説明

ラジアントチューブバーナ

【課題】 ラジアントチューブバーナにおいて、燃焼排ガス中のNOx量を大幅に低減させると共に、燃焼筒の寿命が低下するのを抑制する。
【解決手段】 燃焼用空気を案内するラジアントチューブ10の内部に設けた燃料ガス供給管20の先端における直進噴出口21から直進方向に噴出させた燃料ガスと燃焼用空気とを燃焼筒30内で混合させて燃焼させるラジアントチューブバーナにおいて、直進噴出口より後方における燃料ガス供給管の先端部に燃料ガスを放射方向に噴出させる放射噴出口22を設け、この放射噴出口の後方近傍における燃料ガス供給管の外周に抑止板23を設けると共に、この抑止板よりも後方の位置における燃料ガス供給管に燃料ガスを放射方向に噴出させる一次噴出口25を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はラジアントチューブバーナに係り、特に、燃焼用空気を案内するラジアントチューブの内部に燃料ガスを供給する燃料ガス供給管が設けられ、この燃料ガス供給管の先端にガスを直進方向に噴出させる直進噴出口が設けられると共に、この燃料ガス供給管の先端側に上記の直進噴出口から噴出された燃料ガスと燃焼用空気とを混合させて燃焼させる燃焼筒が設けられたラジアントチューブバーナに関するものである。
【0002】
本発明の特徴は、上記のラジアントチューブバーナおいて、簡単な構成によって燃焼排ガス中におけるNOxの量を大きく低減できるようにすると共に、上記の燃焼筒の温度が上昇して寿命が低下するのを抑制する点にある。なお、上記の燃焼排ガス中におけるNOxは、特に断らない限り、燃料ガス中の窒素分(N)が酸化されて発生するNOx(フューエルNOx)と、燃料空気中に含まれている窒素(N)と酸素(O)とが高温状態で反応して生成するNOx(サーマルNOx)との両方を含んだものを意味する。
【背景技術】
【0003】
従来から様々な種類のラジアントチューブバーナが使用されており、近年においては、環境保護の点から、ラジアントチューブバーナにより燃料ガスの燃焼させた場合において、燃焼後の燃焼排ガス中に含有されるNOxの量を少なくする方法が検討されている。
【0004】
そして、燃焼排ガス中に含有されるNOxの量を少なくするため、従来においては、特許文献1,2において、ラジアントチューブ内に、燃焼用空気を供給する燃焼用空気供給管を設けると共に、この燃焼用空気供給管の内部に燃料ガスを供給する燃料ガス供給管を設けたラジアントチューブバーナが示されている。
【0005】
ここで、このラジアントチューブバーナにおいては、燃焼用空気供給管内を通して供給される一次燃焼用空気と上記の燃料ガス供給管を通して供給される燃料ガスとを燃料ガスが過剰な状態で、燃焼筒内で混合させて不完全燃焼させた後、上記の燃焼用空気供給管の外側を通して供給される二次燃焼用空気を混合させて完全燃焼させるようにしている。そして、このように2段階で燃焼させると、火炎温度が高くなるのが抑制されて、燃焼排ガス中におけるNOxの量を低減されるようになる。
【0006】
しかし、このようにラジアントチューブ内に燃焼用空気を供給する燃焼用空気供給管を別に設ける場合、その製造コストが高くつくと共に、燃焼をさらに多段階で行って燃焼排ガス中におけるNOxの量をさらに低減させることが非常に困難になるという問題があった。
【0007】
また、従来においては、特許文献3,4において、燃料ガスを供給する燃料ガス供給管の先端側に燃焼筒を設け、この燃焼筒の先端部をテーパー状に収縮させると共にこの燃焼筒に複数の穴を設けたラジアントチューブバーナが示されている。
【0008】
そして、このラジアントチューブバーナにおいては、ラジアントチューブ内を通して燃焼筒内に供給される一次燃焼用空気と上記の燃料ガス供給管を通して供給される燃料ガスとを、燃料ガスが過剰な状態でこの燃焼筒内で混合させ、このように混合されたガスの一部をこの燃焼筒のテーパー状に収縮された先端部に導いて燃焼させる一方、上記のテーパー状に収縮された先端部に導かれない余剰のガスを上記の穴を通して燃焼筒の外周側に導き、この燃焼筒の外周側に導かれた二次燃焼用空気と混合させて燃焼させるようにしている。
【0009】
しかし、上記のラジアントチューブバーナのように、燃焼筒の先端部をテーパー状に収縮させると共にこの燃焼筒に複数の穴を設ける作業は面倒で、燃焼筒の製造コストが高くつくという問題があった。また、上記のように先端部に導かれない余剰のガスを燃焼筒の外周側に導いて、二次燃焼用空気と混合させて燃焼されると、燃焼筒の温度が大きく上昇して、燃焼筒の寿命が短くなるという問題もあった。
