説明

ラベル剥離装置

【課題】 帯状台紙の折り返し角度をできるだけ小さいものに保持しつつ、剥離に係るラベルにできるだけ近い後位のラベルを検知できるようにし、帯状台紙の送りの停止時の位置決め精度の向上を図る。
【解決手段】 従ラベルLbを所定間隔で透光性の帯状台紙Dbに列設して仮着した従ラベル連続体Tbをその長手方向に沿って送出し、この送出過程で剥離板35により従ラベル連続体Tbを折り返すことにより従ラベルLbを剥離するもので、従ラベル連続体Tbの送出停止制御を行うための光センサHを備える。光センサHおいて、発光部Haからの光が、剥離板35の上面側の帯状台紙Dbを透過し、剥離板35の貫通孔36を通過して、剥離板35の下面側の帯状台紙Dbを透過するようにし、この透過した光を受光部Hbで受光するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベルを所定間隔で帯状台紙に列設して仮着したラベル連続体を折り返すことにより帯状台紙からラベルを剥離する際、剥離に係るラベルより後位にあるラベルを検知するラベルの検知方法及びラベル剥離装置に係り、特に、ラベルを発光部及び受光部を備えた光センサで検知するラベルの検知方法及びラベル剥離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のラベルの検知方法及びラベル剥離装置としては、例えば、先に本願出願人が提案した特許文献1(特開2001−10621号公報参照)に掲載されたものが知られている。図7に示すように、このラベル剥離装置200は、ラベルLeを所定間隔で透光性の帯状台紙Deに列設して仮着したラベル連続体Teをその長手方向に沿って送出し、この送出過程で剥離板201によりラベル連続体Teを折り返し、これにより帯状台紙DeからラベルLeを剥離する。このラベル剥離装置200においては、ラベル連続体Teの送出停止制御のために、剥離に係るラベルLe(i)より後位にあるラベルLe(ii)の位置を検知する光センサ202を備えている。光センサ202は、発光部202a及び受光部202bを備えて構成され、剥離板201の上流側に設けられている。発光部202aは、発光部202aから照射される光がラベルLeが仮着された帯状台紙Deを透過するように帯状台紙Deの表面側に配置されるとともに、受光部202bは、このラベルLeが仮着された帯状台紙Deを透過した光を受光するようにラベルLeが仮着された帯状台紙Deの裏面側に配置されている。
【0003】
そして、光センサ202の発光部202aが光を照射し、ラベル連続体TeのラベルLe及び帯状台紙De、または、ラベルLeとラベルLeとの間の帯状台紙Deのみを透過してきた光を受光部202bで受光し、図示外の制御部において受光部202bが受光した光量を測定することにより、例えば、剥離板201の先端部201aからの光センサ202に位置するラベルLe(ii)の位置を検知する。そして、このラベルLe(ii)の検知に基づいて、例えば、剥離に係るラベルLe(i)が帯状台紙Deから剥離して離脱した状態で、剥離に係るラベルの1つ後位のラベルLe(iii)が所定位置、例えば、ラベルLe(iii)の前端が剥離板201の先端部201aの位置に位置するように、ラベル連続体Teの搬送を一時的に停止する制御を行う。剥離されたラベルLe(i)は、例えば、周知のラベル貼付機構により物品に貼付される。
【0004】
【特許文献1】特開2001−10621号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この従来のラベル剥離装置200においては、剥離に係るラベルLe(i)よりも後位のラベルLe(ii)を検知するが、その検知は剥離板201よりも離れた上流側の、図では剥離に係るラベルLe(i)よりも4つ後位のラベルLe(ii)を検知しており、そのため、剥離に係るラベルLe(i)の1つ後位のラベルLe(iii)を所定位置(例えば、上記のラベルLeの前端が剥離板201の先端部201aの位置)に位置させるための演算が煩雑になるとともに、帯状台紙Deなどの撓みや伸びなどで生じる誤差の影響を受けて、必ずしも正確な位置決めができず、剥離精度に劣っているという問題があった。
【0006】
