説明

ライナープレート及び深礎工法

【課題】安全に作業ができ、作業効率が向上し、コストが低減するとともに、高強度の立坑を得ることができるライナープレート及び深礎工法を提供することができる。
【解決手段】当接部53をライナープレートユニット11に向けて摺動させて、ライナープレートユニット11の波形形状を構成する凹状部11cに、当接部53を当接させる。4つの当接部53をライナープレートユニット11の凹状部11cに当接させた後、各ボルト54,54を基台51に締め付けることにより、支持枠5によりライナープレートユニット11は支持される。ライナープレートユニット11のフランジ部11aとライナープレートユニット12のフランジ部12aとを、地面上等の立坑外においてボルト3にナット4を螺合することにより、連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライナープレート及び深礎工法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、深礎工法では、ライナープレートが用いられる場合がある。ライナープレートは立坑の内壁面を覆うように設けられ、土留材として用いられる。
【0003】
このライナープレートを用いた深礎工法は、例えば特許文献1に示すように、作業員が立坑内において複数のライナープレートのフランジ部をボルトで連結してライナープレートを立坑の内壁面に設ける工程を有していた。
【0004】
また、この深礎工法では、ライナープレートの外周面と立坑の内壁面との間に裏込め材を注入するとともに、立坑内にコンクリートを打設して、ライナープレートがそのまま立坑内に固定されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3084141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来のライナープレート及び深礎工法では、作業員が立坑内においてライナープレートの連結作業を行わなければならないために、危険性を伴うとともに、作業効率も悪かった。
【0007】
また、上述した従来のライナープレート及び深礎工法では、コンクリートの打設によって、ライナープレートを立坑内に埋殺してしまうために、コストが高くなり、また、ライナープレートの外周面と立坑の内壁面との間にコンクリートを十分に充填することができず十分な強度の立坑を得ることができないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、安全に作業ができ、作業効率が向上し、コストが低減するとともに、高強度の立坑を得ることができるライナープレート及び深礎工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明のライナープレートは、
掘削される立坑の内壁面に引き抜き可能に設けられるとともに、複数の筒状かつ凹状部を有する波形形状のライナープレートユニットを上下方向に連結して構成されるライナープレートであって、
前記ライナープレートユニットのうち少なくとも連結する2枚が、互いに対向する周縁部に、外方に突設されるとともに連結可能なフランジ部をそれぞれ有し、
前記立坑の掘削位置の周囲、かつ、地面に設置される基台と、前記基台に設けられ、前記立坑の掘削位置に配置される前記ライナープレートユニットの凹状部に摺動して当接可能な複数の突状の当接部とを有する支持部材により支持されることを特徴とする。
【0010】
また、前記ライナープレートユニットのフランジ部は、ボルト及びナットにより連結可能である。
【0011】
また、前記ライナープレートユニットのフランジ部同士の連結が前記立坑の外で可能である。
【0012】
また、前記ライナープレートユニットのフランジ部同士の連結を外すことが前記立坑の外で可能である。
【0013】
また、前記ライナープレートユニットは、前記支持部材により、前記立坑の掘削位置において上下方向に移動可能に支持される。
【0014】
また、前記立坑内に打設されたコンクリートの所定の高さに応じて、前記立坑内から所定の距離引き抜くことが可能である。
【0015】
また、前記基台は、貫通孔が形成された上下の接合板と、前記接合板により接合された枠片により枠組形成され、
前記支持部材は、前記接合板の貫通孔に嵌合させるとともに地面に打ち込まれた複数の棒状の固定部材を有する。
【0016】
また、上記目的を達成するため、本発明の深礎工法は、立坑を掘削する工程と、掘削した立坑の内壁面に複数の筒状かつ凹状部を有する波形形状のライナープレートユニットを上下方向に連結して設置する工程と、前記立坑内にコンクリートを打設する工程と、前記立坑内から前記ライナープレートユニットを引き抜く工程とを有する深礎工法であって、
前記立坑の掘削位置の周囲、かつ、地面に基台を設置する工程と、
前記基台に設けられた複数の突状の当接部材を、前記立坑の掘削位置に配置された前記ライナープレートユニットの凹状部に向かって摺動させ当接させて、前記ライナープレートユニットを支持する工程と、
