説明

ラベルプリンターの制御方法及び制御装置

本発明は、ラベル(50)を供給する工程と、その作動領域を通過し、そこに印刷すべきラベル(50)上にラベルプリンターの印刷ヘッド(22)を配置する工程と、選択された印刷イメージをラベル上に印刷する工程と、ラベル(50)上から印刷ヘッド(22)を取り除く工程とを備え、RFID部(52)を備えたラベル(50)を印刷するラベルプリンター、特に熱転写プリンターの制御方法に関するものである。印刷すべきラベル(50)上のRFID部(52)の相対的位置についての第1の情報を含む第1のプログラム可能なパラメータに依存して、印刷ヘッド(22)がラベル(50)上から取り除かれ又はラベル(50)上に配置される。本発明は、さらに相当するように適合されたラベルプリンターに関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベルキャリア片上に連続して配置されたラベルを送り込む工程と、その操作領域に通過させてそこに印刷すべきラベル上にラベルプリンターの印刷ヘッドを載置する工程と、選択された印刷イメージをラベル上に印刷する工程と、ラベル上から印刷ヘッドを取り除く工程とからなる、ラベルプリンター、特に、RFID(データキャリア)部を備えたラベル印刷用熱転写プリンターの制御方法に関するものである。さらに、本発明は、上記のような方法を実施するためのプログラム技術を提供する制御装置を備えた、上記のようなラベルを印刷するためのラベルプリンターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記種類のラベルは公知であり、広く実用に供されている。本発明によれば、RFID部を備えた具現化されたラベル(簡潔化のために、以下、RFIDラベルと称す)は、好適に非接触式電子的読取が可能な情報を保存し得るラベルとして用いられる。この情報は、HF帯(6MHz〜30MHz)、VHF帯(30MHz〜300MHz)、UHF帯(300MHz〜3GHz)のような異なる周波数帯の無線またはマイクロ波領域の電磁波により、一般的に読取られる。トランスポンダーと呼ばれる、RFIDラベル内の情報記憶に用いられる多くの公知の記憶手段がある。その目的は、いくつかの様式でエンコードされた情報(応答信号)とともに電磁的導入信号を再放出又は繰り返すことである。例えば、小さな下向きの触覚を有する内蔵電子部品(チップ)−最も単純な場合−所望のサイズと巻数を有するコイル、すなわち、受動及び能動RFID部品の両方に用いることができる。あるものは変更不可に情報を記憶しており、また、あるものは一時的又は永久に書込可能である。周波数帯並びに特にチップ上の記憶媒体及び接続された電子部品の性質に依存して、RFID応答信号用の異なる領域が達成される。
【0003】
このような電子的に読取可能なRFIDラベルは、公知の様式でラベルプリンターにより印刷され、例えば、人又はバーコードにより、光学的にも読取ることができる。いわゆる熱転写プリンターは、ラベル上の機械的負荷が低く、また、印刷の寿命が長いことから、好適に用いられる。熱転写プリンターにおいては、プリンターの作動にしたがい、加熱可能な印刷ヘッドによって、熱転写インクリボンからラベル表面に、単一のインク(好ましくは黒)又は複数のインクが拡散されて塗工される。印刷作動の間に、熱転写インクリボンは、印刷ヘッドの下方に誘導され、これにより、所望の印刷イメージが作成される。
【0004】
このようなRFIDラベルは、例えば、商品、梱包用の容器又はパレットに貼付され、商品情報キャリア又は輸送情報キャリアとして用いられる。例えば、物品を配送する受取人や顧客の名前や住所、製品情報等のような、幅広い様々な情報が、このようなラベル上に記憶することができる。このような情報は、例えばキャリア又は在庫により容易に読取られ、これにより、例えば物品の所在、搬送ルート等を常に観察することができる。この読取作動は、例えば商品搬入領域に取り付けたRFID読取装置によって、十分に自動的に行うことができ、配達時のラベルの通過によって、物品の到着や物品の他の情報が記録又は読取られる。
【0005】
このようなラベルに設けられる記録手段は、一般的にミリメーターオーダーの非常に小さなサイズである。したがって、これらは平坦なプラスチック材料や紙片に配置することができる。しかしながら、これらの電子的記憶手段、特に電子接触子及びアンテナは、比較的精密であり、ラベルが曲がったり、ラベルに局所的に圧力がかかった場合には、破損が生じてしまう。したがって、ラベル上に印刷する際には、特に細心の注意を要する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
