説明

ラプチャーディスク

ラプチャーディスク20は、関連の方法を伴って開示される。より具体的には、破裂可能部が破裂することになる圧力を決定するように構成された遷移領域23を備える小型化されたラプチャーディスクが開示される。ラプチャーディスクの破裂圧力を設定するように遷移領域の角の丸みRを構成したラプチャーディスクを形成する方法も開示される。また、頂点24に位置した凹部と、開放性能を向上するように構成された脆弱性の円形のラインとを有するラプチャーディスクが開示される。さらに、ラプチャーディスクの組を供給し、その組における各ラプチャーディスクが異なった角の丸みの遷移領域を有する、加圧されたシステム内の圧力を除去する方法が開示される。ラプチャーディスクは、その組から選択され、遷移領域の角の丸みによって設定された破裂圧力に基づいて設置されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)本願は、ジョン・トマスコ(John Tomasko)、ポール・ゴッギン(Paul Goggin)、及びゴーフ・ブラジール(Geof Brazier)によって2009年9月30日に出願された、発明の名称「ラプチャーディスク(RUPTURE DISK)」の米国仮出願第61/272,497号の利益を主張し、その開示は本明細書中に参照により明示的に組み込まれる。
【0002】
本開示は概してラプチャーディスクに関する。より具体的には、本開示は、関連の方法を伴って、小型化されたラプチャーディスクに関する。
【背景技術】
【0003】
ラプチャーディスクは、潜在的に危険な過圧状態に反応して加圧されたシステムから圧力を解放するのに使用される。一般に、ラプチャーディスクは、圧力除去組立体を形成する、一対の保持部材間を封止するフランジ、又は安全ヘッド(safety head)を有する。そして、圧力除去組立体は、加圧されたシステム内の従来の一対のパイプフランジ間、又は一対のネジ式継手間に把持され、又はそうでなければ封止するように配置されていてもよい。第1のパイプは、圧力除去組立体の片面に加圧された流体を導き、第2のパイプは、安全貯蔵器への出口を提供するか、又は環境に開いていてもよい。保持部材は、ラプチャーディスクの一部をシステム内の加圧された流体に露出させる中央の開口部を含む。入口側と出口側の間の流体圧力が所定の差圧に達したときに、このラプチャーディスクの露出部分は破裂することになる。破裂したディスクは通気経路を生成し、この通気経路により、流体は、加圧システム内の圧力を低減するように出口を通って逃げることができる。
【0004】
ラプチャーディスクは、ドーム形状、丸い形状、又は他の概して曲線状のラプチャー可能部を一般的に有し、前方動作又は反転動作であってもよい。引張型ラプチャーディスクは、破裂可能部の凹面側を加圧されたシステムに露出した状態で配置され、ディスクを張力下に置く。そのため、過圧状態に達したとき、すなわちシステム圧力が安全レベル又は望ましいレベルを超えたときに、ラプチャーディスクは、外方に破裂することで圧力を解放してもよい。逆に、反転座屈ラプチャーディスクとしても知られた反転型ラプチャーディスクは、破裂可能部の凸面側を加圧されたシステムに露出した状態で配置され、ディスクの材料は圧縮状態に置かれる。そのため、過圧状態に達したときに、ラプチャーディスクは、加圧された流体を排出するように座屈、及び反転、すなわち逆転、そして引き裂かれてもよい。
【0005】
連続した加工工程の間に作業ステーションから別の作業ステーションまで手動で、ロボットアームにより、又はこれら2つの組み合わせのいずれかにより、ラプチャーディスク材料を移動して、ドーム形状、丸い形状、又は他の概して曲線状のラプチャーディスクをラプチャーディスク産業は歴史的に製造してきた。
【0006】
反転座屈ラプチャーディスクは、反転の際にそれ自体によって破裂してもよい。あるいは、破裂を容易化するように付加的な特徴を与えてもよい。たとえば、破裂が確実に起こるように、反転したときに反転座屈ラプチャーディスクに切断構造又は応力集中点が接触してもよい。例示的な切断構造は1以上の刃及び円形の歯付きリングを含む。1以上の刃は、例えば、市販のRB−90(商標)反転座屈ディスクの一部としてBS&Bセーフティシステムズ(BS&B Safety Systems)が提供するものに類似する4部分の刃、又は市販のDKB VAC−SAF(商標)ラプチャーディスクの一部としてBS&Bセーフティシステムズ(BS&B Safety Systems)が提供するものに類似する3つの形状を有する3部分の刃であってもよい。円形の歯付きリングは、例えば、市販のJRS(商標)ラプチャーディスクの一部としてBS&Bセーフティシステムズ(BS&B Safety Systems)が提供するものに類似していてもよい。他の例示的な切断構造を破裂可能部の周囲に沿って配置してもよい。また他の例示的な切断構造を、反転の際に破裂可能部と係合するように設計されたX形状部、Y形状部、又は不規則なY形状部内に配置してもよい。
【0007】
切断構造を使用するラプチャーディスク組立体が、共同所有の特許文献1と特許文献2に記載されており、これらの内容は参照により本明細書に明示的に組み込まれる。例示的な圧力集中点が、共同所有の特許文献3に記載されており、この内容は参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0008】
ラプチャーディスクが破裂する所定の差圧は「破裂圧力」として知られている。ラプチャーディスクを評価する破裂圧力は「公称破裂圧力」として知られている。材料の厚さやドームの高さ(「クラウン高さ」としても知られている)などのラプチャーディスクの物理的なパラメーターによって破裂圧力を設定してもよい。また、破裂圧力は凹部などの様々な物理的な特徴を用いて設定してもよい。凹部を有するラプチャーディスク、及びこのようなラプチャーディスクを製造する方法が、例えば、共同所有の特許文献4から7に開示されている。これらの内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0009】
一般に、所与の公称破裂圧力に対する公知のラプチャーディスクの破裂圧力は、適用する温度の関数として変化する可能性がある。単純な引張荷重を受けている(例えば、引張型)ラプチャーディスクに対しては、破裂圧力の変化は、所与のラプチャーディスク材料の温度変化にともなう引張強度の変化に密接に関連する。反転座屈ラプチャーディスクに関しては、温度に従う破裂圧力の変化は小さい。これは、材料の引張強度がこのような構造の破裂応答に影響を及ぼす1つのパラメーターにすぎないためである。加圧されたシステムの温度は変化する場合があるので、温度感度を低減したラプチャーディスクが望ましい。
【0010】
ラプチャーディスクの開放の容易化、及びラプチャーディスクの開放パターンの制御に、スコアライン、シアーライン、及び脆弱性の線としても知られた脆弱性の他の領域などの物理的な特徴を使用してもよい。たとえば、反転座屈ディスクでは、ディスクが反転しているときに、ディスクはスコアラインに沿って裂けることになる。破裂の際にディスクが破片になるのを防ぎ、かつディスクからの破片が流体と共に加圧されたシステムから抜け出すのを防ぐように、ヒンジ領域として作動するディスクの選択された部分は通常スコアがないままにされる。
【0011】
また、ラプチャーディスクの破片化は遷移領域の使用によっても制御される。この遷移領域はラプチャーディスクのドームとフランジ部の間に現れる。ラプチャーディスク産業は、破片化制御を補助する一定の角の丸みを備えた遷移領域を用いることを重視してきた。一般に、ディスク材料の厚さを超えた半径の角の丸みが、ラプチャーディスクの破片化制御には最も良いアプローチであると認められている。一般的に、より高い破裂圧力を伴うラプチャーディスクに関して、ディスクの厚さと遷移領域の角の丸みの両方が、ラプチャーディスクの破片化を制御するために増加することになる。
【0012】
幾つかの適用は、例えば約1インチ(約2.54cm)以下の直径を有する、効果的に「小型化された」小さなラプチャーディスクを必要とする。一般的に、ドームの高さ、凹部、脆弱性の領域、及び遷移領域などの上述の物理的な特徴は、より大きな直径のラプチャーディスクと同様、小型化されたラプチャーディスクの破裂と破片化の制御に使用される。このようなパラメーター及び特徴の信頼性を保つことは、小型化されたラプチャーディスクに供給可能な破裂圧力の範囲が制限するが、しかしながら、破裂圧力の信頼できない変動、又は利用可能な板材の厚さの原材料から所望の破裂圧力が生成不可能という状況をもたらす場合がある。
【0013】
また、スコアが入れられ小型化された反転座屈ディスクは、次のような課題が生じる。すなわち、反転の際に小さな開口部を通して過剰のドーム材料を押し込む必要性が生じることである。より厚い小型化された反転座屈ディスクは特にこの課題が顕著である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第4,236,648号公報
