説明

ラベル検査システム、ラベル検査装置及びラベル検査プログラム

【課題】印字切れの検査を正しく行うとともに、種々の文字フォントで作成された被検査対象のラベルであっても正しい検査結果を可能とする。
【解決手段】記憶手段12に格納されたラベルマスターデータ21は、ラベルの四隅の特定文字と、その位置を示す座標A〜Dを含み、かつ所定の文字フォントで作成した複数種のラベルマスターデータである。更に、ラベル被検査データ31から特定文字と、その位置を示す座標を検出する文字/座標検出部13と、ラベル被検査データから被検査対象のラベルに表示される文字フォントを抽出する文字フォント抽出部14を有し、検査部16は、抽出フォントと同一の文字フォントを使用するラベルマスターデータ21と、ラベル被検査データ31の特定文字と座標を比較検査する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弁当や惣菜等の食品に貼付されるラベルを検査するラベル検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、弁当や惣菜等の食品には、調理から出荷までの時間的な制約や生産数量、販売の管理面から包装部材にバーコードを含んだラベルが貼付されている。バーコードに記載された商品情報は、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の小売店における販売時に商品情報の入力用として利用される。工場出荷時においても商品情報の入力用として利用される。ここで、ラベルに印刷されるバーコードに限らず消費期限情報、原材料情報及び製造者情報等の商品関連情報は、食品と一体のものであり、正しく印刷され、貼付される必要がある。
【0003】
図9は従来におけるラベル検査データ61の印字切れの状態を示す説明図である。同図(a)は商品関連情報としてのラベル検査データ61の用紙が角度θだけ傾いて印刷された状態を示す。その結果、印刷された商品関連情報のうち、下方に印刷されるべき情報、即ち同図では製造者の住所の文字「東京都」が印字切れとなってしまう。一方、同図(b)はラベル検査データ61の用紙が横方向に距離dだけずれて印刷された状態を示す。その結果、印刷された商品関連情報のうち、左側に印刷されるべき情報、即ち同図では文字「名称」、「原材料名」、「消費期限」、「保存方法」、「製造者」及び「東京都」が印字切れとなってしまう。
【0004】
図10は従来における異なる文字フォントのラベル検査データ61の例を示す説明図である。同図(a)は予め登録された商品関連情報としてのラベルマスターデータ51を示す。これに対して、同図(b)はラベルマスターデータ51と異なる文字フォントで印刷された商品関連情報としてのラベル検査データ61を示す。ラベル検査データ61は正しく印刷されているかどうかを検査する際、パターン認識を使用する。ラベルマスターデータ51の「名称」の文字と、ラベル検査データ61の「名称」の文字をパターン認識で検査すると、両者が同じ内容であっても異なる文字フォントであるため、ラベル検査データ61は正しく印刷されていないと判定されることになる。
【0005】
なお、特開2004−265205号公報(特許文献1)には、予め検査マスター画像を撮像しておく必要がないラベル良否判定装置が記載されている。特許文献1は、貼付されたラベルの撮影画像を取得し、商品関連情報の印字エリアを特定し、印字エリア内の各印字に対応する被検査画像を切り出して被検査画像群を作成し、文字のみで構成されるフォント情報との照合を行う技術に関するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−265205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のラベル検査装置によれば、図9に図示したように商品に貼付されたラベルに印刷した商品関連情報の一部に印字切れが生じることがあった。また、図10に図示したように、パターン認識を利用して、ラベル検査データ61と予め登録されたラベルマスターデータ51を検査することは、実際は正しいラベル検査データであっても異なる文字フォントであるため、ラベル検査データ61は正しく印刷されていないと判定され誤った結果となるおそれがあるという問題がある。