ラップフィルム引出具
【課題】ラップフィルムを収納箱からスムーズに引き出すことができ、さらに容易にラップフィルムから引き剥がすことの可能なラップフィルム引出具を提供する。
【解決手段】ラップフィルム収納箱4に収納されたラップフィルム3の引き出し側の端縁3aに粘着させて、ラップフィルム3を引き出すラップフィルム引出具10であって、ラップフィルム3に粘着可能な粘着板1と、粘着板1をその長手方向に沿って延びる長辺側の端縁1aが突出するように表面及び裏面の両側から挟持する本体部2とからなる。
【解決手段】ラップフィルム収納箱4に収納されたラップフィルム3の引き出し側の端縁3aに粘着させて、ラップフィルム3を引き出すラップフィルム引出具10であって、ラップフィルム3に粘着可能な粘着板1と、粘着板1をその長手方向に沿って延びる長辺側の端縁1aが突出するように表面及び裏面の両側から挟持する本体部2とからなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラップフィルム収納箱に収納されたラップフィルムを引き出すときに用いるラップフィルム引出具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ラップフィルムを用いて料理皿等をラッピングする場合には、ラップフィルム収納箱からラップフィルムを引き出すために、ラップフィルムの端を手でつかみ、必要な長さだけ引き出してから、収納箱に設けられた刃で切断することにより行っていた。
しかしながら、ラップフィルムの端を手でつかむ場合には中央部分のみに力が加わるため、ラップフィルムに皺が生じたり端が重なってくっ付いたりして、平面性を保った状態でスムーズに引き出すことが困難であった。
【0003】
これに対して、ラップフィルムの幅と同じ長さで裏面に粘着剤を付着した板材を用いて、ラップフィルムを収納箱から引き出すようにした、ラップフィルム引出具の発明が開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【特許文献1】実開昭63−105629号公報
【特許文献2】実開平7−28840号公報
【0004】
図14及び図15は、上記従来のラップフィルム引出具の一例であるラップフィルム引出具100の使用状態を示したものである。以下にラップフィルム引出具100を用いて、ラップフィルム収納箱4に収納されたラップフィルム3を引き出して、料理皿等をラッピングする方法について説明する。
【0005】
最初に、図14に示すように、ラップフィルム3の引き出し側の端縁3aに、ラップフィルム引出具100の裏面を粘着させる。このとき、図14のC−C断面図である図15に示すように、ラップフィルム引出具100の本体部102の裏面には粘着剤を付着した粘着層101が形成されており、この粘着層101とラップフィルム3の引き出し側の端縁3aを粘着させる。
次に、ラップフィルム引出具100を引っ張って、ラップフィルム3を必要な長さだけ引き出し料理皿等を覆った後、ラップフィルム収納箱4に取付けられた刃5により切断する。
最後に、ラップフィルム引出具100をラップフィルム3から引き剥がすとともに、ラップフィルム3を料理皿等の形状に合わせて整えて、ラッピングが完了する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のラップフィルム引出具100を用いた場合には、以下のような問題が生じていた。
ラップフィルム引出具100は、ラップフィルム3を引き出すためにある程度の粘着力が必要であるが、最後の段階でラップフィルム3から引き剥がさなければならないため、あまり粘着力が大きくてもよくない。しかし、粘着剤の違いだけで粘着力を調整しても、なかなか適度な粘着力を得ることは困難である。
【0007】
また、特許文献1に記載された発明のように粘着剤を本体部の裏面に間隔を空けて付着させたものがあるが、これではラップフィルムを引き剥がすときにスムーズさに欠け、やぶれる可能性がある。
【0008】
さらに、特許文献2に記載された発明のように粘着剤を本体部の裏面の両端のみに付着させたものがあるが、これでは中央部分が粘着せずに浮いた状態となり、ラップフィルムをスムーズに引き出すことができない。
【0009】
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、ラップフィルムを収納箱からスムーズに引き出すことができ、さらに容易にラップフィルムから引き剥がすことの可能なラップフィルム引出具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記従来の課題を解決するために、請求項1に係る発明のラップフィルム引出具は、ラップフィルム収納箱(4)に収納されたラップフィルム(3)の引き出し側の端縁(3a)に粘着させて、前記ラップフィルム(3)を引き出すラップフィルム引出具(10)であって、前記ラップフィルム(3)に粘着可能な粘着板(1)と、前記粘着板(1)をその長手方向に沿って延びる長辺側の端縁(1a)が突出するように表面及び裏面の両側から挟持する本体部(2)とからなることを特徴とする。
【0011】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記粘着板(1)の前記本体部(2)からの突出幅が前記粘着板の表面と裏面とで異なることを特徴とする。
【0012】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記粘着板(1)の前記本体部(2)からの突出幅(WX)を前記長辺側の端縁(1a)の至端に向けて基準幅(W0)より徐々に狭くした剥離誘導部(X)を設けたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項4に係る発明は、請求項3に記載の発明において、前記剥離誘導部(X)に隣接した長手方向中央側に、前記突出幅(WY)を基準幅(W0)より広くした強粘着部(Y)を設けたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項5に係る発明は、請求項3に記載の発明において、前記突出幅(WP)を広くした強粘着部(P)と前記突出幅(WQ)を狭くした弱粘着部(Q)を、長手方向に沿って交互に設けたことを特徴とする。
【0015】