これを解決するために、光センサ202をできるだけ剥離板201に近づけて、例えば、剥離に係るラベルLe(i)よりも2つ後位のラベルLe(iv)を検知し、誤差の影響を低減することが考えられるが、しかしながら、剥離板201に近い部位は、剥離板201で折り返しされた帯状台紙Deがあるので、ラベルLeが仮着された帯状台紙DeとラベルLeの剥離後の帯状台紙Deとの間のスペース204が極めて狭いものになっており、そのため、受光部202bをこのスペース204に配置することが困難になってしまう。また、無理なく受光部202bを配置するために、剥離板201の帯状台紙Deの折り返し角度θを大きくしてスペース204を大きく取ることも考えられるが。折り返し角度θを大きくする分、ラベルLeの剥離が不確実になり、特に、ラベルLeが小さいものであると、ラベルLeが帯状台紙Deから剥離されず帯状台紙Deに仮着した状態で剥離板201で折り返されるという問題があった。
【0007】
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、帯状台紙の折り返し角度をできるだけ小さいものに保持しつつ、剥離に係るラベルにできるだけ近い後位のラベルを検知できるようにし、帯状台紙の送りの停止時の位置決め精度の向上を図ったラベルの検知方法及びラベル剥離装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明のラベルの検知方法は、ラベルを所定間隔で透光性の帯状台紙に列設して仮着したラベル連続体をその長手方向に沿って送出し、この送出過程で該ラベル連続体を折り返すことにより該帯状台紙からラベルを剥離する際、剥離に係るラベルより後位にあるラベルを光センサにより検知するラベルの検知方法において、
上記光センサを発光部及び受光部を備えて構成し、上記発光部から照射される光を、上記ラベルが仮着された帯状台紙を透過させるとともに、ラベルの剥離後の折り返された帯状台紙を透過させ、当該透過光を上記受光部に受光させて検知する構成としている。
【0009】
これにより、発光部と受光部とは、ラベルが仮着された帯状台紙とラベルの剥離後の折り返された帯状台紙とを挟んだ位置に位置させることができるので、帯状台紙の折り返し角度をできるだけ小さいものに保持しつつ、剥離に係るラベルにできるだけ近い後位のラベルを検知できるようになる。そのため、例えば、この光センサによるラベルの検知に基づいて、剥離に係るラベルの剥離後に、帯状台紙の送出を停止し、次の剥離に係るラベルを所定位置に位置決めする際、光センサは剥離に係るラベルにできるだけ近い後位のラベルを検知するので、次の剥離に係るラベルの移動において、帯状台紙などの撓みや伸びなどで生じる誤差の影響をほとんど受けることがなく、この次の剥離に係るラベルを所定位置に正確に位置決めできるようになる。その結果、ラベルの剥離を安定的に行わせることができ、剥離精度を向上させることができる。特に、小さいラベルにおいてきは極めて有用になる。
【0010】
この場合、上記光センサは、剥離に係るラベルより1つ後位にあるラベルを検知することが有効である。次に剥離されるラベルを直接検知して、位置決めできるので、より一層、正確に位置決めできるようになり、剥離精度を向上させることができる。
【0011】
また、上記の目的を達成するため、本発明のラベル剥離装置は、ラベルを所定間隔で透光性の帯状台紙に列設して仮着したラベル連続体をその長手方向に沿って送出し、この送出過程で該ラベル連続体を折り返すことによりラベルを剥離するラベル剥離装置であって、上記ラベルが仮着された帯状台紙を支持する上面,該帯状台紙が折り返される先端部及び該先端部から折り返されラベルの剥離後の帯状台紙が対面する下面を有した剥離板と、該剥離板の先端部より上流側に設けられ、剥離に係るラベルより後位にあるラベルの位置を検知する光センサとを備え、該光センサの検知に基づいて上記ラベル連続体の送出停止制御を行うようにしたラベル剥離装置において、
上記光センサを発光部及び受光部を備えて構成し、上記発光部を、該発光部から照射される光が、上記剥離板の上面側の帯状台紙を透過するとともに該剥離板の下面側の帯状台紙を透過するように配置し、上記受光部を、上記剥離板の下面側の帯状台紙を透過した光を受光するように配置した構成としている。
【0012】
これにより、ラベル連続体が送出されると、ラベルが仮着された帯状台紙は、剥離板の上面に支持され、剥離板の先端部で折り返され、剥離板の下面に対面して移動していく。剥離板の先端部では帯状台紙の折り返しによりラベルが剥離される。一方、光センサにおいては、剥離に係るラベルより後位にあるラベルの位置を検知しており、この光センサの検知に基づいて、剥離に係るラベルの剥離後に、帯状台紙の送出を停止し、次の剥離に係るラベルを所定位置に位置決めする。そして、例えば、他からの送出指令により、再び帯状台紙を送出し、ラベルの剥離を行う。
【0013】
