説明

ライセンス管理システム、画像処理装置、情報処理装置、ライセンス管理方法およびライセンス管理プログラム

【課題】画像処理装置の所有者等が変更されても、画像処理装置のライセンスを管理する。
【解決手段】設定情報の変更を検出する情報変更検出部152と、設定情報の変更が検出された場合に、照会サーバに画像処理装置のグローバルIPアドレスを照会要求し、グローバルIPアドレスの通知を受信する第1確認部153と、受信したグローバルIPアドレスを、グローバルIPアドレスをドメイン名と対応付けて管理するアドレス管理サーバに送信して、画像処理装置のドメイン名を照会要求し、ドメイン名の通知を受信する第2確認部と、受信したドメイン名が、変更が検出される前の設定情報が示すドメイン名と同一であるか否かを比較し、同一でない場合にドメイン名が変更されたことを検出するドメイン名変更検出部158と、変更が検出された場合に、画像処理装置にインストールされているソフトウェアのライセンスを無効にするライセンス管理部155と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置のライセンスを管理するライセンス管理システム、画像処理装置、情報処理装置、ライセンス管理方法およびライセンス管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像処理装置を含む情報処理装置の搭載ソフトウェアのライセンスは情報処理装置に保存され、利用する度にライセンスの有効状態が確認されることとなっている。そして、有効状態が確認された結果、有効である場合にはそのまま利用でき、無効である場合には利用できないというライセンス管理方法が知られている。
【0003】
ライセンス管理方法の一つとして、顧客装置のIPv6アドレスを販売時に記録し、顧客環境設定後に受信するパケットから抽出したIPv6アドレスと比較してライセンスの有効状態を確認し、サービス提供の可否を決定する方法が開発されている(例えば、特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の方法では、画像処理装置の所有者が変わった場合、例えば、画像処理装置が販売・譲渡された場合など、搭載ソフトウェアのライセンスの利用者が当初の契約者と異なる状態で利用されることとなりソフトウェアの製造元として実際の利用者を把握できなくなるという問題があった。
【0005】
また、顧客のIPアドレスが販売時に決定できない場合、例えば、IPv4環境においてDHCPを利用する場合などには、管理情報が構築できないため、利用者管理ができないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、画像処理装置の初期販売時から、当該画像処理装置の所有者や、設置場所等の設定情報が変更された場合においても、画像処理装置のライセンスを管理することができるライセンス管理システム、画像処理装置、情報処理装置、ライセンス管理方法およびライセンス管理プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、ライセンスを管理するライセンス管理サーバおよびグローバルIPアドレスの照会に応じてグローバルIPアドレスを通知する照会サーバとネットワークで接続される画像処理装置であって、前記画像処理装置の設定情報を記憶する記憶部と、前記設定情報の変更を検出する情報変更検出部と、前記設定情報の変更が検出された場合に、前記照会サーバに前記画像処理装置のグローバルIPアドレスを照会要求し、前記照会サーバから前記グローバルIPアドレスの通知を受信する第1の確認部と、受信した前記グローバルIPアドレスを、グローバルIPアドレスをドメイン名と対応付けて管理するアドレス管理サーバに送信して、前記画像処理装置のドメイン名を照会要求し、前記アドレス管理サーバから前記ドメイン名の通知を受信する第2の確認部と、受信した前記ドメイン名が、変更が検出される前の前記設定情報が示すドメイン名と同一であるか否かを比較し、同一でない場合に前記ドメイン名が変更されたことを検出する変更検出部と、前記ドメイン名が変更されたことが検出された場合に、前記画像処理装置にインストールされているソフトウェアのライセンスを無効にするライセンス管理部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、ライセンスを管理するライセンス管理サーバおよびグローバルIPアドレスの照会に応じてグローバルIPアドレスを通知する照会サーバと、画像処理装置と接続される情報処理装置であって、前記情報処理装置と接続される画像処理装置の設定情報を記憶する記憶部と、前記設定情報の変更を検出する情報変更検出部と、前記設定情報の変更が検出された場合に、前記照会サーバに前記画像処理装置のグローバルIPアドレスを照会要求し、前記照会サーバから前記グローバルIPアドレスの通知を受信する第1の確認部と、受信した前記グローバルIPアドレスを、グローバルIPアドレスをドメイン名と対応付けて管理するアドレス管理サーバに送信して、前記画像処理装置のドメイン名を照会要求し、前記アドレス管理サーバから前記ドメイン名の通知を受信する第2の確認部と、受信した前記ドメイン名が、変更が検出される前の前記設定情報が示すドメイン名と同一であるか否かを比較し、同一でない場合に前記ドメイン名が変更されたことを検出する変更検出部と、前記ドメイン名が変更されたことが検出された場合に、前記画像処理装置にインストールされているソフトウェアのライセンスを無効にするライセンス管理部と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、画像処理装置とネットワークで接続された、グローバルIPアドレスの照会に応じてグローバルIPアドレスを通知する照会サーバであって、前記照会サーバは、前記画像処理装置から、前記グローバルIPアドレスの照会要求を受信した場合に、前記照会要求を送信した前記画像処理装置のグローバルIPアドレスを外部サーバより取得するリモートホストIPアドレス取得部を備えること、を特徴とする。
【0010】
また、本発明は、画像処理装置で実行されるライセンス管理方法であって、前記画像処理装置は、前記画像処理装置の設定情報を記憶する記憶部を備え、前記設定情報の変更を検出する情報変更検出ステップと、前記設定情報の変更が検出された場合に、グローバルIPアドレスの照会に応じてグローバルIPアドレスを通知する照会サーバに前記画像処理装置のグローバルIPアドレスを照会要求し、前記照会サーバから前記グローバルIPアドレスの通知を受信するIPアドレス確認ステップと、受信した前記グローバルIPアドレスを、グローバルIPアドレスをドメイン名と対応付けて管理するアドレス管理サーバに送信して、前記画像処理装置のドメイン名を照会要求し、前記アドレス管理サーバから前記ドメイン名の通知を受信するドメイン名確認ステップと、受信した前記ドメイン名が、変更が検出される前の前記設定情報が示すドメイン名と同一であるか否かを比較し、同一でない場合に前記ドメイン名が変更されたことを検出するドメイン名変更検出ステップと、前記ドメイン名が変更されたことが検出された場合に、前記画像処理装置にインストールされているソフトウェアのライセンスを無効にするライセンス管理ステップと、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、画像処理装置と、前記画像処理装置にネットワークで接続された、グローバルIPアドレスの照会に応じてグローバルIPアドレスを通知する照会サーバ、および、ライセンスを