空芯コイルをそのまま磁性体モールド樹脂で封止しようとすると、磁性体モールド樹脂の充填圧力によって空芯コイルが変形したり、キャビティ内の片側に寄ったり、または傾いたりして所定の位置からずれてしまうこともあった。これらコイルの変形や位置ずれは、外観的不良を引き起こすだけではなく、インダクタンス値や直流重畳特性等の電気的特性にも影響を与えてしまう。そこで、従来ではコイルの変形や位置ずれを防止するために巻芯やフレーム等を用いることが一般的だった。
【特許文献1】特開平4−338613号公報
【特許文献2】特開2006−32847号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年における電子機器の小型化や高機能化の技術革新は著しく、それに伴い、モールドコイルのような電子部品もまた小型化や高性能化、更には低価格化などの要求が高まっている。しかし、従来のモールドコイルで用いられる巻芯やフレームなどはモールドコイルの小型化や低背化の妨げになり、さらにコストの上昇を招く原因となっていた。
【0005】
そこで出願人は、先に出願した特願2008−97874において、位置出しピンと支持ピンを有する成形金型を用いた巻芯やフレームが不要なモールドコイルの製造方法を提案した。しかし、この方法を用いるときに空芯コイルの内径の形状が真円に近い形状(以下、略真円状)であると、成形金型のキャビティ内に空芯コイルを配置するときやキャビティ内に磁性体モールド樹脂を充填するときに、図17に示すように位置出しピン103aを中心に空芯コイル101が回転移動してしまうこともあった。空芯コイルが回転移動した状態で封止してしまうと、コイルの端部が不適当な位置にずれてしまったり、コイルがゆがむこともあった。また、コイルの端部にスポット溶接などで外部電極を取り付けた状態で一体成形を行う場合に、外部電極が金属箔のような材料であると外部電極がゆがむこともあった。そして、コイルが回転移動したままで磁性体モールド樹脂を充填すると、外部電極とコイルの端部との接続部に応力がかかり、最悪の場合には断線などの成形不良を引き起こす可能性があった。
【0006】
本発明は、小型且つ量産性に優れ、成形不良の少ないモールドコイルの製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明のモールドコイルの製造方法は、プラスチック成形法を用いて、磁性体粉末をと樹脂とを混練させた磁性体モールド樹脂で空芯コイルを封止する。形状が略真円状ではない空芯コイルを用いる。複数の金型から形成されるキャビティと、キャビティ内を垂直方向に移動可能な位置出しピンとを有する成形金型を用い、以下の動作を含むことを特徴とする。
(a)位置出しピンによってキャビティ内の所定の位置へ空芯コイルを配置する。
(b)キャビティ内に磁性体モールド樹脂をキャビティ内に充填する。
(c)その充填中に位置出しピンを所定の位置まで移動させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明のモールドコイルの製造方法では、複数の金型から形成されるキャビティと、キャビティ内を垂直方向に移動可能な位置出しピンを有する成形金型と形状が略真円状でない空芯コイルとを用いる。そのため、空芯コイルはキャビティ内で位置出しピンによってキャビティ内の適正な位置に位置出しされる。さらに内径の形状が略真円状ではない空芯コイルを用いるため、キャビティ内で回転移動することがない。これにより成形精度の高いモールドコイルを成形することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(第1の実施例)
図1〜図6を参照しながら、本発明のモールドコイルの製造方法の第1の実施例について説明する。図中の参照符号はそれぞれ、1は空芯コイル、2は上型、3は下型、4はキャビティ、5は磁性体モールド樹脂、6はパンチ、7は外部電極を示す。
【0010】
まず、第1の実施例で用いる空芯コイル1について説明する。図1に第1の実施例で用いる空芯コイル1の斜視図を示す。空芯コイル1は、幅が0.25mm、厚さが0.06mmの自己融着性の平角線を用い、断面が長円状の芯材を用いて外外巻きで12ターン巻いたものを用いる。
【0011】
次に、本実施例で用いる成形金型について説明する。図2は本発明の実施例で用いる成形金型を示し、図2(a)は上面図、図2(b)は図2(a)のA−A断面図を示す。図2に示すように、本実施例で用いる成形金型は上型2と下型3を有し、上型2と下型3を組み合わせることによってキャビティ4が形成される。また、下型3は上型2と組み合わさることでキャビティ4の底部を形成する。さらに下型3は、キャビティ4の底部にキャビティ4の開口部方向に突出したキャビティ4の上下方向に昇降可能(垂直方向に移動可能)な位置出しピン3aと支持ピン3bが設けられている。
