説明

ラジカル重合性難燃樹脂組成物

【課題】樹脂粘度が低く、作業性に優れ、また耐熱性に優れた電子回路基板や電子部品等の絶縁材料などに適した新規な樹脂組成物を提供するものである。
【解決手段】本発明の樹脂組成物は、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリル化合物とP−H結合を有するリン化合物とを、(メタ)アクリロイル基1当量に対して、P−H結合を有するリン化合物を0.1〜0.7当量の範囲内で、反応させて得られるリン含有(メタ)アクリル化合物(A)を含むラジカル重合性難燃樹脂組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラジカル重合により硬化可能なハロゲン化合物を含まない電子基板、電子部品等に適した難燃樹脂組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気機器、電子部品等に使用される樹脂は火災の防止等の安全性の観点から、難燃性であることが望まれており、これまで臭素化物を主とするハロゲン含有化合物が使用されてきた。ハロゲン含有化合物は優れた難燃性を有するが、これらのハロゲン化物は燃焼の際に腐食性のハロゲン化水素等の有害な化合物を発生する可能性があり、環境に与える影響が問題となっている。
【0003】
このような理由からハロゲン化合物を使用しない難燃性樹脂としてリン原子を使った樹脂が検討されている。このような樹脂としては、特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載されている含リンビニルエステル樹脂が検討されている。しかしながら、これらの含リンビニルエステル樹脂(エポキシアクリレート樹脂)は分子中に含有するリン原子により著しく樹脂粘度が高くなり、作業性が悪い問題を有している。その問題を解決するために低分子の(メタ)アクリレート化合物、及びスチレンを用いて減粘するとリンによる難燃効果が低くなり、十分な難燃性が得られない。また低分子の(メタ)アクリレート化合物、及びスチレンを大量に用いると耐熱性も低下し、電子回路基板や電子部品用途には使用することはできなかった。
【特許文献1】特開2000−297138号公報
【特許文献2】特開2001−206927号公報
【特許文献3】WO00−44805号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ハロゲン化合物を含まず、樹脂粘度が低いため作業性に優れ、耐熱性に優れたるために電子回路基板や電子部品に用いられる絶縁材料などに適した新規なリン含有ラジカル重合性難燃樹脂組成物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、以下の発明からなる。
(1) 1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリル化合物とP−H結合を有するリン化合物とを、(メタ)アクリロイル基1当量に対して、P−H結合を有するリン化合物0.1〜0.7当量の範囲内で、反応させて得られるリン含有(メタ)アクリル化合物(A)を含むラジカル重合性難燃樹脂組成物。
(2) P−H結合を有する化合物が式(1)、もしくは式(2)で示されるフォスフィンオキサイド化合物である上記(1)記載のラジカル重合性難燃樹脂組成物。
式(1)
【化3】


