説明

ラミネート装置

【課題】ラミネート加工中の被加工物内の温度を均一にできるような熱板を使用したラミネート装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のラミネート装置は、押圧部材により仕切られた上チャンバと下チャンバとを有し、その下チャンバに設けられた熱板20上に被加工物10を配置し、前記熱板20により加熱した前記被加工物10を、前記下チャンバを真空とし前記上チャンバに大気を導入し前記熱板20と前記押圧部材とで挟圧してラミネートするラミネート装置であって、前記熱板20内に、ヒータ又は、ヒータ203及びヒートパイプ204を対とした加熱部を複数組設け、さらにヒータ又は、ヒータ及びヒートパイプの1組毎または複数組毎に1個以上の温度センサ207を設け、複数のヒータを別々に温度制御することにより、前記熱板及び被加工物内の温度を均一に制御することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱板上に太陽電池モジュール等の被加工物を配置し、熱板により加熱した被加工物を熱板と押圧部材とで挟圧してラミネートするラミネート装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、太陽電池モジュールを製造する場合、ラミネート装置が使用されている(特許文献1および2参照)。ラミネート装置は、下方向に向けて膨張自在なダイヤフラムを有する上ケースと、熱板を有する下ケースとを有している。太陽電池モジュールをラミネートする際、まず、構成部材を重ね合わせた太陽電池モジュールを、上ケースと下ケースとで形成される空間に搬送する。次に、ラミネート装置は、上ケースと下ケースとで形成される空間を真空状態にし、熱板上に太陽電池モジュールを配置した後、構成部材を加熱した状態で、上ケースの内部に大気圧を導入する。このようにすることで、太陽電池モジュールは、ダイヤフラムと熱板とで挟圧されて、ラミネートされ、太陽電池モジュールの各構成部材が溶融された充填材により接着される。
【0003】
また特許文献3には、ラミネート装置用の熱板内に複数のヒータを設け、その熱板を複数の加熱領域に分けてその加熱領域の一部又は全てに温度センサを設けその測定結果により、ヒータを個別で制御する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−47766号公報
【特許文献2】特開2004−31739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、従来のラミネート装置は、熱板の上面を複数の加熱領域に分割して、何れの加熱領域でも均一の温度になるように設定されている。しかしながら、上ケースと下ケースとで形成される空間は、熱板によりすでに加熱されている。したがって、太陽電池モジュールが、その空間に搬送されると、太陽電池モジュールの構成部材であるカバーガラスの上下面の温度差等の影響により、太陽電池モジュールの周縁部が熱板から離間するような態様で反ってしまう。このように反った太陽電池モジュールでは、太陽電池モジュールの内側部(中央部)のみが熱板上に接地し、その後、周縁部がダイヤフラムの押圧によって内側部に遅れて接地する。そして、熱板は、太陽電池モジュールが接地した箇所から、太陽電池モジュールに熱を奪われるため、太陽電池モジュールが接地する箇所やそのタイミングによって、温度が急変してしまう。このような場合、何れの加熱領域の温度に基づいて熱板の温度を均一にするか等が問題となり、全ての加熱領域の温度を均一にするまでに、かなりの時間を要してしまう。また、熱板の全ての加熱領域において、均一の温度になるまでは、太陽電池モジュール内でも、その内側部と周縁部とで温度が異なってしまい、周縁部の温度が高くて周縁部の充填材が最初に溶融し、内側部の温度が低くて充填材が溶融しないという現象が生じてしまう。すなわち、太陽電池モジュールの周縁部と内側部とで温度が異なり、充填材が溶融を開始する時間にタイムラグが生じてしまう。
【0006】
ここで、図15を参照して、従来のラミネート装置の熱板90により太陽電池モジュール91を加熱したときの太陽電池モジュール91内の温度変化について説明する。
図15(a)は、従来のラミネート装置の熱板90の中央に太陽電池モジュール91を載置した状態の平面図である。図15(a)に示す熱板90は、何れも同じ温度に加熱された加熱領域93を3つ有している。また、図15(b)は、図15(a)に示す太陽電池モジュール91の表面の測定点91a、91b、91cの温度を測定したグラフを示す図である。ここで、太陽電池モジュール91の寸法は、幅wが約1400mm、奥行きdが約1100mmである。また、測定点91aは、太陽電池モジュール91の角92から幅および奥行き方向それぞれ10mm内側に位置する点である。また、測定点91bは、太陽電池モジュール91の一方の長辺の中心から奥行き方向に10mm内側に位置する点である。また、測定点91cは、太陽電池モジュール91の中央に位置する点である。図15(b)において、測定点91aの温度変化が実線で示す特性線に対応し、測定点91bの温度変化が破線で示す特性線に対応し、測定点91cの温度変化が一点鎖線で示す特性線に対応する。
【0007】
熱板90が均一の温度になるように加熱した場合、上述したように全ての加熱領域で均一の温度になるまでには時間を要し、均一の温度になるまで熱板の温度は、太陽電池モジュールの周縁部と内側部とを加熱する領域とで異なってくる。したがって、図15(b)に示すように、ラミネート工程内における真空工程では、太陽電池モジュール91の内側部(測定点91c)の温度が高かったり、加圧工程の後半では、太陽電池モジュールの周縁部(測定点91a、91b)の温度が高くなったりして、加圧工程が終了する時点では太陽電池モジュール91の内側部と周縁部との温度差Δtは、略10℃にもなってしまう。このように、太陽電池モジュール91の中央部と周縁部とで温度が異なり、充填材が溶融を開始する時間にタイムラグが生じてしまう。太陽電池モジュール91の周縁部の充填材が、最初に溶融してしまうと、太陽電池モジュール91内の内側部の空気を脱気することができず、太陽電池モジュール91内に気泡が残ってしまう。気泡が残った太陽電池モジュール91を屋外に設置すると、気泡が膨張して、太陽電池モジュール91に悪影響を与えてしまう。
【0008】
上述した特許文献1に記載のラミネート装置は、熱板としてのヒータ盤の上面を複数の加熱領域に分割して、太陽電池モジュールMが載置される加熱領域の温度が何れの加熱領域でも常に同じになるように制御されている。したがって、図15(a)に示す熱板90と同様、太陽電池モジュールの内側部と周縁部との温度差を解消することができない。
【0009】
また、上述した特許文献2に記載のラミネート装置は、ヒータ盤の上面に配置される透光性基板を、ヒータ盤の透光性基板の反りが発生する周縁部に複数の真空吸着孔により吸着させることにより、透光性基板の反りを防止させる。このように透光性基板の反りを防止させることにより、太陽電池モジュール内の温度上昇を均一化させている。しかしながら、ヒータ盤に複数の真空吸着孔を穿設する必要があり、構造が複雑になってしまうばかりでなく、ヒータ盤内のヒータの配置の自由度が限定されてしまうという問題がある。
【0010】
また、太陽電池モジュールの充填材としては、材料費、加工特性および必要とする強度等に応じてEVA(エチレンビニルアセテート)樹脂、PVB(ポリビニルブチラール)樹脂、又は他の充填材が使い分けられている。この場合、使用される充填材により溶融温度等の特性が異なってしまう。したがって、使用する充填材の種類により溶融する温度が変化してしまうために、上述したように太陽電池モジュールの周縁部と内側部とで温度が異なることに加えてさらに、充填材が溶融を開始する時間を均一に制御することが困難になる。
