説明

ラミネートカードの製造方法,ラミネート装置及びカード印刷装置

【課題】 反りがなく、分離工程での分離不良がなく、経時変化がなく、安価で高品位のラミネートカードを製造できるラミネート装置を提供する。
【解決手段】 1面(1a)に情報が記録されたカード(1)の通過に伴い、1面に保護膜形成材(2a)を有するラミネートフィルム(2)を熱圧着して保護膜形成材を貼着するラミネート部(LR)と、ラミネート部にカードを供給する供給部(101)と、供給されたカードを、ラミネート部を所定の通過速度(V2)で通過させるよう搬送する搬送手段(R1,R2)と、ラミネート部の前記通過速度を制御する制御部(304)とを備え、制御部は、通過速度を、そのカードがラミネート部を通過し始める際の開始速度(V2s)よりも通過し終わる際の終了速度(V2f)が遅く、かつ、開始速度から終了速度まで増加しないよう制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードの表面に保護膜がラミネート加工されたラミネートカードを製造するラミネートカードの製造方法,カードに保護膜をラミネート加工するラミネート装置及びカードの表面に印刷をした後その表面にラミネート加工を施すカード印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本格的カード時代の到来により、日常生活において様々な種類のカードが用いられるようになってきた。例えば、その表面に特定情報等が印刷されたカード,テレフォンカード等の磁気カードあるいはICメモリを内蔵したクレジットカードに代表されるICカードなど、である。身分証明等の用途では、表面に顔写真等の画像が印刷されたものもある。
【0003】
このような各種カードは、表面に傷や汚れがつきにくくするために、あるいは、印刷された情報の改竄を防止するために、表面に保護膜がラミネートされる場合が多い。
具体的には、例えば、約10μm〜30μm厚の帯状の透明フィルムと印刷済みのカードの表面とを熱圧着することで、その表面にフィルムを貼着し保護膜とするものである。
【0004】
このラミネート加工をするラミネート装置の一例が特許文献1に記載されている。
この特許文献1に記載されたラミネート装置は、プラスチックや上質紙等からなる被記録媒体(カード等)の表面に、PET等の基材上に保護層となる樹脂層が形成された保護体(ラミネートフィルム)を、加熱ローラにより熱圧着して樹脂層をラミネートするものである。
【0005】
ところで、この例のようなラミネートカードの製造においては、ラミネート工程にてカードに付与される熱によりカードが反ってしまう場合がある。
一般に、カードの材料には安価なPVC(ポリ塩化ビニル)が用いられ、ラミネートフィルムにはPET(ポリエチレンテフタレート)がよく用いられる。
【0006】
しかしこれらの材料は互いに熱膨張係数が異なり、また、PVCはガラス転移点が低い。そのため、ラミネート時に高温で加熱されるとカードに反りが生じ易い。
このような反りによりカードが変形すると、カードの外観品位が低下し、磁気カードやバーコードを印刷したカードでは、磁気データの読み書き不良やバーコードデータの読み取り不良が生じる。
このような変形に対処するために、ラミネート加工を施す熱圧着手段の下流側に、カードの搬送方向に沿う一対の辺に対して、各々独立に反りを矯正するように作用する矯正手段を設けたラミネート装置が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−1236号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ラミネート加工において、搬送されるカードはヒートローラにより加熱押圧されるが、発明者らの詳細な検討の結果、ラミネートされた保護膜のカードに対する接着力は、カードの搬送方向における先頭側よりも後尾側の方が弱くなっていることが明らかになった。
具体的に説明すると、その接着力は、カード先頭端部が最も強く、後方に向かうに従って減少し、後尾端部が最も弱くなっているということである。
これは、ラミネートフィルムが貼着されたカードをヒートローラで加熱する際、カードの先頭部分は、所定温度に昇温したヒートローラが圧着するので十分に加熱されるが、カードやラミネートフィルムの温度はヒートローラよりも低いため、カードを徐々に送るに従ってヒートローラから熱が逃げてその温度が徐々に下がることによると推測される。
【0008】
保護膜の接着力が不均一で、部分的に接着力が低下したラミネートカードは、保管環境や経時変化によって保護膜が剥離する可能性が高い、という不具合がある。
この不具合に対処するため、ヒートローラの温度を、最も接着力が低下するカード後端側でも充分な接着力が得られるような高い温度に設定することが検討された。
しかしながら、この場合、カードは、その先頭側に向かうに従って強く加熱されることになり、結果として、顕著な変形を起こしてしまうという別の問題が生じてしまう。
また、特許文献1で例示した従来の矯正方法では、顕著に変形したカードを矯正するのは難しい。
【0009】
一方、ラミネート機能を備えたカード印刷装置の場合は、その印刷装置内に印刷機構とラミネート装置に相当するラミネート機構と連結して備え、印刷直後にラミネート加工をする構成とされる。
カード表面への印刷において、カードが加熱される印刷方法として、熱転写方式等の印刷方式が知られている。
