説明

リサイクル原料の分析用サンプル調製方法及び装置

【課題】微粉砕から袋詰めまで全て自動化が可能で、一日200個のサンプルの調製を可能とする分析用サンプル調製方法及び装置を提供する。
【解決手段】銅製錬にて使用するリサイクル原料の分析のための分析用サンプルを調製するためのサンプル調製方法は、ロボット2の回りに、リサイクル原料を粗粉砕したマットを有するトレーを収納するための試料マガジン3(3a、3b、3c)と、分析用サンプルの袋詰装置5と、粗粉砕したマットを微粉砕する微粉砕機6と、後工程に使用する微粉砕機の洗浄のための共洗用マットと分析用サンプルのための分析用マットとを作製するスプリッター(縮分機)7と、試料計量機8と、廃棄箱9とを配置し、ロボット2を作動させることにより、全自動化される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リサイクル原料の有価物を評価するための分析用サンプルを作成するための、サンプル調製方法及び装置に関するものである。例えば、本発明は、非鉄製錬、銅製錬、或いは金属材料のリサイクル事業において用いられる。
【背景技術】
【0002】
近年、金属加工、メッキ、電子材料工程で発生する金属スクラップや使用済みの電子機器から取り出す部品を銅製錬などの原料(リサイクル原料)として活用し、資源の有効活用と有価金属の回収を進めることが行われている。
【0003】
銅製錬では、このようなリサイクル原料は、直接に、または、破砕などを行い、自溶炉や転炉(PSコンバータ)に供給される。
【0004】
また、銅製錬においては、有価金属の回収を目的に購入するため、受け入れたリサイクル原料を全てサンプリング及び試料調製し、売買対象となる有価金属の含有率を正確に分析する必要がある。
【0005】
例えば、特許文献1には、リサイクル原料処理装置においてリサイクル原料を自動でサンプリングできるサンプリング装置が開示されている。このサンプリング装置は、図6及び図7を参照して説明すると、次の通りである。
【0006】
サンプリング装置200は、リサイクル原料処理装置100に設けられている。リサイクル原料処理装置100は、リサイクル原料Rを受け入れるホッパー110と、一次切出しフィーダ120と、第1排出コンベア130と、第2排出コンベア140とを備えている。
【0007】
一次切出しフィーダ120は、ホッパー110に設けられたマルチスクリューなどの試料をほぐす手段(解砕機)121と、切出しコンベア122とを備え、50〜150mm×100mmのリサイクル原料を搬送コンベア122にて第1排出コンベア130へと移送する。
【0008】
サンプリング装置200は、第1の回収部として機能する二次切出しフィーダ150と、第2の回収部として機能するサンプリングボックス装置210とを具備している。
【0009】
二次切出しフィーダ150は、回収ボックス151及び搬送ベルト153を備えている。二次切出しフィーダ150は、図6及び図7にて矢印X方向に移動可能とされ、切出しコンベア122から第1排出コンベア130へと落下してくる粉砕されたリサイクル原料Rを受け取る。
【0010】
このようにして粉砕されたリサイクル原料Rは、搬送ベルト153で搬送され、サンプリング装置200でサンプリングされる。サンプリング装置200は、図7にて矢印Y方向に移動可能とされるサンプリングボックス210を備えており、搬送ベルト153からの粉砕されたリサイクル原料Rを受け取る。
【0011】
このように、上記特許文献1に記載されるサンプリング装置200は、所定大きさに粉砕されたリサイクル原料をサンプリングボックス210にて採取(サンプリング)する構成とされている。また、サンプリング装置200でサンプリングされるリサイクル原料は、そのサイズが、上述から理解されるように、50〜150mm×100mmとされている。
【特許文献1】特開2003−106948号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
