説明

ラジオコントロールヘリコプタ操縦練習装置

【課題】機体を損傷することなく、誰でも簡単かつ安全にR/Cヘリの操縦練習を行えるようにする装置の提供。
【解決手段】R/Cヘリ操縦練習装置は、スカート1、ダクト2、練習用ブレード4及び取付けバー11,12でなる。練習用ブレード4は、メインロータのブレードに代えて、操縦練習をする際に装着される。スカート1は、可撓性に富み、ブレード4を回転させ、スカート1内における空気の圧力(内圧)が大気圧より大きくなり、R/Cヘリは、浮き上がり始め、スカート1の下縁が地面70に僅かに接触する程度まで上昇し、その程度の高度を維持する。スカート1は内圧により常に外側に押し出されて膨らんでおり、スカート1の下縁が地面70の何かの突起に触れると、振れた部分だけが凹み、突起に引っかかることがないのは、スカート1の内部の空気によるエアクッション効果による。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、未熟練者でも、機体を損傷することなく、安全にラジオコントロールヘリコプタ(以下、R/Cヘリと略記する)の操縦練習を行えるようにするR/Cヘリ操縦練習装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘリコプタは、機体の機軸の向きとは無関係な方向に飛行可能な航空機であるから、操縦には高度の技量を要する。また、R/Cヘリは遠隔操縦されるので、R/Cヘリの操縦においては操縦者の向きとR/Cヘリの機首方向とが一致しないし、飛行中のR/Cヘリの姿勢は瞬時に変わる。このようなR/Cヘリの特性は操縦者に高い技量を要求する。R/Cヘリの遠隔操縦においては、初心者と熟練者との操縦技術の差は極めて大きい。R/Cヘリの操縦に興味をもって、R/Cヘリを購入したものの、操縦者の熟練度の不足から、僅かに機体が上昇したかと思うと直ぐに墜落させたり、回転するメインロータを地面に接触させたりして、機体を損傷させることが多い。機体が損傷すると、メインロータ等の高価な部品の購入が必要となり、経済的負担が大きいから、更なる練習を諦める初心者は非常に多い。また、練習を積んである程度の錬度に到達した状態でも、R/Cヘリが墜落等で破損すると、エンジン特性やブレードのピッチ等の調整が再度必要となる。この調整自体が相当に熟練を要するので、再度の調整にはかなりの時間と根気を必要とする。また、再調整ができたとしても、破損前の調整状態と一致することは難しいので、折角飛行が可能な程度に錬度が向上していたとしても、再調整後には飛行に失敗し、短時間のうちに機体を破損してしまうことが少なくない。このような事情で、一旦はR/Cヘリの操縦に挑戦した人のうちの90%は、程なく操縦練習に挑戦することを諦めてしまうといわれている。そこで、機体の損傷をできるだけ少なくして、しかも操縦の練習ができる装置が求められている。
【0003】
そのような練習装置の1つとしては、コンピュータシミュレータがある。コンピュータシミュレータでは、シミュレーションプログラムにより画面にヘリコプタを表示し、練習者が遠隔操縦装置と同じ入力端末を操作し、この入力端末からコマンドをシミュレーションプログラムに送り、画面上のヘリコプタを飛行させることにより、模擬的に操縦練習が可能になっている。
【0004】
実際のR/Cヘリを用いた操縦練習を支援する装置として、特許文献1(実開平7−12196号公報)に記載された懸架台型の操縦練習装置がある。図10は、その懸架台型の操縦練習装置の要部を示す模式図である。図において、3はR/Cヘリの機体、7はR/Cヘリのテールブーム、8はR/Cヘリのテールロータ、41はブレード、50は機体3を載せる支持テーブル、51はアーム、52は支柱、70は地面である。R/Cヘリは、支持テーブル50に固定されるが、一定の範囲で矢印105方向に上下し、支柱52の周りに回転するという自由度を有する。操縦者は、その自由度の範囲内で、R/Cヘリを操縦できる。
【0005】