式(2)
【化4】


(式中R、R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数1〜10の芳香族基、m、nはそれぞれ0〜5を表す。)
【0006】
(3) 1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリル化合物がトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートから選択される化合物であることを特徴とする上記(1)〜(2)のいずれかに記載のラジカル重合性難燃樹脂組成物。
(4) ラジカル重合性難燃樹脂組成物中、リン含有(メタ)アクリル化合物(A)を10〜50質量%含む上記(1)〜(3)のいずれかに記載のラジカル重合性難燃樹脂組成物。
(5) ラジカル重合性難燃樹脂組成物中、フェノキシ骨格を有する(メタ)アクリル化合物(B)を15〜50質量%含む上記(1)〜(4)のいずれか記載のラジカル重合性難燃樹脂組成物。
【0007】
(6) フェノキシ骨格を有する(メタ)アクリル化合物(B)がエポキシ(メタ)アクリレート樹脂である上記(5)に記載のラジカル重合性難燃樹脂組成物。
(7) エポキシ(メタ)アクリレート樹脂がクレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、ビフェニルアラルキル型エポキシ(メタ)アクリレート、ナフトールアラルキル型エポキシ(メタ)アクリレート、ナフトールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレートから選択される1種以上の化合物である上記(6)に記載のラジカル重合性難燃樹脂組成物。
(8) フェノキシ骨格を有する(メタ)アクリル化合物(B)がビスフェノールA アルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレートである上記(5)に記載のラジカル重合性難燃樹脂組成物。
(9) ラジカル重合性樹脂組成物中、シアヌル環もしくはイソシアヌル環骨格を有する(メタ)アクリル化合物(C)を5〜40質量%含む上記(1)〜(8)のいずれかに記載のラジカル重合性難燃樹脂組成物。
【0008】
(10) シアヌル環もしくはイソシアヌル環骨格を有する(メタ)アクリル化合物(C)物がトリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートである上記(9)に記載のラジカル重合性難燃樹脂組成物。
(11) ラジカル重合性樹脂成分中、スチレン化合物(D)を5〜30質量%含有することを特徴とする上記(1)〜(10)記載のラジカル重合性難燃樹脂組成物。
(12) 30℃における粘度が3000mP・s以下であることを特徴とする上記(1)〜(11)に記載のラジカル重合性難燃樹脂組成物。
(13) 上記(1)〜(12)に記載のラジカル重合性難燃樹脂組成物100質量部に対し、金属水酸化物(E)を10〜100質量部配合することを特徴とするラジカル重合性難燃樹脂組成物。
(14) 上記(1)〜(13)のいずれかに記載のラジカル重合性難燃樹脂組成物を用いた硬化物。
(15) ガラス転移温度が150℃以上であることを特徴とする上記(14)に記載の硬化物。
(16) 上記(15)に記載の硬化物からなる電子基板。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明はリン含有(メタ)アクリル化合物(A)を含むラジカル重合性難燃樹脂組成物
である。この(メタ)アクリル化合物(A)は1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリル化合物とP−H結合を有するリン化合物とを、(メタ)アクリロイル基1当量に対して、P−H結合を有するリン化合物を0.1〜0.7当量の範囲内で、反応させて得られるものである。
本発明において、リン含有(メタ)アクリル化合物(A)を含むとは、リン含有(メタ)アクリル化合物(A)のみからなる場合も含むが、好ましくは(A)リン含有(メタ)アクリル化合物に(B)フェノキシ骨格を有する(メタ)アクリル化合物、(C)シアヌル環もしくはイソシアヌル環骨格を有する(メタ)アクリル化合物、(D)スチレン化合物の少なくとも一種を組み合わせることで樹脂組成物の低粘度化と優れた耐熱性、難燃性を得ることができる。さらに金属水酸化物(E)を配合することでさらなる難燃性の向上も図ることができる。
【0010】
以下に本発明を構成する成分について詳細に説明する。
1.リン含有(メタ)アクリル化合物(A)
本発明に用いられるリン含有(メタ)アクリル化合物は、分子中に難燃性を付与するリン原子とラジカル重合性基である(メタ)アクリロイル基を有し、リン原子はラジカル重合時に硬化物のマトリックスに取り込まれる。そのため耐熱性を損ねることなく難燃性を付与することができる。
【0011】
本発明に用いられるリン含有(メタ)アクリル化合物は、ジエチルホスファイト、ジ−n−プロピルホスファイト、ジブチルホスファイト、ジヘキシルホスファイト、ジエチルホスフィンオキシド、ジ−n−プロピルホスフィンオキシド、ジ−n−ブチルホスフィンオキシド、ジヘキシルホスフィンオキシド等のP−H結合を有するリン化合物と(メタ)アクリル化合物の(メタ)アクリロイル基をマイケル付加反応させることによって得ることができる。
ここで難燃性、化合物の安定性より、好ましいP−H結合を有する化合物として、下記式(1)や式(2)で示される化合物が挙げられる。
式(1)
【化5】


式(2)
【化6】


(式中R、R2はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数1〜10の芳香族基を、m、nはそれぞれ0〜5を表す。)
【0012】
、R2の具体例は、炭素数1〜10の脂肪族基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基が挙げられ、炭素数1〜10の芳香族基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられる。特に好ましいリン化合物は式(3)で示されたR、R2 がいずれも水素原子の化合物(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド 三光株式会社 商品名 HCA)、式(4)で示されるジフェニルホスフィンオキシド、式(5)で示されるビス(2−メチルフェニル)ホスフィンオキシド、式(6)で示されるビス(2,5−ジメチルフェニル)フォスフィンオキサイド、式(7)で示されるビス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィンオキシドである。
式(3)
【化7】