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、パターン認識を利用してラベル検査を行うに際し、印字切れの検査を正しく行うとともに、種々の文字フォントで作成された被検査対象のラベルであっても正しい検査結果を可能とするラベル検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明は、被検査対象のラベルを貼付した生産物を搬送する搬送手段と、前記搬送手段上の前記生産物の前記ラベルを撮影し、ラベル被検査データを生成する撮像手段と、ラベルマスターデータと前記ラベル被検査データを比較検査するラベル検査装置を有し、前記ラベル検査装置は、被検査対象のラベルの四隅の特定文字と、その位置を示す座標を含み、かつ所定の文字フォントで作成された複数種のラベルマスターデータを予め格納する記憶手段と、前記ラベル被検査データから前記被検査対象のラベルに表示される文字フォントを抽出する文字フォント抽出部と、前記ラベル被検査データからラベルの四隅の特定文字と、その位置を示す座標を検出する文字/座標検出部と、前記文字フォント抽出部で抽出した前記文字フォントと同一の文字フォントを使用する前記ラベルマスターデータを前記記憶手段から抽出し、かつ、当該ラベルマスターデータと前記ラベル被検査データの前記特定文字と前記座標を比較検査する検査部とを有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
上記構成を有する本発明によれば、記憶手段に格納したラベルマスターデータのラベルの四隅の特定文字と、その位置を示す文字座標と、ラベル被検査データから検出した特定文字と、その位置を示す文字座標との両者を比較することとしたので、ラベルに印刷した商品関連情報の一部に印字切れが生じた場合にこれを検出することができる。また、所定の文字フォントで作成した複数種のラベルマスターデータを記憶手段に格納し、その内の一つのラベルマスターデータと、ラベル被検査データとを比較することとしたので、文字フォントが異なることによる不一致となることを防止することができるラベル検査装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施の形態に関するラベル検査装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態に関するマスターデータを示す説明図である。
【図3】第1の実施の形態に関する被検査データを示す説明図である。
【図4】第1の実施の形態に関するラベルマスターデータを示す説明図である。
【図5】第1の実施の形態に関するマスターデータの登録動作のフローチャートである。
【図6】第1の実施の形態に関するマスターデータによる検査動作のフローチャートである。
【図7】印字切れ検査OKを示す説明図である。
【図8】印字切れ検査NGを示す説明図である。
【図9】従来におけるラベル検査データの印字切れの状態を示す説明図である。
【図10】従来における異なる文字フォントのラベル検査データ61の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1は第1の実施の形態に関するラベル検査装置の構成を示すブロック図である。弁当や惣菜等の食品工場において、ベルトコンベア5に食品3が搬送される。搬送中に工員によって料理が盛られていき、最後に包装部材にラベルやシールが貼付されて食品3として完成する。完成の時点で撮像装置4によってラベルやシールが撮影され、ラベル検査装置1によって正しいラベルやシールが食品3の包装部材に正しく貼付されたかどうかチェックされる。ここで、ラベルに印刷される情報は、バーコード情報、消費期限情報、原材料情報及び製造者情報等の商品関連情報である。また、シールは後述する商品イメージシール及びポイントサービス用のポイントシールである。また、新発売用の新発売シールを貼付する場合もある。
【0013】
ラベル検査装置1はパソコンからなり、撮像装置4からの画像信号を受け入れる画像入力部11を有する。画像入力部11で入力された画像信号は、後述するラベル被検査データ31としてフレームメモリ12に格納される。一方、記憶手段としてのフレームメモリ12には、後述するように予め所定の文字フォントで作成した複数種のラベルマスターデータ21が格納されている。
【0014】
更に、ラベル検査装置1の文字/座標検出部13は、後述するようにラベル被検査データ31のラベルの四隅の特定文字と、その位置を示す文字座標を検出する。また、文字フォント抽出部14は、後述するようにラベル被検査データ31から、被検査対象のラベルに使用されている文字フォントの種類を抽出する。そして、検査部15は、文字フォント抽出部14で抽出した文字フォントに関して、同じ文字フォントで作成されたラベルマスターデータ21をフレームメモリ12から読み出し、これと被検査対象のラベル被検査データ31を比較する。また、記憶部16はラベル検査動作に必要な情報を記憶し、そして表示部17は検査部15による検査結果、即ち、バーコード認識の結果、消費期限の数値認識の結果及びパターン認識の結果を表示する。
