ラテラルフロー分析インジケータを識別する装置および方法
【課題】ラテラルフロー分析においてマーカを正確に識別すること。
【解決手段】複数タイプのマーカを有するラテラルフロー・テストストリップを分析し、マーカのタイプにそれぞれ対応する検体に結合する装置。この装置は、ラテラルフロー・テストストリップ上のマーカの複数のタイプにそれぞれ対応する複数のエミッタを含む。各エミッタは、対応するタイプのマーカの最適吸収波長付近の所定範囲の波長の光を放出し、マーカを刺激する。
【解決手段】複数タイプのマーカを有するラテラルフロー・テストストリップを分析し、マーカのタイプにそれぞれ対応する検体に結合する装置。この装置は、ラテラルフロー・テストストリップ上のマーカの複数のタイプにそれぞれ対応する複数のエミッタを含む。各エミッタは、対応するタイプのマーカの最適吸収波長付近の所定範囲の波長の光を放出し、マーカを刺激する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラテラルフロー分析インジケータを識別する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ラテラルフロー(側方流動分析)法は、一般的に使用されている診断手段である。例えば、ラテラルフローは、家庭用妊娠検査や血糖値検査に一般的に使用されている。分析法によっては、家庭用妊娠検査のように、テストストリップの変化をユーザが目で観察しなければならないものがある。また、分析法によっては、血糖値の試験に使用されるもののように、一体型光検出を使用してラテラルフロー・テストストリップを分析することにより、可読性や精度を向上させているものがある。
【0003】
例えば、図1は、ラテラルフロー・テストストリップの分析に使用される従来の装置を示す図である。図1を参照すると、従来のラテラルフロー・テストストリップ10の上にサンプルが置かれている。サンプルは毛管作用によりテストストリップ10を横切って横に流れ、検出ゾーン18まで流れる。図1はこれを示している。サンプルがテストストリップ10を横切って検出ゾーン18まで流れるときに、検出すべきサンプルの一部である検体15に、何らかのタイプのマーカを結合する場合がある。従って、検出ゾーン18におけるマーカの集中は、検体の集中に関連する。
【0004】
検体15がテストストリップ10の検出ゾーンに到達すると、一般に、広帯域光源20を使用して、結合されたマーカを刺激し、結合されたマーカから光信号25を放出させる。光信号25は通常、検出器30によって読み取られ、それによって検出器30は、検体15の有無や集中を検出する。従来、検出器30には、検出信号の強度に対応する電気出力を生成するフォトダイオードが使用されている。検出器30は外部表示装置(図示せず)に接続される。外部表示装置は、例えば、検出器30の電気出力に対応する数値による読み値や、その他の指標の表示に使用される。
【0005】
また、光学レンズ、フィルタ、又は、レンズとフィルタの組み合わせといった光学部品40を更に使用して、リーダの性能を向上させる場合もある。
【0006】
ラテラルフロー法の中には、検体15に結合されたマーカを周囲光を使用して刺激するだけで十分なものもある。その場合、分析試料リーダは、光源を持たない場合がある。さらに、例えばマーカの刺激によって、裸眼で見ることが可能な色の変化が発生する場合、分析試料リーダは、検出器を持たない場合がある。
【0007】
多くの従来のラテラルフロー分析試料リーダは再使用することができ、使い捨てのラテラルフロー・テストストリップと共に使用される。
【0008】
本発明のこれらの利点及び態様並びにその他利点及び態様は、添付の図面を参照して好ましい実施形態に関する下記の説明を読むことによって、より簡単に理解することができるであろう。
【0009】
次に、本発明の好ましい実施形態の詳細を参照する。幾つかの好ましい実施形態の例は、図面に描かれている。全図面を通じて、同じ符号は同じ要素を指している。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、一実施形態として、複数タイプのマーカを有するラテラルフロー・テストストリップを分析し、マーカのタイプにそれぞれ対応する検体に結合する装置であって、前記ラテラルフロー・テストストリップ上のマーカの複数のタイプにそれぞれ対応する複数のエミッタであって、各エミッタが、対応するマーカのタイプの最適な吸収波長付近の所定範囲の光を放出してマーカを刺激するように構成された、複数のエミッタを含む装置を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図2は、本発明の一実施形態によるラテラルフロー・分析試料リーダ100を示す図である。図2に示すように、ラテラルフロー・分析試料リーダ100は、マーカタイプ120及び125を有するラテラルフロー・テストストリップ110の分析に使用される。サンプル115が毛管作用によりラテラルフロー・テストストリップ110に吸い込まれて拡がるときに、マーカタイプ120及び125はそれぞれ、ラテラルフロー・テストストリップ110の上に置かれたサンプル115に含まれる特定タイプの検体に結合される。検出ゾーン118では、マーカ120及び125が図示のように対応する検体に結合される。マーカ120及び125は、例えば、2つの異なる蛍光マーカである。ただし、本発明が、蛍光マーカであるマーカ120及び125に限定されることはなく、他の適当なマーカを使用することも可能である。また、本発明が競合作用のないアッセイ(分析試料)に限定されることもない。
【0012】
また、図2は、2つの異なる検体を検出するための、2つの異なるタイプのマーカを含むラテラルフロー・テストストリップを示しているが、本発明が2つのマーカのみの検出に限定されることはない。むしろ、本発明は、1つのラテラルフロー・テストストリップを使用してサンプル中の複数の異なる検体を検出するための複数のマーカを含むラテラルフロー・テストストリップの読み取りにも適用可能である。
【0013】
図2には、マーカ120及び125にそれぞれ対応するエミッタ130及び135も描かれている。マーカ120及び125はそれぞれ、ラテラルフロー・テストストリップ110上の異なる検体に結合される。エミッタ130は、マーカ120の最適な吸収波長付近の所定範囲の波長の光を放出する。エミッタ135は、マーカ125の最適な吸収波長付近の所定範囲の波長の光を放出する。エミッタ130及び135は、例えば発光ダイオード(LED)である。LEDは既知のものである。ただし、本発明がLEDのエミッタ130及び135に限定されることはなく、他の適当な光源を使用することも可能である。また、図2には2つのエミッタが描かれているが、本発明が2つのエミッタに限定されることはなく、必要に応じて多数のエミッタを使用して、分析すべきラテラルフロー・テストストリップ上の多数のマーカタイプを刺激してもよく、また、広帯域光源を使用してもよい。
【0014】
次に、刺激されたマーカタイプ120及び125は、光信号150及び155をそれぞれ放出する。光信号150及び155は、目で観察してもよいし、あるいは、検出器によって検出してもよい。ただし、全てのラテラルフロー・分析試料リーダに検出器が必要な訳ではない。
【0015】
図3は、本発明の代替実施形態によるラテラルフロー・分析試料リーダ200を示す図である。図3に示すように、ラテラルフロー・分析試料リーダ200は、複数の異なるタイプのマーカ2001、2002、...、200nを有するラテラルフロー・テストストリップ210の分析に使用される。サンプル215が毛管作用によりラテラルフロー・テストストリップ210に吸い込まれて拡がるときに、それらの複数の異なるタイプのマーカはそれぞれ、ラテラルフロー・テストストリップ210上に置かれたサンプル215に含まれる対応する検体に結合される。図示のように、検出ゾーン218において、マーカタイプ2201、2202、・・・220nは、対応する検体に結合される。マーカタイプ2201、2202、・・・220nは、例えば、異なるタイプの蛍光マーカである。ただし、本発明が蛍光マーカであるマーカタイプ2201、2202、・・・220nに限定されることはなく、他の適当なタイプのマーカを使用することも可能である。また、本発明が、競合しない分析試料に限定されることもない。さらに、本発明は、1つのラテラルフロー・テストストリップを使用してサンプル中の種々の検体を検出するために、2以上のタイプのマーカを有するラテラルフロー・テストストリップにも適用することが可能である。
【0016】
