説明

ラベル付き容器、及びラベル

【課題】 本発明は、ラベルの一部分を容器から剥離し且つ再貼付することを繰り返しても、再貼付したラベルの一部分が不用意に剥がれ難いラベル付き容器を提供する。
【解決手段】 本発明のラベル付き容器は、裏面に粘着剤層41が設けられた第1基材31と、第1基材31の表面に接着された第2基材32と、を有するラベル3と、ラベル3が粘着剤層41を介して外面に接着された容器2と、を備え、第1基材31の一部分に、それを2分する分断線51が形成されており、分断線51よりもラベル3の一方端寄りの位置に、第2基材32を2分するための第1分断補助線61が形成されており、分断線51から第1分断補助線61までの領域において、第2基材32が第1基材31に対して剥離可能に接着されており、分断線51からラベル3の他方端側中途部までの領域において、第1基材31が容器2に対して非接着とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器にラベルが貼付されたラベル付き容器などに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、粒状のチューインガム(以下、単に「ガム」という)などの菓子が容器内に収納されて販売されている。
かかる容器は、ポリプロピレンなどの合成樹脂製の上面開口型の容器本体と、前記容器本体の開口部を開閉するための蓋部材と、を有する。
ところで、上記容器に入れられたガムは、一般に、ガムそのものは包装紙に包まれておらず、包装紙で個包装されたガムのように、噛み終わった後のガムを該包装紙に包んで捨てることができない。このため、別途、ガムの捨て紙が用意されており、かかる捨て紙が容器に具備されたラベル付き容器が知られている(特許文献1及び2)。
【0003】
特許文献1のラベル付き容器は、基材の両側と外材の両側がそれぞれ接着剤層を介して固着され、且つ基材の裏面に粘着剤層が設けられていると共に、前記接着剤層よりも内側において基材を分断する切り線が形成されたラベルが、前記粘着剤層を介して、容器に貼付されている。この基材と外材の間に、ガムの捨て紙が入れられている(特許文献1の[0021]〜[0031])。該ラベルは、切り線において基材を分離することによって、外材が基材の一方側と共に容器から剥がれ、捨て紙を取り出すことができる。剥がれた外材には、粘着剤層を有する基材の一方側が付随しているので、該基材の一方側の粘着剤層を容器の外面に貼付することによって、捨て紙を外材で再び被覆することができる。
【0004】
特許文献2のラベル付き容器は、容器本体の外側壁の一部に、凹陥部が設けられ、この凹陥部に捨て紙が収納されていると共に、前記凹陥部を被覆するように、容器本体に筒状のストレッチフィルムが装着されている(特許文献2の[0016]〜[0018])。かかるラベル付き容器は、ストレッチフィルムを下方にずらすことによって捨て紙を凹陥部から取り出すことができ、一方、取り出した捨て紙を凹陥部へ収納し、ストレッチフィルムを上方にずらすことによって捨て紙が凹陥部から脱落することを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−354812号公報
【特許文献2】特開2008−213857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1のラベル付き容器は、外材の剥離と貼付を繰り返しているうちに、粘着剤層の容器に対する粘着力が急速に低下して、十分な粘着力を以て外材を容器に貼付できなくなるという問題点がある。
具体的には、容器は、一般に合成樹脂成形品で形成されている。合成樹脂成形品の表面には、成形時に金型から外し易くするために金型内に具備された、離型剤が塗布されている。従って、容器の外面には、前記離型剤が付着している。上記特許文献1のラベル付き容器は、外材に付随した粘着剤層が、容器の外面に貼付されるので、粘着剤層の表面に前記離型剤が移転する。このため、容器から一度剥がした粘着剤層は、その粘着力が低下している。さらに、ラベルと容器とは、別々に製造されて保管されており、使用時に、ラベルが容器に貼付されるが、ラベルを貼付する際に、容器の外面に微細なゴミが付着していることが多い。この微細なゴミが、粘着剤層の表面に移転することにより、同様に、粘着剤層の粘着力が低下している。かかる粘着剤層を介して、外材の剥離と貼付を繰り返すと、粘着剤層の粘着力が急激に低下するので、再貼付した外材が不用意に剥がれやすい。
【0007】
一方、特許文献2のラベル付き容器は、捨て紙の取り出し又は収納に際して、ストレッチフィルムを上下にずらすものであるが、ストレッチフィルムは、容器本体に密着しているので、上下にずらし難いという問題点がある。また、ストレッチフィルムを力強くずらすと、勢い余ってストレッチフィルムが容器本体から抜けてしまうこともある。
【0008】
本発明の目的は、ラベルの一部分を剥離し且つ再貼付することを繰り返しても、再貼付したラベルの一部分が不用意に剥がれ難いラベル付き容器、及びラベルを提供することである。
また、本発明の第2の目的は、剥離及び再貼付を繰り返しても、再貼付した部分が不用意に剥がれ難いラベルを用いて容器の凹状部が覆われたラベル付き容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1のラベル付き容器は、裏面に粘着剤層が設けられた第1基材と前記第1基材の表面に接着された第2基材とを有するラベルと、前記ラベルが前記粘着剤層を介して外面に接着された容器と、を備え、前記第1基材の一部分に、第1基材を2分する分断線が形成されており、前記分断線から前記ラベルの一方端までの領域において、前記第2基材が第1基材に対して剥離可能に接着されており、前記分断線から前記ラベルの他方端側中途部までの領域において、前記第1基材が前記容器に対して非接着とされた非接着領域を有する。
【0010】
上記第1のラベル付き容器は、そのラベルの一方端から第2基材を捲ると、該第2基材は、一方端から分断線までの領域において、第1基材から剥離される。
さらに、第1基材は、分断線において分断されており且つ分断線からラベルの他方端側中途部までの間に非接着領域が設けられているので、前記第2基材を分断線まで捲ると、それ以降、第2基材と第1基材が一体的に捲れていく。従って、ラベルの一部分を容易に剥離できる。
他方、上記剥離したラベルの一部分を元に戻すと、第2基材の一方端部が、第1基材の表面に重なってそれに貼付される。この第2基材が第1基材の表面に貼付されることによって、剥離されたラベルの一部分は、容器に再貼付される。