例えば、熱転写方式では、熱転写ローラによる加熱によりカード自体が常温よりもかなり高い温度(40℃〜50℃)に昇温される。
【0010】
そのため、印刷工程の直後にラミネート工程を実施すると、まだ温度が常温まで下がっていない状態でカードがラミネート装置に供給され、ラミネートのための熱がさらに加えられる。
従って、この場合のカードは、常温で供給された場合よりも高温でラミネート加工がなされることになり、カードの搬送方向先頭側に限らず、後端側に向かう広い範囲が過度に加熱されて、カードの変形がより著しくなるという問題があった。
【0011】
また、印刷時にカードが加熱されない方式の印刷装置であっても、その内部におけるカードのストック部や搬送経路近傍に電源やヒータ等の発熱体があると、その発熱体の熱によりカードの温度が高くなり、同様の問題が発生する可能性がある。
そのため、保護膜の接着力が不均一でなく充分な接着力が発揮され、顕著な変形がなく、信頼性が高く高品位のラミネートカードが得られるその製造方法やラミネート装置及びカード印刷装置が望まれていた。
【0012】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、カード表面にラミネートされた保護膜のカードに対する接着力が高く、また、接着力が均一であり、カード自体の変形がなく、高信頼性を有し高品位のラミネートカードの製造方法,ラミネート装置及びカード印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、本願発明は手段として次の手順を有する。
〔1〕すなわち、カードの表面に保護膜が形成されてなるラミネートカードを製造するラミネートカードの製造方法を、前記カード(1)を、ラミネート部(LR)を所定の通過速度(V2)で通過させるよう搬送し、その通過の際に、前記カード(1)と保護膜形成材(2a)を有するラミネートフィルム(2)とを熱圧着して前記カード(1)の少なくとも1面(1a)に前記保護膜形成材(2a)を貼着する熱圧着工程を有し、その熱圧着工程において、前記通過速度(V2)を、前記カード(1)が前記ラミネート部(LR)を通過し始める際の開始速度(V2s)よりも通過し終わる際の終了速度(V2f)が遅く、かつ、前記開始速度(V2s)から前記終了速度(V2f)まで増加させることなく搬送を行うようにした。
【0014】
また、上記の課題を解決するために、本願発明は手段として次の構成を有する。
〔2〕すなわち、ラミネート装置(100)を、少なくとも1面(1a)に情報が記録されたカード(1)の通過に伴い、前記1面(1a)に保護膜形成材(2a)を有するラミネートフィルム(2)を熱圧着して前記保護膜形成材(2a)を貼着するラミネート部(LR)と、前記ラミネート部(LR)に前記カード(1)を供給する供給部(101)と、前記供給部から供給された前記カード(1)を、前記ラミネート部(LR)を所定の通過速度(V2)で通過させるよう搬送する搬送手段(R1,R2)と、前記ラミネート部(LR)の前記通過速度(V2)を制御する制御部(304)とを備え、前記制御部(304)は、前記通過速度(V2)を、そのカード(1)が前記ラミネート部(LR)を通過し始める際の開始速度(V2s)よりも通過し終わる際の終了速度(V2f)が遅く、かつ、前記開始速度(V2s)から前記終了速度(V2f)まで増加しないよう制御する構成にした。
〔3〕また、カード印刷装置(50)を、カード(1)の少なくとも1面(1a)に印刷を行う印刷部(50P)と、前記カード(1)の通過に伴い、前記印刷部(50P)で印刷が行われた前記1面(1a)に、保護膜形成材(2a)を有するラミネートフィルム(2)を熱圧着して、前記1面(1a)に前記保護膜形成材(2a)を貼着するラミネート部(LR)とを備え、前記印刷部(50P)で印刷された前記カード(1)を、前記ラミネート部(LR)に供給する共に前記ラミネート部(LR)を所定の通過速度(V2)で通過させるよう搬送する搬送手段(R1,R2)と、前記ラミネート部(LR)の前記通過速度(V2)を制御する制御部(304)とを備え、前記制御部(304)は、前記通過速度(V2)を、そのカード(1)が前記ラミネート部(LR)を通過し始める際の開始速度(V2s)よりも通過し終わる際の終了速度(V2f)が遅く、かつ、前記開始速度(V2s)から前記終了速度(V2f)まで増加しないよう制御する構成にした。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、反りがなく、分離工程での分離不良がなく、経時変化がなく、安価であって、高品位のラミネートカードが得られ、また、それを製造することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施の形態を、好ましい実施例により図1〜図8を用いて説明する。
図1は、本発明のラミネート装置の実施例における構造を説明する内部構成図である。
図2は、本発明のラミネート装置の実施例における駆動系を説明する図である。
図3は、本発明のラミネート装置の実施例におけるブロック構成図である。
図4は、本発明のラミネート装置の実施例におけるタイミングチャートである。
図5は、本発明のラミネート装置の実施例における要部を説明する模式図である。
図6は、本発明のラミネート装置の実施例における構造を説明する平面図である。