よって、本発明の目的は、RFIDラベル内の電子的記憶手段に破損のおそれを最小にする、RFID部を備えたラベル上に印刷する方法及びラベルプリンターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、本明細書の冒頭に記載され、クレーム1及びクレーム16の特徴的な態様をそれぞれ備えた方法及びラベルプリンターにより目的が達成される。クレーム2〜15は、本発明の有利な形状及び進展に関するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
ラベル上のRFID部の位置は常に同じとは限らない。実は、印刷すべきラベル上のRFID部の相対位置についての第1情報を含む、第1のプログラム可能なパラメータの提供が考慮されている。本発明においては、用語“プログラム可能なパラメータ”とは、その方法のプログラムの開始又は実施前に入力される、それを制御する数値を示すために用いられる。プログラム可能は、入力自在又は選択自在と同義に用いられる。印刷されるラベルの設計に依存して、例えばラベルの始点に関するパラメータからRFID部の位置が推測され、これにより、RFID部のラベルに印刷ヘッドが圧力をかけないように、RFID部の領域のラベル上から印刷ヘッドを取り除くことができる。RFID部がラベルの始点に配置された場合には、対応パラメータに依存して、最初は、印刷ヘッドはラベルに圧力を全くかけることがないであろう。RFID部の記憶装置に破損を与えないだけでなく、同時に、印刷ヘッド自身も破損を回避し、これにより、印刷ヘッドの製品寿命が相当延長される。
【0009】
印刷可能部における印刷作動を継続するために、RFID部が印刷ヘッドを通過した後に、ラベルに再び圧力をかける。第1のプログラム可能なパラメータにより決定された予め決められた記憶期間の後に、ラベル上から取り除く又はラベル上に配置しないことから、これがもたらされる。プログラム可能なパラメータに対して、用語“予め決められた記憶期間”とは、その方法の開始又は実行の前に個々に入力できず、そのため、一つのプログラムから他のプログラムへ変更することができない、固定的なプログラム値をいう。一般的に同サイズの記憶手段及び同長さのRFID部を常に用いる場合に、予め決められた記憶期間を用いた方法が現れる。
【0010】
他の好適な実施形態においては、RFID部が通過した後に印刷ヘッドを用いる作動は、第2のプログラム可能なパラメータにより制御することができる。このパラメータは、印刷すべきラベル上のRFID部の相対的な位置についての第2の情報を含んでいる。第2の情報は、例えば供給方向に対するラベルの始点からRFID部の終点までの間隔又はRFID部の始点に対するRFID部の終点の間隔である。
【0011】
センサーによる監視はラベルの供給に有利である。この目的のためには、光学センサーが好適に用いられる。しかしながら、この目的のためには、基本的に、機械式、音響式、電子式、又は電磁式センサーも好適に用いられる。特に、RFID(書込)読取装置がこの目的のために用いられる。
【0012】
センサーは、印刷ヘッドの作動領域においてラベルの始点の進入の確認に基づく信号を好適に出力する。この進入から印刷ヘッドをラベル上から取り除く前に、第1のパラメータに比例した間隔が保持される。この方法の実施形態は、例えばラベルキャリア片上に複数のラベルが連続して配置される場合には、ラベルが互いに同間隔に配置されているとは限らない場合でさえ、ラベル上の印刷には損傷がないことを確実にすると言った利点を有する。
【0013】
特に好適な態様においては、選択された印刷イメージの空白領域の始点において、第1のパラメータに依存して印刷ヘッドが取り除かれておらず、さらに、予め決められた期間及び第2のパラメータに依存してラベル上に再び配置されていない限りでは、印刷すべきラベル上から印刷ヘッドが取り除かれ、選択された印刷イメージの空白領域の終点において、第1のパラメータ及び予め決められた期間又は第2のパラメータに依存して印刷ヘッドが取り除かれていない限りでは、印刷ヘッドがラベル上に再び配置される。
【0014】