【0011】
また特許文献1に記載のラミネート装置は、熱板内に複数のヒータと温度センサが設けられているが、熱板の温度を均一にしたり、熱板の温度分布を意図的にある領域のみ高め目に設定するためには、ヒータを細かく分割し温度センサを複数個設け制御する必要があり熱板の構造が複雑になる。また被加工物の加熱を均一にするためにヒートパイプを熱板の下面に設ける実施形態も提案されている。ヒートパイプを熱板の下面に設けているので、熱板内のヒータに対する熱輸送の効率が悪くヒートパイプによる効果が充分に発現されない。さらにヒートパイプが熱板の下面に設けられているので、熱板の取り付けに余分なスペースが必要となる。
【0012】
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、ラミネート加工中の被加工物内の温度を均一にできる熱板を使用したラミネート装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するための第1の発明のラミネート装置は、押圧部材により仕切られた上チャンバと下チャンバとを有し、その下チャンバに設けられた熱板上に被加工物を配置し、前記熱板により加熱した前記被加工物を、前記下チャンバを真空とし前記上チャンバに大気を導入し前記熱板と前記押圧部材とで挟圧してラミネートするラミネート装置であって、前記熱板は、前記熱板内に、ヒータのみ又は、ヒータ及びヒートパイプを対とする加熱部を複数組設け、さらにヒータのみ又は、ヒータ及びヒートパイプの1組毎または複数組毎に1個以上の温度センサを設け、複数のヒータを別々に温度制御することを特徴としている。
【0014】
第2の発明のラミネート装置は、第1の発明において、前記熱板の前記各組のヒートパイプ及びヒータは、直線状にかつ平行に配設されていることを特徴としている。
【0015】
上記目的を達成するための第3の発明のラミネート装置は、押圧部材により仕切られた上チャンバと下チャンバとを有し、その下チャンバに設けられた熱板上に被加工物を配置し、前記熱板により加熱した前記被加工物を、前記下チャンバを真空とし前記上チャンバに大気を導入し前記熱板と前記押圧部材とで挟圧してラミネートするラミネート装置であって、前記熱板は、前記被加工物の周縁部を加熱する周縁加熱部と、前記被加工物の周縁部よりも内側を加熱する内側加熱部から構成され、前記周縁加熱部と前記内側加熱部は、前記ヒータのみ又は、ヒータ及びヒートパイプを対とする加熱部を複数組設け、さらに前記ヒータのみ又は、ヒータ及びヒートパイプの1組毎または複数組毎に1個以上の温度センサを設け、複数のヒータを別々に別々に温度制御することを特徴としている。
【0016】
第4の発明のラミネート装置は、第3の発明において、前記周縁加熱部と前記内側加熱部の前記各組のヒートパイプおよびヒータは、直線状にかつ平行に配設されていることを特徴としている。
【0017】
第5の発明のラミネート装置は、押圧部材により仕切られた上チャンバと下チャンバとを有し、その下チャンバに設けられた熱板上に被加工物を配置し、前記熱板により加熱した前記被加工物を、前記下チャンバを真空とし前記上チャンバに大気を導入し前記熱板と前記押圧部材とで挟圧してラミネートするラミネート装置であって、前記熱板は、前記被加工物の周縁部を加熱する周縁加熱部と、前記被加工物の周縁部よりも内側を加熱する内側加熱部から構成され、前記周縁加熱部は、複数のヒータを設け、ヒータの1個毎または複数個毎に1個以上の温度センサを設け、複数のヒータを別々に温度制御し、前記内側加熱部は、前記ヒータのみ又は、ヒータ及びヒートパイプを対とする加熱部を複数組設け、さらに前記ヒータのみ又は、ヒータ及びヒートパイプの1組毎または複数組毎に1個以上の温度センサを設け、複数のヒータを別々に温度制御することを特徴としている。
【0018】
第6の発明のラミネート装置は、第5の発明において、前記周縁加熱部の複数のヒータは直線状に配設され、さらに前記内側加熱部の前記各組のヒートパイプおよびヒータは、直線状にかつ平行に配設されていることを特徴としている。
【0019】
第7の発明のラミネート装置は、第3の発明から第6の発明のいずれかにおいて、前記熱板は、前記周縁加熱部に対応する周縁熱板と前記内側加熱部に対応する内側熱板とで別体にして構成されていることを特徴としている。
【0020】
第8の発明のラミネート装置は、第7の発明において、前記周縁加熱部に対応する周縁熱板は、前記周縁加熱部に配置される前記被加工物の各辺ごとに別体にして構成されていることを特徴としている。
【0021】
第9の発明のラミネート装置は、第2の発明から第8の発明のいずれかにおいて、前記熱板は、前記周縁加熱部に対応する周縁熱板と前記内側加熱部に対応する内側熱板とが被加工物を載置する載置板を介して接続して構成されていることを特徴としている。
【0022】
第10の発明のラミネート装置は、押圧部材により仕切られた上チャンバと下チャンバとを有し、その下チャンバに設けられた熱板上に被加工物を配置し、前記熱板により加熱した前記被加工物を、前記下チャンバを真空とし前記上チャンバに大気を導入し前記熱板と前記押圧部材とで挟圧してラミネートするラミネート装置であって、前記熱板は、上段熱板と下段熱板を積層させた構造とし、前記上段熱板は、前記上段熱板内には前記ヒータのみ又は、ヒータ及びヒートパイプを対とする加熱部を複数組設け、さらに前記ヒータのみ又は、ヒータ及びヒートパイプの1組毎または複数組毎に1個以上の温度センサを設け、前記下段熱板は、前記下段熱板内には、上段熱板に設けたヒータ及びヒートパイプとは直角な方向に前記ヒータのみ又は、ヒータ及びヒートパイプを対とする加熱部を複数組設け、さらに前記ヒータのみ又は、ヒータ及びヒートパイプの1組毎または複数組毎に1個以上の温度センサを設け、前記上段熱板内および前記下段熱板内の複数のヒータを別々に温度制御することを特徴とするラミネート装置。
【発明の効果】
【0023】
第1の発明によれば、以下の効果が発現する。前記熱板内にヒータのみ又は、ヒータとヒートパイプを対とする加熱部を複数組設け、更にヒータ又は、ヒータ及びヒートパイプの1組毎または複数組毎に1つ以上の温度センサを設け、温度センサによる測定結果により複数のヒータを別々に温度制御をするので、ラミネート加工中において熱板の温度を均一にすることができ、被加工物内の温度を均一にすることができる。
【0024】
第2の発明によれば、熱板内のヒータおよびヒートパイプは、直線状に平行に配設されているので構造が容易であり、熱板の温度を均一に制御することが容易である。
【0025】
第3の発明によれば、以下の効果が発現する。前記熱板は、前記被加工物の周縁部を加熱する周縁加熱部と、前記被加工物の周縁加熱部よりも内側を加熱する内側加熱部とにより構成されている。前記周縁加熱部内および内側加熱部内にヒータ又は、ヒータとヒートパイプを対にした加熱部を複数組設け、更にヒータ又は、ヒータとヒートパイプを対とする1組毎または複数組毎に1個以上の温度センサを設け、温度センサによる測定結果により複数のヒータを別々に温度制御をする。したがって前記周縁加熱部および内側加熱部は、別々に温度制御され、前記被加工物の周縁部と内側部とを略同一温度に加熱すことができる。
したがって前記熱板は、前記周縁加熱部と、前記内側加熱部とが別々に温度制御されるので、前記被加工物内の充填材を前記被加工物の周縁部と内側部とで溶融を開始する時間を略同一にすることができるので、被加工物内に気泡が残るのを防止することができる。
【0026】