また、請求項6に係る発明は、請求項5に記載の発明において、前記剥離誘導部(X)に隣接した長手方向中央側において、前記粘着板(1)の一方の面の強粘着部(P)の裏側には他方の面の弱粘着部(Q)が位置し、前記粘着板(1)の一方の面の弱粘着部(Q)の裏側には他方の面の強粘着部(P)が位置することを特徴とする。
【0016】
なお、括弧内の記号は、発明を実施するための最良の形態および図面に記載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明のラップフィルム引出具によれば、ラップフィルムに粘着可能な粘着板の長手方向に沿って延びる長辺側の端縁が本体部から突出しているので、この長辺側の端縁をラップフィルムの引き出し側の端縁に粘着させて、ラップフィルムを収納箱からスムーズに引き出すことができる。
また、本体部が粘着板を表面及び裏面の両側から挟持することにより、粘着板のラップフィルムに対する粘着面と、これに平行な本体部の外表面の間に段差が生じるので、ラップフィルムを引き出した後でラップフィルム引出具を容易に引き剥がすことができる。
【0018】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用効果に加えて、粘着板の本体部からの突出幅を粘着板の表面と裏面とで異なるようにすることができる。そのため、突出幅を広くした面をラップフィルムに粘着させ、突出幅を狭くした面で上から押えることができるので、粘着板を確実にラップフィルムに粘着させることができる。
【0019】
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用効果に加えて、粘着板の本体部からの突出幅を、粘着板の長辺側の端縁の至端に向けて基準幅より徐々に狭くして、粘着力を徐々に弱くすることができる。そのため、この部分を剥離誘導部とすることにより、ラップフィルム引出具をラップフィルムから引き剥がす際の剥がし始めが容易となる。
【0020】
また、請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の作用効果に加えて、突出幅を基準幅より広くした強粘着部を設けて、ラップフィルムへの粘着力を高めることができる。特に、強粘着部を剥離誘導部に隣接した長手方向中央側に設けることにより、ラップフィルム引出具の両端に近い部分でラップフィルムを安定的に保持することができる。
さらに、強粘着部以外の長手方向中央周辺は粘着力を高めていないので、引き剥がすときに妨げとならない。
【0021】
また、請求項5に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の作用効果に加えて、突出幅を広くした強粘着部と突出幅を狭くした弱粘着部を、長手方向に沿って交互に設けて、ラップフィルム引出具でラップフィルムを安定的に保持することができる。
さらに、引き剥がす場合にも、強粘着部と弱粘着部が交互に現れて容易に行うことができる。
【0022】
また、請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の発明の作用効果に加えて、剥離誘導部に隣接した長手方向中央側において、粘着板の一方の面の強粘着部の裏側には他方の面の弱粘着部が位置し、粘着板の一方の面の弱粘着部の裏側には他方の面の強粘着部が位置するように構成することができる。そのため、剥離誘導部に隣接した長手方向中央側において、突出幅を広くした強粘着部をラップフィルムに粘着させ、突出幅を狭くした弱粘着部で上から押えることができるので、粘着板を確実にラップフィルムに粘着させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
次に、図1乃至図4を参照して、本発明の実施形態1に係るラップフィルム引出具の構成について説明する。
【0024】
図1は、実施形態1に係るラップフィルム引出具10の平面図であり、図2は、図1のA−A拡大断面図である。
図1及び図2に示すように、ラップフィルム引出具10は、ラップフィルムに粘着可能な粘着板1と、粘着板1をその長手方向に沿って延びる長辺側の端縁1aが突出するように表面及び裏面の両側から挟持する本体部2から構成されている。
【0025】
長辺側の端縁1aは、平板状の粘着板1の一方の長辺に対応する部分であり、反対側の他方の長辺は本体部2に挟持されて本体部2の中に埋設されている。
また、粘着板1の材質は、ラップフィルムに粘着可能であれば限定されないが、弾力性のある材質のものを用いれば、ラップフィルム3との粘着時に粘着板1の突出部分が湾曲することにより粘着しやすくなる。特にウレタンゲルを用いれば、ほこりや異物の付着により粘着力が低下しても、水で洗い流し乾燥させるだけで簡単に復元できるので好ましい。
【0026】
一方、本体部2は、図3の本体部による挟持前の断面図に示すように、プラスチック製や木製等の二枚の挟持板2a,2bを左右に開閉可能に接続することにより構成されている。そして、二枚の挟持板2a,2bが粘着板1を両側から挟み込んでいる。
なお、挟持板2a,2bは、一旦固定した後も随時開閉可能な構成としておけば、経年劣化に対応して、粘着板1の上下をひっくり返して使用することが可能となり好ましい。
また、本実施形態のような二枚の挟持板2a,2bで挟持する構成でなくとも、例えば粘着板1の形状に合わせて本体部2に設けられた凹部に、粘着板1が差し込まれているような構成であってもよい。
【0027】
ここで、図2の要部拡大図である図4を参照して、粘着板1の長辺側の端縁1aの突出部分について詳細に説明する。
粘着板1は、本体部2の挟持板2a,2bにより挟持されており、長辺側の端縁1aが本体部2から突出するようになっている。
このとき、突出した長辺側の端縁1aのラップフィルムと粘着する面S1と、本体部2の挟持板2aの外表面S2(粘着板1を挟持する面の反対側の面)との間には、段差T2が生じている。後述するように、この段差T2を設けることにより、粘着したラップフィルムを容易に剥がすことができるようになる。段差T2は、ラップフィルムを粘着させたときに、粘着面S1から外表面S2にかけてラップフィルムが浮き上がるような大きさとすることが好ましい。例えば、粘着板1の厚さT1よりも大きくするとよい。なお、挟持板2bの側についても同様に、段差が生じている。
【0028】
次に、図5及び図6を参照して、実施形態1に係るラップフィルム引出具10の使用方法について説明する。図5は、ラップフィルム引出具10の使用状態を示した斜視図であり、図6は、図5のB−B拡大断面図である。
【0029】