図3は、マーカ2201、2202、・・・220nにそれぞれ対応するエミッタ2301、2302、・・・、230nを示している。マーカ2201、2202、・・・220nは、ラテラルフロー・テストストリップ210上の異なる検体に結合される。エミッタ2301は、マーカ2201の最適な吸収波長付近の所定範囲の波長の光を放出する。エミッタ2302は、マーカ2202の最適な吸収波長付近の所定範囲の波長の光を放出する。エミッタ230nは、マーカ220nの最適な吸収波長付近の所定範囲の波長の光を放出する。エミッタ2301、2302、・・・、230nは、例えば、発光ダイオード(LED)である。LEDは既知のものである。ただし、本発明がLEDであるエミッタ2301、2302、・・・、230nに限定されることはなく、他の適当な光源を使用することも可能である。さらに、本発明が何らかの特定数のエミッタに限定されることはなく、分析すべきラテラルフロー・テストストリップ上に存在する多数のタイプのマーカを刺激するのに必要な数のエミッタを含む場合がある。
【0017】
次に、刺激されたマーカタイプ2201、2202、・・・220nは、光信号2401、2402、・・・、240nをそれぞれ放出する。光信号2401、2402、・・・、240nは、目で観察してもよく、その場合、検出器は必要ない。あるいは、光信号2401、2402、・・・、240nは、検出器250によって検出してもよい。検出器250は、例えば、フォトダイオードである。フォトダイオードは既知のものである。ただし、本発明がフォトダイオードである検出器250に限定されることはなく、他の適当な検出器を使用することも可能である。また、図3には、1つの検出器250しか描かれていないが、本発明が1つの検出器に限定されることはなく、任意数の検出器を使用することができ、例えば、マーカの各タイプにそれぞれ対応する検出器を使用してもよい。
【0018】
ラテラルフロー分析試料リーダ200は、刺激されたマーカタイプ2201、2202、・・・220nと検出器250の間に、更なる部品260を有する場合がある。そのような追加部品260には例えば、刺激されたマーカタイプ2201、2202、・・・220nからそれぞれ放出された光信号2401、2402、・・・、240nを検出器250に導くためのレンズ、ライトパイプ、その他の手段がある。追加部品260は、検出器250によって検出すべきマーカの波長範囲外の光信号を減衰させるためのフィルタを代わりに含むものであってもよい。また、追加部品260には、偏光子や、検出器250と協働する他の測定補助部品も含まれる。これらの追加部品260が単一部品の使用に限定されることはなく、追加部品は例えば、レンズとフィルタの組み合わせといった、任意の組み合わせで使用することができる。さらに、刺激されるマーカタイプ2201、2202、・・・220nと検出器250の間に種々の部品を配置してもよい。本明細書の開示に鑑みて、こうした部品に適する材料の選択は、当業者の技量の範囲内である。
【0019】
複数のエミッタ2301、2302、・・・、230nを使用することにより、本発明は、1つのラテラルフロー・テストストリップ上で複数のラテラルフロー分析を同時に実施することができ、複数のサンプルを収集し、複数のテストストリップ上で複数のラテラルフロー分析を実施する必要性を低減することができる。また、そのようなラテラルフロー分析試料リーダでは、同じサンプルを必要とする多数の異なるラテラルフロー分析を実施するために必要となる装備品の量が少ないため、複数のラテラルフロー分析を実施する際のコスト効率に優れている。さらに、対応するマーカタイプの最適な吸収波長付近の波長の光を放出することが可能なエミッタを使用することにより、各マーカタイプを装置のユーザ又は検出器が検出する際に、マーカタイプを最大限に刺激することができる。
【0020】
図4は、本発明の代替実施形態によるラテラルフロー・分析試料リーダ300を示す図である。ラテラルフロー分析試料リーダ300は、複数の異なるタイプのマーカ2201、2202、・・・、220nを有するラテラルフロー・テストストリップ210の分析に使用される。サンプル215が毛管作用によりラテラルフロー・テストストリップ210に吸い込まれて拡がるときに、それらの複数の異なるタイプのマーカはそれぞれ、ラテラルフロー・テストストリップ210の上に置かれたサンプル215に含まれる対応する検体に結合される。図示のように、検出ゾーン218では、マーカタイプ2201、2202、・・・、220nが、対応する検体2201、2202、・・・、220nに結合される。マーカタイプ2201、2202、・・・、220nは、例えば、種々の蛍光マーカである。ただし、本発明が蛍光マーカであるマーカタイプ2201、2202、・・・、220nに限定されることはなく、他の適当なタイプのマーカを使用することも可能である。また、本発明が、競合しない分析試料に限定されることもない。さらに、本発明は、1つのラテラルフロー・テストストリップを使用してサンプル中の種々の検体を検出するための2以上のマーカを有するラテラルフロー・テストストリップの読み取りにも適用することが可能である。
【0021】
図4は、複数のエミッタではなく、1つの調節式エミッタ310が描かれている点が、図3とは異なる。エミッタ310は、ラテラルフロー・テストストリップ210上にあるマーカタイプ2201、2202、・・・、220nのそれぞれの最適吸収波長付近の所定範囲の波長の光を放出するように調節することができる。調節式エミッタ310は、例えば、調節式光源であってもよい。
【0022】
次に、図3に示すように、刺激されたマーカタイプ2201、2202、・・・220nは、光信号2401、2402、・・・、240nをそれぞれ放出する。光信号2401、2402、・・・、240nは目で観察してもよく、その場合、検出器は必要ない。検出器250は、例えば、フォトダイオードである。フォトダイオードは既知のものである。ただし、本発明がフォトダイオードである検出器250に限定されることはなく、他の適当な検出器を使用することも可能である。また、本発明が、競合しない検査試料に限定されることもない。さらに、図4には1つの検出器250しか描かれていないが、本発明が1つの検出器に限定されることはなく、任意数の検出器を使用することができ、例えば、各マーカタイプについてそれぞれ1つの検出器を使用してもよい。
【0023】
ラテラルフロー分析試料リーダ300は、刺激されたマーカタイプ2201、2202、・・・220nと検出器320の間に、更なる部品を有する場合がある。そのような追加部品260には例えば、刺激されたマーカタイプ2201、2202、・・・220nからそれぞれ放出された光信号2401、2402、・・・、240nを導くためのレンズ、ライトパイプ、その他の手段がある。追加部品260は、検出器250によって検出すべきマーカタイプの波長範囲外の光信号を減衰させるためのフィルタを代わりに含むものであってもよい。追加部品260には、偏光子や、検出器250と協働する他の測定補助部品も含まれる。これらの追加部品260が単一部品の使用に限定されることはなく、追加部品はたとえば、レンズとフィルタの組み合わせといった、任意の組み合わせで使用することができる。さらに、刺激されたマーカタイプ2201、2202、・・・220nと検出器250の間に、種々の部品を配置してもよい。本明細書の開示に鑑みて、こうした部品に適する材料の選択は、当業者の技量の範囲内である。
【0024】
本発明は、調節式エミッタを使用することにより、1つのラテラルフロー・テストストリップを使用して複数のラテラルフロー分析を実施することができ、複数のサンプルを収集し、複数のテストストリップ上で複数のラテラルフロー分析を実施する必要性を低減することができる。また、そのようなラテラルフロー分析試料リーダでは、同じサンプルを必要とする多数の異なるラテラルフロー分析を実施するために必要となる装備品の量が少ないため、複数のラテラルフロー分析を実施する際のコスト効率に優れている。さらに、対応するマーカタイプの最適な吸収波長付近の波長の光を放出することが可能なエミッタを使用することにより、装置のユーザ又は検出器が各マーカタイプを検出する際に、マーカタイプを最大限に刺激することができる。
【0025】
図5は、本発明の更に他の実施形態によるラテラルフロー分析試料リーダを示すブロック図である。図2〜図4に示したような上記のラテラルフロー分析試料リーダは、図5のブロック図に示されている追加機能を任意の組み合わせで有することができる。まず、エミッタが光を放出してから、対応するマーカが刺激され、光信号を放出するまでのタイムラグを判定するために、ラテラルフロー分析試料リーダは、クロック及び制御手段410を有する場合がある。ただし、クロック及び制御手段410は必須ではない。
【0026】
