説明

ラミネート物の厚みの検知機能を具えたラミネーター

【課題】本発明はラミネート物の厚みの検知が可能なラミネーターを提供する。
【解決手段】ラミネート作業を行うのに先立ち、ラミネーターがラミネート物の厚みを検知し、さらに加熱ロールの温度や回転速度を調整することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はラミネーターに関し、特にラミネート物の厚みの検知が可能なラミネーターに関する。
【背景技術】
【0002】
日常生活でペーパーや写真等の様な保存価値の有る又は破損し易い物が毀損しないように保護フィルムを貼る必要がよくある。散見される方法はラミネーターで物を二枚のフィルムの間に貼り合せて保護効果を達成するものがある。
【0003】
然しながら、従来のラミネーターはラミネート物の厚みを検知する機能に欠け、どうしても固定したパラメータ(例:加熱ロールの温度又は回転速度)でラミネート作業を行うので、ラミネート物の厚みの如何により、ラミネートに失敗してしまうという状況を惹起し易いのである。例を挙げると、ラミネート物の厚みが大きめの場合、加熱ロールの温度が適宜上昇しなかったり、加熱ロールの回転速度が直ちに減速しなかったりすると、フィルムが完全に軟化していないことにより貼り合わせることができない状況を惹起し易いのである。このため、ミネート物の厚みを検知でき、さらにラミネートのパラメータのダイナミック調整が可能なラミネーターが早急に求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的はラミネート物の厚みの検知が可能なラミネーターを提供することによって、ラミネート物の厚みを検知すると、ラミネーター内部の加熱ロールの温度と回転速度をダイナミックに調整して、ラミネート作業が順調に行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
好ましい実施例において、本発明はラミネート物を熱圧合するためのラミネート物の厚みの検知が可能なラミネーターを提供し、ラミネーターは、入口チャネル、出口チャネル、入口チャネルと出口チャネルの間に設置する加熱ロールセット及び厚み計測装置を含む。厚み計測装置は、回転中心軸線に沿って回転するロータリエンコーダと、ロータリエンコーダ上に設置し回転中心軸線と一直線になったシャフトと、ロータリエンコーダの傍に設置しロータリエンコーダの回転量を計測するセンサーと、入口チャネルに設置する自動誘導走査ヘッドと、シャフトに巻着し、一端を自動誘導走査ヘッドと連結し他端を自動誘導装置と連結するワイヤーケーブルとを含む。
【0006】
好ましい実施例で提供するラミネート物の厚みの検知が可能なラミネーターにおいて、回転中心軸線は入口チャネルを貫通する。
【0007】
好ましい実施例で提供するラミネート物の厚みの検知が可能なラミネーターにおいて、回転中心軸線は入口チャネルを垂直に貫通する。
【0008】
好ましい実施例で提供するラミネート物の厚みの検知が可能なラミネーターは、ワイヤーケーブルに接続して一部のワイヤーケーブルの方向を変える滑車をさらに含む。
【0009】
好ましい実施例で提供するラミネート物の厚みの検知が可能なラミネーターにおいて、自動誘導装置はスプリングである。
【0010】
好ましい実施例で提供するラミネート物の厚みの検知が可能なラミネーターにおいて、センサーは光遮断装置である。
【0011】
好ましい実施例で提供するラミネート物の厚みの検知が可能なラミネーターにおいて、ラミネート物が入口チャネルに進入すると、ラミネート物が自動誘導走査ヘッドに当接して自動誘導走査ヘッドが移動すると共に、シャフトとロータリエンコーダが回転する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
上記の従来技術で述べたように、従来のラミネーターの欠点を改善するために、本発明はラミネート物の厚みの検知が可能なラミネーターを提示する。
【実施例】
【0013】
図1は本発明の実施例で提供するラミネート物の厚みの検知機能を具えたラミネーターの構造概略図を示している。図1により本発明が提供するラミネーターの動作原理を説明する。ラミネーター1は入口チャネル11、出口チャネル12、加熱ロールセット、加熱装置14、厚み計測装置15を含む。入口チャネル11は底面111と頂面112を有し、これにより収納スペース113を形成してユーザーはラミネート物2(二つのフィルムと二つのフィルム間にある物)を入口チャネル11からラミネーター1内部に挿入する。加熱ロールセットは入口チャネル11と出口チャネル12の間に設置した二つの隣り合った加熱ロール131、132を含む。ユーザーがラミネーター1を始動してラミネート作業を行うと、加熱装置14が熱を発生させて加熱ロール131、132へ伝導し、ラミネート物2は加熱ロール131、132によって給送されて一緒に熱圧合される。最後に熱圧合が完了したラミネート物2は出口チャネル12へ伝送されてラミネーター1より排出される。
