説明

ラジアルニードル軸受用保持器

【課題】フレッチング磨耗防止を効果的に行う事ができ、部品管理が容易でしかも組み付け性も良好で、且つ、製造コストを低く抑えられる構造を実現する。
【解決手段】ラジアルニードル軸受用の保持器8bを、合成樹脂を射出成形して造り、それぞれが円筒状の第一保持器15と第二保持器16とを軸方向に並列に連結して構成する。これら第一、第二両保持器15、16は、それぞれが半円筒状の2個の保持器素子17a、17b、17c、17dの円周方向片端縁同士のみを、円周方向に弾性変形自在な周方向弾性連結部18a、18bにより連結し、円周方向他端縁同士の間は、単なる隙間とする。又、軸方向に隣り合う状態で配置された保持器素子17a、17c、17b、17d同士を、軸方向弾性連結部24a、24bにより、円周方向に関する相対変位を可能に連結する。この様な構成により、上記課題を解決できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば自動車用手動変速機を構成する歯車を動力伝達軸の周囲に回転自在に支持するラジアルニードル軸受を構成する為の、ラジアルニードル軸受用保持器の改良に関する。具体的には、このラジアルニードル軸受の外輪軌道や内輪軌道にフレッチング磨耗が発生するのを抑える事ができ、しかも、部品管理性、組み付け作業性が良好で、且つ、低コストで造れて組み付け位置が限定されない構造を実現するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1〜3に記載される等により、保持器を備えたラジアルニードル軸受が、各種知られている。この様な従来構造のうち、特許文献1に記載された、自動車用手動変速機内の回転支持部分の構造に就いて、図6により説明する。自動車用手動変速機を構成する歯車1a、1bは動力伝達軸2の周囲に、ラジアルニードル軸受3a、3b及びシンクロ機構4a、4bを介して、この動力伝達軸2と同心に設置している。選択された変速段に対応する歯車1a(又は1b)は、上記シンクロ機構4a(又は4b)により上記動力伝達軸2と結合されて、この動力伝達軸2と同期して回転する様になる。これに対して、当該変速段に対応しない別の歯車1b(又は1a)は、上記動力伝達軸2に対し相対回転自在となる。上記各ラジアルニードル軸受3a、3bは、この様に選択された変速段に対応しない歯車1b(又は1a)と動力伝達軸2との相対回転を許容する為に設けている。
【0003】
従って、選択された変速段に対応する歯車1a(又は1b)と動力伝達軸2との間に設けたラジアルニードル軸受3a(又は3b)を構成する各ニードル5a、5a(又は5b、5b)は、上記歯車1a(又は1b)の内周面である外輪軌道6a(又は6b)と、上記動力伝達軸2の外周面である内輪軌道7a(又は7b)との間で、自転も公転(歯車1a、1b及び動力伝達軸2に対する相対回転)もしない状態となる。但し、この状態でも、運転に伴う振動や、上記歯車1a(又は1b)及び上記動力伝達軸2の回転に伴う負荷圏及び非負荷圏の移動により、上記各ニードル5a、5a(又は5b、5b)が、上記歯車1a(又は1b)及び動力伝達軸2の径方向に細かく変位(振動)する。そして、この様な振動に伴って、上記外輪軌道6a(又は6b)と内輪軌道7a(又は7b)とにフレッチング磨耗を生じる。
【0004】
この様なフレッチング磨耗を防止する為に、図7に示す様に、ラジアルニードル軸受3を構成する各ニードル5、5を保持する為の保持器8を円周方向に関して2個の保持器素子9a、9bに分割する事が、上記特許文献1〜3に記載される等により、従来から知られている。これら両保持器素子9a、9bの周方向長さの合計は、外輪軌道6と内輪軌道7との間に存在して上記各ニードル5、5を配置する環状空間10の周方向長さよりも少し短くしている。この様な構造によれば、この環状空間10のうちの非負荷圏(ラジアル荷重Fが加わるのと反対側部分)に存在する保持器素子9bが、円周方向に若干変位可能になる。この為、動力伝達軸等の回転軸11と、歯車等の外側部材12とが同期して回転する場合にも、上記各ニードル5、5の転動面と上記外輪軌道6及び上記内輪軌道7との接触部が少しずつ移動する為、上記フレッチング磨耗を防止できる。
【0005】