さらに、駆動回路420は、エミッタ430の光の放出を制御する。エミッタ430は、例えば、LEDや調節式光源のような複数の光源であってもよい。非制限的な例として、駆動回路420は、パルス列を生成するためのパルスエミッタ430、又は、擬似ランダムパルス列を生成するパルスエミッタ430を含む場合がある。他の非制限的な例として、駆動回路420は、エミッタ430の強度を調節してもよい。ただし、駆動回路420によるエミッタ430の制御が、それらの実施形態に制限されることはない。
【0027】
検出器440は、例えばフォトダイオードである。ただし、他の適当な検出器を使用してもよい。信号検出率を向上させるために、検出器440に増幅器や量子化器を結合してもよい。
【0028】
検出器440によって検出された光信号は、表示装置460上に表示することができる。検出器440によって検出された光信号は、信号処理装置470を使用し、従来の信号処理技術によって分析することができる。従来の信号処理技術は当該技術分野において良く知られている。メモリ480は、例えば、検出器440からの情報、信号処理装置470からの情報、及び、ユーザインタフェース460からの情報などを記憶することができる。
【0029】
図6(a)は、ラテラルフロー・テストストリップ上のマーカタイプの相対的な吸収波長及び蛍光波長を示している。ラベルAで示されている曲線は吸収を示し、ラベルFで示されている曲線は蛍光を示している。
【0030】
図6(b)は、1つのラテラルフロー・テストストリップ上の複数のマーカタイプの相対的な吸収波長及び蛍光波長を示している。ラベルA1、A2、・・・、Anで示す曲線は吸収を示し、ラベルF1、F2、・・・、Fnで示す曲線は蛍光を示している。
【0031】
図6(c)は、1つのラテラルフロー・テストストリップ上の複数のマーカタイプの相対的な吸収波長及び蛍光波長、並びに、それらのタイプのマーカを刺激するのに必要となる、対応する相対放射波長範囲を示している。ラベルA1、A2、・・・、Anで示す曲線は吸収を示し、ラベルF1、F2、・・・、Fnで示す曲線は蛍光を示し、ラベルE1、E2、・・・、Enで示す曲線はエミッタによる放出を示している。
【0032】
図7は、本発明の一実施形態による、マーカのタイプを識別する方法600を示すフロー図である。処理610では、エミッタをパルス駆動し、パルス列を生成する。このパルス列は、蛍光染料のような或るタイプのマーカを刺激する。処理630へ進み、刺激したタイプのマーカの応答を検出する。
【0033】
図8は、方法600により、エミッタから放出されるパルス列の例を示している。ただし、本発明が図示したパルス列に限定されることはなく、本発明は任意のパルス列を使用することができる。例えば2以上のエミッタがある場合、エミッタを互いに区別するためには、各エミッタのパルス列は他のエミッタで使用されるパルス列とは十分に異なるものであることが望ましい。エミッタをパルス駆動することにより、リーダの消費電力を低減することができ、光にさらされたときに白くなるマーカタイプの数が多くなるほど、マーカを光にさらす回数を減らすことができる。
【0034】
方法600の一実施形態では、エミッタから放出されるパルス列の強度を調節する。
【0035】
方法600の一実施形態では、擬似ランダムパルスシーケンスでエミッタをパルス駆動する。
【0036】
方法600の一実施形態にでは、刺激されたマーカの応答をフィルタリングする。刺激されたマーカの応答は、例えば光学フィルタを使用した検出の前に、フィルタリングされる。検出した応答は、例えば、検出した応答とパルス列の特性基づいて更にフィルタリングされる場合がある。ただし、フィルタリングがこれらのタイプのフィルタリングに限定されることはなく、任意のタイプのフィルタリングを使用することができる。
【0037】
図9は、本発明の一実施形態による、マーカのタイプを識別する方法800を示すフロー図である。処理810では、エミッタから光を放出し、ラテラルフロー・テストストリップ上の或るタイプのマーカを刺激し、刺激したタイプのマーカから光信号を発生させる。処理820へ進み、光の放出を中止した後、刺激したタイプのマーカから発生する光信号をモニタする。
【0038】
方法800の一実施形態では、刺激したマーカから発生する光信号の中断をモニタリングすることは、光の放出を中止してから、刺激したマーカによって生成される光信号が減衰を開始するまでの時間遅延を測定することを含む。図10は、本発明の一実施形態による、エミッタが光を放出してから、マーカから蛍光が発生するまでタイムラグの一例を示している。ここで、蛍光の減衰を測定する。マーカの特性は、マーカのタイプによって一意に決まるため、マーカの区別に使用することができる。
【0039】
方法800の一実施形態では、光の放出を中止して発生する光信号を減衰させ、モニタリングすることは、発生する光信号の減衰速度を判定することを含む。マーカの特性は、マーカのタイプによって一意に決まるため、マーカの区別に使用することができる。
【0040】
図11(a)及び図11(b)は、本発明により収集されたデータから得られるピーク強度の外挿を示している。具体的には、図11(a)は、2つの異なるマーカタイプから放出される光信号の強度のサンプルをプロットしたグラフであり、時間に関して測定されている。この情報は、減衰速度の判定に使用することができる。刺激されたこれらの異なるタイプのマーカから発生する光信号は指数関数的に減衰するので、マーカの各タイプのピーク強度は、マーカの各タイプについて測定された強度サンプル情報を減衰の開始点まで後ろ向きに外挿することにより判定することができる。図11(b)に示すように、強度の対数を時間に関してプロットすることにより、ピーク強度を判定することができる。ただし、減衰速度の判定がこの方法に限定されるわけではない。
【0041】
方法800の一実施形態では、光の放出を中止した後、刺激されたマーカタイプから発生する光信号をモニタリングすることは、発生する光信号のピークを測定することを含む。光信号のピークは、発生する光信号の減衰に従って、発生する光信号の測定値を外挿することによって判定することもできる。
【0042】
方法800の一実施形態では、放出される光は、パルス状の光である。例えば、擬似ランダムパルス列として光を放出し、マーカタイプを刺激する。ただし、パルス化が擬似ランダムパルス列に限定されることはなく、任意のパルス列を使用することが可能である。
【0043】
方法800の一実施形態では、光の放出を中止して発生する光信号を減衰させ、モニタリングすることは、発生する光信号の減衰時間の後端部を分析することを含む。この後端部は、マーカのタイプによって一意に決まる特性を有する。
【0044】
本発明によれば、1つのラテラルフロー・テストストリップを使用して、複数のラテラルフロー分析を実施することが可能である。従って、単一のサンプルにおける複数の検体の有無、及び相対的集中度を比較的迅速に判定することができる。例えば、臨床医療の場面では、各検体について個別にサンプルを用意するのではなく、1つの血液サンプルを使用して、1つのラテラルフロー・テストストリップに対して複数のラテラルフロー分析を実施することができる。また、ラテラルフロー・テストストリップの分析が、1つのラテラルフロー分析試料リーダで足りるため、必要な機器を減らすことができ、低コストな代替手段が得られる。
【0045】
ラテラルフロー・テストストリップの検出領域を観察することにより、数個の異なる色のマーカの有無を検出することは可能ではあるが、本発明によれば、人間の目によって識別可能な数よりも多くのマーカを識別することが可能である。例えば、非常に近い位置にある青色のマーカと黄色のマーカは、複数の個別のマーカではなく、緑色のマーカに見える。従って、本発明によれば、テストストリップ上の各マーカタイプについて互いに間隔を空けた個別の検出領域を設ける必要がなく、複数の検出ゾーンを近づけて配置することや、同じ検出ゾーンにある複数タイプのマーカを検出することが可能となる。そのため、比較的小型のテストストリップを使用することができ、必要とされるサンプルの量も少なくて済む。
【0046】
また、本発明によれば、種々のマーカタイプに固有の特性を利用することにより、同じ検出領域にある複数タイプのマーカを識別する方法が得られる。
【0047】
本発明の種々の例示的実施形態を以下に列挙する。
1.複数タイプのマーカを有するラテラルフロー・テストストリップを分析し、マーカのタイプにそれぞれ対応する検体に結合する装置であって、
前記ラテラルフロー・テストストリップ上のマーカの複数のタイプにそれぞれ対応する複数のエミッタであって、各エミッタが、対応するマーカのタイプの最適な吸収波長付近の所定範囲の光を放出してマーカを刺激するように構成された、複数のエミッタを含む装置。
