説明

ラウリン酸含有油脂の製造方法

【課題】 藻類を用いたラウリン酸供給方法の提供。
【解決手段】 Symbiodinium属の藻類を培地中で培養し、培養物から脂肪酸組成におけるラウリン酸の含有割合が3質量%以上である油脂を採取することを含む、ラウリン酸を構成脂肪酸として含有する油脂の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、藻類を用いたラウリン酸を構成脂肪酸として含有する油脂(以下、単に「ラウリン酸含有油脂」とも称する)の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ラウリン酸は、ヤシ油やパーム核油に多く含まれる主な脂肪酸で、各種界面活性剤の原料や食品などに使用される。
ラウリン酸は、その供給源がヤシやパーム核に限定されており、そのため栽培地域が限定される。さらに、ラウリン酸の原料として耕地を利用することは、今後バイオディーゼルや、食料用途と競合することも懸念される。また、熱帯雨林の破壊という問題も付随する。
従って、ヤシやパーム核に頼らない、ラウリン酸供給技術の開発が望まれていた。
【0003】
一方、ラウリン酸供給生物として、光合成を行わず従属栄養で増殖する渦鞭毛藻であるCrypthecodinium choniiがラウリン酸を高含有(15.7%/総脂質中)することが知られている(非特許文献1)。
【0004】
炭素源コストなどの観点より、光合成(独立栄養)により増殖でき、且つラウリン酸をより多く含有する藻類が望まれるが、斯かる藻類では、ラウリン酸を1〜2%程度含有するNeochloris oleoabundansが知られているだけで(非特許文献2)、ラウリン酸をそれ以上含有する藻類はこれまでに知られていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Phytochemistry,(1988)27,1679-1683
【非特許文献2】J Ind Microbiol Biotechnol (2009) 36:821-826
【発明の概要】
【0006】
本発明は、Symbiodinium属の藻類を培地中で培養し、培養物から脂肪酸組成におけるラウリン酸の含有割合が3質量%以上である油脂を採取することを含む、ラウリン酸を構成脂肪酸として含有する油脂の製造方法に係るものである。
また、当該油脂よりラウリン酸を分離、取得するラウリン酸の製造方法に係るものである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、藻類を用いたラウリン酸供給方法を提供することに関する。
【0008】
本発明者らは、ラウリン酸供給生物について検討したところ、光合成をするタイプの渦鞭毛藻であるSymbiodinium属藻類がラウリン酸を高濃度で含有し、これを用いることにより、構成脂肪酸としてラウリン酸を高含有する油脂を効率良く製造できることを見出した。
【0009】
本発明の方法によれば、容易に増殖可能な藻類を用いることから、ヤシやパーム核の如く栽培地域が限定されたり、食料用途等の競合が発生することなく、効率良くラウリン酸を構成脂肪酸として高含有する油脂を製造することができる。また、本発明の方法によれば、熱帯雨林の破壊も回避可能である。
【0010】
本発明のラウリン酸含有油脂の製造方法は、Symbiodinium属藻類を培地中で培養し、培養物から脂肪酸組成におけるラウリン酸の含有割合が3質量%以上である油脂を採取するものである。
ここで、脂肪酸組成におけるラウリン酸の含有割合が3質量%以上である油脂としては、油脂中の全構成脂肪酸中のラウリン酸の含有割合が3質量%以上、好ましくは5〜60質量%、より好ましくは10〜60質量%の油脂が挙げられる。
【0011】