最初に、図5に示すように、ラップフィルム3の引き出し側の端縁3aに、ラップフィルム引出具10の裏面を粘着させる。このとき、図6に示すように、ラップフィルム3の引き出し側の端縁3aは、粘着板1の長辺側の端縁1aの粘着面S1に粘着するとともに、さらに段差T2を乗り越えて本体部2の挟持板2aの外表面S2に接している。その結果、ラップフィルム3とラップフィルム引出具10の間に隙間Gが生じている。
【0030】
この状態で、ラップフィルム引出具10を引っ張って、ラップフィルム3を必要な長さだけ引き出し料理皿等を覆った後、ラップフィルム収納箱4に取付けられた刃5により切断する。
そして、ラップフィルム引出具10をラップフィルム3から引き剥がす。このとき、前述の段差T2と隙間Gが存在することにより、ラップフィルム3を隙間Gの部分を起点として容易に引き剥がすことができる。
最後に、ラップフィルム3を料理皿等の形状に合わせて整えて、ラッピングが完了する。
【0031】
なお、実施形態1においては、挟持板2aの外表面S2が粘着板1の粘着面S1に緩やかに接続されるように、挟持板2aの先端部分の形状を丸めている。こうすることで、ラップフィルム3の段差T2における変化も緩やかとなり、粘着板1に粘着しやすくなる。反対に、挟持板2aの先端部分の形状を角張らせれば、ラップフィルム3の段差T2における変化が急激になり、粘着板1に粘着しにくくなる。従って、挟持板2aの先端部分の形状を変化させて、必要な粘着力を得ることができる。
【0032】
また、ラップフィルム引出具10は、使用後に再びラップフィルム3に粘着させて、そのまま収納箱4に挟み込んでおけば、収納場所に困らず次に使用する際にも便利である。
【0033】
実施形態1に係るラップフィルム引出具10によれば、ラップフィルム3に粘着可能な粘着板1の長手方向に沿って延びる長辺側の端縁1aが本体部2から突出しているので、この長辺側の端縁1aをラップフィルム3の引き出し側の端縁3aに粘着させて、ラップフィルム3を収納箱4からスムーズに引き出すことができる。
また、本体部2が粘着板1を表面及び裏面の両側から挟持することにより、粘着板1のラップフィルム3に対する粘着面S1と、これに平行な本体部2の外表面S2の間に段差T2が生じるので、ラップフィルム3を引き出した後でラップフィルム引出具10を容易に引き剥がすことができる。
【0034】
次に、図7を参照して、本発明の実施形態2に係るラップフィルム引出具の構成について説明する。図7は、実施形態2に係るラップフィルム引出具20の断面図である。
【0035】
ラップフィルム引出具20は、実施形態1に係るラップフィルム引出具10と同様に、ラップフィルムに粘着可能な粘着板1と、粘着板1をその長手方向に沿って延びる長辺側の端縁1aが突出するように表面及び裏面の両側から挟持する本体部2から構成されている。
【0036】
ただし、ラップフィルム引出具20においては、本体部2の挟持板2aと挟持板2bの形状が異なり、そのため粘着板1の本体部2からの突出幅が、粘着板1の表面と裏面(挟持板2a側と挟持板2b側)とで異なっている。即ち、図7の上下方向において、挟持板2aの方が挟持板2bよりも短いため、挟持板2a側の突出幅の方が広くなっているのである。
ラップフィルム引出具20を使用する場合、突出幅の広い挟持板2a側の面をラップフィルム3に粘着させ、反対側の挟持板2b側の面で押えることにより行う。
【0037】
実施形態2に係るラップフィルム引出具20によれば、粘着板1の本体部2からの突出幅を粘着板1の表面と裏面とで異なるようにすることができる。そのため、突出幅を広くした面をラップフィルム3に粘着させ、突出幅を狭くした面で上から押えることができるので、粘着板1を確実にラップフィルム3に粘着させることができる。
【0038】
次に、図8及び図9を参照して、本発明の実施形態3に係るラップフィルム引出具の構成について説明する。図8は、実施形態3に係るラップフィルム引出具30の平面図であり、図9は、図8の左側部分の拡大図である。
【0039】
ラップフィルム引出具30は、実施形態1に係るラップフィルム引出具10と同様に、ラップフィルムに粘着可能な粘着板1と、粘着板1をその長手方向に沿って延びる長辺側の端縁1aが突出するように表面及び裏面の両側から挟持する本体部2から構成されている。
【0040】
ただし、ラップフィルム引出具30においては、両端に剥離誘導部Xを設けた点が異なっている。
図9に示すように、剥離誘導部Xは、粘着板1の本体部2からの突出幅WXが長辺側の端縁1aの至端に向けて、剥離誘導部X以外の部分の基準幅W0より徐々に狭くなるように設けられている。そして、最終的に突出幅がゼロとなるように構成されている。
従って、粘着板1の粘着力は長辺側の端縁1aの至端(外側)に向けて徐々に弱くなっている。
なお、本実施形態では、剥離誘導部Xを両端に設けたが、片方のみに設けてもよい。その場合、剥離誘導部Xを設けた方からラップフィルム3を剥がし始めるようにすればよい。
【0041】
実施形態3に係るラップフィルム引出具30によれば、粘着板1の本体部2からの突出幅WXを、粘着板1の長辺側の端縁1aの至端に向けて基準幅W0より徐々に狭くして、粘着力を徐々に弱くすることができる。そのため、この部分を剥離誘導部Xとすることにより、ラップフィルム引出具30をラップフィルム3から引き剥がす際の剥がし始めが容易となる。ラップフィルム3を引き剥がすときは、剥がし始めに最も力が加わるため、剥離誘導部Xを設けることが効果的となるものである。
【0042】
次に、図10及び図11を参照して、本発明の実施形態4に係るラップフィルム引出具の構成について説明する。図10は、実施形態4に係るラップフィルム引出具40の平面図であり、図11は、図10の左側部分の拡大図である。
【0043】
ラップフィルム引出具40は、実施形態3に係るラップフィルム引出具30と同様に、ラップフィルムに粘着可能な粘着板1と、粘着板1をその長手方向に沿って延びる長辺側の端縁1aが突出するように表面及び裏面の両側から挟持する本体部2から構成されるとともに、両端に剥離誘導部Xが設けられている。
【0044】
さらに、ラップフィルム引出具40においては、剥離誘導部Xに隣接した長手方向中央側に強粘着部Yが設けられている。
図11に示すように、強粘着部Yは、粘着板1の本体部2からの突出幅WYが強粘着部Y以外の部分の基準幅W0より広くなるように設けられている。
従って、強粘着部Yにおける粘着板1の粘着力は、周辺部分と比べて強くなっている。
【0045】
