説明

ユーザが通信可能になったとき通知する方法およびシステム

【課題】コンタクトのプレゼンス状態の変化を通知するための方法およびシステムを提供すること。
【解決手段】通知システムにより、ユーザはコンタクトが特定のプレゼンス状態に入ったとき、通知されることを望む関心対象コンタクトを指定することができる。コンタクトに関するプレゼンス情報を受信すると、本通知システムは、そのコンタクトがユーザによって指定された関心対象コンタクトであるかどうか判定する。そうである場合、本通知システムは、そのプレゼンス情報がユーザにとって関心のあるプレゼンス状態の変化を示しているかどうか判定する。コンタクトおよびプレゼンス状態の変化がユーザにとって関心対象のものである場合、本通知システムはユーザに通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、プレゼンス情報に対する変化を通知することに関する。
【背景技術】
【0002】
会話参加者相互間の自分のコンピュータシステムによる実時間会話は、ますます普通のものとなってきている。このような実時間会話では、参加者が自分のコンピュータシステム(例えば、PDA(personal digital assistant))の前にいること、および通信を受信したときに応答可能であることが必要である。実時間会話の普通の形態は、インスタントメッセージサービスによって提供される。インスタントメッセージサービスによると、参加者はメッセージを送信し、会話中のもう一方の参加者に1〜2秒以内でそれを受信させることができる。次いで、受信側の参加者は、応答メッセージを同様な方法で他の参加者に送信することができる。効率的であるために、実時間会話は、受信したメッセージに参加者が非常に速やかに気が付き、見直しを行い、応答することを当てにしている。この速やかに応答するということは、電子メールメッセージの受信者が自分の都合でメッセージに応答する従来の電子メールシステムとは著しく異なるものである。
【0003】
開始参加者が実時間会話を始めたい場合、その参加者は、対象とする参加者が実時間でメッセージに応答可能かどうか知る必要がある。応答可能ではない場合、従来の電子メール、音声メール、または何らかの他の機構を介する通信がより適切であり得る。例えば、対象とする参加者のコンピュータが現在電源オフである場合、実時間会話は成立しないはずである。さらに、そのコンピュータは現在電源オンであるが、対象とする参加者が自分のコンピュータから離れている場合、やはり実時間会話は可能ではない。開始参加者は、通信形態に対する適切な決定を行うために、対象とする参加者の可用性について知りたいはずである。
【0004】
コンピュータシステム、またはそのコンピュータシステムに関連するユーザなどのエンティティの可用性状況は、「プレゼンス(presence)情報」と呼ばれる。プレゼンス情報は、ユーザの現在の「プレゼンス状態」を識別する。ユーザはそのプレゼンス情報を利用可能にし、それにより、自分との最適な通信方式を他のユーザが決定できるようにする。例えば、プレゼンス情報は、ユーザがインスタントメッセージサーバにログオン(「オンライン」)しているか、またはログオフ(「オフライン」)しているかを示すことができる。プレゼンス情報はまた、ユーザの可用性について、より詳細な情報を提供することができる。例えば、ユーザがオンラインであったとしても、そのユーザはミーティング中で自分のコンピュータから離れている可能性がある。このような場合、プレゼンス状態は、「オンライン」と、「ミーティング中」を示すことができる。
【0005】
インスタントメッセージのコンテキストでは、発行ユーザ(「パブリッシャ(publisher)」)は、プレゼンスサーバに自分のプレゼンス情報を提供し、次いで、サーバがそのプレゼンス情報を登録ユーザ(「サブスクライバ(subscriber)」)に提供することができる。したがって、プレゼンスサーバは、サブスクライバ/パブリッシャモデルを用いてプレゼンスサービスのユーザに対してプレゼンス情報を提供することができる。ユーザのプレゼンス情報が変化したとき、ユーザのコンピュータシステムによってその変化がプレゼンスサーバに通知され、次いで、プレゼンスサーバが登録ユーザにその変化を知らせる。次いで、登録ユーザは、対象とする参加者のプレゼンス情報に基づいて、インスタントメッセージ会話を開始すべきかどうかを決定することができる。例えば、発行ユーザが、現在、電話会議中であることをプレゼンス情報が示した場合、登録ユーザは、その発行ユーザに対して電話をするのではなく、インスタントメッセージを送信するように決定することができる。しかし、登録ユーザが、発行ユーザに電話をかけて話す必要のある場合、登録ユーザは、いつ電話してよいかを知るために発行ユーザのプレゼンス情報をモニタする必要がある。登録ユーザが、発行ユーザのプレゼンス情報が電話会議の終了を示していることに気付いたとき、登録ユーザは電話をすることができる。
