説明

ライフガードシステム、ライフガード方法、ライフガードプログラム、記録媒体

【課題】会員のプライバシーを保ちつつ、会員のライフガードを確実に行うこと。
【解決手段】会員が装着する装着具としての会員証バンドの操作手段としての緊急ボタンの操作により、少なくとも緊急を知らせる信号が送信され、無線機としてのワイヤレス無線機20により、緊急を知らせる信号を受信して該緊急を知らせる信号が送信されると、集中監視モニター装置30側では、ワイヤレス無線機20からの緊急を知らせる信号を基に、表示手段としての監視モニター31に緊急のあることが表示されるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライフガードに適したライフガードシステム、ライフガード方法、ライフガードプログラム、記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、たとえばスポーツ施設やスーパー銭湯等のように不特定多数が利用する大型施設では、利用者の安全監視のために、監視カメラでモニターすることが一般的である。
【0003】
このような利用者の安全監視を行うものとして、特許文献1では、プールを利用する利用者の手首に取り付けられるキーバンドにより、利用者に関わる情報が送信されるようにし、プール内に設けられる受信部により、利用者に関わる情報を信号として受信し、カメラにより、プール内を撮像し、ライフガード管理装置により、受信部を介して得られる利用者に関わる情報を管理し、モニターにより、カメラによって撮像されたプール内の画像やライフガード管理装置によって管理される利用者に関わる情報が表示されるようにしたライフガードシステムを提案している。
【特許文献1】特開2004−04644号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した特許文献1に示されているライフガードシステムでは、カメラによって撮像されたプール内の画像やライフガード管理装置によって管理される利用者に関わる情報が表示されるようにしている。
【0005】
ところが、スポーツ施設やスーパー銭湯等のように不特定多数が利用する大型施設では、体調等を悪くした利用者がトイレや更衣室等に駆け込む可能性が高いが、トイレや更衣室等を監視カメラでモニターすることはプライバシーの問題があった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決することができるライフガードシステム、ライフガード方法、ライフガードプログラム、記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のライフガードシステムは、施設を利用する会員の安全を監視するためのライフガードシステムであって、会員が装着する、少なくとも緊急を知らせる信号を送信する際に操作される操作手段を有する装着具と、施設内の各場所に設置され、前記緊急を知らせる信号を受信して該緊急を知らせる信号を送信する無線機と、前記無線機からの緊急を知らせる信号を基に前記緊急があることを表示する表示手段を有する集中監視モニター装置とを備えることを特徴とする。
また、前記無線機は、前記設置場所に対応する無線機IDを記憶する記憶手段を有し、前記集中監視モニター装置は、前記無線機IDを判別する無線機ID判別手段を有し、前記無線機ID判別手段によって前記無線機IDが判別されると、前記表示手段に前記緊急を知らせた会員の場所が特定して表示されるようにすることができる。
また、前記装着具は、会員IDを記憶する記憶手段を有し、前記集中監視モニター装置は、前記会員IDに対応する会員に関する情報を記憶する会員情報記憶手段と、前記会員IDを判別する会員ID判別手段とを有し、前記会員ID判別手段によって前記会員IDが判別されると、前記表示手段に前記会員に関する情報が表示されるようにすることができる。
また、前記装着具は、非接触読取装置からの読み取り信号を受信する受信手段を有し、前記非接触読取装置からの読み取り信号に応じて前記会員IDの信号が送信されるようにすることができる。
また、前記装着具は、会員証バンドであるようにすることができる。
本発明のライフガード方法は、施設を利用する会員の安全を監視するためのライフガード方法であって、会員が装着する装着具により、少なくとも緊急を知らせる信号が送信され、無線機により、前記緊急を知らせる信号を受信して該緊急を知らせる信号が送信されると、前記無線機からの緊急を知らせる信号を基に前記緊急のあることが表示されるステップとを有することを特徴とする。
また、前記無線機からの無線機IDを判別し、前記緊急を知らせた会員の場所を特定して表示させるステップを有するようにすることができる。
