説明

ラジコン模型用送信機のトリガーユニット

【課題】本発明は、トリガー主軸をグリップユニット方向へ引き寄せる際の指の動きに良く馴染み、指の各関節を必要以上に折り曲げることなく、楽で自然な形でトリガー主軸の操作ができるトリガーユニットを提供すること。
【解決手段】トリガー主軸にグリップユニット方向への負荷を掛けない状態下で、トリガー主軸の先端を、トリガー主軸の基端よりもグリップユニットから遠い位置に配設し、このトリガー主軸の基端付近に、トリガー主軸と略直交する方向に伸びる直交軸を設け、この直交軸の先端付近に回動支軸を設け、この直交軸先端の回動支軸の隣接位置に偏芯凸部を設け、トリガー主軸にグリップユニット方向への負荷を掛けた際に、この偏芯凸部により押圧される揺動レバーを配設し、この揺動レバーは一端を送信機の本体に軸着し、揺動レバーの他端をコイルバネの先端に係止し、コイルバネの基端を送信機の本体に係止したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラジコン(ラジオコントロール)模型自動車などをはじめとする各種のラジコン模型に制御信号を送信する送信機(コントローラー)のトリガーユニットに関し、さらに詳しくはトリガーユニットのトリガー主軸をグリップユニット方向(手前方向)に引き寄せる際、トリガー主軸が指の動きに馴染むように移動できるトリガーユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のラジコン模型用送信機のトリガーユニットは、多くの場合スピード調整用(前進/後進の切り換えを含む)のユニット機能をもつスロットルトリガーであり、そのトリガー主軸を手前方向(グリップユニット方向)に引き寄せるように負荷を掛けることでラジコン模型のスピードを高め、トリガー主軸を引き寄せる力を緩める(トリガー主軸への負荷を解除する)ことでスピードを落とすように構成されている。
【0003】
図4は、従来タイプのトリガーユニットを示した正面図で、(a)はトリガー主軸にグリップユニット方向への負荷を掛けていない状態であり、(b)はトリガー主軸にグリップユニット方向への負荷を掛けた状態である。
【0004】
すなわち、トリガー主軸1に指(好ましくは、右利きの人は左手の人差し指)の先端部の腹面をかけ、その腹面に力を入れて(負荷を掛けて)トリガー主軸1をグリップユニットB方向(手前方向)に引き寄せると、トリガー主軸1は根元軸部4を中心に回動して、トリガー主軸1の先端2はグリップユニットB方向に引き寄せられ、トリガー主軸1の基端3付近に設けた偏芯凸部5が揺動レバー6を突き上げ、その結果揺動レバー6の一端に接続されている垂直バネ7が引き伸ばされるようになる。
【0005】
ついでトリガー主軸1へ掛けられた負荷を解除すると、前記垂直バネ7の引き戻し力で揺動レバー6と偏芯凸部5が元の位置に戻され、トリガー主軸1も根元軸部4を中心に回動して元の位置に戻される。
このように、トリガー主軸1は根元軸部4を中心として、トリガー主軸1に負荷を掛けたり解除したりすることで、グリップユニット2に近づいたり、離れたりという、直線的な移動をするものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−107588号公報
【特許文献2】特開2001−62160号公報
【特許文献3】特開2003−325994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記した従来のトリガーユニットでは、トリガー主軸1がその根元軸部4を中心として図4(a)の矢印方向へ直線的に移動し、その結果、トリガー主軸1は直線方向の移動をするのみであった。
【0008】
しかしながら、トリガー主軸1を直線方向に移動させた場合には、トリガー主軸1に掛けた指の各関節を必要以上に折り曲げる必要があったため、そのことは指の動きから見ると不自然な動作を強いているという問題点があった。
【0009】
本発明は、トリガー主軸1をグリップユニットB方向へ引き寄せる際の指の動きに良く馴染み、指の各関節を必要以上に折り曲げることなく、楽で自然な形でトリガー主軸1の操作ができるようになり、上記の全ての課題を解決できるようにしたラジコン模型用送信機のトリガーユニットを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るラジコン模型用送信機のトリガーユニットの請求項1のものは、
トリガー主軸にグリップユニット方向への負荷を掛けない状態下で、トリガー主軸の先端を、トリガー主軸の基端よりもグリップユニットから遠い位置に配設し、このトリガー主軸の基端付近に、トリガー主軸と略直交する方向に伸びる直交軸を設け、この直交軸の先端付近に回動支軸を設け、この直交軸先端の回動支軸の隣接位置に偏芯凸部を設け、トリガー主軸にグリップユニット方向への負荷を掛けた際に、この偏芯凸部により押圧される揺動レバーを配設し、この揺動レバーは一端を送信機の本体に軸着し、揺動レバーの他端をコイルバネの先端に係止し、コイルバネの基端を送信機の本体に係止したことを特徴とするラジコン模型用送信機のトリガーユニットである。
【0011】
また請求項2は、直交軸の先端に、揺動レバーを挟持する形態の挟み込み部を形成したことを特徴とする請求項1記載のラジコン模型用送信機のトリガーユニットである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載のラジコン模型用送信機のトリガーユニットは、トリガー主軸がグリップユニットに対して、直線的に引き寄せられるのではなく、円弧を描きながら引き寄せられるようになり、トリガー主軸1をグリップユニットB方向へ引き寄せる際、トリガー主軸1に掛けた指の各関節を必要以上に折り曲げることなく、楽で自然な形でトリガー操作ができるようになり、指の自然な動きに馴染み、トリガー主軸の操作の円滑性が向上する優れた効果を発揮する。