【0015】
図2は第1の実施の形態に関するマスターデータを示す説明図である。マスターデータには、ラベルマスターデータ21、商品イメージシールのマスターデータ22及びポイントシールのマスターデータ23がある。ラベルマスターデータ21は商品関連情報が含まれ、商品イメージシールのマスターデータ22は商品イメージの文字や図形が含まれ、ポイントシールのマスターデータ23はポイント数の文字が含まれる。これらはラベルセット20としてフレームメモリ12に格納される。これらのマスターデータ21、22、23は、次に図3で示す被検査データ31、32、33との同一性が検査される。ラベルマスターデータ21の詳細については図4にて後述する。
【0016】
また、この同一性の検査のための検査項目には、バーコード認識、数値認識、パターン認識がある。バーコード認識は、ラベルマスターデータ21のバーコード認識領域24を読取り、バーコード認識を行う。数値認識は、ラベルマスターデータ21の消費期限に印刷された数値認識領域25の年月日の数字を読取り、数値認識を行う。
【0017】
更に、パターン認識は、商品イメージシールのマスターデータ22のパターン認識領域26、ポイントシールのマスターデータ23のパターン認識領域27及び後述するラベルマスターデータ21のラベルの四隅の特定文字のパターン認識領域28A、28B、28C、28Dを夫々読み取る。なお、パターン認識はパターン認識領域のパターンのみを認識する。
【0018】
図3は第1の実施の形態に関する被検査データを示す説明図である。被検査データにはラベル被検査データ31、商品イメージシールの被検査データ32及びポイントシールの被検査データ33がある。ラベル被検査データ31は商品関連情報が含まれ、商品イメージシールの被検査データ32は商品イメージの文字や図形が含まれ、ポイントシールの被検査データ33はポイント数の文字が含まれる。これらのラベルやポイントシール、商品イメージシールは食品3の包装部材に貼付され、撮像装置4によって、画像が画像入力部11に入力される。これらは画像入力部11で入力されると検査エリア30としてフレームメモリ12に格納される。
【0019】
バーコード認識領域34からバーコードが読み取られ、前記ラベルマスターデータ21のバーコード認識領域24とバーコード比較される。また、数値認識領域35から消費期限の年月日が読み取られ、ラベルマスターデータ21の数値認識領域25の消費期限の年月日と比較される。
【0020】
そして、商品イメージシールの被検査データ32のパターン認識領域36が読み取られ、前記マスターデータ22のパターン認識領域26と比較される。また、ポイントシールの被検査データ33のパターン認識領域37が読み取られ、マスターデータ23のパターン認識領域27と比較される。
【0021】
更にまた、ラベル被検査データ31のパターン認識領域38A、38B、38C、38Dからラベルの四隅の特定文字が読み取られ、前記ラベルマスターデータ21のパターン認識領域28A、28B、28C、28Dの特定文字と比較される。なお、図3に示す検査エリア30の被検査データのラベル被検査データ31、商品イメージシールの被検査データ32及びポイントシールの被検査データ33の相互の位置関係は、図2に示すように、ラベルセット20のラベルマスターデータ21、商品イメージシールのマスターデータ22及びポイントシールのマスターデータ23の相互の位置関係と異なっていてもよい。マスターデータ21、22、23単位で検出するので相互の位置は検出に関係ないからである。
【0022】
次にラベルマスターデータ21の詳細について説明する。図4は第1の実施の形態に関するラベルマスターデータ21を示す説明図である。同図(a)は所定の文字フォントとしての明朝体で作成したラベルを示し、同図(b)は同じくゴシック体太字で作成したラベルを示す。商品名は「おにぎり いくら」であり、両者はラベルの商品関連情報としては同じ内容が印刷される。そして、ラベルマスターデータ21としてフレームメモリ12に格納され、商品コードは「0001−1」及び「0001−2」として格納される。被検査対象としてのラベル検査データ31の数値認識領域35から消費期限の年月日が読み取られ、使用されている文字フォントが抽出される。抽出された文字フォントと同じフォントで作成されたラベルマスターデータ21をフレームメモリ12から読み出す。これにより、被検査対象としての商品のラベルが明朝体又はゴシック体太字のいずれであっても、パターン認識により正確にラベル検査を行うことができる。即ち、ラベルマスターデータ21の文字と、ラベル検査データ31の文字をパターン認識で検査するとき、両者の文字フォントが異なるためラベル検査データ31は正しく印刷されていないと判定されることはなくなる。