【特許文献1】特開昭63−116011号公報
【特許文献2】特開平11−201417号公報
【特許文献3】特開平6−257737号公報
【特許文献4】特開2000−146118号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、従来のラジアントチューブバーナにおける上記のような様々な問題を解決することを課題とするものである。
【0011】
すなわち、本発明は、簡単な構成によって燃焼排ガス中におけるNOxの量を大きく低減できるようにすると共に、燃焼筒の温度が上昇して寿命が低下するのを抑制することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明においては、上記のような課題を解決するため、燃焼用空気を案内するラジアントチューブの内部に燃料ガスを供給する燃料ガス供給管が設けられ、この燃料ガス供給管の先端に燃料ガスを直進方向に噴出させる直進噴出口が設けられると共に、この燃料ガス供給管の先端側に上記の直進噴出口から噴出された燃料ガスと燃焼用空気とを混合させて燃焼させる燃焼筒が設けられたラジアントチューブバーナにおいて、上記の直進噴出口より後方における燃料ガス供給管の先端部に燃料ガスを放射方向に噴出させる放射噴出口を設け、この放射噴出口の後方近傍における燃料ガス供給管の外周に抑止板を設けると共に、この抑止板よりも後方の位置における燃料ガス供給管に燃料ガスを放射方向に噴出させる一次噴出口を設けた。
【0013】
ここで、上記のラジアントチューブバーナにおいて、燃料ガス供給管に設けられた上記の一次噴出口から燃料ガスを放射方向に噴出させるにあたっては、この一次噴出口から噴出された燃料ガスが適切に燃焼されて炉内に導かれるようにするため、この一次噴出口から放射方向に噴出される燃料ガスを前方に傾斜するようにして噴出させることが好ましい。
【0014】
また、燃焼排ガス中におけるNOxの量を低減させると共に、燃焼筒の温度が大きく上昇するのを防止するためには、この一次噴出口から噴出させる燃料ガスの量を全燃料ガスの5〜30vol%の範囲にすることが好ましい。
【0015】
また、上記のラジアントチューブバーナにおいて、上記の放射噴出口と一次噴出口とから噴出された燃料ガスの燃焼がラジアントチューブの内部において均一に行われるようにするためには、燃料ガス供給管に放射噴出口と一次噴出口とをそれぞれ複数個設けると共に、放射噴出口と一次噴出口との周方向の位置を異ならせることが好ましい。
【0016】
また、本発明のラジアントチューブバーナにおいては、従来のように燃焼筒内において混合させた燃料ガスと燃焼用空気とを燃焼筒の外周側に導く必要がないため、従来のように燃焼筒の先端部をテーパー状に収縮させたり、この燃焼筒に複数の穴を設けたりする必要がなく、燃焼筒を略一定径の筒状に形成することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明におけるラジアントチューブバーナにおいては、ラジアントチューブ内に導かれた燃焼用空気が上記の燃料ガス供給管に設けられた一次噴出口から噴出された燃料ガスと混合されて燃焼し、上記の燃焼用空気における酸素濃度が低下する。そして、このように酸素濃度が低下した燃焼用空気が抑止板を超えて燃料ガス供給管の先端の外周側に導かれ、燃料ガス供給管に設けられた上記の放射噴出口から噴出された燃料ガスと混合されて燃焼筒の外周側で燃焼し、さらに酸素濃度が低下した燃焼用空気が燃焼筒の先端側に導かれるようになる。次いで、上記の燃焼筒内に導入される燃焼用空気が少ない状態で、この燃焼筒内に燃料ガス供給管の先端に設けられた直進噴出口から燃料ガスが導入され、燃料ガスが不完全燃焼の状態でこの燃焼筒の先端に導かれ、この燃料ガスが燃焼筒の外周側から導かれた燃焼用空気と混合されて燃焼されるようになる。
【0018】
このように、本発明におけるラジアントチューブバーナにおいては、一次噴出口から噴出された燃料ガスと、放射噴出口から噴出された燃料ガスと、直進噴出口から噴出された燃料ガスとを3段階で燃焼させるようにしたため、従来のラジアントチューブバーナに比べて、火炎温度が高くなるのが一層抑制され、燃焼排ガス中におけるNOxの量がさらに低減される。また、燃焼筒の外周側において燃焼させる燃料ガスの量を調整して、燃焼筒の温度が上昇するのを抑制することもでき、燃焼筒の寿命を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、この発明の実施形態に係るラジアントチューブバーナを添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、この発明に係るラジアントチューブバーナは下記の実施形態に示したものに限定されず、発明の要旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施できるものである。