【0006】
しかし、ある種の通信を「コンタクト(contact)」とも呼ばれる特定のユーザが処理可能になったことを、ユーザが実際に気付くことは難しいはずである。ユーザには、各コンタクトのプレゼンス情報のそれぞれの変化の確認が必要となる可能性がある。ユーザが多くのコンタクトのプレゼンス情報に登録する場合、その困難さは高まる。例えば、大規模な設計チーム(例えば、100名を超えるメンバーを有するチーム)のメンバーは、いつ、どのように他のメンバーと通信するのが最適であるかを知るために、他のメンバーすべてのプレゼンス情報を登録することができる。しかし、任意の所与の時間において、そのメンバーは、当面、他のメンバーのうちの小グループとだけ通信することに関心があり、その関心対象メンバーがいつ通信可能になるか通知されることを望んでいる可能性がある。そのメンバーは他のメンバーすべてからのプレゼンス情報に登録しているので、どのメンバーのプレゼンス情報が変化しても通知される。したがって、そのメンバーはこれらの通知をすべてモニタして、そのいずれかが関心対象メンバーに関係しているかどうか調べる必要がある。通知を受信するごとに自分のコンピュータを確認し、それが関心対象のメンバーに関係しているかどうかを調べる必要のあることはそのメンバーを混乱させることになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
登録ユーザが、すべての登録先(subscribed-to)コンタクトのプレゼンス情報をモニタすることを必要とせずに、現在関心のある発行コンタクトが通信可能になったとき、それを認識できるようにする機構を有することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
コンタクトのプレゼンス状態の変化を通知するための方法およびシステムを提供する。通知システムにより、ユーザは、コンタクトが特定のプレゼンス状態に入ったとき、通知されることを望む関心対象コンタクトを指定することができる。ユーザは、多数のコンタクトに関するプレゼンス情報に登録することができるが、当面は、関心対象コンタクトのプレゼンス状態の変化に関心を有するだけとすることもできる。コンタクトに関するプレゼンス情報が受信されると、本通知システムは、そのコンタクトがユーザによって指定された関心対象コンタクトであるかどうか判定する。そうである場合、通知システムは、そのプレゼンス情報がユーザにとって関心のあるプレゼンス状態の変化を示しているかどうか判定する。コンタクトおよびプレゼンス状態の変化がユーザにとって関心対象のものである場合、本通知システムはユーザに通知する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
コンタクトのプレゼンス状態の変化を通知するための方法およびシステムを提供する。一実施形態では、通知システムにより、ユーザは、コンタクトが通信可能になったとき(または、より一般的に、特定のプレゼンス状態に入ったとき)、通知されることを望む関心対象コンタクトを指定することができる。ユーザは、多数のコンタクトのプレゼンス情報に登録することができるが、当面は、特定の指定されたコンタクトのプレゼンス状態の変化にだけ関心を有するだけとすることもできる。例えば、ユーザは、あるコンタクトへの電話通話を望んでいるが、コンタクトのプレゼンス情報が、そのコンタクトは現在ミーティング中であることを示す可能性もある。ユーザは、そのコンタクトが電話通話に答えられるようになったときに通知されたいはずである。あるコンタクトに関するプレゼンス情報が受信されると、本通知システムは、そのコンタクトがユーザに指定された関心対象コンタクトであるかどうかを判定する。そうである場合、通知システムは、いまコンタクトがそのユーザと通信可能であるようなプレゼンス状態の変化をプレゼンス情報が示しているかどうか判定する。コンタクトが通信可能である場合、通知システムは、例えば、いまコンタクトは通信可能であることを示すダイアログボックスを表示することによって、ユーザに通知する。ダイアログボックスはまた、コンタクトと通信するための様々な選択肢を識別することができる。例えば、ダイアログボックスは、コンタクトにインスタントメッセージを作成し送信するための、またはそのコンタクトへの電話通話を行うためのボタンを含むことができる。コンタクトまたはプレゼンス状態の変化が関心対象のものではない(例えば、コンタクトがまだ通信可能ではない)場合、通知システムはユーザに通知しない。特定のコンタクトが通信可能となったとき通知されることにもはや関心がなくなった場合、ユーザは、コンタクトが利用可能になったときに通知されることにこれ以上関心がないことを示すことができる。この方法では、すべてのコンタクトに対するプレゼンス状態の変化がすべて通知されるのではなく、ユーザは、通知を受けたい関心対象のコンタクトを選択的に示すことができる。こうすると、現在関心のあるコンタクトだけに関する通知がユーザに提供される。