上記ラベルは、その一部分を容器から剥離する際に、第1基材と第2基材の層間において第2基材を引き剥がすため、容器の外面に付着した離型剤やゴミなどが、第2基材の裏面に移転することがない。このため、剥離した第2基材の一方端部を、第1基材の表面に元の粘着力を以て接着させることができ、剥離及び再貼付を繰り返しても、再貼付したラベルの一部分が不用意に剥がれ難い。
特に、第2基材は、第1基材と第2基材の層間において剥離されるので、第2基材は、剥離前まで積層基材の状態(バージン性)が保たれている。このため、ラベルの一部分を再貼付しても、それを強く貼付できる。
【0011】
さらに、本発明の第2のラベル付き容器は、裏面に粘着剤層が設けられた第1基材と前記第1基材の表面に接着された第2基材とを有するラベルと、前記ラベルが前記粘着剤層を介して外面に接着された容器と、を備え、前記第1基材の一部分に、第1基材を2分する分断線が形成されており、前記分断線よりも前記ラベルの一方端寄りの位置に、第2基材を2分するための第1分断補助線が形成されており、前記分断線から前記第1分断補助線までの領域において、前記第2基材が前記第1基材に対して剥離可能に接着されており、前記分断線から前記ラベルの他方端側中途部までの領域において、前記第1基材が前記容器に対して非接着とされた非接着領域を有する。
【0012】
上記第2のラベル付き容器は、そのラベルの第2基材の一方端部が第1基材の一方端部に接着されている。このため、ラベル付き容器を搬送・保管する際に、ラベルの一方端から第2基材が第1基材から不用意に剥がれることを防止できる。
また、上記第2のラベル付き容器は、第1分断補助線において第2基材が分断可能である。よって、第1分断補助線にて第2基材を分断した後、その分断された端(分断端)から第2基材を捲ると、該第2基材は、その分断端から第1基材の分断線までの領域において、第1基材から剥離される。なお、第2基材は、第1分断補助線にて分断することによって、捲ることが可能となるため、悪戯目的で第2基材が捲られることを防止できる。
さらに、前記第2基材を分断線まで捲ると、それ以降、第2基材と第1基材が一体的に捲れていく。従って、ラベルの一部分を容易に剥離できる。
他方、上記剥離したラベルの一部分を元に戻すと、上記第1のラベル付き容器と同様に、第2基材の分断端部が、第1基材の表面に重なってそれに貼付される。
上記第2のラベル付き容器も、上記第1のラベル付き容器と同様に、容器の外面に付着した離型剤やゴミなどが、第2基材の裏面に移転することがない。このため、ラベルの一部分の剥離及び再貼付を繰り返しても、再貼付したラベルの一部分が不用意に剥がれ難い。
特に、第2基材は、剥離前まで積層基材の状態(バージン性)が保たれている。このため、ラベルの一部分を再貼付しても、それを強く貼付できる。
【0013】
本発明の好ましい第2のラベル付き容器は、前記第1分断補助線よりも前記ラベルの一方端寄りの位置に、第2基材を2分するための第2分断補助線が形成されており、前記第1分断補助線から前記第2分断補助線までの領域において、前記第2基材が前記第1基材に対して剥離可能に接着されている又は非接着とされている。
【0014】
上記好ましい第2のラベル付き容器は、第1分断補助線から第2分断補助線までの領域を引き出すことにより、第1分断補助線及び第2分断補助線において第2基材が容易に分断され、この領域を除去できる。従って、第1分断補助線において第2基材を容易に分断できる。
第1分断補助線において第2基材を分断した後、上記と同様にして、分断端から第2基材を捲ることにより、ラベルの一部分の剥離及び再貼付を行うことができる。
上記のように第2基材の一部を除去することにより、第1基材上に第2基材の分断端が生じ、第1基材と第2基材の分断端の段差により、第2基材の分断端を摘み易くなる。
【0015】
本発明の他の好ましい第2のラベル付き容器は、前記第1分断補助線が、前記第1基材及び第2基材をそれぞれ2分するため、前記第1基材及び第2基材の双方に形成されており、前記第1分断補助線よりも前記ラベルの一方端寄りの位置に、第1基材及び第2基材を2分するための第2分断補助線が形成されており、前記第1分断補助線から前記第2分断補助線までの領域において、前記第1基材が容器に対して剥離可能に接着されている又は非接着とされている。
【0016】
上記他の好ましい第2のラベル付き容器は、第1分断補助線から第2分断補助線までの領域を引き出すことにより、第1分断補助線及び第2分断補助線において第1基材及び第2基材が容易に分断され、この領域を除去できる。
第1分断補助線において第1基材及び第2基材を分断した後、上記と同様にして、分断端から第2基材を捲ることにより、ラベルの一部分の剥離及び再貼付を行うことができる。
なお、上記他の好ましい第2のラベル付き容器は、第1基材及び第2基材を積層した状態で、第1分断補助線及び第2分断補助線を一時に形成することができる。
【0017】
本発明の他の好ましい第2のラベル付き容器は、前記第1分断補助線が、前記ラベルの一方端側に膨らむ部分を有する形状に形成されている。
【0018】
上記他の好ましい第2のラベル付き容器は、第1分断補助線に沿って第2基材を分断すると、第1分断補助線の膨らんだ部分に対応して、第2基材の一部分に摘み部が形成される。この摘み部を摘んで、第2基材を捲ることができる。
【0019】
本発明の他の好ましい第2のラベル付き容器は、前記膨らむ部分の内側領域を区画するように、第1基材を2分する第2分断線が形成されている。
【0020】
上記他の好ましい第2のラベル付き容器は、上記摘み部を摘んで第2基材を捲ったときに、第1基材が第2基材と共に捲れることを確実に防止できる。
【0021】
本発明の他の好ましい第1又は第2のラベル付き容器は、前記容器の一部分に、付属物を収納するための凹状部が形成されており、前記ラベルが、その非接着領域によって前記凹状部を覆うように、前記容器の外面に貼付されている。
【0022】
上記他の好ましい第1又は第2のラベル付き容器は、ラベルの非接着領域によって容器の凹状部が覆われているので、凹状部に収納される所望の付属物が脱落せず、さらに、ラベルの一部分を剥離することにより、前記付属物を容易に取り出すことができる。
なお、凹状部は、ラベルの非接着領域によって覆われているので、凹状部に収納した付属物がラベルに接着することはない。
前記付属物は、例えば、ガムの捨て紙である。凹状部に捨て紙が収納されているラベル付き容器は、容器内にガムを収納するガム容器である。