2.ラテラルフロー・テストストリップの検出ゾーンに出入りする刺激されたマーカの移動に従って、検体の有無、又は、集中を検出する検出器を含む、1に記載の装置。
3.前記マーカは蛍光染料である、1に記載の装置。
4.前記エミッタは発光ダイオード(LED)である、1に記載の装置。
5.前記検出器は1以上のフォトダイオードである、2に記載の装置。
6.前記検出器と前記ラテラルフロー・テストストリップの間に配置され、前記刺激されたマーカから放出された光信号を前記検出器に導く光ガイドを更に含む、2に記載の装置。
7.前記検出器と前記ラテラルフロー・テストストリップの間に配置され、前記検出器によって検出すべきマーカのタイプの波長範囲外の光信号を減衰させるフィルタを更に含む、2に記載の装置。
8.複数タイプのマーカを有するラテラルフロー・テストストリップを分析し、マーカのタイプにそれぞれ対応する検体に結合する装置であって、
マーカの各タイプの最適な吸収波長付近の所定の波長範囲の光を放出し、マーカを刺激するように構成された、調節式光源と、
前記ラテラルフロー・テストストリップの検出ゾーンに対して出入りする刺激されたマーカの移動に従って、各検体の有無、又は、集中を検出する少なくとも1つの検出器と
からなる装置。
9.前記マーカは蛍光染料である、8に記載の装置。
10.前記検出器は、1以上のフォトダイオードである、8に記載の装置。
11.前記検出器と前記ラテラルフロー・テストストリップの間に配置され、前記刺激されたマーカから放出された光信号を前記検出器に導く光ガイドを更に含む、8に記載の装置。
12.前記検出器と前記ラテラルフロー・テストストリップの間に配置され、前記検出器によって検出すべきマーカのタイプの波長範囲外の光信号を減衰させるフィルタを更に含む、8に記載の装置。
13.マーカを識別する方法であって、
エミッタを個別にパルス駆動し、マーカを刺激するためのパルスを生成し、
刺激されたマーカの応答を検出することからなる方法。
14.放出されるパルス列の強度を調節することを含む、13に記載の方法。
15.前記エミッタは、擬似ランダムパルス列を生成する、13に記載の方法。
16.前記刺激されたマーカの応答をフィルタリングすることを含む、13に記載の方法。
17.光を放出し、ラテラルフロー・テストストリップ上のマーカを刺激し、刺激されたマーカから光信号を発生させ、
前記光の放出を中止し、
前記光の放出を中止した後、前記刺激されたマーカから発生する光信号をモニタリングすることからなる方法。
18.前記モニタリングは、前記光の放出を中止してから、前記刺激されたマーカによって生成される光信号の減衰が始まるまでの遅延時間を測定することからなる、17に記載の方法。
19.前記光の放出の中止によって、前記生成される光信号の減衰が発生し、
前記モニタリングは、前記生成される光信号の減衰期間の後端部を分析することからなる、17に記載の方法。
20.前記光の放出の中止によって、前記生成される光信号の減衰が発生し、
前記モニタリングは、前記生成される光信号の減衰情報を判定し、前記減衰情報を使用して、強度レベルのピークを判定することからなる、17に記載の方法。
21.前記モニタリングは、前記生成される光信号のピークを測定することからなる、17に記載の方法。
22.前記放出される光はパルス状の光である、17に記載の方法。
【0048】
本発明の幾つかの好ましい実施形態について図示説明してきたが、本発明の原理及び思想から外れることなく、それらの実施形態に対して変更を施すことも可能であることは、当業者には明らかであろう。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載及びその均等によって規定される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】ラテラルフロー・テストストリップの分析に使用される従来の装置を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態によるラテラルフロー分析試料リーダを示す図である。
【図3】本発明の一実施形態によるラテラルフロー分析試料リーダを示す図である。
【図4】本発明の一実施形態によるラテラルフロー分析試料リーダを示す図である。
【図5】本発明の他の実施形態によるラテラルフロー分析試料リーダを示すブロック図である。
【図6a】ラテラルフロー・テストストリップ上のマーカの相対的な吸収波長及び蛍光波長を示す図である。
【図6b】単一のラテラルフロー・テストストリップ上の複数のマーカの相対的な吸収波長及び蛍光波長を示す図である。
【図6c】単一のラテラルフロー・テストストリップ上の複数のマーカの相対的な吸収波長及び蛍光波長、並びに、それらのマーカを刺激するのに必要となる対応する放出波長範囲を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態によるマーカを識別する方法を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態によりエミッタから放出されるパルス列を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態によるマーカを識別する方法を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態による、エミッタから光を放出してからマーカが蛍光を発するまでのタイムラグを示す図である。
【図11a】本発明の一実施形態により収集されたデータを使用した、ピーク強度の外挿を示す図である。
【図11b】本発明の一実施形態により収集されたデータを使用した、ピーク強度の外挿を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラテラルフロー分析インジケータを識別する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ラテラルフロー(側方流動分析)法は、一般的に使用されている診断手段である。例えば、ラテラルフローは、家庭用妊娠検査や血糖値検査に一般的に使用されている。分析法によっては、家庭用妊娠検査のように、テストストリップの変化をユーザが目で観察しなければならないものがある。また、分析法によっては、血糖値の試験に使用されるもののように、一体型光検出を使用してラテラルフロー・テストストリップを分析することにより、可読性や精度を向上させているものがある。
【0003】
例えば、図1は、ラテラルフロー・テストストリップの分析に使用される従来の装置を示す図である。図1を参照すると、従来のラテラルフロー・テストストリップ10の上にサンプルが置かれている。サンプルは毛管作用によりテストストリップ10を横切って横に流れ、検出ゾーン18まで流れる。図1はこれを示している。サンプルがテストストリップ10を横切って検出ゾーン18まで流れるときに、検出すべきサンプルの一部である検体15に、何らかのタイプのマーカを結合する場合がある。従って、検出ゾーン18におけるマーカの集中は、検体の集中に関連する。
【0004】
検体15がテストストリップ10の検出ゾーンに到達すると、一般に、広帯域光源20を使用して、結合されたマーカを刺激し、結合されたマーカから光信号25を放出させる。光信号25は通常、検出器30によって読み取られ、それによって検出器30は、検体15の有無や集中を検出する。従来、検出器30には、検出信号の強度に対応する電気出力を生成するフォトダイオードが使用されている。検出器30は外部表示装置(図示せず)に接続される。外部表示装置は、例えば、検出器30の電気出力に対応する数値による読み値や、その他の指標の表示に使用される。
【0005】
また、光学レンズ、フィルタ、又は、レンズとフィルタの組み合わせといった光学部品40を更に使用して、リーダの性能を向上させる場合もある。
【0006】
ラテラルフロー法の中には、検体15に結合されたマーカを周囲光を使用して刺激するだけで十分なものもある。その場合、分析試料リーダは、光源を持たない場合がある。さらに、例えばマーカの刺激によって、裸眼で見ることが可能な色の変化が発生する場合、分析試料リーダは、検出器を持たない場合がある。
【0007】
多くの従来のラテラルフロー分析試料リーダは再使用することができ、使い捨てのラテラルフロー・テストストリップと共に使用される。
【0008】
本発明のこれらの利点及び態様並びにその他利点及び態様は、添付の図面を参照して好ましい実施形態に関する下記の説明を読むことによって、より簡単に理解することができるであろう。
【0009】