【0012】
本実施例では、位置出しピン3aは断面が長円状で、空芯コイル1を形成したときの芯材よりも径が20μm小さい柱状の金属棒を用いた。支持ピン3bは直径0.4mmの円柱状の金属棒を用いた。そして、位置出しピン3aはキャビティ4の底部から突出する高さh1を初期状態として0.75mmに設定し、支持ピン3bはキャビティ4の底部から突出する高さh2を初期状態として0.38mmに設定した。
【0013】
次に、第1の実施例のモールドコイルの製造方法について説明する。図3は本発明の第1の実施例の空芯コイルの配置を示す上面図である。図4及び図5に第1の実施例のモールドコイルの製造工程の主要部分を示す。図6に本発明の第1の実施例のモールドコイルの斜視図を示す。なお、図4及び図5は、図2(a)のA−A断面図における各段階での断面を示している。
【0014】
図3及び図4(a)に示すように、空芯コイル1をキャビティ4内に配置し、成形金型(上型2、下型3)を180℃で予熱する。このとき、空芯コイル1は、位置出しピン3aが空芯コイル1の内径部分に挿入され、さらに支持ピン3b上に空芯コイル1の底面が載るように配置される。そうして空芯コイル1は、位置出しピン3aによってキャビティ4内における水平方向が回転移動せずに固定され、支持ピン3bによって中空保持される。また、予熱温度は磁性体モールド樹脂が軟化できる温度以上(磁性体モールド樹脂中の樹脂の軟化温度以上の温度)に設定すればよく、本実施例では180℃に設定した。
【0015】
図4(b)に示すように、上型2の開口部から空芯コイル1の上に所定量秤量した磁性体モールド樹脂5をキャビティ4内に投入し、成形金型の予熱で磁性体モールド樹脂5を溶融させる。本実施例では磁性体モールド樹脂5として、アモルファス合金粉末とノボラック型エポキシ樹脂とを混練分散し、その混練物を冷却後粉砕した粉末状のものを用いた。なお、磁性体モールド樹脂中のアモルファス合金粉末の充填率は60Vol%になるように調製した。
【0016】
図4(c)に示すように、上型2の開口部にパンチ6をセットする。次に、図5(a)に示すように、パンチ6を用いて3kgfで5秒間加圧する。次に、図5(b)に示すように、位置出しピン3aをキャビティ4の底部の位置まで下降させた後、パンチ6を用いて5kgfで20秒間加圧する。このようにすると、位置出しピン3aのあった部分に磁性体モールド樹脂5が充填される。次に、パンチ6からの加圧をやめてパンチ6をフリー状態とした上で、図5(c)に示すように支持ピン3bをキャビティ4の底部の位置まで下降させる。続いて再びパンチ6を用いて10kgfで20秒間加圧する。このようにすると、支持ピン3bのあった部分に磁性体モールド樹脂5が充填される。その後、180℃で10分間加熱放置して磁性体モールド樹脂5を硬化させる。
【0017】
磁性体モールド樹脂5を硬化させて得た成形体を成形金型から取り出して、サンドブラストでバリ取りを行うとともに空芯コイル1の端部を露出させる。成形体の外部電極を形成する部分以外をエポキシ樹脂で被覆する。露出させた空芯コイル1の端部と接続するようにめっきにより外部電極7を形成して、図6に示すようなモールドコイルを得る。
【0018】
(第2の実施例)
図7〜図9を参照しながら、本発明のモールドコイルの製造方法の第2の実施例について説明する。図7は本発明の第2の実施例で用いるコイル部材を示す図である。図8は本発明の第2実施例の空芯コイルの配置を示す図である。図9は本発明の第2の実施例のモールドコイルを示す図である。第2の実施例では外部電極に金属箔を用いて、空芯コイルと同時に一体成形する方法を示す。なお、第2の実施例では第1の実施例で用いた成形金型を用い、第1の実施例と共通する部分の説明は割愛する。
【0019】
第1の実施例で用いた空芯コイル1と金属箔8をスポット溶接し、図7に示すようなコイル部材を得た。このコイル部材を図8に示すように、位置出しピン3aを空芯コイル1の内径部分に挿入し、金属箔8がキャビティ4の底部側になるようにコイル部材を配置する。このとき、長円状に形成された空芯コイル1は位置出しピン3aによって回転移動することなく適正に配置される。コイル部材を配置した後、第1の実施例で図4、図5を参照しながら説明した操作を行い、磁性体モールド樹脂でコイル部材を封止して硬化させた。磁性体モールド樹脂を硬化させて得た成形体を成形金型から取り出して、サンドブラストでバリ取りを行うとともに空芯コイル1の端部と金属箔8を露出させる。露出させた空芯コイル1の端部と金属箔8の両方に接続するように半田浴に成形体をディップして半田層9を形成し、図9に示すようなモールドコイルを得る。
