説明

ランドリーバッグ型洗濯物干しカバー

【課題】 本発明は、ランドリーバッグとして洗濯物を運ぶとともに、下着など見られたくない洗濯物をカバーする洗濯物干しカバーとしても使用できるランドリーバッグ型洗濯物干しカバーを提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明のランドリーバッグ型洗濯物干しカバーは、洗濯物干しカバーとして使用する時はランドリーバッグの下部を上にして物干し竿に吊り下げる部材を設け、バッグ内部には洗濯物固定具を具備したもので、ランドリーバッグ本体のシートは概ね100g/m/h以上の透湿性を有する不透明の材料を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はランドリーバッグと洗濯物干しカバーを兼用するランドリーバッグ型洗濯物干しカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
日常の洗濯物は洗濯物を物干しまで運ぶためのランドリーバッグと下着など人にみられたくない洗濯物をカバーする洗濯物干しカバーが別々になっている。
【0003】
理想的にはランドリーバッグに洗濯物を入れて物干しまで運び下着など人に見られたくない洗濯物を前記ランドリーバッグでカバーできれば手間が省けて非常に便利である。
また洗濯物を取り込む時には、ランドリーバッグに収納できるためにさらに能率が良い。
【0004】
しかしながら、実用化するには洗濯物は濡れているのでランドリーバッグの底部分に水滴がたまることや、ランドリーバッグの開口部からホコリや雨水が浸入すること、またランドリーバッグの開口部を覆うなどするとコストがかかり市場性が無いし、洗濯物の乾きが実用的で無いなどの課題があった。
【0005】
この改善策として袋付き物干しハンガーが考案されている。この袋付き物干しハンガーは物干しハンガーの周辺に凡そ30〜60cmの長さで筒状をなした絵柄入りメッシュによる袋状を垂設したものである。前記メッシュには絵柄を設けて絵柄とメッシュの比率をおよそ30〜80%で絵柄を平均的に散在するようにしたものである。しかしながらこの方法では絵柄の比率が高くなると洗濯物を保護する性能は向上するが乾く速さを犠牲にすることになる。また逆に絵柄の比率を下げると洗濯物の乾きは早くなるが視認性としてはメッシュから洗濯物が見えることとなるしホコリや雨水から洗濯物を保護する面からも十分ではなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実登 第3019096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は洗濯物の水滴がランドリーバッグの底部にたまることなく、洗濯物を乾燥させ、見られたくない洗濯物を外部の視線から遮断するとともに、洗濯物をホコリや雨水から守る洗濯物干しカバーとしても使うことのできるランドリーバッグ型洗濯物干しカバーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上部開口部を設けたランドリーバッグの下部の内部に洗濯物を固定するための固定部材を設け、さらに下部外部に物干し竿に吊り下げる部材を設け、ランドリーバッグとして使用する際は上部の開口部を上にして持ち運び、洗濯物干しカバーとして使用する際は下部外部の吊り下げ部材を上にして物干し竿に前記吊り下げ部材で吊り下げて使用する。
【発明の効果】
【0009】
本発明のランドリーバッグ型洗濯物干しカバーはランドリーバッグとして使用する際とは上下を逆さまとするため、洗濯物の水滴がランドリーバッグの底面部に残っていてもランドリーバッグとしての上部開口部は下部に位置されるので水滴が重力で排出されてしまう。さらに洗濯物を干している時に生じる水滴も同様にランドリーバッグ内部にたまることもない。またランドリーバッグの下部は密閉されているので、洗濯物干しカバーとして使用する際は上部の位置となりホコリや雨水を防ぐことが出来る。さらにバッグは不透明の布や不織布で構成するので内部に洗濯物を納めたものは外からの視線を遮断することが出来る。このようにランドリーバッグを洗濯物干しカバーとして使用する際に逆さまにすることで、大きなコストアップすることなく両者を兼用させることが出来るという利点がある。
【0010】