前記立坑の外で、前記当接部材で支持されたライナープレートユニットの上方の周縁部の外方に突設されたフランジ部と、他の前記ライナープレートユニットの下方の周縁部の外方に突設されたフランジ部とを連結する工程を有する。
【0017】
また、前記フランジ部同士を連結する工程は、ボルトにナットを螺合して締め付けて行う。
【0018】
また、前記立坑の外で、前記フランジ部同士の連結を外す工程を有する。
【0019】
また、前記ライナープレートユニットは、前記立坑の掘削位置において上下方向に移動可能に支持される。
【0020】
また、前記立坑内に打設されたコンクリートの所定の高さに応じて、前記ライナープレートユニットを前記立坑内から所定の距離引き抜く工程を有する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、安全に作業ができ、作業効率が向上し、コストが低減するとともに、高強度の立坑を得ることができるライナープレート及び深礎工法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係るライナープレート及び支持枠の構成を表す斜視図である。
【図2】図1に示したライナープレートユニットの連結前の状態及び支持枠の構成を表す斜視図である。
【図3】図1に示したライナープレートの連結部分の拡大断面図である。
【図4】図1に示したライナープレートと支持枠の当接部分の拡大一部断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る深礎工法を説明するための断面図である。
【図6】本発明の変形例に係る固定部材を備えた支持枠の構成を表す一部省略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施の形態に係るライナープレート及び深礎工法について、以下図面を参照して説明する。
【0024】
ライナープレート1は、立坑内の内壁面に引き抜き可能に設置が可能であり、土留材として用いられるものである。ライナープレート1は、図1に示すように、複数のライナープレートユニット11,12,13,14,・・・が立坑2の掘削方向である上下方向に連結されて構成されている。
【0025】
ライナープレートユニット11,12,13,14・・・は、筒状の鋼板により形成されており、上下方向に波形形状を有する。ライナープレートユニット11,12,13,14・・・の波形形状は、凹状部11c,12c,13c,14c・・・を有する。
隣接するライナープレートユニット11,12には、図1及び図2に示すように、それぞれ一方の周縁部に外方に向かって突設したフランジ部11a,12aがそれぞれ形成されている。ライナープレートユニット11の周縁部とライナープレートユニット12の周縁部は互いに対向する位置関係にある。フランジ部11a,12aには、複数のボルト孔11b,12b(図3)がそれぞれ形成されている。
なお、図1において、ライナープレートユニット14の上方に連結されたライナープレート及びライナープレート11の下方に連結されたライナープレートは省略されている。ライナープレート11及びその下方に連結されたライナープレートにより、ライナープレート連結体1a(図5)が構成され、ライナープレートユニット12,13,14・・・により、ライナープレートユニット連結体1b(図5)が構成されている。
【0026】
ライナープレートユニット11及びライナープレートユニット12は、フランジ部11aとフランジ部12aとが、図1及び図3に示すように、地面上等の立坑外においてボルト3にナット4を螺合することにより連結される。フランジ部11aとフランジ部12aの位置は地面よりも高い位置にあるので、連結作業が行いやすい。
なお、フランジ部11aとフランジ部12aとを連結するためには、図3に示すように、ボルト孔11bとボルト孔12bとの位置が一致するようにフランジ部11aとフランジ部12a同士を当接させて、ボルト3にナット4を螺合する。
【0027】
また、地面上等の立坑外においてボルト3に対するナット4の螺合を解除することにより、フランジ部11aとフランジ部12aとの連結を解くことができる。
【0028】
ライナープレートユニット11の下側、ライナープレートユニット12の上側、ライナープレートユニット13,14・・・等は、図示しないフランジ部を周縁の内側に有しており、このフランジ部においてボルト、ナットで連結され、ライナープレートユニット連結体1a,1b(図5)を構成している。
【0029】
支持枠5は、図1、図2及び図4に示すように、ライナープレート1を立坑2へと案内するとともに、ライナープレート1を支持する支持部材である。支持枠5は、鋼材を接合して枠組形成された地面に設置される基台51と、基台51の各枠片52の中央付近に設けられた突状の当接部53とを備えている。基台51は、立坑2の掘削位置の周囲に設置される。当接部53は、基台51の枠組の中に設置されるライナープレート1の方向に摺動可能に設けられる。なお、図1及び図2においては、4つの当接部53のうち、2つの当接部53のみが記載されている。
【0030】