第5の発明のラミネート装置によれば、前記熱板は、前記被加工物の周縁部を加熱する周縁加熱部と、前記被加工物の周縁加熱部よりも内側を加熱する内側加熱部とにより構成されている。前記周縁加熱部は、複数のヒータを設け、ヒータの1個毎または複数個毎に1個以上の温度センサを設け、複数のヒータを別々に温度制御し、前記内側加熱部は、ヒータ又は、ヒータ及びヒートパイプを対とする加熱部を複数組設け、さらにヒータ又は、ヒータ及びヒートパイプの1組毎または複数組毎に1個以上の温度センサを設け、複数のヒータを別々に温度制御をする。したがって第3の発明と同様の効果が発現することができる。
【0027】
第4の発明、および第6の発明によれば、熱板内のヒータおよびヒートパイプが直線状に平行に配設されているので構造が容易であり、熱板の温度を均一に制御することが容易であると同時に被加工物内の温度を略同一に加熱することができる。
【0028】
第7の発明のラミネート装置によれば、以下の効果が発現する。前記熱板は、前記周縁加熱領域に対応する周縁熱板と前記内側加熱領域に対応する内側熱板とで別体にして構成されている。この場合、周縁加熱領域と内側加熱領域との間の温度制御が容易になるとともに、周縁加熱領域と内側加熱領域とにシースヒータ等の熱伝達体を取り付ける加工等を容易に行うことができる。
【0029】
第8の発明のラミネート装置によれば、以下の効果が発現する。前記周縁加熱領域に対応する周縁熱板は、前記周縁加熱領域に配置される前記被加工物の各辺ごとに別体にして構成されている。この場合、周縁熱板にシースヒータ等の熱伝達体を取り付ける加工等を容易に行うことができる。
【0030】
第9の発明のラミネート装置によれば、以下の効果が発現する。前記熱板は、前記周縁加熱領域に対応する周縁熱板と前記内側加熱領域に対応する内側熱板とが被加工物を載置する載置板を介して接続されて構成されている。この場合、前記周縁加熱領域に対応する周縁熱板と前記内側加熱領域に対応する内側熱板とをラミネート装置に容易に接続することができる。
【0031】
第10の発明のラミネート装置によれば、以下の効果が発現する。前記熱板は、上段熱板と下段熱板を積層させた構造とし、前記上段熱板は、前記上段熱板内にはヒータ又は、ヒータ及びヒートパイプを対とする加熱部を複数組設け、さらにヒータ又は、ヒータ及びヒートパイプの1組毎または複数組毎に1個以上の温度センサを設け、前記下段熱板は、前記下段熱板内には、上段熱板に設けたヒータ及びヒートパイプとは直角な方向にヒータ又は、ヒータ及びヒートパイプを対とする加熱部を複数組設け、さらにヒータ又は、ヒータ及びヒートパイプの1組毎または複数組毎に1個以上の温度センサを設けた構造となっている。したがって前記上段熱板と前記下段熱板を相互に温度制御することにより、第1の発明から第9の発明よりもさらに熱板の温度を均一にすること、更には被加工物内の温度を均一にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】被加工物としての太陽電池モジュールの構成を示す断面図である。
【図2】ラミネート装置の全体の構成を示す図である。
【図3】ラミネート装置のラミネート部の側断面図である。
【図4】ラミネート装置のラミネート加工時におけるラミネート部の側断面図である。
【図5】実施例1の熱板の構成を説明するための図である。
【図6】実施例2の熱板の温度制御領域と温度制御装置の構成の説明図である。
【図7】実施例2の熱板の構成の詳細を説明するための図である。
【図8】実施例3の熱板の構成の詳細を説明するための図である。
【図9】熱板同士を接続して構成した実施例4の熱板の構成の詳細を説明するための図である。
【図10】一つの熱板で構成した実施例5の熱板の構成の詳細を説明するための図である。
【図11】実施例7の熱板の構成の詳細を説明するための図である。
【図12】実施例8の熱板の構成の詳細を説明するための図である。
【図13】実施例8の熱板の構成の詳細を説明するための図である。
【図14】シースヒータの説明図である。
【図15】従来の熱板により加熱された被加工物の表面温度の変化を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照して本実施形態に係るラミネート装置について説明する。
ここでは、まず、ラミネート装置でラミネートされる被加工物10について説明する。
図1は、被加工物10として結晶系セルを使用した太陽電池モジュールの構成を示す断面図である。太陽電池モジュール10は、図示のように、透明なカバーガラス11と裏面材12との間に、充填材13、14を介してストリング15およびストリング15を複数列並列に接続したマトリックス状のものを挟み込んだ構成を有する。裏面材12にはポリエチレン樹脂等の材料が使用される。また、充填材13、14にはEVA(エチレンビニルアセテート)樹脂や、PVB(ポリビニルブチラール)樹脂等が使用される。ストリング15は、電極16、17の間に結晶系セルとしての太陽電池セル18をリード線19を介して接続した構成である。
【0034】
また、被加工物10としては、上述した太陽電池モジュールだけではなく、一般に薄膜式と呼ばれる太陽電池モジュールを対象とすることもできる。この薄膜式太陽電池モジュールの代表的な構造例では、透明なカバーガラスに、予め、透明電極、半導体、裏面電極からなる発電素子が蒸着してある。このような薄膜式太陽電池モジュールは、カバーガラスを下向きに配置し、カバーガラス上の発電素子の上に充填材を被せる。更に、充填材の上に裏面材を被せた構造になっている。このような状態で真空加熱ラミネートすることにより薄膜式太陽電池モジュールの構成部材が接着される。すなわち、薄膜式太陽電池モジュールは、上述した太陽電池モジュールの結晶系セルが蒸着された発電素子に変わるだけである。薄膜式太陽電池モジュールの基本的な封止構造は上述した太陽電池モジュールと同じである。
【0035】
図2は、本実施形態に係るラミネート装置100の全体の構成を示す図である。ラミネート装置100は、上ケース110と、下ケース120と、被加工物10を搬送するための搬送ベルト130とを有する。搬送ベルト130は、被加工物10を上ケース110と下ケース120との間に搬送する。ラミネート装置100には、ラミネート前の被加工物10をラミネート装置100に搬送するための搬入コンベア200が設けられている。また、ラミネート装置100には、ラミネート後の被加工物10をラミネート装置100から搬出するための搬出コンベア300が設けられている。搬入コンベア200と搬出コンベア300とは、連設されている。被加工物10は、搬入コンベア200から搬送ベルト130に受け渡され、搬送ベルト130から搬出コンベア300に受け渡される。
【0036】
ラミネート装置100には、シリンダ及びピストンロッド等で構成される図示しない昇降装置が設けられている。昇降装置は、上ケース110を水平状態に維持したまま下ケース120に対して昇降させることができる。昇降装置が上ケース110を下降させることで、上ケース110と下ケース120との内部空間を密閉させることができる。
【0037】
次に、本施形態に係るラミネート装置100のラミネート部101の構成についてより具体的に説明する。図3は、ラミネート装置100において被加工物10をラミネートするラミネート部101の側断面図である。図4は、ラミネート加工時におけるラミネート部101の側断面図である。
【0038】
上ケース110には、下方向に開口された空間が形成されている。この空間には、空間を水平に仕切るようにダイヤフラム112が設けられている。ダイヤフラム112は、シリコーン系のゴム等の耐熱性のあるゴムにより成形されている。後述するように、ダイヤフラム112は、被加工物10を押圧する押圧部材として機能し、ラミネートを行う。上ケース110内には、ダイヤフラム112によって仕切られた空間(上チャンバ113)が形成される。
【0039】