また、前記無線機を介して得られる前記装着具からの会員IDを判別し、記憶されている前記会員IDに対応する会員に関する情報を表示させるステップを有するようにすることができる。
本発明のライフガードプログラムは、施設を利用する会員の安全を監視するためのライフガード方法を実行するためのライフガードプログラムであって、会員が装着する装着具により、少なくとも緊急を知らせる信号が送信され、無線機により、前記緊急を知らせる信号を受信して該緊急を知らせる信号が送信されると、前記無線機からの緊急を知らせる信号を基に前記緊急のあることが表示されるステップとを有することを特徴とする。
また、前記無線機からの無線機IDを判別し、前記緊急を知らせた会員の場所を特定して表示させるステップを有するようにすることができる。
また、前記無線機を介して得られる前記装着具からの会員IDを判別し、記憶されている前記会員IDに対応する会員に関する情報を表示させるステップを有するようにすることができる。
本発明の記録媒体は、請求項9〜11のいずれかに記載のライフガードプログラムが記録されていることを特徴とする。
本発明のライフガードシステム、ライフガード方法、ライフガードプログラム、記録媒体では、会員が装着する装着具により、少なくとも緊急を知らせる信号が送信され、無線機により、緊急を知らせる信号を受信して該緊急を知らせる信号が送信されると、無線機からの緊急を知らせる信号を基に緊急のあることが表示される。
【発明の効果】
【0008】
本発明のライフガードシステム、ライフガード方法、ライフガードプログラム、記録媒体によれば、会員が装着する装着具により、少なくとも緊急を知らせる信号が送信され、無線機により、緊急を知らせる信号を受信して該緊急を知らせる信号が送信されると、無線機からの緊急を知らせる信号を基に緊急のあることが表示されるようにしたので、会員のプライバシーを保ちつつ、会員のライフガードを確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本実施形態では、会員が装着する装着具により、少なくとも緊急を知らせる信号が送信され、無線機により、緊急を知らせる信号を受信して該緊急を知らせる信号が送信されると、無線機からの緊急を知らせる信号を基に緊急のあることが表示されるようにし、会員のプライバシーを保ちつつ、会員のライフガードが確実に行われるようにした。
【0010】
すなわち、本実施形態では、施設の会員(利用者)に発信機能を有する、たとえば会員証バンドを装着してもらい、体調等を悪くした会員自ら発信機能を操作してもらうことで、監視員に知らせるようにした。
【0011】
これにより、体調等を悪くした会員(利用者)の場所は、施設内の各場所に配置したたとえばワイヤレス無線機からの無線機IDを基に特定される。また、体調等を悪くした会員自ら発信機能を操作してもらうことで、監視員が必要最小人数で済む。
【実施例】
【0012】
以下、本発明の実施例の詳細について説明する。
【0013】
図1は、本発明のライフガードシステムの一実施例を示す図である。同図に示すように、ライフガードシステムは、たとえばスポーツ施設に設置された場合を示しており、会員証バンド10、ワイヤレス無線機20、集中監視モニター装置30を備えている。
【0014】
会員証バンド10は、図2に示すように、手首に装着する場合を想定したものであり、たとえばゴム製であって、緊急ボタン11を有している。緊急ボタン11は、緊急を知らせる場合に、会員が操作するものである。この緊急ボタン11を操作すると、緊急を知らせる信号と会員IDの信号とが送信されるようになっている。
【0015】
会員証バンド10をゴム製とすることで、会員がプールやジャグジーを利用しても防水効果が得られるとともに、悪用のため等の偽造の防止効果も得られる。なお、会員証バンド10は、貸し出しする場合と、買い取ってもらう場合とが考えられるが、内部に後述の会員に関する情報に紐づけられた会員IDが記憶されるようなっているため、個人情報流出防止等の点から会員に買い取ってもらうことが好ましい。
【0016】
ワイヤレス無線機20は、会員証バンド10からの緊急ボタン11の操作による緊急を知らせる信号と会員IDの信号とを受信して集中監視モニター装置30に通知するものである。ワイヤレス無線機20は、更衣室、トイレ、ジャグジー、プール、スタジオ、トレーニングルームに設置されており、それぞれ無線機ID(Y1〜Y11)を有している。
【0017】