【0020】
(第3の実施例)
図10〜図16を参照しながら、本発明のモールドコイルの製造方法の第3の実施例について説明する。第3の実施例は、キャビティの側面部に位置出しピンを設けた成形金型を用いる方法を示す。なお、第3の実施例では第1の実施例で用いた磁性体モールド樹脂と平角線を用い、第1の実施例と共通する部分の説明は割愛する。
【0021】
まず、本実施例で用いる空芯コイルについて説明する。図10に第3の実施例で用いる空芯コイルの斜視図を示す。第1の実施例で用いた平角線と芯材を用いて、外外巻きで12ターン巻いた。さらに、平角線の両端部を同方向に引き出し、その端部を折り曲げ加工して図10に示す空芯コイル10を得た。
【0022】
次に、第3の実施例で用いる成形金型について説明する。図11に本発明の第3の実施例で用いる成形金型を示し、(a)は上面図、(b)は正面図を示す。図11に示すように、第3の実施例で用いる成形金型は上型11と下型12を有し、上型11と下型12を組み合わせることによってキャビティ13が形成される。上型11の側面部の一つに、キャビティ13内に突出する位置出しピン11aを設ける。このとき、位置出しピン11aは、位置出しピン11aが設けられる側面部に対して対向する側面部方向にキャビティ11内に突出し、その突出する方向の前後方向(キャビティ13の水平方向)に移動できるようにする。本実施例では、第1の実施例と同様に、位置出しピン11aに芯材よりも径が20μm小さい柱状の金属棒を用い、その中心がキャビティ13の底部から1.0mmの位置になるように上型11に設けた。
【0023】
次に、第1の実施例のモールドコイルの製造方法について説明する。図12〜図15に第3の実施例のモールドコイルの製造工程の主要部分を示す。図16に本発明の実施例のモールドコイルの斜視図を示す。なお、図12〜図15は、各工程における上面図と正面図を示し、(a)が上面図、(b)が正面図である。
【0024】
図12に示すように、空芯コイル10をキャビティ13内に配置し、成形金型を180℃で予熱する。このとき、位置出しピン11aを空芯コイル10の内径部分に挿入する。図13に示すように、上型11の開口部から空芯コイル10の上に所定量秤量した磁性体モールド樹脂14をキャビティ13内に投入し、成形金型の予熱で磁性体モールド樹脂14を溶融させる。
【0025】
図14に示すように、上型11の開口部にパンチ15をセットし、パンチ15を用いて5kgfで5秒間加圧する。空芯コイル10は位置出しピン11aのある部分を除いて、磁性体モールド樹脂14に封止される。次に、パンチ15からの加圧をやめてパンチ15をフリー状態とした上で、図15(a)に示すように、その端部がキャビティ13の側面部の位置になるように位置出しピン11aを移動させる。さらに、図15(b)に示すように、パンチ15を用いて10kgfで20秒間加圧する。このようにすると、位置出しピン11aのあった部分に磁性体モールド樹脂14が充填される。その後、180℃で10分間加熱放置して磁性体モールド樹脂14を硬化させる。
【0026】
磁性体モールド樹脂14を硬化させて得た成形体を成形金型から取り出してサンドブラストでバリ取りを行い、成形体の側面に空芯コイル10の端部を露出させる。成形体の外部電極を形成する部分以外をエポキシ樹脂で被覆する。露出させた空芯コイル10の端部と接続するようにめっきにより外部電極16を形成して、図6に示すようなモールドコイルを得る。
【0027】
上記実施例では、長円状の空芯コイルを用いたが、それに限ることなく、略真円状でなければどのような形状でも実施できる。例えば、半円状、扇状、楕円状、略多角形状、またはそれらを組合せた形状で実施することができる。また、上記実施例では断面の形状が長円状の位置出しピンを1つ用いたが、それに限ることなく、用いる空芯コイルの形状に合わせて、断面の形状を変更、または複数の位置出しピンを使用しても良い。
【0028】
本実施例では圧縮成形法を用いてモールドコイルを作成したが、その他のトランスファ成形法やインジェクション成形法などのプラスチック成形法を用いても実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1の実施例で用いるコイルを示す図である。