図7は、本発明のカード印刷装置の実施例における構成を説明する模式図である。
図8は、本発明のラミネート装置の実施例におけるラミネート速度の制御パターンを説明する図である。
【0017】
本発明の実施例としてのラミネート装置を図1を用いて説明する。
このラミネート装置100は、情報が記録されたカード表面にラミネート加工を行う装置である。
具体的には、カード挿入口101から挿入されたカード1の表面1aにラミネートフィルムを貼着し、その後、カード1を排出口119から排出するものである。
また、この実施例で例示するカードは、例えばPVC(ポリ塩化ビニル)製であるが、これに限定されるものではなく、他の熱可塑性プラスチックスや紙等を用いたカードであってもよい。
以下、この装置について具体的にカード1の搬送経路に沿って説明する。
【0018】
この装置100は、カード搬入経路として、カード挿入口101,カード挿入検出センサ102,プレスシャフト103a及びカード搬送ローラ103bの組からなる第1搬入ローラ部R1,ラミネート位置センサ104、並びに、プレスシャフト105a及びカード搬送ローラ105bの組からなる第2搬入ローラ部R2を備えている。
この搬入経路上を搬入されたカード1の表面1aに対してラミネート加工が施される。
このラミネート加工は、ヒートローラ106a及びヒートプレスシャフト106bの組からなるラミネートローラ部LRで行われる。
【0019】
その後、カード1は、搬出経路を搬送されて排出される。このカード搬出経路として、プレスシャフト107a及びカード搬送ローラ107bの組である第1搬出ローラ部L1,カード排出センサ108,プレスシャフト109a及びカード搬出ローラ109bの組からなる第2搬出部L2、並びに、排出口119を備えている。
【0020】
この第1及び第2搬出部L1,L2のプレスシャフト107a,109a及びカード搬出ローラ107b,109bについて図6を用いて説明する。
図6は、第1搬出ローラ部を図1の上方側からみた平面図である。第2搬出ローラ部も当図と同じなので、第1搬出ローラ部を代表して説明する。
このプレスシャフト107における最大外径部の幅W1及びカード搬出ローラ107bのおける最大外径部の幅W2は、カード1の幅Wcに対してほぼ同じ幅かあるいは大きい幅となるように設定されている。
【0021】
これにより、各ローラ107a,107bの端部Eが搬出方向(図の矢印方向)に搬送されるカード1に接することがないので、保護膜(ラミネート片)2aがラミネートされたカード1の表面全体が均一に押圧され、カード1に残留する内部応力の偏りがなくなる。即ち、低応力で均一化される。
従って、各ローラでラミネートした表面に傷がつくことはなく、また、まだ温度が高くて柔らかい保護膜が歪んで皺が形成されることがない。
また、均一に押圧されることで、カードと保護膜の貼着にむらがないので、経時的に剥がれることもない。
【0022】
図1に戻り、ラミネートに供されるラミネートフィルム2は、ヒートローラ106a及びヒートプレスシャフト106bの間を通り供給側リール110と巻き取り側リール115との間に張架されている。
また、ラミネートフィルム2に付されるマーク(詳細は後述する)を検出するエンドマークセンサ111及びフィルムマークセンサ112と、ガイドシャフト113,114が張架経路上に配置される。
さらに、ヒートカム116,ヒートカム押圧位置センサ117,ヒートカム待機位置センサ118及び冷却ファン120が備えられている。このヒートカム等についての詳細は後述する。
冷却ファン120は、ラミネートローラ部LRとその下流側のガイドシャフト114との間のカード搬出経路近傍に、搬送されるカード1と対向するように配置される。
【0023】
次に、駆動系について、その構成を模式的に描いた図2を用いて説明する。図2の各部材の配置は概ね図1と対応しており、図1と共通に記載されている部材は、カード搬送ローラ103b,105b,107b,109b、ヒートカム116及び巻き取り側リール115とである。
【0024】
この装置100は、駆動源としてカード搬送モータ201とヒートカムモータ206とフィルム巻き取りモータ209とを備えている。
カード搬送モータ201の動力は、第1〜第3の動力伝達経路で伝達される。
即ち、第1の動力伝達経路として、ベルト202を介してアイドルギア203に伝達され、さらに、このアイドルギア203に他のアイドルギアを介して歯合する第2の搬入ローラ部R2のカード搬送ローラ105bに伝達される。
第2の伝達経路として、このカード搬入ローラ105bに巻き掛けられたベルト204を介して第1の搬入ローラ部R1のカード搬送ローラ103bにも伝達される。
第3の伝達経路として、アイドルギア203に別のアイドルギアを介して歯合する第1の搬出ローラ部L1のカード搬送ローラ107bに伝達され、ベルト205を介して第2の搬出ローラ部L2のカード搬送ローラ109bにも伝達される。
【0025】
一方、ヒートカムモータ206の動力は、ウォームホイール207及びこれに歯合するアイドルギア208を介してヒートカム116に伝達される。
このヒートカム116は、所定形状のカム部116aを有する(図1も参照)。
レバー121はこのカム部116aに図1の下方側から付勢されて当接しており、ヒートカム116が回転するとカム部116aの外周面を摺動し、その形状に沿って図1の上下方向に往復移動する。