【特許文献2】米国特許第5,082,133号公報
【特許文献3】米国特許第5,934,308号公報
【特許文献4】米国特許第6,178,983号公報
【特許文献5】米国特許第6,321,582号公報
【特許文献6】米国特許第6,446,653号公報
【特許文献7】米国特許第6,494,074号公報
【特許文献8】米国特許第4,404,982号公報
【特許文献9】米国特許第4,441,350号公報
【特許文献10】米国特許第4,102,167号公報
【特許文献11】米国特許第5,995,605号公報
【特許文献12】米国特許第5,570,803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上記を鑑みて、多数の異なった破裂圧力要件を満たすように構成可能であり、かつより信頼性のある破裂性能を提供できる小型化されたラプチャーディスクが必要である。本開示のラプチャーディスク、並びに付随するシステム及び方法は、これらの利点又は他の利点を達成する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述の利点又は他の利点の1つ以上を達成するために、本明細書で実施され、かつ広く記載されるように、本開示は、破裂可能部と、フランジ部と、破裂可能部とフランジ部とを接続する遷移領域と、を備えるラプチャーディスクであって、遷移領域は、破裂可能部が破裂することになる圧力を決定するように構成されている、ラプチャーディスクに関する。
【0017】
別の態様では、本開示は、ラプチャーディスク材料から破裂可能部、フランジ部、及び遷移領域を形成することと、ラプチャーディスクの破裂圧力を設定するように遷移領域を構成することとを含む、ラプチャーディスクを形成する方法に関する。
【0018】
また、本開示は、ラプチャーディスクの組を供給することであって、その組の各ラプチャーディスクは、厚さ、ドームの高さ、及び遷移領域を有し、その組の各ラプチャーディスクは同じ厚さ及び同じドームの高さを有し、その組の各ラプチャーディスクは異なった遷移領域を有する、ラプチャーディスクの組を供給することを含む、加圧されたシステム内の圧力を除去する方法に関する。この方法は、選択されたラプチャーディスクの遷移領域によって決定された破裂圧力に基づいてラプチャーディスクの組からラプチャーディスクを選択することと、選択されたラプチャーディスクを加圧されたシステム内に設置することと、もまた含む。
【0019】
本開示の別の実施形態は、脆弱性の実質的に円形のラインと凹部を画定する頂点とを有する破裂可能部を備えるラプチャーディスクに関する。凹部は、差圧に反応して破裂可能部の反転を開始するように構成されている。反転によって、脆弱性の実質的に円形のラインの全体にわたるディスクのほぼ同時の開放がもたらされ、かつ破裂可能部の反転によって、脆弱性の実質的に円形のラインに沿ったディスクの開放がもたらされる。
【0020】
別の態様では、本開示は、頂点を有する破裂可能部であって、頂点の穴を画定し、脆弱性の実質的に円形のラインも確定する、破裂可能部を備えるラプチャーディスクに関する。ラプチャーディスクは封止部も有する。破裂可能部は、差圧に反応して穴で反転を開始するように構成されており、反転によって、脆弱性の実質的に円形のラインの全体にわたるディスクのほぼ同時の開放がもたらされる。
【0021】
また、本開示は、順送金型の組を有するプレスを供給することであって、順送金型の組は第1の金型及び第2の金型を含む、プレスを供給することと、ラプチャーディスク材料をラプチャーディスク形状に形成するように、ラプチャーディスク材料を第1の金型でプレスすることと、第1の金型がラプチャーディスク材料をプレスした後に、そのラプチャーディスク材料を第2の金型まで動かすことと、ラプチャーディスクを製造するようにラプチャーディスク材料を第2の金型でプレスすることとを含む、反転座屈ラプチャーディスクを形成する方法に関する。
【0022】
また、本開示は、順送金型の組を供給することと、順送金型の組の第1の金型を用いてラプチャーディスク材料に構造改良部を形成することと、順送金型の組の第2の金型を用いてラプチャーディスク材料に曲線形状部を形成することとを含む、反転座屈ラプチャーディスクを形成する方法にも関する。
【0023】
本明細書の一部に組み込まれて、本明細書の一部を構成する添付図面は、幾つかの実施形態を例示し、本明細書とともに、本開示の原理を説明する機能を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】公知のラプチャーディスクの断面図である。
【図2】本開示の実施形態に係る小型化されたラプチャーディスクの断面図である。
【図3A】本開示の実施形態に係る鋭い遷移領域を有するラプチャーディスク遷移領域である。
【図3B】本開示の実施形態に係る緩い面取り部を有するラプチャーディスク遷移領域である。
【図3C】本開示の実施形態に係る小さな角の丸みを有するラプチャーディスク遷移領域である。
【図4A】ラプチャーディスクの厚さの1.5倍の半径の角の丸みを有する公知のラプチャーディスク遷移領域である。
【図4B】ラプチャーディスクの厚さと等しい半径の角の丸みを有する公知のラプチャーディスク遷移領域である。
【図4C】ラプチャーディスクの厚さの1/2の半径の角の丸みを有する、本開示の実施形態に係るラプチャーディスク遷移領域である。
【図4D】ラプチャーディスクの厚さの1/4の半径の角の丸みを有する、本開示の実施形態に係るラプチャーディスク遷移領域である。
【図4E】ラプチャーディスクの厚さの1/8の半径の角の丸みを有する、本開示の実施形態に係るラプチャーディスク遷移領域である。
【図5A】円形のスコアラインを含む、本開示の実施形態に係る小型化されたラプチャーディスクである。
【図5B】交差したスコアラインを含む、本開示の実施形態に係る小型化されたラプチャーディスクである。
【図5C】円形のスコアライン及び凹部を含む、本開示の実施形態に係る小型化されたラプチャーディスクである。
【図6A】頂点に穴を含む、本開示の実施形態に係る小型化された反転座屈ラプチャーディスクである。
【図6B】頂点に穴を含む、本開示の実施形態に係る小型化された反転座屈ラプチャーディスクである。
【図7A】本開示の実施形態に係る小型化されたラプチャーディスクを製造する方法におけるステップである。
【図7B】本開示の実施形態に係る小型化されたラプチャーディスクを製造する方法におけるステップである。
【図7C】本開示の実施形態に係る小型化されたラプチャーディスクを製造する方法におけるステップである。
【図8】本開示の実施形態に係る、ラプチャーディスクの凹面側のスコアラインを含む小型化されたラプチャーディスクである。
【図9A】形状が全損せずに破裂するように構成された、本開示の実施形態に係る小型化されたラプチャーディスクである。
【図9B】形状が全損せずに破裂するように構成された、本開示の実施形態に係る小型化されたラプチャーディスクである。
【図10】本開示の実施形態に係るラプチャーディスクの複合ドーム形状である。
【図11】本開示の実施形態に係るラプチャーディスクの製造に使用するコイル材料である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本例示的な実施形態を詳細に参照し、添付図面にその実施例を示す。
【0026】
例示的な公知の反転型ラプチャーディスク10が図1に示されている。ラプチャーディスク10は、破裂可能部1とフランジ部2の間の遷移領域3をともなって、破裂可能部1、及びフランジ部2により提供される。フランジ部2は実質的に平坦である一方、破裂可能部1は、その断面が概して弓形である。図1に示すように、破裂可能部1は、実質的に球面状である。当技術分野で理解されるように、図1のラプチャーディスク10の破裂圧力は、ディスクの厚さT、ドームの高さH、及び凹部4などの多くのパラメーター及び特徴の関数であるが、必ずしもこれらのパラメーター及び特徴に限定されない。図1のラプチャーディスク10の破片化は、角の丸みRを有する一定の角の丸みの遷移領域3を使用することで制御される。公知のラプチャーディスクでは、角の丸みRは、破片化の制御を補助するように厚さTより大きく保たれてきた。これらのパラメーター及び特徴は、ラプチャーディスクのサイズにかかわらずラプチャーディスクの破裂圧力と破片化の制御に使用されてきた。
【0027】