但し、上述の図7に示した構造の場合にも、歯車等の外側部材12に加わる荷重が過大になり、この外側部材12が動力伝達軸等の回転軸11に対して傾斜した場合に、フレッチング磨耗を防止できなくなる可能性がある。特に、歯車等の外側部材12と各ニードル5、5とを軸方向にオフセットした状態で設置する場合、この外側部材12が上記回転軸11に対して傾斜し易くなる。そして、この外側部材12が回転軸11に対して傾斜した場合には、例えば図8、9に示す様に、上記各ニードル5、5のうち、保持器素子9aに保持された図8の上側、図9中に斜格子模様を付したニードル5、5が回転軸11に対して傾斜するだけでなく、保持器素子9bに保持された図8の下側、図9中の黒く塗り潰したニードル5、5も上記回転軸11に対して傾斜する。そして、この様に傾斜したニードル5、5は、その軸方向片端部(図8の上側のニードル5に関しては右端部、図8の下側のニードル5に関しては左端部)外周面が上記回転軸11の外周面に接触し、外輪軌道6と内輪軌道7との間で押さえられた状態となる。この結果、保持器8を構成する1対の保持器素子9a、9bのうち、上述の様な傾斜が発生しなければ円周方向に変位可能であった、非負荷圏に存在する保持器素子9bに関しても、円周方向に変位できなくなり、フレッチング磨耗の防止を図れなくなる可能性がある。
【0006】
又、上記図7に示した構造は、上記保持器8を互いに別体の保持器素子9a、9bにより構成している為、部品管理が面倒であるだけでなく、組み付け性も悪い(所定部分への組み付けが面倒である)。この為に前記特許文献2には、図10に示す様に、潤滑油に対し可溶性を有する係止片13、13により1対の保持器素子9a、9bを仮止めした構造が記載されている。この様な構造は、部品管理及び組み付け性を向上させる面からは効果があるが、上記両保持器素子9a、9bを上記各係止片13、13により仮止めする作業が面倒で、製造コストが嵩む事が避けられない。
【0007】
更に、特許文献3には、図11に示す様に、1対の保持器素子9a、9bを軸方向にオフセットした状態で裂断可能な連結部14、14により連結した、保持器8aに関する発明が記載されている。この様な保持器8aをラジアルニードル軸受に組み付ける際には、図12の(A)→(B)に示す様に、これら各連結部14、14を裂断しつつ、上記両保持器素子9a、9bの軸方向に関する位相を合わせる。この様な従来構造の第3例の場合、上述した従来構造の第2例の様な原因で製造コストが嵩む事はないが、図12の(A)→(B)に示す順番で組み付け作業を行う必要上、当該保持器8aを組み付ける部分の構造が限定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平4−78322号公報
【特許文献2】実開平5−89952号公報
【特許文献3】特開2009−85401号公報
【特許文献4】特開2008−8333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、フレッチング磨耗防止を効果的に行う事ができて、しかも、部品管理性、組み付け作業性が良好で、且つ、低コストで造れて組み付け位置が限定されないラジアルニードル軸受用保持器の構造を実現すべく発明したものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のラジアルニードル軸受用保持器は、合成樹脂を射出成形する事により一体に造られ、合計3個以上の部分円筒状の保持器素子を、互いに隣接する保持器素子同士の円周方向に関する相対変位を可能に連結する事で、1乃至複数の保持器列を構成して成る。
これら各保持器列は、少なくとも2個以上の上記各保持器素子を円周方向に直列に組み合わせる事で全体を円筒状に構成されており、軸方向両端部に配置した互いに同心の1対のリム部の互いに対向する側縁同士の間に複数本の柱部を掛け渡し、これら両リム部と円周方向に隣り合う柱部とにより四周を囲まれる部分を、それぞれニードルを転動自在に保持する為のポケットとしている。
又、上記各保持器列に関して、円周方向に隣り合う上記各保持器素子同士の間に存在する複数の隙間部分のうち、1箇所の隙間部分のみは、当該隙間部分を介して円周方向に隣り合う保持器素子の端縁同士の間に他の構成部分を設けない。言い換えれば、上記1箇所の隙間部分のみには、当該隙間部分を介して円周方向に隣り合う保持器素子の端縁同士を連結する構造を設けない。これに対して、残りの隙間部分には、円周方向に弾性変形自在な周方向弾性連結部を設け、当該隙間部分を介して円周方向に隣り合う保持器素子同士を円周方向に遠近動可能に連結する。
【0011】
上述した本発明を実施する場合に好ましくは、例えば請求項2に記載した発明の様に、ラジアルニードル軸受用保持器を、複列に配置されたニードルを転動自在に保持する為のものとし、一方の列のニードルを保持する為の第一保持器と、他方の列のニードルを保持する為の第二保持器とを、軸方向に並列に連結する事により構成する。
これら第一、第二両保持器はそれぞれ、円周方向に2分割された半円筒状の保持器素子を円周方向に直列に組み合わせる事により、全体を円筒状に構成する。