【図2】本発明の実施例で用いる成形金型を示す図であり、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例の空芯コイルの配置を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施例のモールドコイルの製造方法を説明する図である。
【図5】本発明の第1の実施例のモールドコイルの製造方法を説明する図である。
【図6】本発明の第1の実施例のモールドコイルを示す図である。
【図7】本発明の第2の実施例で用いるコイル部材を示す図である。
【図8】本発明の第2実施例のコイル部材の配置を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施例のモールドコイルを示す図である。
【図10】本発明の第3の実施例で用いるコイルを示す図である。
【図11】本発明の第3の実施例で用いる成形金型を示す図であり、(a)は上面図、(b)は正面図である。
【図12】本発明の第3の実施例の空芯コイルの配置を示す図であり、(a)は上面図、(b)は正面図である。
【図13】本発明の第3の実施例のモールドコイルの製造方法を説明する図であり、(a)は上面図、(b)は正面図である。
【図14】本発明の第3の実施例のモールドコイルの製造方法を説明する図であり、(a)は上面図、(b)は正面図である。
【図15】本発明の第3の実施例のモールドコイルの製造方法を説明する図であり、(a)は上面図、(b)は正面図である。
【図16】本発明の第3の実施例のモールドコイルを示す図である。
【図17】従来の空芯コイルの配置を示す上面図である。
【符号の説明】
【0030】
1:空芯コイル、2:上型、3下型、3a:位置出しピン、3b:支持ピン、4:キャビティ、5磁性体モールド樹脂、6:パンチ、7:外部電極、8:金属箔、9:半田層、10:空芯コイル、11:上型、11a:位置出しピン、12:下型、13:キャビティ、14:磁性体モールド樹脂、15:パンチ、16:外部電極
【技術分野】
【0001】
本発明は、モールドコイルの製造方法に関し、特に空芯コイルを磁性体モールド樹脂で封止する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コイルを磁性体粉末と樹脂とを混練した磁性体モールド樹脂で封止してなるモールドコイルが広く利用されている。従来のモールドコイルの製造方法は、フェライトコアなどの巻芯に巻かれたコイルを金型のキャビティ内に配置し、その後キャビティ内に溶融状態の磁性体モールド樹脂を充填してコイルを封止する。特許文献1と特許文献2には巻芯を用いたモールドコイルの製造方法が開示されている。
【0003】
例えば、巻芯を用いずに空芯コイルをそのまま磁性体モールド樹脂で封止しようとすると、磁性体モールド樹脂の充填圧力によって空芯コイルが変形したり、キャビティ内の片側に寄ったり、または傾いたりして所定の位置からずれてしまうこともあった。これらコイルの変形や位置ずれは、外観的不良を引き起こすだけではなく、インダクタンス値や直流重畳特性等の電気的特性にも影響を与えてしまう。そこで、従来ではコイルの変形や位置ずれを防止するために巻芯やフレーム等を用いることが一般的だった。
【特許文献1】特開平4−338613号公報
【特許文献2】特開2006−32847号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年における電子機器の小型化や高機能化の技術革新は著しく、それに伴い、モールドコイルのような電子部品もまた小型化や高性能化、更には低価格化などの要求が高まっている。しかし、従来のモールドコイルで用いられる巻芯やフレームなどはモールドコイルの小型化や低背化の妨げになり、さらにコストの上昇を招く原因となっていた。
【0005】
そこで出願人は、先に出願した特願2008−97874において、位置出しピンと支持ピンを有する成形金型を用いた巻芯やフレームが不要なモールドコイルの製造方法を提案した。しかし、この方法を用いるときに空芯コイルの内径の形状が真円に近い形状(以下、略真円状)であると、成形金型のキャビティ内に空芯コイルを配置するときやキャビティ内に磁性体モールド樹脂を充填するときに、図17に示すように位置出しピン103aを中心に空芯コイル101が回転移動してしまうこともあった。空芯コイルが回転移動した状態で封止してしまうと、コイルの端部が不適当な位置にずれてしまったり、コイルがゆがむこともあった。また、コイルの端部にスポット溶接などで外部電極を取り付けた状態で一体成形を行う場合に、外部電極が金属箔のような材料であると外部電極がゆがむこともあった。そして、コイルが回転移動したままで磁性体モールド樹脂を充填すると、外部電極とコイルの端部との接続部に応力がかかり、最悪の場合には断線などの成形不良を引き起こす可能性があった。