実際のR/Cヘリを用いた操縦練習を支援する別の方式の装置として、特許文献2(特開2000−218064公報)に記載された補助バー型の操縦練習装置がある。図11は、その補助バー型の操縦練習装置の要部を示す模式図である。図において、61,62はアーム、63,64はボール、70は地面である。図11の装置によれば、しなやかな弾性を有するアーム61,62とその先端に取り付けたボール63,64の作用により、飛行中に急に機体が傾いたとき、アーム61,62及びボール63,64の反作用により、機体の傾きが復元されるという。
【0006】
【特許文献1】実開平7−12196号公報
【特許文献2】特開2000−218064公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述のコンピュータシミュレータによる操縦練習では、機体の損傷はないが、入力端末からコマンドを入力するときに感じる操縦感覚は、遠隔操縦装置にコマンドを入力し、注意力、集中力を操縦者の最大にまで高めて高揚した心情でR/Cヘリを実際に飛行させるときに味わう操縦感覚とはかけ離れている。そこで、コンピュータシミュレータによる操縦練習を積んでも、機体を損傷させることなく、安全に実際のR/Cヘリを飛行させることは不可能である。
【0008】
特許文献1に記載の操縦練習装置(図10)では、機体が支持テーブルに拘束されるので、機体の動きが制限され、操縦特性が非拘束のR/Cヘリの操縦特性とは格段に相違するので、この装置で操縦練習を重ねても、機体を損傷させることなく、安全に実際のR/Cヘリを飛行させることは難しい。また、特許文献2に記載の操縦練習装置(図11)では、飛行中に急に機体が傾いたとき、アーム61,62及びボール63,64の反作用により、機体の傾きが復元されるとしても、本装置により飛行を継続できるまでに姿勢の復元が可能な程度の機体の傾きは軽度の傾きである。そこで、初心者が、急激に姿勢を変えるR/Cヘリを機体を損傷せず安全に飛行させ得るようにするには、この操縦練習装置の復元能力は不足である。そこで、本発明の目的は、機体を損傷することなく、誰でも簡単かつ安全にR/Cヘリの操縦練習を行えるようにする装置の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の課題を解決するために本発明は次の手段を提供する。
【0010】
(1)ラジオコントロールヘリコプタにおけるメインロータのブレードに代えて該ラジオコントロールヘリコプタに装着される練習用ブレードと、
下縁の径が上縁の径より大きい円錐台形状をなし、前記ラジオコントロールヘリコプタの胴体及び前記練習用ブレードの内包を許容するに足る内径を有するダクトと、
前記内包をした状態で、前記ラジオコントロールヘリコプタの機体を前記ダクトに固定する固定手段と、
可撓性シートでなり、前記下縁の全周に吊り下げられ、ほぼ一定の高さを有するスカートと
を備えてなるラジオコントロールヘリコプタ操縦練習装置。
【0011】
(2)前記ダクトは、前記ラジオコントロールヘリコプタのロータ回転軸を前記円錐台の軸にほぼ一致させた姿勢で該ラジオコントロールヘリコプタの機体に固定されたとき、前記ラジオコントロールヘリコプタの胴体及び前記練習用ブレードを内包した状態で、該ラジオコントロールヘリコプタのテールブームの少なくとも一部及びテールロータを該円錐台形状の外に位置させるための切り欠き又は開口を有することを特徴とする前記(1)に記載のラジオコントロールヘリコプタ操縦練習装置。
【0012】
(3)前記練習用ブレードの長さがスタビライザの長さにほぼ等しいことを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のラジオコントロールヘリコプタ操縦練習装置。
【0013】
(4)前記ダクトが透明な硬質プラスチック製フィルムでなり、
前記スカートは軟質プラスチック製である
ことを特徴とする前記(1)乃至(3)に記載のラジオコントロールヘリコプタ操縦練習装置。