【0023】
一方、ラベルマスターデータ21には、ラベルの四隅の特定文字と、その位置を示す文字座標が付記的に格納されている。即ち、図面上、左上の文字「名称」と座標A(10、100)、左下の文字「東京」と座標B(10、1000)、右上の文字「アミノ」と座標C(1000、10)、右下の文字「××××」と座標D(1000、900)である。これにより、被検査対象としての商品のラベル被検査データ31から、前記文字/座標検出部13によって、ラベルの四隅の文字の位置を示す文字座標が検出され、後述する両者の比較が行われる。
【0024】
次に、第1の実施の形態に関するマスターデータの登録動作について説明する。図5は第1の実施の形態に関するマスターデータの登録動作のフローチャートである。また、図7は印字切れ検査OKを示す説明図であり、図8は印字切れ検査NGを示す説明図である。
S101:ラベル検査に先立ち、ラベル検査装置1の制御部18は、画像入力部11に対し、撮像装置4が撮影するラベルセット20としてのマスターデータを入力するよう指示する。
【0025】
S102:制御部18は文字/座標検出部13に対し、ラベルマスターデータ21の画像から四隅の特定文字と、その文字の位置を示す文字座標を検出するよう指示する。即ち、図7(a)及び図8(a)に示すラベルマスターデータ21の通り、図面上、左上の文字「名称」と座標A(10、100)、左下の文字「東京」と座標B(10、1000)、右上の文字「アミノ」と座標C(1000、10)、右下の文字「××××」と座標D(1000、900)である。
【0026】
S103:制御部18は、商品コード0001−1を付与するとともに、フレームメモリ12に対し、ラベルマスターデータ21として登録するよう指示する。これにより所定の文字フォントで作成したラベルマスターデータ21が登録される。
【0027】
S104:制御部18は、他のフォントで作成した登録すべきマスターデータがあるかチェックする。他にあればステップ101に戻り、ステップ103における商品コード0001−2を付与する。他になければ終了する。
【0028】
図6は第1の実施の形態に関するマスターデータによる検査動作のフローチャートである。
S201:まず、ラベル検査装置1の制御部18は、画像入力部11に対し、撮像装置4が撮影する検査エリア30の検査対象画像を入力するよう指示する。
【0029】
S202:制御部18は文字/座標検出部13に対し、ラベル被検査データ31の画像から四隅の特定文字と、その文字の位置を示す文字座標を検出するよう指示する。図7(b)に示すラベル被検査データ31の通り、図面上、左上の文字「名称」と座標A(10、100)、左下の文字「東京」と座標B(10、1000)、右上の文字「アミノ」と座標C(1000、10)、右下の文字「××―×」と座標D(950、900)が検出される。なお、図7(b)はラベル用紙が角度θだけ傾斜して印字された場合を示す。
【0030】
S203:制御部18は、フレームメモリ12に対し、ラベル被検査データ31と、四隅の特定文字及びその文字の位置を示す文字座標を格納するよう指示する。
S204:制御部18は検査部15に対し、フレームメモリ12に格納したラベルマスターデータ21とラベル被検査データ31のバーコード認識を行うよう指示する。検査部15は、バーコード認識領域24のバーコードとバーコード認識領域34のバーコードを読み込み、認識を行って、一致、不一致の判定を行う。制御部18は記憶部16に対し、一致、不一致の判定結果を記憶するよう指示する。
【0031】
S205:制御部18は検査部15に対し、フレームメモリ12に格納したラベルマスターデータ21の数値認識領域25とラベル被検査データ31の数値認識領域35とから消費期限の比較チェックを行うよう指示する。検査部15は年月日の認識の結果、同一性の範囲又は適正な年月日の印字等を判定する。制御部18は記憶部16に対し、数値認識の一致、不一致の判定結果を記憶するよう指示する。
【0032】
S206:制御部18は文字フォント抽出部14に対し、フレームメモリ12に格納したラベル被検査データ31からラベルに使用されている文字フォントを抽出するよう指示する。
