説明

ラベル印刷装置

【課題】RFIDタグを更に有効に利用しうる機器としてのラベル印刷装置を提供するものである。
【解決手段】 本発明に係るラベル印刷装置は、与えられた印刷データに基づいてラベルLBに印刷を行う印刷ユニット11と、RFIDタグ110に記憶された複数項目のデータを該RFIDタグ110と通信を行なうリーダ20によって読み出して取得するデータ取得手段12(S2)と、ラベルLBの印刷形式を表す印刷形式情報を記憶する記憶手段13と、前記取得した複数項目のデータから記憶手段13に記憶された印刷形式情報にて表される印刷形式に従った一または複数の項目のデータを印刷データとして生成し、該印刷データを印刷ユニット11に与える印刷制御手段12(S6)とを有する構成となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFID(Radio Frequency Identification)タグと協働するラベル印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、RFID(Radio Frequency Identification)タグから読み出した識別情報を用いて印刷の制御を行なう画像情報装置(印刷装置)が提案されている(特許文献1参照)。この画像情報装置は、RFIDタグの貼付された原稿から画像を読取った際に、RFIDタグから識別情報を読み取り、その画像と識別情報とを対応付けて登録する。そして、原稿の画像を読取る際にRFIDタグから読取られる識別情報が既に登録されているものであれば、それに対応する画像を用いて印刷処理がなされる。このような画像情報装置によれば、原稿画像の再印刷を効率的に行なうことができるようになる。
【特許文献1】特開2005−319672号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、RFIDタグには、前述したようなユニークな識別情報を格納する領域のほかに、ユーザが自由に利用することのできる記憶領域がある。しかし、前述した従来の画像情報装置(印刷装置)は、そのような記憶領域内に書き込まれた情報を利用するものではなく、RFIDタグを有効に利用し得るものではなかった。
また、近頃では、RFIDタグ内のユーザが自由に利用することのできる記憶領域を使用し、製品の流通過程での情報や野菜や果物へ与えた農薬の種類や量などのトレース情報を記憶させる技術も普及してきたが、上記はRFIDタグに記憶された情報を読込み、膨大な情報を記憶できるサーバー等にその情報を蓄積し、インターネットを介してRFIDタグに記憶された情報を開示および管理するものとして使用するもので、流通や物流等でラベルに印刷するラベル印刷装置での活用は考慮されていなかった。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、RFIDタグを更に有効に利用しうる機器としてのラベル印刷装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るラベル印刷装置は、与えられた印刷データに基づいてラベルに印刷を行う印刷ユニットと、RFIDタグに記憶された複数項目のデータを該RFIDタグと通信を行なうリーダによって読み出して取得するデータ取得手段と、ラベルの印刷形式を表す印刷形式情報を記憶する記憶手段と、前記取得した複数項目のデータから前記記憶手段に記憶された印刷形式情報にて表される印刷形式に従った一または複数の項目のデータを印刷データとして生成し、該印刷データを前記印刷ユニットに与える印刷制御手段とを有する構成となる。
【0006】
このような構成により、RFIDタグに記憶された複数項目のデータからラベルの印刷形式に従った一または複数の項目のデータが印刷データとして生成され、その印刷データが印刷ユニットに与えられるので、その一または複数の項目が前記印刷形式にて印刷されたラベルを得ることができる。
【0007】