実施形態4に係るラップフィルム引出具40によれば、突出幅WYを基準幅W0より広くした強粘着部Yを設けて、ラップフィルム3への粘着力を高めることができる。特に、強粘着部Yを剥離誘導部Xに隣接した長手方向中央側に設けることにより、ラップフィルム引出具40の両端に近い部分でラップフィルム3を安定的に保持することができる。
さらに、強粘着部Y以外の長手方向中央周辺は粘着力を高めていないので、引き剥がすときに妨げとならない。
【0046】
次に、図12を参照して、本発明の実施形態5に係るラップフィルム引出具の構成について説明する。図12は、実施形態5に係るラップフィルム引出具50の平面図である。
【0047】
ラップフィルム引出具50は、実施形態3に係るラップフィルム引出具30と同様に、ラップフィルムに粘着可能な粘着板1と、粘着板1をその長手方向に沿って延びる長辺側の端縁1aが突出するように表面及び裏面の両側から挟持する本体部2から構成されるとともに、両端に剥離誘導部Xが設けられている。
【0048】
さらに、ラップフィルム引出具50においては、長手方向に沿って強粘着部Pと弱粘着部Qが交互に設けられ、本体部2の挟持板2aと挟持板2bの上端が波形となっている。
図12に示すように、強粘着部Pは粘着板1の本体部2からの突出幅WPが広くなるように、弱粘着部Qは突出幅WQが狭くなるようにそれぞれ設けられている。
従って、強粘着部Pでは粘着力が強く、弱粘着部Qでは粘着力が弱い。
【0049】
実施形態5に係るラップフィルム引出具50によれば、突出幅WPを広くした強粘着部Pと突出幅WQを狭くした弱粘着部Qを、長手方向に沿って交互に設けて、ラップフィルム引出具50でラップフィルム3を安定的に保持することができる。
さらに、引き剥がす場合にも、強粘着部Pと弱粘着部Qが交互に現れて容易に行うことができる。
【0050】
次に、図13を参照して、本発明の実施形態6に係るラップフィルム引出具の構成について説明する。図13は、実施形態6に係るラップフィルム引出具60の平面図である。
【0051】
ラップフィルム引出具60は、実施形態5に係るラップフィルム引出具50と同様に、ラップフィルムに粘着可能な粘着板1と、粘着板1をその長手方向に沿って延びる長辺側の端縁1aが突出するように表面及び裏面の両側から挟持する本体部2から構成されるとともに、両端に剥離誘導部Xが設けられ、また長手方向に沿って強粘着部Pと弱粘着部Qが交互に設けられている。
【0052】
さらに、ラップフィルム引出具60においては、剥離誘導部Xに隣接した長手方向中央側の部分において、本体部2の挟持板2aと挟持板2bの上端の波形が左右方向にずれている。そのため、挟持板2a側の強粘着部Pの裏側には挟持板2b側の弱粘着部Qが位置し、挟持板2a側の弱粘着部Qの裏側には挟持板2b側の強粘着部Pが位置するようになっている。
【0053】
実施形態6に係るラップフィルム引出具60によれば、剥離誘導部Xに隣接した長手方向中央側において、粘着板1の一方の面の強粘着部Pの裏側には他方の面の弱粘着部Qが位置し、粘着板1の一方の面の弱粘着部Qの裏側には他方の面の強粘着部Pが位置するように構成することができる。そのため、剥離誘導部Xに隣接した長手方向中央側において、突出幅WPを広くした強粘着部Pをラップフィルム3に粘着させ、突出幅WQを狭くした弱粘着部Qで上から押えることができるので、粘着板1を確実にラップフィルム3に粘着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施形態1に係るラップフィルム引出具の平面図である。
【図2】図1のA−A拡大断面図である。
【図3】実施形態1に係るラップフィルム引出具の本体部による挟持前の断面図である。
【図4】図2の要部拡大図である。
【図5】実施形態1に係るラップフィルム引出具の使用状態を示す斜視図である。
【図6】図6のB−B拡大断面図である。
【図7】実施形態2に係るラップフィルム引出具の断面図である。
【図8】実施形態3に係るラップフィルム引出具の平面図である。
【図9】図8の要部拡大図である。
【図10】実施形態4に係るラップフィルム引出具の平面図である。
【図11】図10の要部拡大図である。
【図12】実施形態5に係るラップフィルム引出具の平面図である。
【図13】実施形態6に係るラップフィルム引出具の平面図である。
【図14】従来例に係るラップフィルム引出具の使用状態を示す斜視図である。
【図15】図14のC−C拡大断面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 粘着板
1a 長辺側の端縁
2 本体部
2a 挟持板
2b 挟持板
3 ラップフィルム
3a 引き出し側の端縁
4 収納箱
5 刃
10 ラップフィルム引出具
20 ラップフィルム引出具
30 ラップフィルム引出具
40 ラップフィルム引出具
50 ラップフィルム引出具
60 ラップフィルム引出具
100 ラップフィルム引出具
101 粘着層
102 本体部
X 剥離誘導部
Y 強粘着部
P 強粘着部
Q 弱粘着部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラップフィルム収納箱に収納されたラップフィルムを引き出すときに用いるラップフィルム引出具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ラップフィルムを用いて料理皿等をラッピングする場合には、ラップフィルム収納箱からラップフィルムを引き出すために、ラップフィルムの端を手でつかみ、必要な長さだけ引き出してから、収納箱に設けられた刃で切断することにより行っていた。
しかしながら、ラップフィルムの端を手でつかむ場合には中央部分のみに力が加わるため、ラップフィルムに皺が生じたり端が重なってくっ付いたりして、平面性を保った状態でスムーズに引き出すことが困難であった。
【0003】
これに対して、ラップフィルムの幅と同じ長さで裏面に粘着剤を付着した板材を用いて、ラップフィルムを収納箱から引き出すようにした、ラップフィルム引出具の発明が開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【特許文献1】実開昭63−105629号公報
【特許文献2】実開平7−28840号公報
【0004】
図14及び図15は、上記従来のラップフィルム引出具の一例であるラップフィルム引出具100の使用状態を示したものである。以下にラップフィルム引出具100を用いて、ラップフィルム収納箱4に収納されたラップフィルム3を引き出して、料理皿等をラッピングする方法について説明する。