【0020】
この実施形態におけるラジアントチューブバーナにおいては、図1に示すように、ラジアントチューブ10の後部側に燃焼用空気をラジアントチューブ10内に供給する燃焼用空気供給口11が設けられると共に、このラジアントチューブ10の中心部に燃料ガスを供給する燃料ガス供給管20が設けられている。
【0021】
そして、上記の燃料ガス供給管20の先端に燃料ガスを直進方向に噴出させる直進噴出口21が設けられると共に、この直進噴出口21より後方における燃料ガス供給管20の先端部に燃料ガスを放射方向に噴出させる放射噴出口22が複数設けられている。なお、上記の放射噴出口22から放射方向に噴出させる燃料ガスを、放射方向に対して前後方向に適当な角度傾斜させて噴出させるようにすることも可能である。
【0022】
また、この放射噴出口22の後方近傍における燃料ガス供給管20の外周に、燃焼用空気が放射噴出口22に直接導かれるのを抑止する抑止板23が設けられると共に、スパークプラグ又はパイロットバーナ等の着火手段12が、この抑止板23から前方に突出して上記の放射噴出口22の近傍に位置するように設けられている。なお、上記の抑止板23に穴(図示せず)を設け、少量の燃焼用空気を導くようにすることも可能である。
【0023】
さらに、上記の抑止板23よりも後方の位置における燃料ガス供給管20に、若干径大になった膨出部24が設けられ、この膨出部24に燃料ガスを放射方向において前方に傾斜して噴出させる一次噴出口25が複数設けられている。この結果、燃料ガスが一次噴出口25に沿って適切に噴出されるようになる。
【0024】
なお、この実施形態においては、上記のように一次噴出口25から噴出された燃料ガスを適切に前方に送るために、一次噴出口25を放射方向において前方に傾斜させるようにしたが、必ずしも前方に傾斜させて噴出させる必要はなく、後方に傾斜させて噴出させるようにすることも可能である。また、上記のような膨出部24を設けずに、燃料ガス供給管20に直接一次噴出口25を設けるようにすることも可能である。
【0025】
また、この実施形態におけるラジアントチューブバーナにおいては、図1及び図2に示すように、上記の燃料ガス供給管20の先端側に、上記の直進噴出口21から噴出された燃料ガスが導入される円筒状になった燃焼筒30を、上記の抑止板23から先端側に延出された複数の取付部材26によって保持させて、抑止板23とこの燃焼筒30との間に十分な空間部を設けるようにしている。なお、この実施形態においては、抑止板23から延出された3本のフラットバーからなる取付部材26によって燃焼筒30を保持させるようにしたが、燃焼筒30を保持させる取付部材26の数や種類は特に限定されず、他の形態のものであってもよい。
【0026】
なお、この実施形態においては、上記の燃焼筒30として、略一定径の円筒状になったものを用いている。
【0027】
そして、上記のように構成されたラジアントチューブバーナを加熱炉1内に突出させるようにして、このラジアントチューブバーナを加熱炉1の壁面1aに取り付けている。
【0028】
ここで、上記のラジアントチューブバーナにおいて燃料ガスを燃焼用空気と混合させて燃焼させるにあたっては、上記の燃焼用空気供給口11を通して燃焼用空気をラジアントチューブ10内に導入させると共に、上記の燃料ガス供給管20を通して導かれた燃料ガスを上記の一次噴出口25と放射噴出口22と直進噴出口21とからラジアントチューブ10内に噴出させて、この燃料ガスを上記の燃焼用空気と混合させる。そして、放射噴出口22の近傍に設けられた上記の着火手段12により着火させて燃焼させる。
【0029】
ここで、上記の燃料ガスを燃焼用空気と混合させて燃焼させる当初は、このラジアントチューブ10内の温度が低いが、上記のように燃焼させてラジアントチューブ10内の温度が上昇すると、上記の一次噴出口25から噴出された燃料ガスと燃焼用空気とが混合された位置において燃焼が行われ、上記の燃焼用空気における酸素濃度が低下する。
【0030】