また、本発明に係るラベル印刷装置は、与えられた印刷データに基づいてラベルに印刷を行う印刷ユニットと、収納箱に取付けられ該収納箱に収納された一または複数の物品に関する複数項目のデータを記憶したRFIDタグと通信を行なうリーダによって前記物品に関する複数項目のデータを読み出して取得するデータ取得手段と、ラベルの印刷形式を表す印刷形式情報を記憶する記憶手段と、前記取得した物品に関する複数項目のデータから前記記憶手段に記憶された印刷形式情報にて表される印刷形式に従った一または複数の項目のデータを印刷データとして生成し、該印刷データを前記印刷ユニットに与える印刷制御手段とを有する構成となる。
【0008】
このような構成により、RFIDタグに記憶された収納箱に収納された一または複数の物品に関する複数項目のデータからラベルの印刷形式に従った一または複数の項目のデータが印刷データとして生成され、その印刷データが印刷ユニットに与えられるので、収納箱に収納された一または複数の物品に関する一または複数の項目が前記印刷形式にて印刷されたラベルを得ることができる。このラベルの印刷項目から前記収納箱に収納された一または複数の物品に関する事柄を容易に知ることができる。
【0009】
また、本発明に係るラベル印刷装置は、前記印刷ユニットでのラベルの印刷が終了した後に、前記RFIDタグと通信を行なうライタによって所定の情報を前記RFIDタグに書き込む情報書き込み制御手段を備えた構成とすることができる。
【0010】
このような構成により、ラベルの印刷後に所定の情報がRFIDタグに書き込まれるので、その情報をもってラベル印刷の事実をRFIDタグに追記することができるようになる。
【0011】
また、本発明に係るラベル印刷装置は、前記印刷形式情報を外部から取得する印刷形式情報取得手段を有し、その取得された印刷形式情報を前記記憶手段に記憶させるように構成することができる。
【0012】
このような構成により、印刷形式情報を外部から取得するようにしているので、RFIDタグに記憶された複数項目に含まれる一または複数の項目を種々の印刷形式にてラベル印刷することができるようになる。
【0013】
前記印刷形式情報は、例えば、制御用のコンピュータ(PC)等の外部の機器から有線または無線にて取得することも、あるいは、メモリカードのような着脱可能な記憶媒体から取得することもできる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るラベル印刷装置によれば、RFIDタグに記憶された複数項目のデータに含まれる一または複数の項目が当該ラベル印刷装置に記憶された印刷形式情報にて表される印刷形式にて印刷されたラベルを得ることができるようになるので、RFIDタグを更に有効に利用しうる機器としてのラベル印刷装置を実現することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0016】
本発明に係るラベル印刷装置は、図1に示すような物流工程に設置される。この例では、コンベア50によって搬送される通い箱100にRFIDタグ110が取付けられている。そして、コンベア50の上流では、作業者が配送商品リストに従って商品棚から該当する商品(物品)を順次通い箱100に投入する(ピッキング)。前記商品リストに記載される一または複数の商品に関するデータはその商品を投入すべき通い箱100に取付けられたRFIDタグ110に予め書き込まれている。このようにして商品の投入された通い箱100がコンベア50によって最下流位置まで搬送され、その商品が通い箱100から梱包箱200に詰め替えられる。そして、その梱包箱200が配送先まで輸送される。
【0017】
商品を通い箱100から梱包箱200に詰め替える工程に、ラベル印刷装置10及びRFIDタグ110と無線通信を行なうリーダ・ライタ20が設置されている。ラベル印刷装置10は、図2に示すように構成される。図2において、ラベル印刷装置10は、印刷ユニット11、制御ユニット12及び記憶ユニット13を有している。印刷ユニット11は、ラベル用紙11aがセットされており、制御ユニット12からの印刷データに基づいてラベル用紙11aにラベル1枚分の印刷を行って印刷済みのラベルLBをラベル用紙11aから切り出す。
【0018】