図1のラプチャーディスク10を「小型化」、すなわち、約1インチ(約2.54cm)以下の直径Dを有するように設計してもよい。小型化されたラプチャーディスク10は、一般にコイル金属材料から製造される。このようなコイル金属材料は、限られた数の標準厚さTで利用可能である。たとえば、コイル金属材料は、厚さTは、例えば、0.010インチ(0.0254cm)の厚さ、0.012インチ(0.03048cm)の厚さ、0.014インチ(0.03556cm)の厚さ等々、0.002インチ(0.00508cm)又は0.003インチ(0.00762cm)きざみで変化する厚さTで提供される場合がある。次第に厚さが増すコイル金属から作られたラプチャーディスクは、次第に高い破裂圧力を有する。しかしながら、コイルの厚さが0.002インチ(0.00508cm)きざみで増加する小型化されたラプチャーディスクでは、例えば、ラプチャーディスクの破裂圧力への影響が著しい。そのため、その小型化されたラプチャーディスクの厚さTを単に変更することによって、製造業者は、破裂圧力値間に顕著な圧力飛躍がある(例えば、1000psig(6894.9492kPaG)から1500psig(10342.4238kPaG)や2000psig(13789.8984kPaG)まで)非常に粗い数の破裂圧力要件しか満たすことができない。その結果、製造業者が利用可能な材料の厚さが制限されることによって、破裂圧力が、例えば、1000psig(6894.9492kPaG)から2000psig(13789.8984kPaG)の規則的な範囲で、製造業者は小型化されたラプチャーディスク、特に反転座屈ディスクの切れ目の無い製品ラインを提供することができない。顧客は、例えば1750psig(12066.1611kPaG)の正確な破裂圧力を有する小型化されたラプチャーディスクを入手不可能かもしれない。したがって、この顧客は、必要がないのにディスクが開いてしまうというリスクを負って、所望の破裂圧力より低い破裂圧力のディスクを頼る必要があるかもしれない。あるいは、その顧客は、潜在的に危険な過圧状態にさらされるリスクを負って、所望の破裂圧力より低い破裂圧力のディスクを頼る必要があるかもしれない。
【0028】
また、小型化されたラプチャーディスク10のドームの高さHは、ディスク10の破裂圧力を微調整するとともに所望の破裂圧力の分布範囲の隙間を埋めるようにも変更してもよい。すなわち、0.012インチ(0.03048cm)厚さの小型化された反転座屈ラプチャーディスク10に関して、製造業者は、例えば、1/2インチ(1.27cm)の公称直径ディスク用の0.10インチ(0.254cm)から0.20インチ(0.508cm)範囲のドームの高さHを提供してもよい。しかしながら、利用可能なコイル金属の厚さが制限されるため、異なったドームの高さは、破裂圧力の著しい隙間の無い分布範囲をまだ提供できていない。たとえば、異なったドームの高さを有する小型化された反転座屈ラプチャーディスクの製造では、例えば、厚さ0.010インチ(0.0254cm)と厚さ0.012インチ(0.03048cm)の2つの標準厚さの材料を使用することで1000psig(6894.9492kPaG)から1500psig(10342.4238kPaG)範囲の破裂圧力と1800psig(12410.9086kPaG)から2200psig(15168.8883kPaG)範囲の破裂圧力の2つの圧力範囲が可能になる場合があるが、1500psig(10342.4238kPaG)から1800psig(12410.9086kPaG)までの破裂圧力の隙間が残る場合がある。
【0029】
同様に、図1に示す凹部4などの物理的な特徴は、小型化された反転座屈ラプチャーディスク10が信頼性を有して破裂する場合がある破裂圧力の完全な圧力範囲を生成できない。凹部を設けるなど陥没させる技術は、ドーム形状の構造が小型化するのにともない機能しなくなる傾向がある。凹部を設けたディスクは凹部がないディスクより低い圧力で反転する可能性があるが、小構造(すなわち、小型化されたラプチャーディスク)では効果は最小化される。たとえば、凹部ありと凹部なしとの小型化された反転座屈ラプチャーディスクを比較するテストによって、1/2インチ(1.27cm)公称サイズの凹部ありラプチャーディスクは、平均して、凹部なしラプチャーディスクが反転した圧力の1%以内で反転したことが示された。したがって、小型化された反転座屈ラプチャーディスクの破裂圧力の範囲を適度に改良するために凹部を使用してもよいが、所望の反転圧力を達成する能力は制限される。
【0030】
図1のラプチャーディスク10の遷移領域3は、ラプチャーディスクの破片化の制御に使用される。標準的な実施では、遷移領域3は、破片化を制御するようにディスク材料の厚さを超えた一定の角の丸みRを有する。しかしながら、図1のディスクを小型化した場合、ディスクの反転と破裂への遷移領域3の影響は望ましいほどには顕著でなくなる。これは、遷移領域自体が反転座屈構造領域全体に対してより一層高い比率で寄与しているためである。結果として、一般的に遷移領域の角の丸みRを小型化されたラプチャーディスク10で用いるときに、遷移領域の角の丸みRは、反転動作を小さくして、反転圧力の変動を増加させる(すなわち、反転圧力変動をより予見しにくくする)。
【0031】
小型化されたラプチャーディスクでは、破裂圧力にいったん達すると、図1に示す典型的な遷移領域は低い運動エネルギーで反転する。すなわち、図1の小型化されたディスク10が反転するときに、ディスク10は比較的遅く動く。反転座屈ディスクが反転するときに、ラプチャーディスクの最も良い破裂性能は、高い運動エネルギーのスナップ作用によって達せられる。スナップ作用からの高い運動エネルギーによって、ラプチャーディスクはそれ自体が破壊されるのを助ける。あるいは、反転の際の破裂を容易にするために切断構造又は圧力集中点を使用するならば、スナップ作用からの高い運動エネルギーによって、反転型ラプチャーディスクの開放を確実化するに十分なエネルギーで反転型ラプチャーディスクは確実に切断構造に接触することになる。典型的な遷移領域3を用いた小型化されたラプチャーディスクは、このようなスナップ作用なしで反転するため、その性能は統一性がない場合がある、破裂圧力に達しているときに、ラプチャーディスクは常には開かない場合がある。
【0032】
公知の小型化されたラプチャーディスクのこれらの課題又は他の課題を解決するために、図2に本開示に係る例示的な小型化されたラプチャーディスク20を示す。ラプチャーディスク20は破裂可能部21、フランジ部22、及び遷移領域23を含んでいる。図2に示すように、小型化されたラプチャーディスク20は、反転型ラプチャーディスクである。すなわち、破裂可能部21の凸面側26が加圧システムに露出し、破裂可能部21の凹面側25が出口に露出する。そして、ラプチャーディスク20の破裂は破裂可能部21の反転を伴う。図2に示すように、小型化されたラプチャーディスク20は、実質的に球面状の破裂可能部21を含んでいる。本開示は、長円形、断面が概して弓型状の他の形状を含み、かつ断面が非対称な形状を含む、異なった幾何学形状のラプチャーディスクを意図する。図2のラプチャーディスクは反転がたラプチャーディスクであるが、本開示は引張型ラプチャーディスクへの適用も意図する。
【0033】
図2の小型化された反転座屈ラプチャーディスク20は、ディスクの性能を向上させるように設計された遷移領域23も提供する。これまでは、小型化されたラプチャーディスクの破裂圧力を設定するために遷移領域の角の丸みを用いてもよいとは認識されてこなかった。そうではなく、遷移領域の角の丸みは破片化制御に使用されてきたため、ラプチャーディスクのサイズに依存して遷移領域は固定されてきた。ラプチャーディスクの厚さより大きな遷移領域の角の丸みが破片化制御に使用されることが認められてきた。そのため、ラプチャーディスクの厚さより小さな半径の角の丸みの遷移領域を提供することを、ラプチャーディスク性能の向上に有用とし、小型化されたラプチャーディスクの破裂圧力の設定に有用とすることができるとは、特に認識されてこなかった。
【0034】
上記を鑑みて、本開示によれば、ラプチャーディスク20の破裂圧力を設定するように遷移領域23の角の丸みRを選んでもよい。これにより、本開示の小型化されたラプチャーディスク20に関して、製造業者は、ラプチャーディスクの製品ラインのために望ましい破裂圧力の分布範囲の隙間を埋めるように遷移領域23の角の丸みRを変更してもよい。このような小型化されたラプチャーディスクの潜在的破裂圧力の範囲が、公知の小型化されたラプチャーディスクの破裂圧力範囲にわたり実質的に改良されることが示された。この公知の小型化されたラプチャーディスクは、破裂圧力を設定するように主としてディスクの厚さTとドームの高さHに依存する。ラプチャーディスクの破裂圧力は多くの要因に依存することになる。よって、遷移領域の角の丸みがラプチャーディスクの破裂圧力を「設定」又は「決定」すると呼ばれるとき、遷移領域の角の丸みは破裂圧力の制御への寄与に使用すると理解され、かつ、ディスクの厚さTやドームの高さHなどの他の要因はラプチャーディスクの破裂圧力の制御の役割も果たしてよいことが理解される。したがって、本開示によれば、破裂圧力の設定又は決定に遷移領域の角の丸みを使用することは、他の要因から構成されることを除外しない。
【0035】