集中監視モニター装置30は、ワイヤレス無線機20からの無線機ID(Y1〜Y11)の信号と、緊急を知らせる信号と、会員IDの信号とを受信し、図3に示すように、緊急ボタン11を操作した会員の居る場所を無線機ID(Y1〜Y11)から特定して監視モニター31に表示させる。また、集中監視モニター装置30は、ワイヤレス無線機20からの会員IDから会員に関する情報を表示させる。
【0018】
会員に関する情報としては、氏名、年齢、顔写真、持病、連絡先、保険証番号等である。これらの会員に関する情報は、スポーツクラブへの入会時に予め取得されているものである。
【0019】
図4は、会員証バンド10の内部構成の概略を示すブロック図である。同図に示すように、会員証バンド10には、発信部12、受信部13、ボタン信号入力部14、ROM15、RAM16、表示部17、制御部18が設けられている。
【0020】
発信部12は、緊急ボタン11の操作によりボタン信号入力部14からの信号が制御部18に取り込まれると、制御部18による制御により、緊急を知らせる信号と、RAM16に記憶されている会員IDの信号とを発信する。なお、発信部12からの発信は、たとえば電波によって行われる。
【0021】
また、発信部12からの発信出力は、会員の傍にあるワイヤレス無線機20のみに届くように、低出力となっている。つまり、発信部12からの発信出力が高出力であると、会員の傍以外のワイヤレス無線機20にも電波が届いてしまうおそれがあり、このような状況では集中監視モニター装置30によってワイヤレス無線機20を特定できなくなってしまう場合があるからである。
【0022】
また、発信部12は、図示しない非接触読取装置からの読み取り信号が受信部13を介して制御部18に取り込まれると、制御部18による制御により、RAM16に記憶されている会員IDの信号を発信する。このように、非接触読取装置からの読み取り信号に応じて発信部12から会員IDの信号が発信されるようにすることで、たとえばスポーツ施設の利用時に受け付けに設置されている図示しない非接触読取装置にかざすだけで、チェックインが可能となる。
【0023】
また、ロッカーの使用時に、ロッカーに設置されている図示しない非接触読取装置にかざしながら暗証番号を設定する際に、発信部12から会員IDの信号が発信されるようにすることで、開閉時には会員証バンド10を図示しない非接触読取装置にかざしながら暗証番号を入力しないと照合されないような仕組みも可能となる。この場合、暗証番号と会員IDとのダブルチェックが行われるため、盗難防止に極めて有効となる。
【0024】
また、発信部12から会員IDの信号が発信されるようにすることで、たとえば監視員が携帯用の図示しない非接触読取装置を会員証バンド10にかざすことにより、その場で上述した会員に関する情報を取得することも可能となる。
【0025】
受信部13は、図示しない非接触読取装置からの読み取り信号を受信して制御部18に通知する。ボタン信号入力部14は、緊急ボタン11が操作されたことを示す信号を制御部18に通知する。
【0026】
ROM15には、制御部18の動作に必要な制御プログラム等が記憶されている。RAM16には、上述した会員IDが記憶されている。表示部17は、たとえば緊急ボタン11が操作されたことを表示するものであり、たとえばLED等によって構成することができる。
【0027】
制御部18は、ROM15に記憶されている制御プログラムに基づいて各部の動作を制御する。また、制御部18は、緊急ボタン11の誤操作等をキャンセルする機能を有している。すなわち、緊急ボタン11の誤操作後、再度緊急ボタン11が長押しされるか、又は2度押しされると、緊急ボタン11の操作をキャンセルする。この場合、表示部17の表示を停止させる。なお、緊急ボタン11の操作のキャンセルは、会員自ら行う場合、監視員が行う場合とがある。
【0028】
図5は、ワイヤレス無線機20の内部構成の概略を示すブロック図である。同図に示すように、ワイヤレス無線機20は、受信部21、ROM22、RAM23、送信部24、インタフェース部25、制御部26を有している。
【0029】
受信部21は、会員証バンド10からの緊急ボタン11の操作による緊急を知らせる信号と会員IDの信号とを受信する。ROM22には、制御部18の動作に必要な制御プログラム等が記憶されている。
【0030】
RAM23には、無線機ID(Y1〜Y11)のいずれかが記憶されている。送信部24は、インタフェース部25を介して受信した緊急ボタン11の操作による緊急を知らせる信号と会員IDの信号とを集中監視モニター装置30に送信する。
【0031】
インタフェース部25は、集中監視モニター装置30に対し無線、又は有線によって接続される部位である。
【0032】