【発明の効果】
【0014】
上記構成の本発明によれば、機体を損傷することなく、誰でも簡単かつ安全にR/Cヘリの操縦練習を行えるようにする装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態であるR/Cヘリ操縦練習装置を模式的に示す側面図である。但し、図1において、スカート1は、ダクト2の軸を通る面で破断した状態で描き、空気流103の流路を分かり易くしてある。図2は図1の実施形態を模式的に示す斜視図、図3は図1の実施形態の平面図、図4は図1の実施形態によるR/Cヘリ操縦練習の一態様を模式的に示す斜視図である。図5乃至図7は、図1の実施形態の特徴を説明するために、その実施形態におけるスカート1を除いたR/Cヘリ操縦練習装置によるR/Cヘリ操縦練習の一態様を模式的に示す斜視図である。また、図8は、図1の実施の形態におけるロータヘッド部及びブレードを模式的に示す斜視図、図9は一般的なR/Cヘリにおけるロータヘッド部を示す斜視図である。なお、後述のように、ダクト2は透明プラスチック製であるので、図1乃至図7ではダクト2内部のR/Cヘリや取付けバー11,12は実線で描いてある。
【0016】
図において、1はスカート、2はダクト、2aはダクト2の上縁、2bはダクト2に設けた切欠き、3はR/Cヘリの胴体、4は練習用ブレード(メインロータを構成する2枚のブレードの両方)、4a,4bは練習用ブレード(メインロータを構成する2枚のブレードのうちの片方)、4c,4dはブレード固定ボルト、5はR/Cヘリのスキッド、6はR/Cヘリのロータ回転軸、7はR/Cヘリのテールブーム、8はR/Cヘリのテールロータ、8a,8bはテールロータ8のブレード、 9a,9bはR/Cヘリのスタビライザ、9cはスタビライザ9aのアーム、9dはスタビライザ9bのアーム、11,12は取付けバー(前述の固定手段に相当)である。本実施形態のR/Cヘリ操縦練習装置は、スカート1、ダクト2、練習用ブレード4a及び4b(符号4は4a及び4bの両者を示す。)並びに取付けバー11及び12でなる。
【0017】
練習用ブレード4a及び4bは、通常飛行のためにR/Cヘリに装着されているメインロータのブレード(以下、通常飛行用ブレードと称する)に代えて、本実施の形態により操縦練習をする際にR/Cヘリに装着される。本実施形態でR/Cヘリの操縦練習をする際にエンジンに掛かる負荷が、通常飛行用ブレード装備のR/Cヘリが水平飛行をする際にエンジンに掛かる負荷とが同じ程度になるように、練習用ブレード4a及び4bが小さい分だけ、練習用ブレード4a及び4bのピッチを大きく取る。図9に示すR/Cヘリのロータヘッド部におけるブレード固定ボルト4c,4dにより、通常飛行用ブレードは装着されるので、ブレード固定ボルト4c,4dの操作により、通常飛行用ブレードに代えて練習用4a及び4bを装着し、図8に示す本実施形態のロータヘッド部を組み立てる。図8に現れているように、練習用ブレード4a,4bの長さは、スタビライザ9a,9bとほぼ同じである。
【0018】
ダクト2は、下縁の径が上縁2aの径より大きい円錐台形状をなし、1mm厚の薄い透明硬質プラスチック製であり、R/Cヘリのロータ回転軸6を該円錐台の軸にほぼ一致させた姿勢で、該R/Cヘリの胴体3及び練習用ブレード4a,4bを内包できる内径を有する。ダクト2には切欠き2bが設けてある。R/Cヘリの胴体3及び練習用ブレード4a,4bを該姿勢でダクト2に内包するとき、該R/Cヘリのテールブーム7の主要部及びテールロータ8は該ダクト2には収容できない。そこで、テールブーム7を該切欠き2bに嵌め、ダクト2からはみ出す部分のテールブーム7及びテールロータ8をダクト2の外に位置させる。
【0019】