管理するライセンス管理サーバとを備えたライセンス管理システムであって、前記画像処理装置は、前記画像処理装置の設定情報を記憶する記憶部と、前記設定情報の変更を検出する情報変更検出部と、前記設定情報の変更が検出された場合に、前記照会サーバに前記画像処理装置のグローバルIPアドレスを照会要求し、前記照会サーバから前記グローバルIPアドレスの通知を受信する第1の確認部と、受信した前記グローバルIPアドレスを、グローバルIPアドレスをドメイン名と対応付けて管理するアドレス管理サーバに送信して、前記画像処理装置のドメイン名を照会要求し、前記アドレス管理サーバから前記ドメイン名の通知を受信する第2の確認部と、受信した前記ドメイン名が、変更が検出される前の前記設定情報が示すドメイン名と同一であるか否かを比較し、同一でない場合に前記ドメイン名が変更されたことを検出する変更検出部と、前記ドメイン名が変更されたことが検出された場合に、前記画像処理装置にインストールされているソフトウェアのライセンスを無効にするライセンス管理部と、を備え、前記照会サーバは、前記画像処理装置から、前記グローバルIPアドレスの照会要求を受信した場合に、前記照会要求を送信した前記画像処理装置のグローバルIPアドレスを外部サーバより取得するリモートホストIPアドレス取得部を備えること、を特徴とする。
【0012】
また、本発明は、ライセンスを管理するライセンス管理サーバおよびグローバルIPアドレスの照会に応じてグローバルIPアドレスを通知する照会サーバとネットワークで接続されるコンピュータを、前記画像処理装置の設定情報を記憶する記憶手段と、前記設定情報の変更を検出する情報変更検出手段と、前記設定情報の変更が検出された場合に、前記照会サーバに前記画像処理装置のグローバルIPアドレスを照会要求し、前記照会サーバから前記グローバルIPアドレスの通知を受信する第1の確認手段と、受信した前記グローバルIPアドレスを、グローバルIPアドレスをドメイン名と対応付けて管理するアドレス管理サーバに送信して、前記画像処理装置のドメイン名を照会要求し、前記アドレス管理サーバから前記ドメイン名の通知を受信する第2の確認手段と、受信した前記ドメイン名が、変更が検出される前の前記設定情報が示すドメイン名と同一であるか否かを比較し、同一でない場合に前記ドメイン名が変更されたことを検出する変更検出手段と、前記ドメイン名が変更されたことが検出された場合に、前記画像処理装置にインストールされているソフトウェアのライセンスを無効にするライセンス管理手段、として前記コンピュータに機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、画像処理装置の所有者・設置場所等の設定情報が変更された場合に、変更を検出して搭載ソフトウェアを無効にすることにより、ソフトウェアの製造元であるライセンス発行者が実際のソフトウェア利用者を常時把握することができるという効果を奏する。
【0014】
また、本発明によれば、販売時に画像処理装置のIPアドレスが決定できない場合においても、画像処理装置の設定情報を登録し、設定情報の変更を検出した場合に搭載ソフトウェアを無効にすることにより、ソフトウェアのライセンス発行者がソフトウェア利用者を常時把握することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、実施の形態1にかかるライセンス管理システムの構成を示す概要図である。
【図2】図2は、実施の形態1の複合機100の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、実施の形態1にかかる複合機100において、ライセンス管理制御サービス131の構成を説明する機能ブロック図である。
【図4】図4は、実施の形態1にかかる複合機100の設定情報データテーブルを示す図である。
【図5】図5は、実施の形態1にかかる複合機100において、ライセンス管理制御サービス131が実行する、ライセンス管理処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】図6は、ライセンス管理システムに接続されている各装置の処理を示すシーケンス図である。
【図7】図7は、実施の形態2の複合機700の構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、実施の形態2にかかる複合機700の構成を示す機能ブロック図である。
【図9】図9は、実施の形態3にかかるライセンス管理システム2の構成を示す概要図である。
【図10】図10は、実施の形態3にかかる情報処理装置200の構成を説明する機能ブロック図である。
【図11】図11は、実施の形態1ないし3にかかる複合機のハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像処理装置の最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1は、実施の形態1にかかる複合機100が接続されているライセンス管理システムの構成を示す概要図である。図1に示すように、ライセンス管理システムは、複合機100と、ライセンス管理サーバ300と、照会サーバ400と、IPアドレス管理サーバ500とを備え、これらが、インターネットなどのネットワーク80を介して接続されている。なお、ライセンス管理サーバ300に接続されている複合機100は、複数の複合機100(以下、特定しない複合機を単に複合機100と称する。)であってもよい。
【0018】
ライセンス管理サーバ300は、複合機100にインストールされるソフトウェアのライセンス(利用権)を、情報処理装置200を介して管理する装置である。具体的には、各複合機100に保存されているライセンスファイルや複合機100の設定情報に基づいて、複合機100にインストールされているソフトウェアのライセンスを有効にしたり、無効にしたりする。ここで、ライセンスファイルとは、ソフトウェアのライセンスが記述されたデータである。
【0019】
ライセンス管理サーバ300は、ネットワーク80と通信する通信部301と、ライセンス情報を操作する制御部302と、ライセンス情報を保存するライセンス情報記憶部303とを主に備えている。
【0020】
照会サーバ400は、複合機100からの照会要求に応じて、外部機関であるwhoisサーバに接続して検索を実行することにより、照会要求を送信してきた複合機100のグローバルIPアドレスを取得し、取得したグローバルIPアドレスを当該複合機100に通知する。
【0021】
照会サーバ400は、ネットワーク80と通信する通信部402と、グローバルIPアドレスの照会要求を送信してきた複合機100から、通信時に利用されたIPアドレスを判定する判定部403と、通信処理やドメイン情報または登録情報をwhoisサーバより取得する制御部401とを主に備えている。
【0022】
IPアドレス管理サーバ500は、複合機100からの照会要求に応じて、照会要求を送信してきた複合機100のグローバルIPアドレスに対応するドメイン名を検索し、照合したドメイン名を当該複合機100に送信する。
【0023】
IPアドレス管理サーバ500は、ネットワーク80と通信する通信部501と、グローバルIPアドレスにドメイン名を対応付けて、または、グローバルIPアドレスにアドレス所有者の名義である登録名等を対応付けて保存する記憶部502とを主に備えている。
【0024】