また、本開示の小型化されたラプチャーディスクは、ラプチャーディスクの破裂圧力を設定するように特別に選択された比較的急峻な遷移領域を提供されてもよい。たとえば、図3Aに示すように、本開示の小型化されたラプチャーディスクは、明確な(比較的鋭い)縁の遷移領域331をともなって提供されてもよい。あるいは、小型化されたラプチャーディスクは、図3Bに示すような緩い面取り部339を含む遷移領域332、又は図3Cに示すような小さな角の丸みを有する遷移領域333をともなって提供されていてもよい。面取り部339は、ラプチャーディスクの破裂圧力を制御、設定、画定、又はそうでなければ破裂圧力に寄与するように選択されるか、寸法が定められてもよい。小さな角の丸みを備えた遷移領域を有する小型化されたラプチャーディスクの一実施形態では、角の丸みはラプチャーディスクの厚さより小さくてもよい。先行技術の小型化されたラプチャーディスクでは、図4Bの遷移領域432に示すように、遷移領域の角の丸みは、破片化を制御するようにラプチャーディスクの厚さTと等しくてもよい。あるいは、先行技術の小型化されたラプチャーディスクでは、図4Aの遷移領域431に示すように、角の丸みRは、破片化を制御するように厚さTより大きくてもよい。しかしながら、本開示に係るラプチャーディスクでは、角の丸みRは図4Cから4Eに示すように、ディスクの厚さTより小さくてもよい。図4Cに示す遷移領域433の角の丸みRは、ラプチャーディスクの厚さTの1/2である。図4Dに示す遷移領域434の角の丸みRは、ラプチャーディスクの厚さTの1/4である。図4Eに示す遷移領域435の角の丸みRは、ラプチャーディスクの厚さTの1/8である。上述したように、製造業者は、遷移領域の特定の角の丸みを選択することによって、小型化されたラプチャーディスクの破裂圧力を設定してもよい。具体的には、製造業者は、小型化されたラプチャーディスクの破裂圧力を増加させるように、遷移領域のより小さな角の丸みを選択してもよく、或いは、小型化されたラプチャーディスクの破裂圧力を減少させるように、遷移領域のより大きな角の丸みを選択してもよい。
【0036】
さらに、遷移領域を含む小型化されたラプチャーディスク、例えば図3Aから図3C及び図4Cから図4Eに示したものなどは、公知の小型化されたラプチャーディスクに優る改善された性能を提供することが示された。明確な縁の遷移領域を提供することによって、小型化されたラプチャーディスクの破裂圧力が実質的に増加することが示された。たとえば、3/8インチ(0.9525cm)の公称ドーム構造及び典型的な0.050インチ(0.127cm)の角の丸みの遷移領域を有するラプチャーディスクでは、破裂圧力が9,000psig(62054.5431kPaG)であることが示された。対照的に、3/8インチ(0.9525cm)の公称ドーム構造及び緩く曲げられた縁を有する本開示に係るラプチャーディスクは11,000psig(75844.4416kPaG)の破裂圧力を有する。
【0037】
また、遷移領域が鋭い縁から例示的な約0.010インチ(約0.0254cm)の半径の角の丸みまでの範囲にあってもよい本開示の小型化されたラプチャーディスクは、高い運動エネルギーを有する反転(すなわち、スナップ作用)をもたらし、より信頼性のある破断又は破裂を提供する。遷移領域の角の丸みが減少するのにしたがい、スナップ作用(すなわち、より高い運動エネルギー)が向上することが示された。よって、本開示に係る小型化されたディスクは向上したスナップ作用を有する場合がある。
【0038】
本明細書に開示される遷移領域は、その外周に沿って一様に構成されてもよい。たとえば、遷移領域が、その外周に沿って一様な角の丸み、一様な面取り部、又は一様な鋭い角部をともなって提供されてもよい。しかしながら、本開示はこのような一様な構成に限定されない。また、遷移領域は不規則な遷移領域であってもよく、例えば、角の丸み、面取り部、又は角の特徴部が遷移領域の全外周の長さ未満の長さであってもよい。遷移領域は、その外周の周りで寸法が変化する特徴部も含んでいてよい。たとえば、遷移領域の一部分が第1の角の丸みを有していてもよい一方で、遷移領域の別の部分が異なった第2の角の丸みを有していてもよい。同様に、遷移領域の一部分が第1の面取り部を有していてもよい一方で、遷移領域の別の部分が異なった第2の面取り部を有していてもよい。また、遷移領域は複数の特徴部の組み合わせを含んでいてもよい。たとえば、遷移領域は、角の丸みを有する一部分、面取り部を有する別の部分、及び/又は鋭い角部を含んでいてもよい。さらに、遷移領域の1つ以上の特徴部が、その外周の周りに間欠的に設けられていてもよい。
【0039】
図5Aに本開示の別の実施形態を示す。図5Aの小型化されたラプチャーディスク501が、破裂可能部511、フランジ部521、遷移領域531、及び円形のスコアライン521を含み、円形のスコアライン521に沿ってラプチャーディスク501は破裂することになる。円形のスコアライン521は円全体より小さな領域を占めていてもよい。たとえば、スコアラインは、円の中心角度270度から330度の範囲に沿って延びていてもよい。図5Aはラプチャーディスク501の凸面側の円形のスコアライン521を示すが、図8に示すように、円形のスコアラインをラプチャーディスクの凹面側にも配置されていてもよい。円形のスコアラインを有するラプチャーディスクは、共同所有の特許文献8に記載されており、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。円形のスコアライン521を提供することで、小型化された反転座屈ラプチャーディスクの向上された性能がもたらされる。
【0040】
小型化された反転型ラプチャーディスク502の別の実施形態は、図5Bに示したもの、及び共同所有の特許文献9に開示されたものなどの交差したスコアライン552に依存する。特許文献9のその内容は参照によりその全体を本明細書に明示的に組み込まれる。図5Bの反転座屈ディスク502は、破裂可能部512、フランジ部513、遷移領域532、及び交差したスコアライン552を有する。しかしながら、交差したスコアラインの設計を用いるには、スコアライン552で開くように、ディスクの破裂可能部512がそれ自体を通って押し込まれることを必要とする。小型化された反転動作ラプチャーディスクでは、ディスク材料は比較的厚い場合があり、これがディスク材をそれ自体に通すのを難しくしている。その結果、再現可能な破裂圧力は、交差したスコアラインの設計では非常に高くなければならない。たとえば、0.5インチ(1.27cm)直径のラプチャーディスクの場合では数千psigであり、0.25インチ(0.635cm)直径のディスクの場合では1万psigを超える破裂圧力である。対照的に、本開示の図5Aに係る円形のスコアライン551を用いと、実質的により低い再現可能な破裂圧力がもたらされる。円の約300度を覆う円形のスコアライン551と本開示に係る明確な遷移領域とを組み合わせたときに、特に肯定的な結果が再現性と良好な破裂性に関して観測された。図5Aに示すように、円形のスコアラインは破裂可能部511に現れているが、代替的に円形のスコアラインをラプチャーディスクの遷移領域に配置してもよい。一実施形態では、円形のスコアラインをラプチャーディスクのフランジ部に配置してもよい。
【0041】
また、円形のスコアラインを有する小型化された反転座屈ディスク501は、交差したスコアラインを有するディスクより良好な開放特性も有している場合がある。ディスク501の反転の際に、円形のスコアライン551によって、逃げる流体の流れを顕著には妨げずに開放位置へ回転しなければならない制御された単一の花弁状の材料がもたらされる。
【0042】
図5Cに示すように、小型化された反転座屈ラプチャーディスク503の一実施形態は、脆弱性のスコアライン又は他のライン553、及び構造改良部を含んでいてもよい。図示のように、構造改良部は凹部543の形態を取っていてもよい。図5Cに示す小型化されたラプチャーディスクは、破裂可能部513、フランジ部523、及び遷移領域533も有する。構造改良部の追加は、小型化されたラプチャーディスクの破裂圧力精度を安定化する場合がある。一般に、円の270度から330度範囲の円形のスコアラインを設けてもよいため、完全な円でないことは材料の不規則な変位に繋がりかねない。材料のこのような不規則な変位によって、信頼性のない破裂圧力に繋がりかねない、ラプチャーディスク内の応力パターンがもたらされる場合がある。不規則な変位の影響は、小型化されたラプチャーディスクでより顕著であり、より大きな(例えば、直径1インチ(2.54cm)を超える)ラプチャーディスクではそれほど顕著ではない。これにより、破裂圧力精度の信頼性を保障することに関しては、小型化されたラプチャーディスクに構造改良部を設けることで、より大きいラプチャーディスクよりも更に著しい利点が得られる。
【0043】
本開示によれば、頂点に位置する凹部などの構造改良部は、ラプチャーディスクの公称破裂圧力を変更せずに、小型化されたラプチャーディスクに提供されてもよい。これまでは、頂点に凹部を設けることは、破裂圧力を下げる傾向があった。しかしながら、小型化されたラプチャーディスクについての本開示により、破裂圧力を下げずに破裂圧力精度が向上するように頂点の凹部を構成できることが観測された。