そして、円周方向に隣り合う保持器素子同士の間に存在する2つの隙間部分のうち、一方の隙間部分には、これら両保持器素子の端縁同士を連結する構造を設けない。これに対して、他方の隙間部分には、円周方向に弾性変形自在な周方向弾性連結部を設け、円周方向に隣り合う保持器素子同士を円周方向に遠近動可能に連結する。
更に、軸方向に隣り合う状態で配置された上記第一保持器を構成する保持器素子と上記第二保持器を構成する保持器素子との間に軸方向弾性連結部を設け、軸方向に隣り合う保持器素子同士を少なくとも円周方向に関して相対変位可能に連結する。
【0012】
或いは、請求項3に記載した発明の様に、ラジアルニードル軸受用保持器を、単列に配置されたニードルを転動自在に保持する為のものとし、3個以上の部分円筒状の保持器素子を円周方向に直列に組み合わせる事により構成する。
この場合に、円周方向に隣り合う上記各保持器素子同士の間に存在する複数の隙間部分のうち、1箇所の隙間部分のみは、当該隙間部分を介して円周方向に隣り合う保持器素子の端縁同士の間に他の構成部分を設けない。これに対して、残りの隙間部分には、円周方向に弾性変形自在な周方向弾性連結部を設け、当該隙間部分を介して円周方向に隣り合う保持器素子同士を円周方向に遠近動可能に連結する。
【発明の効果】
【0013】
上述の様に構成する本発明のラジアルニードル軸受用保持器の場合には、部品管理性、組み付け作業性が良好で、且つ、低コストで造れて組み付け位置が限定されない構造で、フレッチング磨耗防止を効果的に行う事ができる。
即ち、本発明のラジアルニードル軸受用保持器は、合成樹脂を射出成形する事により一体に造れ、3個以上の保持器素子を連結して構成している為、保持器と共にラジアルニードル軸受を構成する他の構成部材と組み合わせる以前の状態であっても、上記各保持器素子が不用意に分離する事はない。この為、これら各保持器素子から成るラジアルニードル軸受用保持器を一体として取り扱う事ができて、部品管理性及び組み付け性の向上を図れる。
又、本発明のラジアルニードル軸受用保持器は、合成樹脂の射出成形により一体に造れる為、前述の図10に示した従来構造の第2例の様に、互いに別体に造られた2つの保持器素子同士を係止片により結合する作業は不要になり、製造作業の容易化によるコスト低減を図れる。
【0014】
又、本発明のラジアルニードル軸受用保持器のうち、円周方向に組み合わされた保持器素子同士は、歯車等の外側部材が動力伝達軸等の回転軸に対して傾斜していない状態で、周方向弾性連結部を弾性変形させると同時に1箇所の隙間部分の幅を拡縮する、或いは、複数の周方向弾性連結部を同時に弾性変形させる事により、円周方向に相対変位可能である。この相対変位に要する力の大きさは、上記周方向弾性連結部を薄肉にする事により小さく抑えられる為、前述の図7で説明した様に、非負荷圏に存在する保持器素子を円周方向に円滑に変位させる事ができて、フレッチング磨耗の防止を効果的に行える。
【0015】
特に本発明の場合には、ラジアルニードル軸受用保持器を合計3個以上の保持器素子から構成している為、歯車等の外側部材が動力伝達軸等の回転軸に対して傾斜した場合にも、円周方向に変位可能となる(円周方向への移動が制限されない)保持器素子を確保し易くなる。
例えば、請求項2に記載した発明の様に、ラジアルニードル軸受用保持器を、第一、第二保持器を軸方向に連結して構成する場合、外側部材が回転軸に対して傾斜した場合にも、これら第一、第二保持器にそれぞれ保持され、軸方向に隣り合う状態で配置された両ニードルが同時には傾斜しにくくなる。この為、軸方向に隣り合う状態で配置された1対の保持器素子のうちの一方の保持器素子は、傾斜しないニードルのみを保持し易くなる。
又、請求項3に記載した発明の様に、ラジアルニードル軸受用保持器を、3個以上の保持器素子を円周方向に連結して構成する場合、半円筒状の2個の保持器素子のみから構成する従来構造の場合に比べて、傾斜しないニードルのみを保持した保持器素子を確保し易くなる。
この結果、本発明によれば、円周方向に変位可能な保持器素子を確保し易くなり、フレッチング磨耗を防止し易くなる。
【0016】
更に、ラジアルニードル軸受への組み付け時に、前述した特許文献3に記載された発明の構造の様に、1対の保持器素子同士を軸方向にずれ動かす必要がないし、しかも、1箇所の隙間の幅を拡張できて、この隙間を通じて保持器の内径側に軸を挿入する事もできる。この為、組み付け位置が限定される事もない。
尚、特許文献4には、合成樹脂製のラジアルニードル軸受用保持器の円周方向の一部に弾性連結部を設ける構造が記載されている。但し、この様な特許文献4に記載された発明の構造は、円周方向に複数に分割された保持器素子同士を、円周方向に関する相対変位を可能に連結する事を意図したものではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す斜視図。