S207:ラベル被検査データ31に使用されている文字フォントが抽出されると、制御部18はフレームメモリ12に対し、抽出した文字フォントと同じ文字フォントで作成されたラベルマスターデータ21、即ち商品コード0001−1又は0001−2を検索キーにしてラベルマスターデータ21を読み出すよう指示する。
【0033】
S208:制御部18は検査部15に対し、ラベルマスターデータ21とラベル被検査データ31におけるラベルの四隅の文字とその文字座標を比較するよう指示する。即ち、図7(a)に示す四隅の文字とその文字の位置を示す文字座標及び図7(b)に示す四隅の文字とその文字の位置を示す文字座標が比較される。比較の結果、右下の文字「××××」と「××―×」及び座標D(1000、900)と(950、900)のみが異なる。本実施の形態では、四隅の文字間の文字座標の相対位置を判断する。即ち、制御部18は検査部15に対し、文字座標の相対位置が所定の閾値以上かどうか判断するよう指示する。図7に示す例では、ラベルマスターデータ21の文字座標B(10、1000)と文字座標D(1000、900)の相対位置のずれは、X座標は―990、Y座標は100である。一方、ラベル被検査データ31の文字座標B(10、1000)と文字座標D(950、900)の相対位置のずれは、X座標は―940、Y座標は100である。閾値をX=±100又はY=±100とすると、この場合X座標のずれの差=(−990)−(−940)=―50であるので閾値未満となる。
【0034】
一方、図8(b)に示す例では、ラベル被検査データ31の四隅の文字とその文字の位置を示す文字座標は、図面上、左上の文字「名称」と座標A(10、100)、左下の文字「期限」と座標B(10、700)、右上の文字「アミノ」と座標C(1000、10)、右下の文字「××―×」と座標D(950、900)である。左下の文字「東京」は印字切れの結果、近くの別の文字「期限」を抽出したものである。比較の結果、大きく異なる点は、左下の文字「東京」座標B(10、1000)と文字「期限」座標(10、700)が異なる。制御部18は検査部15に対し、座標の相対位置が所定の閾値以上かどうか判断するよう指示する。図8に示す例では、ラベルマスターデータ21の文字座標A(10、100)と文字座標B(10、1000)の相対位置のずれは、X座標は0、Y座標は−900である。一方、ラベル被検査データ31の文字座標A(10、100)と文字座標C(10、700)の相対位置のずれは、X座標は0、Y座標は−600である。
【0035】
そして、閾値を同じくX=±100又はY=±100とすると、この場合Y座標のずれの差=(−900)−(―600)=―300であるので閾値以上となる。
【0036】
S209:文字座標の相対位置が閾値以上の場合、検査部15が検査結果NGと判定する。即ち、ラベル被検査データ31に文字切れが生じていると判定する。そうすると制御部18は記憶部16に対し、結果を記憶するよう指示する。
S210:文字座標の相対位置が閾値未満の場合、検査部15が検査結果OKと判定する。そうすると制御部18は記憶部16に対し、結果を記憶するよう指示する。
【0037】
S211:更に、制御部18は検査部15に対し、商品イメージシールについて被検査データ32のパターン認識領域36を読み取り、前記商品イメージシールのマスターデータ22のパターン認識領域26とパターン認識によって比較するよう指示する。また、ポイントシールについても被検査データ33のパターン認識領域37を読み取り、ポイントシールのマスターデータ23のパターン認識領域27とパターン認識によって比較するよう指示する。制御部18は記憶部16に対し、判定結果を記憶するよう指示する。
【0038】
S212:制御部18は表示部17に対し、記憶部16に記憶した判定結果、即ち、バーコード認識の結果、消費期限の数値認識の結果及びパターン認識の結果を表示するよう指示する。
【0039】
以上のように第1の実施の形態によれば、記憶部16に格納したラベルマスターデータ21のラベルの四隅の特定文字と、その位置を示す文字座標と、ラベル被検査データ31から検出したラベルの四隅の特定文字と、その位置を示す文字座標とを比較することとしたので、ラベルに印刷した商品関連情報の一部に印字切れが生じた場合にこれを検出することができる。また、所定の文字フォントで作成した複数種のラベルマスターデータを記憶手段に格納し、その内の一つのラベルマスターデータ21と、ラベル被検査データ31とを比較することとしたので、文字フォントが異なることによる不一致となることを防止することができるラベル検査装置を提供することが可能になる。
【符号の説明】
【0040】
1 ラベル検査装置
3 食品
4 撮像装置
11 画像入力部
12 フレームメモリ
13 文字/画像検出部
15 検査部