次に、本発明の好ましい実施形態の詳細を参照する。幾つかの好ましい実施形態の例は、図面に描かれている。全図面を通じて、同じ符号は同じ要素を指している。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、一実施形態として、複数タイプのマーカを有するラテラルフロー・テストストリップを分析し、マーカのタイプにそれぞれ対応する検体に結合する装置であって、前記ラテラルフロー・テストストリップ上のマーカの複数のタイプにそれぞれ対応する複数のエミッタであって、各エミッタが、対応するマーカのタイプの最適な吸収波長付近の所定範囲の光を放出してマーカを刺激するように構成された、複数のエミッタを含む装置を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図2は、本発明の一実施形態によるラテラルフロー・分析試料リーダ100を示す図である。図2に示すように、ラテラルフロー・分析試料リーダ100は、マーカタイプ120及び125を有するラテラルフロー・テストストリップ110の分析に使用される。サンプル115が毛管作用によりラテラルフロー・テストストリップ110に吸い込まれて拡がるときに、マーカタイプ120及び125はそれぞれ、ラテラルフロー・テストストリップ110の上に置かれたサンプル115に含まれる特定タイプの検体に結合される。検出ゾーン118では、マーカ120及び125が図示のように対応する検体に結合される。マーカ120及び125は、例えば、2つの異なる蛍光マーカである。ただし、本発明が、蛍光マーカであるマーカ120及び125に限定されることはなく、他の適当なマーカを使用することも可能である。また、本発明が競合作用のないアッセイ(分析試料)に限定されることもない。
【0012】
また、図2は、2つの異なる検体を検出するための、2つの異なるタイプのマーカを含むラテラルフロー・テストストリップを示しているが、本発明が2つのマーカのみの検出に限定されることはない。むしろ、本発明は、1つのラテラルフロー・テストストリップを使用してサンプル中の複数の異なる検体を検出するための複数のマーカを含むラテラルフロー・テストストリップの読み取りにも適用可能である。
【0013】
図2には、マーカ120及び125にそれぞれ対応するエミッタ130及び135も描かれている。マーカ120及び125はそれぞれ、ラテラルフロー・テストストリップ110上の異なる検体に結合される。エミッタ130は、マーカ120の最適な吸収波長付近の所定範囲の波長の光を放出する。エミッタ135は、マーカ125の最適な吸収波長付近の所定範囲の波長の光を放出する。エミッタ130及び135は、例えば発光ダイオード(LED)である。LEDは既知のものである。ただし、本発明がLEDのエミッタ130及び135に限定されることはなく、他の適当な光源を使用することも可能である。また、図2には2つのエミッタが描かれているが、本発明が2つのエミッタに限定されることはなく、必要に応じて多数のエミッタを使用して、分析すべきラテラルフロー・テストストリップ上の多数のマーカタイプを刺激してもよく、また、広帯域光源を使用してもよい。
【0014】
次に、刺激されたマーカタイプ120及び125は、光信号150及び155をそれぞれ放出する。光信号150及び155は、目で観察してもよいし、あるいは、検出器によって検出してもよい。ただし、全てのラテラルフロー・分析試料リーダに検出器が必要な訳ではない。
【0015】
図3は、本発明の代替実施形態によるラテラルフロー・分析試料リーダ200を示す図である。図3に示すように、ラテラルフロー・分析試料リーダ200は、複数の異なるタイプのマーカ2001、2002、...、200nを有するラテラルフロー・テストストリップ210の分析に使用される。サンプル215が毛管作用によりラテラルフロー・テストストリップ210に吸い込まれて拡がるときに、それらの複数の異なるタイプのマーカはそれぞれ、ラテラルフロー・テストストリップ210上に置かれたサンプル215に含まれる対応する検体に結合される。図示のように、検出ゾーン218において、マーカタイプ2201、2202、・・・220nは、対応する検体に結合される。マーカタイプ2201、2202、・・・220nは、例えば、異なるタイプの蛍光マーカである。ただし、本発明が蛍光マーカであるマーカタイプ2201、2202、・・・220nに限定されることはなく、他の適当なタイプのマーカを使用することも可能である。また、本発明が、競合しない分析試料に限定されることもない。さらに、本発明は、1つのラテラルフロー・テストストリップを使用してサンプル中の種々の検体を検出するために、2以上のタイプのマーカを有するラテラルフロー・テストストリップにも適用することが可能である。
【0016】
図3は、マーカ2201、2202、・・・220nにそれぞれ対応するエミッタ2301、2302、・・・、230nを示している。マーカ2201、2202、・・・220nは、ラテラルフロー・テストストリップ210上の異なる検体に結合される。エミッタ2301は、マーカ2201の最適な吸収波長付近の所定範囲の波長の光を放出する。エミッタ2302は、マーカ2202の最適な吸収波長付近の所定範囲の波長の光を放出する。エミッタ230nは、マーカ220nの最適な吸収波長付近の所定範囲の波長の光を放出する。エミッタ2301、2302、・・・、230nは、例えば、発光ダイオード(LED)である。LEDは既知のものである。ただし、本発明がLEDであるエミッタ2301、2302、・・・、230nに限定されることはなく、他の適当な光源を使用することも可能である。さらに、本発明が何らかの特定数のエミッタに限定されることはなく、分析すべきラテラルフロー・テストストリップ上に存在する多数のタイプのマーカを刺激するのに必要な数のエミッタを含む場合がある。
【0017】
次に、刺激されたマーカタイプ2201、2202、・・・220nは、光信号2401、2402、・・・、240nをそれぞれ放出する。光信号2401、2402、・・・、240nは、目で観察してもよく、その場合、検出器は必要ない。あるいは、光信号2401、2402、・・・、240nは、検出器250によって検出してもよい。検出器250は、例えば、フォトダイオードである。フォトダイオードは既知のものである。ただし、本発明がフォトダイオードである検出器250に限定されることはなく、他の適当な検出器を使用することも可能である。また、図3には、1つの検出器250しか描かれていないが、本発明が1つの検出器に限定されることはなく、任意数の検出器を使用することができ、例えば、マーカの各タイプにそれぞれ対応する検出器を使用してもよい。
【0018】
ラテラルフロー分析試料リーダ200は、刺激されたマーカタイプ2201、2202、・・・220nと検出器250の間に、更なる部品260を有する場合がある。そのような追加部品260には例えば、刺激されたマーカタイプ2201、2202、・・・220nからそれぞれ放出された光信号2401、2402、・・・、240nを検出器250に導くためのレンズ、ライトパイプ、その他の手段がある。追加部品260は、検出器250によって検出すべきマーカの波長範囲外の光信号を減衰させるためのフィルタを代わりに含むものであってもよい。また、追加部品260には、偏光子や、検出器250と協働する他の測定補助部品も含まれる。これらの追加部品260が単一部品の使用に限定されることはなく、追加部品は例えば、レンズとフィルタの組み合わせといった、任意の組み合わせで使用することができる。さらに、刺激されるマーカタイプ2201、2202、・・・220nと検出器250の間に種々の部品を配置してもよい。本明細書の開示に鑑みて、こうした部品に適する材料の選択は、当業者の技量の範囲内である。
【0019】
複数のエミッタ2301、2302、・・・、230nを使用することにより、本発明は、1つのラテラルフロー・テストストリップ上で複数のラテラルフロー分析を同時に実施することができ、複数のサンプルを収集し、複数のテストストリップ上で複数のラテラルフロー分析を実施する必要性を低減することができる。また、そのようなラテラルフロー分析試料リーダでは、同じサンプルを必要とする多数の異なるラテラルフロー分析を実施するために必要となる装備品の量が少ないため、複数のラテラルフロー分析を実施する際のコスト効率に優れている。さらに、対応するマーカタイプの最適な吸収波長付近の波長の光を放出することが可能なエミッタを使用することにより、各マーカタイプを装置のユーザ又は検出器が検出する際に、マーカタイプを最大限に刺激することができる。
【0020】