次に、実施の形態1の複合機100の全体の機能的構成について説明する。図2は、実施の形態1の複合機100の構成を示すブロック図である。複合機100は、白黒レーザプリンタ(B&W LP)101と、カラーレーザプリンタ(Color LP)102と、ハードディスク装置(HDD(Hard Disk Drive))103と、スキャナ、ファクシミリ、メモリ、ネットワークインタフェースなどのハードウェアリソース104を有するとともに、プラットホーム120と、アプリケーション130とから構成されるソフトウェア群110とを備えている。
【0025】
プラットホーム120は、アプリケーションからの処理要求を解釈してハードウェア資源の獲得要求を発生させるコントロールサービスと、一または複数のハードウェア資源の管理を行い、コントロールサービスからの獲得要求を調停するシステムリソースマネージャ(SRM)123と、汎用OS121とを有する。
【0026】
コントロールサービスは、複数のサービスモジュールから形成され、SCS(システムコントロールサービス)122と、ECS(エンジンコントロールサービス)124と、MCS(メモリコントロールサービス)125と、OCS(オペレーションパネルコントロールサービス)126と、FCS(ファックスコントロールサービス)127と、NCS(ネットワークコントロールサービス)128とから構成される。このプラットホーム120は、あらかじめ定義された関数により前記アプリケーション130から処理要求を受信可能とするアプリケーションプログラムインタフェース(API)を有する。
【0027】
汎用OS121は、UNIX(登録商標)などの汎用オペレーティングシステムであり、プラットホーム120並びにアプリケーション130の各ソフトウェアをそれぞれプロセスとして並列実行する。
【0028】
SRM123のプロセスは、SCS122とともにシステムの制御およびリソースの管理を行うものである。SRM123のプロセスは、スキャナ部やプリンタ部などのエンジン、メモリ、HDDファイル、ホストI/O(セントロI/F、ネットワークI/F、IEEE1394 I/F、RS232C I/Fなど)のハードウェア資源を利用する上位層からの要求にしたがって調停を行い、実行制御する。
【0029】
具体的には、このSRM123は、要求されたハードウェア資源が利用可能であるか(他の要求により利用されていないかどうか)を判断し、利用可能であれば要求されたハードウェア資源が利用可能である旨を上位層に伝える。また、SRM123は、上位層からの要求に対してハードウェア資源の利用スケジューリングを行い、要求内容(例えば、プリンタエンジンにより紙搬送と作像動作、メモリ確保、ファイル生成など)を直接実施している。
【0030】
SCS122のプロセスは、アプリ管理、操作部制御、システム画面表示、LED表示、リソース管理、割り込みアプリ制御などを行う。
【0031】
ECS124のプロセスは、白黒レーザプリンタ(B&W LP)101、カラーレーザプリンタ(Color LP)102、スキャナ、ファクシミリなどからなるハードウェアリソース104のエンジンの制御を行う。
【0032】
MCS125のプロセスは、画像メモリの取得および解放、ハードディスク装置(HDD)の利用、画像データの圧縮および伸張などを行う。
【0033】
FCS127のプロセスは、システムコントローラの各アプリ層からPSTN/ISDN網を利用したファクシミリ送受信、BKM(バックアップSRAM)で管理されている各種ファクシミリデータの登録/引用、ファクシミリ読みとり、ファクシミリ受信印刷、融合送受信を行うためのAPIを提供する。
【0034】
NCS128のプロセスは、ネットワークI/Oを必要とするアプリケーションに対して共通に利用できるサービスを提供するためのプロセスであり、ネットワーク側から各プロトコルによって受信したデータを各アプリケーションに振り分けたり、アプリケーションからデータをネットワーク側に送信したりする際の仲介を行う。
【0035】
NRS(ニューリモートサービス)129は、IPアドレス管理サーバ500による遠隔管理を実現するため、複合機や情報管理装置(機器管理装置)が、相互実装するアプリケーションのメソッドに対する処理の要求、応答を送受信する機能を有している。そしてNRSを実現するために、SOAP、HTTP、FTP等のプロトコルを利用することができる。
【0036】
ライセンス管理制御サービス131は、照会サーバ400と、IPアドレス管理サーバ500に、各種照会要求を送信したり、ライセンス管理サーバ300にライセンス情報を通知したりする。なお、詳細は後述する。
【0037】
OCS126のプロセスは、オペレータ(ユーザ)と本体制御間の情報伝達手段となるオペレーションパネル(操作パネル)の制御を行う。OCS126は、オペレーションパネルからキー押下(またはタッチ操作)をキーイベントとして取得し、取得したキーに対応したキーイベント関数をSCS122に送信するOCSプロセスの部分と、アプリケーション130またはコントロールサービスからの要求によりオペレーションパネルに各種画面を描画出力する描画関数やその他オペレーションパネルに対する制御を行う関数などがあらかじめ登録されたOCSライブラリの部分とから構成される。このOCSライブラリは、アプリケーション130およびコントロールサービスの各モジュールにリンクされて実装されている。なお、OCS126のすべてをプロセスとして動作させるように構成しても良く、あるいはOCS126のすべてをOCSライブラリとして構成しても良い。
【0038】
アプリケーション130は、ページ記述言語(PDL)、PCLおよびポストスクリプト(PS)を有するプリンタ用のアプリケーションであるプリンタアプリ111と、コピー用アプリケーションであるコピーアプリ112と、ファクシミリ用アプリケーションであるファックスアプリ113と、スキャナ用アプリケーションであるスキャナアプリ114と、ネットワークファイル用アプリケーションであるネットファイルアプリ115と、工程検査用アプリケーションである工程検査アプリ116と、インターネットに接続されたPC等のクライアント端末に対してWEBサーバ(httpサーバ)として動作し、クライアント端末上で動作するWEBブラウザに各種画面を表示するWEBアプリ117とを有している。
【0039】
アプリケーション130の各プロセス、コントロールサービスの各プロセスは、関数呼び出しとその戻り値送信およびメッセージの送受信によってプロセス間通信を行いながら、コピー、プリンタ、スキャナ、ファクシミリなどの画像形成処理にかかるユーザサービスを実現している。
【0040】
このように、実施の形態1にかかる複合機100には、複数のアプリケーション130および複数のコントロールサービスが存在し、いずれもプロセスとして動作している。そして、これらの各プロセス内部には、一または複数のスレッドが生成されて、スレッド単位の並列実行が行われる。そして、コントロールサービスがアプリケーション130に対し共通サービスを提供しており、このため、これらの多数のプロセスが並列動作、およびスレッドの並列動作を行って互いにプロセス間通信を行って協調動作をしながら、コピー、プリンタ、スキャナ、ファクシミリなどの画像形成処理にかかるユーザサービスを提供するようになっている。
【0041】
また、複合機100には、複合機100の顧客、サードベンダなどの第三者がコントロールサービス層の上のアプリケーション層に外部アプリ172を開発して搭載することが可能となっている。この外部アプリ172は、ライセンス管理制御サービス131によりネットワークを介してインストールされる。
【0042】
