説明

リアルタイムクロック制御装置、リアルタイムクロック制御方法およびリアルタイムクロック制御プログラム

【課題】リアルタイムクロックの周囲環境に応じて適切な時刻補正を行うことのできるリアルタイムクロック制御装置を提供する。
【解決手段】各処理手段における動作状態の異なる複数の動作モードそれぞれと、各動作モードにおけるリアルタイムクロック200の周囲温度とを対応付けて保持する周囲温度保持部と、動作モードの遷移を監視する動作モード監視部100と、動作モードの遷移を検出した場合に、周囲温度保持部102において、遷移後の動作モードに対応付けられている周囲温度を特定する周囲温度特定手段と、周囲温度に基づいて、リアルタイムクロックの周波数誤差を補正するための補正プロファイルを特定する補正プロファイル特定手段104と、補正プロファイルを利用して、リアルタイムクロックによりカウントされた時刻を補正する時刻補正手段106とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リアルタイムクロックを制御するリアルタイムクロック制御装置、リアルタイムクロック制御方法およびリアルタイムクロック制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、水晶発振子により発振されるクロック信号に基づいて時刻を計測するソフトウェア時計においては、温度変化により周波数が変動し、これに起因して誤差が生じるという問題があった。
【0003】
この問題の解決方法として、例えば、ソフトウェア時計の補正方式が知られている。これは、温度センサを使用して水晶発振回路の周囲温度を測定し、予め作成した水晶発振子の温度と周波数ずれ量の対応テーブルを基に補正時刻情報を算出するものである(例えば、「特許文献1」参照)。また、他の例としては、月別平均気温に基づく一日当たりの時刻誤差テーブルを用いて補正を行う方法が知られている(例えば、「特許文献2」参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平11−65694号公報
【特許文献2】特開2003−240884号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のように温度センサを用いる場合には、コストアップが問題となる。また、水晶発振子の設置環境や、製品の稼動状況によっても温度が変化するため、水晶発振子の環境に適した補正を行うことが困難であった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、リアルタイムクロックの周囲環境に応じて適切な時刻補正を行うことのできるリアルタイムクロック制御装置、リアルタイムクロック制御方法およびリアルタイムクロック制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、リアルタイムクロック制御装置であって、時刻をカウントするリアルタイムクロックと、各種処理を行う複数の処理手段と、各処理手段における動作状態の異なる複数の動作モードそれぞれと、各動作モードにおける前記リアルタイムクロックの周囲温度とを対応付けて保持する周囲温度保持手段と、前記動作モードの遷移を監視する動作モード監視手段と、前記動作モード監視手段が前記動作モードの遷移を検出した場合に、前記周囲温度保持手段において、遷移後の前記動作モードに対応付けられている前記周囲温度を特定する周囲温度特定手段と、前記周囲温度特定手段により特定された前記周囲温度に基づいて、リアルタイムクロックの周波数誤差を補正するための補正プロファイルを特定する補正プロファイル特定手段と、前記補正プロファイル特定手段により特定された前記補正プロファイルを利用して、前記リアルタイムクロックによりカウントされた時刻を補正する時刻補正手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載のリアルタイムクロック制御装置であって、前記周囲温度と、前記補正プロファイルとを対応付けて保持する補正プロファイル保持手段をさらに備え、前記補正プロファイル特定手段は、前記補正プロファイル保持手段において、前記周囲温度特定手段により特定された前記周囲温度に対応付けられている前記補正プロファイルを特定することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3にかかる発明は、請求項1または2に記載のリアルタイムクロック制御装置であって、当該リアルタイムクロック制御装置が設置される地域を示す地域情報と、設置される地域の気温により定まる環境温度とを対応付けて保持する環境温度保持手段と、前記地域情報を保持する地域情報保持手段と、前記環境温度保持手段において、前記地域情報保持手段により保持されている前記地域情報に対応付けられている前記環境温度を特定する環境温度特定手段と、前記環境温度特定手段により特定された前記環境温度により前記周囲温度を補正する周囲温度補正手段とをさらに備え、前記プロファイル特定手段は、前記周囲温度補正手段による補正後の前記周囲温度に基づいて、前記補正プロファイルを特定することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4にかかる発明は、請求項3に記載のリアルタイムクロック制御装置であって、前記地域情報保持手段は、FAX装置であって、前記地域情報として国情報を保持することを特徴とする。
【0011】
また、請求項5にかかる発明は、請求項3または4に記載のリアルタイムクロック制御装置であって、前記地域情報保持手段は、操作装置であって、ユーザにより利用される文字コードにより定まる国情報を保持することを特徴とする。
【0012】
また、請求項6にかかる発明は、請求項3から5のいずれか一項に記載のリアルタイムクロック制御装置であって、前記地域情報保持手段は、当該リアルタイムクロック制御装置の仕向け先を示す仕向け情報を前記地域情報として保持することを特徴とすることを特徴とする。
【0013】