RFIDタグ110に格納されているデータの構造が予め定義されており、制御ユニット12はそのデータの構造を認識している。なお、制御ユニット12がそのデータの構造を認識するための手法は特に限定されず、そのデータ構造を表す情報を予め記憶するものであっても、そのデータ構造を前提とする手順に従った処理のプログラムとして認識するものであってもよい。RFIDタグ110に格納されているデータの構造は、例えば、図3に示すようになっている。図3において、このデータは36項目によって定義されており、1番目の項目が「配送先名」、2番目の項目が「配送先住所」、3番目の項目が「未使用」に割当てられ、4番目の項目から33番目の項目までが3項目ずつ1つのアイテム(商品に対応)として定義され、各アイテムの3つの項目が「商品名」、「商品コード」及び「必要数量」に割当てられている。また、34番目の項目から36番目の項目が終端データとして定義され、34番目の項目が「合計数量」に割当てられると共に35番目及び36番目のそれぞれの項目が「未使用」に割当てられている。そして、各項目とも可変長データで表される。
【0019】
記憶ユニット13には印刷ユニット11でのラベルLBの印刷形式を表す印刷形式情報が格納されている。この印刷形式情報は、例えば、図4に示すようになっている。図4において、この印刷形式情報は、配送先欄A、総個数欄B、配送先住所欄C及び商品リスト欄DのラベルLB内での位置、形状、タイトル文字(商品名、個数、総個数、個)の大きさ、位置等を定義すると共に、各欄に印刷すべき情報をRFIDタグ110に格納されたデータの項目番号(図3参照)にて定義している。即ち、配送先欄Aに印刷すべき情報が項目番号「1」(配送先名)にて定義され(%1%)、総個数欄Bに印刷すべき情報が項目番号「34」(合計数量)にて定義され(%34%)、配送先住所欄Cに印刷すべき情報が項目番号「2」(配送先住所)にて定義されている。また、商品リスト欄Dにおける「商品名」の欄に印刷すべき情報が項目番号「4」(%4%)等にて定義され、同「個数」の欄に印刷すべき情報が項目番号「6」(%6%)等にて定義されている。また、前記印刷形式情報は、ラベルLBに印刷すべき各文字のフォントについても定義している。
【0020】
制御ユニット12は、リーダ・ライタ20を制御し、リーダ・ライタ20によってRFIDタグ110から読み出されたデータを取得する。また、制御ユニット12は、リーダ・ライタ20を介して取得したRFIDタグ110からの読み出しデータ、前記認識しているデータ構造(図3参照)及び記憶ユニット13に記憶された前記印刷形式情報(図4参照)に基づいてラベルLBの印刷に用いられる印刷データを生成する。更に、制御ユニット12は、ラベルLBに対する印刷が終了するごとにインクリメントする通し番号及び印刷日時をRFIDタグ110に書き込むようにリーダ・ライタ20を制御する。
【0021】
ラベル印刷装置10は、更に、メモリカード30を接続するためのスロット14を備えている。ラベルの印刷形式を表す印刷形式情報が記憶されたメモリカード30をスロット14に接続すると、制御ユニット12がメモリカード30から前記印刷形式情報を読み出して記憶ユニット13に記憶させることができる。このように、メモリカード30によって種々の印刷形式情報を当該ラベル印刷装置10に提供することができる。即ち、このラベル印刷装置10は、外部から提供される印刷形式情報にて表される印刷形式にてラベルの印刷を行うことができる。
【0022】
制御ユニット12は、例えば、図5に示す手順に従って処理を行う。
【0023】
図5において、制御ユニット12は、リーダ・ライタ20が通い箱100に取付けられたRFIDタグ110と交信可能であるか否かを判定している(S1)。通い箱100がコンベア50によって商品の詰め替え工程まで搬送され、リーダ・ライタ20がRFIDタグ110と交信可能になると(S1でYES)、制御ユニット12は、そのリーダ・ライタ20によってRFIDタグ110に記憶された通い箱100に投入されている商品に関するデータを取得する(S2)。そして、制御ユニット12は、記憶ユニット13に記憶された印刷形式情報(図4参照)を読み出し(S3)、前記取得した商品に関するデータから前記印刷形式情報にて表される印刷形式に従った印刷データを生成する(S4)。
【0024】
そして、制御ユニット12は、生成した印刷データを印刷ユニット11に供給し、印刷ユニット11を制御する(S6)。その結果、印刷ユニット11は、与えられた前記印刷データに基づいてラベル用紙11aにラベル1枚分の印刷を行って印刷済みのラベルLBをラベル用紙11aから切り出す。