【0044】
図5Cに示す実施形態によれば、小型化された反転座屈ラプチャーディスク503の開放を改良するように、凹部543及び脆弱性のライン553を構成してもよい。過圧状態では、小型化された反転座屈ラプチャーディスク503は、凹部543で反転を開始してもよい。ディスク503は、崩壊の波の半径方向外側に向かって崩壊し続ける。崩壊の波が脆弱性のライン553に達したときに、ラプチャーディスク503の材料は脆弱性のラインに沿って引き裂かれる。そのため、凹部543を適切に構成すると、崩壊の波は、脆弱性のライン553に沿った実質的に同じ各ポイントに実質的に時間通りに到達する場合がある。その結果、ディスク503は、脆弱性のライン553に沿って対称に開くことができ、開放性能が向上につながる場合がある。凹部543がないとき、或いは正しく構成されていない凹部があるときには、ドームの崩壊は、ドームの頂点から半径方向外側に徐々に進まない場合がある。その結果、脆弱性のライン553は非対称な荷重を受ける場合があり、ディスク503の、脆弱性のライン553に沿って非対称又は不規則な開放がもたらされる。よって、脆弱性のライン553に関連して凹部543を構成することによって、製造業者は、ディスク503を実質的により対称な開放を確実にする場合がある。
【0045】
図6A及び図6Bに示す本開示の別の実施形態によれば、小型化された反転座屈ラプチャーディスク60は、破裂可能部61、フランジ部62、及び遷移領域63をともなって提供されてもよい。脆弱性のスコアライン65又は他の領域をラプチャーディスク60に設けてもよい。図6Aに示すように、スコアラインは実質的に円形であってもよい。また、ラプチャーディスク60はその頂点において穴68を画定していてもよい。図6Bに示すように、ラプチャーディスク60を封止部69と対になっていてもよいため、加圧された流体が穴68から逃げてしまうことを防止する場合がある。小型化された反転座屈ラプチャーディスク60の凸面側に封止部69を配置してもよい。穴を含み、封止部と対になっているラプチャーディスクは、共同所有の特許文献5に開示されている。上述のように、その内容は参照によりその全体が本明細書に明示的に組み込まれる。
【0046】
図6A及び図6Bに示す実施形態では、ディスク60の頂点においての破裂開始を引き起こすように穴68を構成してもよい。図5Cに示した実施形態と同様に、ディスク60は、破裂開始の後に崩壊の波の半径方向外側に向かって反転してもよい。崩壊の波が脆弱性の領域65に達したときに、ディスク60は脆弱性の領域65に沿って開いてもよい。ディスク60が開くときに封止部69も開いてよいことにより、加圧された流体はシステムから逃げることができる。穴68を適切に構成すると、崩壊の波は、脆弱性のライン65に沿った実質的に各ポイントに、実質的に同じ各ポイントに時間通りに到達する場合がある。その結果、ディスク60は、脆弱性のライン65に沿って対称に開くことができることで、開放性能が向上できる。
【0047】
本開示に係る小型化されたラプチャーディスクが上述したものに加えて多くの利点を得たことが示された。本開示に係る小型化されたラプチャーディスクは、破裂圧力の80%又は90%を超える圧力に到達可能な可変運転圧に対する耐性を示してもよい。また、本開示に係る小型化されたラプチャーディスクは、高度に周期的な運転圧状態に対する耐性を示してもよいことで、ラプチャーディスクの所望の運転寿命にわたって、何十万回もの圧力サイクルを与えることができる。500psig(3447.4746kPaG)から15,000psig(103424.2386kPaG)範囲の破裂圧力を示すように、本開示に係る小型化されたラプチャーディスクを構成してもよい。このようなラプチャーディスクは、ラプチャーディスクの極端な漏れ止めが望まれる油圧用途に特に有用である。
【0048】
本開示に係る小型化されたラプチャーディスクは、温度による破裂圧力の最小の変化量を示す場合がある。様々な温度でのニッケル合金600(インコネル600としても知られている)でできた種々のラプチャーディスクに関する破裂圧力の変化量が以下の表に示されている。この表では、「SKr」は、BS&Bセーフティシステムズ(BS&B Safety Systems)が販売用に提供した、頂点に凹部を有する中実金属の反転型ディスクであり、「B Disk」は、BS&Bセーフティシステムズ(BS&B Safety Systems)が販売用に提供した、中実金属の引張型ディスクであり、「XN」は、BS&Bセーフティシステムズ(BS&B Safety Systems)が販売用に提供した、脆弱性の交差した形状のラインを有する中実金属の引張型ディスクであり(その公称サイズは1インチ(2.54cm)以上である)、「本開示」は、脆弱性の円形ライン及び頂点の凹部形態の構造改良部を有する反転座屈ラプチャーディスクの形態にある、本開示に係る例示的なラプチャーディスクである(その公称サイズは3/4インチ(1.905cm)未満である)。
【0049】
【表1】

【0050】
上の表において、1.00の係数は、周囲温度22℃でのラプチャーディスクの破裂圧力である。たとえば、1.03の係数は、その破裂圧力が周囲温度での破裂圧力の1.03倍であることを示す。たとえば、0.96の係数は、その破裂圧力が周囲温度での破裂圧力の0.96倍であることを示す。250℃での破裂圧力係数から−40℃での破裂圧力係数を引き算することによって、変動係数として定義された温度感受性の指標を計算することができる。上に示すように、本開示(0.07)のラプチャーディスクに関する−40℃での破裂圧力係数と250℃での破裂圧力係数との間の変動係数は、SKrディスク(0.20)、Bディスク(0.15)、及びXNディスク(0.13)に関するそれよりも小さい。これにより、上の表で示すように、本開示は、従来のラプチャーディスク設計以上の熱安定性を示す。一実施形態では、ラプチャーディスクは、1インチ(2.54cm)以上の反転座屈ディスクの変動係数の2/3未満の変動係数を有していてもよい。別の実施形態では、ラプチャーディスクは、1インチ(2.54cm)以上の反転座屈ディスクの変動係数の1/2未満の変動係数を有していてもよい。また別の実施形態では、ラプチャーディスクは、同様サイズのニッケル合金600(すなわち、インコネル600)製の引張型ラプチャーディスクの変動係数未満の変動係数を有していてもよい。さらに別の実施形態では、ラプチャーディスクは、0.1未満の変動係数を有していてもよい。遷移領域の構成、構造改良部の使用、一般的なディスク形状、又はこれらの要因の任意の適切な組み合わせに基づき変動係数は最小化される場合がある。
【0051】
反転型ラプチャーディスクは、破裂より前にドーム形状又は曲線状の破裂可能部が座屈又は反転することを含むものとして概して述べてきたが、破裂可能部は破裂の前に必ずしも座屈又は反転しなくてよいことも意図される。このようなラプチャーディスクの実施例を図9A及び図9Bに示す。図9A及び図9Bに示すように、ラプチャーディスクの破裂可能部91は、その原形を全損せずに開く。すなわち、破裂可能部は常に圧力源に向かって凸状である。
【0052】
ここで本開示の実施形態の製造に移ると、小型化された反転座屈ディスクは任意の適切な方法で製造してもよい。機械加工よりむしろスタンプ加工および成形によって小型化された反転座屈ディスクを製造するのが、特に費用効果が高くなるかもしれない。さらに、機械加工されたラプチャーディスクは、より小さなサイズと約3000psig(20684.8477kPaG)未満の圧力では機能しない場合がある。たとえば、共同所有の特許文献10に記載の機械加工されたラプチャーディスク、及びMRBラプチャーディスクとしてBS&Bセーフティシステムズから市販されている、機械加工されたラプチャーディスクは、小型化されたラプチャーディスクで妥当には達成しないかもしれない極端な公差を必要とする、薄いラプチャーディスク材に依存する場合がある。加えて、機械加工された薄いラプチャーディスクとその周辺体との保持は、凸面側から圧力を受けるときに不安定性が増す傾向がある。さらに、MRBラプチャーディスクは破片化するラプチャーディスク設計であり、多くの適用ではその性能特性は望ましくない。
【0053】
一実施形態では、小型化された反転座屈ラプチャーディスクは、ハードスタンプ加工工程によって製造してもよい。ハードスタンプ加工工程の間、ディスク材は、ディスクがその頂点で薄くならないように押される。あるいは、小型化された反転座屈ラプチャーディスクを形成するように、選択的にディスクの頂点を薄くできる油圧成形を含む任意の他の適切な製造方法を用いてもよい。
【0054】