このレバー121は、ヒートローラ106aと連結されているので、結果として、ヒートローラ106aはヒートカム116の回転に伴い上下に移動する。
【0026】
また、このヒートカム116の回転位置は、ヒートカム押圧位置センサ117とヒートカム待機位置センサ118とによって検出される。
具体的には、ヒートカム116は図1の時計回り方向に回転し、ヒートカム押圧位置センサ117は、ヒートローラ106aがヒートプレスシャフト106bに押圧されたことを検出する。
【0027】
ヒートカム待機位置センサ118はヒートローラ106aがヒートプレスシャフト106bから離間したことを検出する。
一方、フィルム巻き取りモータ209の動力は、ウォームホイール210及びこれと歯合するアイドルギア211を介して、巻き取り側リール115に伝達される。
【0028】
次に、ラミネート装置100の構成について、概略ブロック図である図3を用いて説明する。
このラミネート装置100は、制御手段としてCPU304を備えている。
このCPU304には、カード挿入検出センサ102,ラミネート位置センサ104,カード排出センサ108,エンドマークセンサ111,フィルムマークセンサ112,ヒートカム押圧位置センサ117及びヒートカム待機位置センサ118からのセンサ出力情報が入力される。
また、CPU304は、カード搬送モータ201,ヒートカムモータ206及びフィルム巻き取りモータ209にそれぞれ接続されたサーボ回路301,302,303と接続されている。
また、冷却ファン120に接続されたドライブアンプ305と接続されている。
【0029】
この構成により、CPU304は、入力される各センサ出力情報に基づいて、各モータ201,206,209を、各サーボ回路301,302,303を介して制御すると共に、冷却ファン120を、ドライブアンプ305を介して制御することができる。
【0030】
次に、実施例のラミネート装置100におけるラミネート動作について、図1〜図5を用いて説明する。
このラミネート装置100の動作は、カード1に対してラミネート加工を施すラミネート動作期間と、その前段階であるカード冷却動作期間とに大別される。
ラミネート動作期間は、さらに第1期間〜第5期間の5期間に分類され、また、カード冷却動作期間は、さらに期間A〜期間Dの4期間に分類される。
【0031】
また、このラミネート装置100において、CPU304は、カード1をラミネートする際のカード1及びラミネートフィルム2の送り速度(ラミネート速度)V2を、カード1の材質や厚さ、あるいは、ラミネートフィルム2の材質や厚さ等の違いに応じて最適化できるように、多段階で制御する。
具体的には、そのラミネート速度V2を、4.0mm/sから9.0mm/sまでの間で0.5mm/sピッチにて設定できるように構成されている。
また、この設定は一定速度で制御する以外に、後述するように、ラミネート動作におけるカード1の位置に応じて変化させるように制御することができる。
【0032】
なお、ラミネートフィルム2としては、カード1と略同一の大きさのラミネートフィルム片2aを、台紙2bに連続して張り付けた「パッチフィルム」と呼ばれるタイプのものと、帯状台紙テープに、カードに加熱接着可能な樹脂を塗布した「オーバーレイフィルム」と呼ばれるタイプのものとがある。
【0033】
以下の動作説明では、パッチフィルムタイプのラミネートフィルムを用いた場合を説明する。
【0034】
まず、カード冷却動作期間について説明する。
<期間A:カード搬入動作>
カード1が人手または図示しない搬入装置等によりカード挿入口101から挿入されると、カード挿入検出センサ102でその挿入が検出される。
カード挿入検出センサ102は、挿入検出信号(Lo)をCPU304に対して送出する。CPU304は、その挿入検出信号に基づいて、サーボ回路301に対してカード搬送モータ201を、カード1が出口方向に搬送される方向(Fwd)に回転するよう指示する。
これにより、カード1は、第1の搬入ローラ部R1のプレスシャフト103aとカード搬送ローラ103b、次いで、第2の搬入ローラ部R2のプレスシャフト105aとカード搬送ローラ105bに挟まれつつ内部に向けて搬送される。
【0035】
カード挿入検出センサ102に次いで、ラミネート位置センサ104がカード1を検出し、検出信号(High→Lo)を送出する。
カード1が内部に搬送されると、カード挿入検出センサ102,ラミネート位置センサ104の順にカード非検出(Lo→High)となる。このラミネート位置センサ104が非検出となった時点で、CPU304は、ドライブアンプ305を介して冷却ファン120を作動させる。
【0036】
<期間B:カード冷却動作>
ラミネート位置センサ104が非検出となった際のカード1の位置は、その先端がラミネートローラLR部に挟まれ始める位置の少し手前である。また、この時点ではラミネートローラ部LRの各ローラは離隔した状態にあるので、カード1は、両ローラ106a,106bの間隙内を出口方向に搬送されると共に、冷却ファン120の動作により常温に冷却される。
【0037】
<期間C:カード逆搬送動作>
カード1の先端が、カード排出センサ108の位置に達すると、このセンサ108は、カード検出信号(High→Lo)をCPU304に向けて送出する。
CPU304は、このカード検出信号を受け、サーボ回路301に対してカード搬送モータ201を、カード1が挿入口101方向に搬送される方向に回転する(Back)よう指示する。