取付けバー11及び12は、ダクト2の下縁に着脱可能に張り渡してある。本実施形態によるR/Cヘリの操縦練習に先立ち、R/Cヘリの機体をダクト2内に固定するために、取付けバー11及び12を一旦ダクト2から外し、ロータ回転軸6をダクト2の軸にほぼ一致させた姿勢で、胴体3及び練習用ブレード4a,4bをダクト2内に収容し、取付けバー11及び12を再びダクト2へ取り付け、取付けバー11及び12をR/Cヘリのスキッド5へ固定する。取付けバー11及び12をスキッド5へ固定するために、取付けバー11及び12には締付具が設けてある。締付具に代えて紐を用い、紐でもって取付けバー11及び12をスキッド5へ縛り付けても差し支えない。
【0020】
スカート1は、0.5mm厚、20mm幅の可撓ビニール製の帯状のシートでなり、該帯状のシートの一方の長手辺をダクト2の下縁の全周に巻きつけ、該下縁の全周に固着され、該下縁の全周から下方に向けて約20mmの高さに吊り下げられ、下端が絞られている。尤も、スカート1は、可撓性に富むので、図1の状態でブレード4を回転していないときは、R/Cヘリ、ダクト2の重みや自重で地面70に押し付けられ、折れ曲がった状態となる。そして、図1の状態でブレード4を回転させ、スカート1及びダクト2内における空気の圧力(以下、内圧という)が大気圧より僅かに大きくなり、R/Cヘリが浮き上がり始めると、ダクト2の下縁から垂れ下がるスカート1の高さは、R/Cヘリの浮き上がりの高さに応じて変動する。
【0021】
次に本実施形態による操縦練習およびその操縦練習における動作に付き説明する。図1の状態で、R/Cヘリのエンジンを始動し、ブレード4を回転させると、ダクト2の上縁2a側の開口からダクト2内に空気が吸い込まれ、空気は、ダクト2内では空気流102として下方に流れ、スカート1の下縁から空気流103となり、地面70に沿って少量ながら外へ流れ出る。ブレード4の回転数が一定値以上になると、内圧が大気圧より大きくなり、本実施の形態およびR/Cヘリでなる図1の構造全体を上昇させるだけの大きさの揚力が発生し、R/Cヘリは僅かに上昇し、スカート1の下縁から空気流103が大量に流れ出る。このとき、スカート1の下縁は一部が地面70に接触したままであるが、該下縁の主要部は地面70との間に僅かな隙間を作り、空気流103がその隙間のところに生じる。この状態から、ブレード4の回転数をかなり増大しても、その増大により内圧が増大しようとすると、空気流103の流量が増大するので、結局内圧はほとんど増大せず、スカート1の下縁の一部分が地面70に接触したままの状態は維持される。この状態から、ブレード4の回転数を更に増大すると、スカート1の下縁全体が地面70から5mmから10mm程度離れるまでは、R/Cヘリを上昇させることができる。図1は、スカート1の下縁全体が地面70から約5mm離れた状態を示している。図1の状態においてブレード4の回転数を更に上げたとしても、ブレード4の回転数の増大により増大する上部開口からの吸込み空気量と、スカート1の下縁と地面70との間隙の増大による該間隙からの流出空気量とが均衡し、内圧は一定値以上には増大せず、スカート1の下縁全体が地面70から離れる高さは約10mm程度が限界である。
【0022】
図1の状態で、遠隔操縦装置によるコマンドがホバリングであって、地面70が平地であっても、R/Cヘリの機体は何れかの向きに傾こうとする。機体が傾くと、傾いた側のスカート1の下縁は地面70に接触し、傾いた側とは反対側のスカート1の下縁と地面70との間隔が大きくなり、大きい間隔の部分における空気流103の流量及び流速が反対側のそれより大きくなり、大きい間隔の部分におけるスカート1及びダクト2内の空気の圧力が反対側の部分における空気の圧力よりも低下するので、スカート1及びダクト2内における空気の圧力偏差が機体の傾きを復元させる方向に作用する。このような機体傾きを復元させる作用により、図1の実施の形態は転倒し難い。
【0023】