【0023】
本発明の別の局面によれば、本発明は、ラベルを提供する。
本発明のラベルは、裏面に第1粘着剤層が設けられた第1基材と、裏面に第2粘着剤層が設けられ且つ前記第2粘着剤層を介して前記第1基材に接着された第2基材と、を有し、前記第1基材の一部分に、第1基材を2分する分断線が形成されており、前記分断線よりも第2基材の一方端寄りの位置に、第2基材を2分するための第1分断補助線が形成されており、前記分断線から前記第1分断補助線までの領域において、前記第2基材が前記第1基材に対して剥離可能に接着されており、前記分断線から前記ラベルの他方端側中途部までの領域において、前記第1基材が、被着体に接着しないように構成されている。
【0024】
本発明の好ましいラベルは、前記分断線から前記第1分断補助線までの領域において、前記第2粘着剤層と第1基材の層間に易剥離層を設けることにより、前記第2基材が第1基材に対して剥離可能に接着されている。
【発明の効果】
【0025】
本発明のラベル付き容器は、繰り返して、ラベルの一部分を容器から剥離し且つ再貼付することができる。このように繰り返しラベルの一部分を剥離及び再貼付しても、再貼付したラベルの一部分が不用意に剥がれ難いという効果を奏する。
また、本発明の好ましいラベル付き容器は、再貼付した部分が不用意に剥がれ難いラベルによって、容器の凹状部を確実に覆うことができる。このため、例えば、凹状部に収納される付属物を該凹状部から脱落しないように保持でき、又、ラベルの一部分を剥離することによって、付属物を容易に取り出すことができる。
さらに、本発明のラベルは、例えば、容器などに接着されて使用される。本発明のラベルは、その一部分を剥離し且つ再貼付を繰り返しても、再貼付した一部分が不用意に剥がれ難いという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明のラベル付き容器の第1実施形態を示す正面図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】ラベルの第1実施形態を示す平面図。
【図4】図3のIV−IV線で切断した中央部省略断面図。
【図5】図3のV−V線で切断した中央部省略断面図。
【図6】(a)は、第1基材の非接着領域と接着領域を塗り分けて示した第1実施形態のラベルの背面図、(b)は、第2基材が剥離可能に接着された領域を塗り分けて示した第1実施形態のラベルの平面図。
【図7】ラベルの帯状領域を切り取った状態のラベル付き容器を示す正面図。
【図8】ラベルの一部分を剥離して凹状部を開放した状態のラベル付き容器を示す正面図。
【図9】図8のIX−IX線で切断した要部断面図。なお、容器の周壁は円筒状であるため、容器及びラベルは、実際には湾曲しているが、図9においては、直線的に表している。
【図10】ラベルの第2実施形態を示す平面図。
【図11】図10のXI−XI線で切断した中央部省略断面図。
【図12】第2基材が剥離可能に接着された領域を塗り分けて示した第2実施形態のラベルの平面図。
【図13】ラベル付き容器の第2実施形態を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
なお、各部の用語の接頭語として、第1、第2などを付す場合があるが、該接頭語は、用語を区別するために付加されるものであり、各部の順序や優劣などを意味しない。
【0028】
(第1実施形態)
図1及び図2に於いて、1は、容器2にラベル3が貼付されたラベル付き容器を示す。
容器2は、有底且つ上面開口型の容器本体21と、容器本体21の開口部を開閉可能な蓋部材22と、を有する。
【0029】
具体的には、容器本体21は、例えば、自立面となる底部と、その上方に形成された円筒状の周壁と、を有する上面開口型の容体からなる。
容器本体21の周壁の一部分には、内側に凹んだ凹状部23が形成されている。この凹状部23内には、必要に応じて、付属物10が入れられる。凹状部23の大きさは、特に限定されず、前記付属物10の大きさに応じて適宜設計される。例えば、前記付属物10がガムの捨て紙である場合、前記凹状部23は、縦×横:3cm〜5cm×3cm〜5cm、深さ:0.5cm〜1.5cm程度に形成される。
なお、容器本体21の形状は、上記のような円筒状に限られず、例えば、楕円筒状、四角筒状などでもよい。
【0030】
蓋部材22は、ヒンジ部を介して、容器本体21の周壁の上端部に連設されている。
もっとも、蓋部材22は、容器本体21と連設されておらず、容器本体21と独立していてもよい。このような別個独立した蓋部材22は、容器本体21の周壁の上端周囲に、ネジ螺合によって着脱できる形態、或いは、容器本体21の周壁の上端周囲に、凹凸嵌合によって着脱できる形態のものなどが挙げられる。
【0031】
上記容器2(容器本体21及び蓋部材22)の材質は、特に限定されず、合成樹脂、ガラス、金属、陶器などが挙げられる。容器2は、好ましくは、合成樹脂成形品で形成されている。この樹脂材料としては特に限定されず、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、アリレート樹脂などの熱可塑性樹脂等が挙げられる。中でも水蒸気バリア性に優れていることから、ポリプロピレン系樹脂(エチレン−プロピレン共重合体など)を用いることが好ましい。
容器2の成形方法は特に限定されず、従来公知の成形法にて形成でき、薄肉に形成する場合には、ブロー成形法にて形成することが好ましい。
【0032】
容器2の凹状部23に入れられる付属物10は、特に限定されない。該付属物10としては、例えば、商品の説明書、商品の保証書、各種情報を記載した冊子、おまけ、試供品などが挙げられる。本発明のラベル付き容器1が、粒状のガムを入れるガム容器である場合、図2に示すように、前記付属物10として捨て紙を凹状部23に入れておくことが好ましい。
かかる捨て紙としては、1枚の長尺紙にミシン目を形成し且つ該ミシン目から1片ずつ切り離してガムを包む捨て紙束、或いは、複数の紙の一側端が剥離可能に接着された冊子状の捨て紙束などが挙げられる。
【0033】
次に、ラベル3は、その一部の領域で凹状部23を覆うように、上記容器2の外面であって周壁の周方向に巻き付けられている。
このラベル3の裏面に粘着剤層41が設けられており、該ラベル3は、粘着剤層41を介して、容器2の外面に接着されている。ただし、ラベル3の一部の領域には、実質的に粘着力がない非接着領域81が形成されており、該非接着領域81によって容器2の凹状部23を覆うように、ラベル3が容器2に接着されている。