通常の洗濯物の動きを順に並べると、洗濯機で洗濯物を洗濯し洗濯物をランドリーバッグ等の入れ物に入れて物干し場まで運び洗濯物をハンガーや物干し竿にかけて干し、人の目に触れさせたくない下着などの洗濯物はカバーをかけたり、あるいは室内に干したりしている。実際にカバーを掛けるのは現時点では適切な物干しカバーが無かったので一般的ではないが近年透湿性と防水性をもった洗濯物干しカバーが出始めたが幅広く認知されるのはこれからである。そして洗濯物が乾けばランドリーバッグ等の洗濯物入れに洗濯物を入れて取り込むのが一般的な洗濯物の動きである。
【0011】
本発明のランドリーバッグ型洗濯物干しカバーはランドリーバッグと洗濯物干しカバーを同じもので兼用できるようにすることであるが、前述の洗濯物の動きにまつわる動作の中で便利に使用できる効果がある。つまり洗濯が終わった洗濯物をランドリーバッグに入れて物干し場所まで移動し洗濯物を干し、見られたくない洗濯物を本発明のランドリーバッグ型洗濯物干しカバーを用いてカバーする。さらに取り込む時はランドリーバッグ型洗濯物干しカバーの外に干した洗濯物も一緒に入れて取り込むことができるので洗濯物の動きにマッチしており、便利で視線やホコリ、雨水から洗濯物を守る大変有用ものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1はランドリーバッグ型洗濯物干しカバーの洗濯物干しカバーとしての実施方法を示した説明図である。(実施例1)
【図2】図2はランドリーバッグ型洗濯物干しカバーのランドリーバッグとして実施方法を示した説明図である。(実施例1)
【図3】図3はランドリーバッグ型洗濯物干しカバーの洗濯物干しカバーとしての実施方法を示した説明図である。(実施例2)
【図4】図4はランドリーバッグ型洗濯物干しカバーの洗濯物干しカバーとしての実施方法を示した説明図である。(実施例2)
【発明を実施するための形態】
【0013】
洗濯物の出し入れ用の開口部を上部に設けてあるランドリーバッグを洗濯物干しカバーとして使用する際は前記開口部を下にして使用することで、ランドリーバッグを逆さまにして物干し竿に吊り下げることで洗濯物干しカバーとして使用する。また逆さまにするのでランドリーバッグに洗濯物を運ぶ際に生じた水滴も洗濯物を干している時に生じる水滴も前記開口部から排出することができる。
【実施例1】
【0014】
図1は本発明の1実施例の斜視図であって洗濯物干しカバーとして使用している状態を示している。1〜8は図2と同様であり、9は一般に用いられる物干し竿である。
【0015】
図2はランドリーバッグとして使用する際の斜視図であって洗濯物を洗濯機から物干しの場所へ運ぶとき、また洗濯物を取り込む時に洗濯物を入れて運ぶランドリーバッグの状態を表している。
【0016】
通常、洗濯した洗濯物を図2に示すようなランドリーバッグに洗濯物を入れて物干し場まで運び洗濯物をハンガーや物干し竿にかけて干し、人の目に触れさせたくない下着などの洗濯物は本発明のランドリーバッグ型洗濯物干しカバーをかければよい。そして洗濯物が乾けば洗濯物をランドリーバッグ入れて取り込むことができる。
【0017】
図に沿って詳細説明すると図2の1はランドリーバッグ本体であって上部は開口部2を形成し洗濯物8を出し入れする。3はトッテでランドリーバッグ本体1に一体に設けてありランドリーバッグ本体1の持ち運び時や洗濯物干し場まで移動してランドリーカバー型物干しカバーにカバーしない洗濯物を物干しハンガー(図示せず)や物干し竿に干す作業をする際に一時的に自分の肩や物干し竿掛け(図示せず)に掛けておく時に使用するものである。尚トッテ3は本実施例ではヒモ状のものを図示しているがランドリーバッグ本体1に手で掴めるような穴にしてもよい。
【0018】
次に本発明のランドリーバッグ型洗濯物干しカバーを洗濯物干しカバーとして使用する状態を説明する。図1の1はランドリーバッグ本体で、この場合洗濯物干しカバーの役目を果たす。このランドリーバッグ本体1の内部には洗濯物8を固定するために洗濯ばさみ7を適当な数量設けている。また洗濯ばさみ7を取り付けるための洗濯ばさみ取付け部6に洗濯ばさみ取付け穴6´を設けてある。またランドリーバッグ本体1には物干し竿9に吊り下げるための吊り下げヒモA 4a、4b、4cおよび吊り下げヒモB 5a、5b、5cを設けている。吊り下げヒモA 4aと吊り下げヒモB 5aは物干し竿9が内側になるよう接続可能に設けた面状ファスナーやホック(図示せず)で接続する。同様に吊り下げヒモA 4bと吊り下げヒモB 5b及び吊り下げヒモA 4cと吊り下げヒモB 5cをそれぞれ接続して物干し竿9にランドリーバッグ本体1を吊り下げる。そうして洗濯物干しカバーをしておきたい洗濯物8を前記洗濯ばさみ7で固定する。