スカート1の下縁が一部で地面70に接触し、下縁の残部で地面70から僅かに離れた状態でも、図1の状態に関し上に述べた復元作用は同様である。また、R/Cヘリがホバリングしているときについて述べた以上の説明は、R/Cヘリが飛行し、移動しているときにも同様に復元作用があり、機体は安定する。尤も、機体が移動しているので、地面70の多少の凹凸により、地面70に接触している部分のスカート1はその凹凸に沿って上下する。しかしながら、スカート1は可撓性に富むので、地面70の凸部に接触したときにもその凸部に引っかかることがなく、凸部によってR/Cヘリの移動が妨げられることはない。したがって、スカート1が地面70の凸部に引っかかって、R/Cヘリが転倒するという事態は生じない。スカート1は内圧により常に外側に押し出されて膨らんでおり、スカート1の下縁が地面70の何かの突起に触れると、振れた部分だけを凹ませ、突起に引っかかることがないのは、スカート1の内部の空気によるエアクッション効果であるといえる。
【0024】
図4は、地面が凹凸面201であるときの図1の実施形態の飛行を模式的に示している。凹凸面201とスカート1の下縁との間隙は、R/Cヘリの飛行により様々に変動する。本実施の形態によるR/Cヘリの飛行では、その間隙の変動があっても、前述の復元力により間隙の変動を打ち消す方向にR/Cヘリの機体が傾くので、R/Cヘリが転倒し難い点は、図1のように平らな地面70上を飛行させる場合と同様である。
【0025】
図5乃至図7は、図1の実施の形態の作用を説明するために、本実施の形態におけるスカート1を欠いた状態でR/Cヘリを飛行させたときは、どのように飛行するかを示す模式図である。図5及び図6は、地面200が平ら(真平面)であるときの飛行態様を示す。図5のように、ダクト2の下縁と地面200との間隙が一定であるときは、ダクト2の下縁から流出する空気流103a,103bはほぼ均等となる。しかし、図6に示すように、R/Cヘリの機体が一旦傾き、ダクト2の下縁が地面200に接触すると、硬質プラスチックでなるダクト2の下縁と地面200とは激しく擦り合う。図6において、R/Cヘリが図の左方へ進行しているとすると、ダクト2の下縁と地面200との接触点を中心とする回転力がR/Cヘリに及び、R/Cヘリは容易に進行方向へ転倒する。図7は、地面201が凹凸面である場合の飛行態様を示す。このように地面201に凹凸があると、R/Cヘリが一旦傾いて、ダクト2における進行方向の前縁が凸部に接触すると、その接触点を中心とする回転力がR/Cヘリに作用し、R/Cヘリが転倒することは避けがたい。図5乃至図7に示したように、スカート1を欠いたR/Cヘリ操縦練習装置は、実用不可能である。本発明では、スカート1により、機体の傾きを復元し、凹凸のある地面の凸部にスカート1の下縁が接触しても機体の転倒を招かず、ブレード4の回転数が増大しても、R/Cヘリの高度をほぼ一定に維持するという作用がもたらされる。
【0026】
以上に詳しく説明したように、本実施形態のR/Cヘリ操縦練習装置にR/Cヘリを搭載した図1の構造では、R/Cヘリは地面にスカートを僅かに接触させるという安定した姿勢で飛行でき、一旦傾きかけても復元力が作用して元の姿勢に戻るから、転倒し難く、またたとえ墜落しても機体の損傷を招かない程度に、地面からほぼ一定の低い飛行高度に自ずと保持される。そこで、本実施の形態にR/Cヘリを搭載し、操縦の練習をすることにより、R/Cヘリを損傷する確率が格段に低減し、地面にほぼ接触する程の低高度で安定に任意の方向に自由に飛行させ得る。また、低高度で安定に飛行させ得るので、未熟練操縦者でも、誤ってR/Cヘリを人に接触させ、人に障害を与える虞もほとんどない。このように、本発明のR/Cヘリ操縦練習装置の採用により、R/Cヘリの損傷の確率が大幅に低減することにより、ブレード等の高価な部品を頻繁に購入する必要がなくなるので、R/Cヘリの操縦を楽しむ需要層を格段に広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態であるR/Cヘリ操縦練習装置を模式的に示す側面図である。
【図2】図1の実施形態を模式的に示す斜視図である。
【図3】図3は図1の実施形態の平面図である。
