ランプシェード及びその製造方法

【課題】ガラスや陶器で作られたランプシェードは輸送などで壊れやすくさらに保護材を入れたおおきな包装が必要とされる。また形体が固定されたものは変形させることが出来ない。
【解決手段】可塑性樹脂の筒に均等の間隔で外側と内側から交互に切り込みをいれ蛇腹状に伸びるようにする。折たため、使用に際し任意の形に、かつ柔軟性とクッション性をもち衝撃性に強いランプシェードを提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、折りたたむことができ伸縮可能な、クッション性のあるランプシェード及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
電灯を覆うことを目的としたランプシェードは、光源を直接目視しないようにすることや電球を保護する役目、あるいは装飾のために様々な形状および素材のものがすでに工夫されている。
【０００３】
多くは購入時に形状が固定されていて、形を替えることができない。またちょうちん様に折りたたむことの出来るものがあるが使用時の形態は決定されていた。
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
形状がガラスや陶器で作られたものは輸送などで壊れやすくさらに保護材を入れたおおきな包装が必要とされる。また形体は固定され、使用者が創意をこらすことはできない。
【０００５】
本発明は、小さく折りたたみ収容することができ、使用者が任意に形成することができ、かつ柔軟性とクッション性をもち落としても壊れないランプシェードを提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記の課題を解決するために、本発明品は熱可塑性樹脂の筒に均等の間隔で外側と内側が樹脂ら交互に切り込みをいれ蛇腹状に伸びるようにすることを特徴としている。
【０００７】
本発明品に使用できる熱可塑性の樹脂は曲げても割れにくい素材が好ましい。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ＰＥＴ、ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリアセテート、軟質塩化ビニル樹脂、ＡＢＳ、ポリスチレン、フッ素樹脂、ラバー、ウレタン樹脂などが使用できる。
【０００８】
本発明品の製造方法としては上記樹脂の筒に水平に外側から一定の寸法を切り残して切り込みを入れ、さらに内側から一定の寸法をずらして同様に切り込み、外から内から交互に切り込むようにして製造する。片側のカット幅間隔は０．６〜３ｍｍが好ましく、このはばの半分が本発明ランプシェードの膜厚になる。カット幅が細かすぎると膜が薄すぎて強度が保てない。また厚すぎると蛇腹を伸ばすことが出来なくなる。
【０００９】
切り残しの寸法が蛇腹の背腹の接合寸法になる。また（筒の壁厚）‐（切り残しの寸法）×２が蛇腹の伸びる最大寸法になる。この筒の壁厚は筒の大きさにも関係するが、５ｍｍ〜３０ｍｍが適当である。
【００１０】
筒の形状は円、楕円、三角、四角、六角、多角形などかまわない。またその中空部の断面はランプが接触しない大きさ以上であればよい。円形であれば直径１０ｃｍ以上が好ましい。色は透明、半透明、透明染色、非透明など目的によって決めればよい。
【００１１】
請求項２に示したように筒の壁中央付近に予め垂直に複数の穴を開けておくことによって、蛇腹の膜全てに穴が開けることができる。この穴は通気及び光の透過に役立つ。穴の大きさ及び数の限定はないが、強度や目的によって勘案すればよい。
【発明の効果】
【００１２】
上述したように本発明のランプシェードは樹脂素材で蛇腹構造に形成されているため折りたたむことができ、コンパクトな収納が可能となる。
【００１３】
また、使用時には柔軟性のある蛇腹凹凸立体構造により衝撃による電球およびシェード自身の破壊を防ぐことが容易に可能となる。
【００１４】
さらに蛇腹立体フィン構造であるため表面積が大きく電球の熱を逃がし、適度な光の透過を可能とすることができる。また形状を固定する必要がないため意匠の発展性が広げやすい。
【００１５】
本発明品は不要となった場合のゴミの量は少なく（リデュース）他のものの包装体などへの再利用（リユース）や原料として再利用（リサイクル）しやすいなどの利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
以下、本発明の実施の形態を図１〜１１に基づいて説明する。
【実施例】
【００１７】
以下、本発明の実施の形態を図９〜１１に基づいて説明する。
【００１８】
図１〜２は本発明のランプシェードの製造方法の一例であり、使用した筒の素材は白の半透明の軟質ウレタン樹脂で重量６００ｇ、外直径１４０ｍｍ、内直径１１０ｍｍ、壁厚１５ｍｍ、長さ１００ｍｍの円筒を用いた。外側からと内側からの切り込みは１．０ｍｍの幅で水平に１４ｍｍの深さで切り込み位置を０．５ｍｍずらして各蛇腹膜厚みが同じになるようにした。ただし上下一枚は強度を保つために内側からの切り込みはしなかった。切り残しの寸法、すなわち接合部の寸法は１ｍｍである。最終的に外側からの切り込み数は９９となり１００枚の蛇腹フィンが形成された。
【００１９】
また、図６の平面図に示したように筒の壁に垂直に直径３．０ｍｍの穴を等間隔に１６個あけた。筒の壁に垂直に直径１．５ｍｍの穴を等間隔に１６個あけた。これによって蛇腹全体に大きさ形にかかわりなくそれに対応した穴があいた。
【００２０】
上記実施例の本発明品は縮めた状態では１００ｍｍであり、引っ張り延ばした場合、理論的には最大１４００ｍｍになることになるが実際は約９００ｍｍであった。
【００２１】
図９〜１１はそのランプシェードとしての実施例であり、最も単純な使い方として上端をコードに固定し垂直に吊下げた場合であり、自重によって蛇腹状に約４００ｍｍに伸びた。
【００２２】
図４に示した使用例は丸めて半円状態にしたものであり、図５のように最終的には完全な円にすることも可能である。本発明品のランプシェードに１００Ｖ６０ｗの電灯を組み込んで使用した場合、ランプに近い部分のシェード表面の最高温度は６０℃以下であり問題なかった。また蛇腹の穴から漏れる光は天井などに星のように写り美しいものであった。また電灯を組み込んだ状態で落下させた場合なんら異状をきたすことはなかった。
【産業上の利用可能性】
【００２３】
本体に穴を明ける効果により巨大ホースやチューブなど中は液体または気体及び光を適量を外部に放射する場合などが考えられる。また構造物をコンパクトに運ぶ手段のひとつとしても使用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【００２４】
【図１】本発明品の立体伸縮図の縮みを示す。
【図２】本発明品の立体伸縮図の伸びを示す。
【図３】本発明品の半円の側面あるいは底面を示す。
【図４】本発明品の半円の形状を示す。
【図５】本発明品の円形の形状を示す。
【図６】本発明品の平面図の一部を示す。
【図７】本発明品の形と穴のバリエーションの一部の平面図を示す。
【図８】本発明品の蛇腹構造のバリエーションの一部の平面図を示す。

【符号の説明】
【００２５】
１本体
２外側の切り込み
３内側の切り込み
４穴
５シェードストッパー
６ストッパー止め
７ソケットコード
８電球

【特許請求の範囲】
【請求項１】
電灯を覆うシェードにおいて熱可塑性樹脂の筒に均等の間隔で外側と内側から交互に切り込みをいれ蛇腹状に伸びるように形成することを特徴とするランプシェード。
【請求項２】
該可塑性樹脂の筒の壁に垂直に穴を開け、各蛇腹に均等に穴が開くことを特徴とした請求項１のランプシェード。

【図１】