説明

ラジオコントロールカーのボディ取付構造

【課題】溝と突片との嵌合のみで行っていたので、走行中に壁面等に衝突した時の衝撃で外れることがあった。特に、後退時における壁面との衝突時にはシャーシに対してボディが外れるといった問題を解決する。
【解決手段】先端に半円柱状の係合内側板53と該係合内側板の上方で、かつ、係合内側板との間に隙間を形成して移動阻止板54が形成されたシャーシ側係合部材5をシャーシ1の先端部に取付け、また、前記係合内側部が収納されるU字状の係合外側板62が形成されたボディ側係合部材6をボディ7のフロント裏面に取付け、シャーシとボディとを略直角状態において前記係合内側板に対して前記係合外側板に嵌め込み、ボディとシャーシとを相対的に回動して両者が平行状態となった時に、前記係合外側板が前記係合内側板と前記移動阻止板との間に位置して上下方向と前後方向で抜け出ないようにしたボディ取付構造である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラジオコントロールカーのボディとシャーシとの取付構造であって、特に、ボディとシャーシの先端接続部分を走行時の衝撃等によってみだりに外れないようにしたラジオコントロールカーのボディ取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来におけるボディとシャーシとの取付構造は、例えば、本出願人会社が出願した特開2004−73444号公報に開示された発明がある。その構造は、ボディにおけるフロント先端の内面に形成された溝に、シャーシの先端に形成した突片を差し込みボディの先端とシャーシの先端とを取付け、ボディとシャーシの先端側を一体化していた。
【特許文献1】特開2004−73444号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記したボディとシャーシとの先端部分の取付け構造にあっては、溝と突片との嵌合のみで行っていたので、走行中に壁面等に衝突した時の衝撃で外れることがあった。特に、後退時における壁面との衝突時には、ボディの後端が壁面に当たるとシャーシに対してボディが前方に押し出されるためボディの先端に形成されている溝が前方に移動してシャーシの突片から離れてボディの先端部とシャーシの先端部の係合が外れてシャーシからボディが外れるといった問題があった。
【0004】
本発明は前記した問題点を解決せんとするもので、その目的とするところは、シャーシとボディとを略垂直状態でもってシャーシ側係合部材とボディ側係合部材とを係合させ、次いでボディとシャーシを相対的に水平方向に回転することでシャーシ側係合部材とボディ側係合部材とが、水平方向、上下方向および横方向に対して安定した係合状態が確保されるので、走行車両に対して如何なる方向の外力が加わってもシャーシとボディとが分離することがないラジオコントロールカーのボディ取付構造を提供せんとするにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のラジオコントロールカーのボディ取付構造は、前記した目的を達成せんとするもので、請求項1の手段は、先端に半円柱状の係合内側板と該係合内側板の上方で、かつ、係合内側板との間に隙間を形成して移動阻止板が形成されたシャーシ側係合部材をシャーシの先端部に取付け、また、前記係合内側部が収納されるU字状の係合外側板が形成されたボディ側係合部材をボディのフロント裏面に取付け、シャーシとボディとを略直角状態において前記係合内側板に対して前記係合外側板に嵌め込み、ボディとシャーシとを相対的に回動して両者が平行状態となった時に、前記係合外側板が前記係合内側板と前記移動阻止板との間に位置して上下方向と前後方向で抜け出ないようにしたことを特徴とする。
【0006】
請求項2の手段は、前記した請求項1において、前記シャーシ側係合部材における係合内側板は左右側板で支持され、前記ボディ側係合部材における前記係合外側板の両側には前記左右側板が挿入される溝が形成され、前記係合外側板と係合内側板とで左右方向の動きが阻止されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は前記したように、ボディ側係合部材の係合外側板がシャーシ側係合部材の係合内側板と前記移動阻止板との間に位置して上下方向と前後方向で抜け出ないようにしたので、走行車両が前後進して壁面等に衝突した時の前後方向の衝撃に対して強く、かつ、走行車両が走行時に上下方向にバウンドした時の上下方向の衝撃に対しても強くすることができる。
【0008】
また、係合外側板と係合内側板との左右方向の動きが阻止されているので、前記上下方向と前後方向の衝撃に強い以外に左右方向の衝撃にも強くなっていて、走行車両の走行衝撃以外に持ち運び時の衝撃にもボディとシャーシとが分離することがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、ボディをシャーシに取付けた状態において、ボディ側係合部材の係合外側板がシャーシ側係合部材の係合内側板と前記移動阻止板との間に位置して上下方向と前後方向で抜け出ないようにした。
【実施例】
【0010】
以下、本発明に係るラジオコントロールカーのボディ取付構造の実施例を図面と共に説明する。