また、上ケース110の上面には、上チャンバ113と連通する吸排気口114が設けられている。上チャンバ113では、吸排気口114を介して、上チャンバ113内を真空引きして真空状態にしたり、上チャンバ113内に大気を導入したりすることができる。
【0040】
下ケース120には、上方向に開口された空間(下チャンバ121)が形成されている。この空間には、熱板122(パネル状のヒータ)が設けられている。熱板122は、下ケース120の底面に立設された支持部材によって、水平状態を保つように支持されている。この場合に、熱板122は、その表面が下チャンバ121の開口面とほぼ同一高さになるように支持される。
【0041】
また、下ケース120の下面には、下チャンバ121と連通する吸排気口123が設けられている。下チャンバ121では、吸排気口123を介して、下チャンバ121内を真空引きして真空状態にしたり、下チャンバ121内に大気を導入したりすることができる。
【0042】
上ケース110と下ケース120との間であって、熱板122の上方には、搬送ベルト130が移動自在に設けられている。搬送ベルト130は、図2の搬入コンベア200からラミネート前の被加工物10を受け取ってラミネート部101の中央位置、すなわち熱板122の中央部に正確に搬送する。また、搬送ベルト130は、ラミネート後の被加工物10を図2の搬出コンベア300に受け渡す。
【0043】
また、上ケース110と下ケース120との間であって、搬送ベルト130の上方には、剥離シート140が設けられている。剥離シート140は、被加工物10の充填材13、14(図1参照)が溶融したときに、充填材13、14がダイヤフラム112に付着するのを防止する。
【0044】
次に、本実施形態に係るラミネート装置100によるラミネート工程についてより具体的に説明する。まず、図3に示すように、搬送ベルト130は、被加工物10をラミネート部101の中央位置に搬送する。なお、このとき、下チャンバ121や熱板122に配設された上下動可能な図示しない保持ピン等を上昇させることで、被加工物10を熱板122上から離間した位置に保持しておいてもよい。
【0045】
次に、昇降装置は、上ケース110を下降させる。上ケース110を下降させることにより、図4に示すように、上ケース110と下ケース120との内部空間は、密閉される。すなわち、上ケース110と下ケース120との内部にて上チャンバ113及び下チャンバ121は、それぞれ密閉状態に保つことができる。
【0046】
次に、ラミネート装置100は、上ケース110の吸排気口114を介して、上チャンバ113内の真空引きを行う。同様に、ラミネート装置100は、下ケース120の吸排気口123を介して、下チャンバ121内の真空引きを行う(真空工程)。下チャンバ121の真空引きにより、被加工物10内に含まれている気泡は、被加工物10外に送出される。なお、上下動可能な図示しない保持ピンにより被加工物10を、熱板122上から離間した位置に保持していた場合は、真空工程の略後半から、保持ピンを下降して被加工物10を熱板122上に載置する。
被加工物10は、後述する温度制御装置の温度制御により加熱された熱板122によって加熱されるので、被加工物10の内部に含まれる充填材13、14も加熱される。
【0047】
次に、ラミネート装置100は、下チャンバ121の真空状態を保ったまま、上ケース110の吸排気口114を介して、上チャンバ113に大気を導入する。これにより、上チャンバ113と下チャンバ121との間に気圧差が生じることで、ダイヤフラム112が膨張する。従って、ダイヤフラム112は、図4に示すように下方に押し出される(加圧工程)。被加工物10は、下方に押し出されたダイヤフラム112と、熱板122とで挟圧され、加熱により溶融された充填材13、14によって各構成部材が接着される。本実施形態のラミネート装置100は、充填材13、14を完全に溶融させて、各構成部材を接着させる、いわゆる全架橋タイプのラミネート装置である。
【0048】
このとき、充填材13、14がカバーガラス11と裏面材12との間からはみ出てしまうことがあるものの、はみ出した充填材13、14は剥離シート140に付着する。このように剥離シート140を介在させることにより、はみ出した充填材13、14がダイヤフラム112に付着するのを防止する。従って、剥離シート140は、ダイヤフラム112から次にラミネートする被加工物10に充填材13、14が付着するのを防止する。また、はみ出した充填材13、14が、搬送ベルト130上に付着した場合は、付着した充填材13、14は、図示しないクリーニング機構により除去される。
【0049】
このようにラミネート工程が終了した後、ラミネート装置100は、下ケース120の吸排気口123を介して、下チャンバ121に大気を導入する。このとき、昇降装置は、上ケース110を上昇させる。上ケース110を上昇させることにより、図3に示すように、搬送ベルト130を移動させることができるようになる。搬送ベルト130は、ラミネート後の被加工物10を搬出コンベア300に受け渡す。
【0050】
次に、本実施形態に係るラミネート装置100の熱板122の構成について説明する。
【実施例1】
【0051】
図5は、第1の実施形態の熱板122の構成を示す図である。図5において図3および図4の本発明のラミネート装置100の熱板122は、熱板20としている。図5(a)は、熱板20の平面図であり、図5(b)は熱板20の正面図であり、図5(c)は図5(b)のC−C矢視図である。
熱板20は、全体の大きさが下ケース120内に収まるサイズであって、図5の二点鎖線で示す太陽電池モジュール10よりも大きいサイズで形成される。ここで、本実施形態の熱板20の寸法は、幅Whが約1500mm、奥行きDhが約1200mmである。また、この熱板20により加熱される太陽電池モジュール10の寸法は、奥行きdが約1100mm、幅wが約1400mmであり、平面視で長方形状である。尚上記の熱板20のサイズは、参考例であり、この寸法に限定されるものではない。
【0052】
図5において、熱板本体201は、アルミニウム又はアルミニウム合金等により、被加工物10を載置できるような載置面SF有し、パネル状に形成されている。尚材質は、ステンレス等の鉄系材料でも使用することができる。熱板本体201には、ヒータ203およびヒートパイプ204を埋設するために、奥行き方向に溝208が加工されている。この収容溝208にU字状のヒータ203が平行に複数配設されている。ここでは、ヒータとしては、シースヒータSHを使用することができる。シースヒータSHは、図14に示すように、中心にコイル状に加工されたニクロム線SH1と、ニクロム線SH1の周りに充填された酸化マグネシウム等の絶縁材SH2と、絶縁材SH2の全周を覆うシースSH3(外周をなす外皮)とを有するものである。尚ヒータ203は、U字状のものでなく、直線状のヒータを使用しても良い。
ヒートパイプ204は,公知の構成のものを使用することができる。ヒートパイプは、管内に作動液が飽和蒸気圧の状態で密封されていて、ヒートパイプの長さ方向に温度差があると高温部から低温部に蒸気流が発生する。そして作動液は、高温部で蒸発熱を奪い、低温部では凝縮熱を与える。
【0053】