【0005】
最初に、図14に示すように、ラップフィルム3の引き出し側の端縁3aに、ラップフィルム引出具100の裏面を粘着させる。このとき、図14のC−C断面図である図15に示すように、ラップフィルム引出具100の本体部102の裏面には粘着剤を付着した粘着層101が形成されており、この粘着層101とラップフィルム3の引き出し側の端縁3aを粘着させる。
次に、ラップフィルム引出具100を引っ張って、ラップフィルム3を必要な長さだけ引き出し料理皿等を覆った後、ラップフィルム収納箱4に取付けられた刃5により切断する。
最後に、ラップフィルム引出具100をラップフィルム3から引き剥がすとともに、ラップフィルム3を料理皿等の形状に合わせて整えて、ラッピングが完了する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のラップフィルム引出具100を用いた場合には、以下のような問題が生じていた。
ラップフィルム引出具100は、ラップフィルム3を引き出すためにある程度の粘着力が必要であるが、最後の段階でラップフィルム3から引き剥がさなければならないため、あまり粘着力が大きくてもよくない。しかし、粘着剤の違いだけで粘着力を調整しても、なかなか適度な粘着力を得ることは困難である。
【0007】
また、特許文献1に記載された発明のように粘着剤を本体部の裏面に間隔を空けて付着させたものがあるが、これではラップフィルムを引き剥がすときにスムーズさに欠け、やぶれる可能性がある。
【0008】
さらに、特許文献2に記載された発明のように粘着剤を本体部の裏面の両端のみに付着させたものがあるが、これでは中央部分が粘着せずに浮いた状態となり、ラップフィルムをスムーズに引き出すことができない。
【0009】
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、ラップフィルムを収納箱からスムーズに引き出すことができ、さらに容易にラップフィルムから引き剥がすことの可能なラップフィルム引出具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記従来の課題を解決するために、請求項1に係る発明のラップフィルム引出具は、ラップフィルム収納箱(4)に収納されたラップフィルム(3)の引き出し側の端縁(3a)に粘着させて、前記ラップフィルム(3)を引き出すラップフィルム引出具(10)であって、前記ラップフィルム(3)に粘着可能な粘着板(1)と、前記粘着板(1)をその長手方向に沿って延びる長辺側の端縁(1a)が突出するように表面及び裏面の両側から挟持する本体部(2)とからなることを特徴とする。
【0011】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記粘着板(1)の前記本体部(2)からの突出幅が前記粘着板の表面と裏面とで異なることを特徴とする。
【0012】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記粘着板(1)の前記本体部(2)からの突出幅(WX)を前記長辺側の端縁(1a)の至端に向けて基準幅(W0)より徐々に狭くした剥離誘導部(X)を設けたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項4に係る発明は、請求項3に記載の発明において、前記剥離誘導部(X)に隣接した長手方向中央側に、前記突出幅(WY)を基準幅(W0)より広くした強粘着部(Y)を設けたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項5に係る発明は、請求項3に記載の発明において、前記突出幅(WP)を広くした強粘着部(P)と前記突出幅(WQ)を狭くした弱粘着部(Q)を、長手方向に沿って交互に設けたことを特徴とする。
【0015】
また、請求項6に係る発明は、請求項5に記載の発明において、前記剥離誘導部(X)に隣接した長手方向中央側において、前記粘着板(1)の一方の面の強粘着部(P)の裏側には他方の面の弱粘着部(Q)が位置し、前記粘着板(1)の一方の面の弱粘着部(Q)の裏側には他方の面の強粘着部(P)が位置することを特徴とする。
【0016】
なお、括弧内の記号は、発明を実施するための最良の形態および図面に記載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明のラップフィルム引出具によれば、ラップフィルムに粘着可能な粘着板の長手方向に沿って延びる長辺側の端縁が本体部から突出しているので、この長辺側の端縁をラップフィルムの引き出し側の端縁に粘着させて、ラップフィルムを収納箱からスムーズに引き出すことができる。
また、本体部が粘着板を表面及び裏面の両側から挟持することにより、粘着板のラップフィルムに対する粘着面と、これに平行な本体部の外表面の間に段差が生じるので、ラップフィルムを引き出した後でラップフィルム引出具を容易に引き剥がすことができる。
【0018】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用効果に加えて、粘着板の本体部からの突出幅を粘着板の表面と裏面とで異なるようにすることができる。そのため、突出幅を広くした面をラップフィルムに粘着させ、突出幅を狭くした面で上から押えることができるので、粘着板を確実にラップフィルムに粘着させることができる。
【0019】
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用効果に加えて、粘着板の本体部からの突出幅を、粘着板の長辺側の端縁の至端に向けて基準幅より徐々に狭くして、粘着力を徐々に弱くすることができる。そのため、この部分を剥離誘導部とすることにより、ラップフィルム引出具をラップフィルムから引き剥がす際の剥がし始めが容易となる。
【0020】
また、請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の作用効果に加えて、突出幅を基準幅より広くした強粘着部を設けて、ラップフィルムへの粘着力を高めることができる。特に、強粘着部を剥離誘導部に隣接した長手方向中央側に設けることにより、ラップフィルム引出具の両端に近い部分でラップフィルムを安定的に保持することができる。
さらに、強粘着部以外の長手方向中央周辺は粘着力を高めていないので、引き剥がすときに妨げとならない。
