説明

ランプ

ランプソケットと、該ランプソケットに固定されたランプ容器と、該ランプ容器によって包囲された少なくとも1つの発光手段と、該ランプ容器から引き出された少なくとも2つの給電ワイヤとを有するランプであって、該給電ワイヤは該少なくとも1つの発光手段に電圧を供給するために使用され、該給電ワイヤはそれぞれ、該ランプソケットに配置された電気的コンタクトエレメントに接続されており、該ランプソケットに、該少なくとも1つの給電ワイヤと相応の電気的コンタクトエレメントとを溶接するために少なくとも1つの貫通口が設けられているランプにおいて、該少なくとも1つの貫通口は、該少なくとも1つの貫通口を通ってレーザビームが0°の入射角で溶接位置の表面に集束されるように形成されることを特徴とする、ランプ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1の上位概念に記載のランプに関する。
【0002】
I.従来技術
このようなランプは、たとえばEP1006551B1に開示されている。この文献では、ランプ容器から突出する給電ワイヤをそれぞれ、ソケット内に配置された金属性のコンタクトラグにレーザによって溶接するために貫通口が設けられた金属プラスチックソケットを有する、とりわけ車両ヘッドライト用のハロゲン白熱ランプが記載されている。
【0003】
II.発明の説明
本発明の課題は、給電線と電気的コンタクトエレメントとの溶接接合が改善された、上位概念に記載のランプを提供することである。
【0004】
この課題は本発明では、請求項1の特徴部分に記載されている構成によって解決される。従属請求項に、本発明の特に有利な実施形態が記載されている。
【0005】
本発明によるランプは、ランプソケットと、該ランプソケットに固定されたランプ容器と、該ランプ容器によって包囲された少なくとも1つの発光手段と、該ランプ容器から引き出された少なくとも2つの給電ワイヤとを有し、該給電ワイヤは、該少なくとも1つの発光手段に電圧を供給するために使用され、それぞれ、該ランプソケットに配置された電気的コンタクトエレメントに接続され、該ランプソケットに、該少なくとも1つの給電ワイヤと相応の電気的コンタクトエレメントとを溶接するために少なくとも1つの貫通口が設けられており、該少なくとも1つの貫通口は、該少なくとも1つの貫通口を通ってレーザビームが0°の入射角で溶接位置の表面に集束されるように形成される。すなわち前記少なくとも1つの貫通口は、溶接工程を行うためのレーザビームが溶接位置の表面に垂直に当たるように形成される。このことによって、給電ワイヤとコンタクトラグとの溶接接合の品質が改善される。とりわけ、溶接接合部の耐性は約30%上昇する。上記で引用した従来技術による、図4に示された溶接工程では、レーザビームは約22.3°の入射角で溶接位置の表面に当たり、このことによって給電ワイヤのレーザエネルギーの一部が吸収され、溶接工程に使用できなくなることが実証されている。図3に本発明のランプに関して概略的に示されているように、レーザビームが溶接位置の表面に入射する入射角が0°である場合(入射角は表面の面法線に対して測定された)、この欠点は現れないか、または現れても僅かな程度になる。
【0006】
有利には、溶接すべきコンタクトラグと給電ワイヤとの各対ごとに、ソケットの貫通口の大きさを可能な限り小さく抑えられるように、適切に成形された貫通口を設ける。
【0007】
この有利な実施例では、前記少なくとも1つの貫通口は溶接位置と等しい高さに配置される。
【0008】
有利にはコンタクトエレメントは、それぞれ溝を有するコンタクトラグとして形成され、該溝に、相応の給電ワイヤの繰り出された端部が通されるように形成される。このことにより、溶接すべき部品を簡単にまとめることができる。
【0009】
前記溶接位置は有利には、コンタクトラグの溝を制限するウェブである。というのもこのようなウェブは、レーザによって簡単に溶融し、コンタクトラグと給電ワイヤとの溶接接合部を形成することが可能であるからだ。
【0010】
III.有利な実施例の説明
以下で本発明を、有利な実施例に基づいて詳細に説明する。
【0011】
図面
図1 反射器を有する本発明のランプの有利な実施例を概略的に示す。部分的に切り取られている。
図2 図1に示されたランプのランプソケットの一部の断面図である。