【図2】同じく外側部材が回転軸に対して傾斜した場合に於けるニードルの傾斜状態を、外側部材及び保持器を省略して模式的に且つ誇張して示す断面図。
【図3】同じく各列毎のニードルの傾斜状態を説明する為の模式図。
【図4】本発明の実施の形態の第2例を示す斜視図。
【図5】同じく図3に相当する図。
【図6】本発明の対象となるラジアルニードル軸受の使用部の1例である、自動車用手動変速機の部分断面図。
【図7】フレッチング磨耗防止の為に従来から知られている構造の第1例を示す、ラジアルニードル軸受の、中心軸に対し直交する仮想平面に関する断面図。
【図8】従来構造の第1例に関して、外側部材が回転軸に対して傾斜した場合に於けるニードルの傾斜状態を、外側部材及び保持器を省略して模式的に且つ誇張して示す断面図。
【図9】同じくニードルの傾斜状態を説明する為の模式図。
【図10】同第2例を示す、図7と同様の図。
【図11】同第3例を示す、保持器の斜視図。
【図12】同じく、組み付け途中の状態(A)と、組み付け完了後の状態(B)とを示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[実施の形態の第1例]
図1〜3は、請求項1、2に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例のラジアルニードル軸受用の保持器8bは、複列に配置されたニードル5c、5dを転動自在に保持する為のもので、軸方向に2分割された(軸方向寸法が等しい)、それぞれが円筒状の第一保持器15と第二保持器16とを軸方向に並列に連結して成る。このうちの第一保持器15は、一方の列(図1〜3の左側列)のニードル5c、5cを転動自在に保持し、上記第二保持器16は、他方の列(図1〜3の右側列)のニードル5d、5dを転動自在に保持する。又、本例の保持器8bは、例えば、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、或いはこれらの樹脂に補強用繊維を混入したもの等、一般的な合成樹脂製保持器の場合と同様の合成樹脂を射出成形する事により、一体成形している。尚、上記第一、第二両保持器15、16が、特許請求の範囲の請求項1に記載した保持器列にそれぞれ相当する。
【0019】
上記保持器8bを構成する第一、第二両保持器15、16は、それぞれが半円筒状である(中心角が180度よりも小さい)1対の保持器素子17a、17b、17c、17dを、周方向弾性連結部18a、18bにより、円周方向に相対変位可能に連結して成る。上記各保持器素子17a〜17dはそれぞれ、半円弧状で互いに整合する状態で(円周方向に関する位相を一致させた状態で互いに平行に)配置した1対のリム部素子19、19同士の間に、複数本の柱部20、20aを円周方向に間隔をあけて互いに平行に設けて成る。そして、上記両リム部素子19、19と円周方向に隣り合う柱部20、20aとにより四周を囲まれる部分を、それぞれニードル5c、5dを転動自在に保持する為のポケット21、21としている。
【0020】
上記第一、第二両保持器15、16は、それぞれが上述の様な構成を有する1組ずつの保持器素子17a、17b、17c、17dを互いに組み合わせる事により、全体を円筒状に構成している。即ち、上記第一保持器15に関しては、上記両保持器素子17a、17bを、互いの円周方向端縁同士の間に隙間22a、22bを介在させた状態で、単一円筒面上に配置しており、上記第二保持器16に関しても、上記両保持器素子17c、17dを、互いの円周方向端縁同士の間に隙間22c、22dを介在させた状態で、やはり単一円筒面上に配置している。この状態で、上記第一、第二両保持器15、16に関して、上記各保持器素子17a〜17dを構成するリム部素子19、19が、それぞれが欠円環状である1対のリム部を構成する。又、上記第一保持器15に関する両隙間22a、22b部分のうち、一方(図1の左方)の隙間22aに関しては、単なる隙間としている。同様に、上記第二保持器16に関する両隙間22c、22d部分のうち、一方(図1の左方)の隙間22cに関しては、単なる隙間としている。即ち、上記第一保持器15を構成する両保持器素子17a、17bの片端縁同士の間部分、及び、上記第二保持器16を構成する両保持器素子17c、17dの片端縁同士の間部分には、次述する周方向弾性連結部18a、18b等、他の構成部分を設けず、ニードルも設けない。従って、上記隙間22a、22cの円周方向に関する幅Wa1、Wa2は、それぞれ自由に拡縮可能である。
【0021】