本発明において用いられる藻類は、渦鞭毛藻網(Dinophyceae)のSymbiodinium属藻類の脂肪酸組成におけるラウリン酸の含有割合が3質量%以上の油脂生産能を有するものであれば何れの株でもよい。
【0012】
本発明の藻類は、例えば、次のようなスクリーニング法に従って選択することができる。
i)培養容器に滅菌した培地(淡水用としてWA培地(表2参照)、海水用としてダイゴIMK培地(表3参照))を分注する。
ii)藻類株を培地に接種し、室温(22℃〜24℃)、照度約3000ルクス、12時間明暗条件下で静置培養する。
iii)藻体を回収し、油脂を抽出し、脂肪酸をメチルエステル化し、その組成を分析して、ラウリン酸含有油脂を産生している藻類株を選択する。
iv)油脂中に全脂肪酸あたり、ラウリン酸を3質量%以上含有する藻類株を選択する。
【0013】
好適な藻類としては、例えば、Symbiodinium microadriaticumSymbiodinium goreauiSymbiodinium linucheaeSymbiodinium bermudenseSymbiodinium meandrinaeSymbiodinium californiumSymbiodinium kawagutiiSymbiodinium corculorumSymbiodinium consortiaSymbiodinium muscatineiSymbiodinium freudenthalSymbiodinium pulchrorumSymbiodinium pilosumSymbiodinium sp.等が挙げられる。Symbiodinium microadriaticumは慣用的にZooxanthella microadriatica、もしくはGymnodinium microadriaticumと呼称、記載される場合がある。同様に、Symbiodinium linuchaeは慣用的にGymnodinium linuchaeと呼称、記載される場合がある。Symbiodinium microadriaticumとしてより好ましくはZooxanthella microadriatica LB2281株(The culture collection of algae at University of Texas at Austin (UTEX)より入手可能)、又は当該LB2281株と実質的に同一の藻類学的性質を有する株を挙げることができる。LB2281株と実質的に同一の藻類学的性質を有する株としては、例えば、Symbiodinium sp. CCMP2948株、Symbiodinium sp. CCMP2592株、Symbiodinium microadriaticum CCMP827株、Symbiodinium microadriaticum CCMP2458株等が挙げられる。
【0014】
LB2281株の藻類学的性質は、以下のとおりである。LB2281株と同一の種に属する菌株、LB2281株と実質的に同一の菌学的性質を有する菌株は、斯かる性質に基づいて同定することができる。
<LB2281株の藻類学的性質>
i)サンゴ、貝やイソギンチャク,有孔虫、放散虫などの他の原生生物や、軟体動物、腔腸動物などの内部に共生。
ii)鞭毛は細胞腹部から出る。横溝がある。
iii)細胞外被に板状構造(鎧板, thecal plate)がない。
【0015】
また、上述したLB2281株又は当該LB2281株と実質的に同一の菌学的性質を有する菌株の変異株も本発明の藻類に包含される。
例えば、ラウリン酸を野性株より高含量で含む油脂を産生するように設計された変異株が包含される。
また、本発明のSymbiodinium属藻類由来の遺伝子は、ラウリン酸高含有油脂を産生するために利用することができる。
【0016】