これにより、カード1は、ラミネートローラ部LRを通り第2の搬入ローラ部R2を介して搬入口101方向へ戻される。この逆搬送動作中も冷却ファン120によりカード1は冷却される。
【0038】
<期間D:冷却動作の終了とラミネート位置セット動作>
カード1の後端(挿入口側端部)が再びラミネート位置センサ104により検出されて検出信号が送出されると、CPU304は、冷却ファン120とカード搬送モータとを停止させる。ここで、カード冷却動作期間は終了する。
【0039】
次に、このカード冷却動作期間に連続してラミネート動作期間の動作が開始する。以下、ラミネート動作期間について説明する。
【0040】
<第1期間:ラミネート位置セット動作>
期間D終了から所定時間経過後、CPU304は、カード搬送モータ201をFwd方向に動作させ、カードをラミネートローラ部LR方向(出口方向)に向けて搬送する。また、フィルム巻き取りモータ209を動作させ、ラミネートフィルム2のフィルムマークをフィルムマーク位置センサ112が検出した時点で停止させる。これによりラミネートフィルム2が位置出しされる。
【0041】
<第2期間:ヒートローラ圧着動作>
次いでCPU304は、サーボ回路302に指示を行い、ヒーターカムモータ206を駆動してヒートカム116を回転させる。
そして、ヒートローラ押圧位置センサ117からの出力信号により、ヒートローラ106aが押圧される位置にきたことを確認した後、ヒートカムモータ206を停止させる。
【0042】
<第3期間:ラミネート動作>
CPU304は、カード1を出口方向に向けてラミネート速度V2で搬送するように、サーボ回路301を介してカード搬送モータ201を動作させる。この速度V2で搬送させる距離は、少なくともカード1上のラミネートする範囲における搬送方向最大距離である。
また、同時に、フィルム巻き取りモータ209を、ラミネートフィルム2を巻き取る方向に、ラミネート速度V2と同期させて回転するようサーボ回路309に対して指示する。
【0043】
図4における第3期間のカード搬送モータ201は、Fwdとなるように制御されているが、この期間の詳細について説明する。
すなわち、第3期間中のラミネート速度(送り速度)V2は、CPU304によりサーボ回路301を介して制御される。その速度V2の制御の例を図8(a)に示す。
この図8(a)において、ラミネート速度V2は、カード1の先頭部がラミネートローラ部LRを通過し始めた時点(熱圧着開始時点)において4mm/sで制御される。この時点のラミネート速度(ラミネート開始時速度)をV2sとする。カード1の熱圧着開始時点及び後述する熱圧着終了時点は、カード位置センサ(図示せず)を設けて検出する。この検出は、ヒートローラ106aが受ける圧力の変化(カード1が通過する際の厚み変化に対応)で検出してもよい。
【0044】
カードが送られて熱圧着が進行すると、そのカードの送り量に従ってラミネート速度V2は徐々に直線的に減速し、カード1の後尾部がヒートローラ106aから離れる最後の段階(熱圧着終了時点)において、ラミネート速度V2は、V2sより遅い速度となるように制御される。この実施例では3mm/sとしてある。この時点のラミネート速度(ラミネート終了時速度)をV2fとする。
【0045】
このラミネート速度V2の制御により、カードの後端部に向かうに従って、カード1の搬送方向の単位長さに付与される単位時間当たりの熱量が多くなるので、ヒートローラ106aの温度が熱圧着動作の進行に伴い徐々に低下しても、その低下分を相殺して、カードは均一に一定の温度となるように加熱される。
そのため、ヒートローラ106aの温度を従来のように必要以上に高い温度にしなくても、保護膜は均一な、また、充分に高い接着強度でカード表面に貼着される。
また、カードの先頭側の温度も、従来に比べて低い温度で安定したラミネート加工がなされるので、カードの変形を防止することができる。
【0046】
上述したラミネート速度V2の低下特性は、ラミネート動作におけるヒートローラ106aの温度低下特性をできるだけ精度よく相殺するように設定するのが望ましい。
その方法の一例として、ヒートローラ106aの表面温度を検出する温度センサを設け、CPU304を、その検出信号に基づいて表面温度の変化を求め、その結果に応じてラミネート速度V2を制御するように構成する方法がある。
この場合、ラミネート速度V2の制御は、図8(a)で説明した直線制御以外の非線形制御となる場合があるのは言うまでもない。
【0047】
また、ヒートローラ106aの温度低下特性を近似的に相殺するようにして、温度センサを省略する等により構成を簡略化することもできる。
その場合には、CPU304は、近似の程度により、図8(b)や図8(c)に示すように、複数のステップや1ステップを有する段階制御を実行するように構成する。この近似特性は、あらかじめ設定して図示しない記憶手段に記憶させておいてもよい。また、外部のコンピュータ等からCPU304を介して制御する構成にしてもよい。
【0048】
どの程度の近似を行うかは、外部からユーザが任意に設定できるようになっている。また、カードの材質やラミネートフィルムの材質に応じて微調整を可能とすることもできる。
【0049】
<第4期間:ヒートローラ離間及びフィルム剥がし動作>