このようなサンプリング装置200でサンプリングされた分析用サンプルは、手作業により縮分(最小化)し、更に、均一化を図るため、その一定量を硫化鉱と共に融解しマット化する。マット化された分析用サンプルは、ジョークラッシャーで粗粉砕し3mm以下にする。3mm以下にされたマット化した分析用サンプルは、縮分機を使用して1/10にした後、ディスクミルで微粉砕し、0.150mm以下に粉砕された分析用サンプルを調製する必要がある。
【0013】
このようなリサイクル原料の分析用サンプルの製造は、従来、手作業と半自動化された装置の組合せで行われている。また、近年、資源のリサイクルとの観点から、受け入れるリサイクル原料は増加し、大量のサンプルを調製することが要求されており、従来の一日100個から一日200個の分析用サンプルを調製する必要に迫られている。
【0014】
従来の手作業と半自動化されたサンプルの調製では、効率が悪く、更なる改善が要求されている。
【0015】
そこで、本発明の目的は、マット化した後、ジョークラッシャーで粗粉砕し、3mm以下にされた分析サンプルを、縮分する工程から微粉砕及び袋詰めまでを全て自動化し、一日200個の分析サンプルの調製を可能とするリサイクル原料の分析用サンプル調製方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的は本発明に係るリサイクル原料の分析用サンプル調製方法及び装置にて達成される。要約すれば、第1の本発明によると、リサイクル原料の分析用サンプルを調製するためのサンプル調製方法であって、
(a)マット化したリサイクル原料を粗粉砕して得られる粗粉砕マットを収容したトレーを、試料マガジンに収納する工程、
(b)前記試料マガジンに収納された、前記粗粉砕マットを収容したトレーを縮分機へと移送し、粗粉砕マットを前記縮分機へと投入する工程、
(c)前記縮分機により、前記粗粉砕マットを、後工程に使用する微粉砕機を洗浄するための共洗用マットと、分析用サンプルとして微粉砕するための分析用マットとに二分割する工程、
(d)前記共洗用マットを微粉砕機に移送し、微粉砕機にて微粉砕することにより、該微粉砕機を洗浄し、そして、微粉砕された前記共洗用マットを廃棄箱に移送して廃棄する工程、
(e)前記工程(d)の後、前記分析用マットを前記微粉砕機に移送して微粉砕する工程、
(f)微粉砕された前記分析用マットを計量機へと移送する工程、
(g)前記計量機により前記微粉砕された分析用マットを計量して、所定個数に分割して、分析用サンプルのための微粉砕分析用マットとして袋詰装置へと移送する工程、
(h)前記袋詰装置にて前記微粉砕分析用マットを所定個数に分割して、分析用サンプルとして袋詰めし、バーコードを貼付する工程、
を有することを特徴とするリサイクル原料の分析用サンプル調製方法が提供される。
【0017】
上記第1の本発明の一実施態様によると、
前記工程(b)における、前記試料マガジンに収納された、前記粗粉砕マットを収容したトレーを前記縮分機へと移送し、粗粉砕マットを前記縮分機へと投入すること、
前記工程(d)における、前記共洗用マットを前記微粉砕機に移送すること、及び、微粉砕された前記共洗用マットを前記廃棄箱に移送すること、
前記工程(e)における、前記分析用マットを前記微粉砕機に移送すること、
前記工程(f)における、微粉砕された前記分析用マットを前記計量機へと移送すること、
前記工程(g)における、前記微粉砕分析用マットを前記袋詰装置へと移送すること、
は、少なくともロボットにて行う。
【0018】
第2の本発明によると、リサイクル原料の分析用サンプルを調製するためのサンプル調製方法であって、
(a)マット化したリサイクル原料を粗粉砕して得られる粗粉砕マットを収容したトレーを、試料マガジンに収納する工程、
(b)前記試料マガジンに収納された、前記粗粉砕マットを収容したトレーを縮分機へと移送し、粗粉砕マットを前記縮分機へと投入する工程、及び、空トレーを前記試料マガジンに戻す工程