【0014】
図1に示す本発明の実施例で提供するラミネート物の厚みの検知が可能なラミネーターにおいて、事前にラミネート物2の厚みを計測するための厚み計測装置15を特に設置して、ラミネーター1が加熱ロール131、132の温度と回転速度をダイナミック調整する根拠とする。厚み計測装置15はロータリエンコーダ151、シャフト152、センサー153、自動誘導走査ヘッド154、ワイヤーケーブル155、滑車156及び自動誘導装置157を含む。本実施例では、ロータリエンコーダ151は光電ロータリエンコーダを採用して外縁に遮光と非遮光を交互に配列したラスター構造を形成し、ロータリエンコーダの傍に設置したセンサー153は光遮断装置を採用し、光電ロータリエンコーダの外縁を光遮断装置の発射ターミナルと受信ターミナルの中継に垂直にする。このようにして、光電ロータリエンコーダが回転中心軸線158に沿って回転すると、光遮断装置は高低が入れ替わるパルスを生じて、パルスの波数と周波数で光電ロータリエンコーダの回転量(回転位置と回転速度等を含む)を演算することができる。このほか、本発明によるその他の実施例で提供されたラミネーター1では、磁気方式や電磁誘導方式の様なその他の種類のロータリエンコーダ151並びにこれに対応するセンサー153を採用することもできる。また、本発明で提供するラミネーター1では、ロータリエンコーダ151の外形は完全な円盤に限定されるわけではなく、固定した回転中心軸線158に沿って回転し、センサー153がロータリエンコーダ151の回転量を計測することが可能でありさえすればよいのである。
【0015】
図1に示す本発明の実施例で提供するラミネート物の厚みの検知が可能なラミネーター1は、特にロータリエンコーダ151を水平若しくは若干傾斜させて置き、つまりロータリエンコーダ151の回転中心軸線158を図1に示す様に入口チャネル11の底面111を通す。こうして、ラミネーター1内に直径が大きめのロータリエンコーダ151を設置することでセンサー153が一層精確なセンサー信号を発生させることができる他に、水平位置のロータリエンコーダ151もラミネーター1の高さに影響を及ぼさないことから、本発明のミネーター1を採用して機体を薄型化した長所を備える。また、本実施例で提供するラミネーター1では、ロータリエンコーダ151は完全に水平に設置され、回転中心軸線158が入口チャネル11の底面111を垂直に貫通しているが、本発明によるその他の実施例で提供されたラミネーター1では、ロータリエンコーダ151はラミネーター1の高さに影響しない状態で傾斜して設置することもでき、45度の傾斜角の範囲内でロータリエンコーダ151を設置する例の様に、ロータリエンコーダ151の回転中心軸線158が入口チャネル11の底面111を貫通しさえすればよい。
【0016】
図1に示す本実施例で提供するラミネート物の厚みの検知が可能なラミネーター1において、シャフト152はロータリエンコーダ151上に設置して回転中心軸線158と一直線にするので、ロータリエンコーダ151と同時に回転することが可能となる。自動誘導走査ヘッド154は入口チャネル11内に設置し、ラミネート物2が当接すると移動する。本実施例で提供するラミネート物の厚みの検知が可能なラミネーター1では、自動誘導走査ヘッド154の移動量をロータリエンコーダ151の回転量に換算する方式とし、ワイヤーケーブル155で自動誘導走査ヘッド154を連結して、ワイヤーケーブル155の他端をシャフト152に巻着して自動誘導装置157に連結する。こうしてラミネート物2が図2の様に入口チャネル11内に挿入されて、自動誘導走査ヘッド154にしっかり当接すると、自動誘導走査ヘッド154が移動してワイヤーケーブル155が巻着したシャフト152が回転する。このときセンサー153が同時にロータリエンコーダ151の回転量を計測してラミネート物2の厚みを演算し、さらにラミネーター1に加熱ロール131、132の温度と回転速度を調整する根拠を提供することができる。また、本実施例で提供するラミネート物の厚みの検知が可能なラミネーター1内の自動誘導装置157はスプリング又はスプリングと等価な部材でワイヤーケーブル155の張力を維持する。さらに、本発明が提供するラミネート物の厚みの検知が可能なラミネーター内のロータリエンコーダ151が水平若しくは若干傾斜させて置かれることから、ラミネーター1内に少なくとも一つの滑車156を特に設置してワイヤーケーブル155の方向を調整する。こうしてスムースに自動誘導走査ヘッド154の移動量をロータリエンコーダ151の回転量に換算することが可能となる。自動誘導走査ヘッド154の設置は図2で示す様に垂直方向の移動に限定されず、本発明によるその他の実施例では、自動誘導走査ヘッド154はアームスイング方式でスイングすることも可能で、また同様にスイング量もまたロータリエンコーダ151の回転量に換算してラミネート物の厚みを演算することが可能となる。