本実施例では、そのU字状のヒータ203の略中央位置にヒータと平行にヒートパイプ204を埋設している。埋設部の構造を図5(b)のA部の拡大図を参照して説明する。ヒータ203とヒートパイプ204は、クッション材205を介して熱板本体201と略同一寸法の裏板206を熱板本体201とボルト等により固定し収容溝208内に埋設固定される。これによりヒータの外周、およびヒートパイプの外周が溝の底面と密着する。このヒータ203とヒートパイプ204を1組の加熱部202とし、熱板20内に複数組配設している。加熱部202は、図5において2点鎖線で囲った領域であり、図5(c)に示すように202Aから202Eの5組が設けられている。各組の加熱部202には、熱電対等の温度センサ207が1つ以上設けることができる。本実施例では、各加熱部に1箇所ずつ温度センサ207Aから207Eが図5(a)の×印位置に設けられている。図中2点鎖線で囲んだ各加熱部202のヒータ203は、全て温度制御装置CLに接続されている。各加熱部202は、ヒートパイプの作用により均一な温度にすることができる。また各加熱部202の温度センサ207の測定結果が温度制御装置CLに入力され各加熱部のヒータによる発熱量を制御することにより熱板全体の温度を均一に制御することができる。本実施例の熱板によれば、図5における熱板全体の温度のバラツキを±1.5℃以内に制御することができる。一方ヒートパイプを使用しない従来型の熱板ではその温度のバラツキは、±4℃以内である。
また加熱部は、本実施例では全てヒータとヒートパイプを対としているが、一部の加熱部は、ヒータのみとしても良い。
このように本実施例の熱板を使用することにより、ラミネート加工中の熱板の温度を均一にすることができる。したがって被加工物の透明基板であるカバーガラスの周辺または4隅の反り発生が被加工物内の温度を均一にする際に問題無いような場合は、ラミネート加工中の被加工物の温度も均一にすることができる。
【実施例2】
【0054】
第2の実施例の熱板30の構成を図6により説明する。熱板30は、太陽電池モジュール10を熱板の中心に載置したときに太陽電池モジュール10の内側部(中央部)を加熱する内側加熱部S1と、太陽電池モジュール10の周縁部を加熱する周縁加熱部S2〜S5とを有し、ラミネート装置の下チャンバ121に別体として設置する。
【0055】
内側加熱部S1は、一つのみからなる領域であって、太陽電池モジュール10全体の面積よりも小さく、太陽電池モジュール10全体の面積の70%以上である。ここで、本実施形態の内側加熱領域S1の寸法は、幅Waが約1250mm、奥行きDaが約940mmであり、平面視で略長方形状である。内側加熱領域S1の形状は、太陽電池モジュール10と略相似形である。また、本実施形態の内側加熱領域S1の面積は、太陽電池モジュール10全体の面積の76%である。
このように、熱板30の内側加熱領域S1は、実施例1と同様の構成の熱板であり、太陽電池モジュール10の内側部すなわち中央部を加熱する。
なお、内側加熱領域S1の寸法は、太陽電池モジュール10が熱の影響により反り返ったときに、太陽電池モジュール10が熱板30に接地している範囲と略同一の領域であることが好ましい。したがって、内側加熱領域S1の寸法は、太陽電池モジュール10の大きさによって変更することが好ましい。
【0056】
一方、周縁加熱領域S2〜S5は、内側加熱領域S1の外側に位置し、太陽電池モジュール10の周縁部の全周を加熱する。また、周縁加熱部S2〜S5は、全体では一つのみからなる領域であるが、本実施形態では複数に分割されている。周縁加熱部S2〜S5の構成は、太陽電池モジュール10の周縁加熱部S2〜S5を加熱する。詳細は、図7により後述する。
【0057】
第1の周縁加熱領域S2は、太陽電池モジュール10の周縁部のうち長辺の一方側を加熱する。また、第2の周縁加熱領域S3は、太陽電池モジュール10の周縁部のうち長辺の他方側を加熱する。第1の周縁加熱領域S2と第2の周縁加熱領域S3は、図6に示すように、平面視で幅方向に長い細長の略長方形状である。また、第3の周縁加熱領域S4は、太陽電池モジュール10の周縁部のうち短辺の一方側を加熱する。また、第4の周縁加熱領域S5は、太陽電池モジュール10の周縁部のうち短辺の他方側を加熱する。第3の周縁加熱領域S4と第4の周縁加熱領域S5は、図6に示すように、平面視で奥行き方向に長い細長の略長方形状である。このように、周縁加熱領域S2〜S5は、全体では、太陽電池モジュール10の周縁部の長辺の一方側から短辺の一方側、長辺の他方側、短辺の他方側に亘り連続する領域となっている。
なお、周縁加熱領域S2〜S5の寸法は、太陽電池モジュール10が熱の影響により反り返ったときに、太陽電池モジュール10が熱板122に接地していない範囲と略同一の領域であることが好ましい。したがって、周縁加熱領域S2〜S5の寸法は、太陽電池モジュール10の大きさによって変更することが好ましい。
【0058】
上述した内側加熱領域S1と周縁加熱領域S2〜S5の内部には、それぞれ熱電対等の温度センサが埋設されている。温度センサの埋設状況は、図7により後述する。そして、温度制御装置CLは、温度センサにより検出された温度データに基づいて、内側加熱領域S1と周縁加熱領域S2〜S5とが設定された温度になるように、内側加熱領域S1と周縁加熱領域S2〜S5とを別々に温度制御することができる。なお、本実施形態の熱板30の周縁加熱領域は、上述したように、第1の周縁加熱領域S2〜第4の周縁加熱領域S5に分割されていて、温度制御装置CLは、第1の周縁加熱領域S2〜第4の周縁加熱領域S5の間でも別々に温度制御することができる。
【0059】
次に、本実施例の熱板30の構成について、図7を参照してより詳細に説明する。図7(a)は、熱板30の平面図である。図7(b)は、熱板30の正面図である。図7(c)は、図7(b)のC−C矢視図である。
熱板30は、第1の熱板31〜第5の熱板35をそれぞれ同一の厚みTpで形成し、図7(a)、(b)の二点鎖線に示すように、熱板30全体でも一定の厚みTpで形成し、太陽電池モジュール10を載置できるように載置面SFを形成するようにラミネート装置の下チャンバに設置される。尚下チャンバへの設置手段についての説明は、省略する。
【0060】
ここで、第1の熱板31は、中央に取り付けられる。すなわち、第1の熱板本体31は、上述した内側加熱部S1を加熱する役割を有するものであり、図6の内側加熱部S1と同じ大きさである。
第1の熱板31には、図7(c)に示すように、実施例1と同様の形態で、ヒータ313およびヒートパイプ314を熱板本体301の収容溝308に埋設しクッション材と裏板で固定している。なお、図示しないが、それぞれのヒータ313は、上述した図6の温度制御装置CLに接続される。したがって、温度制御装置CLは、これらヒータ313を加熱制御し、ヒートパイプ314の作用により、内側加熱部S1全体を均一な温度に制御することができる。
【0061】
一方、第2の熱板32〜第5の熱板35は、第1の熱板31の周りを囲むようにして周縁に取り付けられる。第2の熱板32〜第5の熱板35は、それぞれ上述した周縁加熱部S2〜S5を加熱する役割を有するものであり、それぞれ周縁加熱部S2〜S5と同じ大きさである。
第2の熱板32〜第5の熱板35は、第1の熱板31と同様に、図7(c)に示すように、実施例1と同様の形態で、ヒータ323〜353およびヒートパイプ324〜354を熱板本体321〜351の収容溝に埋設しクッション材と裏板で固定している。
実施例2における加熱部は、図7(c)のとおりである。第1の熱板31では、312A、312Bおよび312Cと3組設けられている。第2の熱板32〜第5の熱板35では、それぞれが加熱部となっている。各加熱部には、図7(a)の×印位置に示すとおり温度センサが設けられている。第1の熱板には、317A、317Bおよび317Cと3箇所設けられている。短辺側の周縁熱板34と35には、347と357が各1箇所設けられている。長辺側の周縁熱板32には、327A、327Bおよび327Cと3箇所設けられている。同様に長辺側の周縁熱板33には、337A、337Bおよび337Cと3箇所設けられている。これは一例であり、加熱部および温度センサの配置や数量はこれに限定されるものではない。
