説明

ユニバーサルグリップを備えた、標準の一体化カテーテルを提供するためのシステムおよび方法

ユニバーサルグリップ表面が、静脈カテーテルアセンブリ(10)に備えられる。ユニバーサルグリップ表面は、複数の表面(32、34、22、24,26、52、54、152)を提供し、それにより、使用者が、カテーテルの挿入中、カテーテルアセンブリ(10)の改良されたバランスと制御のために、所望の把持形態にカテーテルアセンブリ(10)を把持することができる。加えて、ユニバーサルグリップ表面は、接触が、望まれない「オーバーザベベル」状態をもたらす、カテーテルアセンブリ(10)の種々の要素との使用者の意図されない接触を防止するための保護構造を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、輸液用器具、特に、オーバー・ザ・ニードル末梢静脈(IV)カテーテルに関する。特に、本発明は、ユニバーサルグリップ表面を備える末梢IVカテーテルアセンブリに関する。カテーテルアセンブリは、医療分野において一般的な複数の把持形態を可能にするために形成された複数の把持表面を含む。カテーテルアセンブリは、さらに、アセンブリの種々の構成要素の不注意の分離を防止するための安全態様を含む。カテーテルは、広い範囲の治療および処置のために、医学界の至る所で広く用いられている。
【背景技術】
【0002】
カテーテルは、種々の輸液治療のために一般的に使用される。カテーテルは、患者に、
生理食塩水、種々の医薬および完全静脈栄養のような、流体を注入するため、患者から血液を採取するため、また、患者の血管系の種々のパラメータを監視するために通常用いられる。通常のタイプの静脈(IV)カテーテルは、オーバー・ザ・ニードル末梢IVカテーテルである。その名が示すように、オーバー・ザ・ニードルカテーテルは、鋭い遠位先端を有する導入針上に装着される。カテーテルの少なくとも遠位の部分は、カテーテルの後方への剥離を防止するために、ニードルの外表面と強固に係合しており、したがって、血管へのカテーテルの挿入を容易にする。カテーテルおよび導入針は、導入針の先端がカテーテルの先端を超えて延び、導入針が、患者の皮膚から離れて上向きの斜端部を備えるように組み立てられる。カテーテルおよび導入針は、一般的には、患者の皮膚を通して血管内に、浅い角度で挿入される。
【0003】
カテーテルを配置する工程は、カテーテルの注意深いバランスと制御を必要とする。カテーテルアセンブリを把持するための種々の形態と方法が、必要とされるバランスと制御を維持することにおいて使用者を支援するために発展させられてきた。これらの把持技術には、「ストレートグリップ」、「ポーテッドグリップ」および「ウィングドグリップ」形態が存在する。好ましい把持形態は、市場によって異なる。好ましい把持形態は、その地域の教育、習慣および伝統によって、概して、決定され、確立される。加えて、一つの把持形態は、異なった把持形態を許容するように形成されたカテーテルアセンブリを市場が得られない場合に、他よりも好まれるか、超えると教えられ得る。
【0004】
例えば、ストレートグリップ形態は、利用可能なカテーテルアセンブリがポーテッドグリップまたはウィングドグリップ形態を許容する態様を含まない場合、市場において仕方がないと教えられ得る。したがって、これらの市場における使用者は、使用者および患者の必要性に最適な把持形態を用いるよりも、利用可能なカテーテルアセンブリに適合するための技術および技能を抑えなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、使用者が、最も適切な把持形態を選択することができるユニバーサルグリップ表面を導入したカテーテルアセンブリに対する技術的な必要性が存在する。さらに、使用者がカテーテルアセンブリをしっかりと把持することを可能とし、その上、カテーテルアセンブリの構成要素の時期尚早の分離を防止できる設計態様を含むユニバーサルグリップを提供する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の限界を克服するための本発明は、医療分野で一般的な種々の把持態様に適合するためのユニバーサルグリップ表面を提供する複数の新たな把持表面に関する。ユニバーサルグリップ表面は、使用者が、カテーテルアセンブリを、ストレートグリップ形態、ポーテッドグリップ形態およびウィングドグリップ形態のいずれかに把持することを可能にする単一のカテーテルアセンブリを提供する。したがって、本発明は、その市場において一般的な特化した把持形態に合致するような、変更または特別の製造を必要とすることなく、世界中のどの市場においても使用され得る。加えて、本カテーテルアセンブリは、カテーテルの十分な挿入を確実にするための種々の設計態様を含む。