制御部26は、ROM22に記憶されている制御プログラムに基づいて各部の動作を制御する。制御部26による主な制御としては、受信部21によって会員証バンド10からの緊急ボタン11の操作による緊急を知らせる信号と会員IDの信号とが受信されると、これらの信号とRAM23に記憶されているいずれかの無線機ID(Y1〜Y11)の信号とを送信部24に対して送信させることである。
【0033】
なお、複数の会員証バンド10からの緊急ボタン11の操作による緊急を知らせる信号と会員IDの信号とがほぼ同時に受信された場合には、たとえば自己のいずれかの無線機ID(Y1〜Y11)の信号に続けて複数の会員IDの信号が送信されるようになっている。また、信号の送信順にあっては、複数の会員IDの信号に続いて自己のいずれかの無線機ID(Y1〜Y11)の信号が送信されるようにしてもよい。
【0034】
図6は、集中監視モニター装置30の内部構成の概略を示すブロック図である。同図に示すように、集中監視モニター装置30は、インタフェース部32、受信部33、緊急信号判別部34、無線機ID判別部35、会員ID判別部36、会員情報記憶部37、表示制御部38、制御部39を有している。
【0035】
インタフェース部32は、ワイヤレス無線機20に対し無線、又は有線によって接続される部位である。
【0036】
受信部33は、インタフェース部32を介してワイヤレス無線機20からの緊急を知らせる信号と、会員IDの信号と、無線機ID(Y1〜Y11)の信号とを受信する。
【0037】
緊急信号判別部34は、受信部33によって受信された信号から緊急を知らせる信号の有無を判別し、緊急を知らせる信号がある場合は制御部39に通知する。
【0038】
無線機ID判別部35は、受信部33によって受信された信号から無線機ID(Y1〜Y11)の信号の有無を判別し、無線機ID(Y1〜Y11)の信号がある場合は、その無線機ID(Y1〜Y11)を制御部39に通知する。
【0039】
会員ID判別部36は、受信部33によって受信された信号から会員IDの信号の有無を判別し、会員IDの信号がある場合は、その会員IDを制御部39に通知する。
【0040】
会員情報記憶部37には、上述した会員に関する情報としての、氏名、年齢、顔写真、持病、連絡先、保険証番号等が記憶されている。
【0041】
表示制御部38は、制御部39による制御により、図3に示したように、監視モニター31に、緊急ボタン11を操作した会員に居る場所を無線機ID(Y1〜Y11)から特定して表示させるとともに、会員IDに対応する会員に関する情報を表示させる。
【0042】
制御部39は、緊急信号判別部34からの通知を受けると、無線機ID判別部35からの無線機ID(Y1〜Y11)に基づいて緊急ボタン11を操作した会員の居る場所を特定し、さらに会員ID判別部36からの会員IDに基づき、会員情報記憶部37に記憶されている、会員に関する情報としての、氏名、年齢、顔写真、持病、連絡先、保険証番号等を読み出し、表示制御部38の表示を制御する。
【0043】
次に、ライフガード方法について説明する。まず、図7に示すように、ワイヤレス無線機20を更衣室、トイレ、ジャグジー、プール、スタジオ、トレーニングルームのそれぞれに設置するとともに、それぞれのワイヤレス無線機20に無線機ID(Y1〜Y11)を割り振り、その無線機ID(Y1〜Y11)と設置場所との対応関係を集中監視モニター装置30の無線機ID判別部35に登録しておく(ステップS1)。
【0044】
ここで、図1に示したように、無線機ID(Y1)のワイヤレス無線機20は女性用の更衣室であり、無線機ID(Y2)のワイヤレス無線機20は男性用の更衣室であることが対応付けられている。
【0045】
また、無線機ID(Y3)のワイヤレス無線機20は男性用トイレであり、無線機ID(Y4)のワイヤレス無線機20は女性用のトイレであることが対応付けられている。
【0046】
また、無線機ID(Y5)のワイヤレス無線機20はジャグジーであり、無線機ID(Y6〜Y9)のワイヤレス無線機20はプールであり、無線機ID(Y10)のワイヤレス無線機20はスタジオであり、無線機ID(Y11)のワイヤレス無線機20はトレーニングルームであることが対応付けられている。
【0047】
次いで、スポーツクラブへの入会時において、会員受け付けを行う(ステップS2)。この場合、会員に関する情報として、氏名、年齢、顔写真、持病、連絡先、保険証番号等を利用者から取得し、さらに会員IDを割り当てた後、その会員IDに対応させた会員に関する情報を集中監視モニター装置30の会員情報記憶部37に記憶させておく。
【0048】