別の実施形態では、小型化されたラプチャーディスクを一連のステップで製造してもよい。最初に、図7Aに示すように、平坦な状態の間に、凹部74を形成するようにディスクのブランク材76又は他のディスク材料を凹ませてもよい。第2に、金型の組又は順送金型の組で機械的なスタンプ加工によって球面状又は他の作動形状にディスク70を形成してもよく、これにより、図7Bに示すように、破裂可能部71、フランジ部72、及び遷移領域73が形成される。第3に、図7C及び図7Dに示すようにラプチャーディスクにスコアラインを設けてもよい。図7C及び図7Dに示したスコアライン75はラプチャーディスク70の凸面側に現れているが、図8A及び図8Bに示すように、代替的にスコアライン85をラプチャーディスク80の凹面側に配置してもよい。
【0055】
また別の実施形態では、順送金型の組を使用してラプチャーディスクを製造してもよい。順送金型の組では、ラプチャーディスクの属性は、金型プレスの各ストロークごとに材料をステーションからステーションへと前方に動かす単一の工具で連続的に作り出される。これにより、順送金型の組を使用することで、ステーションからステーションへのラプチャーディスク材料の手動での運搬及び/又はロボットアームによる運搬の必要性を除去できる。この方法によれば、順送金型の組は1つ以上の金型を含んでいてもよく、この金型は、例えば、ラプチャーディスク材料に凹部を配置し、ラプチャーディスク材料をドーム形状又は他の適切な形状を形成し、ラプチャーディスク材料にスコアライン、シアーライン、又は脆弱性の他の領域を形成し、ラプチャーディスク材料にフランジ部を形成し、ラプチャーディスク材料に遷移領域を形成し、採用した工程の明確な証拠印を形成し、かつ任意の他の適切なラプチャーディスク形成作業又はディスク印付け作業を実行するように構成されている。一実施形態では、順送金型の組は1以上の金型を含んでいてもよく、この金型は、ラプチャーディスクの性能を向上させるように設計された遷移領域を付加するよう構成されている。たとえば、1つ以上の金型は、ラプチャーディスクの破裂圧力を制御するように選択された遷移領域の角の丸みを付加するように構成されていてもよい。別の実施形態として、1つ以上の金型は、遷移領域に面取り部又は鋭い角部を提供するように構成されていてもよい。順送金型の組の1つ以上の金型は一様な遷移領域を提供してもよい。すなわち、その金型は、遷移領域の外周周りに一様な構成を取ってもよい。代替的に又は追加的に、1つ以上の金型は不規則な遷移領域を提供してもよい。たとえば、その金型は、遷移領域の一部のみで特徴を提供するか、遷移領域の周りに間欠的に特徴を提供するか、特徴の組み合わせを遷移領域の周りに提供するか、又は遷移領域に沿って異なった寸法を有する特徴を提供してもよい。不規則又は間欠的な特徴は、例えば、1つ以上の角の丸み、面取り部、又は鋭い角部であってもよい。
【0056】
順送金型の組を単一ラインで提供してもよく、或いは複数ラインの金型の組として順送金型の組を提供して、2つ以上のラプチャーディスクを同時にプレスしてもよい。本開示の原理と整合性が取れた状態で、いわゆるマルチライン又はマルチレーンの順送金型の組を使用してもよい。
【0057】
機械的作用及び/又油圧作用を用いて順送金型の組の各金型を適用してもよい。順送りの金型組が複数の金型を含む実施形態では、本開示は、任意の適切な順序で各金型をラプチャーディスク材料に適用することを意図する。
【0058】
一実施形態では、反転座屈ラプチャーディスクを形成するように順送金型の組を使用してもよい。別の実施形態では、小型化されたラプチャーディスクを形成するように順送金型の組を使用してもよい。
【0059】
構造改良部を有する反転座屈ディスクを製造するように順送金型組を使用してもよい。図5C、図7B、図7C、及び図8に示す頂点の凹部や、共同所有の特許文献11、特許文献4、及び特許文献6に開示された頂点の凹部などのように、構造改良部は、ラプチャーディスクのドームの頂点の凹部であってもよい。これら各特許文献の全内容は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。また、構造改良部は、共同所有の特許文献12(この全体内容は参照により本明細書に明示的に組み込まれる。)に開示されるようなオフセットされたクラウン部とできる可能性もある。あるいは、例えば図10示すものなどのように、構造改良部は、複合ドーム形状の形態を取ってもよい。図10に示すように、この複合ドーム形状部には、概して球面状の形態のドーム形状の領域に重なった少なくとも2つの形状がある。図10では、複合ドーム形状部は、その基部の切頂円錐形状部101と基部上の概して球面状の形状部103とを有する。任意の数の異なった複合ドーム形状を作り出すように順送金型の組を使用してもよい。この複合ドーム形状は、例えば、円錐、切頂円錐、丸い形状/球面状の形状、切頂状の丸い形状/球面状の形状、及び/又は円筒状の組み合わせであってもよい。加えて、複合ドーム形状は不規則な複合形状であってもよい。1つの例示的な不規則な複合形状は、少なくとも2つの重なった形状部間の遷移領域を示し、この遷移領域はラプチャーディスクと同心ではない。別の例示的な不規則な複合形状では、少なくとも2つの重なった形状部はラプチャーディスクの外周の全周に存在していなくてもよい。すなわち、1つ以上の重なった形状部は間欠的であってもよい。
【0060】
順送金型の組では、構造改良部が形成されるときに、ラプチャーディスク材料の上面及び下面の両方で少なくとも部分的に拘束することが構造改良部の形成が必要である場合がある。そのため、既にラプチャーディスクのドーム化された部分に凹部などの構造改良部を付加し、次に、凹ませる正確な位置でドーム化された部分の曲率に相当するように、拘束手段又は金型を特別に選択しなければならない。したがって、異なるバッチのラプチャーディスクが、ドーム化された部分の異なる位置に凹部を有するように意図された場合、新しい組の凹ませる拘束手段及び/又は金型が各異なる位置ごとに必要となることになる。上記を鑑みて、一実施形態では、ドーム形状又は他の丸い形状を形成する前にラプチャーディスク材に構造改良部を形成することにより、製造を容易化してもよい。このようにして、曲線状又はドーム状の材料よりもむしろ概して平坦な材料に構造改良部を形成してもよい。これによって、凹部が形成されるドーム形状部の位置に関係なく、構造改良部を形成する順送金型の組の一部は、多くの異なるバッチのラプチャーディスクと共に用いることができる。ドーム形状部を形成する前に凹部又は他の構造改良部が形成されるときは、ドーム形成前、ドーム形成の間、又はドーム形成後に凹部又は他の構造改良部を除去してもよい。
【0061】
順送金型の組はコイル材料と共に使用してもよい。コイル材料は、金属製のコイル材料であってもよい。コイル材料は、単一の長さのコイル材料から複数の小型化されたラプチャーディスクを形成するための順送金型の組を通して供給されてもよい。順送金型の組を通してコイル材料を供給するときに、コイル材料を配置するための1つ以上の誘導手段を使用してもよい。費用と廃棄物を最小化するために、過剰な材料を最小化するよう選択した長い長さ及び幅を有するようにコイル材料を選択してもよい。このようなコイル材料は、例えば、所望のラプチャーディスクのフランジの直径の近い幅を有していてもよい。
【0062】
一実施形態では、図11に示すように、金属製のコイル材料は、コイル材料110の少なくとも1つの側に沿った誘導穴112の組をともなって提供されてもよい。誘導穴は35mmの写真用フィルムに見られる誘導穴に類似する形状を呈していてもよい。誘導手段は、これらの誘導穴との相互作用で順送金型の組を通してコイルを進め、かつ/又は、コイルが進むべき距離を決定してもよい。
【0063】
比較的平坦なコイル材料から小型化されたラプチャーディスクを製造する方法の一実施形態では、順送金型の組を通してコイル材料を供給してもよい。コイル材料の一つの部分が第1の金型から凹部を受け取る。その後、コイル材料のその部分が第2の金型へと進み、第2の金型は、コイル材料に保持されたままのディスク材料片をドーム形状にする。その後、コイル材料のその部分は第3の金型へと進み、第3の金型によって、ディスクに脆弱性のスコアライン又は他の領域が設けられる。その後、コイル材料のその部分は、ラプチャーディスクの外径を除去されてもよい位置へと進み、ディスクはコイル材料から除去できる。順送金型の組は特定の順序でコイルに適用されるとして開示してきたが、本開示はその実施形態に限定されない。任意の好適な順序で適用される順送金型によってコイル材料をラプチャーディスクに加工してもよい。さらに、より多くの又はより少ない特徴をラプチャーディスクに提供する、より多くの又はより少ない金型を順送金型の組の一部として使用してもよい。
【0064】