【0010】
一実施形態では、本通知システムは、関心対象コンタクトがユーザと通信することが可能になったとき、ユーザに通知することができる。各プレゼンス状態は、そのプレゼンス状態にあるコンタクトが通信可能かどうかを示す関連の属性を有することができる。例えば、「電話中」というプレゼンス状態は、その属性をコンタクトが通信できないことを示すように設定することができ、一方、「コンピュータで作業中」というプレゼンス状態は、その属性をコンタクトが通信できることを示すように設定することができる。本通知システムはまた、各プレゼンス状態で利用できる通信方式を示す属性を含むことができる。例えば、「ミーティング中」というプレゼンス状態は、コンタクトはインスタントメッセージを(例えば、PDAを介して)受信可能であるが、電話通話を受信できないことを示すように属性を設定することができる。本通信システムにより、コンタクトがそれらの属性を指定することもできる。例えば、あるコンタクトは、そのプレゼンス状態が「ミーティング中」であるとき、通信できないことを指定できるが、一方、他のコンタクトは、インスタントメッセージを受信可能であることを指定することもできる。本通知システムは、ユーザに、通信すべきコンタクトの可用性を通知し、コンタクトが受信可能である通信方式を示す通知を提供することができる。例えば、コンタクトが、インスタントメッセージを受信することだけが可能である場合、その通知には電話通話を行う選択肢ではなく、インスタントメッセージを送信するための選択肢を含めることができる。
【0011】
一実施形態では、本通知システムにより、ユーザはコンタクトがプレゼンス状態に入ったときに通知を受け取ることを望むプレゼンス状態を識別することができる。例えば、ユーザは、通信するコンタクトの可用性とは無関係に、コンタクトのプレゼンス状態が「ミーティング中」に変わったとき通知されるように望むことができる。通知システムにより、ユーザは、すべてのコンタクトに対して全体的に、またはコンタクトごとにそのプレゼンス状態を識別することができる。
【0012】
一実施形態では、本通知システムにより、ユーザは通知システムが使用する通知方式を選択することができる。例えば、あるユーザは、ポップアップ式のダイアログボックスにより通知されることを望み、一方、別のユーザは、ユーザの携帯電話への電話によって通知されたいと望む可能性がある。本通知システムにより、ユーザはその現在のプレゼンス状態に基づいて通知方式を設定することができる。例えば、ユーザは、そのプレゼンス状態が「車中」であるとき、自分の携帯電話を介してのみ通知を受信するように選択することができる。あるいは、本通知システムは、ユーザの現在のプレゼンス状態に基づいて、最適な通知方式を自動的に識別することもできる。例えば、ユーザのプレゼンス状態が「車中」である場合、本通知システムは、ポップアップ式のダイアログボックスではなく、その携帯電話によってユーザに通知するよう自動的に決定することができる。あるいは、本通知システムは、ユーザが会話の開始を待っていることをコンタクトに通知することもできる。本通知システムは、コンタクトに対して、通信モードを選択する選択肢、または会話を許可しない選択肢を与えることもできる。
【0013】
図1は、一実施形態におけるプレゼンス状態のプレゼンスモデルを示す図である。プレゼンスモデル100は、ユーザ、クライアント、またはコンピュータシステムなど発行エンティティのプレゼンス状態の階層を定義する。第1レベルのプレゼンス状態110は、「オフライン」111、「オンライン」112、および「利用できない」113である。「オフライン」は、発行エンティティが現在利用できないことを示し、「オンライン」は、発行エンティティがプレゼンスサーバに現在ログオンしていることを示し、また「利用できない」はどのプレゼンス情報も現在利用できないことを示す。「オンライン」プレゼンス状態の第2レベルのプレゼンス状態120は、「家で」121、「仕事中」122、および「その他」123である。「家で」は、発行エンティティが家でオンラインであることを示し、「仕事中」は、発行エンティティが仕事でオンラインであることを示し、「その他」は、発行エンティティが何らかの他の場所でオンラインであることを示す。「仕事中」プレゼンス状態の第3レベルのプレゼンス状態130は、「ミーティング中」131、「電話中」132、および「昼食中」133であり、内容は説明を要しない。「ミーティング中」プレゼンス状態の第4レベルのプレゼンス状態140は、「オフィス中」141および「オフィス外」142であり、これも説明を要しない。ユーザは、プレゼンスモデルのプレゼンス状態の階層を定義すること、および複数のプレゼンスモデルを定義することができる。本通知システムにより、コンタクトはどのプレゼンス状態において通信が利用可能であるかを定義し、また各プレゼンス状態で許可されるもしくは望ましい通信方式を定義することができる。また、通知システムにより、ユーザは、コンタクトのどのプレゼンス状態に対して通知されたいかを選択することができる。