【0025】
制御ユニット12は、例えば、図6に示すような商品に関するデータをRFIDタグ110から読み出して取得する。図6に示す例では、各項目の可変長データが図3に示す構造に従って配列され、その各項目の可変長データが符号NULL(00(16進数))によって区切られている。制御ユニット12は、この符号NULLによって各項目の区切りを認識する。図6に示すデータは、具体的には、
「配送先名」(1番目の項目:%1%)が「佐藤商店」、
「配送先住所」(2番目の項目:%2%)が「岩手県△△市○○1−1」、
アイテム1:
「商品名」(4番目の項目:%4%)がチョコレート、
「商品コード」(5番目の項目:%5%)が4912345222228、
「必要数量」(6番目の項目:%6%)が5
アイテム2:
「商品名」(7番目の項目:%7%)がキャラメル、
「商品コード」(8番目の項目:%8%)が4522222345678
「必要数量」(9番目の項目:%9%)が2
アイテム3:
「商品名」(10番目の項目:%10%)がチューインガム
「商品コード」(11番目の項目:%11%)が491234544446
「必要数量」(12番目の項目:%12%)が4
アイテム4〜アイテム10(13番目の項目〜33番目の項目):なし
終端データ:
「合計数量」(34番目の項目:%34%)が11
を表している。
【0026】
このようなデータから図4に示すような印刷形式に従った項目(%1%、%34%、%2%、%4%、%6%、%7%、%9%、%10%、%12%、・・・)のデータが印刷データとして生成される。そして、その印刷データに基づいて印刷されるラベルLBは、図7に示すように、配送先欄Aに「佐藤商店」が記載され、総個数欄Bに「11」が記載され、配送先住所欄Cに「岩手県△△市○○1−1」が記載され、商品リスト欄Dにおける「商品名」の欄に「チョコレート」、「キャラメル」、「チューインガム」が記載され、各商品名に対応した「個数」の欄に「5」、「2」、「4」が記載された送り状となる。
【0027】
図5に戻って、このようにしてラベルLBの印刷、発行の処理が終了すると、制御ユニット12は、リーダ・ライタ20を制御して、所定の情報、例えば、ラベルの通し番号NO.及び印刷日時をRFIDタグ110の所定記憶領域に書き込む(S7)。そして、制御ユニット12は、次の通い箱100に取り付けられたRFIDタグ110との交信が可能になるか否かの判定を行い(S1)、その交信が可能になると、前述した処理(S2〜S7)を実行する。
【0028】
商品の詰め替え工程の作業者は、通い箱100内の商品を梱包箱200に詰め替え、ラベル印刷装置10から発行されるラベルLBを送り状としてその梱包箱200に貼り付ける。そして、そのような梱包箱200がある程度の個数まとまると、それら梱包箱200は、まとめて配送部署に送られ、その梱包箱200に貼り付けられたラベルLB(送り状)に記載される配送先に宛てて配送される。
【0029】
前述したようなラベル印刷装置10では、RFIDタグ110に記憶された通い箱100に収納された商品に関する複数項目(図3、図6参照)のデータからラベルLBの印刷形式(図4参照)に従った一または複数の項目に関するデータが印刷データとして生成される。そして、その印刷データに基づいて前記通い箱100に収納された商品に関する複数の項目(配送先、配送先住所、総個数、商品名、個数)が前記印刷形式にて印刷されたラベルLB(図7参照)を得ることができる。従って、RFIDタグ110の識別情報を単に利用して画像印刷の制御を行う機器ではなく、RFIDタグ110を更に有効に利用し得る機器としてのラベル印刷装置10を実現することができるようになる。
【0030】
また、前記ラベルLBの印刷がなされた後に、ラベルの通し番号NO.及びその印刷日時がRFIDタグ110に書き込まれるので、それらの情報を前述した商品に関する情報と共にRFIDタグ110から後において管理用コンピュータ(PC)によって読み出すことにより、商品の梱包、発送に関するトレーサビリティを実現させることができる。
【0031】