ラプチャーディスクの上述の実施形態は、球面のドーム形状のラプチャーディスクを利用するとして示してきたが、本開示は、この特定の構造に限定されることを意図しない。よって、代替のラプチャーディスクが本開示の範囲内にあることを意図し、代替のラプチャーディスクは、断面が実質的に弓型状であるドーム、長円形及び他の形状の均等なすべての形状を含んでいる。また、ラプチャーディスクの上述の実施形態は、金属でできているとして示してきたが、本開示はその材料のみに限定されないことを意図する。よって、記述したラプチャーディスクの実施形態は、プラスチック又はセラミックなどの任意の他の適切な材料でもできていてよい。上の開示は、psig単位のある数の例示的なラプチャーディスク破裂圧力を述べている。しかしながら、本開示はあらゆる特定の破裂圧力又はある特定の破裂圧力の範囲に限定されない。また、一実施形態の個々の特徴を別の実施形態の個々の特徴に付加するか、或いは別の実施形態の個々の特徴と置換してもよいことを意図する。よって、異なった実施形態間の異なった特徴の置換及び交換から生じる実施形態を包含することは、本開示の範囲内にある。
【0065】
上述した実施形態及び配設は、意図される機構及び方法の単なる例示であることが意図される。他の実施形態は、本明細書及び本開示の実施を考慮することで当業者には明らかとなろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
破裂可能部と、
フランジ部と、
前記破裂可能部と前記フランジ部を接続する遷移領域と、
を備えるラプチャーディスクであって、
前記遷移領域は、前記破裂可能部が破裂する圧力を決定するように構成されている、
ラプチャーディスク。
【請求項2】
前記ラプチャーディスクは、加圧されたシステムに向かって配向されるように構成された凸面を有する反転型ラプチャーディスクである、請求項1に記載のラプチャーディスク。
【請求項3】
前記破裂可能部は、前記破裂可能部が破裂する前に反転するように構成されている、請求項2に記載のラプチャーディスク。
【請求項4】
前記反転型ラプチャーディスクの前記凸面は、前記破裂可能部の破裂の間及び前記破裂可能部の破裂の後に凸型形状を維持するように構成されている、請求項2に記載のラプチャーディスク。
【請求項5】
前記ラプチャーディスクは約1インチ(約2.54cm)以下の直径を有する、請求項1に記載のラプチャーディスク。
【請求項6】
前記破裂可能部によって画定されたスコアラインを更に備える、請求項5に記載のラプチャーディスク。
【請求項7】
前記スコアラインは実質的に円形である、請求項6に記載のラプチャーディスク。
【請求項8】
前記スコアラインは実質的に長円形である、請求項6に記載のラプチャーディスク。
【請求項9】
前記スコアラインは実質的にX形である、請求項6に記載のラプチャーディスク。
【請求項10】
前記ラプチャーディスクは構造改良部を更に備える、請求項5に記載のラプチャーディスク。
【請求項11】
前記破裂可能部は頂点を有し、前記構造改良部は該破裂可能部の前記頂点に画定された凹部を備える、請求項10に記載のラプチャーディスク。
【請求項12】
前記構造改良部は切頂円錐形状から成る、請求項10に記載のラプチャーディスク。
【請求項13】
前記遷移領域は、前記ラプチャーディスクの厚さより小さい角の丸みを有する、請求項5に記載のラプチャーディスク。
【請求項14】
前記遷移領域は、半径がゼロである角の丸みを有する、請求項13に記載のラプチャーディスク。
【請求項15】
前記遷移領域は面取り部を有する、請求項13に記載のラプチャーディスク。
【請求項16】
前記遷移は、約0.001インチ(約0.00254cm)から約0.010インチ(約0.0254cm)の半径の丸みを有する、請求項13に記載のラプチャーディスク。
【請求項17】
前記ラプチャーディスクはコイル金属から製造されている、請求項5に記載のラプチャーディスク。
【請求項18】
前記破裂可能部はドーム形状にされている、請求項5に記載のラプチャーディスク。
【請求項19】
前記ドーム形状は実質的に球面状である、請求項18に記載のラプチャーディスク。
【請求項20】
前記ラプチャーディスクの前記直径は約3/4インチ(約1.905cm)以下であり、
前記破裂可能部は、破裂圧力で破裂するように構成されており、
前記遷移領域は、前記破裂圧力の温度感受性を最小化するように構成されている、
請求項1に記載のラプチャーディスク。
【請求項21】
前記破裂可能部の変動係数が、約1インチ(約2.54cm)以上の直径を有するラプチャーディスクの変動係数の約2/3未満である、請求項20に記載のラプチャーディスク。
【請求項22】
前記破裂可能部の変動係数が、1インチ(2.54cm)以上の直径を有するラプチャーディスクの変動係数の約1/2未満である、請求項20に記載のラプチャーディスク。
【請求項23】
前記変動係数は、同じ直径のニッケル合金600製の引張型ラプチャーディスクの変動係数より小さい、請求項20に記載のラプチャーディスク。
【請求項24】
前記変動係数は約0.1未満である、請求項20に記載のラプチャーディスク。
【請求項25】
前記破裂可能部は構造改良部を更に備え、
前記ラプチャーディスクの前記直径は約3/4インチ(約1.905cm)以下であり、
前記破裂可能部は、破裂圧力で破裂するように構成されており、
前記構造改良部は、前記破裂圧力の温度感受性を最小化するように構成されている、
請求項1に記載のラプチャーディスク。
【請求項26】
前記破裂可能部の変動係数が、約1インチ(約2.54cm)以上の直径を有するラプチャーディスクの変動係数の約2/3未満である、請求項25に記載のラプチャーディスク。
【請求項27】
前記破裂可能部の変動係数が、1インチ(2.54cm)以上の直径を有するラプチャーディスクの変動係数の約1/2未満である、請求項25に記載のラプチャーディスク。
【請求項28】
前記変動係数は、同じ直径のニッケル合金600製の引張型ラプチャーディスクの変動係数より小さい、請求項25に記載のラプチャーディスク。
【請求項29】
前記変動係数は約0.1未満である、請求項25に記載のラプチャーディスク。
【請求項30】
ラプチャーディスク材料を、破裂可能部、フランジ部、及び遷移領域に形成することと、
前記ラプチャーディスクの破裂圧力を設定するように前記遷移領域を構成することと、
を含む、ラプチャーディスクを形成する方法。
【請求項31】
前記遷移領域は角の丸みを有し、前記遷移領域を構成することは、前記ラプチャーディスクの前記破裂圧力を設定するように前記遷移領域の前記角の丸みを構成することを更に含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記遷移領域を構成することは、前記遷移領域に面取り部を提供することを更に含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記遷移領域を構成することは、前記遷移領域に鋭い角部を提供することを更に含む、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記ラプチャーディスク材料を形成することは、ラプチャーディスク材を、加圧されたシステムに露出するように構成された凸面を有する前記破裂可能部をともなう反転型ラプチャーディスクに形成することを更に含む、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記ラプチャーディスク材料を破裂可能部に形成することは、所定の圧力で反転するように前記破裂可能部の前記凸面を構成することを更に含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記ラプチャーディスク材料を破裂可能部に形成することは、前記破裂可能部の破裂の間を通して凸状を維持するように前記凸面を構成することを更に含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記遷移領域の前記角の丸みを構成することは、
前記ディスクの厚さより小さくなるように前記遷移領域の前記角の丸みを構成することを更に含む、請求項31に記載の方法。
【請求項38】
前記ラプチャーディスク材料に構造改良部を導入することを更に含む、請求項30に記載の方法。
【請求項39】
構造改良部を導入することは、前記破裂可能部を少なくとも2つの異なった形状を有する複合ドーム形状に形成することを更に含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記破裂可能部を複合ドーム形状に形成することは、前記破裂可能部を切頂円錐部分及び概して曲線状の部分に形成することを更に含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
構造改良部を導入することは、前記破裂可能部を凹ませることを更に含む、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
前記破裂可能部を凹ませることは、前記ラプチャーディスク材を前記破裂可能部、前記フランジ部、及び角の丸みを有する前記遷移領域に形成する前に実行される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記ラプチャーディスク材料はコイル金属から成り、前記方法は、
前記コイル金属からラプチャーディスクブランクの外径を除去することを更に含む、
請求項30に記載の方法。
【請求項44】