なお、図示しないが、それぞれのヒータ323〜353は、上述した温度制御装置CLに接続される。したがって、温度制御装置CLは、これらヒータ323〜353を加熱制御し、ヒートパイプ324〜354の作用により、周縁加熱部S2〜S5全体を均一な温度に制御することができる。場合によって、温度制御装置CLは、第2の熱板32〜第5の熱板35の温度をそれぞれ制御して、周縁加熱領域S2〜周縁加熱領域S5の温度を、別々に温度制御してもよい。なお、第1の熱板31〜第5の熱板35の間には、僅かな隙間を有していて、隣り合う熱板同士の温度が干渉しないように構成されている。
また加熱部は、本実施例では全てヒータとヒートパイプを対としているが、一部の加熱部は、ヒータのみとしても良い。尚ヒータは、U字状のものでなく、直線状のヒータを使用しても良い。
【0062】
また本実施例では、内側加熱部S1および周縁加熱部S2〜S5を別々に温度制御することができる。これによりラミネート加工中に被加工物の透明基板であるカバーガラスの周縁部や四隅の部分に反りが発生しても被加工物の温度を均一にすることができる。
【実施例3】
【0063】
また、上述した実施形態では、周縁加熱部を加熱する熱板本体を、第2の熱板32〜第5の熱板35の複数で構成する場合について説明したが、この場合に、限られない。本実施例のように周縁加熱部を加熱する熱板を一体で構成してもよい。
ここで、周縁加熱部S2を加熱する熱板を一体で構成した実施例3の熱板40の構成について、図8を参照して説明する。図8(a)は、熱板40の平面図である。図8(b)は、熱板40の正面図である。図8(c)は、図8(b)のC−C矢視図である。
【0064】
周縁加熱部S2の熱板42は、内側加熱部S1の熱板41と合わせその上面の高さ位置を同一として太陽電池モジュール10を載置する載置面SFを形成するようにラミネート装置の下ケースに設置される。
熱板本体40は、第1の熱板本体41と第2の熱板42を含んで構成されている。第1の熱板本体41は、図6の内側加熱領域S1と同じ大きさである。第1の熱板本体411の裏面には、収容溝が裏面全体に亘って複数、加工され、その収容溝418(図示しない)内には、図5と同様にヒータ413およびヒートパイプ414が実施例1と同様の形態で、クッション材を介して裏板416によりボルト締め等により固定され熱板本体411に埋設されている。
第2の熱板42は、第1の熱板41の周りを囲むような口字形状をしている。第2の熱板42と第1の熱板41との間には、僅かな隙間を有している。第2の熱板42は、周縁加熱領域S2を加熱する役割を有するものであり、図6の周縁加熱領域S2からS5と同じ大きさである。第2の熱板42の熱板本体421の裏面には、熱板41と同様に収容溝が裏面全体に亘って複数加工され、その収容溝内には、図5と同様に長辺側にはヒータ423およびヒートパイプ424、さらに短辺側にはヒータ413およびヒートパイプ414が実施例1と同様の形態でクッション材を介して裏板426によりボルト締め等により固定され熱板本体421に埋設されている。
実施例3における加熱部は、図8(c)のとおりである。第1の熱板41では、412A、412Bおよび412Cと3組設けられている。第2の熱板42では、短辺側では412D、412Eが加熱部となっており、長辺側では422B、422Eそれぞれが加熱部となっている。各加熱部には、図8(a)の×印位置に示すとおり温度センサが設けられている。第1の熱板41では、417A、417B、417Cと3箇所設けられている。第2の熱板42では、短辺側には417D、417Eが各1箇所けられている。一方の長辺側には、427A、427Bおよび427Cと3箇所けられている。同様に他方の長辺側の周縁熱板33には、427A、427Bおよび427Cと3箇所けられている。これは一例であり、加熱部および温度センサの配置や数量はこれに限定されるものではない。
また加熱部は、本実施例では全てヒータとヒートパイプを対としているが、一部の加熱部は、ヒータのみとしても良い。尚ヒータは、U字状のものでなく、直線状のヒータを使用しても良い。
図示しないが、ヒータ413および423は、上述した温度制御装置CLに接続されている。したがって、温度制御装置CLは、これらヒータを加熱することで、第1の熱板41および第2の熱板42を別々の温度に制御することができる。したがってラミネート加工中の被加工物の温度を均一に制御することができる。
【実施例4】
【0065】
また、上述した実施例2および実施例3の熱板では、内側加熱部を加熱する第1の熱板31・41と周縁加熱部を加熱する熱板(第2の熱板32〜第5の熱板35または第2の熱板42)とを直接ラミネート装置の下ケースに配設する場合について説明したが、内側加熱部を加熱する第1の熱板本体31(または41)と周縁加熱部を加熱する熱板(第2の熱板32〜第5の熱板35または第2の熱板42)同士を接続して一体としてもよい。
本実施例の熱板50について図9を参照して説明する。図9では、内側加熱部を加熱する第1の熱板本体41と第2の熱板32〜第5の熱板35を口状に一体化した熱板42より構成された実施例3の熱板40を例にしている。図9(a)は、熱板50の平面図である。図9(b)は、熱板50の正面図である。図9(c)は、熱板50の底面図である。
【0066】
図9(a)、(b)、(c)に示すように、熱板50は、第1の熱板本体41と第2の熱板本体42とを含んで構成されている。したがって、太陽電池モジュール10は、第1の熱板本体41と第2の熱板42の上面からなる載置面SFに直接載置される。
そして、第1の熱板本体41と第2の熱板本体42とは、図9(b)、(c)に示す取付板57を介して直接接続する。具体的には、図9(b)のD部分の一部断面拡大図で示すように、第1の熱板41と第2の熱板42とに跨る取付板57を介して、第1の熱板41と第2の熱板42と固定ネジ58により固定する。
このように熱板50を構成することで、第1の熱板41と第2の熱板42と接続することができる。
なお加熱部および温度センサの配置や数量は、実施例3(図8)と同様であり説明は省略する。
【実施例5】
【0067】
また、上述した実施例2から実施例4に示す熱板は、複数の熱板(第1の熱板31〜第5の熱板35または第1の熱板41〜第2の熱板42)から構成されている場合について説明したが、熱板を一つの熱板で構成してもよい。
本実施例の熱板60の構成について図10を参照して説明する。図10(a)は、熱板60の平面図である。図10(b)は、熱板60の正面図である。図10(c)は、図10(b)のC−C矢視図である。
【0068】
熱板60には、内側加熱部S1を加熱するヒータ613およびヒートパイプ614を1組として複数組埋設されている。また、熱板60の周縁加熱部S2の二つの長辺側を加熱するヒータ623およびヒートパイプ624を各1組埋設されている。また、熱板60の周縁加熱部S2の二つの短辺側を加熱するヒータ613およびヒートパイプ614を各1組埋設されている。温度制御装置CLは、これらヒータ613および623を加熱することで、内側加熱領域S1および周縁加熱領域S2をそれぞれ別々に温度制御することができる。したがって被加工物内の温度を均一にすることができる。
なお加熱部および温度センサの配置や数量は、実施例3(図8)と同様であり説明は省略する。
【実施例6】
【0069】
本実施例の熱板は、図示しないが、実施例2(図7参照)の熱板において、周縁加熱部S2〜S5の熱板32〜熱板35をヒータ323〜353のみとし、ヒートパイプを使用しない実施例である。この場合は、各周縁加熱部S2〜S5において、各加熱部においてヒータを複数設けることが好ましい。これにより実施例2の熱板と同様の効果を発現することできる。
【実施例7】
【0070】