当接部53には、基台51の枠組の中に設置されるライナープレート1の方向が長手方向である案内孔53aが形成されている。案内孔53aには、ボルト54,54が挿通される。
ボルト54,54は、枠片52に形成された固定孔52a,52a(図4)に螺合される。ボルト54,54は、案内孔53aを介して、当接部53の摺動を基台51の枠組の中に設置されるライナープレート1の方向に規制する。
【0031】
この支持枠5により、基台51の枠組の中に設置したライナープレート1を支持するためには、まず、基台51に締め付けられたボルト54,54の螺合を緩める。ボルト54,54の螺合を緩めたことにより、当接部53がライナープレート1の方向に摺動自在となる。
【0032】
当接部53をライナープレート1に向けて摺動させて、図4に示すように、ライナープレートユニット11(ライナープレート1)の波形形状を構成する凹状部11cに、突状の当接部53を当接させる。4つの当接部53をライナープレートユニット11の凹状部11cに当接させた後、各ボルト54,54を基台51の固定孔52a,52aに螺合して締め付けることにより、支持枠5によりライナープレート1は支持される。
また、同様に、ライナープレートユニット12,13,14・・・の凹状部12c,13c,14c・・・にも、当接部53は当接可能である。
【0033】
次に、本発明の実施の形態に係るライナープレート1を用いた深礎工法について、図5等を用いて説明する。
まず、立坑2を掘削する位置が枠組の中に位置するように支持枠5を設置する。支持枠5を設置後、例えばクラムシェル6により、図5(A)に示すように、立坑2を掘削する。クラムシェル6による機械掘削の後、手摺り7等を利用して、作業員が地山を修正掘削する。
【0034】
次に、ライナープレートユニット連結体1aを、図5(B)に示すように、クレーン8で吊り、ライナープレートユニット連結体1aを立坑2の掘削位置に配置して所定の高さにセットする。支持枠5の当接部53を摺動させてライナープレートユニット連結体1a(ライナープレートユニット11)の凹状部11cに当接させてボルト54,54を締め付けることにより、ライナープレートユニット連結体1aを、図5(C)に示すように、支持枠5により支持する。
【0035】
次に、クラムシェル6により、図5(C)に示すように、立坑2を所定深さ掘削する。その後、作業員による修正掘削を行う。
【0036】
次に、ライナープレートユニット連結体1bを、図5(D)に示すように、クレーン8で吊りあげ、支持枠5に固定されたライナープレートユニット連結体1aの上に重ねる。この際には、ライナープレートユニット連結体1a(ライナープレートユニット11)の上方側の周縁に形成されたフランジ部11aとライナープレートユニット連結体1b(ライナープレートユニット12)の下方側の周縁に形成されたフランジ部12aとを、それぞれに形成されたボルト孔11b,12bの位置が一致するように当接させる。
なお、ライナープレートユニット連結体1a(ライナープレートユニット11)の上面側の周縁に形成されたフランジ部11aは、地面よりも所定の距離高い位置に固定されている。
【0037】
そして、ボルト孔11b,12bにボルト3を挿入して、ボルト3にナット4を螺合して締め付けることにより、ライナープレートユニット連結体1aとライナープレートユニット連結体1bとを連結する。この作業は、立坑2外である地面上において行うことができる。
【0038】
この後、クラムシェル6による機械掘削、作業員による修正掘削、ライナープレート1の支持枠5による支持の解除、クレーン8で吊りながらのライナープレート1の立坑2内への所定距離の下降、支持枠5によるライナープレート1の支持を繰り返して、図5(E)に示すように、所定の掘削長まで立坑2を掘削する。
なお、支持枠5によるライナープレート1の支持は、支持枠5の当接部53を凹状部11c〜14cに当接させて行われる。
【0039】
立坑2の掘削後は、図5(F)に示すように、主筋9、フープ筋10を立坑2内に配筋して、鉄筋の組立を行う。
【0040】
そして、コンクリートシュート80を用いて、立坑2内にコンクリート90を打設するとともに、ライナープレート1を立坑2内から引き抜いていてく。コンクリート90を打設し、礎底より所定の高さ以上まで上がったら、その打設したコンクリート90の所定の高さに応じて、図5(G)に示すように、ライナープレート1をクレーン8を用いて立坑2内から所定の距離引き抜いていく。また、ライナープレートユニット連結体1a,1bの結合部分が立坑2の外に現れた場合には、ライナープレートユニット連結体1a,1b同士の連結を外す。
ライナープレートユニット連結体1a,1b同士の連結を外すには、支持枠5の当接部53をライナープレートユニット連結体1aの凹状部11cに当接させてライナープレートユニット連結体1aを支持枠5により支持させながら、ボルト3とナット4の螺合を解除して、ライナープレートユニット連結体1bのみをクレーン8で吊り上げればよい。 なお、この連結解除の際、ライナープレートユニット連結体1a,1bのフランジ部11a,12aは、地面よりも所定の距離高く位置している。