また、請求項7にかかる発明は、リアルタイムクロック制御装置であって、時刻をカウントするリアルタイムクロックと、各種処理を行う複数の処理手段と、各処理手段における動作状態の異なる複数の動作モードそれぞれと、各動作モードにおいて前記リアルタイムクロックの周波数誤差を補正するための補正プロファイルとを対応付けて保持する補正プロファイル保持手段と、前記動作モードの遷移を監視する動作モード監視手段と、前記動作モード監視手段が前記動作モードの遷移を検出した場合に、前記補正プロファイル保持手段において、遷移後の前記動作モードに対応付けられている前記補正プロファイルを特定する補正プロファイル特定手段と、前記補正プロファイル特定手段により特定された前記補正プロファイルを利用して、前記リアルタイムクロックによりカウントされた時刻を補正する時刻補正手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項8にかかる発明は、時刻をカウントするリアルタイムクロックと、各種処理を行う複数の処理手段とを備えた装置においてリアルタイムクロックを制御するリアルタイムクロック制御方法であって、前記動作モードの遷移を監視する動作モード監視ステップと、前記動作モード監視ステップにおいて前記動作モードの遷移を検出した場合に、各処理手段における動作状態の異なる複数の動作モードそれぞれと、各動作モードにおける前記リアルタイムクロックの周囲温度とを対応付けて保持する周囲温度保持手段において、遷移後の前記動作モードに対応付けられている前記周囲温度を特定する周囲温度特定ステップと、前記周囲温度特定ステップにおいて特定された前記周囲温度に基づいて、リアルタイムクロックの周波数誤差を補正するための補正プロファイルを特定する補正プロファイル特定ステップと、前記補正プロファイル特定ステップにおいて特定された前記補正プロファイルを利用して、前記リアルタイムクロックによりカウントされた時刻を補正する時刻補正ステップとを有することを特徴とする。
【0015】
また、請求項9にかかる発明は、時刻をカウントするリアルタイムクロックと、各種処理を行う複数の処理手段とを備えた装置においてリアルタイムクロックを制御するリアルタイムクロック制御方法であって、前記動作モードの遷移を監視する動作モード監視ステップと、前記動作モード監視ステップにおいて前記動作モードの遷移を検出した場合に、各処理手段における動作状態の異なる複数の動作モードそれぞれと、各動作モードにおいて前記リアルタイムクロックの周波数誤差を補正するための補正プロファイルとを対応付けて保持する補正プロファイル保持手段において、遷移後の前記動作モードに対応付けられている前記補正プロファイルを特定する補正プロファイル特定ステップと、前記補正プロファイル特定ステップにおいて特定された前記補正プロファイルを利用して、前記リアルタイムクロックによりカウントされた時刻を補正する時刻補正ステップとを有することを特徴とする。
【0016】
また、請求項10にかかる発明は、時刻をカウントするリアルタイムクロックと、各種処理を行う複数の処理手段とを備えた装置においてリアルタイムクロックを制御するリアルタイムクロック制御処理をコンピュータに実行させるリアルタイムクロック処理プログラムであって、前記動作モードの遷移を監視する動作モード監視ステップと、前記動作モード監視ステップにおいて前記動作モードの遷移を検出した場合に、各処理手段における動作状態の異なる複数の動作モードそれぞれと、各動作モードにおける前記リアルタイムクロックの周囲温度とを対応付けて保持する周囲温度保持手段において、遷移後の前記動作モードに対応付けられている前記周囲温度を特定する周囲温度特定ステップと、前記周囲温度特定ステップにおいて特定された前記周囲温度に基づいて、リアルタイムクロックの周波数誤差を補正するための補正プロファイルを特定する補正プロファイル特定ステップと、前記補正プロファイル特定ステップにおいて特定された前記補正プロファイルを利用して、前記リアルタイムクロックによりカウントされた時刻を補正する時刻補正ステップとを有することを特徴とする。
【0017】
また、請求項11にかかる発明は、時刻をカウントするリアルタイムクロックと、各種処理を行う複数の処理手段とを備えた装置においてリアルタイムクロックを制御するリアルタイムクロック制御処理をコンピュータに実行させるリアルタイムクロック制御プログラムであって、前記動作モードの遷移を監視する動作モード監視ステップと、前記動作モード監視ステップにおいて前記動作モードの遷移を検出した場合に、各処理手段における動作状態の異なる複数の動作モードそれぞれと、各動作モードにおいて前記リアルタイムクロックの周波数誤差を補正するための補正プロファイルとを対応付けて保持する補正プロファイル保持手段において、遷移後の前記動作モードに対応付けられている前記補正プロファイルを特定する補正プロファイル特定ステップと、前記補正プロファイル特定ステップにおいて特定された前記補正プロファイルを利用して、前記リアルタイムクロックによりカウントされた時刻を補正する時刻補正ステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1にかかる発明によれば、リアルタイムクロックが、時刻をカウントし、複数の処理手段が、各種処理を行い、周囲温度保持手段が、各処理手段における動作状態の異なる複数の動作モードそれぞれと、各動作モードにおけるリアルタイムクロックの周囲温度とを対応付けて保持し、動作モード監視手段が、動作モードの遷移を監視し、周囲温度特定手段が、動作モード監視手段が動作モードの遷移を検出した場合に、周囲温度保持手段において、遷移後の動作モードに対応付けられている周囲温度を特定し、補正プロファイル特定手段が、周囲温度特定手段により特定された周囲温度に基づいて、リアルタイムクロックの周波数誤差を補正するための補正プロファイルを特定し、時刻補正手段が、補正プロファイル特定手段により特定された補正プロファイルを利用して、リアルタイムクロックによりカウントされた時刻を補正するので、リアルタイムクロックの周囲環境に応じて適切な時刻補正を行うことができるという効果を奏する。
【0019】