16 記憶部
21 ラベルマスターデータ
22 商品イメージシールのマスターデータ
23 ポイントシールのマスターデータ
31 ラベル被検査データ
32 商品イメージシールのラベル被検査データ
33 ポイントシールのラベル被検査データ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査対象のラベルを貼付した生産物を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段上の前記生産物の前記ラベルを撮影し、ラベル被検査データを生成する撮像手段と、
ラベルマスターデータと前記ラベル被検査データを比較検査するラベル検査装置を有し、
前記ラベル検査装置は、
被検査対象のラベルの四隅の特定文字と、その位置を示す座標を含み、かつ所定の文字フォントで作成された複数種のラベルマスターデータを予め格納する記憶手段と、
前記ラベル被検査データから前記被検査対象のラベルに表示される文字フォントを抽出する文字フォント抽出部と、
前記ラベル被検査データからラベルの四隅の特定文字と、その位置を示す座標を検出する文字/座標検出部と、
前記文字フォント抽出部で抽出した前記文字フォントと同一の文字フォントを使用する前記ラベルマスターデータを前記記憶手段から抽出し、かつ、当該ラベルマスターデータと前記ラベル被検査データの前記特定文字と前記座標を比較検査する検査部とを有することを特徴とするラベル検査システム。
【請求項2】
前記検査部は、前記ラベルマスターデータの前記特定文字と、前記ラベル被検査データの特定文字とをパターン認識により同一性を比較検査することを特徴とする請求項1記載のラベル検査システム。
【請求項3】
ラベルマスターデータを予め格納し、被検査対象のラベルからラベル被検査データを読み取り、前記ラベルマスターデータと前記ラベル被検査データとを比較検査するラベル検査装置において、
被検査対象のラベルの四隅の特定文字と、その位置を示す座標を含み、かつ所定の文字フォントで作成された複数種のラベルマスターデータを予め格納する記憶手段と、
前記ラベル被検査データから前記被検査対象のラベルに表示される文字フォントを抽出する文字フォント抽出部と、
前記ラベル被検査データから前記特定文字と、その位置を示す座標を検出する文字/座標検出部と、
前記文字フォント抽出部で抽出した前記文字フォントと同一の文字フォントを使用する前記ラベルマスターデータを前記記憶手段から抽出し、かつ、当該ラベルマスターデータと前記ラベル被検査データの前記特定文字と前記座標を比較する検査部を有することを特徴とするラベル検査装置。
【請求項4】
前記検査部は、前記ラベルマスターデータの前記特定文字と、前記ラベル被検査データの特定文字とをパターン認識により同一性を比較検査することを特徴とする請求項3記載のラベル検査装置。
【請求項5】
記憶手段に記憶したラベルマスターデータと、被検査対象のラベルから作成されたラベル被検査データとを比較検査する比較手順をコンピュータに実行させるためのラベル検査プログラムにおいて、
所定の文字フォントで作成した複数種の前記ラベルマスターデータを前記記憶手段に格納するとともに、前記ラベルマスターデータのラベルの四隅の特定文字とその位置を示す座標を前記記憶手段に格納するラベルマスターデータ格納手順と、
前記ラベル被検査データから前記被検査対象のラベルの文字フォントを文字フォント検出部で検出する文字フォント検出手順と、
前記ラベル被検査データから前記被検査対象のラベルの四隅の特定文字と、その位置を示す座標を文字/座標検出部で検出する文字/座標検出手順と、
前記文字フォント検出部で検出した文字フォントと同一の文字フォントを使用する前記ラベルマスターデータを抽出するラベルマスターデータ抽出手順と、
抽出された当該ラベルマスターデータと前記ラベル被検査データの前記特定文字と前記座標を検査部で比較検査する文字/座標比較手順とをコンピュータに実行させるためのラベル検査プログラム。
【請求項6】
前記座標比較手順は、前記ラベルマスターデータの前記特定文字と前記ラベル被検査データの前記特定文字とをパターン認識により同一性を比較検査することを特徴とする請求項5記載のラベル検査プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−174101(P2012−174101A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37009(P2011−37009)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】