【0007】
現下の発明のユニバーサルグリップ表面は、単独で、または、現在の伝統的な把持表面と併せて使用されるように設計され、「チョークドアップ(短い握り)」グリップを提供する一方で、「オーバーザベベル」状態を防止できるように設計される。カテーテルアセンブリは、一般的に、導入針を通る共通軸に沿って整列される、ニードルハブおよびカテーテルアダプターを含む。各々の構成要素は、一体化装置を提供するため、相互作用し、適合して結合するように形成されている。ニードルハブおよびカテーテルアダプターは、さらに、カテーテルアセンブリの把持において、使用者を支援するための種々の態様を含み、それらの組み合わせは、ユニバーサルグリップ表面を形成する。
【0008】
特に、カテーテルアセンブリのいくつかの具体例は、使用者の対向する指に適合する、一対の対向配置されたグリップを有するユニバーサルグリップ表面を含む。これらの対向配置されたグリップは、一般的に、アセンブリのニードルハブ部分に配置され、ストレートグリップ形態にカテーテルアセンブリを保持するために、使用者によって、つままれる。対向配置されたグリップは、輪郭とか凹凸表面のような、表面をしっかりと把持することにおいて使用者をさらに支援する態様を、また含み得る。
【0009】
カテーテルアセンブリのいくつかの具体例は、さらに、ひれ状グリップを有するユニバーサルグリップ表面を含む。ひれ状グリップは、カテーテルアセンブリのカテーテルアダプターに近接して位置づけられる、ニードルハブの外方への延長部である。ひれ状グリップは、一般的に、カテーテルアダプターの一側部に近接する空間を占めるように位置づけられる。そのようなものとして、使用者は、ひれ状グリップをつまむことができ、ウィングドグリップ形態から、カテーテルアセンブリを制御し得る。ひれ状グリップ、ニードルハブおよび導入針の間の直接的な結合は、カテーテルの挿入中に「オーバーザベベル」状態が生じることを防止する。いくつかの具体例において、ひれ状グリップは、ポートグリップ形態を可能とするために使用者の指に適合するための先端エッジを含む。
【0010】
加えて、いくつかの具体例は、カテーテルアダプターの一部分を形成する確保用のプラットフォームを含む。確保用のプラットフォームは、ひれ状グリップに対向して一般的に位置づけられた、少なくとも一つの翼状延長部を含む。確保用のプラットフォームは、また、使用者の指に適合するための先端エッジを含み得る。確保用プラットフォームの先端エッジは、ひれ状グリップの先端エッジ、および、ニードルハブの近位端を形成するサムグリップと併せて使用され、ポーテッドグリップ形態を可能にする。本発明のいくつかの具体例において、サムグリップは、基部またはニードルハブの近位端を形成し、一般的には、対向して配置されたグリップに垂直な平坦な表面である。本発明のいくつかの実施例において、サムグリップは、さらに、ニードルハブと使用者の親指の間の摩擦を増大させるための輪郭または表面を含む。
【0011】
ポーテッドグリップ形態は、第一指で確保用のプラットフォームの先端エッジに、第二指でひれ状グリップの先端エッジに、親指でサムグリップに、同時に接触することによって達成される。この三点の、ポーテッドグリップ形態は、挿入中の制御と器用さを提供するだけでなく、カテーテルアセンブリの個々の要素の時期尚早の分離、または、「オーバーザベベル」状態を防止するための架橋効果を提供する。
【0012】