また、請求項2にかかる発明によれば、補正プロファイル保持手段が、周囲温度と、補正プロファイルとを対応付けて保持し、補正プロファイル特定手段が、補正プロファイル保持手段において、周囲温度特定手段により特定された周囲温度に対応付けられている補正プロファイルを特定するので、リアルタイムクロックの周囲環境に応じて適切な時刻補正を行うことができるという効果を奏する。
【0020】
また、請求項3にかかる発明によれば、環境温度保持手段が、当該リアルタイムクロック制御装置が設置される地域を示す地域情報と、設置される地域の気温により定まる環境温度とを対応付けて保持し、地域情報保持手段が、地域情報を保持し、環境温度特定手段が、環境温度保持手段において、地域情報保持手段により保持されている地域情報に対応付けられている環境温度を特定し、周囲温度補正手段が、環境温度特定手段により特定された環境温度により周囲温度を補正し、プロファイル特定手段が、周囲温度補正手段による補正後の周囲温度に基づいて、補正プロファイルを特定するので、さらに地域ごとの気温に基づいて適切な時刻補正を行うことができるという効果を奏する。
【0021】
また、請求項4にかかる発明によれば、地域情報保持手段は、FAX装置であって、地域情報として国情報を保持するので、この情報に基づいて、リアルタイムクロックの周囲環境に応じて適切な時刻補正を行うことができるという効果を奏する。
【0022】
また、請求項5にかかる発明によれば、地域情報保持手段は、操作装置であって、ユーザにより利用される文字コードにより定まる国情報を保持するので、この情報に基づいて、リアルタイムクロックの周囲環境に応じて適切な時刻補正を行うことができるという効果を奏する。
【0023】
また、請求項6にかかる発明によれば、地域情報保持手段は、当該リアルタイムクロック制御装置の仕向け先を示す仕向け情報を地域情報として保持するので、この情報に基づいて、リアルタイムクロックの周囲環境に応じて適切な時刻補正を行うことができるという効果を奏する。
【0024】
また、請求項7にかかる発明によれば、リアルタイムクロックが、時刻をカウントし、複数の処理手段が、各種処理を行い、補正プロファイル保持手段が、各処理手段における動作状態の異なる複数の動作モードそれぞれと、各動作モードにおいてリアルタイムクロックの周波数誤差を補正するための補正プロファイルとを対応付けて保持し、動作モード監視手段が、動作モードの遷移を監視し、補正プロファイル特定手段が、動作モード監視手段が動作モードの遷移を検出した場合に、補正プロファイル保持手段において、遷移後の動作モードに対応付けられている補正プロファイルを特定し、時刻補正手段が、補正プロファイル特定手段により特定された補正プロファイルを利用して、リアルタイムクロックによりカウントされた時刻を補正するので、リアルタイムクロックの周囲環境に応じて適切な時刻補正を行うことができるという効果を奏する。
【0025】
また、請求項8にかかる発明によれば、動作モード監視ステップにおいて、動作モードの遷移を監視し、周囲温度特定ステップにおいて、動作モード監視ステップにおいて動作モードの遷移を検出した場合に、各処理手段における動作状態の異なる複数の動作モードそれぞれと、各動作モードにおけるリアルタイムクロックの周囲温度とを対応付けて保持する周囲温度保持手段において、遷移後の動作モードに対応付けられている周囲温度を特定し、補正プロファイル特定ステップにおいて、周囲温度特定ステップにおいて特定された周囲温度に基づいて、リアルタイムクロックの周波数誤差を補正するための補正プロファイルを特定し、時刻補正ステップにおいて、補正プロファイル特定ステップにおいて特定された補正プロファイルを利用して、リアルタイムクロックによりカウントされた時刻を補正するので、リアルタイムクロックの周囲環境に応じて適切な時刻補正を行うことができるという効果を奏する。
【0026】
また、請求項9にかかる発明によれば、動作モード監視ステップにおいて、動作モードの遷移を監視し、補正プロファイル特定ステップにおいて、動作モード監視ステップにおいて動作モードの遷移を検出した場合に、各処理手段における動作状態の異なる複数の動作モードそれぞれと、各動作モードにおいてリアルタイムクロックの周波数誤差を補正するための補正プロファイルとを対応付けて保持する補正プロファイル保持手段において、遷移後の動作モードに対応付けられている補正プロファイルを特定し、時刻補正ステップにおいて、補正プロファイル特定ステップにおいて特定された補正プロファイルを利用して、リアルタイムクロックによりカウントされた時刻を補正するので、リアルタイムクロックの周囲環境に応じて適切な時刻補正を行うことができるという効果を奏する。
【0027】
また、請求項10にかかる発明によれば、動作モード監視ステップにおいて、動作モードの遷移を監視し、周囲温度特定ステップにおいて、動作モード監視ステップにおいて動作モードの遷移を検出した場合に、各処理手段における動作状態の異なる複数の動作モードそれぞれと、各動作モードにおけるリアルタイムクロックの周囲温度とを対応付けて保持する周囲温度保持手段において、遷移後の動作モードに対応付けられている周囲温度を特定し、補正プロファイル特定ステップにおいて、周囲温度特定ステップにおいて特定された周囲温度に基づいて、リアルタイムクロックの周波数誤差を補正するための補正プロファイルを特定し、時刻補正ステップにおいて、補正プロファイル特定ステップにおいて特定された補正プロファイルを利用して、リアルタイムクロックによりカウントされた時刻を補正するので、リアルタイムクロックの周囲環境に応じて適切な時刻補正を行うことができるという効果を奏する。
【0028】