式(4)
【化8】


式(5)
【化9】


式(6)
【化10】


式(7)
【化11】

【0013】
また、リン含有(メタ)アクリル化合物を得るために、原料として用いられ(メタ)アクリル化合物は、硬化性の観点から1分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリル化合物が好ましく用いられる。そのような化合物の具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物のテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールプロピレンオキサイド付加物のテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられるが、難燃性、耐水性の観点より、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートが特に好ましい。
【0014】
これらの多官能(メタ)アクリル化合物に対するP−H結合を有する化合物の付加量は、(メタ)アクリロイル基1当量に対して、0.1〜0.7当量の範囲が適し、好ましくは0.2〜0.5当量である。0.1当量未満では十分な難燃性が得られず、0.7当量を超えると耐熱性が低下する。
【0015】
上記の多官能(メタ)アクリル化合物とP−H結合を有するリン含有化合物の反応は、例えば下記に示す式(8)の反応式で進行し、リン含有(メタ)アクリル化合物を得ることができる。反応の方法としては一般的な方法を用いることができ、反応容器内で両者を攪拌混合しながら加熱すればよく、触媒は特に必要としない。反応は乾燥空気を吹き込みながら行い、温度は50℃〜180℃、好ましくは100℃〜130℃、反応時間は0.5時間〜50時間である。温度が低すぎると反応の進行が遅く時間を浪費し、温度が高すぎると(メタ)アクリル基の重合反応が進行してゲル物が生成してしまう。反応時に溶剤は使用してもしなくてもよいが、原料の溶解性や反応温度に応じて反応に不活性な溶剤を選択すれば良い。
式(8)
【化12】