【0006】
本発明は、小型且つ量産性に優れ、成形不良の少ないモールドコイルの製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明のモールドコイルの製造方法は、プラスチック成形法を用いて、磁性体粉末をと樹脂とを混練させた磁性体モールド樹脂で空芯コイルを封止する。形状が略真円状ではない空芯コイルを用いる。複数の金型から形成されるキャビティと、キャビティ内を垂直方向に移動可能な位置出しピンとを有する成形金型を用い、以下の動作を含むことを特徴とする。
(a)位置出しピンによってキャビティ内の所定の位置へ空芯コイルを配置する。
(b)キャビティ内に磁性体モールド樹脂をキャビティ内に充填する。
(c)その充填中に位置出しピンを所定の位置まで移動させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明のモールドコイルの製造方法では、複数の金型から形成されるキャビティと、キャビティ内を垂直方向に移動可能な位置出しピンを有する成形金型と形状が略真円状でない空芯コイルとを用いる。そのため、空芯コイルはキャビティ内で位置出しピンによってキャビティ内の適正な位置に位置出しされる。さらに内径の形状が略真円状ではない空芯コイルを用いるため、キャビティ内で回転移動することがない。これにより成形精度の高いモールドコイルを成形することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(第1の実施例)
図1〜図6を参照しながら、本発明のモールドコイルの製造方法の第1の実施例について説明する。図中の参照符号はそれぞれ、1は空芯コイル、2は上型、3は下型、4はキャビティ、5は磁性体モールド樹脂、6はパンチ、7は外部電極を示す。
【0010】
まず、第1の実施例で用いる空芯コイル1について説明する。図1に第1の実施例で用いる空芯コイル1の斜視図を示す。空芯コイル1は、幅が0.25mm、厚さが0.06mmの自己融着性の平角線を用い、断面が長円状の芯材を用いて外外巻きで12ターン巻いたものを用いる。
【0011】
次に、本実施例で用いる成形金型について説明する。図2は本発明の実施例で用いる成形金型を示し、図2(a)は上面図、図2(b)は図2(a)のA−A断面図を示す。図2に示すように、本実施例で用いる成形金型は上型2と下型3を有し、上型2と下型3を組み合わせることによってキャビティ4が形成される。また、下型3は上型2と組み合わさることでキャビティ4の底部を形成する。さらに下型3は、キャビティ4の底部にキャビティ4の開口部方向に突出したキャビティ4の上下方向に昇降可能(垂直方向に移動可能)な位置出しピン3aと支持ピン3bが設けられている。
【0012】
本実施例では、位置出しピン3aは断面が長円状で、空芯コイル1を形成したときの芯材よりも径が20μm小さい柱状の金属棒を用いた。支持ピン3bは直径0.4mmの円柱状の金属棒を用いた。そして、位置出しピン3aはキャビティ4の底部から突出する高さh1を初期状態として0.75mmに設定し、支持ピン3bはキャビティ4の底部から突出する高さh2を初期状態として0.38mmに設定した。
【0013】
次に、第1の実施例のモールドコイルの製造方法について説明する。図3は本発明の第1の実施例の空芯コイルの配置を示す上面図である。図4及び図5に第1の実施例のモールドコイルの製造工程の主要部分を示す。図6に本発明の第1の実施例のモールドコイルの斜視図を示す。なお、図4及び図5は、図2(a)のA−A断面図における各段階での断面を示している。
【0014】
図3及び図4(a)に示すように、空芯コイル1をキャビティ4内に配置し、成形金型(上型2、下型3)を180℃で予熱する。このとき、空芯コイル1は、位置出しピン3aが空芯コイル1の内径部分に挿入され、さらに支持ピン3b上に空芯コイル1の底面が載るように配置される。そうして空芯コイル1は、位置出しピン3aによってキャビティ4内における水平方向が回転移動せずに固定され、支持ピン3bによって中空保持される。また、予熱温度は磁性体モールド樹脂が軟化できる温度以上(磁性体モールド樹脂中の樹脂の軟化温度以上の温度)に設定すればよく、本実施例では180℃に設定した。
【0015】