(c)前記縮分機により、前記粗粉砕マットを、後工程に使用する微粉砕機を洗浄するための共洗用マットと、分析用サンプルとして微粉砕するための分析用マットとに二分割する工程、
(d)前記共洗用マットをカップマガジンから供給されるカップに収容して微粉砕機に移送し、前記微粉砕機にて微粉砕することにより、該微粉砕機を洗浄し、そして、微粉砕された前記共洗用マットを廃棄箱に移送して廃棄する工程、及び、空カップを洗浄装置に移送し洗浄後にカップマガジンに戻す工程、
(e)前記工程(d)の後、前記分析用マットをカップマガジンから供給されるカップに収容して前記微粉砕機に移送し、前記微粉砕機にて微粉砕する工程、
(f)微粉砕された前記分析用マットを計量機へと移送する工程、
(g)前記計量機により前記微粉砕された分析用マットを計量して所定個数に分割して、カップマガジンから供給されるカップに収容して、分析用サンプルのための微粉砕分析用マットとして袋詰装置へと移送する工程、マットを前記袋詰装置へ移送した後の空カップを前記洗浄装置に移送する工程、洗浄後の空カップをカップマガジンに戻す工程、及び、前記計量機の残試料を廃棄箱に移送する工程
(h)前記袋詰装置にて前記微粉砕分析用マットを所定個数に分割して、分析用サンプルとして袋詰めし、バーコードを貼付する工程、
を有することを特徴とするリサイクル原料の分析用サンプル調製方法が提供される。
【0019】
上記第2の本発明の一実施態様によると、
前記工程(b)における、前記試料マガジンに収納されたトレーを前記縮分機へと移送し、粗粉砕マットを前記縮分機へと投入すること、
前記工程(d)における、前記共洗用マットを前記微粉砕機に移送すること、及び、微粉砕された前記共洗用マットを前記廃棄箱に移送すること、並びに、空カップを前記洗浄装置に移送すること、及び、洗浄後の空カップを前記カップマガジンに移送すること、
前記工程(e)における、前記分析用マットを前記微粉砕機に移送すること、
前記工程(f)における、微粉砕された前記分析用マットを前記計量機へと移送すること、
前記工程(g)における、前記計量機の微粉砕分析用マットを前記袋詰装置へと移送すること、及び、前記計量機の残試料を前記廃棄箱に移送すること、並びに、空カップを前記洗浄装置に移送すること、及び、洗浄後の空カップを前記カップマガジンに移送すること、
は、少なくともロボットにて行う。他の実施態様によると、前記ロボットは、前記洗浄装置内にて、前記空カップを回転させ、前記洗浄装置からの圧縮空気が前記空カップの内周面及び外周面に吹き付けられる。
【0020】
第3の本発明によると、リサイクル原料の分析用サンプルを調製するためのサンプル調製装置であって、
(a)マット化したリサイクル原料を粗粉砕して得られる粗粉砕マットを収容したトレーを収納する試料マガジンと、
(b)前記トレーから投入された前記粗粉砕マットを、共洗用マットと分析用マットとに二分割する縮分機と、
(c)前記試料マガジンに収納された前記トレーを前記縮分機へと移送して、前記トレーに収容したマットを前記縮分機に投入する移送手段と、
(d)前記縮分機からの二分割されたマット、前記微粉砕機からの微粉砕されたマット、及び、前記計量機からの計量されたマット、を収容し移送するためのカップを収納するカップマガジンと、
(e)前記縮分機にて二分割された前記共洗用マットを微粉砕し、その後、前記分析用マットを微粉砕する微粉砕機と、
(f)前記共洗用マットを前記カップマガジンから供給されるカップに収容して前記微粉砕機へと移送し、そして、前記微粉砕機にて微粉砕された前記共洗用マットを廃棄箱に移送して廃棄する移送手段と、
(f)前記分析用マットを前記カップマガジンから供給されるカップに収容して前記微粉砕機へと移送する移送手段と、
(g)前記微粉砕機にて微粉砕された前記分析用マットを計量して、所定個数に分割する計量機と、
(h)前記微粉砕機にて微粉砕された前記分析用マットを前記カップに収容して前記計量機へと移送する移送手段と、
(i)前記計量機にて計量され、所定個数に分割された前記微粉砕分析用マットを所定個数に分割して分析用サンプルとして袋詰めし、バーコードを貼付する袋詰装置と、