CPU304は、サーボ回路302を介してヒートカムモータ206を動作させ、ヒートローラ待機位置センサ118からのカム部116a検出信号が入来した時点で停止させる。また、一方で、カード搬送モータ201を動作させ、カード1を所定の距離だけ搬送した後、停止させる。また、冷却ファン120を動作させ、ラミネートされたカードを冷却する。
【0050】
カード1とラミネートフィルム2とが一体的に搬送され、ガイドシャフト114にカード1の先端部が到達すると、そこから下流側においてラミネートフィルム2の台紙2bは、このガイドシャフト114を屈曲点として巻き取り側リール115によりカード1から離れる方向(図1の矢印Bの方向)に引っ張られる。
そのため、カード1に貼着した部分(ラミネート片)2a以外の台紙2bは、このガイドシャフト114において分離して巻き取り側リール115に巻き取られる。
【0051】
ラミネートフィルム2の台紙2bには、その台紙上に貼られたラミネートフィルム片2aの所定の貼付ピッチに対応するフィルムマーク2cが付されている(図5参照)。このフィルムマーク2cをラミネートエンドマークセンサ111が検出したら、フィルム巻取りモータ209を停止させる。
一方、オーバーレイフィルムタイプの場合、カード搬送モータ201の停止にあわせて、フィルム巻取りモータ209を停止させる。
【0052】
<第5期間:カード排紙動作>
CPU304は、サーボ回路301に指示を行ってカード搬送モータ201を駆動させ、カード搬送ローラ107b,109bを、カード1を出口方向に搬送する方向に動作させる。そして、カード排出センサ108がカードを検出しなくなった時点以降にカード搬送モータ201を停止させる。これにより、ラミネートされたカード1はカード排出口119から外部に排出される。
以上詳述した、第1〜第5期間の動作を行うことで、ラミネート加工が施される。
【0053】
次に、本発明の他の実施例として、カードへの印刷機能と、印刷したカード表面にラミネート加工を施すラミネート機能との双方を搭載したカード印刷装置50について、図7を用いて説明する。
このカード印刷装置50は、印刷部50Pとラミネート部50Lとを有しており、ラミネート部50Lの基本的構成は、上述したラミネート装置100と同様である。印刷方式は限定されるものではないが、特にカードに熱が付与される熱転写方式の場合により効果的にカードの反りが防止され、より高品位のラミネートカードを得ることができる。
【0054】
図7において、印刷部50Pは、カード挿入口51から人手または図示しない挿入手段により挿入されたカード1は、一対のローラ52a,52bよりなる第1の搬送ローラ部T1により、内部の印刷ヘッド部Hへ搬送される。
印刷ヘッド部Hは、印刷インクを搭載したサーマルヘッド57と、サーマルヘッド57にカード1の印刷面1aを押圧させるために図7の下方からカード1を付勢するプラテンローラ55とを有している。
サーマルヘッド57は、図示しない印刷制御部からの指示により、搭載したインクを加熱し所定の文字や画像を印刷面1aに対して印刷する。
【0055】
その後、カード1は、一対のローラ53a,53bよりなる第2の搬送ローラ部T2により、印刷部50Pに隣接配置されたラミネート部50Lに搬送される。
ラミネート部50Lは、印刷部50Pより搬送された印刷済みカード1を一対のローラ54a,54bよりなる第3の搬送ローラ部T3によってラミネートローラ部LRへ搬送する。
このラミネートローラ部LRとその下流側の構成、作用は、上述したラミネート装置と同様である。
印刷面1aにラミネート加工がされたカード1は、最終的に、搬出口56から外部に搬出される。
【0056】
この構成において、冷却ファン120は、ラミネートローラ部LRとラミネートフィルム2を分離する分離部であるガイドシャフト114との間に配置されている。
印刷部Pで印刷されたカード1は、ラミネート加工の前に、一旦ラミネートローラ部LRをラミネート加工無しで通過し、冷却ファン120と対向する位置まで搬送され冷却ファン120により冷却される。
その後、ラミネートローラ部LRの上流側にまで戻すように搬送され、再度排出方向に搬送されてラミネートローラ部LRでラミネート加工される。
従って、カード1が高温のまま印刷部50Pから搬出されても、ラミネートローラ部LRにてラミネートされる時点で既にカード1は常温程度に冷却されている。
【0057】
また、ラミネートローラ部LRへの供給直前のカード1について、その表面温度を測定する温度センサを搭載し、測定したカード1の温度に応じてラミネート開始時速度V2sを制御してもよい。
具体的には、供給直前のカード1の温度が高い程、ラミネート開始時速度V2sを速くするように設定する。このような速度制御により、温度の高いカード1に対してヒートローラから付与される熱量が低減される。
従って、ラミネートローラ部LRへの供給時に既にカード1が有している熱量とラミネートにより付与される熱量との総和を、最適なラミネート加工がなされる熱量とすることが、搬送速度の制御により可能な構成となっている。
この場合、上述した冷却ファンでのラミネート加工前の冷却工程を省くことができる。この構成は、上述した実施例のラミネート装置にも勿論適用が可能である。
この構成により、カード1の温度に影響を受けることなく、安定したラミネート処理を行うことができ、高い品質のラミネートカードを得ることができる。
【0058】