本発明のいくつかの具体例は、さらに、保護構造を含む。保護構造は、対向して配置された把持表面とカテーテルアダプターとの間に入るように、カテーテルアセンブリのニードルハブの外表面に配置される。特に、対向して配置された把持表面は、把持表面の一部が外方に延ばされ、それにより、使用者の指および親指がカテーテルアセンブリの一部と不注意に接触することを防止するような、保護構造を含み得る。保護構造は、使用者が、ストレートグリップ形態にアセンブリをつまむことを許容し、使用者が、アセンブリのカテーテルアダプターと不注意に接触することを防止するための物理的障壁として提供される。不注意の接触は、「オーバーザベベル」状態に導く、構成要素の時期尚早の分離をもたらし得る。したがって、保護構造は、この状態の発生を防止する。
【0013】
本発明の、上述の、および、他の態様及び利点が得られる手法が、容易に理解されるために、概略が上述された本発明のより特定された説明が、添付の図面に示されたその特定の具体例の参照により提供される。これらの図面は、本発明の典型的な具体例のみを描写しており、それゆえに、本発明の範囲を制限するように考慮されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】本発明の具体例の斜視図である。
【図1B】図1の分解斜視図である。
【図2】ストレートグリップ形態に保持された、本発明の具体例の透視平面図である。
【図3】ウィングドグリップ形態に保持された、本発明の具体例の透視平面図である。
【図4】ポーテッドグリップ形態に保持された、本発明の具体例の透視平面図である。
【図5】ポーテッドグリップ形態に保持された、本発明の具体例の透視平面図である。
【図6】保護構造および制限された把持表面を有する、本発明の具体例の透視平面図である。
【図7】患者への挿入後の本発明の具体例の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の現在好ましい具体例は、図面を参照して最もよく理解され、類似の参照番号は、同一または機能的に類似の要素を示す。ここにおいて、一般的に記載され、図面に図示されるように、本発明の構成要素は、多種多様の異なる構造に、変更され、設計されることが容易に理解されるであろう。したがって、図面に代表されるように、以下のより詳細な説明は、特許請求の範囲に記載される発明の範囲を限定することを意図されておらず、単に、本発明の現在好ましい具体例を代表するものである。
【0016】
次に、図1Aを参照すると、ニードルハブ12およびカテーテルアダプター16を含む、カテーテルアセンブリ10が示される。カテーテルアセンブリ10の各々の構成要素12および16の各々は、一体化した装置として協働するように形成される。したがって、各々の構成要素12および16は、隣接する構成要素と適合する係合を可能にするための構成および要素を含む。
【0017】
例えば、本発明の一具体例において、ニードルハブ12は、カテーテルアダプター16の近位部分46を受け入れるための結合ハブ18を含む。そのようなものとして、構成要素12および16は、以下の図1Bにおいてより明確に示されるように、カテーテルアダプター16のニードルポート14を通ってニードルハブ12から延びる導入針66を介して、整列され、および、統合されて、一体化した装置10をもたらす。
【0018】
ニードルハブ12は、挿入処置の間に、カテーテルアセンブリ10を把持することにおいて使用者を支援するための、複数の表面および構成をさらに含む。例えば、本発明のいくつかの具体例において、ニードルハブ12は、ひれ状グリップ30を形成する遠位方向の延長部を含む。ひれ状グリップ30は、それぞれ、上方および下方把持表面32および34を有するニードルハブ12の剛性または半たわみ性の延長部を含む。ひれ状グリップ30は、カテーテルアダプター16の本体部分60に隣接して並列の方向に位置づけられる。いくつかの具体例において、ひれ状グリップ30は、カテーテルアダプター16の確保用プラットフォーム62に直接対向する空間を占める。ひれ状グリップ30の上方および下方把持表面は、図3に示されるように、使用者の対向する指に適合するように形成される。そのようなものとして、ひれ状グリップ30は、使用者が、ウィングドグリップ形態にあるカテーテルアセンブリ10を把持することを可能にする。
【0019】