【0014】
図2は、一実施形態において、すべてのコンタクトに対するプレゼンス状態の変化を通知すべきか、あるいは関心対象コンタクトだけに通知すべきかを選択するためのダイアログボックスを示す。この実施例では、ユーザは、関心対象コンタクトのうちの1グループを定義することができる。当業者であれば、本通知システムにより、ユーザは関心対象コンタクトの複数のグループを定義することができ、また一度に1つまたは複数のグループに対する通知を受信することが選択的に可能となることが理解されよう。ダイアログボックス200は、プレゼンス状態の変化を通知させるかどうかユーザが選択するチェックボックス201を含む。ユーザが通知されることを選択した場合、ユーザは、次いで、ラジオボタン211または221を選択することができる。ユーザがラジオボタン211を選択した場合、ユーザは関心対象コンタクトだけに対する通知を受信することになる。ユーザがラジオボタン221を選択した場合、ユーザはすべてのコンタクトに関する通知を受信することになる。ユーザがチェックボックス212または222を選択した場合、ユーザのプレゼンス状態が現在ユーザはビジーであることを示すとき、通知されないようになる。ユーザがチェックボックス213または223を選択した場合、邪魔されたくないことをユーザが示したときには通知は何も提供されない。
【0015】
図3は、一実施形態において、現在の関心対象コンタクトを指定するためのダイアログボックスを示す。ダイアログボックス300は、ユーザが、そのプレゼンス情報に対して現在登録している先のコンタクトのリスト301を含む。ダイアログボックスはまた、ユーザが関心対象コンタクトを指定できるチェックボックス302を含む。この実施例では、ユーザは、アーロン、ダニー、およびエロイーズのプレゼンス状態もしくは可用性の変化を通知されるように指示している。当業者であれば、関心対象コンタクトを指定するために多くの様々なユーザインターフェースを使用できることを理解されよう。例えば、各コンタクトは、ユーザがそのコンタクトに現在関心があることを示すことのできるプロパティダイアログボックスを有することができる。本通知システムはまた、コンタクトがそのプレゼンス状態に入ったとき、ユーザが通知されることを望むプレゼンス状態を選択できるダイアログボックスを含むことができる。そのダイアログボックスは、図1に示すなど、階層形式でプレゼンス状態を表示することができ、またユーザは関心のあるプレゼンス状態を選択することができる。また、本通信システムにより、ユーザは1群のコンタクトを指定でき、そのグループ中の任意のコンタクトが利用可能になったとき通知されるようにすることができる。
【0016】
図4は、一実施形態において、関心対象コンタクトが、ユーザにとって関心のあるプレゼンス状態に入ったことをユーザに通知するためのダイアログボックスを示す。この実施例では、指定されたコンタクトが通信可能になったとき通知される。ダイアログボックス400は、コンタクト識別領域401、通信方式の選択肢402、およびサブミットボタン403を含む。ダイアログボックスがポップアップすると、ユーザにアーロンが通信可能であることを通知される。次いで、ユーザは、通信方式を選択し、サブミットボタンを選択して、選択された通信方式によってコンタクトと通信を開始することができる。当業者であれば、本通知システムは、ユーザに通知するための様々な通信方式を用いることもできることが理解されよう。例えば、本通知システムは、コンタクトの可用性を示すメッセージを有する電話通話を行うことによってユーザに通知することもできる。コンタクトが電話を介して通信することが可能である場合、そのメッセージは、例えばボタンを押すことによって、または特定のフレーズを話すことによって通話する選択肢をユーザに与えることもできる。本通知システムはまた、ユーザ自身の可用性に合わせて適切に通知することができる。例えば、ユーザが自分のコンピュータから離れている場合、通知システムは、ユーザに電話通話を行うことによりユーザに通知することができる。本通知システムは、コンタクトの可用性をユーザに通知するかどうかを決定するにあたり、ユーザのプレゼンス状態を検討することができる。例えば、コンタクトはインスタントメッセージだけを受信可能であるが、ユーザは電話を介してのみ利用可能である場合、ユーザおよびコンタクトに対して利用可能な共通の通信方式がないため、本通知システムは通知を送信することができない。