【0021】
また、請求項5に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の作用効果に加えて、突出幅を広くした強粘着部と突出幅を狭くした弱粘着部を、長手方向に沿って交互に設けて、ラップフィルム引出具でラップフィルムを安定的に保持することができる。
さらに、引き剥がす場合にも、強粘着部と弱粘着部が交互に現れて容易に行うことができる。
【0022】
また、請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の発明の作用効果に加えて、剥離誘導部に隣接した長手方向中央側において、粘着板の一方の面の強粘着部の裏側には他方の面の弱粘着部が位置し、粘着板の一方の面の弱粘着部の裏側には他方の面の強粘着部が位置するように構成することができる。そのため、剥離誘導部に隣接した長手方向中央側において、突出幅を広くした強粘着部をラップフィルムに粘着させ、突出幅を狭くした弱粘着部で上から押えることができるので、粘着板を確実にラップフィルムに粘着させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
次に、図1乃至図4を参照して、本発明の実施形態1に係るラップフィルム引出具の構成について説明する。
【0024】
図1は、実施形態1に係るラップフィルム引出具10の平面図であり、図2は、図1のA−A拡大断面図である。
図1及び図2に示すように、ラップフィルム引出具10は、ラップフィルムに粘着可能な粘着板1と、粘着板1をその長手方向に沿って延びる長辺側の端縁1aが突出するように表面及び裏面の両側から挟持する本体部2から構成されている。
【0025】
長辺側の端縁1aは、平板状の粘着板1の一方の長辺に対応する部分であり、反対側の他方の長辺は本体部2に挟持されて本体部2の中に埋設されている。
また、粘着板1の材質は、ラップフィルムに粘着可能であれば限定されないが、弾力性のある材質のものを用いれば、ラップフィルム3との粘着時に粘着板1の突出部分が湾曲することにより粘着しやすくなる。特にウレタンゲルを用いれば、ほこりや異物の付着により粘着力が低下しても、水で洗い流し乾燥させるだけで簡単に復元できるので好ましい。
【0026】
一方、本体部2は、図3の本体部による挟持前の断面図に示すように、プラスチック製や木製等の二枚の挟持板2a,2bを左右に開閉可能に接続することにより構成されている。そして、二枚の挟持板2a,2bが粘着板1を両側から挟み込んでいる。
なお、挟持板2a,2bは、一旦固定した後も随時開閉可能な構成としておけば、経年劣化に対応して、粘着板1の上下をひっくり返して使用することが可能となり好ましい。
また、本実施形態のような二枚の挟持板2a,2bで挟持する構成でなくとも、例えば粘着板1の形状に合わせて本体部2に設けられた凹部に、粘着板1が差し込まれているような構成であってもよい。
【0027】
ここで、図2の要部拡大図である図4を参照して、粘着板1の長辺側の端縁1aの突出部分について詳細に説明する。
粘着板1は、本体部2の挟持板2a,2bにより挟持されており、長辺側の端縁1aが本体部2から突出するようになっている。
このとき、突出した長辺側の端縁1aのラップフィルムと粘着する面S1と、本体部2の挟持板2aの外表面S2(粘着板1を挟持する面の反対側の面)との間には、段差T2が生じている。後述するように、この段差T2を設けることにより、粘着したラップフィルムを容易に剥がすことができるようになる。段差T2は、ラップフィルムを粘着させたときに、粘着面S1から外表面S2にかけてラップフィルムが浮き上がるような大きさとすることが好ましい。例えば、粘着板1の厚さT1よりも大きくするとよい。なお、挟持板2bの側についても同様に、段差が生じている。
【0028】
次に、図5及び図6を参照して、実施形態1に係るラップフィルム引出具10の使用方法について説明する。図5は、ラップフィルム引出具10の使用状態を示した斜視図であり、図6は、図5のB−B拡大断面図である。
【0029】
最初に、図5に示すように、ラップフィルム3の引き出し側の端縁3aに、ラップフィルム引出具10の裏面を粘着させる。このとき、図6に示すように、ラップフィルム3の引き出し側の端縁3aは、粘着板1の長辺側の端縁1aの粘着面S1に粘着するとともに、さらに段差T2を乗り越えて本体部2の挟持板2aの外表面S2に接している。その結果、ラップフィルム3とラップフィルム引出具10の間に隙間Gが生じている。
【0030】
この状態で、ラップフィルム引出具10を引っ張って、ラップフィルム3を必要な長さだけ引き出し料理皿等を覆った後、ラップフィルム収納箱4に取付けられた刃5により切断する。
そして、ラップフィルム引出具10をラップフィルム3から引き剥がす。このとき、前述の段差T2と隙間Gが存在することにより、ラップフィルム3を隙間Gの部分を起点として容易に引き剥がすことができる。
最後に、ラップフィルム3を料理皿等の形状に合わせて整えて、ラッピングが完了する。
【0031】
なお、実施形態1においては、挟持板2aの外表面S2が粘着板1の粘着面S1に緩やかに接続されるように、挟持板2aの先端部分の形状を丸めている。こうすることで、ラップフィルム3の段差T2における変化も緩やかとなり、粘着板1に粘着しやすくなる。反対に、挟持板2aの先端部分の形状を角張らせれば、ラップフィルム3の段差T2における変化が急激になり、粘着板1に粘着しにくくなる。従って、挟持板2aの先端部分の形状を変化させて、必要な粘着力を得ることができる。
【0032】
また、ラップフィルム引出具10は、使用後に再びラップフィルム3に粘着させて、そのまま収納箱4に挟み込んでおけば、収納場所に困らず次に使用する際にも便利である。
【0033】
実施形態1に係るラップフィルム引出具10によれば、ラップフィルム3に粘着可能な粘着板1の長手方向に沿って延びる長辺側の端縁1aが本体部2から突出しているので、この長辺側の端縁1aをラップフィルム3の引き出し側の端縁3aに粘着させて、ラップフィルム3を収納箱4からスムーズに引き出すことができる。
また、本体部2が粘着板1を表面及び裏面の両側から挟持することにより、粘着板1のラップフィルム3に対する粘着面S1と、これに平行な本体部2の外表面S2の間に段差T2が生じるので、ラップフィルム3を引き出した後でラップフィルム引出具10を容易に引き剥がすことができる。
【0034】