なお、実施の形態1にかかる複合機100では、複数のアプリケーション130のプロセスと複数のコントロールサービスのプロセスとが動作しているが、アプリケーション130とコントロールサービスのプロセスがそれぞれ単一の構成とすることも可能である。また、各アプリケーション130は、アプリケーションごとに追加または削除することができる。すなわち、上述したように、外部アプリ172をインストール可能であり、かつアンインストールも可能となっている。
【0043】
次に、ライセンス管理制御サービス131の構成を説明する。図3は、実施の形態1にかかる複合機100において、ライセンス管理制御サービス131の構成を説明する機能ブロック図である。
【0044】
図3に示すように、ライセンス管理制御サービス131は、通信部151と、情報変更検出部152と、第1確認部153と、第2確認部154と、ライセンス管理部155と、ライセンス状態通知部156と、IPアドレス通知部157と、ドメイン名変更検出部158とを備える。
【0045】
情報変更検出部152は、ユーザによる入力、または、外部装置によって、複合機100の設定情報を示すデータテーブル(以下、「設定情報テーブル」という。)に登録されている「デフォルトゲートウェイアドレス」、「プロキシアドレス」、「IPアドレス」のいずれかが変更されたことを検出する。
【0046】
ここで、複合機100の設定情報テーブルについて説明する。図4は、複合機100の設定情報テーブルを示す図である。設定情報テーブルは、HDD103に保存されている。
【0047】
図4に示すように、設定情報テーブルには、情報名に保持データが対応付けられており、「デフォルトゲートウェイアドレス」と「プロキシアドレス」と「IPアドレス」と「ドメイン名」と「登録名」それぞれに複合機100の情報が登録されている。
【0048】
保持データは、複合機100の購入時等の初期設定時に登録される。一方、更新データは、複合機100の設置場所が変動したとき等の環境が変化した場合に、自動または手動で保持データから更新されて設定される。
【0049】
また、設定情報テーブルには、更新データも対応付けられており、更新データを保持データと比較すると、図4では、「IPアドレス」が変更されている。
【0050】
この場合、IPアドレスの変更は、情報変更検出部152による設定情報の変更確認対象であるので、情報変更検出部152は、複合機100の設定情報が変更されたことを検出する。
【0051】
第1確認部153は、設定情報テーブルの「デフォルトゲートウェイアドレス」、「プロキシアドレス」、「IPアドレス」のいずれかが変更されたことを、変更検出部152により検出された場合に、通信部151を介して、照会サーバ400に複合機100のグローバルIPアドレスを照会要求し、IPアドレスの通知を受信する。
【0052】
第2確認部154は、受信した複合機100のグローバルIPアドレスをIPアドレス管理サーバ500に通信部151を介して送信して、複合機100のドメイン名を照会要求し、IPアドレス管理サーバ500からドメイン名の通知を受信する。
【0053】
通信部151は、第1確認部153からの指示に応じて照会サーバ400にグローバルIPアドレスの照会要求を送信し、照会サーバ400からグローバルIPアドレスを受信する。また、第2確認部154からの指示に応じてIPアドレス管理サーバ500にドメイン名の照会要求を送信し、IPアドレス管理サーバ500からドメイン名を受信する。
【0054】
ドメイン名変更検出部158は、第2確認部154により受信したドメイン名が、設定情報テーブルの保持データに登録されているドメイン名と同一であるか否かを比較し、同一でない場合に、ドメイン名が変更されたと判断し、ドメイン名の変更を検出する。
【0055】
ライセンス管理部155は、情報変更検出部152によりドメイン名の変更を検出された場合に、複合機100にインストールされているソフトウェアのライセンスを無効にする。
【0056】
ライセンス状態通知部156は、ライセンス管理部155によりライセンスが無効にされた場合に、ライセンス管理サーバ300に複合機100のライセンスが無効にされたことを通知する。
【0057】
IPアドレス通知部157は、照会サーバ400からグローバルIPアドレスの通知を受信した場合に、グローバルIPアドレスを複合機100がLAN等のネットワークにより接続されている接続元に通知する。
【0058】
次に、ライセンス管理システムにおけるライセンス管理制御サービス131によるライセンス管理処理の手順を説明する。図5は、ライセンス管理制御サービス131によるライセンス管理処理の手順を示すフローチャートである。また、図6は、ライセンス管理システムに接続されている各装置の処理を示すシーケンス図である。
【0059】
情報変更検出部152は、設定情報テーブルに登録されている保持データ(以下、「保持データ」という。)と、設定情報テーブルに新たに登録されている更新データ(以下、「更新データ」という。)の内容のうち、「デフォルトゲートウェイアドレス」、「プロキシアドレス」、「IPアドレス」のいずれかに差異があり、保持データが変更されたか否かを検出する(ステップS10)。
【0060】
いずれかに差異があり、保持データの変更を検出した場合は(ステップS10:Yes)、更新データをHDD103に保存する(ステップS11)。
【0061】
ここで、情報変更検出部152が保持データと更新データとの差異を確認するタイミングとしては、複合機100の環境が変化したときであり、例えば、複合機100に設定されたデフォルトゲートウェイアドレスの変更時であってもよいし、複合機100に設定されたプロキシサーバの変更時であってもよい。
【0062】
なお、デフォルトゲートウェイアドレスも、プロキシサーバも設定されていない場合には、複合機100のIPアドレスの設定変更時とすることができる。
【0063】
情報変更検出部152は、保持データのうちの変更された部分がIPアドレスか否かを確認し(ステップS12)、IPアドレスであった場合に(ステップS12:Yes)、デフォルトゲートウェイ、プロキシが設定されているか否かを確認する(ステップS13)。
【0064】
デフォルトゲートウェイ、プロキシが設定されている場合は(ステップS13:Yes)、第1確認部153により、照会サーバ400にグローバルIPアドレスを照会する指示を送信する。なお、デフォルトゲートウェイ、プロキシが設定されていない場合は(ステップS13:No)、照会要求できないため処理を終了する。
【0065】
第1確認部153は、情報変更検出部152からの指示受信により、通信部151を介して、照会サーバ400にグローバルIPアドレスの照会要求を送信する(ステップS14、ステップS30)。
【0066】
通信部402により照会要求を受信した照会サーバ400は、制御部401により外部機関であるwhoisサーバに接続して検索し、複合機100のグローバルIPアドレスを取得し、取得したグローバルIPアドレスを複合機100に送信する(ステップS31)。
【0067】
第2確認部154は、第1確認部153により取得した複合機100のグローバルIPアドレスを、通信部151を介してIPアドレス管理サーバ500に送信し、ドメイン名を照会要求する(ステップS15、S32)。
【0068】
IPアドレス管理サーバ500の通信部501は、複合機100から照会要求とともに送信されてきたグローバルIPアドレスを受信すると、記憶部502から当該グローバルIPアドレスに対応するドメイン名を取得し、取得したドメイン名を複合機100に送信する(ステップS33)。
【0069】
ここで、IPアドレス通知部157は、第2確認部154により照会サーバ400から受信したグローバルIPアドレスを複合機100がLAN等により接続されている接続元に通知する。