また、その後は、残ったライナープレート連結体1aをクレーン8で吊りながら立坑2内から所定の長さずつ引き抜いていく。
なお、コンクリートシュート80は、1本ずつ手作業で外していく。
コンクリート90の打設作業は、必要に応じて、支持枠5の当接部53をライナープレートユニット連結体1a,1bの凹状部11c〜14cに当接させて、ライナープレート1を安定させて行われる。
【0041】
図5(H)に示すように、コンクリート90の立坑2内への打設、ライナープレート1の立坑2からの引き抜きが終了して、深礎工法は終了する。
【0042】
このように本実施の形態では、地面上等の立坑2の外において、ボルト3にナット4を螺合することにより、外方に向かって形成されたフランジ部11aとフランジ部12aとを連結してライナープレート連結体1a(ライナープレートユニット11)とライナープレート連結体1b(ライナープレートユニット12と)を連結するようにしたので、立坑2内での作業のように危険性を伴うことなく安全に作業を行うことができ、また、連結作業の作業効率も向上する。
【0043】
さらに、本実施の形態では、当接部53をライナープレートユニット11,12,13,14・・・の凹状部11c,12c,13c,14c・・・に当接させて支持枠5によりライナープレート1を支持するようにしたので、立坑2の掘削位置において上下方向に移動可能にライナープレート1を支持することができる。このため、ライナープレート1を立坑2へと安定して案内、設置できるとともに、ライナープレート1を立坑2から安定して引き抜くことができる。また、ライナープレート1の連結作業、連結解除作業の効率を高めることができる。
【0044】
また、本実施の形態では、コンクリート90の打設作業に伴って、ライナープレート1を立坑2内から引き抜くようにしたので、ライナープレート1が埋殺されてしまうことがなくなり、深礎工法にかかるコストを低減することができる。更に、コンクリート90の打設により、立坑2内に十分にコンクリートを充填することができ、十分な強度の立坑を得ることができる。
【0045】
また、本実施の形態では、立坑2内からライナープレート1を引き抜く際に、地面上等の立坑2外において、ボルト3に対するナット4の螺合を解除することにより、ライナープレート1の連結が容易に外れるようにしたので、引き抜き作業の作業効率がよい。
【0046】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、図6に示すように、地面に打ち込まれるパイプ等からなる棒状の固定部材58を支持枠5が備えるようにしてもよい。支持枠5の枠片52を四角で接合する上側の接合プレート56と下側の接合プレート57にそれぞれ貫通孔56a,57aを形成する。貫通孔56a,57aに棒状の固定部材58を嵌合させた上で、この固定部材58を地面に打ち込むことにより、支持枠5が地面上に安定して固定される。
これにより、支持枠5に支持されるライナープレート1の立坑2に対する位置決めを正確に行うことができ、杭芯のずれをわずかに抑えることができる。
【0047】
また、例えば、本実施の形態では、ライナープレート1の引き抜き作業においてクレーン8を用いる例について説明したが、ライナープレート1の下縁にほぼ等間隔で4つの油圧ウインチのフックを引っかけて、これらの油圧ウインチを用いてライナープレート1を持ち上げるようにして引き抜き作業を行ってもよい。
【0048】
また、本実施の形態では、フランジ部11aとフランジ部12aとをボルト3及びナット4により連結する例について説明したが、連結手段はボルト3及びナット4に限定されず、連結及び連結の解除が可能であれば手段は問わない。
【0049】
また、本実施の形態では、支持枠5の基台51が枠組形成された例について説明したが、基台は一体となっていなくても、当接部53を設けることができ、立坑2の掘削位置の周囲で地面に設置されるものであれば別体になっていてもよい。
【0050】
また、本実施の形態では、当接部53を4つ有する例について説明したが、複数であればよく、また、当接部53の形状が断面コの字型で突状である例について説明したが、ライナープレートユニット11,12,13,14の凹状部11c,12c,13c,14cに当接して、ライナープレート1を支持することができる突状の形状であればよい
【0051】
また、本実施の形態では、ボルト54,54により当接部53を基台51の枠片52に摺動可能に固定する例について説明したが、ボルト及びナットを用いてもよいし、固定の手段は当接部53を摺動自在に基台51に固定できれば、ボルトなどに限定されない。
【0052】
また、本実施の形態では、ライナープレート1がライナープレート連結体1a及びライナープレートユニット連結体1bにより構成された例について説明したが、立坑2の深さ等に応じて、ライナープレートユニット連結体の数を増やしてもよい。また、ライナープレート1は、ライナープレートユニット連結体のみで構成されなくともよく、ライナープレートユニット単体を含んで構成されるようにしてもよい。また、各ライナープレートユニットの大きさは一定でなくともよく、それぞれが有する凹状部の数も限定されない。