(Xは有機基を示す)
【0016】
このようにして得られたリン含有(メタ)アクリル化合物の好ましいリン含有量は、1〜8質量%であり、より好ましくは2〜6質量%である。1質量%未満では十分な難燃性が発現せず、8質量%を超えると他の樹脂成分の相溶性が低下したり、粘度が高すぎて取り扱い作業性が低下する。
【0017】
本発明に用いられるリン含有(メタ)アクリル化合物(A)は、マイケル付加反応により、加水分解に対して安定なP−C結合を形成するため、一般的な難燃剤として使用されるリン酸エステル系難燃剤と比較して耐加水分解性が高く、フェノキシ骨格を有する(メタ)アクリル化合物(B)等と組み合わせることで、プリント配線板、ソルダーレジスト、電子部品等の電気絶縁性が必要とされる用途に好適に使用することができる。
【0018】
本発明のラジカル重合性難燃樹脂成分中、リン含有(メタ)アクリル化合物(A)は10〜50質量%配合されることが好ましく、より好ましくは15〜40質量%である。10質量%未満では難燃性が低下し、50質量%を超えると耐熱性が低下する。
【0019】
2.フェノキシ骨格を有する(メタ)アクリル化合物(B)
本発明に用いられるフェノキシ骨格を有する(メタ)アクリル化合物は、燃焼時にチャーの形成を容易にして難燃性を高めると同時に、耐熱性を付与する目的で使用される。
本発明に好ましく用いられるフェノキシ骨格を有する(メタ)アクリル化合物としては、(B−1)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、(B−2)ビスフェノールA アルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0020】
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(B−1)としては、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート、フェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエン型エポキシ(メタ)アクリレート、ビフェニルアラルキル型エポキシ(メタ)アクリレート、ナフトールアラルキル型エポキシ(メタ)アクリレート、ナフトールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート等を挙げることができるが、難燃性、耐熱性、樹脂粘度の観点より、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート、ビフェニルアラルキル型エポキシ(メタ)アクリレート、ナフトールアラルキル型エポキシ(メタ)アクリレート、ナフトールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレートがより好ましい。さらにこれらのエポキシ(メタ)アクリレートの水酸基に、さらに無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物等の酸無水物化合物を反応させて、カルボキシル基を有するエポキシアクリレートとしてももちろんかまわない。
【0021】
ビスフェノールA アルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート(B−2)は特に樹脂粘度の観点より優れており、そのような化合物の具体例として、ビスフェノールA エチレンオキサイド2モル付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA エチレンオキサイド4モル付加物のジ(メタ)アクリレートビスフェノールA プロピレンオキサイド2モル付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA プロピレンオキサイド4モル付加物のジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
これらのフェノキシ骨格を有する(メタ)アクリル化合物は2種以上組み合わせて使用してももちろん構わない。
【0022】
本発明のラジカル重合性難燃樹脂組成物において、これらフェノキシ骨格を有する(メタ)アクリル化合物は、15〜50質量%配合されるのが好ましく、より好ましくは20〜40質量%である。15質量%未満ではフェノキシ骨格が少ないため、チャーの形成が抑制され、難燃性が低下する。50質量%を超えると樹脂粘度が高くなる。
【0023】
3.シアヌル環もしくはイソシアヌル環骨格を有する(メタ)アクリル化合物(C)
本発明のラジカル重合性難燃樹脂組成物において、シアヌル環もしくはイソシアヌル環骨格を有する(メタ)アクリル化合物(C)は、耐熱性を付与する目的で配合される。
好ましい化合物の具体例としては、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートが挙げられる。
【0024】
本発明のラジカル重合性難燃樹脂組成物において、(C)は5〜40質量%が好ましく、より好ましくは10〜30質量である。5質量%未満では耐熱性が低下し、40質量%を超えると、組成物粘度が高くなる。
【0025】
4.スチレン化合物(D)
本発明のラジカル重合性難燃樹脂組成物において、スチレン化合物は組成物粘度を下げ、作業性を向上させる目的で使用する。スチレン化合物の具体例としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、tert−ブトキシスチレン等を挙げることができるが、経済性と減粘効果の大きさより、スチレンが最も好ましい。
【0026】
本発明のラジカル重合性難燃樹脂組成物において、スチレン化合物(D)は5〜30質量%が好ましく、より好ましくは10〜20質量である。5質量%未満では樹脂粘度が上がり、30質量%を超えると、難燃性が低下する。
【0027】
5.その他有機成分
本発明のラジカル重合性難燃樹脂組成物は、難燃性、耐熱性、樹脂粘度を低下させない範囲で、その他諸物性を調整する目的で、上記(A)、(B)、(C)、(D)以外の有機成分を配合することができる。
【0028】
そのような有機成分としては以下のものが挙げられる。