【図4】図1の実施形態によるR/Cヘリ操縦練習の一態様を模式的に示す斜視図である。
【図5】図1の実施形態の特徴を説明するために、その実施形態におけるスカート1を除いたR/Cヘリ操縦練習装置によるR/Cヘリ操縦練習の一態様を模式的に示す斜視図である。
【図6】図1の実施形態の特徴を説明するために、その実施形態におけるスカート1を除いたR/Cヘリ操縦練習装置によるR/Cヘリ操縦練習の別の態様を模式的に示す斜視図である。
【図7】図1の実施形態の特徴を説明するために、その実施形態におけるスカート1を除いたR/Cヘリ操縦練習装置によるR/Cヘリ操縦練習の更に別の態様を模式的に示す斜視図である。
【図8】図1の実施の形態におけるロータヘッド部及びブレードを模式的に示す斜視図である。
【図9】一般的なR/Cヘリにおけるロータヘッド部を示す斜視図である。
【図10】懸架台型の操縦練習装置の要部を示す模式図である。
【図11】補助バー型の操縦練習装置の要部を示す模式図である。
【符号の説明】
【0028】
1 スカート
2 ダクト
2a ダクト2の上縁
2b ダクト2に設けた切欠き
3 胴体
4 練習用ブレード(メインロータを構成する2枚のブレードの両方)
4a,4b 練習用ブレード(メインロータを構成する2枚のブレードのうちの片方)
4c,4d ブレード固定ボルト
5 スキッド
6 ロータ回転軸
7 テールブーム
8 テールロータ
8a,8b テールロータ8のブレード
9a,9b スタビライザ
9c スタビライザ9aのアーム
9d スタビライザ9bのアーム
11,12 取付けバー
41 ブレード(メインロータを構成する2枚のブレードの両方)
50 支持テーブル
51 アーム
52 支柱
61,62 アーム
63,64 ボール
70 地面
101 ダクト2に流入する空気流
102 ダクト2内を下方に向け流れる空気流
103,103g, 103h スカート1の下縁と地面70,201との間から流出する空気流
103a, 103b, 103c, 103d, 103e, 103f ダクト2の下縁と地面200,201との間から流出する空気流
200 平らな地面
201 凹凸のある地面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラジオコントロールヘリコプタにおけるメインロータのブレードに代えて該ラジオコントロールヘリコプタに装着される練習用ブレードと、
下縁の径が上縁の径より大きい円錐台形状をなし、前記ラジオコントロールヘリコプタの胴体及び前記練習用ブレードの内包を許容するに足る内径を有するダクトと、
前記内包をした状態で、前記ラジオコントロールヘリコプタの機体を前記ダクトに固定する固定手段と、
可撓性シートでなり、前記下縁の全周に吊り下げられ、ほぼ一定の高さを有するスカートと
を備えてなるラジオコントロールヘリコプタ操縦練習装置。
【請求項2】
前記ダクトは、前記ラジオコントロールヘリコプタのロータ回転軸を前記円錐台の軸にほぼ一致させた姿勢で該ラジオコントロールヘリコプタの機体に固定されたとき、前記ラジオコントロールヘリコプタの胴体及び前記練習用ブレードを内包した状態で、該ラジオコントロールヘリコプタのテールブームの少なくとも一部及びテールロータを該円錐台形状の外に位置させるための切り欠き又は開口を有することを特徴とする請求項1に記載のラジオコントロールヘリコプタ操縦練習装置。
【請求項3】
前記練習用ブレードの長さがスタビライザの長さにほぼ等しいことを特徴とする請求項1又は2に記載のラジオコントロールヘリコプタ操縦練習装置。
【請求項4】
前記ダクトが透明な硬質プラスチック製フィルムでなり、
前記スカートは軟質プラスチック製である
ことを特徴とする請求項1乃至3に記載のラジオコントロールヘリコプタ操縦練習装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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