本発明のSymbiodinium属藻類の培養は、天然海水又は人工海水で調製した適当な培地中で、光照射下、微細藻類に用いられる一般的培養手段を用いることにより行うことができる。
【0017】
培地としては、天然海水又は人工海水をベースに、窒素源、リン源、金属塩、ビタミン類等を添加した公知のものを使用できる。
ここで、例えば、窒素源としてNaNO3、KNO3、Ca(NO32、NH4NO3、(NH42SO4等、リン源としてK2HPO4、KH2PO4、Na2HPO4、NaH2PO4、グリセロリン酸ナトリウム等、金属塩としてNaCl、KCl、CaCl2、MgCl2、Na2SO4、K2SO4、MgSO4、Na2CO3、NaHCO3、Na2SiO3、H3BO3、MnCl2、MnSO4、FeCl3、FeSO4、CoCl2、ZnSO4、CuSO4、Na2MoO4等、ビタミン類としてBiotin、Vitamin B12、Thiamine−HCl、ニコチン酸、イノシトール、葉酸、チミン等を挙げることができる。
また、上記培地にはラウリン酸含有油脂の産生を促進するため、炭素源、微量金属等を適宜添加することができる。
【0018】
好ましい培地としては、例えば、ダイゴIMK培地、f/2培地、ESM培地、L1培地、MNK培地等が挙げられる。
【0019】
上記の培地は、調製後、適当な酸又は塩基を加えることによりpHを7.0〜8.0の範囲内に調整した後、オートクレーブにより殺菌して使用することが好ましい。
【0020】
培養は、培地に接種する藻類の量は特に限定されないが、好ましくは培養培地当り1.0〜10.0%(vol/vol)が好ましく、1.0〜5.0%(vol/vol)がより好ましい。
【0021】
培養温度は、本発明藻類の増殖に悪影響を与えない範囲であれば特に制限されないが、一般的には10〜30℃で行うのが好ましく、15〜25℃がより好ましい。
【0022】
光照射は、光合成が可能な条件であれば良く、人工光又は太陽光の何れでもよい。
照度は、100〜50000ルクスの範囲が好ましく、300〜10000ルクスがより好ましい。
【0023】
培養時のpHは、一般的には6.5〜8.5であり、好ましくはpH7.0〜8.0 である。
【0024】
培養期間は、ラウリン酸含有油脂を高濃度に蓄積する藻体が高い濃度で増殖するよう行えばよく、例えば7〜120日間、好ましくは7〜30日間、通気攪拌培養、振とう培養又は静置培養すればよい。
【0025】
培養終了後、遠心分離法や濾過などの常法により、藻体を分離し、分離藻体をそのままもしくは超音波やダイノミル等によって破砕した後、例えば、クロロホルム、ヘキサン、ブタノール、メタノール、酢酸エチル等の有機溶剤による溶剤抽出を行うことにより、ラウリン酸含有油脂を採取することができる。
【0026】
LB2281株を用いた場合、乾燥藻体100g当たりのラウリン酸含有油脂の含有量は、10〜20g程度であり、培地1リットル当たりのラウリン酸含有油脂の生産量は、0.05〜0.1g程度に達する。
またこの場合、油脂の脂肪酸組成におけるラウリン酸含有割合は、6.0〜15.0質量%と高濃度である。従って、培地1リットル当たりのラウリン酸の生産量としては、0.003〜0.015g程度と高い。
【0027】
尚、ラウリン酸含有油脂からラウリン酸を分離するには、常法により混合脂肪酸あるいは脂肪酸エステルの状態とした後、尿素付加法、冷却分離法、高速液体クロマトグラフィー法あるいは超臨界クロマトグラフィー法などにより濃縮採取することにより行うことができる。
【実施例】
【0028】
参考例1 藻類の培養と脂肪酸組成分析
藻類株として、The culture collection of algae at University of Texas at Austin (UTEX)より以下の20株を入手した。
【0029】
【表1】