この態様においては、プリンターが、選択された印刷イメージの空白領域の始点において停止され、選択された印刷イメージの空白領域の終点において再び開始される熱転写インクリボン用転写装置を備えた熱転写プリンタである場合(フィルム節約モード)に、熱転写インクリボンを有利に節約することができる。
【0015】
第1のパラメータに依存して停止され、予め決められた記憶期間又は第2のパラメータに依存して再び開始される熱転写インクリボン用転写装置を備えた熱転写プリンターを用いた場合にも有利である。また、熱転写インクリボンの最小消費量の点から、印刷すべきラベル上から印刷ヘッドを取り除く場合、及び、印刷すべきラベル上に印刷ヘッドを配置する場合のそれぞれにおいて行われる、上述した有利な両実施形態の熱転写インクリボン用転写装置の停止及び再開を組み合わせることも特に有利である。
【0016】
しかしながら、非常に高い印刷スピードを伴う場合には、ラベルの供給スピード及び空白領域の長さに基づく計算により確認された保持時間が予め決められた最小値を下回らない場合にのみ停止する熱転写インクリボン用転写装置が有利である。開始及び減速段階において、転写リボンの転写スピードと一致する非常に高い印刷スピードを伴う取扱い、高レベルの加速、及び、供給ロール上に巻き付く熱転写インクリボンの重要な質量に基づく高い効果が要求される場合には、保持時間は短縮することはできない。したがって、予め決められた最小値は、ラベルプリンターに適合し、熱転写インクリボン及びこれを駆動する転写装置の加速及び減速に要する時間を考慮した、固定的にプログラムされた値である。
【0017】
本発明の方法及び本発明のラベルプリンターは、個々に導入されるRFID部を備えたラベル上への印刷、及び、ラベルキャリア片上連続して配置されたラベルに用いられる。
【0018】
ラベルキャリア片上のラベルは、均一又は不均一な間隔を維持して、あるいは、互いに近接して配置することができる。このようなラベルは、接着剤層にラベルを接着し、接着剤層の破壊なしにラベルを剥離し得る塗膜とともに、ラベルに対向する側面にラベルキャリア片が設けられ、通常、ラベルキャリア片に対向する側面に少なくとも部分的に塗工された接着剤層によりラベルキャリア片上に保持される。ラベルは、一般的に、印刷作動並びに読取及び/又は書込装置による記憶手段のコード化の後に、剥ぎ取り端上に排出され、分類すべき製品、梱包等に貼り付けられる。
【0019】
以下、図面を参照して実施例により本発明のさらなる目的、態様及び利点を詳細に説明する。
【0020】
図1及び2は、本発明の方法を実施するのに好適な本発明のラベルプリンターの模式側面図である。図面を明快にするため、ラベルプリンターを一般的に取り囲む筐体は示していない。
【0021】
本発明のラベルプリンターは、必須構成要素として、そこに巻き付けられたラベルキャリア片ETにより形成され、その軸(図示していない)が少なくともほぼ水平に延在する供給ロール10を備えている。RFID部及び印刷可能部又は印刷キャリア部を備えたラベル(図示していない)は、ラベルキャリア片ET上に規則的な間隔で配置されている。RFID部及び印刷キャリア部の両者は、ここでは詳細に図示していない。
【0022】
ラベルを設けたラベルキャリア片ETは、供給ロール10から巻出され、実質的に水平下方に誘導され、その軸が少なくともほぼ水平に向けられた方向変換ロール12周囲に巻き付かせている。方向変換ロール12は、そこへ少なくともほぼ垂直に供給されたラベルキャリア片ETをほぼ水平に向けさせる。これは、一般的には供給ロール10の軸に対して旋回自在であり、弾力を有しつつ圧縮応力を与えられアーム(ダンサーアーム、図示していない)の端部に取り付けられ、これにより、ラベルキャリア片の緊張が低減する場合にその緊張を同時に供給する。RFID読取及び/又は書込装置14は、ラベルキャリア片ETの搬送方向における方向変換ロール12の下流に設けられている。RFID読取及び/又は書込装置14は、この領域に水平に延在するラベルキャリア片ETの下方に配置されたアンテナにより形成されている。RFID読取及び/又は書込装置14は、ラベルキャリア片ET上に配置されたラベルのRFID部の欠陥を検査する試験装置を同時に形成している。基本的には、情報をすでに提供しているラベルのRFID部は、さらなる情報を追加することはできない。このような場合には、RFID読取及び/又は書込装置14は読取装置のみである。これに対し、情報をラベルのRFID部に加える場合には、RFID読取及び/又は書込装置14はRFID読取及び書込装置である。