本発明のいくつかの実施例において、ニードルハブ12は、さらに、第一把持表面22および第二把持表面24を含む。第一および第二把持表面22および24は、ニードルハブ本体20の、平行な、対向する表面を含む。構成されると、把持表面22および24は、使用者が、図2に示されるとおり、ストレートグリップ形態で、カテーテルアセンブリ10を握ることを可能にする。いくつかの具体例において、把持表面22および24は、使用者の対向する指の生理学的な形状にさらに適合するように成形される。他の具体例において、把持表面22および24は、使用者の指とニードルハブ12の間の摩擦を増大させるための表面構造または抗滑り被覆36をさらに含む。さらにまた、いくつかの具体例において、把持表面22および24は、人間工学的な把持表面を提供するための複数の輪郭を含む。
【0020】
把持表面22および24は、さらに、保護用の構造40をさらに含み得る。保護用の構造40は、一般的に、使用者の対向する指とカテーテルアセンブリ10のカテーテルアダプター16の間の物理的な障壁を提供する、把持表面22および24の外方に延出した部分を含む。いくつかの具体例において、一つ以上の把持表面22および/または24は、外方に向かう急上昇する曲線42を含み、曲線42のピーク44は、保護用の構造40の最外方の表面である。他の具体例において、保護用の構造40は、使用者の握りが、カテーテルアダプター16と接触するようにニードルハブ12を超えて延びることを防止する、どんな物理的な障壁をも含む。本発明のいくつかの実施例において、保護用の構造40は、ニードルハブ12の本体部分20と、ひれ状グリップとの間に置かれる。
【0021】
最後に、本発明のいくつかの実施例において、ニードルハブ12は、さらにサムグリップ26を含む。サムグリップ26は、ニードルハブ12の近位端28を含み、使用者の親指に適合する一般的に平坦な表面を提供する。本発明のいくつかの実施例において、サムグリップ26は、使用者の親指とニードルハブ12の間の摩擦を増大させるための表面構造または抗滑り被覆36をさらに含む。いくつかの具体例において、サムグリップ26は、人間工学的な把持表面を提供するように形成された表面を含む。
【0022】
サムグリップ26は、一般的に、ひれ状グリップ30の先頭エッジ52、および、確保用プラットフォーム62の先頭エッジ54と同時に使用され、図4に示されるように、使用者は、ポーテッドグリップ形態に、カテーテルアセンブリ10を把持することができる。いくつかの具体例において、ひれ状グリップ30の先頭エッジ52は、人差し指のような、第一指と、確保用プラットフォーム62の先頭エッジ54は、中指のような、第二指と接触し、サムグリップ26は、ポーテッドグリップ形態において、使用者の親指と接触する。
【0023】
ポーテッドグリップ形態における複数の接触点52、54および26は、制御を提供するだけでなく、挿入処置の間にカテーテルアセンブリの構成要素12および16の早期の分離を防止するための架橋効果をも提供する。構成要素12および16の早期の分離は、「オーバーザベベル」状態を導く。「オーバーザベベル」状態は、斜端部分68が、カテーテル70の挿入のために患者に十分な開口を提供する前に、導入針66の斜端部分68が、カテーテル70内に引き込まれる場合に生ずる。この状態は、しばしば、患者にとって痛みを伴い、誤った挿入のみならず種々の他の望ましくない合併症をもたらし得る。したがって、本発明の種々の表面および構造は、カテーテルアセンブリ10を把持する複数の方法を可能にし、他方で「オーバーザベベル」状態を防止する、ユニバーサルグリップ表面を有するカテーテルアセンブリ10を提供する。
【0024】
次に、図1Bを参照すると、カテーテル10の分解組立図が示される。構成要素12および16は、一般的に、長手方向軸80に沿って整列される。導入針66は、一般的に、ニードルハブ12に固定して取り付けられた第一端(不図示)、および、そこから、外方に延びる自由端72を含む。導入針の自由端72は、そこからカテーテル70が挿入される、患者における開口を提供するための、斜端部分68およびニードル端78を含む。カテーテルアダプター16は、カテーテル70を介して、患者に流体または医薬を供給するための、流体ライン74または静脈チューブを含み得る。本発明のいくつかの実施例において、カテーテルアダプター16は、ニードルハブ12の遠位端38を保持するためのクリップまたはつめ(不図示)をさらに含む。この具体例において、クリップまたはつめは、ニードル端78がカテーテルアダプター16から引き戻されるまで、カテーテルアダプター16からニードルハブ12の分離を防止する。