これに対して、上記第一保持器15に関する他方(図1の右方)の隙間22b部分、及び、上記第二保持器16に関する他方(図1の右方)の隙間22d部分には、周方向弾性連結部18a、18bをそれぞれ設けて、上記第一保持器15を構成する保持器素子17a、17b同士、並びに、上記第二保持器16を構成する保持器素子17c、17d同士を、円周方向に遠近動可能に連結している。上記各周方向弾性連結部18a、18bは、円周方向に弾性変形自在であり、隣同士で傾斜方向が互いに異なる複数(図示の例では3本)の傾斜片23a、23b、23cの端部同士を連結する事で、稲妻形若しくは略「Z」字形に形成している。又、円周方向に関して両端に位置する傾斜片23a、23cの他方の端部を、上記各保持器素子17a〜17dを構成する上記各柱部20、20aのうち、円周方向端部に位置する柱部20a、20aの円周方向外側縁(ポケット21と反対側の側縁)に連結している。この様な周方向弾性連結部18a、18bは、上記保持器素子17a、17b同士並びに上記保持器素子17c、17d同士を、それぞれ非分離に連結して、上記第一保持器15及び上記第二保持器16をそれぞれ一体として取り扱える様にする。但し、上記各周方向弾性連結部18a、18bの円周方向に関する剛性は低い。従って、上記隙間22bの円周方向に関する幅Wb1、及び、上記隙間22dの円周方向に関する幅Wb2は、上記保持器素子17a、17b同士或いは上記保持器素子17c、17d同士にそれぞれ作用する、遠近動させる方向の力が小さくても、ほぼ自由に拡縮する。
【0022】
又、本例の場合には、上記第一、第二両保持器15、16を構成する保持器素子17a〜17dのうち、軸方向に隣り合う状態で配置された、保持器素子17a、17c同士並びに保持器素子17b、17d同士の間に、軸方向弾性連結部24a、24bをそれぞれ設けている。これにより、上記保持器素子17a、17c同士及び上記保持器素子17b、17d同士を、それぞれ円周方向及び軸方向に関して相対変位可能に連結している。又、上記各軸方向弾性連結部24a、24bは、隣同士で傾斜方向が互いに異なる複数(図示の例では2本)の傾斜片25a、25bの端部同士を連結する事で、径方向から見た形状を略「V」字形に形成している。又、上記各傾斜片25a、25bの他方の端部は、上記各保持器素子17a〜17dを構成するリム部素子19、19の軸方向外側縁(ポケット21と反対側の側縁)に連結している。この様な軸方向弾性連結部24a、24bは、上記保持器素子17a、17c同士並びに上記保持器素子17b、17d同士をそれぞれ非分離に連結して、上記第一保持器15と上記第二保持器16とを(保持器8bを)一体として取り扱える様にする。但し、上記各軸方向弾性連結部24a、24bに関しても、円周方向に関する剛性は低い。従って、上記保持器素子17a、17c同士及び上記保持器素子17b、17d同士は、それぞれほぼ自由に、円周方向に関して相対変位可能である。
【0023】
以上の様に構成する本例のラジアルニードル軸受用の保持器8bの場合には、上記第一保持器15を構成する両保持器素子17a、17bの円周方向他端縁同士、並びに、上記第二保持器16を構成する両保持器素子17c、17dの円周方向他端縁同士を、それぞれ周方向弾性連結部18a、18bにより、それぞれ円周方向に連結している。又、上記第一、第二両保持器15、16のうち、軸方向に隣り合う状態で配置された上記両保持器素子17a、17cの軸方向片端縁同士並びに上記両保持器素子17b、17dの軸方向片端縁同士を、軸方向弾性連結部24a、24bにより、それぞれ軸方向に連結している。この為、図7に示した様な、回転軸11の外周面に設けた内輪軌道7と外側部材12の内周面に設けた外輪軌道6との間の環状空間10部分に組み付ける等、ラジアルニードル軸受の他の構成部材と組み合わせる以前の状態であっても、上記各保持器素子17a〜17dが不用意に分離する事はない。即ち、前述の図7に示した構造の様な1対の保持器素子9a、9b同士が完全に分離した保持器8を複列に配置する場合の様に、上記各保持器素子17a〜17dをそれぞれ互いに独立した部品として管理する必要がない。又、組み付け時にこれら各保持器素子17a〜17dを上記回転軸11の周囲に配置してからこれら各保持器素子17a〜17dの周囲に外側部材12を配置するまでの間、これら各保持器素子17a〜17dが上記回転軸11の周囲から脱落しない様に、抑えておく必要もない。この様に本例の構造によれば、上記各保持器素子17a〜17d(保持器8b)を一体に取り扱う事ができて、部品管理性及び組み付け性の向上を図れる。
【0024】