そして、このように酸素濃度が低下した燃焼用空気が上記の抑止板23を超えて燃料ガス供給管20の先端の外周側に導かれ、この燃料ガス供給管20の先端部に設けられた上記の放射噴出口22から噴出された燃料ガスと混合されて燃焼筒30の外周側で燃焼され、さらに酸素濃度が低下した燃焼用空気が燃焼筒30の先端側に導かれる。
【0031】
一方、上記の燃焼筒30においては、上記の抑止板23により燃焼用空気が抑止されて、この燃焼筒30内に導入される燃焼用空気が少なくなる。そして、このように燃焼用空気が少ない状態で、この燃焼筒30内に燃料ガス供給管20の先端に設けられた直進噴出口21から燃料ガスが導入されて、燃料ガスが不完全燃焼の状態で燃焼筒30の先端に導かれ、この不完全燃焼の状態の燃料ガスが燃焼筒30の外周側から導かれた上記の燃焼用空気と混合されて燃焼される。
【0032】
そして、このように燃料ガスが3段階で燃焼される結果、火炎温度が高くなるのが抑制され、燃焼排ガス中におけるNOxの量が低減される。
【0033】
ここで、上記の実施形態におけるラジアントチューブバーナにおいて、燃料ガス供給管20に設ける放射噴出口22や一次噴出口25の数やその周方向の位置については特に限定されない。例えば、燃料ガス供給管20に放射噴出口22と一次噴出口25とをそれぞれ3個設ける場合、図3に示すように、燃料ガス供給管20の周方向における放射噴出口22と一次噴出口25との位置を異ならせることが好ましい。すなわち、このように燃料ガス供給管20の周方向における放射噴出口22と一次噴出口25との位置を異ならせると、一次噴出口25から噴出された燃料ガスが燃焼される周方向の位置と、放射噴出口22から噴出された燃料ガスが燃焼される周方向の位置とが異なり、周方向の広い位置で燃焼が行われて、ラジアントチューブ10の内部の周方向における温度の格差が少なくなる。この結果、ラジアントチューブ10内の一部の温度が大きく上昇してNOxの発生量が増加したり、燃焼筒30が劣化したりするのが防止される。
【0034】
また、上記のように燃料ガス供給管20に設けられた一次噴出口25と放射噴出口22と直進噴出口21とから燃料ガスを噴出させるにあたり、一次噴出口25や放射噴出口22から噴出させる燃料ガスの割合が多くなりすぎると、燃焼筒30の温度が高くなりすぎて、燃焼筒30が劣化しやすくなる。一方、一次噴出口25や放射噴出口22から噴出させる燃料ガスが少なく、多くの燃料ガスが直進噴出口21から噴出されて燃焼筒30の先端において燃焼されるようになると、この燃焼による火炎温度が非常に高くなって、NOxが発生しやすくなる。
【0035】
このため、上記の一次噴出口25から噴出させる燃料ガスの全燃料ガスに対する体積比率を5〜30vol%の範囲、放射噴出口22から噴出させる燃料ガスの全燃料ガスに対する体積比率を5〜30vol%の範囲に調整して、その残りを上記の直進噴出口21から噴出させることが好ましい。
【0036】
ここで、上記のラジアントチューブバーナにおいて、燃料ガスとして、水素が50Vol%,メタンが20Vol%の割合で含まれる模擬COG(コークスガス)を用い、燃焼容量137000kcal/h,炉内温度約940℃,空気比1.15の条件で、上記の放射噴出口22から噴出させる燃料ガスの体積比率を17.5vol%にし、上記の一次噴出口25と直進噴出口21とから噴出させる燃料ガスの体積比率を変更させて燃焼させる実験を行った。なお、上記の模擬COGには窒素分が含まれていないため、前記のフューエルNOxの生成量は0vol%である。このため、この実験において生成されるNOxの量は、燃焼により発生したサーマルNOxの量である。
【0037】
そして、上記の一次噴出口25から噴出させる燃料ガスの体積比率の変化に伴う燃焼排ガス中におけるNOxの濃度変化及び燃焼筒の温度変化を調べ、その結果を図4に示した。なお、図4においては、NOxの濃度変化を実線で、燃焼筒の温度変化を破線で示した。また、燃焼排ガス中におけるNOxの濃度については、酸素濃度を11vol%になるように換算した値で示した。
【0038】
この結果、一次噴出口25から噴出させる燃料ガスの体積比率が大きくなるに従って、燃焼排ガス中におけるNOxの濃度が減少する一方、燃焼筒の温度が上昇した。そして、一次噴出口25から噴出させる燃料ガスの体積比率を5〜30vol%の範囲にした場合においては、NOxの濃度が減少すると共に燃焼筒の温度の上昇が特に問題になるということはなく、特に、一次噴出口25から噴出させる燃料ガスの体積比率を8〜18vol%の範囲にすることが好ましかった。
【0039】