なお、RFIDタグ110に格納されるデータの構造は、図3に示すものに限定されず、任意に定めることができる。例えば、製品の製造履歴をRFIDタグ110に記憶させることができる。この場合、RFIDタグ110に格納されるデータの構造は、例えば、図8に示すようになる。図8において、このデータは、各工程(工程1〜工程3、検査1、工程4、工程5、検査2、梱包、検査3、ロット番号印刷)が1フィールドの固定長データとして表され、各工程に対して「作業日付」−1、「作業時刻」−2及び「担当者」−3の3つの項目が定義されている。そして、「作業日付」が10バイト、「作業時刻」が5バイト、「担当者」が8バイトのそれぞれ固定長データで表される。
【0032】
この場合、記憶ユニット13に記憶される印刷形式情報は、例えば、図9に示すようになっている。図9において、この印刷形式情報は、ロット番号印刷日時欄E、検査1の検査日時欄F1及びその作業者欄F2、検査2の検査日時欄G1及びその作業者欄G2、検査3の検査日時欄H1及びその作業者欄H2のラベルLB内での位置、形状、各タイトル文字(検査1、検査2、検査3、詳細データ等)の大きさ、位置等を定義すると共に、各欄に印刷すべき情報をRFIDタグ110に格納されたデータの項目番号(図8における縦・横の番号)にて定義している。即ち、ロット番号印刷日時欄Eに印刷すべき情報が項目番号「10−1、10−2」(10:ロット番号印刷の作業日付−1及び作業時刻−2)にて定義され(%10−1% %10−2%)、検査1の検査日時欄F1に印刷すべき情報が項目番号「4−1、4−2」(4:検査1の作業日付−1及び作業時刻−2)にて定義され(%4−1 %4−2%)、検査1の作業者欄F1に印刷すべき情報が項目番号「4−3」(4:検査1の作業者−3)にて定義され(%4−3%)、検査2の検査日時欄G1に印刷すべき情報が項目番号「7−1、7−2」(7:検査2の作業日付−1及び作業時刻−2)にて定義され(%7−1 %7−2%)、検査2の作業者欄G1に印刷すべき情報が項目番号「7−3」(7:検査2の作業者−3)にて定義され(%4−3%)、更に、検査3の検査日時欄H1に印刷すべき情報が項目番号「9−1、9−2」(9:検査3の作業日付−1及び作業時刻−2)にて定義され(%9−1 %9−2%)、検査3の作業者欄H1に印刷すべき情報が項目番号「9−3」(9:検査3の作業者−3)にて定義されている(%9−3%)。また、詳細データとして全てのデータ(%1%%2%%3%%4%%5%%6%%7%%8%%9%%10)を表す2次元コードIを印刷することが定義されている。
【0033】
制御ユニット12が前述したようなデータの構造(図8参照)を認識すると共に、前述したような印刷形式情報(図9参照)が記憶ユニット13に記憶される場合において、制御ユニット12が図10に示すような内容の複数項目のデータを製品に取り付けられたRFIDタグ110から取得すると、その取得したデータから前記印刷形式情報にて表される印刷形式に従った印刷データが生成される。そして、その印刷データに基づいて印刷ユニット11にて印刷されるラベルLBは、図11に示すようになる。即ち、即ち、ロット番号印刷日時欄Eに「2006/02/22 14:51」が印刷され、検査1の検査日時欄F1に「2006/02/21 16:32」が印刷され、検査1の作業者欄F1に「WAT」(作業者氏名)が印刷され、検査2の検査日時欄G1に「2006/02/22 10:23」が印刷され、検査2の作業者欄G1に「SAS」が印刷され、検査3の検査日時欄H1に「2006/02/22 14:46」が印刷され、検査3の作業者欄H1に「ABE」が印刷され、更に、図10に示す読み出した全てのデータを表す2次元コードIが詳細データとして印刷されたラベルLBが発行される。
【0034】
この場合では、RFIDタグ110に記憶された製品の製造履歴に関する複数項目(図8、図10参照)のデータからラベルLBの印刷形式(図9参照)に従った一または複数の項目に関するデータが印刷データとして生成される。そして、その印刷データに基づいて前記製品の製造履歴に関する複数の項目(検査1、検査2、検査3それぞれの検査日時及び作業者等)が前記印刷形式にて印刷されたラベルLB(図11参照)を得ることができる。従って、RFIDタグ110の識別情報を単に利用して画像印刷の制御を行う機器ではなく、RFIDタグ110を更に有効に利用し得る機器としてのラベル印刷装置10を実現することができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