順送金型の組を通して前記コイル金属を誘導することを更に有する、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記コイル金属は少なくとも1組の側方誘導穴を有し、前記方法は、
前記少なくとも1組の側方誘導穴に動作可能に係合するように構成された誘導手段を提供することと、
該誘導手段と前記少なくとも1組の側方誘導穴と動作可能な係合を通して前記順送金型の組を通して前記コイル金属を進ませることと、
を更に含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記破裂可能部に脆弱性の領域を導入することを更に含む、請求項30に記載の方法。
【請求項47】
脆弱性の領域を導入することは、前記破裂可能部にラインを刻むことを更に含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
脆弱性の領域を導入することは、前記破裂可能部にせん断線を設けることを更に含む、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
ラプチャーディスクの組を提供することであって、前記組における各ラプチャーディスクは、厚さ、ドームの高さ、及び遷移領域を有し、前記組における各ラプチャーディスクは同じ厚さ及び同じドームの高さを有し、前記組における各ラプチャーディスクは異なった遷移領域を有する、ラプチャーディスクの組を提供することと、
前記選択されたラプチャーディスクの前記遷移領域によって決定された破裂圧力に基づいて、前記ラプチャーディスクの組からラプチャーディスクを選択することと、
前記選択されたラプチャーディスクを前記加圧されたシステム内へ設置することと、
を含む、加圧されたシステム内の圧力を除去する方法。
【請求項50】
ラプチャーディスクの組を供給することは、各遷移領域が異なった角の丸みを有するラプチャーディスクの組を提供することを更に含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
ラプチャーディスクの組を提供することは、各遷移領域が異なった面取り部を有するラプチャーディスクの組を提供することを更に含む、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
前記ラプチャーディスクの組を提供することは、前記遷移領域において鋭い角部を有する少なくとも1つのラプチャーディスクを含むラプチャーディスクの組を提供することを更に含む、請求項49に記載の方法。
【請求項53】
脆弱性の実質的に円形のラインと、凹部を画定する頂点と、を有する破裂可能部を備えるラプチャーディスクであって、
前記凹部は、差圧に反応して前記破裂可能部の反転を開始させるように構成されており、前記反転は、前記脆弱性の実質的に円形のラインの全体を横切る前記ディスクのほぼ同時の開放をもたらし、
前記破裂可能部の反転は、前記脆弱性の実質的に円形のラインに沿った前記ディスクの開放をもたらす、
ラプチャーディスク。
【請求項54】
前記凹部は、前記脆弱性の実質的に円形のラインに沿って対称的に前記ディスクの開放をもたらす、前記破裂可能部の反転を開始させるように更に構成されている、請求項53に記載のラプチャーディスク。
【請求項55】
前記ラプチャーディスクは公称破裂圧力を有し、前記凹部は、前記ラプチャーディスクの破裂圧力の精度を改善するように構成されており、前記凹部は、前記ラプチャーディスクの前記公称破裂圧力を維持するように構成されている、請求項53に記載のラプチャーディスク。
【請求項56】
頂点を有する破裂可能部であって、前記頂点の穴及び脆弱性の実質的に円形のラインを画定する該破裂可能部と、
封止部と、
を備えるラプチャーディスクであって、
前記破裂可能部は、差圧に反応して前記穴で反転を開始するように構成されており、該反転は、前記脆弱性の実質的に円形のラインの全体を横切る前記ディスクのほぼ同時の開放をもたらす、
ラプチャーディスク。
【請求項57】
前記破裂可能部は、前記脆弱性の実質的に円形のラインに沿って対称的に前記ディスクの開放をもたらす前記穴において反転を開始するように更に構成されている、請求項56に記載のラプチャーディスク。
【請求項58】
前記破裂可能部は凸面側を有し、前記封止部は前記破裂可能部の前記凸面側上に配置されている、請求項57に記載のラプチャーディスク。
【請求項59】
前記封止部は、前記破裂可能部の反転の際に破裂するように構成されている、請求項57に記載のラプチャーディスク。
【請求項60】
順送金型の組を有するプレスを提供することであって、前記順送金型の組は第1の金型及び第2の金型を含む、プレスを提供することと、
ラプチャーディスク材料をラプチャーディスク形状に形成するように、前記ラプチャーディスク材料に前記第1の金型をプレスすることと、
前記第1の金型を前記ラプチャーディスク材料にプレスした後に、前記ラプチャーディスク材料を前記第2の金型まで動かすことと、
ラプチャーディスクを製造するように前記ラプチャーディスク材料に前記第2の金型をプレスすることと、
を含む、反転座屈ラプチャーディスクを形成する方法。
【請求項61】
平坦なラプチャーディスク材料のコイルを提供することを更に含み、
前記第1の金型をプレスすることは、曲線状の破裂可能部を形成することを更に含み、
前記第2の金型をプレスすることは、前記曲線状の破裂可能部の外径を除去することを更に含む、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記ラプチャーディスク材料に脆弱性のラインを設けることを更に含む、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
構造改良部を形成するように前記ラプチャーディスク材料に第3の金型をプレスすることを更に含む、請求項60に記載の方法。
【請求項64】
前記第3の金型をプレスすることは、凹部を形成することを更に含む、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記第3の金型をプレスすることは、前記曲線状の破裂可能部が形成される前に実行される、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記第3の金型をプレスすることは、オフセットされたクラウン部を形成することを更に含む、請求項63に記載の方法。
【請求項67】
前記第3の金型をプレスすることは、前記ラプチャーディスク材料に切頂円錐形状部を形成することを更に含む、請求項63に記載の方法。
【請求項68】
前記ラプチャーディスクの前記破裂圧力の制御に寄与するように構成された角の丸みを有する遷移領域を設けることを更に含む、請求項63に記載の方法。
【請求項69】
順送金型の組を提供することと、
前記順送金型の組の第1の金型を用いてラプチャーディスク材料に構造改良部を形成することと、
前記順送金型の組の第2の金型を用いて前記ラプチャーディスク材料に曲線形状部を形成することと、
を有する、反転座屈ラプチャーディスクを形成する方法。
【請求項70】
前記構造改良部を滑らかにすることを更に含む、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
構造改良部を形成することは、前記ラプチャーディスク材料を凹ませることを含む、請求項69に記載の方法。
【請求項72】
構造改良部を形成することは、前記ラプチャーディスク材料に切頂円錐形状部を形成することを含む、請求項69に記載の方法。
【請求項73】
前記ラプチャーディスク材に複合形状部を形成することを更に含む、請求項69に記載の方法。
【請求項74】
前記ラプチャーディスク材料はコイル材料である、請求項69に記載の方法。
【請求項75】
前記ラプチャーディスク材料に脆弱性のラインを形成することを更に含む、請求項69に記載の方法。
【請求項76】
前記ラプチャーディスク材料から前記ラプチャーディスクを除去することを更に含む、請求項69に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図4D】
image rotate

【図4E】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公表番号】特表2013−506802(P2013−506802A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532284(P2012−532284)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/050779
【国際公開番号】WO2011/041456
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(509306487)ビーエス アンド ビー セイフティー システムズ リミテッド (2)
【Fターム(参考)】