基材との接着性を挙げるための3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン等のシランカップリン剤や、(メタ)アクリル酸、アクリル酸ダイマー等のカルボキシル基含有不飽和化合物。
【0029】
硬化物物性をコントロールするための例えば(メタ)アクリル酸エステル、その他のビニル化合物。具体的には、(メタ)アクリル酸エステルとしては、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレンジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド3モル付加トリアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド6モル付加トリアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド3モル付加トリアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド6モル付加トリアクリレート等を挙げることができる。また、その他のビニル化合物としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルアセトアミド、アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
【0030】
柔軟性を付与するための不飽和基を有するゴム成分。具体的には末端カルボキシル基含有アクリルニトリル−ブタジエン液状ゴムのグリシジル(メタ)アクリレート付加物、末端カルボキシル基含有アクリルニトリル−ブタジエン液状ゴムの2−イソシアネーとエチル(メタ)アクリレート付加物等が挙げられる。
【0031】
さらなる耐熱性を付与するためのエポキシ樹脂。具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、N−グリシジル型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0032】
さらなる難燃性を付与するためのN−OR構造を有するヒンダードアミン化合物(例えばチバ・スペシャリティ・ケミカルズ製 FLAMSTAB NOR 116)や、プロポキシフォスファゼン、アミドフォスファゼン、フェノキシフォスファゼン等のホスファゼン化合物。
【0033】
上記の化合物以外にも、諸特性を改良するためにもちろん任意の有機成分を配合することが可能である。
上記(A)、(B)、(C)、(D)の成分や、その他の成分を配合した場合の本発明の前記各ラジカル重合性難燃樹脂組成物の30℃における粘度は、作業性の観点から3000mP・s以下であることを好ましく、より好ましくは1500mP・s以下である。3000mP・sを超えると、金属水酸化物を配合した場合の樹脂粘度が高くなり過ぎ、脱泡や含浸性等の作業性が著しく低下する。
【0034】
上記(A)、(B)、(C)、(D)の成分や、その他の成分を配合した場合の本発明の前記各ラジカル重合性難燃樹脂組成物の硬化物のガラス転移点(Thermal Mechanical Analysis:TMA法で測定。)は、耐熱性の観点より150℃以上が好ましく、より好ましくは160℃以上である。150℃未満では電気絶縁材料としての耐熱性が不十分である。
【0035】
6.金属水酸化物(E)
本発明のラジカル重合性難燃樹脂組成物は、さらに難燃性を上げるために金属水酸化物を(E)配合することができる。金属水酸化物は、燃焼時に水分を発生することで燃焼を抑制する。本発明に使用できる金属水酸化物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
【0036】
金属水酸化物の配合量は、樹脂成分100質量部に対し、10〜100質量部配合することで目的を達成することができるが、より好ましくは20〜80質量部である。10質量部未満では、金属水酸化物の効果は現れず、100質量部を超えると、粘度が上がりすぎて作業性が低下する。
【0037】
7.その他無機成分
本発明のラジカル重合性難燃樹脂組成物は、必要に応じて炭酸カルシウム、硫酸バリウウム、アルミナ、タルク、シリカ、ガラス粉等の無機フィラーやガラスクロス等の無機繊維材を配合することができる。
【0038】
8.硬化方法
本発明のラジカル重合性難燃樹脂組成物は、加熱や紫外線、電子線等の活性エネルギー線の照射、いずれの方法でも硬化することができる。紫外線硬化時にはアセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アシルホスフィンオキサイド系化合物等の公知の光開始剤を、加熱硬化時には有機過酸化物やアゾ系化合物を用いて硬化させることが好ましいが、物性発現の観点より加熱による硬化が好ましい。
【0039】
上記有機過酸化物の具体例としては、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシネオジケネート、ラウリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、シクロヘキサノンパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキシド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド等;アゾ系化合物の具体例としてはアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジエチルバレロニトリル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記硬化剤の添加量としては特に限定されず、例えば、ラジカル重合性難燃樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜5.0質量部であることが好ましい
【0040】
硬化温度は、使用する硬化剤の分解性に依存するが、80〜230℃の温度範囲で、5分〜5時間の範囲で硬化する。場合によっては段階的に温度を変えて硬化を行っても構わない。好ましい熱硬化条件としては、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の10時間半減期温度が100〜170℃の有機過酸化物を、本発明のラジカル重合性難燃樹脂組成物100質量部に対して0.5〜3.0質量部配合し、該組成物を90〜130℃の温度範囲で5〜60分間予備硬化、さらに160〜220℃の範囲で5分から2時間本硬化する方法が挙げられる。