また、請求項11にかかる発明によれば、動作モード監視ステップにおいて、動作モードの遷移を監視し、補正プロファイル特定ステップにおいて、動作モード監視ステップにおいて動作モードの遷移を検出した場合に、各処理手段における動作状態の異なる複数の動作モードそれぞれと、各動作モードにおいてリアルタイムクロックの周波数誤差を補正するための補正プロファイルとを対応付けて保持する補正プロファイル保持手段において、遷移後の動作モードに対応付けられている補正プロファイルを特定し、時刻補正ステップにおいて、補正プロファイル特定ステップにおいて特定された補正プロファイルを利用して、リアルタイムクロックによりカウントされた時刻を補正するので、リアルタイムクロックの周囲環境に応じて適切な時刻補正を行うことができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるリアルタイムクロック制御装置、リアルタイムクロック制御方法およびリアルタイムクロック制御プログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0030】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる複合機1が搭載するRTC200を制御するリアルタイムクロック(RTC)制御部10の機能構成を示すブロック図である。RTC200は、水晶発振子202と、水晶発振子202により発振される基準周波数クロック信号をカウントアップする時刻カウンタ204とを備えている。
【0031】
RTC制御部10は、動作モード監視部100と、補正プロファイル保持部102と、補正プロファイル特定部104と、時刻補正部106とを備えている。動作モード監視部100は、複合機1における動作モードを監視する。複合機1に搭載される各処理部の動作状態に応じた複数の動作モードがある。動作モードは、各処理部の動作状態に応じて遷移する。
【0032】
図2は、動作モードと、各処理部の動作状態の関係を示す図である。本実施の形態にかかる複合機1は、処理部として、RTC制御部10を有するコントローラボードと、コントローラボードよりアクセスされるハードディスクドライバ(HDD)と、スキャナやプロッタなどの駆動を制御するエンジンボードと、定着装置とを備えている。なお、各処理部については後述する。
【0033】
動作モードとしては、通常モード、静音モード、エンジンオフモード、コントローラオフモード、および印刷モードがある。通常モードは、コントローラボード、エンジンボードおよびHDDの電源がオンの状態であり、かつ定着装置が省電力の状態である。静音モードは、コントローラボード、エンジンボードおよびHDDの電源がオンの状態であり、かつ定着装置の電源がオフの状態である。エンジンオフモードは、コントローラボードの電源がオンで、エンジンボード、HDDおよび定着装置の電源がオフの状態である。コントローラオフモードは、コントローラボードの電源が一部オンであり、エンジンボード、HDDおよび定着装置の電源がオフの状態である。印刷モードは、コントローラボード、エンジンボード、HDDおよび定着装置の電源がオンの状態である。
【0034】
図3は、各動作モードの遷移状態を示す図である。例えば、オフモードの状態において、ネットワークを介してイベントを受信した場合には、静音モードに遷移する。また、オフモードの状態において原稿がセットされたり電源キーがオンにされると通常モードに移行する。
【0035】
補正プロファイル保持部102は、補正プロファイルを保持している。ここで、補正プロファイルとは、水晶発振子202により発振される基準周波数クロック信号の周波数誤差を補正するためのものである。
【0036】
図4は、時刻カウンタ204により発振される基準周波数クロック信号の周波数誤差を示す図である。横軸は水晶発振子202の周辺温度、縦軸は周波数誤差を示している。時刻カウンタ204により発振される基準周波数クロック信号は、温度により変化することが知られている。通常25℃を基準温度とし、基準温度において周波数誤差が最小となるように(式1)に示すように時計精度がスペック化されている。
【数1】

例えば、25℃においては、誤差は10ppmであるのに対し、60℃においては、誤差は25ppmである。
【0037】
このように、RTC200の周囲温度と基準温度の差が大きくなるほど周波数誤差が大きくなり、正確な時刻をカウントすることができない。補正プロファイルは、このような基準温度からのずれによる周波数誤差を補正するためのものである。
【0038】
図5は、補正プロファイルを示す図である。例えば、補正プロファイルAは、基準温度における補正プロファイルである。基準温度において、周波数誤差が最小となっている。補正プロファイルBは、補正プロファイルAのオフセットf0を+5したものである。補正プロファイルBは、12℃および37℃において周波数誤差が最小となる。したがって、RTC200の周囲温度が12℃または37℃である場合には、補正プロファイルBにより時刻を補正するのが好ましい。
【0039】
同様に、補正プロファイルCは、補正プロファイルAのオフセットf0を+10したものであり、7℃および約42℃において周波数誤差が最小となる。補正プロファイルDは、補正プロファイルAのオフセットf0を+20したものであり、1℃および49℃において周波数誤差が最小となる。補正プロファイルEは、補正プロファイルAのオフセットf0を+30したものであり、−5℃および55℃において周波数誤差が最小となる。補正プロファイルFは、補正プロファイルAのオフセットf0を+40したものであり、−9℃および59℃において周波数誤差が最小となる。
【0040】
図6は、補正プロファイル保持部102のデータ構成を示す図である。補正プロファイル保持部102は、動作モードと、補正プロファイルと、水晶発振子202の周囲温度と、温度上昇値とを対応付けて保持している。温度上昇値は、周囲温度と基準温度との差である。
【0041】
各動作モードにおいて、RTC200の周囲温度は、基準温度から上昇することがわかっている。さらに、動作モードごとにRTC200の周囲温度が異なっている。これは、図2を参照しつつ説明したように、各動作モードにおいて電源がオンの状態にある処理部が異なるためである。
【0042】
例えば、印刷モードはすべての処理部の電源がオンの状態である。したがって、RTC200の周囲温度は55℃とすべての動作モードの中で最も高温になる。これに対し、コントローラオフモードにおいては、コントローラの一部以外の電源がオフの状態であり、RTC200の周囲温度は30℃とすべての動作モードの中で最も低温になる。
【0043】
このような各動作モードにおけるRTC200の周囲温度に適した補正プロファイルが予め各動作モードに対応付けられている。