【0070】
ライセンス管理部155は、IPアドレス管理サーバ500から取得したドメイン名でライセンス管理サーバ300にアクセスする(ステップS16)。アクセスできる場合には(ステップS16:Yes)、ドメイン名変更検出部158は、複合機100のドメイン名が、ライセンス管理サーバ300が保持するデータと同一であるか否かを確認する(ステップS18)。
【0071】
同一である場合には(ステップS18:Yes)、ライセンス管理部155は、ライセンス状態が有効であると判断し、そのまま複合機100の利用を許可する。
【0072】
一方、ステップS18に戻り、ドメイン名変更検出部158により、ドメイン名が同一でないと判断された場合には(ステップS18:No)、ライセンス管理部155は、複合機100のライセンス状態を無効にする(ステップS19)。
【0073】
ライセンス状態通知部156は、複合機100のライセンス状態が無効にされると、通信部151を介して、ライセンス管理サーバ300にライセンス状態が無効である旨を通知する(ステップS20、S34)。
【0074】
ステップS16に戻り、IPアドレス管理サーバ500から取得したドメイン名でライセンス管理サーバ300にアクセスできない場合は(ステップS16:No)、ライセンス管理部155は、複合機100のライセンスを一時利用停止状態にする(ステップS17)。
【0075】
このように、本実施の形態では、複合機の設定情報テーブルの保持データと更新データを比較し、ライセンシーを特定する情報の変更を把握することにより、複合機の所有者等が変更された場合においても、複合機にインストールされたソフトウェアのライセンスを管理することができる。
【0076】
(第2の実施の形態)
図7は、実施の形態2にかかる複合機700の構成を示すブロック図である。実施の形態2にかかる複合機700の構成は、実施の形態1と同様である。
【0077】
図8は、実施の形態2にかかる複合機700の構成を説明する機能ブロック図である。ライセンス管理制御サービス731は、通信部151と、情報変更検出部152と、第1確認部153と、第2確認部754と、ライセンス管理部155と、ライセンス状態通知部156と、IPアドレス通知部157と、登録名変更検出部758とを備える。
【0078】
実施の形態1では、第2確認部154は、複合機100のドメイン名を照会要求し、ドメイン名変更検出部158は、保持データと更新データのドメイン名の同一性を判断し、変更を検出した。
【0079】
これに対し、本実施の形態では、第2確認部754は、複合機700のライセンシーを示す登録名を照会要求し、登録名変更検出部758は、保持データと更新データの登録名の同一性を判断し、変更を検出する。
【0080】
次に、第2確認部754および登録名変更検出部758の構成および機能を説明する。なお、第2確認部754以外の各部の構成および機能は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0081】
第2確認部754は、照会サーバ400から受信した複合機100のグローバルIPアドレスをIPアドレス管理サーバ500に通信部151を介して送信し、複合機100の登録名を照会要求し、IPアドレス管理サーバ500から登録名の通知を受信する。
【0082】
登録名変更検出部758は、第2確認部754により受信した登録名が、設定情報テーブルの保持データに登録されている登録名と同一であるか否かを比較し、同一でない場合に、登録名が変更されたと判断し、登録名の変更を検出する。
【0083】
次に、複合機700によるライセンス管理処理の手順を説明する。なお、複合機700によるライセンス管理処理の手順を示すフローチャートおよびシーケンス図については、実施の形態1で示した図5および図6を用いる。
【0084】
また、図5に示したステップS10からステップS14までの処理については、本実施の形態においても同様であるので説明を省略する。
【0085】
ステップS15に移り、第2確認部754は、第1確認部153により取得した複合機100のグローバルIPアドレスを、通信部151を介してIPアドレス管理サーバ500に送信し、登録名を照会要求する(ステップS15、S32)。
【0086】
IPアドレス管理サーバ500の通信部501は、複合機100から照会要求とともに送信されてきたグローバルIPアドレスを受信すると、記憶部502から当該グローバルIPアドレスに対応する登録名を取得し、取得した登録名を複合機700に送信する(ステップS33)。
【0087】
ライセンス管理部155は、IPアドレス管理サーバ500から取得した登録名でライセンス管理サーバ300にアクセスする(ステップS16)。アクセスできる場合には(ステップS16:Yes)、登録名変更検出部758は、複合機700のドメイン名が、ライセンス管理サーバ300が保持するデータと同一であるか否かを確認する(ステップS18)。
【0088】
登録名変更検出部758により、同一であると判断された場合には(ステップS18:Yes)、ライセンス管理部は、ライセンス状態が有効であると判断し、そのまま複合機100の利用を許可する。
【0089】
一方、ステップS18に戻り、登録名変更検出部758により、登録名が同一でないと判断された場合には(ステップS18:No)、ライセンス管理部155は、複合機100のライセンス状態を無効にする(ステップS19)。
【0090】
ライセンス状態通知部156は、複合機700のライセンス状態が無効にされると、通信部151を介して、ライセンス管理サーバ300にライセンス状態が無効である旨を通知する(ステップS20、S34)。
【0091】
ステップS16に戻り、IPアドレス管理サーバ500から取得した登録名でライセンス管理サーバ300にアクセスできない場合は(ステップS16:No)、ライセンス管理部155は、複合機100のライセンスを一時利用停止状態にする(ステップS17)。
【0092】
このように、本実施の形態では、複合機の設定情報テーブルの保持データと更新データを比較し、ライセンシーを特定する情報の変更を把握することにより、複合機の所有者等が変更された場合においても、複合機にインストールされたソフトウェアのライセンスを管理することができる。
【0093】
(第3の実施の形態)
図9は、実施の形態2にかかるライセンス管理システム2の構成を示す概要図である。図9に示すように、ライセンス管理システムは、情報処理装置200と、ライセンス管理サーバ300と、ソフトウェア配信サーバ400とを備え、これらがインターネットなどのネットワーク80を介して接続されている。そして、情報処理装置200とネットワーク80との間には、ファイアウォール90が設けられている。また、情報処理装置200は、複数の複合機800a、800b、800c(以下、特定しない複合機を単に複合機100と称する。)がネットワーク80とは異なるネットワーク、例えばLAN等で接続されている。
【0094】
ファイアウォール90は、インターネットなどの外部ネットワークを通じて情報処理装置200に侵入した第三者により不正が行われないように、外部との境界を流れるデータを監視し、不正なアクセスを検出・遮断する。
【0095】
複合機800a、800b、800cは、コピー、ファックス、プリンタなどの複数の機能を備えた装置であって、ローカルネットワークにより情報処理装置200に接続されている。また、本実施の形態のソフトウェア配信システムでは、3台の複合機800a、800b、800cが接続されているが、これに限定されることなく、1台、2台、または4台以上の複合機を接続した構成としてもよい。