【0013】
請求項2記載のラジコン模型用送信機のトリガーユニットは、直交軸の先端に揺動レバーを挟持するような形態の挟み込み部を形成したため、トリガーユニットがコンパクトな構成になりつつ、本発明の目的とするトリガー主軸の円弧を描きながらグリップユニット方向へ引き寄せられるという所期の目的を確実に達成できるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明のトリガーユニットを備えた、ラジコン模型用送信機の正面図である。
【図2】本発明のトリガーユニットにおいて、トリガー主軸にグリップユニット方向への負荷を掛けていない状態の図面で、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図3】本発明のトリガーユニットにおいて、トリガー主軸にグリップユニット方向への負荷を掛けた状態の図面で、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図4】従来のトリガーユニットの正面図で、(a)はトリガー主軸にグリップユニット方向への負荷を掛けていない状態、(b)はトリガー主軸にグリップユニット方向への負荷を掛けた状態である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明のラジコン模型用送信機のトリガーユニットAの実施の形態を説明する。
図1は、本発明のトリガーユニットAを備えた、ラジコン模型用送信機の正面図であり、このラジコン模型用送信機には、本発明のトリガーユニットAのほかに、グリップユニットB、上部本体C、ステアリングユニットD、バッテリーユニットEなどが搭載されている。
また符号20は液晶ディスプレー(LCD)であり、21はアンテナ、22はトリガー主軸1を押し戻す際に使用する戻しレバーである。
【0016】
本発明のトリガーユニットAは、図2及び図3に示すように、トリガー主軸1にグリップユニットB方向への負荷を掛けない状態下で、トリガー主軸1の先端2を、トリガー主軸1の基端3よりもグリップユニットBから遠い位置に配設しておく。
【0017】
このトリガー主軸1の基端3付近に、トリガー主軸1と略直交する方向に伸びる直交軸10の先端11を取り付け、この直交軸10の基端12付近に、直交軸10の根元軸部13を設け、この根元軸部13は送信機の本体19に係止される。
【0018】
この直交軸10の基端12の隣接位置に偏芯凸部15が設けられ、トリガー主軸1にグリップユニットB方向への負荷を掛けた際に、この偏芯凸部15により押圧される揺動レバー16が配設されており、この揺動レバー16は揺動支軸17位置で送信機の本体19に軸着されているため、揺動レバー16は揺動支軸17を中心にして揺動することになる。
【0019】
さらに揺動レバー16の他端には戻しバネ18の先端が係止され、この戻しバネ18の基端は送信機の本体19に係止しているので、揺動レバー16は常に揺動レバー16の他端を戻しバネ18方向に引き戻し力が付勢され、トリガー主軸1への負荷が解除された際には、ただちにトリガー主軸1を負荷をかける前の状態に戻す力が働く。
【0020】
ついで本発明の直交軸10の先端11に、直交軸の挟み込み部14を形成するようにしても良い。この挟み込み部14は、直交軸10の先端に揺動レバー16が潜り込むスペースが確保されていれば、どのような構成であってもかまわない。
この挟み込み部14を形成することで、トリガーユニットがコンパクトな構成になりつつ、本発明の目的とするトリガー主軸が円弧を描きながらグリップユニット方向へ引き寄せられるという所期の目的を確実に達成できる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明によれば、トリガーユニットを備えたラジコン模型用送信機を製造する現場、それを販売する現場、それを利用する現場で幅広く利用することができる。
【符号の説明】
【0022】
A トリガーユニット
B グリップユニット
C 上部本体
D ステアリングユニット
E バッテリーユニット
1 トリガー主軸
2 トリガー主軸の先端
3 トリガー主軸の基端
4 トリガー主軸の根元軸部
5 偏芯凸部
6 揺動レバー
7 垂直バネ
10 直交軸
11 直交軸の先端
12 直交軸の基端
13 直交軸の根元軸部
14 直交軸の挟み込み部
15 直交軸に設けた偏芯凸部
16 揺動レバー
17 揺動レバーの揺動支軸
18 トリガー主軸戻し用の戻しバネ
19 送信機の本体
20 液晶ディスプレー
21 アンテナ
22 トリガー主軸戻し用の戻しレバー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
トリガー主軸にグリップユニット方向への負荷を掛けない状態下で、トリガー主軸の先端を、トリガー主軸の基端よりもグリップユニットから遠い位置に配設し、このトリガー主軸の基端付近に、トリガー主軸と略直交する方向に伸びる直交軸を設け、この直交軸の先端付近に回動支軸を設け、この直交軸先端の回動支軸の隣接位置に偏芯凸部を設け、トリガー主軸にグリップユニット方向への負荷を掛けた際に、この偏芯凸部により押圧される揺動レバーを配設し、この揺動レバーは一端を送信機の本体に軸着し、揺動レバーの他端をコイルバネの先端に係止し、コイルバネの基端を送信機の本体に係止したことを特徴とするラジコン模型用送信機のトリガーユニット。
【請求項2】
直交軸の先端に、揺動レバーを挟持する形態の挟み込み部を形成したことを特徴とする請求項1記載のラジコン模型用送信機のトリガーユニット。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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