【0017】
図5は、一実施形態において、通知システムのコンポーネントを示すブロック図である。通知システム500は、関心対象コンタクト指定コンポーネント501、プレゼンス情報受信コンポーネント502、および通知表示コンポーネント503を含む。本通信システムはまた、プレゼンステーブル504、およびコンタクトテーブル505を含む。プレゼンステーブルは、そのコンタクトの現在のプレゼンス状態を示す登録先コンタクトのそれぞれに対するエントリを含む。プレゼンスシステムが、登録先コンタクトのプレゼンス状態の変化の通知を受信したとき、そのコンタクトに対するプレゼンステーブル中のエントリを更新する。プレゼンステーブル中のエントリはまた、そのコンタクトがユーザにとって現在関心の対象であるかどうかを示すことができる。コンタクトテーブル505は、コンタクトごとのエントリを含む。コンタクトテーブル中のエントリは、ユーザが通知を受けることを望むコンタクトのプレゼンス状態を識別することができる。エントリはまた、そのプレゼンス状態に対して適切な通信方式を識別することもできる。関心対象コンタクト指定コンポーネントは、ユーザが関心対象コンタクトをそれを介して指定可能な図3に示すものなどのユーザインターフェースを提供する。プレゼンス情報受信コンポーネントは、登録先コンタクトに関するプレゼンス情報を受信し、プレゼンステーブルを更新し、コンタクトおよびプレゼンス状態がユーザにとって関心のあるものである場合、ユーザに通知する。通知表示コンポーネントは、図4に示すものなどの通知を作成しそれをユーザに表示する。
【0018】
本通知システムがその上に実装されるコンピューティング装置は、中央処理装置、メモリ、入力装置(例えば、キーボードおよびポインティング装置)、出力装置(例えば、表示装置)、および記憶装置(例えば、ディスクドライブ)を含むことができる。メモリおよび記憶装置は、本通知システムを実施できる命令を含むことができるコンピュータ可読媒体である。さらに、データ構造およびメッセージ構造は、通信リンク上の信号などのデータ伝送媒体を介して記憶され、あるいは送信することができる。インターネット、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、ポイントツーポイントのダイアルアップ接続、携帯電話ネットワークなど、様々な通信リンクを使用することができる。
【0019】
本通信システムの諸実施形態は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルドもしくはラップトップ装置、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、プログラム可能な家庭用電子機器、デジタルカメラ、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、上記システムもしくは装置の任意の組合せを含む分散コンピューティング環境、および以下同様のものを含む様々な動作環境で実施することができる。コンピュータシステムは、携帯電話、PDA、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、プログラム可能な家庭用電子機器、デジタルカメラなどとすることができる。
【0020】
本通知システムは、1つまたは複数のコンピュータまたは他の装置によって実行される、プログラムモジュールなどコンピュータ実行可能命令の一般的なコンテキストで記述することができる。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクまたは特定の抽象データ型を実施するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。通常、プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態中で所望に応じて組み合わされ、または分散することができる。
【0021】