(j)前記微粉砕分析用マットを前記カップマガジンから供給されるカップに収容して前記計量機から前記袋詰装置へと移送する移送手段と、
を有することを特徴とするリサイクル原料の分析用サンプル調製装置が提供される。
【0021】
上記第3の本発明の一実施態様によると、少なくとも、
前記試料マガジンに収納された前記トレーを前記縮分機へと移送して、前記トレーに収容した粗粉砕マットを前記縮分機に投入する前記移送手段と、
前記共洗用マットを前記微粉砕機へと移送し、そして、前記微粉砕機にて微粉砕された前記共洗用マットを廃棄箱に移送して廃棄する前記移送手段と、
前記分析用マットを前記微粉砕機へと移送する前記移送手段と、
前記微粉砕機にて微粉砕された前記分析用マットを前記計量機へと移送する前記移送手段と、
前記微粉砕分析用マットを前記計量機から前記袋詰装置へと移送する前記移送手段と、
はロボットにて構成される。他の実施態様によると、前記微粉砕機或いは前記計量機にて使用された空のカップを洗浄するための洗浄装置を有しており、他の実施態様によると、前記ロボットは、更に、前記空カップを前記洗浄装置へと移動する移送手段として機能し、また、前記洗浄装置内にて前記空カップを回転させる手段として機能する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、銅製錬等にて使用する、Cu、Au、Ag、Pt、Pdを含んでいるサンプリングされたリサイクル原料のサンプルを、マット化した後、ジョークラッシャーで粗粉砕し、3mm以下にされた分析サンプルを縮分から微粉砕及び袋詰めまでを全て自動化し、一日200個の分析サンプルの調製を可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
実施例1
以下、本発明に係る分析用サンプル調製方法及び装置、即ち、銅製錬にて使用する、Cu、Au、Ag、Pt、Pdを含んでいるリサイクル原料の分析のためのサンプルの調製方法及び装置を図面を参照して更に詳しく説明する。
【0024】
図1は、本発明に従った分析用サンプルの調製方法の一実施例を示すフロー図であり、図2及び図3は、斯かるサンプル調製方法を実施するための分析用サンプル調製装置の一実施例の概略構成を示す。
【0025】
本発明のサンプル調製方法によれば、原料としては、Cu、Au、Ag、Pt、Pdを含んでいる分析用の粗粉砕マットが使用される。この粗粉砕マットは、サンプリングされたリサイクル原料をマット化した後、ジョークラッシャーで粗粉砕し、3mm以下にされた分析サンプルを縮分し、微粉砕及び袋詰めすることにより調製される。
【0026】
最初に、受け入れたリサイクル原料から分析用サンプル原料を採取するためのサンプリング方法及び装置の一例について説明する。本発明に使用する分析用原料の入手方法などは、以下のサンプリング方法及び装置に限定されるものではなく、種々の方法及び装置にて得ることができる。
【0027】
本発明者らは、多くの研究実験の結果、例えば、未だ粉砕されていないプリント基板などのリサイクルの原料であっても、リサイクル原料の粉砕を、2段に分けて行うこと、つまり、一次粉砕にて粗粉砕を行い、その後、所定のサイズの原料を得るための二次粉砕を行うことにより、有価物の含有率を正確に把握するために有効な30mm以下のリサイクル原料を得ることが可能であることを見出した。
【0028】
本願明細書(及び特許請求の範囲)にて、破砕物の「大きさ」とは、破砕物が所定の網目サイズの篩を通過する大きさを意味するものとする。例えば、破砕物の大きさ30mmとは、破砕物が網目サイズ30×30mmの篩を通過する大きさを意味するものとする。
【0029】
図5に、サンプリング設備によるサンプリング方法の一実施例をフローで示す。
【0030】