【0034】
具体的には、図3〜図5にも示すように、ラベル3は、第1基材31と、第1基材31の表面上に積層された第2基材32と、を有する。ラベル3は、例えば、平面視略長方形状であり、第1基材31と第2基材32は、同形同大である。
第1基材31の裏面全体には、第1粘着剤層41が設けられている。ラベル3は、この第1粘着剤層41を介して、容器本体21の周壁の外面に接着されている(ただし、非接着とされた領域を除く)。
また、第2基材32の裏面全体には、第2粘着剤層42が設けられている。第2基材32は、第2粘着剤層42を介して、第1基材31の表面に接着されている。
【0035】
上記第1基材31及び第2基材32は、特に限定されず、例えば、紙、合成紙、合成樹脂シート、不織布、発泡樹脂シート、これらの積層シート、及びこれらに金属蒸着膜などの機能層が積層された積層シートなどの公知の基材を用いることができる。
第1基材31及び第2基材32は、同一又は同種のシートでもよいし、異種のシートでもよい。
好ましくは、第1基材31及び第2基材32の何れか一方が、紙若しくは合成紙又は紙若しくは合成紙を含む積層シートからなり、他方が、合成樹脂シート又は合成樹脂シートを含む積層シートからなる。より好ましくは、第1基材31が、紙若しくは合成紙又は紙若しくは合成紙を含む積層シートからなり、第2基材32が、合成樹脂シート又は合成樹脂シートを含む積層シートからなる。
【0036】
上記紙は、坪量40g/m〜200g/mの普通紙が好ましく、さらに、坪量50g/m〜150g/mの普通紙がより好ましい。
上記合成紙は、厚み20μm〜100μmが好ましく、さらに、厚み40μm〜80μmが好ましい。
上記合成樹脂シートは、厚み20μm〜100μmが好ましく、さらに、厚み40μm〜80μmが好ましい。合成樹脂シートの材質は、特に限定されず、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状オレフィンなどのポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、ポリ塩化ビニル系、ポリアミド系、ポリスチレン系などが挙げられる。
合成樹脂シートは、2軸延伸されたシートが好ましく、又、熱的収縮挙動を実質的に有しない(例えば室温下で実質的に熱収縮しない)シートが好ましい。
【0037】
上記第1粘着剤層41及び第2粘着剤層42は、第1基材31及び第2基材32の裏面に粘着剤をそれぞれ塗工することによって形成できる。前記粘着剤は、室温下で粘着力を有するものが用いられる。該粘着剤としては、例えば、アクリル系、ゴム系などの感圧型粘着剤が挙げられる。第1粘着剤層41及び第2粘着剤層42は、それぞれ同一又は同種の粘着剤で形成されていてもよいし、異種の粘着剤で形成されていてもよい。
第1粘着剤層41及び第2粘着剤層42の厚みは、10μm〜30μm程度が好ましい。
【0038】
第1粘着剤層41は、第1基材31を容器2の外面に接着させるための層であり、第2粘着剤層42は、第2基材32を第1基材31の表面に接着させるための層である。
容器2の外面に対する第1基材31の接着強度は、好ましくは、4N/15mm以上であり、より好ましくは5N/15mm以上であり、特に好ましくは5〜12N/15mmである。かかる接着強度となるように、第1粘着剤層41の材質などが選定される。
一方、第1基材31の表面に対する第2基材32の接着強度は、好ましくは、4N/15mm以上であり、より好ましくは5N/15mm以上であり、特に好ましくは5〜12N/15mmである。かかる接着強度となるように、第2粘着剤層42の材質などが選定される。
なお、上記接着強度は、JIS Z 0237に準じた測定方法(剥離速度300mm/分でのT型剥離試験)により求められる。
ただし、第1基材の容器に対する接着強度については、(実際の容器は円筒状であるため)容器と同じ材質の平シートを被着体として用いて測定される。
【0039】
なお、上記第1基材31及び/又は第2基材32には、必要に応じて、各種デザイン印刷が施される。また、上記第1基材31及び/又は第2基材32には、オーバーコート層などが設けられていてもよい。
【0040】
上記第1基材31には、第1基材31を左右に2分する分断線51が形成されている。なお、分断線51は、第1粘着剤層41にまで貫通形成されていてもよいし、第1粘着剤層41に形成されていなくてもよい。粘着剤層に分断線が形成されていなくても、第1基材31に形成された分断線51に沿ってそれが分断されるからである。
この分断線51としては、第1基材31を実質的に2つに分ける切込み線(第1基材31の厚み方向に貫通した切込み線)が採用される。例えば、前記分断線51として、第1基材31の上端から下端にかけて1本の切込み線が形成されている。
前記分断線51は、平面視直線状でもよいし、平面視非直線状(例えば、平面視波線状)でもよいが、通常、直線状に形成される。直線状の分断線51は、図示したように、好ましくは、第1基材31の上端辺に対して略直交する方向に形成される。
【0041】
なお、第1基材31を実質的に2つに分ける切込み線には、上記のように第1基材31の上端から下端にかけて形成された1本の切込み線の他、僅かな力が第1基材31に加わることによって第1基材31が2分され得る切込み線が含まれる。
僅かな力が第1基材31に加わることによって第1基材31が2分され得る切込み線としては、複数の比較的長い切込み線(例えば、長さ10mm〜30mm程度)の端部間に、比較的短い非切断部分(例えば、長さ0.5mm〜2mm程度)が残されている場合などが挙げられる。
【0042】
さらに、第1基材31及び第2基材32には、前記分断線51を基準にして、該分断線51よりもラベル3の一方端寄りの位置に、第1基材31及び第2基材32を2分するための第1分断補助線61が形成されている。第1分断補助線61は、第1基材31及び第2基材32の上端から下端にかけて形成されている。また、第1分断補助線61は、第1基材31及び第2基材32の双方の同一位置に形成されている。
【0043】
この第1分断補助線61は、第1基材31及び第2基材32を実質的に2分しているものではないが、基材に力を加えることによって、その線に沿って第1基材31及び第2基材32が同時に分断され得るものである。
第1分断補助線61としては、例えば、ミシン目、ハーフカット線などが挙げられる。比較的容易に且つ確実に線に沿って切断できることから、第1分断補助線61は、ミシン目が好ましい。