図6は、一実施形態において、プレゼンス情報受信コンポーネントの処理を示す流れ図である。コンポーネントに、コンタクトおよびその現在のプレゼンス状態の指示が渡される。判断ブロック601で、ユーザがプレゼンス通知を受信することを指定した場合、コンポーネントはブロック602に進むが、そうでない場合は、コンポーネントは完了する。判断ブロック602で、ユーザがすべてのコンタクトから通知を受信することを指定した場合、コンポーネントはブロック607に進み、そうでない場合はブロック603に進む。判断ブロック603で、ユーザが割り込み可能である場合、コンポーネントはブロック604に進み、そうでない場合、コンポーネントは完了する。例えば、ユーザがビジーであるか邪魔されたくない場合に通知を受け取らないことを指示しており、現在ビジーであるか邪魔されたくない場合、ユーザは割り込み可能ではない。ブロック604〜606で、渡されたコンタクトが関心対象のコンタクトであるかどうか判定を行いコンポーネントはループする。ブロック604で、コンポーネントは、次の関心対象コンタクトを選択する。判断ブロック605で、関心対象コンタクトのすべてがすでに選択されている場合、コンポーネントは完了し、そうでない場合、ブロック606に進む。判断ブロック606で、渡されたコンタクトが選択されたコンタクトと同じものである場合、その渡されたコンタクトは関心対象コンタクトである。コンポーネントはブロック607に進み、そうでない場合、コンポーネントはブロック604にループして次の関心対象コンタクトを選択する。判断ブロック607で、関心対象コンタクトが渡されたプレゼンス状態によって示されるように、利用可能になった場合、コンポーネントは、ブロック608に進み、そうでない場合は、コンポーネントは完了する。ブロック608で、コンポーネントは、その通知をユーザに表示し、次いで完了する。
【0022】
前述の内容から、例示のために本通知システムの特有な諸実施形態が本明細書で述べられているが、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく様々な変更を加えることができることを理解されよう。当業者であれば、本通知システムを、対面でコンタクトとの会話をしたいと望むユーザによっても使用できることが理解されよう。例えば、ユーザがそのコンタクトを利用できると通知された場合、ユーザは、そのコンタクトのオフィスに歩いて行き会話することもできる。当業者であれば、本説明で使用する「電話通話」は、様々なタイプの音声(例えば、VoIP(voice over IP)および従来の電話システムを介した音声)会話を包含することを理解されよう。本通知システムはまた、コンタクトが多くの異なるタイプの会話に対して利用可能になったとき、ユーザに通知するために使用することもできる。例えば、ユーザは、コンタクトがアプリケーション共用またはビデオ会議に対して利用可能になった場合に通知するよう要求することができる。コンタクトが、電話通話もしくはインスタントメッセージ会話を利用可能であるが、そのPDAがアプリケーション共用をサポートしていないため、アプリケーション共用に対して利用可能ではないこともあり得る。このような場合、ユーザは、そのコンタクトがアプリケーションを共用できるようになるまで、コンタクトの可用性を通知されることを望まない。当業者であれば、コンタクトは、プリンタ、複写機、会議室などの装置とすることができることも理解されよう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によるもの以外には限定されないものとする。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】一実施形態において、プレゼンス状態のプレゼンスモデルを示す図である。
【図2】一実施形態において、すべてのコンタクトに対するプレゼンス状態の変化を通知すべきか、あるいは関心対象コンタクトだけに通知すべきかを選択するためのダイアログボックスを示す図である。
【図3】一実施形態において、現在の関心対象コンタクトを指定するためのダイアログボックスを示す図である。
【図4】一実施形態において、関心対象コンタクトが、ユーザにとって関心のあるプレゼンス状態に入ったことをユーザに通知するためのダイアログボックスを示す図である。
【図5】一実施形態において、通知システムのコンポーネントを示すブロック図である。
【図6】一実施形態において、プレゼンス情報受信コンポーネントの処理を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0024】
111 オフライン
112 オンライン
113 利用できない
121 家で
122 仕事中
123 その他
131 ミーティング中
132 電話中
133 昼食中
141 オフィス中
142 オフィス外

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンタクトのプレゼンス情報を提供するためのコンピュータベースの方法であって、
コンタクトのプレゼンス情報に登録するステップと、
関心対象コンタクトを指定するステップと、
関心対象コンタクトの前記プレゼンス状態が特定の変化を示したとき、前記関心対象コンタクトのプレゼンス状態の変化をユーザに通知するステップと、