このラベル剥離装置においては、発光部と受光部とは、ラベルが仮着された帯状台紙とラベルの剥離後の折り返された帯状台紙とを挟んだ位置に位置させられているので、帯状台紙の折り返し角度をできるだけ小さいものに保持しつつ、剥離に係るラベルにできるだけ近い後位のラベルを検知できるようになる。そのため、この光センサによるラベルの検知に基づいて、剥離に係るラベルの剥離後に、帯状台紙の送出を停止し、次の剥離に係るラベルを所定位置に位置決めする際、光センサは剥離に係るラベルにできるだけ近い後位のラベルを検知することができるので、次の剥離に係るラベルの移動において、帯状台紙などの撓みや伸びなどで生じる誤差の影響をほとんど受けることがなく、この次の剥離に係るラベルを所定位置に正確に位置決めできるようになる。その結果、ラベルの剥離を安定的に行わせることができ、剥離精度を向上させることができる。特に、小さいラベルにおいてきは極めて有用になる。
【0014】
そして、必要に応じ、上記剥離板の先端部側に、上面から下面に亘る貫通孔を形成し、
上記発光部を、該発光部から照射される光が、上記剥離板の上面側の帯状台紙を透過し、該剥離板の貫通孔を通過して、該剥離板の下面側の帯状台紙を透過するように、該剥離板の上面の上方に配置し、上記受光部を、上記剥離板の下面側の帯状台紙を透過した光を受光するように、該剥離板の下面の下方に配置した構成としている。
これにより、剥離板の先端部側に貫通孔を形成し、この貫通孔を通して、発光部からの光が受光部に至るので、より一層剥離に係るラベルに近い後位のラベルを検知することができ、次の剥離に係るラベルをより確実に所定位置に正確に位置決めできるようになる。
【0015】
この場合、上記光センサは、剥離に係るラベルより1つ後位にあるラベルを検知することが有効である。次に剥離されるラベルを直接検知して、位置決めできるので、より一層、正確に位置決めできるようになり、剥離精度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、発光部と受光部とは、ラベルが仮着された帯状台紙とラベルの剥離後の折り返された帯状台紙とを挟んだ位置に位置させることができるので、帯状台紙の折り返し角度をできるだけ小さいものに保持しつつ、剥離に係るラベルにできるだけ近い後位のラベルを検知できるようになる。そのため、例えば、この光センサによるラベルの検知に基づいて、剥離に係るラベルの剥離後に、帯状台紙の送出を停止し、次の剥離に係るラベルを所定位置に位置決めする際、光センサは剥離に係るラベルにできるだけ近い後位のラベルを検知するので、次の剥離に係るラベルの移動において、帯状台紙などの撓みや伸びなどで生じる誤差の影響をほとんど受けることがなく、この次の剥離に係るラベルを所定位置に正確に位置決めできるようになる。その結果、ラベルの剥離を安定的に行わせることができ、剥離精度を向上させることができる。特に、小さいラベルにおいてきは極めて有用になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係るラベル剥離装置が搭載された表示ラベル作成装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るラベル剥離装置が搭載された表示ラベル作成装置を示し、(a)は主ラベル搭載ユニットを前側に移動させた状態の正面図、(b)は主ラベル搭載ユニットを後側に移動させた状態の正面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るラベル剥離装置が搭載された表示ラベル作成装置を示し、(a)は従ラベル搭載ユニットを前側に移動させた状態の側面図、(b)は従ラベル搭載ユニットを後側に移動させた状態の側面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るラベル剥離装置の要部を示し、(a)は従ラベル連続体を送出している状態を示す図、(b)は従ラベル連続体の送出を停止した状態を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るラベル剥離装置が搭載された表示ラベル作成装置において従ラベル貼付機構の吸着板に対して主ラベルの位置調整を行う状態を示す図であり、(a)は主ラベルを貼付テーブルに対して後側に移動させた状態の要部斜視図、(b)は主ラベルを貼付テーブルに対して前側に移動させた状態の要部斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るラベル剥離装置が搭載された表示ラベル作成装置において従ラベル貼付機構の吸着板を主ラベルに対して位置調整を行う状態を示す要部斜視図である。