【0025】
ニードルハブ12は、カテーテルアダプター16の設計態様に適合するための設計態様をさらに含み得る。例えば、いくつかの具体例において、ニードルハブ本体20の遠位端38の一部分は、カテーテルアダプター16の流体ライン74のための隙間を提供するために斜面とされている。
【0026】
次に、図2を参照して、本発明の実施例が、ストレートグリップ形態において保持されるように示される。示されるように、第一および第二の把持表面22および24は、使用者の対向する指100および102に適合するための対向表面を提供する。本発明のいくつかの具体例において、使用者の親指100は、第一把持表面22と係合し、使用者の人差し指102は、第二把持表面24と係合する。この態様において、使用者は、カテーテルアセンブリ10を把持するために、ニードルハブ12の対向する把持表面22および24をつまむ。いくつかの具体例において、使用者の握りは、カテーテルアダプター16に向かって、「チョークドアップ(短い握り)」位置へと遠位方向に移される。「チョークドアップ(短い握り)」位置に保持されるとき、使用者の対向する指100および102は、把持表面22および24の保護用の構造40を、大きくふさぐか、これに接触する。「チョークドアップ(短い握り)」位置は、挿入処置の間に、増大した制御と活用を提供することが望ましい。保護用の構造40の存在は、「チョークドアップ(短い握り)」位置を可能にし、しかも、使用者の指100および102と、カテーテルアセンブリ10のカテーテルアダプター16の間の不注意の接触を防止する。
【0027】
次に、図3を参照して、本発明の実施例が、ウィングドグリップ形態において保持されるように示される。示されるように、ウィングドグリップ形態は、ひれ状グリップ30によって支援される。翼状グリップ30は、ニードルハブ12の遠位端38の剛性または半屈曲性の延長部である。ひれ状グリップ30は、第一側部および第二側部を有する一般的に平坦な表面を含み、第一側部は、上方表面32を含み、第二側部は下方表面34(図3には明りょうに示されない。図1Aおよび1Bを参照。)を含む。ひれ状グリップ30は、上方表面32に、親指100のような第一指を置き、下方表面34に、人差し指102のような第二指を置くことによって把持される。対向する指100および102は、カテーテルアセンブリ10をウィングドグリップ形態に固定するためにひれ状グリップ30をつまむ。したがって、本発明のカテーテルアセンブリ10のいくつかの実施例は、カテーテルアセンブリ10を把持する種々の方法を可能にするための複数の表面および態様を含む。
【0028】
次に、図4を参照して、本発明の実施例が、ポーテッドグリップ形態において保持されるように示される。示されるように、ポーテッドグリップ形態は、カテーテルアセンブリ10を把持するために3本の指の接触を利用する。サムグリップ26は、第一接触点を提供し、使用者の第一指、例えば、親指100を受け入れるように形成される。確保用プラットフォーム62の先頭エッジ54は、第二接触点を提供し、使用者の第二指、例えば、人差し指102を受け入れるように形成される。ひれ状グリップ30の先頭エッジ52は、第三接触点を提供し、使用者の第三指、例えば、中指104を受け入れるように形成される。この態様において、使用者は、ポーテッドグリップ形態にカテーテルアセンブリ10を把持するために全ての3点26、52および54と接触する。
【0029】
次に、図5を参照して、カテーテルアセンブリ200の実施例が示される。カテーテルアセンブリ200は、カテーテルアダプター16の第一確保用プラットフォーム62に対向して位置づけられた、第二確保用プラットフォーム62aを含む。第二確保用プラットフォーム62aは、第一確保用プラットフォーム62の先頭エッジ54と一般的に整列する先頭エッジ152を有するように位置づけられる。そのようなものとして、第一確保用プラットフォーム62、第二確保用プラットフォーム62aおよびサムグリップ26は、使用者が、カテーテルアセンブリ200をポーテッドグリップ形態に把持し得る表面を提供する。特に、サムグリップ26は、第一接触点を提供し、使用者の第一指、例えば親指100を受け入れるように形成される。第一確保用プラットフォーム62の先頭エッジ54は、第二接触点を提供し、使用者の第二指、例えば、人差し指102を受け入れるように形成される。第二確保用プラットフォーム62aの先頭エッジ152は、第三接触点を提供し、使用者の第三指、例えば、中指104を受け入れるように形成される。この態様において、使用者は、ポーテッドグリップ形態にカテーテルアセンブリ200を把持するために全ての3点26、152および54と接触する。