【0017】
本発明が提供するラミネーターは本技術分野で散見されるモーターやギア等の様な駆動装置で加熱ロール131、132の回転を制御するので、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が明細書で開示した内容に基づいて加熱ロール131、132の回転速度を調整することができる。
【0018】
上記内容は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。従って、その他本発明で開示した精神を逸脱しない範囲において完成した等価変更若しくは修飾は、全て本案における特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例で提供するラミネート物の厚みの検知機能を具えたラミネーターの構造概略図である。
【図2】本発明の実施例で提供するラミネーターがラミネート物の厚みを検知する際の概略図である。
【符号の説明】
【0020】
1 ラミネーター
11 入口チャネル
111 底面
112 頂面
113 収納スペース
12 出口チャネル
131、132 加熱ロール
14 加熱装置
15 厚み計測装置
151 ロータリエンコーダ
152 シャフト
153 センサー
154 自動誘導走査ヘッド
155 ワイヤーケーブル
156 滑車
157 自動誘導装置
158 回転中心軸線
2 ラミネート物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラミネート物を熱圧合するのに用いるラミネート物の厚みの検知が可能なラミネーターであって、
入口チャネルと、
出口チャネルと、
前記入口チャネルと前記出口チャネルの間に設置する加熱ロールセットと、
厚み計測装置とを含み、前記ラミネート物の厚み計測装置は、
回転中心軸線に沿って回転するロータリエンコーダと、
前記ロータリエンコーダ上に設置し前記回転中心軸線と一直線になったシャフトと、
前記ロータリエンコーダの傍に設置し前記ロータリエンコーダの回転量を計測するセンサーと、
前記入口チャネルに設置する自動誘導走査ヘッドと、
前記シャフトに巻着し、一端を前記自動誘導走査ヘッドと連結し他端を自動誘導装置と連結するワイヤーケーブルとを含むことを特徴とするラミネート物の厚みの検知が可能なラミネーター。
【請求項2】
前記回転中心軸線が前記入口チャネルを貫通することを特徴とする請求項1に記載のラミネート物の厚みの検知が可能なラミネーター。
【請求項3】
前記回転中心軸線が前記入口チャネルを垂直に貫通することを特徴とする請求項2に記載のラミネート物の厚みの検知が可能なラミネーター。
【請求項4】
前記ワイヤーケーブルに接続して前記ワイヤーケーブルの一部の方向を変える滑車をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載するラミネート物の厚みの検知が可能なラミネーター。
【請求項5】
前記自動誘導装置がスプリングであることを特徴とする請求項1に記載するラミネート物の厚みの検知が可能なラミネーター。
【請求項6】
前記センサーが光遮断装置であることを特徴とする請求項1に記載するラミネート物の厚みの検知が可能なラミネーター。
【請求項7】
前記ラミネート物が前記入口チャネルに進入すると、前記ラミネート物が前記自動誘導走査ヘッドに当接して前記自動誘導走査ヘッドが移動すると共に、前記シャフトと前記ロータリエンコーダが回転することを特徴とする請求項1に記載するラミネート物の厚みの検知が可能なラミネーター。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−160910(P2009−160910A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−209072(P2008−209072)
【出願日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(501280046)致伸科技股▲ふん▼有限公司 (104)
【Fターム(参考)】