【図7】従来のラベル剥離装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係るラベル剥離装置について説明する。本発明の実施の形態に係るラベル剥離装置は、表示ラベル作成装置に搭載されているので、この表示ラベル作成装置とともに説明する。
図1乃至図4には、本発明の実施の形態に係るラベル剥離装置30が搭載された表示ラベル作成装置Sを示している。表示ラベル作成装置Sは、表面に情報が表示され裏面に粘着層を有した主ラベルLaの予め指定された所定位置、例えば、バーコードを印字した位置に、主ラベルLaよりも小さく形成され裏面に粘着層を有したホログラムシートからなる従ラベルLbを貼付した表示ラベルLを作成するものである。ホログラムシートとしては、例えば、透明タイプ、ホログラムを見易くするための反射層を有したタイプの2種類がある。主ラベルLaは、例えば、白色PETや白色PETの表面に樹脂組成物をコーティングしたものを用いることができ、表面の印字面が後述の印字部によって印字可能になっている。
【0019】
実施の形態においては、主ラベルLaを所定間隔で帯状台紙Daに列設して仮着した主ラベル連続体Taを用いるとともに、従ラベルLbを所定間隔で帯状台紙Dbに列設して仮着した従ラベル連続体Tbを用いる。従ラベルLbの帯状台紙Dbは、透光性、実施の形態では透明な樹脂フィルムで形成されている。主ラベル連続体Ta及び従ラベル連続体Tbは、夫々、ロール状に巻回されている。本発明の実施の形態に係るラベル剥離装置30は、従ラベル連続体Tbのために機能する。
【0020】
表示ラベル作成装置Sの基本的構成は、機台1と、主ラベル連続体Taをその長手方向に沿って搬送する主ラベル搬送機構10と、従ラベル連続体Tbを搬送し、搬送される従ラベル連続体Tbの従ラベルLbを帯状台紙Dbから剥離して主ラベル連続体Taの主ラベルLaの表面に貼付する従ラベル貼付機構20とを備えてなる。そして、本発明の実施の形態に係るラベル剥離装置30は、この従ラベル貼付機構20に搭載される。
【0021】
機台1は、接地される基板2と、基板2の中央に立設された第一立設板3と、第一立設板3の前端に連設されて基板2に立設されるとともに第一立設板3とは直交する面を有した第二立設板4とを有している。また、機台1には、主ラベル搬送機構10で搬送される主ラベル連続体Taを、主ラベル連続体Taの搬送過程で支承し従ラベルLbの貼付を行なわせる貼付テーブル5が設けられている。上記の第二立設板4には、主ラベル搬送機構10で搬送される主ラベル連続体Taが通過する通過口6が形成されており、貼付テーブル5は、この第一立設板3の前面であって通過口6に連続して支持されている。更に、機台1には各種制御を行う図示外の制御部が搭載されるとともに、装置を覆う図示外のカバーが設けられる。
【0022】
主ラベル搬送機構10は、図1及び図2に示すように、機台1の第一立設板3に支持される第一ベース板11と、第一ベース板11に設けられロール状の主ラベル連続体Taの帯状台紙Daを巻き戻して主ラベル連続体Taを供給する供給リール12と、第一ベース板11に設けられ供給リール12からの主ラベル連続体Taを第二立設板4の通過口6を通過させ貼付テーブル5に支承させて排出できるようにガイドするガイド部13と、機台1の基板2の第一立設板3よりも前方に設けられ貼付テーブル5からの主ラベル連続体Taを牽引して搬送する一対の搬送ローラ14とを備えている。搬送ローラ14は基板2に設けられた支持部材15に支持され、電動モータ14aにより駆動される。
【0023】
また、貼付テーブル5の上流側であって上記の第一ベース板11には、主ラベル連続体Taの主ラベルLaに所要の情報を印字して表示する印字部16が設けられている。印字部16は、帯状台紙Daに仮着された主ラベルLaに印字するためのサーマル型の印字ヘッド16a及びプラテン16bから構成されている。また、図示外の制御部により、上記の搬送ローラ14の電動モータ14aを駆動して主ラベル連続体Taの搬送を行いながら印字部16による印字を行わせ、印字終了後に搬送ローラ14の電動モータ14aを従ラベルLbの貼付期間中停止させる。即ち、主ラベル搬送機構10は、搬送ローラ14の電動モータ14aの制御により、印字部16から主ラベル連続体Taを所定長さ搬送して、従ラベルLbの貼付に係る主ラベルLaを、貼付テーブル5上に、従ラベル貼付機構20による従ラベルLbの貼付期間中停止させるように構成されている。また、プラテン16bは、図示外の電動モータにより駆動されるが、駆動のタイミングは電動モータ14aの駆動に連動して主ラベル連続体Taの搬送を行う。
【0024】