ミシン目とは、ミシン針の縫い目跡の如く、基材の厚み方向に貫通する貫通部が断続的に刻設された線である。ミシン目の種類としては、通常のミシン目(貫通部の長さ及び非貫通部の長さが、それぞれ1mm〜2mm程度)、マイクロミシン目(貫通部の長さ及び非貫通部の長さが、それぞれ0.3mm〜0.8mm程度)、図示したように、内側に曲がった傾斜貫通部が直線状の直線貫通部の端部に連設された貫通部が断続的に形成されたミシン目などが挙げられる。
ハーフカット線とは、(基材を貫通せず)基材の厚み方向に略V字状に切り込んだ刻み部が連続する線である。
【0044】
前記第1分断補助線61は、平面視直線状でもよいし、平面視非直線状に形成されていてもよい。本実施形態では、摘み部72を形成するため、第1分断補助線61は、ラベル3の一方端側に膨らむ部分を有する形状に形成されている。
具体的には、第1分断補助線61は、第1基材31及び第2基材32の上端から中途部にまで形成された上方補助線611と、第1基材31及び第2基材32の下端から中途部にまで形成された下方補助線612と、前記上方補助線611の下端部及び下方補助線612の上端部にそれぞれ連設され、且つラベル3の一方端側に膨らむように形成された膨出補助線613と、から構成されている。
【0045】
前記上方補助線611及び下方補助線612は、好ましくは、上端辺に対して略直交する直線状に形成されている。前記膨出補助線613は、好ましくは、半円弧状に形成されている。
また、前記上方補助線611及び下方補助線612は、好ましくは、第1基材31及び第2基材32に貫通するミシン目であり、より好ましくは、内側に曲がった傾斜貫通部が直線状の直線貫通部の端部に連設された貫通部が断続的に形成されたミシン目である。前記膨出補助線613は、好ましくは、第1基材31及び第2基材32を実質的に2つに分ける切込み線である。膨出補助線613として前記切込み線を採用すれば、膨出補助線613の内側の領域は、基材に力を加えなくても捲り出すことができ、これを摘み部72として摘むことができる。
【0046】
上記第1分断補助線61は、第1基材31及び第2基材32の双方に形成されているが、第1基材31のみに、上記膨出補助線613(ラベル3の一方端側に膨らむ第1分断補助線61の部分)の内側領域を区画するように、第2分断線52が形成されている。
なお、第2分断線52は、第1粘着剤層41にまで貫通形成されていてもよいし、第1粘着剤層41に形成されていなくてもよい。
この第2分断線52は、第1基材31にのみ形成され、例えば、上方補助線611の下端部及び下方補助線612の上端部を直線状に結んだ線上に形成されている。かかる第2分断線52と膨出補助線613によって区画された領域は、ラベル3を剥離する際の、摘み部72となる。
第2分断線52としては、上記分断線51と同様に、切込み線が採用され、好ましくは、第1基材31を完全に2分する1本の切込み線である。
【0047】
なお、上記上方補助線611と下方補助線612は、繋がっていないが、上方補助線611と下方補助線612が繋がっていてもよい。すなわち、上方補助線611の下端部と下方補助線612の上端部を直線状に結ぶ補助線が、第2基材32(及び第1基材31)に形成されていてもよい。なお、この補助線は、上方補助線611及び下方補助線612と同様のミシン目であることが好ましい。
【0048】
分断線51から第1分断補助線61までの間隔は、特に限定されないが、余りに短いと、第2基材32が第1基材31の表面に接着する面積が小さくなりすぎるため好ましくない。この点を考慮すると、分断線51と第1分断補助線61の間隔は、好ましくは10mm以上であり、より好ましくは、10mm〜50mmであり、特に好ましくは、15mm〜40mmである。
【0049】
さらに、第1基材31及び第2基材32には、前記第1分断補助線61を基準にして、該第1分断補助線61よりもラベル3の一方端寄りの位置に、第1基材31及び第2基材32を2分するための第2分断補助線62が形成されている。
第2分断補助線62は、第1基材31及び第2基材32の上端から下端にかけて形成されている。また、第2分断補助線62は、第1基材31及び第2基材32の双方の同一位置に形成されている。
【0050】
この第2分断補助線62についても、上記第1分断補助線61と同様に、第1基材31及び第2基材32を実質的に2分しているものではないが、基材に力を加えることによって、その線に沿って第1基材31及び第2基材32が同時に分断され得るものである。
第2分断補助線62としては、上記第1分断補助線61と同様に、ミシン目、ハーフカット線などが挙げられ、好ましくは、ミシン目であり、より好ましくは、図示したように、傾斜貫通部と直線貫通部とからなる貫通部が断続的に形成されたミシン目である。
上記第1分断補助線61及び第2分断補助線62は、第1粘着剤層41及び第2粘着剤層42にまで貫通形成されていてもよいし、第1粘着剤層41及び第2粘着剤層42に形成されていなくてもよい。
【0051】
第1分断補助線61から第2分断補助線62までの間隔は、特に限定されず、適宜設定される。第1分断補助線61と第2分断補助線62の間隔は、通常、5mm〜10mm程度が好ましい。
【0052】
なお、第1分断補助線61から第2分断補助線62までの領域は、ラベル3の上端部において、上方へ延出されている。この延出部71は、第1分断補助線61から第2分断補助線62までの領域(以下、この領域を「帯状領域82」という場合がある)を除去する際の、摘み代となる。
【0053】
他方、第1基材31及び第2基材32の少なくとも何れか一方には、分断線51を基準にして、該分断線51よりもラベル3の他方端寄りの位置に、折り罫線63が形成されている。
この折り罫線63は、第1基材31及び第2基材32の双方に形成されていてもよいし、第1基材31又は第2基材32の何れか一方にのみ形成されていてもよい。本実施形態では、この折り罫線63は、第1基材31にのみ形成されている。
折り罫線63は、基材を分断するために形成されるものではなく、折り罫線63が形成された部分において、基材を折り曲げ易くするために形成される。
折り罫線63としては、基材を厚み方向に押し込んだ押圧線、上記通常のミシン目、上記ハーフカット線などが挙げられ、好ましくは、通常のミシン目である。
【0054】
上記分断線51から折り罫線63までの領域において、上記第1基材31は、前記容器2に対して非接着とされた非接着領域81を有する。
すなわち、上記第1基材31の裏面には、分断線51からラベル3の他方端側中途部までの領域において、被着体(上記容器2など)に対して非接着とされた非接着領域81が設けられている。図6(a)の網掛け部分は、非接着領域81が設けられた範囲を示している。