又、本例の保持器8bは、合成樹脂の射出成形により一体に造れる。即ち、前述の図10に示した従来構造の第2例の様に、互いに別体に造られた保持器素子9a、9b同士を係止片13、13により結合する作業は不要になる。本例の場合、上記各周方向弾性連結部18a、18b及び軸方向弾性連結部24a、24bは、剛性を低く抑える為、断面積を小さくしなければならず、必ずしも合成樹脂が行き渡り易い構造ではない。但し、前記各リム部素子19、19のうちの円周方向複数個所ずつに加えて、前記各傾斜片23a〜23c同士の連結部及び前記各傾斜片25a、25b同士の連結部に、溶融樹脂を送り込む為のゲートを設置する等の対応策により、上記保持器8bを合成樹脂により一体成形により造った場合に、上記各周方向弾性連結部18a、18b及び上記各軸方向弾性連結部24a、24bに関しても、合成樹脂を十分に行き渡らせる事が可能になる。この為、必要とする性能を確保しつつ、製造作業の容易化によるコスト低減を図れる。
【0025】
又、前述の図7に示した場合の様に、外側部材12が回転軸11に対して傾斜していない状態では、上記両周方向弾性連結部18a、18bを弾性変形させて、前記両周方向他端縁同士の間の隙間22b、22dの幅Wb1、Wb2を拡縮すると同時に、前記両周方向片端縁同士の間の隙間22a、22cの幅Wa1、Wa2を拡縮する事で、上記第一保持器15を構成する保持器素子17a、17b同士、並びに、上記第二保持器16を構成する保持器素子17c、17d同士を円周方向に相対変位させる事ができる。この相対変位に要する力の大きさは、上記各周方向弾性連結部18a、18bを薄肉にする事により小さく抑えられる為、前述の図7で説明した場合と同様に、非負荷圏に存在する保持器素子17b、17d(又は17a、17c)を円周方向に円滑に(小さな力で)変位させる事ができる。即ち、これら各保持器素子17a〜17dのうち、非負荷圏に存在し、そのポケット21、21内に保持した各ニードル5c、5dが外輪軌道6と内輪軌道7との間で押さえられていない保持器素子17b、17d(又は17a、17c)は、上記各周方向弾性連結部18a、18bを弾性変形させつつ、円周方向に変位する。この様な変位は、回転軸11と外側部材12とが同期して回転しつつ、負荷圏と非負荷圏とが順次入れ替わるのに伴って繰り返し行われ、これに伴って、上記各ニードル5c、5dの転動面と上記外輪軌道6及び内輪軌道7との対向部分が少しずつずれる。この結果、これら各ニードル5c、5dの転動面が、上記外輪軌道6及び内輪軌道7の同じ位置に衝突し続ける事がなくなって、これら両軌道6、7がフレッチング磨耗する事を効果的に防止できる。尚、この様な変位が行われる際に、非負荷圏に存在する上記保持器素子17b、17d(又は17a、17c)同士が、前記各軸方向弾性連結部24b(又は24a)を弾性変形させつつ、円周方向に関して相対変位する事が考えられるが、この相対変位に要する力は小さく済む為、非負荷圏に存在する上記保持器素子17b、17d(又は17a、17c)を円周方向に円滑に(小さな力で)変位させる事ができる。
【0026】
特に、本例の場合には、前述の図8、9に示した場合の様に、外側部材12に加わる荷重が過大になり、この外側部材12が回転軸11に対して傾斜した場合にも、円周方向に変位可能となる(円周方向への移動が制限されない)保持器素子を確保し易くなる。即ち、本例の場合には、上記外側部材12が上記回転軸11に対して傾斜した場合にも、図2、3に示す様に、軸方向に隣り合う状態で配置された両列のニードル5c、5dのうち、上記各保持器素子17a、17cにそれぞれ保持された上半部に位置するニードル5c、5dに関しては、保持器素子17cに保持された他方の列(図2、3の右側列)の一部のニードル5d、5d(図3中に斜格子模様を付したニードル5d、5d)のみが傾斜し、保持器素子17aに保持された一方の列(図2、3の左側列)のニードル5c、5cは傾斜せずに済む。反対に、上記各保持器素子17b、17dにそれぞれ保持された下半部に位置するニードル5c、5dに関しては、保持器素子17bに保持された一方の列の一部のニードル5c、5c(図3中の黒く塗り潰したニードル5c、5c)のみが傾斜し、保持器素子17dに保持された他方の列のニードル5d、5dは傾斜せずに済む。この為、本例の場合には、各列毎に図2、3の上半部或いは下半部に、外輪軌道6と内輪軌道7との間で挟持されない状態のニードル5c、5d(図3中の白抜きのニードル)を確保できる。この結果、本例の場合には、上記各保持器素子17a、17d(又は17b、17c)が円周方向に変位可能になる。そして、この様な保持器素子17a、17d(又は17b、17c)の円周方向の変位は、上記各周方向弾性連結部18a、18b及び上記各軸方向弾性連結部24a、24bをそれぞれ弾性変形させる事により行う。この様な変位に要する力は、上述した通り小さく済むと共に、この様な変位は、上記回転軸11と上記外側部材12とが同期して回転するのに伴って繰り返し行われ、これに伴って、上記各ニードル5c、5dの転動面と上記外輪軌道6及び内輪軌道7との対向部分が少しずつずれる。この結果、これら各ニードル5c、5dの転動面が、上記外輪軌道6及び内輪軌道7の同じ位置に衝突し続ける事がなくなって、これら両軌道6、7がフレッチング磨耗する事を効果的に防止できる。