【0023】
また、光遮断装置28は、ラベルの通過又はより正確にラベルの始点を記録し、制御装置(図示していない)(印刷制御)に信号を送る光学センサーとして、RFID読取及び書込装置のこの領域に設けられている。この信号及び既知の転送速度に基づいて、下流に配置された印刷ヘッド22の作動領域へのラベルの始点の進入を確認できる。図1及び2に示した場合とは異なるが、光遮蔽装置は、水平に及び/又はラベルキャリア片に沿った他の位置、例えば印刷ヘッド近傍に配置することもできる。
【0024】
RFIDラベルが通過した際にRFID読取及び/又は書込装置14に受信された信号は、ラベル供給を監視するセンサー信号として用いることができ、言い換えればRFID読取及び/又は書込装置14は、同時にラベルプリンターを制御するセンサーとして用いることができる。この場合、信号はプリンター制御(図示していない)のために供給される。
【0025】
プリンター制御は、制御プログラムとともに具体的に適合させた電子部品及び/又はコンピュータにより実行される。
【0026】
少なくともラベルキャリア片ETの搬送経路とほぼ平行に延在する2つの板状部品により形成されたトンネルガイド16は、ラベルキャリア片ET上に配置された検査すべきラベルがRFID読取及び/又は書込装置14に対して正確に定義された位置に配置されるように、RFID読取及び/又は書込装置14のその領域に設けられている。ラベルキャリア片ETを容易にトンネルガイド16内に入れるために、供給ロール10に対向した端部に導入ファンネル形状16aを設けている。
【0027】
ラベルキャリア片ETの下方に配置された第1駆動ローラー18は、ラベルキャリア片ETの搬送方向におけるトンネルガイド16の下流に設けられ、対向押圧ローラー20はラベルキャリア片ETの上方に設けられている。
【0028】
駆動ローラー18の軸と対向押圧ローラー20の軸の両者は水平に延在している。2つのローラー18,20は、図1及び2に示すようにそれらの間にラベルキャリア片ETを受け入れ、駆動ローラー18の駆動によりラベルキャリア片ETを搬送することができる。この場合、対向押圧ローラー20は、搬送作動を実施し得るように、駆動ローラー18とラベルキャリア片ETとの間で十分に接触して設けられている。
【0029】
対向押圧ローラー20は、例えばラベルのRFID部により生じる、ラベルキャリア片ET上の不均一及び不規則を、ローラー20の接触力の低減なしで補償し、この場合、RFID部における損傷が避けられるように、対向押圧ローラー20が、垂直面に対して上方及び下方に可逆的に旋回自在に保持アーム21に取り付けられている。他の実施形態においては、対向押圧ローラー20に代えて、一対のローラー(あるいはさらなるローラー)を同軸上にラベルキャリア片ETに対して横向きに移動自在に配置することができる。ラベル上又はキャリア片ET上のRFID部の相対的位置に依存して、対向押圧ローラーを、RFID部が他の部分と接触することなく、2つのローラー間の空隙を通過するように、調整することができる。
【0030】
光遮蔽装置28のさらなる態様としては、保持アーム21又は対向押圧ローラー20は、ラベル上に設けられたRFID部又はラベルキャリア片に設けられラベルの通過を検知するプリンターセンサー又は単純スイッチを備えている。この場合、保持アーム21又は対向押圧ローラー20は、ラベルプリンターを制御するセンサーとして用いられる。このように生成された信号は、本発明におけるラベル供給を監視する制御信号としても提供される。第1駆動ローラー18は、好適なゴム製外包を備えたスチール製である。第1駆動ローラー18が対応ゴム製外包を備えた又は備えていないGRP材料から形成される可能性もある。
【0031】
ラベルキャリア片ET上に配置された印刷ヘッド22は、第1駆動ローラー18に隣接しラベルキャリア片ETの搬送方向における駆動ローラー18の下流に配置されている。印刷ヘッド22は、公知の様式の熱転写印刷工程によりラベルの印刷可能部分に印刷を行う熱転写印刷ヘッドである。ゴム製外包を備えたスチール製コア又はゴム製外包を備えていないGRPコアから形成されたプラテンローラー23は、印刷ヘッド22の下方に配置されている。
【0032】