図4は、本発明の代替実施形態によるラテラルフロー・分析試料リーダ300を示す図である。ラテラルフロー分析試料リーダ300は、複数の異なるタイプのマーカ2201、2202、・・・、220nを有するラテラルフロー・テストストリップ210の分析に使用される。サンプル215が毛管作用によりラテラルフロー・テストストリップ210に吸い込まれて拡がるときに、それらの複数の異なるタイプのマーカはそれぞれ、ラテラルフロー・テストストリップ210の上に置かれたサンプル215に含まれる対応する検体に結合される。図示のように、検出ゾーン218では、マーカタイプ2201、2202、・・・、220nが、対応する検体2201、2202、・・・、220nに結合される。マーカタイプ2201、2202、・・・、220nは、例えば、種々の蛍光マーカである。ただし、本発明が蛍光マーカであるマーカタイプ2201、2202、・・・、220nに限定されることはなく、他の適当なタイプのマーカを使用することも可能である。また、本発明が、競合しない分析試料に限定されることもない。さらに、本発明は、1つのラテラルフロー・テストストリップを使用してサンプル中の種々の検体を検出するための2以上のマーカを有するラテラルフロー・テストストリップの読み取りにも適用することが可能である。
【0021】
図4は、複数のエミッタではなく、1つの調節式エミッタ310が描かれている点が、図3とは異なる。エミッタ310は、ラテラルフロー・テストストリップ210上にあるマーカタイプ2201、2202、・・・、220nのそれぞれの最適吸収波長付近の所定範囲の波長の光を放出するように調節することができる。調節式エミッタ310は、例えば、調節式光源であってもよい。
【0022】
次に、図3に示すように、刺激されたマーカタイプ2201、2202、・・・220nは、光信号2401、2402、・・・、240nをそれぞれ放出する。光信号2401、2402、・・・、240nは目で観察してもよく、その場合、検出器は必要ない。検出器250は、例えば、フォトダイオードである。フォトダイオードは既知のものである。ただし、本発明がフォトダイオードである検出器250に限定されることはなく、他の適当な検出器を使用することも可能である。また、本発明が、競合しない検査試料に限定されることもない。さらに、図4には1つの検出器250しか描かれていないが、本発明が1つの検出器に限定されることはなく、任意数の検出器を使用することができ、例えば、各マーカタイプについてそれぞれ1つの検出器を使用してもよい。
【0023】
ラテラルフロー分析試料リーダ300は、刺激されたマーカタイプ2201、2202、・・・220nと検出器320の間に、更なる部品を有する場合がある。そのような追加部品260には例えば、刺激されたマーカタイプ2201、2202、・・・220nからそれぞれ放出された光信号2401、2402、・・・、240nを導くためのレンズ、ライトパイプ、その他の手段がある。追加部品260は、検出器250によって検出すべきマーカタイプの波長範囲外の光信号を減衰させるためのフィルタを代わりに含むものであってもよい。追加部品260には、偏光子や、検出器250と協働する他の測定補助部品も含まれる。これらの追加部品260が単一部品の使用に限定されることはなく、追加部品はたとえば、レンズとフィルタの組み合わせといった、任意の組み合わせで使用することができる。さらに、刺激されたマーカタイプ2201、2202、・・・220nと検出器250の間に、種々の部品を配置してもよい。本明細書の開示に鑑みて、こうした部品に適する材料の選択は、当業者の技量の範囲内である。
【0024】
本発明は、調節式エミッタを使用することにより、1つのラテラルフロー・テストストリップを使用して複数のラテラルフロー分析を実施することができ、複数のサンプルを収集し、複数のテストストリップ上で複数のラテラルフロー分析を実施する必要性を低減することができる。また、そのようなラテラルフロー分析試料リーダでは、同じサンプルを必要とする多数の異なるラテラルフロー分析を実施するために必要となる装備品の量が少ないため、複数のラテラルフロー分析を実施する際のコスト効率に優れている。さらに、対応するマーカタイプの最適な吸収波長付近の波長の光を放出することが可能なエミッタを使用することにより、装置のユーザ又は検出器が各マーカタイプを検出する際に、マーカタイプを最大限に刺激することができる。
【0025】
図5は、本発明の更に他の実施形態によるラテラルフロー分析試料リーダを示すブロック図である。図2〜図4に示したような上記のラテラルフロー分析試料リーダは、図5のブロック図に示されている追加機能を任意の組み合わせで有することができる。まず、エミッタが光を放出してから、対応するマーカが刺激され、光信号を放出するまでのタイムラグを判定するために、ラテラルフロー分析試料リーダは、クロック及び制御手段410を有する場合がある。ただし、クロック及び制御手段410は必須ではない。
【0026】
さらに、駆動回路420は、エミッタ430の光の放出を制御する。エミッタ430は、例えば、LEDや調節式光源のような複数の光源であってもよい。非制限的な例として、駆動回路420は、パルス列を生成するためのパルスエミッタ430、又は、擬似ランダムパルス列を生成するパルスエミッタ430を含む場合がある。他の非制限的な例として、駆動回路420は、エミッタ430の強度を調節してもよい。ただし、駆動回路420によるエミッタ430の制御が、それらの実施形態に制限されることはない。
【0027】
検出器440は、例えばフォトダイオードである。ただし、他の適当な検出器を使用してもよい。信号検出率を向上させるために、検出器440に増幅器や量子化器を結合してもよい。
【0028】
検出器440によって検出された光信号は、表示装置460上に表示することができる。検出器440によって検出された光信号は、信号処理装置470を使用し、従来の信号処理技術によって分析することができる。従来の信号処理技術は当該技術分野において良く知られている。メモリ480は、例えば、検出器440からの情報、信号処理装置470からの情報、及び、ユーザインタフェース460からの情報などを記憶することができる。
【0029】
図6(a)は、ラテラルフロー・テストストリップ上のマーカタイプの相対的な吸収波長及び蛍光波長を示している。ラベルAで示されている曲線は吸収を示し、ラベルFで示されている曲線は蛍光を示している。
【0030】
図6(b)は、1つのラテラルフロー・テストストリップ上の複数のマーカタイプの相対的な吸収波長及び蛍光波長を示している。ラベルA1、A2、・・・、Anで示す曲線は吸収を示し、ラベルF1、F2、・・・、Fnで示す曲線は蛍光を示している。
【0031】
図6(c)は、1つのラテラルフロー・テストストリップ上の複数のマーカタイプの相対的な吸収波長及び蛍光波長、並びに、それらのタイプのマーカを刺激するのに必要となる、対応する相対放射波長範囲を示している。ラベルA1、A2、・・・、Anで示す曲線は吸収を示し、ラベルF1、F2、・・・、Fnで示す曲線は蛍光を示し、ラベルE1、E2、・・・、Enで示す曲線はエミッタによる放出を示している。
【0032】
図7は、本発明の一実施形態による、マーカのタイプを識別する方法600を示すフロー図である。処理610では、エミッタをパルス駆動し、パルス列を生成する。このパルス列は、蛍光染料のような或るタイプのマーカを刺激する。処理630へ進み、刺激したタイプのマーカの応答を検出する。
【0033】
図8は、方法600により、エミッタから放出されるパルス列の例を示している。ただし、本発明が図示したパルス列に限定されることはなく、本発明は任意のパルス列を使用することができる。例えば2以上のエミッタがある場合、エミッタを互いに区別するためには、各エミッタのパルス列は他のエミッタで使用されるパルス列とは十分に異なるものであることが望ましい。エミッタをパルス駆動することにより、リーダの消費電力を低減することができ、光にさらされたときに白くなるマーカタイプの数が多くなるほど、マーカを光にさらす回数を減らすことができる。
【0034】
方法600の一実施形態では、エミッタから放出されるパルス列の強度を調節する。
【0035】
方法600の一実施形態では、擬似ランダムパルスシーケンスでエミッタをパルス駆動する。
【0036】
方法600の一実施形態にでは、刺激されたマーカの応答をフィルタリングする。刺激されたマーカの応答は、例えば光学フィルタを使用した検出の前に、フィルタリングされる。検出した応答は、例えば、検出した応答とパルス列の特性基づいて更にフィルタリングされる場合がある。ただし、フィルタリングがこれらのタイプのフィルタリングに限定されることはなく、任意のタイプのフィルタリングを使用することができる。
【0037】
図9は、本発明の一実施形態による、マーカのタイプを識別する方法800を示すフロー図である。処理810では、エミッタから光を放出し、ラテラルフロー・テストストリップ上の或るタイプのマーカを刺激し、刺激したタイプのマーカから光信号を発生させる。処理820へ進み、光の放出を中止した後、刺激したタイプのマーカから発生する光信号をモニタする。