図4(b)に示すように、上型2の開口部から空芯コイル1の上に所定量秤量した磁性体モールド樹脂5をキャビティ4内に投入し、成形金型の予熱で磁性体モールド樹脂5を溶融させる。本実施例では磁性体モールド樹脂5として、アモルファス合金粉末とノボラック型エポキシ樹脂とを混練分散し、その混練物を冷却後粉砕した粉末状のものを用いた。なお、磁性体モールド樹脂中のアモルファス合金粉末の充填率は60Vol%になるように調製した。
【0016】
図4(c)に示すように、上型2の開口部にパンチ6をセットする。次に、図5(a)に示すように、パンチ6を用いて3kgfで5秒間加圧する。次に、図5(b)に示すように、位置出しピン3aをキャビティ4の底部の位置まで下降させた後、パンチ6を用いて5kgfで20秒間加圧する。このようにすると、位置出しピン3aのあった部分に磁性体モールド樹脂5が充填される。次に、パンチ6からの加圧をやめてパンチ6をフリー状態とした上で、図5(c)に示すように支持ピン3bをキャビティ4の底部の位置まで下降させる。続いて再びパンチ6を用いて10kgfで20秒間加圧する。このようにすると、支持ピン3bのあった部分に磁性体モールド樹脂5が充填される。その後、180℃で10分間加熱放置して磁性体モールド樹脂5を硬化させる。
【0017】
磁性体モールド樹脂5を硬化させて得た成形体を成形金型から取り出して、サンドブラストでバリ取りを行うとともに空芯コイル1の端部を露出させる。成形体の外部電極を形成する部分以外をエポキシ樹脂で被覆する。露出させた空芯コイル1の端部と接続するようにめっきにより外部電極7を形成して、図6に示すようなモールドコイルを得る。
【0018】
(第2の実施例)
図7〜図9を参照しながら、本発明のモールドコイルの製造方法の第2の実施例について説明する。図7は本発明の第2の実施例で用いるコイル部材を示す図である。図8は本発明の第2実施例の空芯コイルの配置を示す図である。図9は本発明の第2の実施例のモールドコイルを示す図である。第2の実施例では外部電極に金属箔を用いて、空芯コイルと同時に一体成形する方法を示す。なお、第2の実施例では第1の実施例で用いた成形金型を用い、第1の実施例と共通する部分の説明は割愛する。
【0019】
第1の実施例で用いた空芯コイル1と金属箔8をスポット溶接し、図7に示すようなコイル部材を得た。このコイル部材を図8に示すように、位置出しピン3aを空芯コイル1の内径部分に挿入し、金属箔8がキャビティ4の底部側になるようにコイル部材を配置する。このとき、長円状に形成された空芯コイル1は位置出しピン3aによって回転移動することなく適正に配置される。コイル部材を配置した後、第1の実施例で図4、図5を参照しながら説明した操作を行い、磁性体モールド樹脂でコイル部材を封止して硬化させた。磁性体モールド樹脂を硬化させて得た成形体を成形金型から取り出して、サンドブラストでバリ取りを行うとともに空芯コイル1の端部と金属箔8を露出させる。露出させた空芯コイル1の端部と金属箔8の両方に接続するように半田浴に成形体をディップして半田層9を形成し、図9に示すようなモールドコイルを得る。
【0020】
(第3の実施例)
図10〜図16を参照しながら、本発明のモールドコイルの製造方法の第3の実施例について説明する。第3の実施例は、キャビティの側面部に位置出しピンを設けた成形金型を用いる方法を示す。なお、第3の実施例では第1の実施例で用いた磁性体モールド樹脂と平角線を用い、第1の実施例と共通する部分の説明は割愛する。
【0021】
まず、本実施例で用いる空芯コイルについて説明する。図10に第3の実施例で用いる空芯コイルの斜視図を示す。第1の実施例で用いた平角線と芯材を用いて、外外巻きで12ターン巻いた。さらに、平角線の両端部を同方向に引き出し、その端部を折り曲げ加工して図10に示す空芯コイル10を得た。
【0022】
次に、第3の実施例で用いる成形金型について説明する。図11に本発明の第3の実施例で用いる成形金型を示し、(a)は上面図、(b)は正面図を示す。図11に示すように、第3の実施例で用いる成形金型は上型11と下型12を有し、上型11と下型12を組み合わせることによってキャビティ13が形成される。上型11の側面部の一つに、キャビティ13内に突出する位置出しピン11aを設ける。このとき、位置出しピン11aは、位置出しピン11aが設けられる側面部に対して対向する側面部方向にキャビティ11内に突出し、その突出する方向の前後方向(キャビティ13の水平方向)に移動できるようにする。本実施例では、第1の実施例と同様に、位置出しピン11aに芯材よりも径が20μm小さい柱状の金属棒を用い、その中心がキャビティ13の底部から1.0mmの位置になるように上型11に設けた。