【0027】
更に、本例の場合には、上記各保持器素子17a〜17dをラジアルニードル軸受に組み込んで前記保持器8bとする際に、前述の図11〜12に示した従来構造とは異なり、上記各保持器素子17a〜17dを軸方向に相対変位させる必要はない。又、円周方向片端縁同士の隙間22a、22cの円周方向に関する幅Wa1、Wa2は、上記各周方向弾性連結部18a、18bを弾性変形させる事により相当程度にまで拡大可能であり、上記各隙間22a、22cを通じて上記保持器8bの内径側に、上記回転軸11を挿入可能である。従って、上記各保持器素子17a〜17dから成る、上記保持器8bの組み付け位置が限定される事もない。
【0028】
[実施の形態の第2例]
図4〜5は、請求項1、3に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の保持器8cは、単列に配置されたニードル5、5を転動自在に保持する為のもので、円周方向にほぼ均等に4分割された(中心角が90度よりも小さい)合計4個の保持器素子26a〜26dを円周方向に直列に組み合わせる事で、全体を円筒状に構成している。又、これら各保持器素子26a〜26dは、互いの円周方向端縁同士の間に隙間27a〜27dを介在させた状態で、単一円筒面上に配置されている。そして、これら各隙間27a〜27dのうち、1つ(図4、5の左方)の隙間27aに関しては、単なる隙間としている。これに対して、残り3つの隙間27b〜27dには、それぞれ周方向弾性連結部28、28を設け、これら各周方向弾性連結部28、28の円周方向両側に配置された保持器素子26a〜26d同士を、それぞれ非分離に且つ円周方向に遠近動可能に連結している。
【0029】
上記各周方向弾性連結部28、28は、上記各保持器素子26a〜26dの幅方向中央部に関して対称形で、それぞれ、径方向から見た形状が略「レ」字形若しくは「V」字形である。又、この方向から見た寸法が小さい(薄肉である)。従って、円周方向に関する剛性が低い。但し、それぞれが略「レ」字形若しくは「V」字形である1対の周方向弾性連結部28、28を対称に配置した事により、軸方向に関する剛性が、上述した実施の形態の第1例の場合の周方向弾性連結部18a、18bよりも大きい。
【0030】
特に、本例の場合には、前述の図8、9に示した場合の様に、外側部材12に加わる荷重が過大になり、この外側部材12が回転軸11に対して傾斜した場合にも、半円筒状の2個の保持器素子9a、9bから構成する従来構造の場合に比べて、円周方向に変位可能となる(円周方向への移動が制限されない)保持器素子を確保し易くなる。例えば、本例の構造で、上記図9に示した場合と同様にニードル5、5が傾斜した場合にも、図5に示す様に、上記各保持器素子26a〜26dのうちの保持器素子26aは、傾斜しないニードル5、5(図5中の白抜きのニードル)のみを保持した状態となり、円周方向に変位可能となる。この様な保持器素子26aの円周方向の変位は、円周方向に隣接して設けられた保持器素子26bとの間に存在する上記周方向弾性連結部28を弾性変形させると同時に、単なる隙間である隙間27a部分の幅を拡縮する事により行う。この様な変位に要する力は、上記周方向弾性連結部28の円周方向に関する剛性が低い事から小さくて済む。又、この様な変位可能な保持器素子26aは、回転軸11と外側部材12とが同期して回転するのに伴って、保持器素子26a→保持器素子26b(又は26d)→保持器素子26c→保持器素子26d(又は26b)の順に入れ替わり、上記各ニードル5、5の転動面と外輪軌道6及び内輪軌道7との対向部分が少しずつずれる。この結果、これら各ニードル5、5の転動面が、上記外輪軌道6及び内輪軌道7の同じ位置に衝突し続ける事がなくなって、これら両軌道6、7がフレッチング磨耗する事を効果的に防止できる。
【0031】
尚、上記各保持器素子26a〜26dのうち、円周方向両側に周方向弾性連結部28、28が配置された保持器素子26b(又は26c)を円周方向に変位させる場合には、これら両周方向弾性連結部28、28を円周方向に同時に弾性変形させる(一方の周方向弾性連結部28を拡げ、他方の周方向弾性連結部28を縮める)。これに対して、上記隙間27aと周方向弾性連結部28との間に配置された上記保持器素子26a(又は26d)を円周方向に変位させる場合には、この周方向弾性連結部28を弾性変形させれば足りる。
その他の構成及び作用効果に就いては、上述した実施の形態の第1例の場合とほぼ同様である。
【産業上の利用可能性】
【0032】