【0038】
方法800の一実施形態では、刺激したマーカから発生する光信号の中断をモニタリングすることは、光の放出を中止してから、刺激したマーカによって生成される光信号が減衰を開始するまでの時間遅延を測定することを含む。図10は、本発明の一実施形態による、エミッタが光を放出してから、マーカから蛍光が発生するまでタイムラグの一例を示している。ここで、蛍光の減衰を測定する。マーカの特性は、マーカのタイプによって一意に決まるため、マーカの区別に使用することができる。
【0039】
方法800の一実施形態では、光の放出を中止して発生する光信号を減衰させ、モニタリングすることは、発生する光信号の減衰速度を判定することを含む。マーカの特性は、マーカのタイプによって一意に決まるため、マーカの区別に使用することができる。
【0040】
図11(a)及び図11(b)は、本発明により収集されたデータから得られるピーク強度の外挿を示している。具体的には、図11(a)は、2つの異なるマーカタイプから放出される光信号の強度のサンプルをプロットしたグラフであり、時間に関して測定されている。この情報は、減衰速度の判定に使用することができる。刺激されたこれらの異なるタイプのマーカから発生する光信号は指数関数的に減衰するので、マーカの各タイプのピーク強度は、マーカの各タイプについて測定された強度サンプル情報を減衰の開始点まで後ろ向きに外挿することにより判定することができる。図11(b)に示すように、強度の対数を時間に関してプロットすることにより、ピーク強度を判定することができる。ただし、減衰速度の判定がこの方法に限定されるわけではない。
【0041】
方法800の一実施形態では、光の放出を中止した後、刺激されたマーカタイプから発生する光信号をモニタリングすることは、発生する光信号のピークを測定することを含む。光信号のピークは、発生する光信号の減衰に従って、発生する光信号の測定値を外挿することによって判定することもできる。
【0042】
方法800の一実施形態では、放出される光は、パルス状の光である。例えば、擬似ランダムパルス列として光を放出し、マーカタイプを刺激する。ただし、パルス化が擬似ランダムパルス列に限定されることはなく、任意のパルス列を使用することが可能である。
【0043】
方法800の一実施形態では、光の放出を中止して発生する光信号を減衰させ、モニタリングすることは、発生する光信号の減衰時間の後端部を分析することを含む。この後端部は、マーカのタイプによって一意に決まる特性を有する。
【0044】
本発明によれば、1つのラテラルフロー・テストストリップを使用して、複数のラテラルフロー分析を実施することが可能である。従って、単一のサンプルにおける複数の検体の有無、及び相対的集中度を比較的迅速に判定することができる。例えば、臨床医療の場面では、各検体について個別にサンプルを用意するのではなく、1つの血液サンプルを使用して、1つのラテラルフロー・テストストリップに対して複数のラテラルフロー分析を実施することができる。また、ラテラルフロー・テストストリップの分析が、1つのラテラルフロー分析試料リーダで足りるため、必要な機器を減らすことができ、低コストな代替手段が得られる。
【0045】
ラテラルフロー・テストストリップの検出領域を観察することにより、数個の異なる色のマーカの有無を検出することは可能ではあるが、本発明によれば、人間の目によって識別可能な数よりも多くのマーカを識別することが可能である。例えば、非常に近い位置にある青色のマーカと黄色のマーカは、複数の個別のマーカではなく、緑色のマーカに見える。従って、本発明によれば、テストストリップ上の各マーカタイプについて互いに間隔を空けた個別の検出領域を設ける必要がなく、複数の検出ゾーンを近づけて配置することや、同じ検出ゾーンにある複数タイプのマーカを検出することが可能となる。そのため、比較的小型のテストストリップを使用することができ、必要とされるサンプルの量も少なくて済む。
【0046】
また、本発明によれば、種々のマーカタイプに固有の特性を利用することにより、同じ検出領域にある複数タイプのマーカを識別する方法が得られる。
【0047】
本発明の種々の例示的実施形態を以下に列挙する。
1.複数タイプのマーカを有するラテラルフロー・テストストリップを分析し、マーカのタイプにそれぞれ対応する検体に結合する装置であって、
前記ラテラルフロー・テストストリップ上のマーカの複数のタイプにそれぞれ対応する複数のエミッタであって、各エミッタが、対応するマーカのタイプの最適な吸収波長付近の所定範囲の光を放出してマーカを刺激するように構成された、複数のエミッタを含む装置。
2.ラテラルフロー・テストストリップの検出ゾーンに出入りする刺激されたマーカの移動に従って、検体の有無、又は、集中を検出する検出器を含む、1に記載の装置。
3.前記マーカは蛍光染料である、1に記載の装置。
4.前記エミッタは発光ダイオード(LED)である、1に記載の装置。
5.前記検出器は1以上のフォトダイオードである、2に記載の装置。
6.前記検出器と前記ラテラルフロー・テストストリップの間に配置され、前記刺激されたマーカから放出された光信号を前記検出器に導く光ガイドを更に含む、2に記載の装置。
7.前記検出器と前記ラテラルフロー・テストストリップの間に配置され、前記検出器によって検出すべきマーカのタイプの波長範囲外の光信号を減衰させるフィルタを更に含む、2に記載の装置。
8.複数タイプのマーカを有するラテラルフロー・テストストリップを分析し、マーカのタイプにそれぞれ対応する検体に結合する装置であって、
マーカの各タイプの最適な吸収波長付近の所定の波長範囲の光を放出し、マーカを刺激するように構成された、調節式光源と、
前記ラテラルフロー・テストストリップの検出ゾーンに対して出入りする刺激されたマーカの移動に従って、各検体の有無、又は、集中を検出する少なくとも1つの検出器と
からなる装置。
9.前記マーカは蛍光染料である、8に記載の装置。
10.前記検出器は、1以上のフォトダイオードである、8に記載の装置。
11.前記検出器と前記ラテラルフロー・テストストリップの間に配置され、前記刺激されたマーカから放出された光信号を前記検出器に導く光ガイドを更に含む、8に記載の装置。
12.前記検出器と前記ラテラルフロー・テストストリップの間に配置され、前記検出器によって検出すべきマーカのタイプの波長範囲外の光信号を減衰させるフィルタを更に含む、8に記載の装置。
13.マーカを識別する方法であって、
エミッタを個別にパルス駆動し、マーカを刺激するためのパルスを生成し、
刺激されたマーカの応答を検出することからなる方法。
14.放出されるパルス列の強度を調節することを含む、13に記載の方法。
15.前記エミッタは、擬似ランダムパルス列を生成する、13に記載の方法。
16.前記刺激されたマーカの応答をフィルタリングすることを含む、13に記載の方法。
17.光を放出し、ラテラルフロー・テストストリップ上のマーカを刺激し、刺激されたマーカから光信号を発生させ、
前記光の放出を中止し、
前記光の放出を中止した後、前記刺激されたマーカから発生する光信号をモニタリングすることからなる方法。
18.前記モニタリングは、前記光の放出を中止してから、前記刺激されたマーカによって生成される光信号の減衰が始まるまでの遅延時間を測定することからなる、17に記載の方法。
19.前記光の放出の中止によって、前記生成される光信号の減衰が発生し、
前記モニタリングは、前記生成される光信号の減衰期間の後端部を分析することからなる、17に記載の方法。
20.前記光の放出の中止によって、前記生成される光信号の減衰が発生し、
前記モニタリングは、前記生成される光信号の減衰情報を判定し、前記減衰情報を使用して、強度レベルのピークを判定することからなる、17に記載の方法。
21.前記モニタリングは、前記生成される光信号のピークを測定することからなる、17に記載の方法。
22.前記放出される光はパルス状の光である、17に記載の方法。
【0048】
本発明の幾つかの好ましい実施形態について図示説明してきたが、本発明の原理及び思想から外れることなく、それらの実施形態に対して変更を施すことも可能であることは、当業者には明らかであろう。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載及びその均等によって規定される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】ラテラルフロー・テストストリップの分析に使用される従来の装置を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態によるラテラルフロー分析試料リーダを示す図である。