【0030】
次に、図6を参照して、カテーテルアセンブリ300の実施例が示される。本発明のいくつかの具体例は、カテーテルアセンブリを把持する方法を限定するように変更され得る。例えば、カテーテルアセンブリ300は、ストレートグリップ形態のみに適合するように変更された。特に、カテーテルアダプター16は、上述の図1〜図5に示されるような、カテーテルアダプター16の確保用プラットフォーム62および62a、ニードルハブ12のひれ状グリップ30を除くように変更された。これらの態様62、62aおよび30を除去することにより、カテーテルアセンブリ300は、ポーテッドグリップ形態およびウィングドグリップ形態のいずれの可能性をも消去する。特定のグリップ形状が望ましいか、他よりもより一般的である場合、これらのような変形は、市場または産業にとって望ましい。これらのような変形は、また、製造コストを減少するだけでなく、既知の市場のために、不要な構造を消去し得る。いくつかの具体例において、カテーテルアセンブリ300は、挿入中、「オーバーザベベル」状態を防止するための保護用の構造40をさらに含む。
【0031】
次に、図7を参照して、患者110へのカテーテル70の挿入、および、アダプター16からの導入針66の除去後のカテーテルアダプター16が示される。カテ−テル70の挿入後、確保用プラットフォーム62は、接着ストリップ120によって、患者110にカテーテルアダプター16を固定するための平坦な表面を提供する。そのようなものとして、カテーテルアダプター16は、患者110に対する回転を防止され、患者の挿入部位内のカテーテル70の位置を保持する。
【0032】
本発明は、ユニバーサルグリップ表面を有する、標準の一体化されたカテーテルアセンブリを提供する。本発明は、さらに、使用者が、「オーバーザベベル」状態を生起する可能性なしに種々の把持位置にあるカテーテルアセンブリを把持することを可能にする。したがって、本発明は、カテーテルの挿入中における、カテーテルアセンブリのバランスの取れた、制御された取り扱いのための、有用な、安全な、そしてユニバーサルな把持表面を提供するように適合させられる。
【0033】
本発明は、ここにおいて概略的に説明され、以下の特許請求の範囲に記載された、その構造、方法、または、他の本質的な特徴から離れることなく、他の特定の形状に具体化され得る。記述された具体例は、全ての観点において、制限的ではなく、説明的なものとして考慮されるべきである。したがって、本発明の範囲は、上記の説明によるよりも、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の意味および均等の範囲内で行う全ての変更は、その範囲内に包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニバーサルグリップのカテーテル装置であって、
第一端および第二端を有するカテーテルアダプターであって、前記第一端はカテーテルを支持し、前記カテーテルアダプターは、前記カテーテルアダプターの第一側を占める確保用プラットフォームをさらに含む、前記カテーテルアダプター、および、
第一端および第二端を有するニードルハブであって、前記第一端は、前記カテーテルアダプターの前記第二端と滑動し得るように結合され、前記ニードルハブは、前記第一端から外方に、前記カテーテルアダプターの第二側に近接した位置に延びる、ひれ状グリップを含み、前記カテーテルアダプターの前記第二側は、前記カテーテルアダプターの前記第一側とほぼ対向しており、前記ニードルハブの前記第一端は、さらに保護構造を含み、前記ニードルハブの前記第二端は、さらに針を含み、前記針は、前記ニードルハブの中央部および前記カテーテルアダプターの中央部を通って延び、前記針の先端は、カテーテルの先端部分を超えて延びる、前記ニードルハブ、
を含むことを特徴とするカテーテル装置。
【請求項2】