【0023】
次に、第1の実施例のモールドコイルの製造方法について説明する。図12〜図15に第3の実施例のモールドコイルの製造工程の主要部分を示す。図16に本発明の実施例のモールドコイルの斜視図を示す。なお、図12〜図15は、各工程における上面図と正面図を示し、(a)が上面図、(b)が正面図である。
【0024】
図12に示すように、空芯コイル10をキャビティ13内に配置し、成形金型を180℃で予熱する。このとき、位置出しピン11aを空芯コイル10の内径部分に挿入する。図13に示すように、上型11の開口部から空芯コイル10の上に所定量秤量した磁性体モールド樹脂14をキャビティ13内に投入し、成形金型の予熱で磁性体モールド樹脂14を溶融させる。
【0025】
図14に示すように、上型11の開口部にパンチ15をセットし、パンチ15を用いて5kgfで5秒間加圧する。空芯コイル10は位置出しピン11aのある部分を除いて、磁性体モールド樹脂14に封止される。次に、パンチ15からの加圧をやめてパンチ15をフリー状態とした上で、図15(a)に示すように、その端部がキャビティ13の側面部の位置になるように位置出しピン11aを移動させる。さらに、図15(b)に示すように、パンチ15を用いて10kgfで20秒間加圧する。このようにすると、位置出しピン11aのあった部分に磁性体モールド樹脂14が充填される。その後、180℃で10分間加熱放置して磁性体モールド樹脂14を硬化させる。
【0026】
磁性体モールド樹脂14を硬化させて得た成形体を成形金型から取り出してサンドブラストでバリ取りを行い、成形体の側面に空芯コイル10の端部を露出させる。成形体の外部電極を形成する部分以外をエポキシ樹脂で被覆する。露出させた空芯コイル10の端部と接続するようにめっきにより外部電極16を形成して、図6に示すようなモールドコイルを得る。
【0027】
上記実施例では、長円状の空芯コイルを用いたが、それに限ることなく、略真円状でなければどのような形状でも実施できる。例えば、半円状、扇状、楕円状、略多角形状、またはそれらを組合せた形状で実施することができる。また、上記実施例では断面の形状が長円状の位置出しピンを1つ用いたが、それに限ることなく、用いる空芯コイルの形状に合わせて、断面の形状を変更、または複数の位置出しピンを使用しても良い。
【0028】
本実施例では圧縮成形法を用いてモールドコイルを作成したが、その他のトランスファ成形法やインジェクション成形法などのプラスチック成形法を用いても実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1の実施例で用いるコイルを示す図である。
【図2】本発明の実施例で用いる成形金型を示す図であり、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例の空芯コイルの配置を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施例のモールドコイルの製造方法を説明する図である。
【図5】本発明の第1の実施例のモールドコイルの製造方法を説明する図である。
【図6】本発明の第1の実施例のモールドコイルを示す図である。
【図7】本発明の第2の実施例で用いるコイル部材を示す図である。
【図8】本発明の第2実施例のコイル部材の配置を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施例のモールドコイルを示す図である。
【図10】本発明の第3の実施例で用いるコイルを示す図である。
【図11】本発明の第3の実施例で用いる成形金型を示す図であり、(a)は上面図、(b)は正面図である。
【図12】本発明の第3の実施例の空芯コイルの配置を示す図であり、(a)は上面図、(b)は正面図である。
【図13】本発明の第3の実施例のモールドコイルの製造方法を説明する図であり、(a)は上面図、(b)は正面図である。
【図14】本発明の第3の実施例のモールドコイルの製造方法を説明する図であり、(a)は上面図、(b)は正面図である。
【図15】本発明の第3の実施例のモールドコイルの製造方法を説明する図であり、(a)は上面図、(b)は正面図である。
【図16】本発明の第3の実施例のモールドコイルを示す図である。
【図17】従来の空芯コイルの配置を示す上面図である。
【符号の説明】
【0030】