【図3】本発明の一実施形態によるラテラルフロー分析試料リーダを示す図である。
【図4】本発明の一実施形態によるラテラルフロー分析試料リーダを示す図である。
【図5】本発明の他の実施形態によるラテラルフロー分析試料リーダを示すブロック図である。
【図6a】ラテラルフロー・テストストリップ上のマーカの相対的な吸収波長及び蛍光波長を示す図である。
【図6b】単一のラテラルフロー・テストストリップ上の複数のマーカの相対的な吸収波長及び蛍光波長を示す図である。
【図6c】単一のラテラルフロー・テストストリップ上の複数のマーカの相対的な吸収波長及び蛍光波長、並びに、それらのマーカを刺激するのに必要となる対応する放出波長範囲を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態によるマーカを識別する方法を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態によりエミッタから放出されるパルス列を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態によるマーカを識別する方法を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態による、エミッタから光を放出してからマーカが蛍光を発するまでのタイムラグを示す図である。
【図11a】本発明の一実施形態により収集されたデータを使用した、ピーク強度の外挿を示す図である。
【図11b】本発明の一実施形態により収集されたデータを使用した、ピーク強度の外挿を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数タイプのマーカ(120,125)を有するラテラルフロー・テストストリップ(110)を分析し、マーカ(120,125)のタイプにそれぞれ対応する検体に結合する装置であって、
前記ラテラルフロー・テストストリップ上のマーカ(120,125)の複数のタイプにそれぞれ対応する複数のエミッタ(130,135)であって、各エミッタ(130,135)が、対応するマーカ(120,125)のタイプの最適な吸収波長付近の所定範囲の光を放出してマーカを刺激するように構成された、複数のエミッタを含む装置。
【請求項2】
ラテラルフロー・テストストリップ(110)の検出ゾーンに出入りする刺激されたマーカの移動に従って、検体の有無、又は、集中を検出する検出器(250)を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記マーカ(120,125)は蛍光染料である、請求項1又は請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記エミッタ(130,135)は発光ダイオード(LED)である、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記検出器(250)は1以上のフォトダイオードである、請求項2に記載の装置
【請求項6】
前記検出器(250)と前記ラテラルフロー・テストストリップ(110)の間に配置され、前記刺激されたマーカから放出された光信号を前記検出器に導く光ガイドを更に含む、請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記検出器(250)と前記ラテラルフロー・テストストリップ(110)の間に配置され、前記検出器(250)によって検出すべきマーカのタイプの波長範囲外の光信号を減衰させるフィルタを更に含む、2に記載の装置。
【請求項8】
光を放出し、ラテラルフロー・テストストリップ上のマーカを刺激し、刺激されたマーカから光信号を発生させ(810)、
前記光の放出を中止し(820)、
前記光の放出を中止した後、前記刺激されたマーカから発生する光信号をモニタリングする(830)ことからなる方法。
【請求項9】
前記光の放出の中止によって、前記発生する光信号の減衰が発生し、
前記モニタリングは、前記発生する光信号の減衰期間の後端部を分析することからなる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記放出される光はパルス状の光である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
マーカを識別する方法であって、
エミッタ(310)を個別に駆動し、マーカ(220n)を刺激するためのパルス列を生成し、
刺激されたマーカ(220n)の応答を検出することからなる方法。
【請求項1】
複数タイプのマーカ(120,125)を有するラテラルフロー・テストストリップ(110)を分析し、マーカ(120,125)のタイプにそれぞれ対応する検体に結合する装置であって、
前記ラテラルフロー・テストストリップ上のマーカ(120,125)の複数のタイプにそれぞれ対応する複数のエミッタ(130,135)であって、各エミッタ(130,135)が、対応するマーカ(120,125)のタイプの最適な吸収波長付近の所定範囲の光を放出してマーカを刺激するように構成された、複数のエミッタを含む装置。
【請求項2】
ラテラルフロー・テストストリップ(110)の検出ゾーンに出入りする刺激されたマーカの移動に従って、検体の有無、又は、集中を検出する検出器(250)を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記マーカ(120,125)は蛍光染料である、請求項1又は請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記エミッタ(130,135)は発光ダイオード(LED)である、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記検出器(250)は1以上のフォトダイオードである、請求項2に記載の装置
【請求項6】
前記検出器(250)と前記ラテラルフロー・テストストリップ(110)の間に配置され、前記刺激されたマーカから放出された光信号を前記検出器に導く光ガイドを更に含む、請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記検出器(250)と前記ラテラルフロー・テストストリップ(110)の間に配置され、前記検出器(250)によって検出すべきマーカのタイプの波長範囲外の光信号を減衰させるフィルタを更に含む、2に記載の装置。
【請求項8】
光を放出し、ラテラルフロー・テストストリップ上のマーカを刺激し、刺激されたマーカから光信号を発生させ(810)、
前記光の放出を中止し(820)、
前記光の放出を中止した後、前記刺激されたマーカから発生する光信号をモニタリングする(830)ことからなる方法。
【請求項9】
前記光の放出の中止によって、前記発生する光信号の減衰が発生し、
前記モニタリングは、前記発生する光信号の減衰期間の後端部を分析することからなる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記放出される光はパルス状の光である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
マーカを識別する方法であって、
エミッタ(310)を個別に駆動し、マーカ(220n)を刺激するためのパルス列を生成し、
刺激されたマーカ(220n)の応答を検出することからなる方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11a】
【図11b】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11a】
【図11b】
【公開番号】特開2006−337369(P2006−337369A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−152165(P2006−152165)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(506076606)アバゴ・テクノロジーズ・ジェネラル・アイピー(シンガポール)プライベート・リミテッド (129)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(506076606)アバゴ・テクノロジーズ・ジェネラル・アイピー(シンガポール)プライベート・リミテッド (129)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]