このように、実施例のラミネート装置100やのカード印刷装置50は、カード1にラミネートフィルム2を熱圧着する前に、装置100内のラミネートローラ部LRの下流側に配置された冷却ファン120によってカードを常温程度に冷却し、その後、ラミネート加工を行う構成とされている。
また、ラミネート加工前の冷却工程を省き、ラミネートローラ部LRへの供給直前のカード1の温度に応じてラミネート速度V2を制御する構成とされている。
【0059】
これらの構成により、温度の高いカードが挿入あるいはラミネート部に投入された場合でも、熱圧着による累積加熱によってそのカードが必要以上に高温となることを防ぐことができ、カードの顕著な変形を効果的に防止することができる。
特に、カードが、PVCのような耐熱性の高くない安価な材料の場合に、極めて顕著な効果が得られるものである。
【0060】
また、上述のように、最適な温度でラミネート加工されるだけではなく、ラミネート加工で昇温した後も、冷却ファン120によってラミネートフィルム2の分離(剥離)前に常温程度に冷却されるので、ラミネートフィルム2の分離時に加わる力によって生じる変形を防止することができる。
【0061】
また、冷却ファン120は、カード1がその冷却ファン120と対向する位置にある場合のみ回転するよう制御されるため、ヒートローラ106aに影響を及ぼす程冷却する恐れがない。
この冷却ファン120は、ラミネート装置100においては、ラミネートローラ部LRと、その下流側のラミネートフィルム2の分離位置との間の任意の位置に設置することが可能である。
これは、カード印刷装置においても同様である。
【0062】
また、上述した実施例では、ラミネート前のカードを、熱圧着せずにラミネートローラ部LRを通過させてファンで冷却し、再度熱圧着せずにラミネートローラ部LRを上流方向に搬送しつつ通過させ、その後、下流方向に搬送しつつ熱圧着してラミネート加工し排出する構成について説明したが、これに限るものではない。
カードを冷却した後、上流方向に搬送しつつこの時点でラミネートローラ部によりラミネート加工を行い、次いで、ラミネート加工されたカードを熱圧着せずに下流に向けてラミネートローラ部を通過させるように搬送して排出する構成にしてもよい。
【0063】
また、実施例では、冷却手段として冷却ファンを例示したがこのファンに限るものではない。例えば、ペルチェ素子等を用いて冷却した冷却体を搬入経路中に配置し、カードと冷却体を接触または近接させてカードを冷却する構成にしてもよい。この冷却手段としては周知のものを用いることができる。
また、実施例では、サーボ回路を介してモータを制御する例を示したが、サーボ回路を使用せずステッピングモータなどを用いてCPUから直接モータを制御する構成にしてもよい。
【0064】
カード表面に記録される情報としては、数字や記号等を含む文字やホログラムを含む画像がある。また、記録する方法は、印刷が代表的な例であるが他にも種々の方法があるのは言うまでもない。
また、実施例では、カード1を挿入口101から挿入する形態について説明したが、これに限らず、カード1を複数重ねたカード束をホルダに格納し、そのホルダを装置内部の供給手段に装填するように構成してもよい。
このような挿入口やホルダのように、装置にカードの供給機能を有する供給部を備えていればよい。
【0065】
ところで、上述した実施例は、カードの反り以外の熱に起因する問題も解決する。
その問題の1つとして、ラミネート加工後においてラミネートフィルムの基材を剥離する必要があるが、その剥離工程において、ラミネートフィルムの温度が高いと、その基材と樹脂層との密着強度が高く、容易に剥離ができず、剥離不良となるという問題がある。
【0066】
一般に、ラミネート加工法としては、実施例で説明した方法やラミネートフィルムの基材自体をカードの表面に貼着して保護膜とする他の加工法もある。
この他の加工法の場合、ラミネートフィルムは、基材と接着層とからなり、あらかじめ貼着させる範囲の境界(通常はカードの外形)にハーフカット処理を施されている。
そして、ラミネート加工後に、貼着されない部分がそのハーフカット部で切断されるようにして分離する。
その際、分離工程においてラミネートフィルムの温度が高いと、ラミネートフィルムが軟化しているためにハーフカット部による切断が容易ではなく、分離不良が発生する可能性があるが、ラミネート加工において、カードやラミネートフィルムが過度に加熱されることがなく、加えて、ラミネート加工後に冷却を行うことにより、相乗効果によってこの分離不良の発生をより効果的に防止することができる。
【0067】
一方、ラミネートフィルムの台紙や非貼着部分のカードからの剥離あるいは分離の工程において、いずれの場合も、カードにはラミネートフィルムの引きはがし方向の力が加わる。
カードの温度が高いと、この力によって容易に変形が生じるという問題もある。
この問題についても、上述した実施例によれば、ラミネート加工において、カードやラミネートフィルムが過度に加熱されることがなく、加えて、ラミネート加工後にファンの風で冷却されるので、相乗効果によって引きはがしによる反りの発生をより効果的に防止することができる。
【0068】
実施例において、ラミネート時以外のカード1の搬送速度V1は、カードの冷却が良好に行われる範囲で自由に設定できる。ラミネートカードの製造を効率よく行うためにはできる限り高速に設定するとよい。
【0069】