そして、会員受け付けを行った会員に対しては、会員IDが割り当てられた会員証バンド10を渡しておく(ステップS3)。以降、スポーツ施設を利用する場合は、利用者が常にその会員証バンド10をたとえば手首に装着しているだけで、スポーツ施設の利用の際に、受け付けに設置されている図示しない非接触読取装置にかざすだけで、チェックインが可能となる。
【0049】
これにより、受け付けの無人化が可能となり、新規入会の利用者に対応するスタッフのみが待機していればよく、受け付けが必要最小限のスタッフで済むことになる。
【0050】
また、利用者は、スポーツ施設内において、たとえばロッカーを利用することになるが、そのロッカーの使用時には、ロッカーに設置されている図示しない非接触読取装置にかざしながら暗証番号を設定する。その際、非接触読取装置からの読み取り信号が会員証バンド10の受信部13によって受信されると、発信部12から会員IDの信号が発信されることで、開閉時には会員証バンド10を図示しない非接触読取装置にかざしながら暗証番号を入力しないと照合されない。これにより、暗証番号と会員IDとのダブルチェックが行われるため、盗難防止に極めて有効となる。
【0051】
ここで、利用者が男性用トイレで体調が悪くなり、会員証バンド10の緊急ボタン11を操作すると(ステップS4)、会員証バンド10の制御部18によりRAM16に記憶されている会員IDが読み取られ、発信部12から緊急を知らせる信号と、会員IDの信号とが発信される(ステップS5)。
【0052】
このとき、会員証バンド10の表示部17が点灯又は点滅することで、緊急ボタン11の操作ありが表示される(ステップS6)。なお、利用者が誤って緊急ボタン11を操作した場合には、その表示部17の点灯又は点滅により、緊急ボタン11の誤操作を確認できるので、その際は上述したように、再度緊急ボタン11を長押しするか、又は2度押しすると、制御部18により、緊急ボタン11の誤操作等がキャンセルされる。この場合、表示部17の点灯又は点滅が制御部18によって停止されることで、誤操作等のキャンセルが確認できる。
【0053】
ここで、男性用トイレに設置されているワイヤレス無線機20の受信部21によって緊急を知らせる信号と、会員IDの信号とが受信されると(ステップS7)、制御部26がRAM23に記憶されている無線機ID(Y3)を読み取り、送信部24及びインタフェース部25を介して緊急を知らせる信号と、会員IDの信号と、無線機ID(Y3)の信号とを集中監視モニター装置30に送信する(ステップS8)。
【0054】
集中監視モニター装置30では、インタフェース部32を介して受信部33により、ワイヤレス無線機20からの緊急を知らせる信号と、会員IDの信号と、無線機ID(Y3)の信号とが受信されると(ステップS9)、緊急信号判別部34により、受信部33によって受信された信号から緊急を知らせる信号の有無が判別され、緊急を知らせる信号がある場合は制御部39に通知する(ステップS10)。
【0055】
また、無線機ID判別部35は、受信部33によって受信された信号から無線機IDの信号の有無を判別し、無線機IDの信号がある場合は、その無線機IDを制御部39に通知する(ステップS11)。ここでは、無線機ID(Y3)があると判別される。
【0056】
また、会員ID判別部36は、受信部33によって受信された信号から会員IDの信号の有無を判別し、会員IDの信号がある場合は、その会員IDを制御部39に通知する(ステップS12)。
【0057】
これにより、制御部39は、緊急信号判別部34からの通知を受けると、無線機ID判別部35からの無線機ID(Y3)に基づいて緊急ボタン11を操作した会員に居る場所を特定し、さらに会員ID判別部36からの会員IDに基づき、会員情報記憶部37に記憶されている、会員に関する情報としての、氏名、年齢、顔写真、持病、連絡先、保険証番号等を読み出し、表示制御部38の表示を制御する。
【0058】
そして、図3で説明したように、監視モニター31には、緊急ボタン11を操作した会員の居る場所と、緊急を知らせる情報と、会員に関する情報としての、氏名、年齢、顔写真、持病、連絡先、保険証番号等が表示される(ステップS13)。
【0059】
これにより、集中監視モニター装置30に待機しているスタッフは緊急事態を即座に把握することができ、スポーツ施設内の他のスタッフへ会員に関する情報や緊急ボタン11を操作した会員の居る場所を連絡することができる。
【0060】
このように、本実施例では、会員が装着する装着具としての会員証バンド10の操作手段としての緊急ボタン11の操作により、少なくとも緊急を知らせる信号が送信され、無線機としてのワイヤレス無線機20により、緊急を知らせる信号を受信して該緊急を知らせる信号が送信されると、集中監視モニター装置30側では、ワイヤレス無線機20からの緊急を知らせる信号を基に、表示手段としての監視モニター31に緊急のあることが表示されるようにしたので、会員のプライバシーを保ちつつ、会員のライフガードを確実に行うことができる。