請求項1のカテーテル装置であって、前記ニードルハブは、さらに、第一把持表面および第二把持表面を含むことを特徴とするカテーテル装置。
【請求項3】
請求項2のカテーテル装置であって、前記保護構造が、前記第一および第二把持表面の一部を含み、前記保護構造の一部は、前記第一把持表面および前記ひれ状グリップの間に置かれることを特徴とするカテーテル装置。
【請求項4】
請求項3のカテーテル装置であって、前記第一および第二把持表面は、前記カテーテル装置のストレートグリップを可能とするために、対向する指に適合するように形成されていることを特徴とするカテーテル装置。
【請求項5】
請求項1のカテーテル装置であって、前記カテーテル装置のポーテッドグリップを可能にするために、前記ニードルハブの前記第二端が、さらに、親指に適合するための端面を含み、前記確保用のプラットフォームの先頭エッジが第一指に適合し、前記ひれ状グリップの先頭エッジが第二指に適合することを特徴とするカテーテル装置。
【請求項6】
請求項1のカテーテル装置であって、前記ひれ状グリップがさらに上面および下面を含み、前記上面は、親指に適合するように形成され、前記下面は、対向する指に適合するように形成され、それにより、前記ひれ状グリップは、前記カテーテル装置のウィングドグリップを可能にするために、前記親指と前記対向する指との間にはさまれることを特徴とするカテーテル装置。
【請求項7】
請求項1のカテーテル装置であって、前記ひれ状グリップがさらに凹凸表面を含むことを特徴とするカテーテル装置。
【請求項8】
請求項4のカテーテル装置であって、前記保護構造が、前記対向する指と前記確保用プラットフォームおよび前記ひれ状グリップの少なくとも一つとの間に置かれることを特徴とするカテーテル装置。
【請求項9】
請求項1のカテーテル装置であって、前記ニードルハブの前記第一端が、さらに、前記カテーテルアダプターの前記第二端を収容するためのポートを含むことを特徴とするカテーテル装置。
【請求項10】
ユニバーサルグリップを有するカテーテルアセンブリを製造するための方法であって、該方法は、
第一端、第二端および中間部分を有するニードルハブを用意する工程であって、前記第一端は、ひれ状グリップを含む近位側を有しており、前記第二端は、親指に適合するための端表を含み、前記ニードルハブは、さらに、前記第二端に固定して取り付けられ、そこから外方に延びる針を有する、前記ニードルハブを用意する工程、
第一端および第二端を有するカテーテルアダプターを用意する工程であって、前記第二端は、前記ニードルハブの前記第一端に取り外し可能に結合され、前記第一端は、カテーテルを含み、前記カテーテルアダプターは、さらに、確保用のプラットフォームを含む遠位側を有しており、針が、前記カテーテルアダプターおよびカテーテルの内方部分を通っており、その結果、前記針の先端が、前記カテーテルの先端を超えて延びる、前記カテーテルアダプターを用意する工程、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10の方法であって、前記カテーテルアセンブリのストレートグリップを可能にするため、前記ニードルハブの前記中間部分に、対向する指に適合する、第一把持表面および第二把持表面を用意する工程、をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項11の方法であって、保護構造を提供するため、前記ニードルハブの前記第一端の一部を外方に延ばす工程であって、前記保護構造が、前記対向する指と前記カテーテルアダプターとの間の物理的障壁を提供し、前記保護構造の一部が、前記第一把持表面と前記ひれ状グリップとの間に置かれる工程、をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項10の方法であって、前記ひれ状グリップの先頭エッジと前記確保用プラットフォームの先頭エッジを整列する工程であって、前記カテーテルアセンブリのポーテッドグリップを可能とするために、前記確保用のプラットフォームの前記先頭エッジが第一指に適合し、前記ひれ状グリップの先頭エッジが第二指に適合し、前記端面が前記親指に適合する工程、をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