【0053】
また、本実施の形態では、ライナープレートユニット連結体1aとライナープレートユニット連結体1bとの連結及び連結解除の際に、ライナープレートユニット連結体1aのライナープレートユニット11の凹部11cに当接部53を当接させて支持する例について説明したが、凹部11c以外のライナープレートユニット連結体1aの凹部に当接部53を当接させてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 ライナープレート
1a,1b ライナープレートユニット連結体
11〜14 ライナープレートユニット
11a,12a フランジ部
11b,12b ボルト孔
11c〜14c 凹状部
2 立坑
3 ボルト
4 ナット
5 支持枠(支持部材)
51 基台
52 枠片
53 当接部
53a 案内孔
54 ボルト
58 固定部材
8 クレーン
90 コンクリート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘削される立坑の内壁面に引き抜き可能に設けられるとともに、複数の筒状かつ凹状部を有する波形形状のライナープレートユニットを上下方向に連結して構成されるライナープレートであって、
前記ライナープレートユニットのうち少なくとも連結する2枚が、互いに対向する周縁部に、外方に突設されるとともに連結可能なフランジ部をそれぞれ有し、
前記立坑の掘削位置の周囲、かつ、地面に設置される基台と、前記基台に設けられ、前記立坑の掘削位置に配置される前記ライナープレートユニットの凹状部に摺動して当接可能な複数の突状の当接部とを有する支持部材により支持されることを特徴とするライナープレート。
【請求項2】
前記ライナープレートユニットのフランジ部は、ボルト及びナットにより連結可能であることを特徴とする請求項1に記載のライナープレート。
【請求項3】
前記ライナープレートユニットのフランジ部同士の連結が前記立坑の外で可能であることを特徴とする請求項1または2に記載のライナープレート。
【請求項4】
前記ライナープレートユニットのフランジ部同士の連結を外すことが前記立坑の外で可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のライナープレート。
【請求項5】
前記ライナープレートユニットは、前記支持部材により、前記立坑の掘削位置において上下方向に移動可能に支持されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のライナープレート。
【請求項6】
前記立坑内に打設されたコンクリートの所定の高さに応じて、前記立坑内から所定の距離引き抜くことが可能であることを特徴とする請求項5に記載のライナープレート。
【請求項7】
前記基台は、貫通孔が形成された上下の接合板と、前記接合板により接合された枠片により枠組形成され、
前記支持部材は、前記接合板の貫通孔に嵌合させるとともに地面に打ち込まれた複数の棒状の固定部材を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のライナープレート。
【請求項8】
立坑を掘削する工程と、掘削した立坑の内壁面に複数の筒状かつ凹状部を有する波形形状のライナープレートユニットを上下方向に連結して設置する工程と、前記立坑内にコンクリートを打設する工程と、前記立坑内から前記ライナープレートユニットを引き抜く工程とを有する深礎工法であって、
前記立坑の掘削位置の周囲、かつ、地面に基台を設置する工程と、
前記基台に設けられた複数の突状の当接部材を、前記立坑の掘削位置に配置された前記ライナープレートユニットの凹状部に向かって摺動させ当接させて、前記ライナープレートユニットを支持する工程と、
前記立坑の外で、前記当接部材で支持されたライナープレートユニットの上方の周縁部の外方に突設されたフランジ部と、他の前記ライナープレートユニットの下方の周縁部の外方に突設されたフランジ部とを連結する工程とを有することを特徴とする深礎工法。
【請求項9】
前記フランジ部同士を連結する工程は、ボルトにナットを螺合して締め付けて行うことを特徴とする請求項8に記載の深礎工法。
【請求項10】
前記立坑の外で、前記フランジ部同士の連結を外す工程を有することを特徴とする請求項8または9に記載の深礎工法。
【請求項11】
前記ライナープレートユニットは、前記立坑の掘削位置において上下方向に移動可能に支持されることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に期し合の深礎工法。
【請求項12】
前記立坑内に打設されたコンクリートの所定の高さに応じて、前記ライナープレートユニットを前記立坑内から所定の距離引き抜く工程を有することを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の深礎工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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