図5を参照すると、本実施例におけるサンプリング方法によると、プレコンバックなどにて搬入された、例えば、使用済みの電子機器などから取り出されたプリント基板などの、未だ粉砕されていないリサイクル原料をホイストクレーンにより一次破砕機に装入し、一次破砕機により約50mm程度(即ち、通常10〜100mm)の大きさに粉砕する(荒破砕)(工程(A))。
【0031】
一次破砕機としては、二軸式粉砕機が好適に使用される。二軸式粉砕機としては、例えば、株式会社クボタ製の「型式KT42H(商品名)」を使用することができる。
【0032】
次いで、荒破砕された一次破砕物は、二次破砕機により40mm以下の大きさに粉砕して二次破砕物とされる(工程(B))。40mmより大きな破砕物は、二次破砕機へと戻して再度粉砕することができる。
【0033】
二次破砕機としては、一軸式粉砕機が好適に使用される。一軸式粉砕機としては、例えば、株式会社アーステクニカ製の「型式MR7/32SVCマルチロータ(商品名)」を使用することができる。この一軸式粉砕機は、網目サイズ40×40mmのスクリーン(篩)を備えており、40mm以下の大きさの二次破砕物を得ることができる。
【0034】
更に、二次破砕機により粉砕された二次破砕物を、網目サイズ30×30mmのスクリーン(篩)に掛けて(工程(C))、30mm以下の、好ましくは20mm大きさとされる破砕物をサンプリング装置によりサンプルとして採取する。30mmより大きい二次破砕物は、再度、二次破砕機へと戻し、粉砕する(工程(D))。これにより、大きさが30mm以下の破砕物を効率よくサンプルとして採取することができる。
【0035】
前記篩としては、振動篩が好適に使用される。振動篩としては、例えば、株式会社アーステクニカ製の「呼び型式3*8、単床式、ML形(商品名)」を使用することができる。
【0036】
振動篩にて篩分けされた破砕寸法が30mm以下の二次破砕物は、先に図6及び図7を参照して説明したサンプリング装置200と同様のサンプリング装置を備えたサンプリング設備へと送給され、分析用のサンプル(原料)が採取される(工程(E))。
【0037】
上記説明では、リサイクル原料としては、プリント基板を使用するものとしたが、これに限定されるものではなく、金銀滓、ICチップ等の電機部品屑、或いは、めっき屑などとすることができる。
【0038】
次に、図1〜図3を参照して、本発明に係る分析用サンプル調製方法及び装置、即ち、銅製錬工程で処理される、Cu、Au、Ag、Pt、Pdを含んでいるリサイクル原料の分析用サンプルを調製するためのサンプル調製方法及び装置について説明する。
【0039】
本発明の調製方法及び装置にて使用する分析用サンプル原料は、図5を参照して説明した分析用サンプル(原料)をマット化処理して使用することができる。
【0040】
つまり、サンプリング装置にて得られた分析用サンプル(原料)は、更に、その一定量を硫化鉱と共に融解しマット化し、マット化された分析用サンプル原料とされる。
【0041】
本実施例によると、図1に示すように、上述のようにして得られた、リサイクル原料の、マット化された分析用サンプル原料は、更に粉砕機へと移送され、3mm以下の大きさに粗粉砕される。粉砕機は、好ましくは、ジョークラッシャーが使用される。
【0042】
このように、マット化された分析用サンプル原料を粉砕機にて粗粉砕した破砕物、即ち、粗粉砕マットは、分析用サンプル調製装置1のトレー状の収納容器(以下、「トレー」という。)4(図2参照)に収納され、試料マガジン3(3a、3b、3c)(図2、図3参照)に収納される。
【0043】
(分析用サンプル調製装置)
ここで、図2及び図3を参照して、本実施例による、ロボットを使用した分析用サンプル調製装置1の概略構成について説明する。
【0044】
本実施例の分析用サンプル調製装置1によれば、中心部にロボット2が配置される。ロボット2は、ABB社製の「IRB4400」(商品名)が好適に使用される。
【0045】
ロボット2の回りには、上記トレー4を収納するための試料マガジン3(3a、3b、3c)が配置される。
【0046】