【0055】
例えば、第1粘着剤層41の裏面の所定領域(分断線51からラベル3の他方端側中途部までの領域)に、マスキング層43を形成することによって、上記非接着領域81が形成されている。
マスキング層43は、第1粘着剤層41の粘着力を隠蔽する層である。
マスキング層43の形成方法としては、第1粘着剤層41の裏面の所定領域にマスキング剤を塗工する、或いは、第1粘着剤層41の裏面の所定領域にフィルムを貼付することなどが挙げられる。所定領域に容易にマスキング層43を形成できることから、マスキング剤を塗工する方法が好ましい。
マスキング剤としては、例えば、紫外線硬化型インキ(着色剤を含まないいわゆるメジウムインキなど)などが挙げられる。紫外線硬化型インキを用いれば、公知の印刷法によってマスキング層43を形成できる。マスキング剤として紫外線硬化型インキを用いる場合、マスキング層43の厚みは、3μm〜5μm程度に形成される。
【0056】
なお、非接着領域81の形成方法は、第1基材31の裏面にベタ状に設けられた第1粘着剤層41の裏面にマスキング層43を形成する上述の方法に代えて、第1基材31の裏面のうち、上記所定領域を除いて、第1粘着剤層41を設けるという方法でもよい。
【0057】
非接着領域81の大きさは、適宜設定される。非接着領域81の大きさは、容器2の凹状部23の開口面積と同等又はそれ以上が好ましく、さらに、前記開口面積よりも少し広い大きさが好ましい。かかる大きさの非接着領域81を有するラベル3は、非接着領域81によって前記凹状部23を覆った際に、凹状部23に収納された付属物10がラベル3に付着することを防止できる。
【0058】
なお、非接着領域81は、分断線51と折り罫線63の間の領域に形成されているので、折り罫線63は、非接着領域81の他方端に沿って形成されている。
【0059】
上記分断線51から第1分断補助線61までの領域において、第2基材32は、第1基材31に対して剥離可能に接着されている(この剥離可能に接着された領域を、「剥離可能領域83」という場合がある)。図6(b)の斜線部分は、剥離可能領域83が設けられた範囲を示している。
なお、この剥離可能領域83以外の領域において、第2基材32は、第2粘着剤層42を介して、第1基材31の表面に強く接着している(例えば、上述のように、第1基材31の表面に対する第2基材32の接着強度が4N/15mm以上で接着)。
【0060】
剥離可能領域83において、第1基材31の表面に対する第2基材32の接着強度は、好ましくは、1〜3N/15mmであり、より好ましくは2〜3N/15mmである。かかる接着強度であれば、剥離可能領域83において、第2基材32を第1基材31に貼付でき、且つ人力で剥離できる。
なお、上記接着強度は、JIS Z 0237に準じた測定方法(剥離速度300mm/分でのT型剥離試験)により求められる。
【0061】
剥離可能領域83の形成方法としては、(1)分断線51から第1分断補助線61までの領域に、第2基材32に塗布する粘着剤として粘着力の弱い粘着剤を塗工する、(2)分断線51から第1分断補助線61までの領域における、第1基材31の表面又は第2粘着剤層42の裏面に、非ベタ状(無数の点状、ストライプ状、網目状など)のマスキング層43を設ける、(3)分断線51から第1分断補助線61までの領域における、第1基材31の表面に、易剥離層44を設ける、ことなどが挙げられる。
所定領域に形成し易く且つ第1基材31に対する第2基材32の接着強度を容易に設定できることから、易剥離層44を設ける方法が好ましい。
【0062】
上記易剥離層44は、第2基材32に設けられた第2粘着剤層42の濡れ性を小さくする層である。
易剥離層44は、分断線51から第1分断補助線61までの領域における、第1基材31の表面に、易剥離剤をベタ状(必要に応じて、無数の点状、ストライプ状、網目状などの非ベタ状)に塗工することによって形成できる。易剥離剤としては、例えば、シリコーン、フッ素化合物、ワックス類などの剥離剤を含有するインキ(着色剤を含まないいわゆるメジウムインキなど)などを用いることができる。インキを用いれば、公知の印刷法によって易剥離層44を形成できる。
易剥離層44の厚みは、通常、1μm〜3μm程度である。
【0063】
さらに、第1分断補助線61から第2分断補助線62までの領域(帯状領域82)において、前記第1基材31が容器2に対して非接着とされている。図6(a)の網掛け部分は、この非接着とされた範囲を示している。
帯状領域82における第1基材31を容器2に対して非接着とする方法については、上記非接着領域81で例示した各種の形成方法を採用できる。前記形成方法は、帯状領域82における第1粘着剤層41の裏面に、マスキング層43を形成することが好ましい。
【0064】
マスキング層43を形成した場合には、図示したように、第1基材31の裏面は、マスキング層43によって隠蔽された領域と、第1粘着剤層41が露出した領域と、を有する。
第1粘着剤層41が露出した領域は、第1基材31(ラベル3)の他方端から折り罫線63までの領域、分断線51から第1分断補助線61までの領域、及び、第2分断補助線62から第1基材31(ラベル3)の一方端までの領域である。
なお、図6(a)の薄墨塗り部分は、第1粘着剤層41の裏面が露出した範囲を示している。
【0065】
上記ラベル3は、第1粘着剤層41を離型紙上に仮貼付した状態で、供給される。通常、上記ラベル3の複数枚が離型紙上に並んで仮貼付されたラベル連続シートの形態で供給される。
該ラベル連続シートからラベル3を引き剥がし、該ラベル3を、容器本体21の周壁の外面に巻き付けて、露出した第1粘着剤層41の裏面を介して、前記周壁の外面にラベル3を貼付することにより、上記ラベル付き容器1が得られる。
かかるラベル付き容器1は、第1粘着剤層41の裏面が露出した領域が、少なくともラベル3の一方端部及び他方端部に存在するので、その端部からラベル3が容器2から捲れることはない。
【0066】
このラベル付き容器1は、次のように使用される。
ラベル3の延出部71を摘み、これを下方外側へ引き出すことによって、第1分断補助線61及び第2分断補助線62に沿って第1基材31及び第2基材32が分断されていき、帯状領域82を除去できる。
なお、第1分断補助線61は、膨出補助線613を有するので、図7に示すように、上記分断後、膨出補助線613で囲われた内側の領域が、分断された端(分断端61a)から外側に摘み部72として延出されている。
【0067】