以上、説明したように、本発明に係るラベル発行装置は、RFIDタグを更に有効に利用しうる機器となり得るものであり、RFIDタグと協働するラベル印刷装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の一形態に係るラベル印刷装置が設置される物流工程の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施の一形態に係るラベル印刷装置を示すブロック図である。
【図3】通い箱に取付けられたRFIDタグに格納されたデータの構造の一例を示す図である。
【図4】ラベルの印刷形式を表す印刷形式情報の一例を示す図である。
【図5】図2に示すラベル印刷装置における制御ユニットの処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】RFIDタグから読み出されたデータ例を示す図である。
【図7】印刷されたラベルの一例を示す図である。
【図8】RFIDタグにおけるデータの格納構造の他の一例を示す図である。
【図9】ラベルの印刷形式を表す印刷形式情報の他の一例を示す図である。
【図10】RFIDタグから読み出された他のデータ例を示す図である。
【図11】印刷されたラベルの他の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
10 ラベル印刷装置
11 印刷ユニット
11a ラベル用紙
12 制御ユニット
13 記憶ユニット
14 スロット
20 リーダ・ライタ
30 メモリカード
50 コンベア
100 通い箱(収納箱)
110 RFIDタグ
200 梱包箱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
与えられた印刷データに基づいてラベルに印刷を行う印刷ユニットと、
RFIDタグに記憶された複数項目のデータを該RFIDタグと通信を行なうリーダによって読み出して取得するデータ取得手段と、
ラベルの印刷形式を表す印刷形式情報を記憶する記憶手段と、
前記取得した複数項目のデータから前記記憶手段に記憶された印刷形式情報にて表される印刷形式に従った一または複数の項目のデータを印刷データとして生成し、該印刷データを前記印刷ユニットに与える印刷制御手段とを有することを特徴とするラベル印刷装置。
【請求項2】
与えられた印刷データに基づいてラベルに印刷を行う印刷ユニットと、
収納箱に取付けられ該収納箱に収納された一または複数の物品に関する複数項目のデータを記憶したRFIDタグと通信を行なうリーダによって前記物品に関する複数項目のデータを読み出して取得するデータ取得手段と、
ラベルの印刷形式を表す印刷形式情報を記憶する記憶手段と、
前記取得した物品に関する複数項目のデータから前記記憶手段に記憶された印刷形式情報にて表される印刷形式に従った一または複数の項目のデータを印刷データとして生成し、該印刷データを前記印刷ユニットに与える印刷制御手段とを有することを特徴とするラベル印刷装置。
【請求項3】
前記印刷ユニットでのラベルの印刷が終了した後に、前記RFIDタグと通信を行なうライタによって所定の情報を前記RFIDタグに書き込む情報書き込み制御手段を備えたことを特徴とする請求項1または2記載のラベル印刷装置。
【請求項4】
前記印刷形式情報を外部から取得する印刷形式情報取得手段を有し、
その取得された印刷形式情報を前記記憶手段に記憶させるようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のラベル印刷装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−260997(P2007−260997A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−86962(P2006−86962)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】