【実施例】
【0041】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお特記しない限り、例中の部は質量部を意味する。
【0042】
<合成例>
1.リン含有(メタ)アクリル化合物
[合成例1] P−1
トリメチロールプロパントリメタクリレート338部(1.0mol)に式(3)のリン化合物(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド 商品名 HCA 三光株式会社製)162部(0.75mol)を加え、空気を吹き込みながら130℃で15時間反応させてリン含有率4.6質量%のリン含有(メタ)アクリル化合物P−1を得た。得られた生成物をGPCにて確認したところ式(3)のリン化合物の反応率は99%であった。
【0043】
[合成例2]P−2
トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート423部(1.0mol)に式(4)のリン化合物 151.5部(0.75mol)を加え、空気を吹き込みながら115℃で6時間反応させてリン含有率4.0質量%のリン含有(メタ)アクリル化合物P−2を得た。得られた生成物をGPCにて確認したところ、式(4)のリン化合物の反応率は99%であった。
【0044】
[合成例3]P−3
トリメチロールプロパントリメタクリレート338部(1.0mol)に式(6)のリン化合物227部(0.88mol)を加え、空気を吹き込みながら130℃で15時間反応させてリン含有率4.9%のリン含有(メタ)アクリル化合物P−1を得た。得られた生成物をGPCにて確認したところ式(6)のリン化合物の反応率は99%であった。
【0045】
2.エポキシ(メタ)アクリレート樹脂
[合成例4]E−1
エポキシ当量208のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂 エピクロンN−660(商品名 大日本インキ工業製)208部及びアクリル酸72部、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド 0.8部、メトキノン 0.3部、スチレン 31部を仕込み、空気を吹き込みながら130℃ 3時間反応させることによりエポキシアクリレート樹脂 E−1を得た。
【0046】
[合成例5]E−2
エポキシ当量274のビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂 NC−3000 (商品名 日本化薬製)274部及びアクリル酸72部、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド 1.1部、メトキノン 0.4部、スチレン 38部を仕込み、空気を吹き込みながら130℃ 3時間反応させることによりエポキシアクリレート樹脂 E−2を得た。
【0047】
[合成例6]E−3
エポキシ当量210のナフトールノボラック型エポキシ樹脂 NC−7300L(商品名 日本化薬製)210部、アクリル酸 72部、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド 0.8部、メトキノン 0.3部、スチレン 31部を仕込み、空気を吹き込みながら130℃ 3時間反応させることによりエポキシアクリレート樹脂 E−3を得た。
【0048】
[比較合成例1]CE−1
エポキシ当量 407の含リンエポキシ樹脂 ZX−1548−4(商品名 東都化成製) 407部、メタクリル酸 86部、トリフェニルホスフィン 1.5部、メトキノン 0.5部、スチレン 164部を仕込み、空気を吹き込みながら130℃ 5時間反応させることによりスチレン以外の樹脂分中リン含有率3.3質量%の含リンエポキシメタクリレート樹脂 CE−1を得た。
【0049】
<実施例調製>
表1に示す組成(質量部)で、実施例1〜8、比較例1のラジカル重合性難燃樹脂組成物を調製した。
【0050】
<評価方法>
1.樹脂粘度
樹脂粘度はB型粘度計を用い、30℃にて測定した。
2.硬化物Tg(ガラス転移温度)
Tgは実施例1〜8、比較例1の樹脂組成物を110℃ 30分さらに200℃ 60分の硬化条件で硬化したサンプルを用い、TMA法(株式会社リガク ThermoFlex TAS−200 TMA 8140C)にて測定した。
【0051】
3.難燃性
実施例1〜8、比較例1の樹脂組成物100質量部に対し、水酸化アルミニウム H−42I(昭和電工製)50質量部を配合した後、大きさ300×300mm、厚み180μmのガラスクロスマット(日東紡株式会社 WE18K105)に含浸した後、厚さ100μmのPETフィルムで挟み込んでサンドイッチ構造とした。さらに110℃のオーブンで30分予備硬化した後、さらに6MPaの加圧下、200℃×60分加熱硬化し、厚み約200μmの試験片を得た。試験片の樹脂含有量は約50質量%であった。この試験片を用い、UL規格94V法に準拠して難燃性試験を行った。
【0052】
4.銅箔ピール強度
実施例1〜8、比較例1の樹脂組成物100質量部に対し、水酸化アルミニウム H−42I(昭和電工製)50質量部を配合した後、大きさ300×300mm、厚み180μmのガラスクロスマット(日東紡株式会社 WE18K105)に含浸した後、厚さ36μmの銅箔(日鉱マテリアルズ製 JTC箔)で挟み込んでサンドイッチ構造とした。さらに110℃のオーブンで30分予備硬化した後、さらに6MPaの加圧下、200℃×60分加熱硬化し、厚み約200μmの試験片を得た。試験片の樹脂含有量は約50質量%であった。この試験片を用い、銅箔ピール強度の試験(ORIENTEC RTM−1T)を用いて行った。
【0053】
5.半田耐熱試験
銅箔ピール強度測定用の試験片を用い、260℃の半田に120秒浸漬したときのフクレ発生の有無を目視で判定した。判定基準は、外観に変化がない場合を○、フクレが発生した場合を×とした。
各評価結果は表1に示した。
【0054】
【表1】