関心対象ではないコンタクトの前記プレゼンス状態が変化したとき、前記ユーザへの通知は行わないステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記通知するステップは、前記コンタクトとの通信方式を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記通信方式は、インスタントメッセージを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記通信方式は、電話通話を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
ユーザが、プレゼンス状態の前記特定の変化を定義できるようにするステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記特定の変化は、ユーザとの通信が可能になる変化であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
電話上で実施されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
コンピュータシステム上で実施されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
コンタクトのプレゼンス状態を受信するステップと、
前記コンタクトが関心対象コンタクトであるかどうか判定するステップと、
前記受信したプレゼンス状態が、ユーザ指定の関心対象のものであるかどうか判定するステップと、
前記コンタクトが関心対象のものであり、また前記プレゼンス状態がユーザ指定の関心対象のものであると判定された場合、前記受信したプレゼンス状態を前記ユーザに通知するステップと
を含む方法によりコンピュータシステムを制御して前記コンタクトの前記プレゼンス情報を提供する命令を含むことを特徴とするコンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記コンタクトが関心対象のものではない場合、前記ユーザへの通知を行わないことを特徴とする請求項9に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記通知するステップは、前記ユーザに利用可能な通信方式によって提供されることを特徴する請求項9に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記コンタクトは、通信することが可能なプレゼンス状態を指定することができることを特徴する請求項9に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記通知するステップは、前記コンタクトとの通信方式を含むことを特徴とする請求項9に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
通知は、前記コンタクトがユーザとの通信が可能になったときに提供されることを特徴する請求項9に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
コンタクトが通信可能になったときユーザに通知するためのシステムであって、
関心対象コンタクトを指定する手段と、
関心対象コンタクトが利用可能になったとき前記ユーザに通知する手段であって、前記通知が前記コンタクトとの通信方式を示している手段と
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項16】
前記通信方式はインスタントメッセージであることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記通信方式は電話通話であることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
コンタクトが可用性を定義できるようにする手段を含むことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
可用性はプレゼンス状態によって示されることを特徴する請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
関心対象コンタクトのプレゼンス情報に登録する手段を含むことを特徴とする請求項15に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−178965(P2006−178965A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−360931(P2005−360931)
【出願日】平成17年12月14日(2005.12.14)
【出願人】(500046438)マイクロソフト コーポレーション (3,165)
【Fターム(参考)】