【0019】
また、洗濯物8は開口部2を有することにより洗濯物8をから生じた水滴を排出するだけでなく、乾燥時間も短縮できることが実験にて確認できた。この実験は2009年8月に福岡県小郡市で実施したもので実験の条件としてランドリーバッグ本体部1の材質はポリプロピレン不織布、この不織布は透湿度385g/m/h はっ水度4級(本数値は実験と同年同月に福岡工業技術センターにて測定依頼した結果)の性能を有するもので窓を開放した室内で行い実験開始時の温度は31℃、湿度は78%で洗濯物の実験サンプルは木綿のタオルを濡らして手で絞ってから行った。その結果、開口部が下部にあるときは実験開始から6時間で乾いたが下部を閉じている時は乾くまで7時間30分を要した。詳細データーを表1に示す。この表は横軸に経過時間、縦軸に乾燥率を示しており100が完全に乾いたことを示すものである。
【0020】
【表1】




【0021】
以上のようにランドリーバッグ型洗濯物干しカバーは開口部を下(表1中の下明き)にして使用するので従来の袋付き物干しハンガーのように上部に開口部があり下部が閉ざされているもの(表1中の上明き)に比べて洗濯物の乾燥時間が短くなる効果が得られた。この結果は洗濯物に含まれた水分は蒸発もするが、洗濯物の水分が洗濯物を伝って洗濯物の下部へ移動しランドリーバッグ型洗濯物干しカバー下部の開口部2で空気にさらされることが乾く時間が短くなった要因と推測する。この実験は室内で実施したため乾くまで時間を要したが実際に屋外で行うと時間は短縮される。
【0022】
ランドリーバッグ本体の透湿度は大きいほど洗濯物の乾きは良いが実用的に洗濯物が蒸れずに乾くのは概ね100g/m/h程度以上あればよい。雨水やホコリからの保護についても近年、防水やはっ水性と透湿性を併せ持つ機能性シートが実用化されており本発明のランドリーバッグ本体の材質に適している。
【実施例2】
【0023】
図3及び図4の実施例はランドリーバッグ本体1の左右に開閉自在なファスナー10を設けたもので、ランドリーバッグ型洗濯物干しカバー内部に干す洗濯物8を洗濯ばさみ7に固定する際の作業性を向上させるものである。ファスナー10を開きランドリーバッグ本体1の片方を開き洗濯物8を洗濯ばさみ7に固定する状態を図4に示す。ランドリーバッグ本体1の片方が開いているので洗濯ばさみ7が露出するので容易に洗濯物8を固定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
ランドリーバッグと洗濯物干しカバーはそれぞれ存在するものであるが複合化することで実際に洗濯する家事としての便利性が大幅に向上する。洗濯のための便利用品として新たにランドリーバッグ型洗濯物干しカバーとして市場を形成することができるものである。
【符号の説明】
【0025】
1 ランドリーバッグ本体
2 開口部
3 トッテ
4a,4b,4c 吊り下げヒモA
5a,5b,5c 吊り下げヒモB
6 洗濯ばさみ取付け部
6´洗濯ばさみ取付け穴
7 洗濯ばさみ
8 洗濯物
9 物干し竿
10 ファスナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トッテと上部に開口部を有するランドリーバッグと洗濯物干しカバーとして使う際に前記ランドリーバッグを逆さまにして物干し竿に吊り下げるための吊り下げ部材をランドリーバッグの下部に設け、ランドリーバッグ内部には洗濯物固定具を備えランドリーバッグ本体のシートは概ね100g/m/h以上の透湿性を有する不透明の材料を用いたランドリーバッグ型洗濯物干しカバー。
【請求項2】
ランドリーバッグの側面に開閉自在なファスナーを設けてなる特許請求項1のランドリーバッグ型洗濯物干しカバー

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−50572(P2011−50572A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−202386(P2009−202386)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(502049871)
【Fターム(参考)】