【0030】
藻類の培養は、以下のように行った。淡水用としてWA培地(組成は表2参照)を、海水用として、市販培地であるダイゴIMK培地(日本製薬製、組成は表3参照)を用いた。
【0031】
【表2】

【0032】
【表3】

【0033】
培養容器として滅菌した16mm×150mmのカルチャーチューブ(VWR製)とスポンジ栓(60882−167:VWR製)を使用し、滅菌した培地を10mL分注した。藻類株は液体培地からは100μL、固体培地からは1白金耳相当新しい培地に接種し、室温(22℃〜24℃)、蛍光灯下、照度約3000 lux、12時間明暗条件下で静置培養した。
藻類の培養液から3000rpm、30分にて遠心分離した沈殿画分を得た。沈殿画分を80℃にて約3時間から16時間乾燥させ、乾燥藻体とした。乾燥藻体の重量を測定後、0.5mLの1%食塩水にて懸濁し、内部標準として5mg/mLの7−ペンタデカノンを10μL添加後、0.5mLのクロロホルムおよび1mLのメタノールを培養液に添加して激しく攪拌後30分間放置し、その後さらに0.5mLのクロロホルムおよび0.5mLの1.5%KClを添加して攪拌後、3000rpm、15分遠心分離を行い、パスツールピペットにてクロロホルム層(下層)を回収した。
【0034】
調製した脂質画分約500μLを窒素にて乾固後、0.5N 水酸化カリウム/メタノール溶液700μLを添加し、80℃で30分恒温した。続いて1mLの14%三フッ化ホウ素溶液(SIGMA製)を添加し80℃にて20分恒温し、その後ヘキサン、飽和食塩水を各1mL添加し室温にて30分放置後、上層であるヘキサン層を回収した後、GCにて分析した。
【0035】
装置はHP 7890A GC−FID(Agilent製)、カラムはDB−1 MS 30m×200μm×0.25μm(J&W scientific製)、移動相に高純度ヘリウムを用い、流量1mL/分、昇温プログラムは、100℃(1分)、5℃/分、280℃(20分)で行った。飽和脂肪酸のコントロールとして、ラウリン酸メチル(C12)、ミリスチン酸メチル(C14)、パルミチン酸メチル(C16)、ステアリン酸メチル(C18)を、不飽和脂肪酸はパルミトレイン酸メチル(C16:1)、オレイン酸メチル(C18:1)、リノール酸メチル(C18:2)、リノレン酸メチル(C18:3)、エイコサペンタエン酸メチル(C20:5)、ドコサヘキサエン酸メチル(C22:6)を購入し(全てSIGMA製)、分析した。脂肪酸の同定は、これら標準物質とのリテンションタイムと同一かどうかにより判断した。また、ラウリン酸に関してはGC−MSによる同定も行った。鎖長数16の多価不飽和脂肪酸に関しては、GC-MSによる解析結果から推定した。表記はC16:x(x=2または3)とし、xは不飽和脂肪酸数を示した。装置はHP7890A GC及び5975C MS(Agilent製)、カラムはDB−1 ms 30m×200μm×0.25μm(J&W scientific製)、移動相に高純度ヘリウムを用い、流量1mL/分、昇温プログラムは、100℃(1分)、5℃/分、280℃(20分)で行った。GC分析にて検出した脂肪酸エステル量を、内部標準を基準に算出し、その総量を総脂肪酸量とした。また総脂肪酸量を乾燥藻体量で除し100を乗じた値を脂肪酸含量(%)とした。
各種藻類の脂肪酸組成データを表4に示した。
【0036】
【表4】

【0037】
様々な藻類の脂質組成を分析したが、ラウリン酸を蓄積する藻類は認められなかった。
【0038】
実施例1
実験に用いた藻類株として、UTEXよりDinophyceaeに属するZooxanthella microadriatica LB2281株を入手した。
藻類の培養には、ダイゴIMK培地を用いた。培養容器に滅菌した16mm×150mmのカルチャーチューブ(VWR製)とスポンジ栓(60882−167:VWR製)を使用し、滅菌した培地を10mL分注した。液体培地からは100μL、固体培地からは1白金耳相当新しい培地に接種し、室温(22℃〜24℃)、蛍光灯下、照度約3000 lux、12時間明暗条件下で59日間培養した。
その後、参考例1と同様にして、藻体の回収、脂質の抽出、メチルエステル化、GC分析を行い、脂肪酸組成の解析を行った。結果を表5に示した。
【0039】
【表5】