次に、図7を参照して、本発明の実施形態2に係るラップフィルム引出具の構成について説明する。図7は、実施形態2に係るラップフィルム引出具20の断面図である。
【0035】
ラップフィルム引出具20は、実施形態1に係るラップフィルム引出具10と同様に、ラップフィルムに粘着可能な粘着板1と、粘着板1をその長手方向に沿って延びる長辺側の端縁1aが突出するように表面及び裏面の両側から挟持する本体部2から構成されている。
【0036】
ただし、ラップフィルム引出具20においては、本体部2の挟持板2aと挟持板2bの形状が異なり、そのため粘着板1の本体部2からの突出幅が、粘着板1の表面と裏面(挟持板2a側と挟持板2b側)とで異なっている。即ち、図7の上下方向において、挟持板2aの方が挟持板2bよりも短いため、挟持板2a側の突出幅の方が広くなっているのである。
ラップフィルム引出具20を使用する場合、突出幅の広い挟持板2a側の面をラップフィルム3に粘着させ、反対側の挟持板2b側の面で押えることにより行う。
【0037】
実施形態2に係るラップフィルム引出具20によれば、粘着板1の本体部2からの突出幅を粘着板1の表面と裏面とで異なるようにすることができる。そのため、突出幅を広くした面をラップフィルム3に粘着させ、突出幅を狭くした面で上から押えることができるので、粘着板1を確実にラップフィルム3に粘着させることができる。
【0038】
次に、図8及び図9を参照して、本発明の実施形態3に係るラップフィルム引出具の構成について説明する。図8は、実施形態3に係るラップフィルム引出具30の平面図であり、図9は、図8の左側部分の拡大図である。
【0039】
ラップフィルム引出具30は、実施形態1に係るラップフィルム引出具10と同様に、ラップフィルムに粘着可能な粘着板1と、粘着板1をその長手方向に沿って延びる長辺側の端縁1aが突出するように表面及び裏面の両側から挟持する本体部2から構成されている。
【0040】
ただし、ラップフィルム引出具30においては、両端に剥離誘導部Xを設けた点が異なっている。
図9に示すように、剥離誘導部Xは、粘着板1の本体部2からの突出幅WXが長辺側の端縁1aの至端に向けて、剥離誘導部X以外の部分の基準幅W0より徐々に狭くなるように設けられている。そして、最終的に突出幅がゼロとなるように構成されている。
従って、粘着板1の粘着力は長辺側の端縁1aの至端(外側)に向けて徐々に弱くなっている。
なお、本実施形態では、剥離誘導部Xを両端に設けたが、片方のみに設けてもよい。その場合、剥離誘導部Xを設けた方からラップフィルム3を剥がし始めるようにすればよい。
【0041】
実施形態3に係るラップフィルム引出具30によれば、粘着板1の本体部2からの突出幅WXを、粘着板1の長辺側の端縁1aの至端に向けて基準幅W0より徐々に狭くして、粘着力を徐々に弱くすることができる。そのため、この部分を剥離誘導部Xとすることにより、ラップフィルム引出具30をラップフィルム3から引き剥がす際の剥がし始めが容易となる。ラップフィルム3を引き剥がすときは、剥がし始めに最も力が加わるため、剥離誘導部Xを設けることが効果的となるものである。
【0042】
次に、図10及び図11を参照して、本発明の実施形態4に係るラップフィルム引出具の構成について説明する。図10は、実施形態4に係るラップフィルム引出具40の平面図であり、図11は、図10の左側部分の拡大図である。
【0043】
ラップフィルム引出具40は、実施形態3に係るラップフィルム引出具30と同様に、ラップフィルムに粘着可能な粘着板1と、粘着板1をその長手方向に沿って延びる長辺側の端縁1aが突出するように表面及び裏面の両側から挟持する本体部2から構成されるとともに、両端に剥離誘導部Xが設けられている。
【0044】
さらに、ラップフィルム引出具40においては、剥離誘導部Xに隣接した長手方向中央側に強粘着部Yが設けられている。
図11に示すように、強粘着部Yは、粘着板1の本体部2からの突出幅WYが強粘着部Y以外の部分の基準幅W0より広くなるように設けられている。
従って、強粘着部Yにおける粘着板1の粘着力は、周辺部分と比べて強くなっている。
【0045】
実施形態4に係るラップフィルム引出具40によれば、突出幅WYを基準幅W0より広くした強粘着部Yを設けて、ラップフィルム3への粘着力を高めることができる。特に、強粘着部Yを剥離誘導部Xに隣接した長手方向中央側に設けることにより、ラップフィルム引出具40の両端に近い部分でラップフィルム3を安定的に保持することができる。
さらに、強粘着部Y以外の長手方向中央周辺は粘着力を高めていないので、引き剥がすときに妨げとならない。
【0046】
次に、図12を参照して、本発明の実施形態5に係るラップフィルム引出具の構成について説明する。図12は、実施形態5に係るラップフィルム引出具50の平面図である。
【0047】
ラップフィルム引出具50は、実施形態3に係るラップフィルム引出具30と同様に、ラップフィルムに粘着可能な粘着板1と、粘着板1をその長手方向に沿って延びる長辺側の端縁1aが突出するように表面及び裏面の両側から挟持する本体部2から構成されるとともに、両端に剥離誘導部Xが設けられている。
【0048】
さらに、ラップフィルム引出具50においては、長手方向に沿って強粘着部Pと弱粘着部Qが交互に設けられ、本体部2の挟持板2aと挟持板2bの上端が波形となっている。
図12に示すように、強粘着部Pは粘着板1の本体部2からの突出幅WPが広くなるように、弱粘着部Qは突出幅WQが狭くなるようにそれぞれ設けられている。
従って、強粘着部Pでは粘着力が強く、弱粘着部Qでは粘着力が弱い。
【0049】
実施形態5に係るラップフィルム引出具50によれば、突出幅WPを広くした強粘着部Pと突出幅WQを狭くした弱粘着部Qを、長手方向に沿って交互に設けて、ラップフィルム引出具50でラップフィルム3を安定的に保持することができる。
さらに、引き剥がす場合にも、強粘着部Pと弱粘着部Qが交互に現れて容易に行うことができる。
【0050】
次に、図13を参照して、本発明の実施形態6に係るラップフィルム引出具の構成について説明する。図13は、実施形態6に係るラップフィルム引出具60の平面図である。
【0051】
ラップフィルム引出具60は、実施形態5に係るラップフィルム引出具50と同様に、ラップフィルムに粘着可能な粘着板1と、粘着板1をその長手方向に沿って延びる長辺側の端縁1aが突出するように表面及び裏面の両側から挟持する本体部2から構成されるとともに、両端に剥離誘導部Xが設けられ、また長手方向に沿って強粘着部Pと弱粘着部Qが交互に設けられている。