本実施例の熱板70は、実施例2の熱板をその上面に載置板を設け固定した構成である。本実施例の熱板70の構成について図11により説明する。図11(a)は、熱板70の平面図である。図11(b)は、熱板70の正面図である。図11(c)は、図11(b)のC−C矢視図である。図11(b)の正面図に示すように、載置板76は、熱板71から熱板75の上側に配置されている。また、載置板76は、アルミニウム又はアルミニウム合金等により、被加工物10を載置できるようなパネル状に形成されている。
熱板71から熱板75は、載置板76の取付面77に固定ネジ等を介して取り付けられている。熱板71から熱板75の熱板本体711から751も同様に、アルミニウム又はアルミニウム合金等により形成されている。図11(c)に示すように、本実施形態の熱板本体70は、第1の熱板71〜第5の熱板75を含んで構成されている。第1の熱板71〜第5の熱板75は、それぞれ同一の厚みTpで形成されているので、熱板70全体も、一定の厚みThで形成される(図11(b)参照)。
【0071】
図11(c)は、ヒータおよびヒートパイプを熱板本体711から751に埋設した状態を示しており、実施例2と同様になっている。図11(c)に示すように熱板71から熱板75は、熱板本体711〜751の収容溝718〜758(図示しない)にヒータ723〜753とヒートパイプ724〜754を埋設し実施例1と同様の形態で裏板716〜756により固定している。熱板71から75は、載置板76の取付面77に固定ネジ等を用いて取り付けされる。第1の熱板71と、第2の熱板72〜第5の熱板75とを載置板76を介して接続することにより、熱板70を容易に製造することができるとともに、単に熱板同士を接続して熱板30〜熱板50を構成する場合に想定される載置面SFの凹凸をなくすことができる。また、本実施形態のように、第1の熱板71と第2の熱板72〜第5の熱板75とを別体で構成することにより、各熱板本体711〜715の収容溝718〜758の加工や、ヒータの埋設を容易に行うことができる。
尚本実施例は、実施例3の熱板にも適用可能である。また加熱部および温度センサの配置や数量は、実施例3(図8)と同様であり説明は省略する。
【実施例8】
【0072】
本実施例の熱板80は、図12に示すように構成されている。図12(a)は、熱板80の平面図であり、図12(b)は、熱板80の正面図であり、図12(c)は図12(a)のF矢視図であり、図13(d)は、図12(b)のC−C矢視図であり、図13(e)は、図12(b)のE−E矢視図である。本実施例の熱板は、上段熱板と下段熱板を積層させた構造としている。上段熱板81は、実施例1の形態の熱板である。図12(b)のA部拡大図に示すようにヒータ813およびヒートパイプ814が収容溝818にクッション材815を介し、その熱板本体201の下面209(本実施例では819)に実施例1の裏板206に代わり、下段熱板82をボルト締め等により熱板81に固定して埋設されている。下段熱板82には、上段熱板81内に複数組(複数加熱部)設けられたヒータ813及びヒートパイプ814と直角な方向にヒータ823及びヒートパイプ824を対として複数組設けている。
実施例8における加熱部は、図13(d)および図13(e)のとおりである。上段熱板81では、812A、812B、812C、812Dおよび812Eの5組が加熱部となっている。下段熱板82では、822A、822Bおよび822Cの3組が加熱部となっている。各加熱部には、図12(a)に示すとおり温度センサが設けられている。上段熱板81では、817Aから817Eの5個設けられている。これは実施例1と同じである。下段熱板82の加熱部822Aには、827Aから827Eの5箇所設けられている。さらに下段熱板82の加熱部822Cには、827Fから827Jの5箇所設けられている。なお下段熱板82の加熱部822Bには、温度センサは設けていない。これは一例であり、加熱部および温度センサの配置や数量はこれに限定されるものではない。
下段熱板82は、図12(c)のB部拡大図に示すように、熱板本体821が上段熱板の下面819と接触する下段熱板の上面829にヒータ823とヒートパイプ824を埋設する収容溝828を設けている。その収容溝828にヒータ823とヒートパイプ824を埋設して上段熱板81とボルト等により固定している。尚上段熱板と下段熱板を固定した場合に、収容溝部に生じる隙間部は熱伝導性の良好なクッション材825等を充填することが好ましい。
前記上段熱板内および前記下段熱板内のヒータを別々に温度制御することができる。これによりラミネート加工中に被加工物の透明基板であるカバーガラスの周縁部や四隅の部分に反りが発生しても、実施例2の熱板と同様の作用により被加工物の温度を均一にすることができる。
【実施例9】
【0073】
実施例1から8の熱板20から熱板80に埋設するヒータとしては、図14のシースヒータSHを用いる場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、図示しないが熱パイプ等を用いることができる。熱パイプとは、中空の管部材と、管部材内を流れる加熱したオイル等の熱伝達媒体とから構成されるものである。このような熱パイプを、実施例1から8の熱板20から熱板80に埋設した構成とすることもできる。この熱パイプを温度制御装置CLに接続させ、温度制御装置CLが、管部材内に流す熱伝達媒体の温度を調整することで、熱板20から熱板80の温度を制御することもできる。
また熱パイプ゜には、加熱された熱伝達媒体だけでなく冷却された熱伝達媒体を使用し温度制御装置CLが、管部材内に流す熱伝達媒体の温度を調整することで、熱板20から熱板80の温度を制御することもできる。
【0074】
また、実施例2から実施例8の熱板の周縁加熱部と内側加熱部とは、太陽電池モジュール10の大きさに合わせて構成される。したがって、一台のラミネート装置100に異なる大きさの太陽電池モジュール10を加熱する場合、例えば、ラミネート部を上下方向に2段以上重ねて、各段に異なる大きさの内側加熱領域および周縁加熱部を有する熱板を設けてもよい。また、1つの熱板に隣接させて異なる大きさの内側加熱領域および周縁加熱部を有する熱板を2つ以上設けてもよい。また、異なる大きさの内側加熱領域および周縁加熱領域を有する熱板に取り替えられるように構成してもよい。
【0075】
また、実施例1から実施例9の熱板を使用したラミネート装置100は、温度制御装置CLを内蔵してもよい。また、温度制御装置CLを別体にして、ラミネート装置100と温度制御装置CLとを含んで構成されるラミネートシステムとしてもよい。更に実施例1から実施例9の熱板を複数枚結合してラミネート装置100に配置して使用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
このように実施例1から9の熱板をラミネート装置100に使用することは以下のとおり有用である。
【0077】
太陽電池モジュール10と熱板とダイヤフラム112との間の熱の移動によって、熱板の内側加熱領域と周縁加熱領域との間で、時間差で温度低下が生じても、温度制御装置CLにより、内側加熱領域と周縁加熱領域とが別々に温度制御されるので、それぞれの温度変化に応じた迅速な温度制御を行うことができる。したがって、ラミネート装置100は、温度制御装置CLにより、内側加熱領域の温度を周縁加熱領域の温度に、又は周縁加熱領域の温度を内側加熱領域の温度に追従させることができるので、容易に太陽電池モジュール10内の温度を均一にすることができる。すなわち、太陽電池モジュール10内の周縁領域と内側領域との充填材の温度を略同一にすることで、充填材が溶融を開始する時間を略同一にでき、内部に気泡が生じない品質の高い太陽電池モジュール10を提供することができる。
【0078】
なお、温度制御装置CLが、短時間に充填材が溶融を開始できるように熱板の温度をより急激に上昇させたとしても、熱板の内側加熱領域と周縁加熱領域とを別々に温度制御することにより、太陽電池モジュール10内において、充填材が溶融を開始する時間を略同一にすることができる。したがって、熱板の温度を急激に上昇させても均一な温度に制御できるので、内部に気泡が生じない品質の高い太陽電池モジュールを製造するタクトタイムの短縮を容易に行うことができる。