更に、主ラベル搬送機構10においては、図2及び図5に示すように、印字部16を貼付テーブル5に対して移動可能にして、主ラベルLaの貼付テーブル5に対する停止位置を可変にしている。詳しくは、図2に示すように、主ラベル搬送機構10において、印字部16,供給リール12及びガイド部13を第一ベース板11に搭載した主ラベル搭載ユニットUaを構成し、この主ラベル搭載ユニットUaを貼付テーブル5上の主ラベルLaの搬送方向に沿って移動可能且つ所望の位置で位置決め可能に機台1に支持している。具体的には、第一立設板3に、貼付テーブル5上の主ラベルLaの搬送方向に沿う方向のレール17を上下に一対設け、このレール17に対してスライダ(図示せず)をスライド移動可能に支持し、このスライダにネジ18を介して第一ベース板11を支持している。そして、ネジ18を締め付けることによりスライダをレール17に固定して第一ベース板11の印字部16を位置決めし、ネジ18を緩めることによりスライダのスライドを許容して第一ベース板11の印字部16を移動可能にしている。レール17にはネジ18の移動範囲、即ち、第一ベース板11の移動範囲(印字部16の移動範囲)を規定する長孔19が設けられており、第一ベース板11はこの移動範囲で移動可能になっている。
【0025】
従ラベル貼付機構20は、図1乃至図6に示すように、従ラベル連続体Tbをその長手方向に沿って搬送し、搬送される従ラベル連続体Tbの従ラベルLbを帯状台紙Dbから剥離し、剥離した従ラベルLbを、主ラベル連続体Taの搬送過程で、貼付テーブル5上にある主ラベル連続体Taの主ラベルLaの表面に貼付し、主ラベル連続体Taの帯状台紙Da上に表示ラベルLを形成するものである。詳しくは、従ラベル貼付機構20は、機台1の第二立設板4に支持される第二ベース板21と、第二ベース板21に設けられ従ラベル連続体Tbをその長手方向に沿って搬送するとともに従ラベルLb搬送部による従ラベル連続体Tbの搬送過程で従ラベル連続体Tbの帯状台紙Dbを折り返して該帯状台紙Dbに仮着された従ラベルLbを剥離する本発明の実施の形態に係るラベル剥離装置30と、第二ベース板21に設けられラベル剥離装置30により剥離された従ラベルLbをその表側から吸着面に吸着する吸着位置X及び該吸着した従ラベルLbを貼付テーブル5上の帯状台紙Daに仮着された主ラベルLaに貼付する貼付位置Yに移動させられる吸着板41を有した貼付部40とを備えて構成されている。
【0026】
本発明の実施の形態に係るラベル剥離装置30は、図1乃至図3に示すように、従ラベル連続体Tbの帯状台紙Dbを巻き戻して供給する供給リール31と、本装置30の後流側に設けられ従ラベル連続体Tbを牽引して搬送する一対の搬送ローラ32(図3)と、従ラベル連続体Tbをガイドするガイドローラ33,34とを備えている。搬送ローラ32は、図示外の電動モータにより駆動される。38は従ラベルが剥離された後の帯状台紙Dbを装置の側方に排出するために帯状台紙Dbをガイドするガイド部材である。
【0027】
また、ラベル剥離装置30は、図4に示すように、供給リール31から送出された従ラベル連続体Tbの帯状台紙Dbを折り返してこの帯状台紙Dbに仮着された従ラベルLbを剥離する剥離板35を備えている。剥離板35は、従ラベルLbが仮着された帯状台紙Dbを支持する上面35a,帯状台紙Dbが折り返される先端部35b及び先端部35bから折り返され従ラベルLbの剥離後の帯状台紙Dbが対面する下面35cを有して構成されている。また、剥離板35の先端部35b側には、上面35aから下面35cに亘る貫通孔36が形成されている。
【0028】
このラベル剥離装置30においては、図4に示すように、剥離板35の先端部35bより上流側に設けられ、剥離に係る従ラベルLb(i)より後位にある従ラベルLb(ii)の位置を検知する光センサHが設けられている。光センサHは、第二ベース板21に支持部材37を介して設けられており、発光部Ha及び受光部Hbを備えて構成されている。発光部Haは、例えば赤色LEDで構成され、この発光部Haから照射される光が、剥離板35の上面35a側の帯状台紙Dbを透過し、剥離板35の貫通孔36を通過して、剥離板35の下面35c側の帯状台紙Dbを透過するように配置されている。また、受光部Hbは、例えばフォトICダイオードで構成され、剥離板35の下面35c側の帯状台紙Dbを透過した光を受光するように配置されている。
【0029】