次に、この摘み部72を摘み、ラベル3の他方外側へ引き出すと、分断端61aを開始端として、第2基材32の剥離可能領域83が、第1基材31から剥離される。第2基材32は、分断することによって初めて捲ることが可能であるため、悪戯目的で第2基材32が捲られることを防止できる。
なお、摘み部72の裏面(摘み部72における第1基材31の裏面)は、容器2に対して非接着とされているので、摘み部72を摘んだときに、粘着剤が指に付着することはない。
さらに、第1基材31には、摘み部72を区画するように第2分断線52が形成されているので、剥離可能領域83に対応する第1基材31と摘み部72に対応する第1基材31は、前記第2分断線52にて分断されている。従って、摘み部72を摘んで引き出した際に、第1基材31が捲れることなく、第2基材32の剥離可能領域83のみを、第1基材31から確実に剥がすことができる。
【0068】
さらに、第2基材32の剥離可能領域83を分断線51まで捲ると、分断線51において分断され且つ非接着領域81が設けられた第1基材31が、第2基材32と一体になって容器2から剥がれる。
このようにラベル3の一部分を容器2から剥離することにより、図8及び図9に示すように、容器2の凹状部23を開放できる。
なお、非接着領域81の他方端に沿って折り罫線63が形成されているので、ラベル3の一部分を剥離した際に、折り罫線63においてラベル3が折れ曲がる。よって、ラベル3の一部分が、非接着領域81を越えて容器2から剥がれることを防止でき、凹状部23を開放するという目的以上にラベル3が容器2から剥離することを防止できる。
【0069】
凹状部23を開放した後、凹状部23から付属物10を取り出して、これを使用する。
一方、付属物10を凹状部23に再び収納し、剥離したラベル3の一部分を元のように戻すことにより、凹状部23がラベル3によって被覆されると共に、第2基材32の剥離可能領域83が、第1基材31の表面に重なってそれに貼付される。この第2基材32が第1基材31の表面に貼付されることによって、剥離されたラベル3の一部分は、容器2に再貼付される。
【0070】
上記ラベル3は、第1基材31と第2基材32の層間において第2基材32を引き剥がすため、容器2の外面に付着した離型剤やゴミなどが、第2基材32の剥離可能領域83の裏面に移転することがない。さらに、第2基材32の剥離可能領域83は、剥離前まで積層状態が保たれているため、その領域83の粘着剤は、剥離して初めて外気に触れる。
このため、剥離した第2基材32の剥離可能領域83を、第1基材31の表面に元の粘着力を以て接着させることができ、剥離及び再貼付を繰り返しても、再貼付したラベル3の一部分が不用意に剥がれ難い。
【0071】
(第1実施形態の変形例)
次に、第1実施形態の各変形例を説明する。
上述のように、帯状領域82における第1基材31の裏面が、容器2に対して非接着とされている場合、延出部71を摘んで引き出したときに、前記帯状領域82を容易に除去できるので好ましい。
もっとも、この構成に代えて、帯状領域82における第1基材31の裏面が、容器2に対して剥離可能に接着されていてもよい。前記帯状領域82が剥離可能に接着されていても、延出部71を摘んで引き出したときに、帯状領域82を除去できる。
なお、前記帯状領域82における第1基材31の裏面を容器2に対して剥離可能に構成する方法としては、上記第2基材32の剥離可能領域83の各種の形成方法に準じて行うことができる。
【0072】
また、上述のように、第1分断補助線61及び第2分断補助線62が、第1基材31及び第2基材32の双方に形成されている場合、帯状領域82を除去すれば、第1基材31及び第2基材32を容易に分断できる。
もっとも、この構成に代えて、第1分断補助線61及び第2分断補助線62が、第2基材32にのみ形成されていてもよい。この場合の第1分断補助線61及び第2分断補助線62は、基材に力を加えることによって、その線に沿って第2基材32のみが分断され得るものである。
この場合、前記第1分断補助線61から第2分断補助線62までの領域(帯状領域82)における第2基材32の裏面は、第1基材31の表面に対して、非接着とされているか、又は、剥離可能に接着される。前記帯状領域82における第2基材32の裏面を第1基材31の表面に対して非接着とする方法としては、上記第1基材31の非接着領域81の各種の形成方法に準じて行うことができる。前記帯状領域82における第2基材32の裏面を第1基材31の表面に対して剥離可能に接着する方法としては、上記第2基材32の剥離可能領域83の各種の形成方法に準じて行うことができる。
かかる変形例であっても、第1分断補助線61及び第2分断補助線62に沿って切り取ることにより、帯状領域82における第2基材32のみを除去できる。事後、上記実施形態と同様にして、その分断端から第2基材32の剥離可能領域83を第1基材31から剥離することにより、ラベル3の一部分を容器2から剥離できる。
【0073】
さらに、上述のように、第1分断補助線61及び第2分断補助線62が形成されている場合、容易に帯状領域82を除去できる。
もっとも、第1分断補助線61が形成されている場合には、第2分断補助線62が形成されていなくてもよい。少なくとも第2基材32を2分するための第1分断補助線61が形成されていることにより、第2基材32を分断して、その分断端から第2基材32の剥離可能領域83を剥離できる。
【0074】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態について説明する。ただし、第2実施形態の説明にあたって、主として上記第1実施形態と異なる構成及び作用効果について説明し、同様の構成などについては、その説明を省略し、用語及び符号を援用することがある。
【0075】
図10及び図11に示すように、本実施形態のラベル3は、第2基材32の剥離可能領域83が、ラベル3の一方端3aにまで形成されている。なお、図12の斜線部分は、剥離可能領域83が設けられた範囲を示している。
具体的には、ラベル3は、裏面全体に第1粘着剤層41が設けられた第1基材31と、裏面全体に第2粘着剤層42が設けられた第2基材32と、を有し、前記第2粘着剤層42を介して、第2基材32が第1基材31の表面上に接着されている。
【0076】
第1基材31には、第1基材31を左右に2分する分断線51が形成されている。
この分断線51からラベル3の一方端までの領域において、第2基材32は、第1基材31に対して剥離可能に接着されている。
【0077】