1:空芯コイル、2:上型、3下型、3a:位置出しピン、3b:支持ピン、4:キャビティ、5磁性体モールド樹脂、6:パンチ、7:外部電極、8:金属箔、9:半田層、10:空芯コイル、11:上型、11a:位置出しピン、12:下型、13:キャビティ、14:磁性体モールド樹脂、15:パンチ、16:外部電極
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック成形法を用いて、磁性体粉末と樹脂とを混練させた磁性体モールド樹脂で空芯コイルを封止してなるモールドコイルの製造方法において、
形状が略真円状ではない該空芯コイルと、
複数の金型から形成されるキャビティと、該キャビティ内を垂直方向に移動可能な位置出しピンとを有する成形金型を用い、
該位置出しピンによって該キャビティ内の所定の位置へ該空芯コイルを配置し、
該キャビティ内に該磁性体モールド樹脂を該キャビティ内に充填し、その充填中に該位置出しピンを所定の位置まで移動させることを特徴とするモールドコイルの製造方法。
【請求項2】
前記空芯コイルの形状が、半円状、扇状、長円状、楕円状、略多角形状、またはそれらを組合せた形状のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のモールドコイルの製造方法。
【請求項3】
プラスチック成形法を用いて、磁性体粉末と樹脂とを混練させた磁性体モールド樹脂で空芯コイルを封止してなるモールドコイルの製造方法において、
形状が略真円状ではない該空芯コイルと、
複数の金型から形成されるキャビティと、該キャビティ内を水平方向に移動可能な位置出しピンとを有する成形金型を用い、
該位置出しピンによって該キャビティ内の所定の位置へ該空芯コイルを配置し、
該キャビティ内に該磁性体モールド樹脂を該キャビティ内に充填し、その充填中に該位置出しピンを所定の位置まで下降させることを特徴とするモールドコイルの製造方法。
【請求項4】
前記空芯コイルの形状が、半円状、扇状、長円状、楕円状、略多角形状、またはそれらを組合せた形状のいずれかであることを特徴とする請求項3に記載のモールドコイルの製造方法。
【請求項1】
プラスチック成形法を用いて、磁性体粉末と樹脂とを混練させた磁性体モールド樹脂で空芯コイルを封止してなるモールドコイルの製造方法において、
形状が略真円状ではない該空芯コイルと、
複数の金型から形成されるキャビティと、該キャビティ内を垂直方向に移動可能な位置出しピンとを有する成形金型を用い、
該位置出しピンによって該キャビティ内の所定の位置へ該空芯コイルを配置し、
該キャビティ内に該磁性体モールド樹脂を該キャビティ内に充填し、その充填中に該位置出しピンを所定の位置まで移動させることを特徴とするモールドコイルの製造方法。
【請求項2】
前記空芯コイルの形状が、半円状、扇状、長円状、楕円状、略多角形状、またはそれらを組合せた形状のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のモールドコイルの製造方法。
【請求項3】
プラスチック成形法を用いて、磁性体粉末と樹脂とを混練させた磁性体モールド樹脂で空芯コイルを封止してなるモールドコイルの製造方法において、
形状が略真円状ではない該空芯コイルと、
複数の金型から形成されるキャビティと、該キャビティ内を水平方向に移動可能な位置出しピンとを有する成形金型を用い、
該位置出しピンによって該キャビティ内の所定の位置へ該空芯コイルを配置し、
該キャビティ内に該磁性体モールド樹脂を該キャビティ内に充填し、その充填中に該位置出しピンを所定の位置まで下降させることを特徴とするモールドコイルの製造方法。
【請求項4】
前記空芯コイルの形状が、半円状、扇状、長円状、楕円状、略多角形状、またはそれらを組合せた形状のいずれかであることを特徴とする請求項3に記載のモールドコイルの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−147272(P2010−147272A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−323401(P2008−323401)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(000003089)東光株式会社 (243)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(000003089)東光株式会社 (243)
【Fターム(参考)】
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