実施の形態では、光センサHは、剥離される従ラベルLb(i)の1つ後位に位置する従ラベルLb(ii)の先端を検知する。図示外の制御部は、この光センサHの検知に基づいて従ラベル連続体Tbの送出停止制御を行う。具体的には、光センサHの検知に基づいて搬送ローラ32の電動モータの停止を行う。停止のタイミングは、図4(b)示すように、剥離される従ラベルLb(i)の1つ後位に位置する従ラベルLb(ii)の先端を検知してから、この検知に係る従ラベルLbの先端が剥離板35の先端部35bに位置したところで停止させる。そして、制御部は、後述の吸着板41による従ラベルLbの貼付後の所定時期に、始動指令に基づいて再び搬送ローラ32の電動モータを始動して従ラベル連続体Tbを搬送する。
【0030】
また、従ラベル貼付機構20の貼付部40において、吸着板41は、ラベル剥離装置30により剥離された従ラベルLbをその表側から吸着面に吸着する吸着位置X及び吸着した従ラベルLbを上記の貼付テーブル5上の帯状台紙Daに仮着された主ラベルLaに貼付する貼付位置Yに移動させられる。吸着板41は、シリンダ42及びピストン43からなるエアシリンダ装置44により吸着位置X及び貼付位置Yに移動させられる。エアシリンダ装置44のシリンダ42は第二ベース板21に支持されている。
【0031】
更に、従ラベル貼付機構20においては、図3及び図6に示すように、吸着板41の吸着位置を貼付テーブル5上の主ラベルLaの搬送方向に交差する方向沿って可変にしている。詳しくは、図3に示すように、従ラベル貼付機構20において、ラベル剥離装置30及び貼付部40を第二ベース板21に搭載した従ラベル搭載ユニットUbを構成し、この従ラベル搭載ユニットUbを主ラベルLaの搬送方向に直交する方向に移動可能且つ所望の位置で位置決め可能に機台1に支持している。具体的には、第二立設板4に、貼付テーブル5上の主ラベルLaの搬送方向に直交する方向に沿う方向のレール22を上下に一対設け、このレール22に対してスライダ(図示せず)をスライド移動可能に支持し、このスライダにネジ23を介して第二ベース板21を支持している。そして、ネジ23を締め付けることによりスライダをレール22に固定して第二ベース板21の吸着板41の吸着位置を位置決めし、ネジ23を緩めることによりスライダのスライドを許容して第二ベース板21の吸着板41の吸着位置を移動可能にしている。レール22にはネジ23の移動範囲、即ち、第二ベース板21の移動範囲(吸着板41の移動範囲)を規定する長孔24が設けられており、第二ベース板21はこの移動範囲で移動可能になっている。
【0032】
このように、主ラベル搭載ユニットUaを貼付テーブル5上の主ラベルLaの搬送方向に沿って移動可能且つ所望の位置で位置決め可能に機台1に支持し、従ラベル搭載ユニットUbを主ラベルLaの搬送方向に直交する方向に移動可能且つ所望の位置で位置決め可能に機台1に支持することにより、従ラベル貼付機構20が主ラベルLaの所定位置に従ラベルLbを貼付できるように、従ラベル貼付機構20の主ラベルLaに対する相対的な貼付位置を調整可能にしている。
【0033】
従って、本発明の実施の形態に係るラベル剥離装置30が搭載された表示ラベル作成装置Sにおいて、表示ラベルLを製造するときは、以下のように行われる。
先ず、従ラベル貼付機構20の吸着板41が主ラベルLaの所定位置、例えば、バーコードが印字された位置に、従ラベルLbを貼付できるように、従ラベル貼付機構20の主ラベルLaに対する相対的な貼付位置を調整する。
この場合、図2及び図5に示すように、主ラベル搭載ユニットUaを貼付テーブル5上の主ラベルLaの搬送方向に沿って移動させ所望の位置で位置決めする。これにより、主ラベル搬送機構10による印字部16からの主ラベル連続体Taの搬送長さが所定長さになっているので、印字部16の位置を移動させて所要の位置に位置させることにより、主ラベルLaの貼付テーブル5に対する停止位置を変え、貼付テーブル5上において主ラベルLaの搬送方向の吸着板41に対する相対位置を調整して決定することができる。
【0034】
また、図3及び図6に示すように、従ラベル搭載ユニットUbを主ラベルLaの搬送方向に直交する方向に移動させ所望の位置で位置決めする。これにより、従ラベル貼付機構20の吸着板41の吸着位置を変え、貼付テーブル5上において主ラベルLaの搬送方向に直交する方向の吸着板41に対する相対位置を調整して決定することができる。このため、印字部16及び吸着板41の位置調整方向が夫々互いに貼付ステージの面上において直交する一方向なので、それだけ、機構を簡易にすることができるとともに、操作性が極めて良いものになる。これにより、主ラベルLaの表示内容や大きさ等が異なって従ラベルLbの貼付位置が異なっても、この貼付位置を容易に調整することができる。
【0035】