【0044】
例えば、通常モードにおいては、通常モードにおいては、水晶発振子202の周囲温度は45℃である。そのため、45℃における周波数誤差が最小となる補正プロファイルDが対応付けられている。
【0045】
なお、補正プロファイル保持部102においては、各動作モードそれぞれに適した補正プロファイルが対応付けられているので、周囲温度および温度上昇値は、各動作モードの適した補正プロファイルを特定するために必要な情報である。したがって、補正プロファイル保持部102には、これらの情報により特定された各動作モードの補正プロファイルのみを格納し、周囲温度および温度上昇値は格納しないこととしてもよい。
【0046】
また、装置内における各処理部の配置が異なる装置においては、等しい動作モードにおいても、RTC200の周囲温度は異なってくる場合がある。そこで、機種ごとに動作モードに適した補正プロファイルを特定し、これを補正プロファイル保持部102に登録するのが好ましい。
【0047】
再び説明を図1に戻す。補正プロファイル特定部104は、動作モード監視部100により動作モードの遷移が検出されると、補正プロファイル保持部102において遷移後の動作モードに対応付けられている補正プロファイルを特定する。時刻補正部106は、補正プロファイル特定部104により特定された補正プロファイルを利用して時刻カウンタ204によりカウントされた時刻を補正する。
【0048】
図7は、複合機1によるリアルタイムクロック制御処理を示すフローチャートである。まず、複合機1本体の電源がオンになると、動作モード監視部100は、動作モードの監視を開始する。動作モードが遷移すると(ステップS100,Yes)、補正プロファイル特定部104は、補正プロファイル保持部102において、遷移後の動作モードに対応付けられている補正プロファイルを特定する(ステップS102)。
【0049】
次に、時刻補正部106は、補正プロファイル特定部104により特定された補正プロファイルに基づいて、時刻カウンタ204によりカウントされた時刻を補正する(ステップS104)。電源がオンの状態のままであるときは(ステップS106,No)、再びステップS100に戻り、動作モードの監視を続ける。電源がオフされると(ステップS106,Yes)、動作を終了する。
【0050】
このように、第1の実施の形態にかかる複合機1においては、常に動作モードを監視し、現在の動作モードにおけるRTC200の周囲温度に適した補正プロファイルを利用することにより、精度よく時刻補正を行うことができる。
【0051】
図8は、複合機1のハードウェア構成を示す図である。複合機1は、複合機1全体を制御するコントローラボード20と、コントローラボード20により制御されるHDD30と、コントローラボード20からの指示によりスキャナ32および定着装置を有するプロッタ34を制御するエンジンボード40と、FAXボード50と、操作ボード60とを主に備えている。
【0052】
コントローラボード20は、前述のRTC200のほか、CPU210と、ROM220と、RAM230と、EEPROM240と、TPM250と、ASIC260,270とを有している。CPU210は、複合機1の全体制御を行う。ROM220は、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリである。例えば、補正プロファイルは、ROM220に格納されている。また、本実施の形態にかかるリアルタイムクロック制御処理を実行するリアルタイムクロック制御プログラムも格納されている。
【0053】
なお、リアルタイムクロック制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0054】
この場合には、リアルタイムクロック制御プログラムは、複合機1において上記記録媒体から読み出して実行することにより主記憶装置上にロードされ、上記ソフトウェア構成で説明した各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0055】
また、本実施の形態のリアルタイムクロック制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。
【0056】
RAM230は、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。EEPROM240は、各種パラメータを格納している。TPM250は、セキュリティチップである。コントローラボード20は、以上の構成により、複合機1全体の制御のほか画像処理も行う。
【0057】
エンジンボード40は、エンジンボード40全体を制御するCPU400と、エンジンボード40におけるプログラムやデータを格納するROM410と、スキャナ32に接続されるASIC420と、プロッタ34に接続されるASIC430とを有している。エンジンボード40はこれらの構成により例えば、スキャナ32により読み取られた画像を一旦RAM230に格納する。さらに、この画像をRAM230から読み出して、プロッタ34に画像を印刷させる。
【0058】
FAXボード50は、ASIC500とROM510とを有し、FAXの送受信に係る処理を行う。操作ボード60は、ASIC600と、ROM610とを有し、ユーザからの入力を受け付ける。また、各種表示など出力を行う。
【0059】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができる。
【0060】
そうした変更例としては、本実施の形態においては、RTC200とRTC制御部10を有する複合機1について説明したが、RTC200とRTC制御部10は、他の装置にも適用可能である。例えば、FAX、プリンタ、スキャナをはじめとするオフィス機器に適用してもよい。また、テレビ、デジタルカメラ、携帯電話などに適用してもよい。これ以外にも、自動車や冷蔵庫をはじめとする家電など時刻機能を搭載する装置に広く適用可能である。