また、温度制御装置CLは、太陽電池モジュール10の周辺の温度や供給熱量を制御することができるので、反りによる太陽電池モジュール10の温度分布の悪化を軽減できる。
【0079】
なお、上述した温度制御装置CLが熱板の内側加熱領域と周縁加熱領域とを温度制御する過程は、上述した説明に限られることがなく、太陽電池モジュール10内の温度を均一にすることができるのであれば、どのような温度制御であってもよい。例えば、予め熱板の内側加熱領域と周縁加熱領域とで、それぞれ温度低下するタイミングを想定し、それぞれ内側加熱領域と周縁加熱領域とで温度低下しないように、温度低下をする直前にそれぞれ内側加熱領域と周縁加熱領域との温度を上昇させるような温度制御をしてもよい。
【0080】
本発明の熱板は、真空工程の略前半まで、保持ピン等により、被加工物10を熱板上から離間した位置に保持するタイプのラミネート装置に適用可能であるし、このようなラミネート装置に限られず、搬送ベルト130が、太陽電池モジュール10を最初から、熱板122上に載置するタイプのラミネート装置であっても、適用することができる。
【0081】
また、太陽電池モジュール10の充填材には、様々な種類が用いられている。すなわち、充填材の種類によって溶融する温度が異なる等、充填材の特性が異なる。本実施形態のラミネート装置では、充填材が異なったとして、上述した説明と同様に、熱板の内側加熱領域と周縁加熱領域との温度変化に応じた迅速な温度制御をする。したがって、充填材の特性が異なっても安定した品質の太陽電池モジュール10を製造することができる。
【符号の説明】
【0082】
10 被加工物(太陽電池モジュール)
11 カバーガラス
13、14 充填材
90 従来の熱板
100 ラミネート装置
101 ラミネート部
110 上ケース
112 ダイヤフラム
113 上チャンバ
120 下ケース
121 下チャンバ
122 熱板
20〜80 熱板
201 熱板本体
202 加熱部
203 ヒータ
204 ヒートパイプ
205 クッション材
206 裏板
207 温度センサ
208 収容溝
209 取付面(下面)
76 載置板
77 取付面
S1 内側加熱領域
S2〜S5 周縁加熱領域
CL 温度制御装置
SF 載置面
SH シースヒータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
押圧部材により仕切られた上チャンバと下チャンバとを有し、その下チャンバに設けられた熱板上に被加工物を配置し、前記熱板により加熱した前記被加工物を、前記下チャンバを真空とし前記上チャンバに大気を導入し前記熱板と前記押圧部材とで挟圧してラミネートするラミネート装置であって、
前記熱板は、前記熱板内に、前記ヒータのみ又は、ヒータ及びヒートパイプを対として複数組設け、
さらにヒータ及びヒートパイプの1組毎または複数組毎に、1個以上の温度センサを設け、
複数のヒータを別々に温度制御することを特徴とするラミネート装置。
【請求項2】
前記熱板の前記各組のヒートパイプ及びヒータは、直線状にかつ平行に配設されていることを特徴とする請求項1に記載のラミネート装置。
【請求項3】
押圧部材により仕切られた上チャンバと下チャンバとを有し、その下チャンバに設けられた熱板上に被加工物を配置し、前記熱板により加熱した前記被加工物を、前記下チャンバを真空とし前記上チャンバに大気を導入し前記熱板と前記押圧部材とで挟圧してラミネートするラミネート装置であって、
前記熱板は、前記被加工物の周縁部を加熱する周縁加熱部と、前記被加工物の周縁部よりも内側を加熱する内側加熱部から構成され、
前記周縁加熱部と前記内側加熱部は、前記ヒータのみ又は、ヒータおよびヒートパイプを対として複数組設け、
さらに前記ヒータのみ又は、ヒータおよびヒートパイプの1組毎または複数組毎に、1個以上の温度センサを設け、
複数のヒータ別々に温度制御することを特徴とするラミネート装置。
【請求項4】
前記周縁加熱部と前記内側加熱部の前記各組のヒータおよびヒートパイプは、直線状にかつ平行に配設されていることを特徴とする請求項3に記載のラミネート装置。
【請求項5】
押圧部材により仕切られた上チャンバと下チャンバとを有し、その下チャンバに設けられた熱板上に被加工物を配置し、前記熱板により加熱した前記被加工物を、前記下チャンバを真空とし前記上チャンバに大気を導入し前記熱板と前記押圧部材とで挟圧してラミネートするラミネート装置であって、
前記熱板は、前記被加工物の周縁部を加熱する周縁加熱部と、前記被加工物の周縁部よりも内側を加熱する内側加熱部から構成され、
前記周縁加熱部は、複数のヒータを設け、各ヒータ毎または複数個毎に1個以上の温度センサを設け、
前記内側加熱部は、
前記ヒータのみ又は、ヒータ及びヒートパイプを対として複数組設け、
さらに前記ヒータのみ又は、ヒータ及びヒートパイプの1組毎または複数組毎に、1個以上の温度センサを設け
複数のヒータを別々に温度制御することを特徴とするラミネート装置。
【請求項6】
前記周縁加熱部の複数のヒータは直線状にかつ平行に配設され、さらに前記内側加熱部の前記各組のヒートパイプおよびヒータは、直線状にかつ平行に配設されていることを特徴とする請求項5に記載のラミネート装置。
【請求項7】
前記熱板は、前記周縁加熱部に対応する周縁熱板と前記内側加熱部に対応する内側熱板とで別体にして構成されていることを特徴とする請求項3から請求項6のいずれかに記載のラミネート装置。
【請求項8】
前記周縁加熱部に対応する周縁熱板は、前記周縁加熱部に配置される前記被加工物の各辺ごとに別体にして構成されていることを特徴とする請求項7に記載のラミネート装置。
【請求項9】
前記熱板は、前記周縁加熱部に対応する周縁熱板と前記内側加熱部に対応する内側熱板とが被加工物を載置する載置板を介して接続して構成されていることを特徴とする請求項2から請求項8のいずれかに記載のラミネート装置。
【請求項10】
押圧部材により仕切られた上チャンバと下チャンバとを有し、その下チャンバに設けられた熱板上に被加工物を配置し、前記熱板により加熱した前記被加工物を、前記下チャンバを真空とし前記上チャンバに大気を導入し前記熱板と前記押圧部材とで挟圧してラミネートするラミネート装置であって、
前記熱板は、上段熱板と下段熱板を積層させた構造とし、
前記上段熱板は、
前記上段熱板内には前記ヒータのみ又は、ヒータ及びヒートパイプを対として複数組設け、
さらに前記ヒータのみ又は、ヒータ及びヒートパイプの1組毎または複数組毎に、1個以上の温度センサを設け、
前記下段熱板は、
前記下段熱板内には、上段熱板に設けたヒータ及びヒートパイプとは直角な方向に前記ヒータのみ又は、ヒータ及びヒートパイプを対として複数組設け、
さらに前記ヒータのみ又は、ヒータ及びヒートパイプの1組毎または複数組毎に、1個以上の温度センサを設け、
前記上段熱板内および前記下段熱板内の複数のヒータを別々に温度制御することを特徴とするラミネート装置。
































【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2011−142278(P2011−142278A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−3329(P2010−3329)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【出願人】(709002303)日清紡メカトロニクス株式会社 (43)
【Fターム(参考)】