【0096】
また、複合機800には、複数の構成要素で構成されているアプリケーションがインストールされており、複合機800は、当該構成要素の構造をソフトウェア構成情報として記憶している。
【0097】
情報処理装置200は、照会サーバ400、IPアドレス管理サーバ500およびライセンス管理サーバ300と、複合機800a、800b、800cとの間で行われる処理を仲介する装置である。具体的には、照会配信サーバ400が通知するグローバルIPアドレスを複合機800a、800b、800cに送信したり、ライセンス管理サーバ300が管理するソフトウェアのライセンスファイルを要求したりして、複合機800a、800b、800cに送信する。ここで、ライセンスファイルとは、ソフトウェアのライセンスが記述されたデータである。
【0098】
なお、照会サーバ400と、IPアドレス管理サーバ500の構成および機能は、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0099】
図10は、実施の形態3にかかる情報処理装置200の構成を説明する機能ブロック図である。情報処理装置200は、本図に示すように、入力制御部201と、表示制御部202と、通信部151と、情報変更検出部152と、第1確認部153と、第2確認部154(または、第2確認部754)と、ライセンス管理部155と、ライセンス状態通知部156と、IPアドレス通知部157、ドメイン名変更検出部158(または、登録名変更検出部758)と、HDD210とを主に備え、入力装置220と表示装置230と接続されている。
【0100】
表示制御部202は、複合機800の設定情報テーブルや、情報変更検出部152により検出された変更事項を表示装置230に表示する。また、入力制御部201は、入力装置220からのユーザによる設定情報の変更入力等を受け付ける。
【0101】
なお、表示制御部202と、入力制御部201以外の各部の構成および機能は実施の形態1および2と同様であるため説明を省略する。
【0102】
また、情報処理装置200によるライセンス管理処理は、図5のフローチャートで説明した処理を複数の複合機に対して行う。
【0103】
このように、本実施の形態では、複合機の設定情報テーブルの保持データと更新データを比較し、ライセンシーを特定する情報の変更を把握することにより、複合機の所有者等が変更された場合においても、複合機にインストールされたソフトウェアのライセンスを管理することができる。
【0104】
本実施の形態の情報処理装置200は、CPUなどの制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶装置と、HDD210、CDドライブ装置などの外部記憶装置と、ディスプレイ装置などの表示装置と、キーボードやマウスなどの入力装置を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0105】
本実施形態の情報処理装置で実行されるライセンス管理プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0106】
また、本実施形態の情報処理装置200で実行されるライセンス管理プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の情報処理装置200で実行されるライセンス管理プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配信するように構成しても良い。
【0107】
また、本実施形態のライセンス管理プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0108】
本実施の形態の情報処理装置200で実行されるライセンス管理プログラムは、上述した各部(入力制御部201、表示制御部202、通信部151、情報変更検出部152、第1確認部153、第2確認部154、ライセンス管理部155、ライセンス状態通知部156、IPアドレス通知部157、ドメイン名変更検出部158)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体からライセンス管理プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、入力制御部201、表示制御部202、通信部151、情報変更検出部152、第1確認部153、第2確認部154、ライセンス管理部155、ライセンス状態通知部156、IPアドレス通知部157、ドメイン名変更検出部158が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0109】
図11は、実施の形態1ないし3にかかる複合機100、700、800のハードウェア構成を示すブロック図である。本図に示すように、この複合機100、700、800は、コントローラ10とエンジン部(Engine)60とをPCI(Peripheral Component Interface)バスで接続した構成となる。コントローラ10は、複合機100、700、800全体の制御と描画、通信、図示しない操作部からの入力を制御するコントローラである。エンジン部60は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部60には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
【0110】
コントローラ10は、CPU11と、ノースブリッジ(NB)13と、システムメモリ(MEM−P)12と、サウスブリッジ(SB)14と、ローカルメモリ(MEM−C)17と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)16と、ハードディスクドライブ(HDD)103、210とを有し、ノースブリッジ(NB)13とASIC16との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス15で接続した構成となる。また、MEM−P12は、ROM(Read Only Memory)12aと、RAM(Random Access Memory)12bと、をさらに有する。
【0111】
CPU11は、複合機100、700、800の全体制御をおこなうものであり、NB13、MEM−P12およびSB14からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0112】
NB13は、CPU11とMEM−P12、SB14、AGP15とを接続するためのブリッジであり、MEM−P12に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0113】
MEM−P12は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM12aとRAM12bとからなる。ROM12aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM12bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0114】
SB14は、NB13とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB14は、PCIバスを介してNB13と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