また、本実施例では、3台の試料マガジン3(3a、3b、3c)を備えており、各試料マガジン3(3a、3b、3c)は、トレー収納のための多数の、本実施例では52個の収納区画、即ち、収納室を備えている。従って、本実施例では、3台の試料マガジン3(3a、3b、3c)で、156個のトレーを収納することができる。
【0047】
更に、ロボット2の回りには、前記試料マガジン3(3a、3b、3c)から反時計回りに順に、袋詰装置5、微粉砕機6、スプリッター(縮分機)7、試料計量機8、廃棄箱9、などが配置されている。更に、必要に応じて、図3に図示するように、カップマガジン10(10a、10b)、洗浄装置20などが設置される。カップマガジン10は、マット化されたサンプルを収容して移送するためのカップ11(11a、11b)を収納しており、また、洗浄装置20は、後述の、マットを収容するカップを使用後において洗浄するためのものである。
【0048】
特に、本実施例にて、袋詰装置5としては、東洋自動機株式会社製の「TT−8C」(商品名)を使用した。袋詰装置5には、袋詰めしたサンプルにロット番号等を付与するためのバーコード貼付装置40が付設される。
【0049】
また、微粉砕機6は、振動ミルであって、ビッグミル(リングとストーンが動き粉砕するミル)を使用した。1.5kgの粉砕が可能であった。斯かる微粉砕機6としては、ハルツォク社製の「HP−M1500」(商品名)を好適に使用することができる。
【0050】
更に、分析サンプル調製装置1について詳細に説明する。
【0051】
本実施例にて、分析用サンプル調製装置1は、上述のように、試料マガジン3を備えており、マット化したリサイクル原料を粗粉砕して得られるサンプル(粗粉砕マット)を収容したトレー4を収納する。試料マガジン3に収納されたトレー4は、移送手段として作動するロボット2により、縮分機7へと移送され、粗粉砕マットが縮分機7へと投入される。
【0052】
縮分機7は、ロボット2により投入された粗粉砕マットを、共洗い用(即ち、共洗用)マットと分析用マットとに二分割する。二分割された共洗用マットと分析用マットは、ロボット2により、カップマガジン10aから供給されるカップ11aに収容されて、微粉砕機6に移送される。
【0053】
先ず、微粉砕機6に移送された共洗用マットが、微粉砕機6にて微粉砕される。微粉砕された共洗用マットは、元の上記カップ11aに戻して収容し、ロボット2により廃棄箱9に移送され、廃棄される。
【0054】
さらに、微粉砕機6は、共洗用マットを微粉砕した後、引き続いてロボット2によりカップ11aに収容されて移送される分析用マットを微粉砕する。
【0055】
微粉砕された分析用マットは、元の上記カップ11aに戻して収容し、ロボット2により計量機8へと移送される。
【0056】
計量機8にて計量され、所定個数に分割された分析用マットは、ロボット2により、カップマガジン10bから供給されるカップ11bに収容されて、分析用サンプルとして袋詰装置5へと移送される。
【0057】
このとき、別の態様として、計量機8にて計量された分析用マットは、一旦カップ11bに収容し、ロボット2によりカップマガジン10bへと移送し、仮置き後に袋詰装置5へと移送する構成とすることもできる。これは、袋詰めには時間を要するため、1つ目の袋詰めが完了するのを待っていると計量機8から2つめの試料が取り出せず、システム全体の処理速度が低下するからである。そのため、装置の稼動率を最大にするため処理の優先順位をつけ、例えば、先ず、二つのカップ11bをカップマガジン10bへ仮置させてから袋詰めを行うシステムとすることができる。
【0058】
計量機8で計量後に上記カップ11bに残った残試料は、ロボット2により廃棄箱9に移送され、廃棄される。
【0059】
本実施例によると、ロボット2により微粉砕機6、計量機8などへのマットの移送に使用されたカップ11(11a、11b)は、使用後においては、使用済空カップ11(11a、11b)として、ロボット2にて、洗浄装置20へと移送され、洗浄された後、カップマガジン10(10a、10b)へと移送され、収納される。
【0060】