【0061】
また、本実施例では、ワイヤレス無線機20からの記憶手段としてのRAM23に記憶されている無線機ID(Y1〜Y11)が送信され、集中監視モニター装置30の無線機ID判別手段としての無線機ID判別部35により無線機ID(Y1〜Y11)が判別されると、その無線機ID(Y1〜Y11)を基に監視モニター31に緊急を知らせた会員の場所が特定して表示されることから、緊急を知らせた会員の場所を即座に判別することができる。
【0062】
また、緊急を知らせた会員の場所を即座に判別することができることから、監視員が必要最小人数で済むという効果も得られる。また、ワイヤレス無線機20を多くの場所に設置すれば、場所の得意をより細かく行うことができる。
【0063】
また、本実施例では、会員証バンド10の記憶手段としてのRAM16に記憶されている会員IDを基に、会員情報記憶手段としての会員情報記憶部37に記憶されている会員に関する情報としての、氏名、年齢、顔写真、持病、連絡先、保険証番号等が読み出されて監視モニター31に表示されるようにしたので、緊急を知らせた会員に関する情報を即座に確認することができる。
【0064】
また、本実施例では、会員証バンド10に、図示しない非接触読取装置からの読み取り信号を受信する受信手段としての受信部13を設け、非接触読取装置からの読み取り信号に応じて会員IDの信号が送信されるようにしたので、たとえばロッカーの使用時に、ロッカーに設置されている図示しない非接触読取装置にかざしながら暗証番号を設定することにより、ロッカーの開閉時には会員証バンド10を図示しない非接触読取装置にかざしながら暗証番号を入力しないと照合されないことから、暗証番号と会員IDとのダブルチェックが行われ、盗難防止に極めて有効となる。
【0065】
また、会員証バンド10の発信部12から会員IDの信号が発信されるようにすることで、たとえば監視員が携帯用の図示しない非接触読取装置を会員証バンド10にかざすことにより、その場で上述した会員に関する情報を即座に取得することも可能となる。
【0066】
また、会員に関する情報としての、氏名、年齢、顔写真、持病、連絡先、保険証番号等が読み出されて監視モニター31に表示されることで、緊急を知らせた会員に関する情報を即座に確認することができ、救急隊員が病院に搬送する際に会員に関する情報をプリントアウトして救急隊員に渡すことができ、会員からの聴き取り等の手間が省ける。
【0067】
なお、会員証バンド10にあっては、単にゴム製に限らず、防水性があればよくプラスチック製等の他の部材であってもよい。また、会員証バンド10には、小粒の磁性体やラジウムを装填しておくことも可能であり、その会員証バンド10を常時手首等に装着しておくことで、血行作用等が良くなる等の効果も得られる。
【0068】
なお、本実施例では、会員証バンド10を手首に装着するものとして説明したが、この例に限らず、会員自ら緊急ボタン11を操作できる場所に装着するものであればよく、会員の体の一部に装着できるものであればバンド形態以外のものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0069】
スポーツ施設に限らず、スーパー銭湯等のように不特定多数が利用する大型施設でのライフガードシステムにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明のライフガードシステムの一実施例を示す図である。
【図2】図1のライフガードシステムにおける会員証バンドを説明するための図である。
【図3】図1の集中監視モニター装置の監視モニターによる表示内容を説明するための図である。
【図4】図2の会員証バンドの内部構成の概略を示すブロック図である。
【図5】図1のワイヤレス無線機の内部構成の概略を示すブロック図である。
【図6】図1の集中監視モニター装置の内部構成の概略を示すブロック図である。
【図7】図1のライフガードシステムにおけるライフガード方法を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0071】
10 会員証バンド
11 緊急ボタン(操作手段)
12 発信部
13 受信部(受信手段)
14 ボタン信号入力部
15 ROM
16 RAM(記憶手段)
17 表示部
18 制御部
20 ワイヤレス無線機
21 受信部
22 ROM
23 RAM(記憶手段)
24 送信部
25 インタフェース部