図3 本発明によるランプに相応する、コンタクトラグと、該コンタクトラグの溝内に配置された各給電線の繰り出し端部とをレーザ溶接するための構成の平面図である。
図4 従来技術のランプに相応する、コンタクトラグと、該コンタクトラグの溝内に配置された各給電線の繰り出し端部とをレーザ溶接するための構成の平面図である。
【0012】
本発明のこの有利な実施例は、自動車ライトで使用するために構成された単一フィラメント型のハロゲン白熱ランプである。このランプは、実質的に円筒形のガラス質のランプエンベロープ10を有し、該ランプエンベロープ10は、気密封止されたピンチシール10aを有する。ランプエンベロープ10のドーム10bに、光吸収性のコーティングが設けられている。光源としては、ランプエンベロープ軸に対して平行に方向づけされた白熱フィラメント11が使用され、該白熱フィラメントは、前記ピンチシール10aから引き出されモリブデンワイヤから成る2つの給電ワイヤ12,13に導電接続されている。ランプエンベロープ10のピンチシール10aは、鉢状のホルダ部分14aと中間リング14eと環状の支持スリーブ14bとから成る金属性の保持部に固定される。金属性の保持部14a,14bの他にランプソケットは、ランプの電気的端子16,17が設けられたプラスチックソケット部分15も有し、このプラスチックソケット部分15に、環状の金属性の支持スリーブ14bが固定されている。支持スリーブ14bは、一平面内にある3つの基準ノーズ14eと、ランプを自動車ライトの反射器20に取り付けるための圧着ばね14dとを有する。反射器20の封止は、反射器20の外壁とプラスチックソケット部分15とに設けられたシリコーンシールリング19によって行われる。図1に、有利な実施例によるランプの構成と、該ランプをヘッドライトでどのように使用するかとが、概略的に示されている。
【0013】
ランプの電気的端子16,17は、2つの金属性のコンタクトラグ16,17から成り、これらのコンタクトラグはそれぞれ、給電ワイヤ12,13のうち1つに溶接されている(図1には示されていない)。コンタクトラグ16,17は薄鋼板から製造され、ランプソケットのプラスチックソケット部分15内に射出成形される。これらのコンタクトラグ16,17はそれぞれL字形の薄鋼板から成る。L字形のコンタクトラグ16,17のそれぞれ一方の脚部16a,17aはそれぞれ差込コンタクトとして形成され、他方の脚部16b,17bには溝16c,17cが設けられている。この溝16c,17cにそれぞれ、給電ワイヤ12,13の繰り出し端部12a,13aが通されている。図2の断面図では通常隠れるコンタクトラグ16,17の領域は、図2では破線で示されている。L字形のコンタクトラグ16,17の角度領域は、プラスチックソケット部分15内に密に射出成形されるので、通常は見えない。溝16c,17cはそれぞれ、異なる長さの2つのウェブ16d,16eないしは17d,17eによって側方を制限される。両ウェブ16d,16eないしは17d,17eはそれぞれ、溝16c,17cを向く側縁に斜行部16f,17fを有する。この斜行部16f,17fは、溝16c,17cに給電ワイヤ12,13を通すために使用される。比較的短いウェブ16e,17eは、比較的長いウェブ16d,17dより小さい幅を有する。給電ワイヤ12,13とコンタクトラグ16,17との溶接接合部は、レーザを使用して比較的短いウェブ16e,17eの材料の融点を超えて該材料を短時間加熱することにより形成される。この溶融物の硬化後、給電ワイヤ12,13の繰り出し端部12a,13aは、比較的短いウェブ16e,17eに接続される。給電ワイヤ12,13と溶接されたL字脚部16b,17bは、プラスチックソケット部分15に固定された支持スリーブ14bによって形成された内部空間まで延在する。支持スリーブ14bには、ウェブ16e,17eの高さに2つの貫通口18が設けられており、これは、ランプソケットの取付け後に、給電ワイヤ12ないしは13と相応のコンタクトラグ16ないしは17の短いウェブ16e,17eとのレーザ溶接が行われる。支持スリーブ14bの両貫通口18は相互に隣接して、コンタクトラグ16と給電ワイヤ12との溶接接合部と等しい高さに、ないしは、コンタクトラグ17と給電ワイヤ13との溶接接合部と等しい高さに設けられる。貫通口18はそれぞれ、上記の溶接接合を行うためのレーザビーム19が0°の入射角で相応の溶接位置の表面に、すなわちウェブ16eないしは17eの狭幅面の表面に集束されるように形成される。換言すると、レーザビーム19は図3に概略的に示されているように、溶接工程中にウェブ16eないしは17eの狭幅面の表面に垂直に入射される。