図1,2において、1はシャーシ、2はサーボ機構(図示せず)によって車軸の長手方向に対して垂直方向に平行移動するタイロッドにして、該タイロッド2の移動によって上下プレート3で回動自在に軸支された前輪4がラジオコントロールカー遊技者によって操舵される。
【0011】
5はシャーシ1の先端に固定されたシャーシ側係合部材にして、シャーシ1にネジ止めされた基台部51には前方に向かって左右側板52が形成されており、該左右側板の先端には半円柱状の係合内側板53が取付けられ、また、前記基台部51の前方には前記係合内側板53と隙間が生じた状態で移動阻止板54が取付けられている。
【0012】
6はボディ7のフロント部分の裏面に取付けられたボディ側係合部材にして、前記したシャーシ側係合部材5の幅方向の長さよりも長く形成され、両端に前記左右側板52が挿入される溝61が形成され、該溝61の間にはU字状の係合外側板62が一体的に形成されている。なお、係合外側板62の開口部はボディ6をシャーシ1に取付けた状態において下方に向いている。
【0013】
次に、シャーシ側係合部材5とボディ側係合部材6との係合動作について図3〜図5と共に説明する。
先ず、ボディ側係合部材6をシャーシ側係合部材5に係合するには、図3に示す如くシャーシ1に対してボディ7を起立させた状態で係合内側板53を係合外側板62の内側に挿入する。この状態においてボディ7を図において時計方向に回転させると、係合内側板53と係合外側板62との嵌合部を支点としてボディ側係合部材6は時計方向に回転する(図4参照)。
【0014】
そして、ボディ7を回転させボディ7がシャーシ1に対して係合最終位置となると、ボディ7は係合内側板53の外周面は係合外側板62の内周面に沿った状態で停止するので、係合外側板62は係合内側板53と移動阻止板54との間に挟持された状態となって固定される。なお、この状態において、シャーシ側係合部材5の左右側板62はボディ側係合部材6に形成されている溝61に係合されるので、シャーシ側係合部材5に対してボディ側係合部材6が左右方向に移動するのを防止できる。
【0015】
なお、前記したボディ7を回転しシャーシ1に対しての係合最終位置とは、図2に示すシャーシ1の中央部に取付けられている係合部材8の係合孔81に対してボディ7の側面内側に取付けられている係合突起(図示せず)が、該ボディ7の弾性力で嵌合され固定される位置である。なお、係合突起と係合孔との関係は本出願人会社が出願した特開2004−351076号を参照されたい。
【0016】
このボディとシャーシとの接続状態にあっては、シャーシ1とボディ7の先端位置はシャーシ側係合部材5とボディ側係合部材6との係合によって固定され、また、シャーシ1とボディ7との中央位置は係合突起と係合孔81との嵌合によって固定されているので、シャーシ1やボディ7に対して如何なる方向から外力が加わっても上下方向、前後方向および左右方向に変位することがないので、走行玩具の走行時あるいは持ち運び時にシャーシ1とボディ7が分離することはない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るラジオコントロールカーのボディ取付構造の要部を示す斜視図である。
【図2】本発明のボディ取付構造を組み込んだ走行車両の側面図である。
【図3】ボディ取付構造の要部の一部を断面した側面図である。
【図4】同上の係合途中を示す要部の一部を断面した側面図ある。
【図5】シャーシにボディが係合された状態の要部の一部を断面した側面図ある。
【符号の説明】
【0018】
1 シャーシ
5 シャーシ側係合部材
51 基台部
52 左右側板
53 係合外側板
54 移動阻止板
6 ボディ側係合部材
61 溝
62 係合外側板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端に半円柱状の係合内側板と該係合内側板の上方で、かつ、係合内側板との間に隙間を形成して移動阻止板が形成されたシャーシ側係合部材をシャーシの先端部に取付け、また、前記係合内側部が収納されるU字状の係合外側板が形成されたボディ側係合部材をボディのフロント裏面に取付け、シャーシとボディとを略直角状態において前記係合内側板に対して前記係合外側板に嵌め込み、ボディとシャーシとを相対的に回動して両者が平行状態となった時に、前記係合外側板が前記係合内側板と前記移動阻止板との間に位置して上下方向と前後方向で抜け出ないようにしたことを特徴とするラジオコントロールカーのボディ取付構造。
【請求項2】
前記シャーシ側係合部材における係合内側板は左右側板で支持され、前記ボディ側係合部材における前記係合外側板の両側には前記左右側板が挿入される溝が形成され、前記係合外側板と係合内側板とで左右方向の動きが阻止されていることを特徴とする請求項1記載のラジオコントロールカーのボディ取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−183474(P2009−183474A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−26916(P2008−26916)
【出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【出願人】(390024822)京商株式会社 (15)
【Fターム(参考)】