【0061】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態にかかる複合機2は、複合機2の設置場所における気温に基づいて、RTC200を制御する。図9は、第2の実施の形態にかかる複合機2が搭載するRTC制御部12の機能構成を示す図である。RTC制御部12は、動作モード監視部100と、周囲温度保持部110と、周囲温度特定部112と、周囲温度補正部130と、補正プロファイル保持部132と、補正プロファイル特定部134とを備えている。
【0062】
図10は、周囲温度保持部110のデータ構成を示す図である。周囲温度保持部110は、動作モードと、RTC200の周囲温度と、温度上昇値とを対応付けて保持している。なお、周囲温度および温度上昇値は、それぞれ室温が25℃の場合の値である。周囲温度特定部112は、周囲温度保持部110において、動作モード監視部100により特定された動作モードに対応付けられている周囲温度を特定する。
【0063】
一方、地域情報取得部120は、複合機2中のROMから複合機2が設置される地域を示す地域情報を取得する。例えば、エンジンボード40のROM410には、当該複合機2の仕向け先を示す仕向け情報が格納されている。地域情報取得部120は、この仕向け情報を地域情報として取得する。
【0064】
また、FAXボード50のROM510には、当該複合機2が使用される国を示す国情報が格納されている。また、操作ボード60のROM610には、文字コードが格納されている。操作ボード60は、この文字コードから文字コードが示す言語が使用される国を特定し、国情報を出力することができる。地域情報取得部120は、これら国情報を地域情報として取得する。
【0065】
さらに、操作ボード60は、ユーザからの入力を受け付ける入力受付部620を有している。ユーザは、入力受付部620を介して、国情報や、より詳細な地域情報を入力する。地域情報取得部120は、入力受付部620を介して得られた国情報や詳細な地域情報も取得する。
【0066】
図11は、複合機2の表示部(図示せず)に表示される地域情報の入力画面を示す図である。ユーザは、入力画面に表示された地域の中から複合機2が設置される地域を選択することができる。なお、ここではさらに、仕向け情報や国情報よりも詳細な地域情報を設定することができる。例えば、都道府県の選択などができる。さらに、地域を選択するのにかえて、その地域における温度を設置環境温度として指定することもできる。
【0067】
図12は、図9に示す設置環境温度保持部122のデータ構成を模式的に示す図である。設置環境温度保持部122は、設置環境温度と、基準温度差とを地域情報に対応付けて格納している。設置環境温度とは、地域ごとの平均気温などにより定まる温度である。すなわち、地域ごとに異なっている。基準温度差は、設置環境温度と基準温度との差である。
【0068】
再び説明を図9に戻す。周囲温度補正部130は、設置環境温度特定部124により特定された設置環境温度に基づいて、周囲温度を補正する。各動作モードにおけるRTC200の周囲温度は、複合機2のすべての電源がオフの状態におけるRTC200の周囲温度が基準温度であるという前提で定められた温度である。しかし、実際には、複合機2が設置される地域ごとの温度差がある。そこで、この地域ごとの温度差を加味する必要がある。周囲温度補正部130は、地域ごとの温度差に応じた周囲温度の補正を行う。
【0069】
例えば、設置環境温度が32℃である場合には、基準温度25℃より7℃高い。そこで、動作モードに基づいて、得られた周囲温度を7℃上げる。このように、周囲温度補正部130は、動作モードと地域ごとの設置環境温度とに基づいてRTC200の周囲温度に近い値に周囲温度を補正する。
【0070】
図13は、補正プロファイル保持部132のデータ構成を模式的に示す図である。補正プロファイル保持部132は、周囲温度と補正プロファイルとを対応付けて保持している。
【0071】
再び説明を図9に戻す。補正プロファイル特定部134は、補正プロファイル保持部132において、周囲温度補正部130による補正後の周囲温度に対応付けられている補正プロファイルを特定する。時刻補正部106は、補正プロファイル特定部134により特定された補正プロファイルに基づいて、時刻を補正する。
【0072】
図14は、図10に示す周囲温度と図12に示す設置環境温度により定まる地域ごとの補正プロファイルを示す図である。例えば、地域1の設置環境温度は、25℃であり、基準温度と等しい。したがって、設置環境温度に起因した周囲温度の補正は不要である。したがって、通常モードにおいては、周囲温度45℃より補正プロファイルDと特定される。
【0073】
また、地域2の設置環境温度は、32℃であり、基準温度より7℃高い。したがって、周囲温度に7℃加算した値が周囲温度となる。例えば、通常モードにおいては、図10に示すように、周囲温度は45℃である。したがって、7℃加算した値52℃が補正後の周囲温度となる。したがって、周囲温度45℃より補正プロファイルEと特定される。
【0074】
図15は、第2の実施の形態にかかる複合機2によるリアルタイムクロック制御処理を示すフローチャートである。複合機2の電源がオンされると、動作モード監視部100は、動作モードの監視を開始する。FAXボード50を有する場合には(ステップS200,Yes)、地域情報取得部120は、FAXボード50から地域情報として国情報を取得する(ステップS202)。さらに、操作ボードに文字コードが設定されている場合には(ステップS204,Yes)、地域情報取得部120は、文字コードに対応する地域情報を取得する(ステップS206)。
【0075】
さらに、ユーザから詳細な地域の設定があった場合には(ステップS208,Yes)、地域情報取得部120は、ユーザにより設定された詳細な地域を示す詳細地域情報を取得する(ステップS210)。次に、設置環境温度特定部124は、設置環境温度保持部122を参照し、得られた地域情報および詳細地域情報に基づいて、設定環境温度を特定する(ステップS212)。なお、他の例としては、ユーザより直接設置環境温度の指定があった場合には、設置環境温度を利用してもよい。
【0076】