実施の形態の第1例では、第一保持器15と第二保持器16とを、2つの軸方向弾性連結部24a、24bにより連結した構造を示したが、これら2つの軸方向弾性連結部24a、24bのうち、1つの軸方向弾性連結部24a(又は24b)は省略しても良い。又、本発明を実施する場合に、周方向弾性連結部及び軸方向弾性連結部は、図示の構造に限定されない。即ち、周方向弾性連結部は、円周方向に弾性変形自在であれば、種々の構造を採用できるし、軸方向弾性連結部に就いても、軸方向に隣接して設けられた保持器素子同士を円周方向に相対変位可能に連結できるものであれば、種々の構造を採用できる。又、複数の保持器素子を円周方向に直列に組み合わせる事により、本発明のラジアルニードル軸受用保持器を構成する場合、実施の形態の第2例の場合の様に、総ての保持器素子を同形状(中心角及びポケット数を同じ)とすれば、円周方向に変位可能となる保持器素子が限定されにくくなり、フレッチング磨耗防止の面から有利になると共に、加工性に優れ、加工コストの上昇を抑えられる。但し、本発明を実施する場合に、複数の保持器素子は同形状としなくても良い。又、本発明のラジアルニードル軸受用保持器を構成する保持器素子の数に就いては、使用条件(傾斜が生じるニードルの範囲等)に応じて適宜設計的に定める事ができる。
【符号の説明】
【0033】
1a、1b、1c 歯車
2 動力伝達軸
3、3a、3b ラジアルニードル軸受
4a、4b シンクロ機構
5、5a〜5d ニードル
6、6a、6b 外輪軌道
7、7a、7b 内輪軌道
8、8a、8b、8c 保持器
9a、9b 保持器素子
10 環状空間
11 回転軸
12 外側部材
13 係止片
14 連結部
15 第一保持器
16 第二保持器
17a〜17d 保持器素子
18a、18b 周方向弾性連結部
19 リム部素子
20、20a 柱部
21 ポケット
22a〜22d 隙間
23a〜23c 傾斜片
24a、24b 軸方向弾性連結部
25a、25b 傾斜片
26a〜26d 保持器素子
27a〜27d 隙間
28 周方向弾性連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂を射出成形する事により一体に造られ、合計3個以上の部分円筒状の保持器素子を、互いに隣接する保持器素子同士の円周方向に関する相対変位を可能に連結する事で、1乃至複数の保持器列を構成して成り、これら各保持器列は、少なくとも2個以上の上記各保持器素子を円周方向に直列に組み合わせる事で全体を円筒状に構成されており、軸方向両端部に配置した互いに同心の1対のリム部の互いに対向する側縁同士の間に複数本の柱部を掛け渡し、これら両リム部と円周方向に隣り合う柱部とにより四周を囲まれる部分を、それぞれニードルを転動自在に保持する為のポケットとしており、上記各保持器列に関して、円周方向に隣り合う上記各保持器素子同士の間に存在する複数の隙間部分のうち、1箇所の隙間部分のみは、当該隙間部分を介して円周方向に隣り合う保持器素子の端縁同士の間に他の構成部分を設けず、残りの隙間部分には、円周方向に弾性変形自在な周方向弾性連結部を設け、当該隙間部分を介して円周方向に隣り合う保持器素子同士を円周方向に遠近動可能に連結している事を特徴とするラジアルニードル軸受用保持器。
【請求項2】
ラジアルニードル軸受用保持器が、複列に配置されたニードルを転動自在に保持する為のもので、一方の列のニードルを保持する為の第一保持器と他方の列のニードルを保持する為の第二保持器とを軸方向に並列に連結して成り、これら第一、第二両保持器はそれぞれ、円周方向に2分割された半円筒状の保持器素子を円周方向に直列に組み合わせる事により全体を円筒状に構成しており、円周方向に隣り合う保持器素子同士の間に存在する2つの隙間部分のうち、一方の隙間部分には、これら両保持器素子の端縁同士を連結する構造を設けず、他方の隙間部分には、円周方向に弾性変形自在な周方向弾性連結部を設け、円周方向に隣り合う保持器素子同士を円周方向に遠近動可能に連結しており、軸方向に隣り合う状態で配置された上記第一保持器を構成する保持器素子と上記第二保持器を構成する保持器素子との間に軸方向弾性連結部を設け、軸方向に隣り合う保持器素子同士を少なくとも円周方向に関して相対変位可能に連結している、請求項1に記載したラジアルニードル軸受用保持器。
【請求項3】
ラジアルニードル軸受用保持器が、単列に配置されたニードルを転動自在に保持する為のもので、3個以上の部分円筒状の保持器素子を円周方向に直列に組み合わせる事により構成されている、請求項1に記載したラジアルニードル軸受用保持器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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