項10の方法であって、前記ひれ状グリップの上面に第一把持表面を用意し、前記ひれ状グリップの底面に第二把持表面を用意する工程であって、前記第一把持表面は、親指に適合し、前記第二把持表面は、対向する指に適合し、前記ひれ状グリップは、カテーテルアセンブリのウィングドグリップを可能とするために前記親指と前記対向する指の間でつままれる工程、をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14の方法であって、前記ひれ状グリップの前記上面および前記底面に凹凸表面を用意する工程をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
静脈カテーテル器具であって、
第一端および第二端を有するカテーテルアダプターであって、前記第一端がカテーテルを支持する前記カテーテルアダプター、および、
第一端、第二端および中間部分を有するニードルハブであって、前記第一端が前記カテーテルアダプターの前記第二端に取り外し可能に結合されており、前記中間部分は、前記カテーテル機器のストレートグリップを可能とするため対向する指に適合するための把持表面を含み、前記中間部分は、さらに、前記対向する指と前記カテーテルアダプターの間に置かれた、保護構造を含み、前記第二端は、端面およびそこから外方に延びる固定して取り付けられた針を含み、その結果、前記針は、一体的なカテーテル機器を提供するため、前記ニードルハブ、前記カテーテルアダプターおよび前記カテーテルを横切り、整列させ、協調させる、前記ニードルハブ、
を含むことを特徴とするカテーテル器具。
【請求項17】
請求項16のカテーテル器具であって、さらに、第一先頭エッジおよび第二先頭エッジを提供するために前記カテーテルアダプターから外方で横方向に延びる確保用のプラットフォームを含み、前記カテーテル機器のポーテッドグリップを可能にするため、前記第一先頭エッジは、第一指と適合するように形成され、前記第二先頭エッジは、第二指と適合するように形成され、、そして、前記端面は、親指と適合するように形成されており、前記確保用のプラットフォームの一部分は、前記カテーテル機器のウィングドグリップを可能にするために、対向する指に適合するように形成されていることを特徴とするカテーテル器具。
【請求項18】
請求項16のカテーテル器具が、さらに、前記ニードルハブの前記第一端の一部から外方に延びるひれ状グリップを含み、前記ひれ状グリップは、前記カテーテルアダプターに近接して配置され、前記ひれ状グリップは、上面及び底面を含み、前記上面は、親指と適合するように形成され、前記底面は対向する指と適合するように形成され、それにより、前記ひれ状グリップが、前記カテーテル機器のウィングドグリップを可能にするために、前記親指と前記対向する指との間でつままれることを特徴とするカテーテル器具。
【請求項19】
請求項18のカテーテル器具であって、前記ひれ状グリップの遠位部分を形成する第一先頭エッジを含み、前記第一先頭エッジは、第二指と適合するように形成されていることを特徴とするカテーテル器具。
【請求項20】
請求項19のカテーテル器具であって、前記カテーテルアダプターに固定して取り付けられ、前記ひれ状グリップに対向して一般的に位置決めされた、確保用のプラットフォームをさらに含み、前記確保用のプラットフォームは、第一指と適合するように形成された第二先頭エッジを含み、前記第二先頭エッジ、前記第一先頭エッジ、および、前記端面は、前記カテーテル器具のポーテッドグリップを可能にするために、前記第一指、前記第二指、および、前記親指とそれぞれ接触されることを特徴とするカテーテル器具。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−521797(P2012−521797A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502168(P2012−502168)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/028339
【国際公開番号】WO2010/111285
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】