さらに、動作モードの遷移が検出されると(ステップS220,Yes)、周囲温度特定部112は、周囲温度保持部110を参照し、動作モードに基づいて周囲温度を特定する(ステップS222)。次に、周囲温度補正部130は、設置環境温度特定部124により特定された設定環境温度に基づいて周囲温度を補正する(ステップS224)。次に、補正プロファイル特定部134は、補正プロファイル保持部132を参照し、補正後の周囲温度に基づいて補正プロファイルを特定する(ステップS226)。
【0077】
次に、時刻補正部106は、補正プロファイルに基づいて、時刻を補正する(ステップS228)。電源がオンの状態のままであるときは(ステップS230,No)、再びステップS208に戻り、ユーザからの設定を確認し、さらに動作モードの監視を続ける。電源がオフされると(ステップS230,Yes)、動作を終了する。
【0078】
このように、第2の実施の形態にかかる複合機2においては、動作モードだけでなく、設置地域の温度を考慮するので、実際のRTC200の周囲温度に適した補正プロファイルを用いることができ、精度よく時刻補正を行うことができる。
【0079】
なお、第2の実施の形態にかかる複合機2のこれ以外の構成および動作は、第1の実施の形態にかかる複合機1の構成および動作と同様である。
【0080】
第2の実施の形態の第1の変更例としては、地域情報を参照することなく、動作モードのみに基づいて、補正プロファイルを特定してもよい。第1の実施の形態にかかる複合機1においては、動作モードと補正プロファイルとが直接対応付けられていたが、第2の実施の形態にかかる複合機2のように、周囲温度保持部110を参照して周囲温度を特定し、さらに、補正プロファイル保持部132を参照して補正プロファイルを特定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】第1の実施の形態にかかる複合機1が搭載するRTC200を制御するリアルタイムクロック(RTC)制御部10の機能構成を示すブロック図である。
【図2】動作モードと、各処理部の動作状態の関係を示す図である。
【図3】各動作モードの遷移状態を示す図である。
【図4】時刻カウンタ204により発振される基準周波数クロック信号の周波数誤差を示す図である。
【図5】補正プロファイルを示す図である。
【図6】補正プロファイル保持部102のデータ構成を示す図である。
【図7】複合機1によるリアルタイムクロック制御処理を示すフローチャートである。
【図8】複合機1のハードウェア構成を示す図である。
【図9】第2の実施の形態にかかる複合機2が搭載するRTC制御部12の機能構成を示す図である。
【図10】周囲温度保持部110のデータ構成を示す図である。
【図11】複合機2の表示部に表示される地域情報の入力画面を示す図である。
【図12】設置環境温度保持部122のデータ構成を模式的に示す図である。
【図13】補正プロファイル保持部132のデータ構成を模式的に示す図である。
【図14】図10に示す周囲温度と図12に示す設置環境温度により定まる地域ごとの補正プロファイルを示す図である。
【図15】第2の実施の形態にかかる複合機2によるリアルタイムクロック制御処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
1,2 複合機
10,12 RTC制御部
20 コントローラボード
30 HDD
32 スキャナ
34 プロッタ
40 エンジンボード
50 FAXボード
60 操作ボード
100 動作モード監視部
102 補正プロファイル保持部
104 補正プロファイル特定部
106 時刻補正部
110 周囲温度保持部
112 周囲温度特定部
120 地域情報取得部
122 設置環境温度保持部
124 設置環境温度特定部
130 周囲温度補正部
132 補正プロファイル保持部
134 補正プロファイル特定部
200 RTC
202 水晶発振子
204 時刻カウンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時刻をカウントするリアルタイムクロックと、
各種処理を行う複数の処理手段と、
各処理手段における動作状態の異なる複数の動作モードそれぞれと、各動作モードにおける前記リアルタイムクロックの周囲温度とを対応付けて保持する周囲温度保持手段と、
前記動作モードの遷移を監視する動作モード監視手段と、
前記動作モード監視手段が前記動作モードの遷移を検出した場合に、前記周囲温度保持手段において、遷移後の前記動作モードに対応付けられている前記周囲温度を特定する周囲温度特定手段と、
前記周囲温度特定手段により特定された前記周囲温度に基づいて、リアルタイムクロックの周波数誤差を補正するための補正プロファイルを特定する補正プロファイル特定手段と、
前記補正プロファイル特定手段により特定された前記補正プロファイルを利用して、前記リアルタイムクロックによりカウントされた時刻を補正する時刻補正手段と
を備えたことを特徴とするリアルタイムクロック制御装置。
【請求項2】
前記周囲温度と、前記補正プロファイルとを対応付けて保持する補正プロファイル保持手段をさらに備え、
前記補正プロファイル特定手段は、前記補正プロファイル保持手段において、前記周囲温度特定手段により特定された前記周囲温度に対応付けられている前記補正プロファイルを特定することを特徴とする請求項1に記載のリアルタイムクロック制御装置。
【請求項3】
当該リアルタイムクロック制御装置が設置される地域を示す地域情報と、設置される地域の気温により定まる環境温度とを対応付けて保持する環境温度保持手段と、
前記地域情報を保持する地域情報保持手段と、
前記環境温度保持手段において、前記地域情報保持手段により保持されている前記地域情報に対応付けられている前記環境温度を特定する環境温度特定手段と、
前記環境温度特定手段により特定された前記環境温度により前記周囲温度を補正する周囲温度補正手段と
をさらに備え、
前記プロファイル特定手段は、前記周囲温度補正手段による補正後の前記周囲温度に基づいて、前記補正プロファイルを特定することを特徴とする請求項1または2に記載のリアルタイムクロック制御装置。
【請求項4】