一方、分断線51からラベル3の他方端側中途部までの領域において、第1基材31は、被着体(上記容器2など)に対して非接着とされた非接着領域81を有する。
この非接着領域81の他方端に沿って、第1基材31及び第2基材32の少なくとも何れか一方には、折り罫線63が形成されている。
また、第2基材32の一方端3aには、第2基材32の一部が外側へ延出されている(すなわち、延出部73が形成されている)。
延出部73の裏面には、粘着剤が設けられておらず、非接着とされている。
【0078】
かかるラベル3は、図13に示すように、非接着領域81によって凹状部23を覆うように容器2の周壁の外面に巻き付けられ、第1粘着剤層41を介して接着されている。
【0079】
第2実施形態のラベル付き容器1は、延出部73を摘み、ラベル3の他方外側へ引き出すと、第2基材32の一方端3aを開始端として、第2基材32の剥離可能領域83が、第1基材31から剥離する。事後、上記第1実施形態と同様に、第2基材32の剥離可能領域83を分断線51まで捲ると、分断線51において分断された第1基材31が、第2基材32と一体になって容器2から剥がれ、ラベル3の一部分を容器2から剥離できる。一方、剥離したラベル3の一部分を元のように戻すことにより、第2基材32の剥離可能領域83が、第1基材31の表面に重なってそれに貼付される。
【0080】
(他の実施形態)
上記第1及び第2実施形態において、第1基材31及び第2基材32は、同形同大であるが、必ずしも第1基材31及び第2基材32は、同形同大に形成されていなくてもよい。例えば、第1基材31が、第2基材32よりも幅狭であってもよい。この場合、幅狭の第1基材31は、少なくとも第2基材32の一方端から折り罫線63までの領域に重なるように、第2基材32に積層されていることが好ましい。
【0081】
上記第1及び第2実施形態では、容器2としてガムを入れるガム容器を例示しているが、これに限定されず、他の菓子、栄養補助食品、医薬品、サニタリー商品、機械部品などを入れる容器であってもよい。
また、本発明のラベル付き容器1は、凹状部23を有しない容器2に上記ラベル3が貼付されているものでもよい。
【符号の説明】
【0082】
1…ラベル付き容器、2…容器、3…ラベル、31…第1基材、32…第2基材、41…第1粘着剤層、42…第2粘着剤層、43…マスキング層、44…易剥離層、51…分断線、52…第2分断線、61…第1分断補助線、611…上方補助線、612…下方補助線、613…膨出補助線、62…第2分断補助線、63…折り罫線、72…摘み部、81…非接着領域、83…剥離可能領域、10…付属物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
裏面に粘着剤層が設けられた第1基材と、前記第1基材の表面に接着された第2基材と、を有するラベルと、前記ラベルが前記粘着剤層を介して外面に接着された容器と、を備え、
前記第1基材の一部分に、第1基材を2分する分断線が形成されており、
前記分断線から前記ラベルの一方端までの領域において、前記第2基材が第1基材に対して剥離可能に接着されており、
前記分断線から前記ラベルの他方端側中途部までの領域において、前記第1基材が前記容器に対して非接着とされた非接着領域を有することを特徴とするラベル付き容器。
【請求項2】
裏面に粘着剤層が設けられた第1基材と、前記第1基材の表面に接着された第2基材と、を有するラベルと、前記ラベルが前記粘着剤層を介して外面に接着された容器と、を備え、
前記第1基材の一部分に、第1基材を2分する分断線が形成されており、
前記分断線よりも前記ラベルの一方端寄りの位置に、第2基材を2分するための第1分断補助線が形成されており、
前記分断線から前記第1分断補助線までの領域において、前記第2基材が前記第1基材に対して剥離可能に接着されており、
前記分断線から前記ラベルの他方端側中途部までの領域において、前記第1基材が前記容器に対して非接着とされた非接着領域を有することを特徴とするラベル付き容器。
【請求項3】
前記第1分断補助線よりも前記ラベルの一方端寄りの位置に、第2基材を2分するための第2分断補助線が形成されており、
前記第1分断補助線から前記第2分断補助線までの領域において、前記第2基材が前記第1基材に対して剥離可能に接着されている又は非接着とされている、請求項2に記載のラベル付き容器。
【請求項4】
前記第1分断補助線が、前記第1基材及び第2基材をそれぞれ2分するため、前記第1基材及び第2基材の双方に形成されており、
前記第1分断補助線よりも前記ラベルの一方端寄りの位置に、第1基材及び第2基材を2分するための第2分断補助線が形成されており、
前記第1分断補助線から前記第2分断補助線までの領域において、前記第1基材が容器に対して剥離可能に接着されている又は非接着とされている、請求項2に記載のラベル付き容器。
【請求項5】
前記第1分断補助線が、前記ラベルの一方端側に膨らむ部分を有する形状に形成されている、請求項3または4に記載のラベル付き容器。
【請求項6】
前記膨らむ部分の内側領域を区画するように、第1基材を2分する第2分断線が形成されている、請求項5に記載のラベル付き容器。
【請求項7】
前記容器の一部分に、付属物を収納するための凹状部が形成されており、
前記ラベルが、前記非接着領域によって前記凹状部を覆うように、前記容器の外面に貼付されている、請求項1〜6のいずれかに記載のラベル付き容器。
【請求項8】
裏面に第1粘着剤層が設けられた第1基材と、裏面に第2粘着剤層が設けられ且つ前記第2粘着剤層を介して前記第1基材に接着された第2基材と、を有し、
前記第1基材の一部分に、第1基材を2分する分断線が形成されており、
前記分断線よりも第2基材の一方端寄りの位置に、第2基材を2分するための第1分断補助線が形成されており、
前記分断線から前記第1分断補助線までの領域において、前記第2基材が前記第1基材に対して剥離可能に接着されており、
前記分断線から前記ラベルの他方端側中途部までの領域において、前記第1基材が、被着体に接着しないように構成されていることを特徴とするラベル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−163169(P2010−163169A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−4312(P2009−4312)
【出願日】平成21年1月13日(2009.1.13)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】