【0052】
さらに、ラップフィルム引出具60においては、剥離誘導部Xに隣接した長手方向中央側の部分において、本体部2の挟持板2aと挟持板2bの上端の波形が左右方向にずれている。そのため、挟持板2a側の強粘着部Pの裏側には挟持板2b側の弱粘着部Qが位置し、挟持板2a側の弱粘着部Qの裏側には挟持板2b側の強粘着部Pが位置するようになっている。
【0053】
実施形態6に係るラップフィルム引出具60によれば、剥離誘導部Xに隣接した長手方向中央側において、粘着板1の一方の面の強粘着部Pの裏側には他方の面の弱粘着部Qが位置し、粘着板1の一方の面の弱粘着部Qの裏側には他方の面の強粘着部Pが位置するように構成することができる。そのため、剥離誘導部Xに隣接した長手方向中央側において、突出幅WPを広くした強粘着部Pをラップフィルム3に粘着させ、突出幅WQを狭くした弱粘着部Qで上から押えることができるので、粘着板1を確実にラップフィルム3に粘着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施形態1に係るラップフィルム引出具の平面図である。
【図2】図1のA−A拡大断面図である。
【図3】実施形態1に係るラップフィルム引出具の本体部による挟持前の断面図である。
【図4】図2の要部拡大図である。
【図5】実施形態1に係るラップフィルム引出具の使用状態を示す斜視図である。
【図6】図6のB−B拡大断面図である。
【図7】実施形態2に係るラップフィルム引出具の断面図である。
【図8】実施形態3に係るラップフィルム引出具の平面図である。
【図9】図8の要部拡大図である。
【図10】実施形態4に係るラップフィルム引出具の平面図である。
【図11】図10の要部拡大図である。
【図12】実施形態5に係るラップフィルム引出具の平面図である。
【図13】実施形態6に係るラップフィルム引出具の平面図である。
【図14】従来例に係るラップフィルム引出具の使用状態を示す斜視図である。
【図15】図14のC−C拡大断面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 粘着板
1a 長辺側の端縁
2 本体部
2a 挟持板
2b 挟持板
3 ラップフィルム
3a 引き出し側の端縁
4 収納箱
5 刃
10 ラップフィルム引出具
20 ラップフィルム引出具
30 ラップフィルム引出具
40 ラップフィルム引出具
50 ラップフィルム引出具
60 ラップフィルム引出具
100 ラップフィルム引出具
101 粘着層
102 本体部
X 剥離誘導部
Y 強粘着部
P 強粘着部
Q 弱粘着部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラップフィルム収納箱に収納されたラップフィルムの引き出し側の端縁に粘着させて、前記ラップフィルムを引き出すラップフィルム引出具であって、
前記ラップフィルムに粘着可能な粘着板と、前記粘着板をその長手方向に沿って延びる長辺側の端縁が突出するように表面及び裏面の両側から挟持する本体部とからなることを特徴とするラップフィルム引出具。
【請求項2】
前記粘着板の前記本体部からの突出幅が前記粘着板の表面と裏面とで異なることを特徴とする請求項1に記載のラップフィルム引出具。
【請求項3】
前記粘着板の前記本体部からの突出幅を前記長辺側の端縁の至端に向けて基準幅より徐々に狭くした剥離誘導部を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のラップフィルム引出具。
【請求項4】
前記剥離誘導部に隣接した長手方向中央側に、前記突出幅を基準幅より広くした強粘着部を設けたことを特徴とする請求項3に記載のラップフィルム引出具。
【請求項5】
前記突出幅を広くした強粘着部と前記突出幅を狭くした弱粘着部を、長手方向に沿って交互に設けたことを特徴とする請求項3に記載のラップフィルム引出具。
【請求項6】
前記剥離誘導部に隣接した長手方向中央側において、前記粘着板の一方の面の強粘着部の裏側には他方の面の弱粘着部が位置し、前記粘着板の一方の面の弱粘着部の裏側には他方の面の強粘着部が位置することを特徴とする請求項5に記載のラップフィルム引出具。
【請求項1】
ラップフィルム収納箱に収納されたラップフィルムの引き出し側の端縁に粘着させて、前記ラップフィルムを引き出すラップフィルム引出具であって、
前記ラップフィルムに粘着可能な粘着板と、前記粘着板をその長手方向に沿って延びる長辺側の端縁が突出するように表面及び裏面の両側から挟持する本体部とからなることを特徴とするラップフィルム引出具。
【請求項2】
前記粘着板の前記本体部からの突出幅が前記粘着板の表面と裏面とで異なることを特徴とする請求項1に記載のラップフィルム引出具。
【請求項3】
前記粘着板の前記本体部からの突出幅を前記長辺側の端縁の至端に向けて基準幅より徐々に狭くした剥離誘導部を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のラップフィルム引出具。
【請求項4】
前記剥離誘導部に隣接した長手方向中央側に、前記突出幅を基準幅より広くした強粘着部を設けたことを特徴とする請求項3に記載のラップフィルム引出具。
【請求項5】
前記突出幅を広くした強粘着部と前記突出幅を狭くした弱粘着部を、長手方向に沿って交互に設けたことを特徴とする請求項3に記載のラップフィルム引出具。
【請求項6】
前記剥離誘導部に隣接した長手方向中央側において、前記粘着板の一方の面の強粘着部の裏側には他方の面の弱粘着部が位置し、前記粘着板の一方の面の弱粘着部の裏側には他方の面の強粘着部が位置することを特徴とする請求項5に記載のラップフィルム引出具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−15722(P2007−15722A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−198299(P2005−198299)
【出願日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(505257523)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(505257523)
【Fターム(参考)】
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