また、燃料ガスとして、水素が50Vol%,メタンが20Vol%の割合で含まれる上記の模擬COG(コークスガス)を用いた場合、従来のラジアントチューブバーナにおいては、通常NOx濃度が120〜150volppmであるのに対して、本発明のラジアントチューブバーナにおいては、NOx濃度を約52volppmまで低減できたという大きな効果を奏した。
【0040】
なお、フューエルNOxについては、「燃焼装置の技術」(日刊工業新聞社発行、日本バーナー研究会編、P211〜213)において、2段階燃焼がフューエルNOxの抑制に有効であることが記載されており、本発明のラジアントチューブバーナにおいても、フューエルNOxの抑制に有効であることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態に係るラジアントチューブバーナを加熱炉に取り付けた状態を示した概略断面説明図である。
【図2】同実施形態に係るラジアントチューブバーナにおいて、抑止板から延出された3本のフラットバーからなる取付部材によって燃焼筒を保持させた状態を示した概略説明図である。
【図3】同実施形態に係るラジアントチューブバーナにおいて、燃料ガス供給管に設ける放射噴出口と一次噴出口との周方向の位置関係を示した断面説明図である。
【図4】同実施形態に係るラジアントチューブバーナを用いた実験において、一次噴出口から噴出させる燃料ガスの体積比率の変化に伴う燃焼排ガス中におけるNOx(サーマルNOx)の濃度変化及び燃焼筒の温度変化の関係を示した模式図である。
【符号の説明】
【0042】
1 加熱炉
1a 壁面
10 ラジアントチューブ
11 燃焼用空気供給口
12 着火手段
20 燃料ガス供給管
21 直進噴出口
22 放射噴出口
23 抑止板
24 膨出部
25 一次噴出口
26 取付部材
30 燃焼筒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼用空気を案内するラジアントチューブの内部に燃料ガスを供給する燃料ガス供給管が設けられ、この燃料ガス供給管の先端に燃料ガスを直進方向に噴出させる直進噴出口が設けられると共に、この燃料ガス供給管の先端側に上記の直進噴出口から噴出された燃料ガスと燃焼用空気とを混合させて燃焼させる燃焼筒が設けられたラジアントチューブバーナにおいて、上記の直進噴出口より後方における燃料ガス供給管の先端部に燃料ガスを放射方向に噴出させる放射噴出口が設けられ、この放射噴出口の後方近傍における燃料ガス供給管の外周に抑止板が設けられると共に、この抑止板よりも後方の位置における燃料ガス供給管に燃料ガスを放射方向に噴出させる一次噴出口が設けられていることを特徴とするラジアントチューブバーナ。
【請求項2】
請求項1に記載したラジアントチューブバーナにおいて、上記の燃料ガス供給管に設けられた一次噴出口から放射方向に噴出される燃料ガスが前方に傾斜して噴出されることを特徴とするラジアントチューブバーナ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載したラジアントチューブバーナにおいて、上記の一次噴出口から噴出される燃料ガスの量が全燃料ガスの5〜30vol%の範囲であることを特徴とするラジアントチューブバーナ。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載したラジアントチューブバーナにおいて、上記の燃料ガス供給管に放射噴出口と一次噴出口とがそれぞれ複数個設けられ、放射噴出口と一次噴出口との周方向の位置が異なっていることを特徴とするラジアントチューブバーナ。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載したラジアントチューブバーナにおいて、上記の燃焼筒が略一定径の筒状になっていることを特徴とするラジアントチューブバーナ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2008−261617(P2008−261617A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−39927(P2008−39927)
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(000211123)中外炉工業株式会社 (170)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】