前記地域情報保持手段は、FAX装置であって、前記地域情報として国情報を保持することを特徴とする請求項3に記載のリアルタイムクロック制御装置。
【請求項5】
前記地域情報保持手段は、操作装置であって、ユーザにより利用される文字コードにより定まる国情報を保持することを特徴とする請求項3または4に記載のリアルタイムクロック制御装置。
【請求項6】
前記地域情報保持手段は、当該リアルタイムクロック制御装置の仕向け先を示す仕向け情報を前記地域情報として保持することを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載のリアルタイムクロック制御装置。
【請求項7】
時刻をカウントするリアルタイムクロックと、
各種処理を行う複数の処理手段と、
各処理手段における動作状態の異なる複数の動作モードそれぞれと、各動作モードにおいて前記リアルタイムクロックの周波数誤差を補正するための補正プロファイルとを対応付けて保持する補正プロファイル保持手段と、
前記動作モードの遷移を監視する動作モード監視手段と、
前記動作モード監視手段が前記動作モードの遷移を検出した場合に、前記補正プロファイル保持手段において、遷移後の前記動作モードに対応付けられている前記補正プロファイルを特定する補正プロファイル特定手段と、
前記補正プロファイル特定手段により特定された前記補正プロファイルを利用して、前記リアルタイムクロックによりカウントされた時刻を補正する時刻補正手段と
を備えたことを特徴とするリアルタイムクロック制御装置。
【請求項8】
時刻をカウントするリアルタイムクロックと、各種処理を行う複数の処理手段とを備えた装置においてリアルタイムクロックを制御するリアルタイムクロック制御方法であって、
前記動作モードの遷移を監視する動作モード監視ステップと、
前記動作モード監視ステップにおいて前記動作モードの遷移を検出した場合に、各処理手段における動作状態の異なる複数の動作モードそれぞれと、各動作モードにおける前記リアルタイムクロックの周囲温度とを対応付けて保持する周囲温度保持手段において、遷移後の前記動作モードに対応付けられている前記周囲温度を特定する周囲温度特定ステップと、
前記周囲温度特定ステップにおいて特定された前記周囲温度に基づいて、リアルタイムクロックの周波数誤差を補正するための補正プロファイルを特定する補正プロファイル特定ステップと、
前記補正プロファイル特定ステップにおいて特定された前記補正プロファイルを利用して、前記リアルタイムクロックによりカウントされた時刻を補正する時刻補正ステップと
を有することを特徴とするリアルタイムクロック制御方法。
【請求項9】
時刻をカウントするリアルタイムクロックと、各種処理を行う複数の処理手段とを備えた装置においてリアルタイムクロックを制御するリアルタイムクロック制御方法であって、
前記動作モードの遷移を監視する動作モード監視ステップと、
前記動作モード監視ステップにおいて前記動作モードの遷移を検出した場合に、各処理手段における動作状態の異なる複数の動作モードそれぞれと、各動作モードにおいて前記リアルタイムクロックの周波数誤差を補正するための補正プロファイルとを対応付けて保持する補正プロファイル保持手段において、遷移後の前記動作モードに対応付けられている前記補正プロファイルを特定する補正プロファイル特定ステップと、
前記補正プロファイル特定ステップにおいて特定された前記補正プロファイルを利用して、前記リアルタイムクロックによりカウントされた時刻を補正する時刻補正ステップと
を有することを特徴とするリアルタイムクロック制御方法。
【請求項10】
時刻をカウントするリアルタイムクロックと、各種処理を行う複数の処理手段とを備えた装置においてリアルタイムクロックを制御するリアルタイムクロック制御処理をコンピュータに実行させるリアルタイムクロック処理プログラムであって、
前記動作モードの遷移を監視する動作モード監視ステップと、
前記動作モード監視ステップにおいて前記動作モードの遷移を検出した場合に、各処理手段における動作状態の異なる複数の動作モードそれぞれと、各動作モードにおける前記リアルタイムクロックの周囲温度とを対応付けて保持する周囲温度保持手段において、遷移後の前記動作モードに対応付けられている前記周囲温度を特定する周囲温度特定ステップと、
前記周囲温度特定ステップにおいて特定された前記周囲温度に基づいて、リアルタイムクロックの周波数誤差を補正するための補正プロファイルを特定する補正プロファイル特定ステップと、
前記補正プロファイル特定ステップにおいて特定された前記補正プロファイルを利用して、前記リアルタイムクロックによりカウントされた時刻を補正する時刻補正ステップと
を有することを特徴とするリアルタイムクロック制御プログラム。
【請求項11】
時刻をカウントするリアルタイムクロックと、各種処理を行う複数の処理手段とを備えた装置においてリアルタイムクロックを制御するリアルタイムクロック制御処理をコンピュータに実行させるリアルタイムクロック制御プログラムであって、
前記動作モードの遷移を監視する動作モード監視ステップと、
前記動作モード監視ステップにおいて前記動作モードの遷移を検出した場合に、各処理手段における動作状態の異なる複数の動作モードそれぞれと、各動作モードにおいて前記リアルタイムクロックの周波数誤差を補正するための補正プロファイルとを対応付けて保持する補正プロファイル保持手段において、遷移後の前記動作モードに対応付けられている前記補正プロファイルを特定する補正プロファイル特定ステップと、
前記補正プロファイル特定ステップにおいて特定された前記補正プロファイルを利用して、前記リアルタイムクロックによりカウントされた時刻を補正する時刻補正ステップと
を有することを特徴とするリアルタイムクロック制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−64678(P2008−64678A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−244442(P2006−244442)
【出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】