この状態で、表示ラベル作成装置Sを駆動する。図2に示すように、主ラベル搬送機構10においては、電動モータ14aが始動して搬送ローラ14が作動し主ラベル連続体Taを搬送する。この搬送過程では、印字部16により帯状台紙Daに仮着された主ラベルLaに所定の情報が印字される。そして、印字が終了後、電動モータ14aが停止して搬送ローラ14が停止し貼付に係る主ラベルLaが貼付テーブル5の支承面の所定位置に位置決めされる。
【0036】
一方、図3に示すように、従ラベル貼付機構20においては、図示外の電動モータが始動して搬送ローラ32が作動し従ラベル連続体Tbを搬送する。この従ラベル連続体Tbの搬送過程で、図4(a)に示すように、ラベル剥離装置30の剥離板35により従ラベル連続体Tbの帯状台紙Dbが折り返され、帯状台紙Dbに仮着された従ラベルLbが剥離されて、吸着板41に送り出される。この剥離された従ラベルLbは、吸着位置Xに位置決めされた吸着板41により吸着される。一方、光センサHが剥離に係り吸着される従ラベルLb(i)の1つ後位の従ラベルLb(ii)の先端を検知すると、この検知に基づいて電動モータが停止され、搬送ローラ32が停止させられて、図4(b)示すように、この検知に係る従ラベルLb(ii)をその先端が剥離板35の先端部35bに位置したところで位置決めする。
【0037】
この場合、発光部Haと受光部Hbとは、従ラベルLbが仮着された帯状台紙Dbと従ラベルLbの剥離後の折り返された帯状台紙Dbとを挟んだ位置に位置させられているので、帯状台紙Dbの折り返し角度をできるだけ小さいものに保持でき、そのため、従ラベルLbの剥離が確実に行われる。
また、この場合、発光部Haと受光部Hbとは、従ラベルLbが仮着された帯状台紙Dbと従ラベルLbの剥離後の折り返された帯状台紙Dbとを挟んだ位置に位置させた関係上、即ち、剥離板35の先端部35b側に貫通孔36を形成し、この貫通孔36を通して、発光部Haからの光を受光部Hbに至らせしめる関係上、剥離に係る従ラベルLbより1つ後位にある従ラベルLbを検知している。そのため、この光センサHによる従ラベルLbの検知に基づいて、剥離に係る従ラベルLbの剥離後に、帯状台紙Dbの送出を停止し、次の剥離に係る従ラベルLbを所定位置(従ラベルLbの先端が剥離板35の先端部35bに位置した位置)に位置決めする際、次の剥離に係る従ラベルLbの移動において、帯状台紙Dbなどの撓みや伸びなどで生じる誤差の影響をほとんど受けることがなく、この次の剥離に係る従ラベルLbを所定位置に正確に位置決めできるようになる。その結果、従ラベルLbの剥離を安定的に行わせることができ、剥離精度を向上させることができる。特に、小さい従ラベルLbにおいて極めて有用になる。
【0038】
そして、エアシリンダ装置44が作動させられ、吸着板41は吸着位置Xから貼付位置Yに移動させられ、従ラベルLbが主ラベルLaに貼付され、主ラベル連続体Taの帯状台紙Da上に表示ラベルLが形成される。その後、エアシリンダ装置44が作動させられ吸着板41は貼付位置Yから吸着位置Xに移動させられる。
【0039】
この場合、吸着板41により従ラベルLbを吸着して主ラベルLaに貼付するので、確実に従ラベルLbが主ラベルLaに貼付される。即ち、主ラベル連続体Taの搬送過程で、従ラベル貼付機構20が、搬送される従ラベル連続体Tbの従ラベルLbを帯状台紙Dbから剥離し、この剥離した従ラベルLbを、主ラベル連続体Taの主ラベルLaの表面に貼付するので、主ラベル連続体Taの帯状台紙Da上に表示ラベルLが自動的に形成される。例えば、主ラベルLaよりも小さく形成され裏面に粘着層を有したホログラムシートからなる従ラベルLbを貼付する表示ラベルLの場合、表面に情報が表示された主ラベルLaの予め指定された所定位置、例えば、バーコードを印字した位置に、従ラベルLbを貼付することができるようになる。このようにして、順次、従ラベルLbが主ラベルLaの表面に貼付され、主ラベル連続体Taの帯状台紙Da上に表示ラベルLが自動的に形成される。
【0040】
また、別の種類の表示ラベルLを作成するときは、図2及び図5,図3及び図6に示すように、上記と同様に、主ラベル搭載ユニットUaを貼付テーブル5上の主ラベルLaの搬送方向に沿って移動させて所望の位置で位置決めし、従ラベル搭載ユニットUbを主ラベルLaの搬送方向に直交する方向に移動させて所望の位置で位置決めし、従ラベル貼付機構20が主ラベルLaの所定位置に従ラベルLbを貼付できるように、従ラベル貼付機構20の主ラベルLaに対する相対的な貼付位置を調整する。従って、主ラベルLaの表示内容や大きさ等が異なると、従ラベルLbの貼付位置も異なるが、本装置では、この貼付位置を予め調整することで、従ラベル貼付機構20が主ラベルLaの所定位置に従ラベルLbを貼付できるようになり、種々の表示ラベルLに対応できるようになる。