【0115】
ASIC16は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGP15、PCIバス、HDD103、210およびMEM−C17をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC16は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC16の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C17を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部60との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC16には、PCIバスを介してFCU(Facsimile Control Unit)30、USB(Universal Serial Bus)40、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インターフェース50が接続される。操作表示部20はASIC16に直接接続されている。
【0116】
MEM−C17は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD103、210は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0117】
AGP15は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P12に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【0118】
なお、本実施の形態の画像処理装置100、700、800および情報処理装置200で実行されるライセンス管理プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
【0119】
本実施の形態の画像処理装置100、700、800および情報処理装置200で実行されるライセンス管理プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0120】
さらに、本実施の形態の画像処理装置100、700、800および情報処理装置200で実行されるライセンス管理プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の画像処理装置100、700、800および情報処理装置200で実行されるライセンス管理プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配信するように構成しても良い。
【0121】
本実施の形態の装置で実行されるライセンス管理プログラムは、上述した各部(入力制御部201、表示制御部202、通信部151、情報変更検出部152、第1確認部153、第2確認部154、ライセンス管理部155、ライセンス状態通知部156)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからライセンス管理プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、入力制御部201、表示制御部202、通信部151、情報変更検出部152、第1確認部153、第2確認部154、ライセンス管理部155、ライセンス状態通知部156、IPアドレス通知部157、ドメイン名変更検出部158が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0122】
なお、上記実施の形態では、本発明の画像形成装置を、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機に適用した例を挙げて説明するが、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。
【0123】
上記実施の形態では、照会サーバ400とライセンス管理サーバ300とIPアドレス管理サーバ500と情報処理装置200とがインターネットに接続され、情報処理装置200と複合機とがLANに接続された構成となっているが、これに限定されるものではない。例えば、照会サーバ400とライセンス管理サーバ300とIPアドレス管理サーバ500と情報処理装置200とがインターネットに接続され、情報処理装置200と複合機とがインターネット等の単一のネットワークに接続されている構成としてもよい。
【符号の説明】
【0124】
80 インターネット
100、700、800 複合機
103、210 HDD
151、301、402、501 通信部
152 情報変更検出部
153 第1確認部
154、754 第2確認部
155 ライセンス管理部
156 ライセンス状態通知部
157 IPアドレス通知部
158 ドメイン名変更検出部
200 情報処理装置
201 入力制御部
202 表示制御部
300 ライセンス管理サーバ
302、401 制御部
303 ライセンス情報記憶部
400 照会サーバ
500 IPアドレス管理サーバ
758 登録名変更検出部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0125】
【特許文献1】特開2005−92600号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライセンスを管理するライセンス管理サーバおよびグローバルIPアドレスの照会に応じてグローバルIPアドレスを通知する照会サーバとネットワークで接続される画像処理装置であって、
前記画像処理装置の設定情報を記憶する記憶部と、
前記設定情報の変更を検出する情報変更検出部と、
前記設定情報の変更が検出された場合に、前記照会サーバに前記画像処理装置のグローバルIPアドレスを照会要求し、前記照会サーバから前記グローバルIPアドレスの通知を受信する第1の確認部と、
受信した前記グローバルIPアドレスを、グローバルIPアドレスをドメイン名と対応付けて管理するアドレス管理サーバに送信して、前記画像処理装置のドメイン名を照会要求し、前記アドレス管理サーバから前記ドメイン名の通知を受信する第2の確認部と、
受信した前記ドメイン名が、変更が検出される前の前記設定情報が示すドメイン名と同一であるか否かを比較し、同一でない場合に前記ドメイン名が変更されたことを検出する変更検出部と、
前記ドメイン名が変更されたことが検出された場合に、前記画像処理装置にインストールされているソフトウェアのライセンスを無効にするライセンス管理部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第2の確認部は、受信した前記グローバルIPアドレスを、グローバルIPアドレスを登録名と対応付けて管理するアドレス管理サーバに送信して、前記画像処理装置の登録名を照会要求し、前記アドレス管理サーバから前記登録名の通知を受信し、
前記変更検出部は、受信した前記登録名が、変更が検出される前の前記設定情報が示す登録名と同一であるか否かを比較し、同一でない場合に前記登録名が変更されたことを検出し、
前記ライセンス管理部は、前記登録名が変更されたことが検出された場合に、前記画像処理装置にインストールされているソフトウェアのライセンスを無効にすること、