印刷ヘッド22は、図1に示された書込位置を構成する。しかしながら、図2に示したように、印刷ヘッド22は、上方に旋回されることにより、ラベルキャリア片ETあるいはRFID部又は印刷イメージの空白領域内のラベル上から取り除かれる。前者は、RFID部が印刷ヘッドの作動領域を通過した際に、印刷ヘッド22及びRFID部又はラベル上のそこに配置された記憶装置、アンテナ、接触子及び結線のような精密な電子部品が損傷から保護されるように提供されている。
【0033】
ラベルキャリア片ET上に配置され、ガイドローラー25及び剥ぎ取り端26を備えた剥ぎ取り装置24は、ラベルキャリア片ETの搬送方向における印刷ヘッド22の下流に配置されている。その軸が少なくともほぼ水平に延在するガイドローラー25は、ラベルキャリア片ETの搬送方向における印刷ヘッド22又はローラー23の下流に配置されており、剥ぎ取り端26は、ラベルキャリア片ETの搬送方向における下流位置でガイドローラー25に直接隣接している。
【0034】
剥ぎ取り端26でラベルキャリア片ETの方向における形状変化の結果、貼付され又は剥ぎ取られるべきラベルは、ラベルキャリア片ET上から取り除かれ、分類すべき物品に手作業又は貼付装置(詳細には図示していない)により貼付される。ラベルが取り除かれたラベルキャリア片ET、すなわち空のラベルキャリア片ETは、さらに方向変換端30及び空片記憶装置として作用する巻き取りロール32を通過する。
【0035】
本発明の方法及び本発明のラベルプリンターの作動の様式を以下に示す。
供給ロール10から巻出され、書込むべきラベルが貼付されるラベルキャリア片ETの部分は、方向変換ロール12周囲で方向を変えた後に、試験装置又はRFID読取及び/又は書込装置14を通過する。ラベルのRFID部が完全であるかを確認する検査を行う。完全であれば、ラベルが印刷ヘッド22に供給され、所望の情報がそこに印刷される。情報は、RFID書込及び/又は読取装置において、ラベルのRFID部からの読取及び/又はラベルのRFID部への書込を予め行ってもよい。ラベル上への印刷の前に、制御装置は、ラベルキャリア片の転写スピード及びセンサーから作動領域までの距離に基づいて印刷ヘッド22の作動領域へのラベル又はRFID部の始点の進入が確認された際の信号−どんな種類のセンサーにより生成された信号でも−を供給してもよい。
【0036】
制御装置は、ラベルの始点及びRFID部の始点の両者をプログラム可能なパラメータを用いて計算により確認することができる。その結果は、ラベル上から印刷ヘッドを取り除く又はラベル上に印刷ヘッドを配置するための駆動に制御信号として伝えられ、これにより、RFID部の上流に配置された印刷可能部分におけるラベル上に印刷ヘッドが配置されることを確実にする(存在する場合、ラベルの始点からRFID部までの距離に相当する)。
【0037】
また、予め決められたストローク期間か第2のプログラム可能なパラメータのいずれかにより、RFID部が通過した後に印刷ヘッドが再びラベル上に配置される瞬間を計算する。計算は、計算されたラベルの始点か計算されたRFID領域の始点のいずれかに基づいてなされるものであり、第2パラメータは、これら2つの始点のそれぞれに関与し、第2パラメータに比例する値を追加したものである。その結果は、印刷ヘッド22の駆動に制御信号としても伝えられる。
【0038】
例えばフィルム節約モードが確固として制御装置のプログラムを実行するか、すなわち永久に予め決められた様式であるか、又は、例えば旗の設置やスイッチの作動によりスイッチが入れられるかにより、印刷ヘッド22の駆動用の制御信号が付加的に印刷イメージに影響を及ぼす。
【0039】
この場合、RFID部が通過していないことをパラメータ制御が示す場合及び印刷イメージの空白でない領域を(スイッチオン)フィルム節約モードが示す(すなわち印刷コマンド)場合に、印刷ヘッド22はラベルに圧力をかける。別な方法では、1つの理由又はその他により、印刷ヘッドの駆動は、ラベル上に配置されるための信号を受けず、又は、ラベル上から取り除かれるための信号を受けるであろう。
【0040】
印刷ヘッドがラベル上から取り除かれた場合に、熱転写インクリボンのさらなる転写を常に又は付加的な条件下において停止させ、印刷ヘッドが再び用いられた場合に、再開するように、印刷ヘッドを取り除くための制御信号の出力は、熱転写インクリボン(図示していない)用の転写装置(詳細には示していない)を停止させる制御信号に連動している。
【0041】