【0014】
本発明は、上記で詳述された実施例に限定されない。たとえば、3つの給電ワイヤと3つのコンタクトラグとを有する2つの発光手段が使用される場合、ランプソケットは3つの貫通口を有することもできる。また、複数の貫通口を設ける代わりに、相応により大きい貫通口を1つだけ設け、この1つの貫通口を介してコンタクトラグと給電ワイヤとのすべてのレーザ溶接を行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】反射器を有する本発明のランプの有利な実施例を概略的に示す。部分的に切り取られている。
【図2】図1に示されたランプのランプソケットの一部の断面図である。
【図3】本発明によるランプに相応する、コンタクトラグと、該コンタクトラグの溝内に配置された各給電線の繰り出し端部とをレーザ溶接するための構成の平面図である。
【図4】従来技術のランプに相応する、コンタクトラグと、該コンタクトラグの溝内に配置された各給電線の繰り出し端部とをレーザ溶接するための構成の平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランプソケットと、該ランプソケットに固定されたランプ容器(10)と、該ランプ容器(10)によって包囲された少なくとも1つの発光手段(11)と、該ランプ容器(10)から引き出された少なくとも2つの給電ワイヤ(12,13)とを有するランプであって、
該給電ワイヤ(12,13)は該少なくとも1つの発光手段(11)に電圧を供給するために使用され、
該給電ワイヤ(12,13)はそれぞれ、該ランプソケットに配置された電気的コンタクトエレメント(16,17)に接続されており、
該ランプソケットに、該少なくとも1つの給電ワイヤ(12,13)と相応の電気的コンタクトエレメント(16,17)とを溶接するために少なくとも1つの貫通口(18)が設けられているランプにおいて、
該少なくとも1つの貫通口(18)は、該少なくとも1つの貫通口(18)を通ってレーザビームが0°の入射角で溶接位置の表面に集束されるように形成されることを特徴とする、ランプ。
【請求項2】
各給電ワイヤ(12,13)ごとに貫通口(18)が前記ランプソケットに設けられている、請求項1記載のランプ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの貫通口(18)は、前記少なくとも1つの溶接位置と等しい高さに配置される、請求項1または2記載のランプ。
【請求項4】
前記電気的コンタクトエレメントは、それぞれ溝(16c,17c)を有するコンタクトラグ(16,17)として形成され、該溝(16c,17c)に、相応の給電ワイヤ(12,13)の繰り出し端部(12a,13a)が通される、請求項1から3までのいずれか1項記載のランプ。
【請求項5】
前記溶接位置は、前記溝(16c,17c)を制限するウェブ(16e,17e)に配置される、請求項4記載のランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−527881(P2009−527881A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−555769(P2008−555769)
【出願日】平成19年2月19日(2007.2.19)
【国際出願番号】PCT/EP2007/051558
【国際公開番号】WO2007/096330
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(504458493)オスラム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (168)
【氏名又は名称原語表記】Osram Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Hellabrunner Strasse 1, D−81543 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】