を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記ライセンス管理部は、前記ドメイン名または前記登録名の変更の検出が不可能である場合に、前記画像処理装置のライセンスを保留状態とし、一時的に利用を中断すること、
を特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
ライセンスを無効にされた場合に、前記ライセンス管理サーバに前記画像処理装置のライセンスが無効にされたことを通知するライセンス状態通知部、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記照会サーバから前記グローバルIPアドレスの通知を受信した場合に、前記グローバルIPアドレスを前記画像処理装置の接続元に通知するIPアドレス通知部、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記情報変更検出部は、前記設定情報として、前記画像処理装置に設定されたデフォルトゲートウェイIPアドレスの変更時に、前記設定情報の変更を検出すること、
を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記情報変更検出部は、前記設定情報として、前記画像処理装置に設定されたプロキシサーバ名の変更時に、前記設定情報の変更を検出すること、
を特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記情報変更検出部は、デフォルトゲートウェイ、プロキシサーバのどちらも設定されていない場合には、前記画像処理装置のIPアドレスの設定変更時に、前記設定情報の変更を検出すること、
を特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
ライセンスを管理するライセンス管理サーバおよびグローバルIPアドレスの照会に応じてグローバルIPアドレスを通知する照会サーバと、画像処理装置と接続される情報処理装置であって、
前記画像処理装置の設定情報を記憶する記憶部と、
前記設定情報の変更を検出する情報変更検出部と、
前記設定情報の変更が検出された場合に、前記照会サーバに前記画像処理装置のグローバルIPアドレスを照会要求し、前記照会サーバから前記グローバルIPアドレスの通知を受信する第1の確認部と、
受信した前記グローバルIPアドレスを、グローバルIPアドレスをドメイン名と対応付けて管理するアドレス管理サーバに送信して、前記画像処理装置のドメイン名を照会要求し、前記アドレス管理サーバから前記ドメイン名の通知を受信する第2の確認部と、
受信した前記ドメイン名が、変更が検出される前の前記設定情報が示すドメイン名と同一であるか否かを比較し、同一でない場合に前記ドメイン名が変更されたことを検出する変更検出部と、
前記ドメイン名が変更されたことが検出された場合に、前記画像処理装置にインストールされているソフトウェアのライセンスを無効にするライセンス管理部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
画像処理装置で実行されるライセンス管理方法であって、
前記画像処理装置は、前記画像処理装置の設定情報を記憶する記憶部を備え、
前記設定情報の変更を検出する情報変更検出ステップと、
前記設定情報の変更が検出された場合に、グローバルIPアドレスの照会に応じてグローバルIPアドレスを通知する照会サーバに前記画像処理装置のグローバルIPアドレスを照会要求し、前記照会サーバから前記グローバルIPアドレスの通知を受信するIPアドレス確認ステップと、
受信した前記グローバルIPアドレスを、グローバルIPアドレスをドメイン名と対応付けて管理するアドレス管理サーバに送信して、前記画像処理装置のドメイン名を照会要求し、前記アドレス管理サーバから前記ドメイン名の通知を受信するドメイン名確認ステップと、
受信した前記ドメイン名が、変更が検出される前の前記設定情報が示すドメイン名と同一であるか否かを比較し、同一でない場合に前記ドメイン名が変更されたことを検出するドメイン名変更検出ステップと、
前記ドメイン名が変更されたことが検出された場合に、前記画像処理装置にインストールされているソフトウェアのライセンスを無効にするライセンス管理ステップと、
を備えることを特徴とするライセンス管理方法。
【請求項11】
画像処理装置と、前記画像処理装置にネットワークで接続され、グローバルIPアドレスの照会に応じてグローバルIPアドレスを通知する照会サーバと、ライセンスを管理するライセンス管理サーバとを備えたライセンス管理システムであって、
前記画像処理装置は、
前記画像処理装置の設定情報を記憶する記憶部と、
前記設定情報の変更を検出する情報変更検出部と、
前記設定情報の変更が検出された場合に、前記照会サーバに前記画像処理装置のグローバルIPアドレスを照会要求し、前記照会サーバから前記グローバルIPアドレスの通知を受信する第1の確認部と、
受信した前記グローバルIPアドレスを、グローバルIPアドレスをドメイン名と対応付けて管理するアドレス管理サーバに送信して、前記画像処理装置のドメイン名を照会要求し、前記アドレス管理サーバから前記ドメイン名の通知を受信する第2の確認部と、
受信した前記ドメイン名が、変更が検出される前の前記設定情報が示すドメイン名と同一であるか否かを比較し、同一でない場合に前記ドメイン名が変更されたことを検出する変更検出部と、
前記ドメイン名が変更されたことが検出された場合に、前記画像処理装置にインストールされているソフトウェアのライセンスを無効にするライセンス管理部と、
を備え、
前記照会サーバは、
前記画像処理装置から、前記グローバルIPアドレスの照会要求を受信した場合に、前記照会要求を送信した前記画像処理装置のグローバルIPアドレスを外部サーバより取得するリモートホストIPアドレス取得部を備えること、
を特徴とするライセンス管理システム。
【請求項12】
ライセンスを管理するライセンス管理サーバおよびグローバルIPアドレスの照会に応じてグローバルIPアドレスを通知する照会サーバとネットワークで接続されるコンピュータを、
前記画像処理装置の設定情報を記憶する記憶手段と、
前記設定情報の変更を検出する情報変更検出手段と、
前記設定情報の変更が検出された場合に、前記照会サーバに前記画像処理装置のグローバルIPアドレスを照会要求し、前記照会サーバから前記グローバルIPアドレスの通知を受信する第1の確認手段と、
受信した前記グローバルIPアドレスを、グローバルIPアドレスをドメイン名と対応付けて管理するアドレス管理サーバに送信して、前記画像処理装置のドメイン名を照会要求し、前記アドレス管理サーバから前記ドメイン名の通知を受信する第2の確認手段と、
受信した前記ドメイン名が、変更が検出される前の前記設定情報が示すドメイン名と同一であるか否かを比較し、同一でない場合に前記ドメイン名が変更されたことを検出する変更検出手段と、
前記ドメイン名が変更されたことが検出された場合に、前記画像処理装置にインストールされているソフトウェアのライセンスを無効にするライセンス管理手段、
として前記コンピュータに機能させることを特徴とするライセンス管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−218463(P2010−218463A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−67075(P2009−67075)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】