ラベルキャリア片ETは、ラベルとともに剥ぎ取り装置24に供給される。剥ぎ取り端26でのラベルキャリア片ETの方向における形状変化により、RFID部において印刷され及び/又は書込まれたラベルが、ラベルキャリア片ETから剥ぎ取られ、手作業又は貼付装置(図示していない)によって、ラベルにより分類すべき物品に貼付される。ラベルが取り去られたラベルキャリア片ETは、剥ぎ取り端26で方向を変えられ、方向変換装置30により空のラベルキャリア片ET用の巻き取りロール32に誘導され、そこに巻き付けられる。
【0042】
図1及び2に示された実施形態は、上記剥ぎ取りモードの作動を提供する、ラベルプリンターを組み合わせたRFID読取及び/又は書込装置である。剥ぎ取りモードの作動、すなわちラベルキャリア片の前方への移動においては、巻き取りロール32及びもしかすると駆動ローラー18によりラベルキャリア片の駆動が達成される。少なくとも印刷ヘッド22が取り除かれた場合に、プラテンローラー23の駆動が切り離される。そして、そこでプラテンローラー23はアイドル運転を行う。印刷ヘッドが圧力をかける場合(プリンターモードの作動)にも、プラテンローラー23は駆動することができる。プリンター又は剥ぎ取りモードと正反対であり、例えば読取及び/又は書込装置14のアンテナの下方におけるRFID部の正確な位置決めが要求される、ラベルキャリア片ETの逆移動の場合には、駆動ローラー18及びもしかするとプラテンローラー23が駆動に応じる。この逆移動においては、印刷ヘッドを取り除く制御を有利に提供することができる。正確に逆移動においてはRFID部及び印刷ヘッド22への損傷のおそれが非常に大きいため、これは本発明の方法により確認されるRFID部の始点に関して有利である。印刷ヘッド22は、一般に、通常のプリンター又は剥ぎ取りモード(ラベルキャリア片ETの逆移動)における供給方向と正反対の供給方向に取り除かれる。また、制御システムは、印刷ヘッド22が予め決められたストローク期間又は第2パラメータに依存して逆方向に取り除かれ、第1パラメータ並びにパラメータに比例した間隔及びストローク期間がそれぞれ維持される条件に依存してラベル上に配置され、印刷ヘッドの作動領域に配置されたRFID部が損傷を受けないようにプログラムされる。
【0043】
本発明はこのようなRFID読取及び/又は書込装置に限定されるものではない。他のラベルプリンター、特に剥ぎ取りモードの作動を意図しないものにも用いることができる。これは、剥ぎ取り端26及び巻き取りロール32を備えた剥ぎ取り装置を削除したものである。ラベルは、例えば印刷ヘッド22の下流に連結されたブレードにより互いに分離され、又は、ラベルキャリア片ET上に横向きに設けられたミシン目に沿って(手動で)引き裂かれる。このような装置においては、前方移動及び逆移動の駆動は、一般的にプラテンローラー23及び駆動ローラー18の両者により達成される。この場合、制御システムが印刷ヘッドを取り除く逆移動も提供する。
【0044】
印刷イメージ及び印刷イメージが印刷されたRFIDラベルを示した図3A〜3Cが参照となり、図3Bは公知のラベルプリンターにより印刷された場合であり、図3Cは本発明のラベルプリンターにより印刷された場合である。
【0045】
図3Aに示した印刷イメージは、読取可能なテキストを有する第1印刷領域40、機械読取可能なバーコードを有する第2印刷領域42及び矢印46により示された幅の空白領域44を備えている。
【0046】
図3B及び3Cに示されたように、印刷イメージがRFID部52を備えたRFIDラベル50に貼付された場合には、その結果は、当業者に公知なラベルプリンターを用いたか、図3B参照、又は、印刷イメージを本発明のラベルプリンターにより貼付したか、図3C参照、により依存している。公知のラベルプリンターの場合には、プリンターが印刷コマンドを受けた場合、すなわち印刷領域がある場合、印刷ヘッドは常にラベルに押し付けられる。したがって、印刷ヘッドは、RFID部52のその領域においてラベルに押し付けられ、そこで生じる接触圧力により電子部品、結線、アンテナ等が損傷を受ける。これに関わりなく、空白領域44の幅46が小さすぎない場合にスイッチが入り、ラベル転写スピードに依存して熱転写インクリボンを停止し、その後再開する期間が十分でないため、取り除かれる印刷ヘッドを排除する、フィルム節約モードに依存して、印刷ヘッドが空白領域において取り除かれる。
【0047】