本発明の実施例は、上述した構成及び手順に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形例としてもよいのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明のラミネート装置の実施例における構造を説明する内部構成図である。
【図2】本発明のラミネート装置の実施例における駆動系を説明する図である。
【図3】本発明のラミネート装置の実施例におけるブロック構成図である。
【図4】本発明のラミネート装置の実施例におけるタイミングチャートである。
【図5】本発明のラミネート装置の実施例における要部を説明する模式図である。
【図6】本発明のラミネート装置の実施例における構造を説明する平面図である。
【図7】本発明のカード印刷装置の実施例における構成を説明する模式図である。
【図8】本発明のラミネート装置の実施例におけるラミネート速度の制御パターンを説明する図である。
【符号の説明】
【0071】
1 カード
1a 印刷面
2 ラミネートフィルム
2a ラミネート片(保護膜)
2b 台紙
2c フィルムマーク
50 カード印刷装置
50L ラミネート部
50P 印刷部
51 カード挿入口
52a,52b,53a,53b,54a,54b ローラ
55 プラテンローラ
57 サーマルヘッド
100 ラミネート装置
101 カード挿入口
102 カード挿入検出センサ
103a プレスシャフト
103b カード搬送ローラ
104 ラミネート位置センサ
105a プレスシャフト
105b カード搬送ローラ
106a ヒートローラ
106b ヒートプレスシャフト
107a プレスシャフト
107b カード搬送ローラ
108 カード排出センサ
109a プレスシャフト
109b 搬出ローラ
110 供給側リール
111 エンドマークセンサ
112 フィルムマークセンサ
113,114 ガイドシャフト
115 巻き取り側リール
116 ヒートカム
116a カム部
117 ヒートカム押圧センサ
118 ヒートカム待機位置センサ
119 排出口
120 冷却ファン
201 カード搬送モータ
202,204,205 ベルト
203,208,211 アイドルギア
206 ヒートカムモータ
207,210 ウォームホイール
209 フィルム巻き取りモータ
301,302,303 サーボ回路
304 CPU
H 印刷ヘッド部
L1,L2 第1,第2搬出ローラ部
LR ラミネートローラ部
R1,R2 第1,第2搬入ローラ部
T1,T2 第1,第2の搬送ローラ部
V1 搬送速度
V2 ラミネート速度
V2s 開始速度
V2f 終了速度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードの表面に保護膜が形成されてなるラミネートカードを製造するラミネートカードの製造方法であって、
前記カードを、熱圧着部を所定の通過速度で通過させるよう搬送し、その通過の際に、前記カードと保護膜形成材を有するラミネートフィルムとを熱圧着して前記カードの少なくとも1面に前記保護膜形成材を貼着する熱圧着工程を有し、
その熱圧着工程において、前記通過速度を、前記カードが前記熱圧着部を通過し始める際の開始速度よりも通過し終わる際の終了速度が遅く、かつ、前記開始速度から前記終了速度まで増加させることなく搬送を行うことを特徴とするラミネートカードの製造方法。
【請求項2】
少なくとも1面に情報が記録されたカードの通過に伴い、前記1面に保護膜形成材を有するラミネートフィルムを熱圧着して前記保護膜形成材を貼着するラミネート部と、
前記ラミネート部に前記カードを供給する供給部と、
前記供給部から供給された前記カードを、前記ラミネート部を所定の通過速度で通過させるよう搬送する搬送手段と、
前記ラミネート部の前記通過速度を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記通過速度を、そのカードが前記ラミネート部を通過し始める際の開始速度よりも通過し終わる際の終了速度が遅く、かつ、前記開始速度から前記終了速度まで増加しないよう制御する構成にしたことを特徴とするラミネート装置。
【請求項3】
カードの少なくとも1面に印刷を行う印刷部と、
前記カードの通過に伴い、前記印刷部で印刷が行われた前記1面に、保護膜形成材を有するラミネートフィルムを熱圧着して、前記1面に前記保護膜形成材を貼着するラミネート部とを備えたカード印刷装置であって、
前記印刷部で印刷された前記カードを、前記ラミネート部に供給する共に前記ラミネート部を所定の通過速度で通過させるよう搬送する搬送手段と、
前記ラミネート部の前記通過速度を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記通過速度を、そのカードが前記ラミネート部を通過し始める際の開始速度よりも通過し終わる際の終了速度が遅く、かつ、前記開始速度から前記終了速度まで増加しないよう制御する構成にしたことを特徴とするカード印刷装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−224495(P2006−224495A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−41886(P2005−41886)
【出願日】平成17年2月18日(2005.2.18)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】