26 制御部
30 集中監視モニター装置
31 監視モニター(表示手段)
32 インタフェース部
33 受信部
34 緊急信号判別部
35 無線機ID判別部(無線機ID判別手段)
36 会員ID判別部(会員ID判別手段)
37 会員情報記憶部(会員情報記憶手段)
38 表示制御部
39 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設を利用する会員の安全を監視するためのライフガードシステムであって、
会員が装着する、少なくとも緊急を知らせる信号を送信する際に操作される操作手段を有する装着具と、
施設内の各場所に設置され、前記緊急を知らせる信号を受信して該緊急を知らせる信号を送信する無線機と、
前記無線機からの緊急を知らせる信号を基に前記緊急があることを表示する表示手段を有する集中監視モニター装置とを備える
ことを特徴とするライフガードシステム。
【請求項2】
前記無線機は、前記設置場所に対応する無線機IDを記憶する記憶手段を有し、
前記集中監視モニター装置は、前記無線機IDを判別する無線機ID判別手段を有し、
前記無線機ID判別手段によって前記無線機IDが判別されると、前記表示手段に前記緊急を知らせた会員の場所が特定して表示される
ことを特徴とする請求項1に記載のライフガードシステム。
【請求項3】
前記装着具は、会員IDを記憶する記憶手段を有し、
前記集中監視モニター装置は、
前記会員IDに対応する会員に関する情報を記憶する会員情報記憶手段と、
前記会員IDを判別する会員ID判別手段とを有し、
前記会員ID判別手段によって前記会員IDが判別されると、前記表示手段に前記会員に関する情報が表示される
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のライフガードシステム。
【請求項4】
前記装着具は、非接触読取装置からの読み取り信号を受信する受信手段を有し、
前記非接触読取装置からの読み取り信号に応じて前記会員IDの信号が送信される
ことを特徴とする請求項3に記載のライフガードシステム。
【請求項5】
前記装着具は、会員証バンドであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のライフガードシステム。
【請求項6】
施設を利用する会員の安全を監視するためのライフガード方法であって、
会員が装着する装着具により、少なくとも緊急を知らせる信号が送信され、無線機により、前記緊急を知らせる信号を受信して該緊急を知らせる信号が送信されると、前記無線機からの緊急を知らせる信号を基に前記緊急のあることが表示されるステップとを有する
ことを特徴とするライフガードシステム。
【請求項7】
前記無線機からの無線機IDを判別し、前記緊急を知らせた会員の場所を特定して表示させるステップを有することを特徴とする請求項7に記載のライフガード方法。
【請求項8】
前記無線機を介して得られる前記装着具からの会員IDを判別し、記憶されている前記会員IDに対応する会員に関する情報を表示させるステップを有することを特徴とする請求項6又は7に記載のライフガード方法。
【請求項9】
施設を利用する会員の安全を監視するためのライフガード方法を実行するためのライフガードプログラムであって、
会員が装着する装着具により、少なくとも緊急を知らせる信号が送信され、無線機により、前記緊急を知らせる信号を受信して該緊急を知らせる信号が送信されると、前記無線機からの緊急を知らせる信号を基に前記緊急のあることが表示されるステップとを有する
ことを特徴とするライフガードプログラム。
【請求項10】
前記無線機からの無線機IDを判別し、前記緊急を知らせた会員の場所を特定して表示させるステップを有することを特徴とする請求項9に記載のライフガードプログラム。
【請求項11】
前記無線機を介して得られる前記装着具からの会員IDを判別し、記憶されている前記会員IDに対応する会員に関する情報を表示させるステップを有することを特徴とする請求項9又は10に記載のライフガードプログラム。
【請求項12】
請求項9〜11のいずれかに記載のライフガードプログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−280004(P2007−280004A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−104904(P2006−104904)
【出願日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(391055520)株式会社平井 (2)
【Fターム(参考)】