これに対して、この領域においては、印刷ヘッドが常にラベル上から取り除かれるため、図3C参照、RFID部52は、本発明のラベルプリンターにより印刷されない。よって、これにより、基本的に、RFID領域において、記憶装置又は他の電子部品への損傷が回避される。この結果、ラベル上に印刷イメージが完全に再現されない。したがって、このようなラベルには異なったレイアウトを選択する必要がある。言い換えると、本発明のラベルプリンターは、欠陥プログラムによりRFID部に印刷イメージを書き込む場合でさえ、RFID部を保護する。
【0048】
印刷ヘッドを取り除き、RFID部の前後にそれぞれラベルを貼付する工程は、矢印54により示された、ラベル50の始点58からRFID部52の始点60までのラベル部分の長さを意味する第1パラメータ、及び、矢印56により示された、RFID部52の長さを意味する第2パラメータについての適切な選択によって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、印刷すべきラベルに適用される、印刷ヘッドを備えた本発明のラベルプリンターの側面模式図である。
【図2】図2は、印刷すべきラベル上から取り除かれた位置に印刷ヘッドを備えた図1に示した本発明のラベルプリンタのさらなる模式側面図である。
【図3】図3Aは、実施例による印刷イメージである。図3Bは、公知のラベルプリンターにより図3Aの印刷イメージを印刷されたRFIDの模式側面図である。図3Cは、本発明のラベルプリンターにより図3Aの印刷イメージを印刷されたRFIDの模式側面図である。
【符号の説明】
【0050】
10…供給ロール、12…方向変換ロール、14…RFID読取及び/又は書込装置、
16…トンネルガイド、18…駆動ローラー、20…対向押圧ローラー、
21…保持アーム、22…印刷ヘッド、23…プラテンローラー、24…剥ぎ取り装置、
25…ガイドローラー、26…剥ぎ取り端、ET…ラベルキャリア片。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベル(50)を供給する工程と、
その作動領域を通過し、そこに印刷すべき、上記ラベル(50)上にラベルプリンターの印刷ヘッド(22)を配置する工程と、
選択された印刷イメージを上記ラベル上に印刷する工程と、
上記ラベル(50)上から上記印刷ヘッド(22)を取り除く工程とを備え、
印刷すべき上記ラベル(50)上のRFID部(52)の相対的位置についての第1の情報を含む第1のプログラム可能なパラメータに依存して、上記印刷ヘッドが上記ラベル(50)上から取り除かれ又は上記ラベル(50)上に配置されることを特徴とするRFID部(52)を備えたラベル(50)を印刷するラベルプリンター、特に熱転写プリンターの制御方法。
【請求項2】
前記印刷ヘッドは、前記ラベル上から取り除かれ、又は、前記ラベル上に配置されない予め決められたストローク期間後に、前記ラベル(50)上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記印刷ヘッドは、印刷すべき前記ラベル(50)上の前記RFID部(52)の相対的位置についての第2の情報を含む第2のプログラム可能なパラメータに依存して、前記ラベル(50)上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ラベル(50)の供給は、センサーにより監視されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記センサーは、前記印刷ヘッド(22)の作動領域への前記ラベルの始点(60)の進入の確認に基づき、前記印刷ヘッド(22)が前記ラベル上から取り除かれる前に、前記第1パラメータに比例した間隔を維持する信号を出力することを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記センサーは、前記印刷ヘッド(22)の作動領域への前記RFID部(52)の進入の確認に基づき、前記印刷ヘッド(22)が前記ラベル上から取り除かれる前に、前記RFID部(52)の進入まで、前記第1パラメータに比例した間隔を維持する信号を出力することを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記印刷ヘッド(22)の作動領域への前記ラベルの始点(58)の進入から、前記印刷ヘッド(22)が前記ラベル(50)上に配置されるまで、前記第2パラメータに比例した間隔を維持することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記印刷ヘッド(22)の取り除き又は前記RFID部(52)の進入から、前記印刷ヘッド(22)が前記ラベル(50)上に配置されるまで、前記第2パラメータに比例した間隔を維持することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記センサーは光学センサー(28)であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項10】