【0041】
尚、上記実施の形態においては、本発明を表示ラベル作成装置Sに搭載したラベル剥離装置30の例で示したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、本発明を、ラベルを剥離する機能だけを備え、剥離に係るラベルを手で取り出して物品に貼付できるようにした単独の装置に適用しても良い。この場合、光センサによる制御においては、剥離に係るラベルを手で取り出して、物品に貼付できるように、例えば、剥離に係るラベルをその後端が帯状台紙に仮着し前端側が剥離板の先端部から突出した所定の位置に位置するように、ラベル連続体の搬送を一時的に停止するように制御する。また、卓上プリンタにおいて剥離ユニットを搭載したものや、ラベル貼付装置等でも容易に実施可能であることは言うまでも無い。
【符号の説明】
【0042】
S 表示ラベル作成装置
L 表示ラベル
La 主ラベル
Da 帯状台紙
Ta 主ラベル連続体
Lb 従ラベル
Db 帯状台紙
Tb 従ラベル連続体
1 機台
3 第一立設板
4 第二立設板
5 貼付テーブル
10 主ラベル搬送機構
11 第一ベース板
14 搬送ローラ
14a 電動モータ
16 印字部
Ua 主ラベル搭載ユニット
17 レール
20 従ラベル貼付機構
21 第二ベース板
22 レール
30 ラベル剥離装置
32 搬送ローラ
35 剥離板
35a 上面
35b 先端部
35c 下面
36 貫通孔
H 光センサ
Ha 発光部
Hb 受光部
40 貼付部
41 吸着板
X 吸着位置
Y 貼付位置
44 エアシリンダ装置
Ub 従ラベル搭載ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベルを所定間隔で透光性の帯状台紙に列設して仮着したラベル連続体をその長手方向に沿って送出し、この送出過程で該ラベル連続体を折り返すことにより該帯状台紙からラベルを剥離する際、剥離に係るラベルより後位にあるラベルを光センサにより検知するラベルの検知方法において、
上記光センサを発光部及び受光部を備えて構成し、上記発光部から照射される光を、上記ラベルが仮着された帯状台紙を透過させるとともに、ラベルの剥離後の折り返された帯状台紙を透過させ、当該透過光を上記受光部に受光させて検知することを特徴とするラベルの検知方法。
【請求項2】
上記光センサは、剥離に係るラベルより1つ後位にあるラベルを検知することを特徴とする請求項1記載のラベル剥離装置。
【請求項3】
ラベルを所定間隔で透光性の帯状台紙に列設して仮着したラベル連続体をその長手方向に沿って送出し、この送出過程で該ラベル連続体を折り返すことによりラベルを剥離するラベル剥離装置であって、
上記ラベルが仮着された帯状台紙を支持する上面,該帯状台紙が折り返される先端部及び該先端部から折り返されラベルの剥離後の帯状台紙が対面する下面を有した剥離板と、該剥離板の先端部より上流側に設けられ、剥離に係るラベルより後位にあるラベルの位置を検知する光センサとを備え、該光センサの検知に基づいて上記ラベル連続体の送出停止制御を行うようにしたラベル剥離装置において、
上記光センサを発光部及び受光部を備えて構成し、上記発光部を、該発光部から照射される光が、上記剥離板の上面側の帯状台紙を透過するとともに該剥離板の下面側の帯状台紙を透過するように配置し、上記受光部を、上記剥離板の下面側の帯状台紙を透過した光を受光するように配置したことを特徴とするラベル剥離装置。
【請求項4】
上記剥離板の先端部側に、上面から下面に亘る貫通孔を形成し、
上記発光部を、該発光部から照射される光が、上記剥離板の上面側の帯状台紙を透過し、該剥離板の貫通孔を通過して、該剥離板の下面側の帯状台紙を透過するように、該剥離板の上面の上方に配置し、上記受光部を、上記剥離板の下面側の帯状台紙を透過した光を受光するように、該剥離板の下面の下方に配置したことを特徴とする請求項3記載のラベル剥離装置。
【請求項5】
上記光センサは、剥離に係るラベルより1つ後位にあるラベルを検知することを特徴とする請求項3または4記載のラベル剥離装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−218744(P2012−218744A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83555(P2011−83555)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)サトーホールディングス株式会社 (1,153)
【Fターム(参考)】