【0040】
Zooxanthella microadriatica(LB2281株)において、総脂肪酸中13.2%のラウリン酸の蓄積が認められた。
【0041】
実施例2 ラウリン酸高含有油脂の生産
【0042】
ラウリン酸高含有油脂の生産は以下のように行った。
Zooxanthella microadriatica(LB2281株)を、16mm×150mmのカルチャーチューブ(IMK培地10mL仕込み)にて室温(22℃〜24℃)、照度約3000 lux、12時間明暗条件下で4週間静置培養した種培養液を、500mL容坂口フラスコ(IMK培地200mL仕込み)に2%(v/v)植菌し、室温(22〜24℃)、照度約3000 lux、12時間明暗条件下で38日間静置培養した。培養液を3000rpmで30分間遠心して集菌し、1%(w/v)塩化ナトリウム水溶液で1回洗菌を行った。
【0043】
200mLの培養液から回収した藻体を、80℃にて約16時間乾燥させた。乾燥藻体にクロロホルム/メタノール(C/M)(1:1)4mLを加えた。超音波を照射しながら、40℃で、30分間抽出した後、再びC/M(1:1)4mLを加えて再び同様に抽出した。回収した上清(2回分、約8mL)をメンブレンフィルター(Millipore製 Millex−LH,Hydrophilic PTFE,0.45μm,φ25mm)で濾過し、濾液を15mL スクリュー管に回収し、遠心エバポレーターで乾燥し、LB2281の油脂画分19.4mgを得た。
【0044】
油脂組成を実施例1記載と同様の方法にて分析したところ、油脂画分中の脂肪酸含量は34.4%、総脂肪酸中のラウリン酸の割合は7.8%であった。これにより19.4mg中の油脂画分より、ラウリン酸0.518mgを得た。
【0045】
実施例3 渦鞭毛藻におけるラウリン酸の蓄積
実験に用いた藻類株として、UTEXよりDinophyceaeに属するZooxanthella microadriatica LB2282株、The Provasoli-Guillard National Center for Culture of Marine Phytoplankton(CCMP)よりSymbiodinium sp. CCMP2948株を入手した。
藻類の培養には、ダイゴIMK培地を用いた。培養容器に滅菌した16mm×150mmのカルチャーチューブ(VWR製)とスポンジ栓(60882−167:VWR製)を使用し、滅菌した培地を10mL分注した。液体培地からは100μL、固体培地からは1白金耳相当新しい培地に接種し、室温(20℃)、蛍光灯下、照度約3000 lux、12時間明暗条件下で約2ヶ月間培養した。
その後、参考例1と同様にして、藻体の回収、脂質の抽出、メチルエステル化、GC分析を行い、脂肪酸組成の解析を行った。結果を表6に示した。
【0046】
【表6】

【0047】
SymbiodiniumZooxanthella)属において、総脂肪酸中3質量%以上のラウリン酸の蓄積が認められた。
【0048】
実施例4 渦鞭毛藻におけるラウリン酸の蓄積
実験に用いた藻類株として、CCMPよりSymbiodinium sp. CCMP2592株、Symbiodinium microadriaticum CCMP827株、CCMP2458株を入手した。
藻類の培養には、ダイゴIMK培地を用いた。培養容器に滅菌した16mm×150mmのカルチャーチューブ(VWR製)とスポンジ栓(60882−167:VWR製)を使用し、滅菌した培地を10mL分注した。液体培地からは100μL、固体培地からは1白金耳相当新しい培地に接種し、室温(20℃)、蛍光灯下、照度約3000 lux、12時間明暗条件下で42日間培養した。
その後、参考例1と同様にして、藻体の回収、脂質の抽出、メチルエステル化、GC分析を行い、脂肪酸組成の解析を行った。結果を表7に示した。
【0049】
【表7】

【0050】
Symbiodinium属において、総脂肪酸中3質量%以上のラウリン酸の蓄積が認められた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Symbiodinium属の藻類を培地中で培養し、培養物から脂肪酸組成におけるラウリン酸の含有割合が3質量%以上である油脂を採取することを含む、ラウリン酸を構成脂肪酸として含有する油脂の製造方法。
【請求項2】
Symbiodinium藻類が、Symbiodinium microadriaticumである請求項1記載の方法。
【請求項3】
Symbiodinium藻類が、Zooxanthella microadriatica LB2281株又は当該LB2281株と実質的に同一の菌学的性質を有する藻類株である請求項2記載の方法。
【請求項4】
照度300〜10000ルクスの光照射下で、7〜120日間培養する請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法により製造された油脂よりラウリン酸を分離、取得することを特徴とする、ラウリン酸の製造方法。

【公表番号】特表2013−520959(P2013−520959A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528184(P2012−528184)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【国際出願番号】PCT/JP2011/055434
【国際公開番号】WO2011/108755
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】