【0055】
表1の結果より本発明のラジカル重合性難燃樹脂組成物は、ハロゲン系難燃剤を含まなくても高い難燃性を示し、樹脂粘度が低く作業性に優れ、さらに耐熱性にも優れるため、電子回路基板や電子部品に用いられる絶縁材料などに好適に使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明のラジカル重合性難燃樹脂組成物は、使用するリン含有(メタ)アクリル化合物(A)の耐加水分解性が高いと同時に、硬化物の耐熱性が高いため、特に電子基板用材料として好適に使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリル化合物とP−H結合を有するリン化合物とを、(メタ)アクリロイル基1当量に対して、P−H結合を有するリン化合物0.1〜0.7当量の範囲内で、反応させて得られるリン含有(メタ)アクリル化合物(A)を含むラジカル重合性難燃樹脂組成物。
【請求項2】
P−H結合を有する化合物が式(1)、もしくは式(2)で示されるフォスフィンオキサイド化合物である請求項1記載のラジカル重合性難燃樹脂組成物。
式(1)
【化1】


式(2)
【化2】


(式中R、R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数1〜10の芳香族基、m、nはそれぞれ0〜5を表す。)
【請求項3】
1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリル化合物がトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートから選択される化合物であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のラジカル重合性難燃樹脂組成物。
【請求項4】
ラジカル重合性難燃樹脂組成物中、リン含有(メタ)アクリル化合物(A)を10〜50質量%含む請求項1〜3のいずれかに記載のラジカル重合性難燃樹脂組成物。
【請求項5】
ラジカル重合性難燃樹脂組成物中、フェノキシ骨格を有する(メタ)アクリル化合物(B)を15〜50質量%含む請求項1〜4のいずれか記載のラジカル重合性難燃樹脂組成物。
【請求項6】
フェノキシ骨格を有する(メタ)アクリル化合物(B)がエポキシ(メタ)アクリレート樹脂である請求項5に記載のラジカル重合性難燃樹脂組成物。
【請求項7】
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂がクレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、ビフェニルアラルキル型エポキシ(メタ)アクリレート、ナフトールアラルキル型エポキシ(メタ)アクリレート、ナフトールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレートから選択される1種以上の化合物である請求項6に記載のラジカル重合性難燃樹脂組成物。
【請求項8】
フェノキシ骨格を有する(メタ)アクリル化合物(B)がビスフェノールA アルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレートである請求項5に記載のラジカル重合性難燃樹脂組成物。
【請求項9】
ラジカル重合性樹脂組成物中、シアヌル環もしくはイソシアヌル環骨格を有する(メタ)アクリル化合物(C)を5〜40質量%含む請求項1〜8のいずれかに記載のラジカル重合性難燃樹脂組成物。
【請求項10】
シアヌル環もしくはイソシアヌル環骨格を有する(メタ)アクリル化合物(C)物がトリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートである請求項9に記載のラジカル重合性難燃樹脂組成物。
【請求項11】
ラジカル重合性樹脂成分中、スチレン化合物(D)を5〜30質量%含有することを特徴とする請求項1〜10記載のラジカル重合性難燃樹脂組成物。
【請求項12】
30℃における粘度が3000mP・s以下であることを特徴とする請求項1〜11に記載のラジカル重合性難燃樹脂組成物。
【請求項13】
請求項1〜12に記載のラジカル重合性難燃樹脂組成物100質量部に対し、金属水酸化物(E)を10〜100質量部配合することを特徴とするラジカル重合性難燃樹脂組成物。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載のラジカル重合性難燃樹脂組成物を用いた硬化物。
【請求項15】
ガラス転移温度が150℃以上であることを特徴とする請求項14に記載の硬化物。
【請求項16】
請求項15に記載の硬化物からなる電子基板。

【公開番号】特開2007−238738(P2007−238738A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−62209(P2006−62209)
【出願日】平成18年3月8日(2006.3.8)
【出願人】(000187068)昭和高分子株式会社 (224)
【Fターム(参考)】