選択された印刷イメージの空白領域(44)の始点において、前記第1パラメータに依存して印刷ヘッドが取り除かれておらず、さらに、前記予め決められたストローク期間及び前記第2パラメータに依存してラベル上に再び配置されていない限りでは、前記印刷ヘッド(22)は印刷すべき前記ラベル(50)上から取り除かれ、選択された印刷イメージの空白領域(44)の終点において、前記第1パラメータ及び前記予め決められたストローク期間又は前記第2パラメータに依存して印刷ヘッドが取り除かれていない限りでは、前記印刷ヘッド(22)が前記ラベル上に再び配置されることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記プリンターは、前記第1パラメータに依存して停止し、前記予め決められたストローク期間又前記第2パラメータに依存して再開する、熱転写インクリボン用の転写装置を備えた熱転写プリンターであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記プリンターは、選択された印刷イメージの前記空白領域(44)の始点において停止し、選択された印刷イメージの前記空白領域(44)の終点において再開する、熱転写インクリボン用の転写装置を備えた熱転写プリンターであることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記プリンターは、印刷すべき前記ラベル(50)からの前記印刷ヘッド(22)の取り除きにより停止し、印刷すべき前記ラベル(50)上の前記印刷ヘッドの配置により再開する、熱転写インクリボン用の転写装置を備えた熱転写プリンターであることを特徴とする請求項11〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記熱転写インクリボン用転写装置は、保持時間が前記ラベル(50)の供給スピードに基づいて確認され、前記空白領域(44)の長さが予め決められた値を下回らない場合にも停止することを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
複数のラベル(50)が、ラベルキャリア片(ET)上に連続して供給配置されることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記印刷ヘッド(22)は、供給方向が通常の印刷モードにおける供給方向と正反対の場合に取り除かれることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記印刷ヘッド(22)は、前記予め決められたストローク期間又前記第2パラメータに依存して、供給方向が通常の印刷モードにおける供給方向と正反対の場合に取り除かれ、前記第1パラメータに依存して、前記ラベル上に配置されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
プログラム技術を設定した制御装置を設けた、請求項1〜13のいずれかの方法を実施するためのRFID部を備えた印刷ラベル(50)用のラベルプリンター、特に熱転写プリンター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−533502(P2007−533502A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508826(P2007−508826)
【出願日】平成17年4月19日(2005.4.19)
【国際出願番号】PCT/EP2005/004178
【国際公開番号】WO2005/102717
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(502308642)アベリー・デニソン・コーポレーション (2)
【Fターム(参考)】