なお、カップ11(11a、11b)は、カップ形状をしたマットを収容する容器であり、カップ11aとカップ11bとの違いは、マットの収容量にて異なり、カップ11aは、約970ml、カップ11bは、約100mlとされる。
【0061】
図4(A)、(B)を参照して、洗浄装置20における使用済みカップ11(11a、11b)の洗浄方法について説明する。
【0062】
本実施例によると、ロボット2は、大きさの異なる二種類のカップ11a、11bを把持するアーム2aを備えている。いずれのカップを把持するかは、適宜ロボットが選択する。
【0063】
ロボット2は、使用済みカップ11を洗浄するに先立って、微粉砕機6或いは計量機8へと使用済みカップ11(11a、11b)を取りに行く(図4(B)(B−1))。所定のカップ11(11a、11b)をアーム2aにて把持したロボット2は、移送手段として機能するロボット2によりカップ11を洗浄装置20へと移送する(図4(B)(B−2))。この時、カップ11(11a、11b)は、開口部が上向き状態にて運搬される。
【0064】
図4(A)に示すように、洗浄装置20内に移送されたカップ11(11a、11b)は、先ず、ロボット2が有している回転手段として機能するアーム2aにより180°回転され、その開口部が、洗浄装置20内の圧縮空気噴射ノズル21と対向するように配置される(図4(B)(B−3))。図4(A)は、上述のように、カップ11(11a、11b)を洗浄装置20内へと移送し、180°回転された状態を示す。
【0065】
この状態にて、洗浄用の圧縮空気22が噴射ノズル21から噴射され、カップ11(11a、11b)の内周面に付着した試料が洗浄される。
【0066】
次いで、カップ11(11a、11b)は、図4(B)(B−4)に示すように、噴射ノズル21からの圧縮空気22がその開口縁部に噴射されるように上下、左右に揺動して回転される。これによって、カップ11(11a、11b)の内周面のみならず、外周面にも圧縮空気が吹き付けられ、カップに付着した試料が洗浄される。
【0067】
洗浄されたカップ11(11a、11b)は、次いで、図4(B)(B−5)に示すように、180°回転され、その開口部が上向き状態とされ、ロボット2にて、洗浄装置20から収納場所であるカップマガジン10(10a、10b)へと移送される(図4(B−6))。
【0068】
(分析用サンプル調製方法)
次に、図1をも参照して、上記構成の分析用サンプル調製装置1の更に詳しい動作態様、即ち、本実施例の分析用サンプル調整装置1に基づく分析用サンプル調製方法について説明する。
【0069】
上述のように、マット化された分析用サンプル原料を粉砕機にて粗粉砕した破砕物、即ち、粗粉砕マットは、トレー状の収納容器(以下、「トレー」という。)4(図2参照)に収納され、試料マガジン3(3a、3b、3c)(図2、図3参照)に収納される(工程(a))。本実施例では、1個のトレー4に粗粉砕マットが2kg収納可能とされた。
【0070】
このように、粗粉砕マットが試料マガジン3(3a、3b、3c)に収納されると、移送手段として機能するロボット2が作動して、試料マガジン3に収納されたトレー4を縮分機7へと移送し、粗粉砕マットを縮分機7内へと投入する(工程(b))。又、必要に応じて、空トレー4を試料マガジン3へと戻す。本実施例にて、縮分機7の縮分比は、1/2とされる。つまり、本実施例にて、縮分機7は、二分器として機能し、粗粉砕マットを二分割して、後工程に使用する微粉砕機6の洗浄のための共洗用マットと、分析用サンプルのための分析用マットとに分割する(工程(c))。本実施例では、共洗用マット及び分析用マットは、それぞれ、0.5〜1.25kg作製された。
【0071】
上記二分割された一方の共洗用マットは、微粉砕機6に移送され、微粉砕されることにより、微粉砕機6を洗浄する。その後、微粉砕された共洗用マットは、ロボット2により廃棄箱9へと移送されて廃棄される(工程(d))。また、必要に応じて、使用済みの空カップ11aは、洗浄装置20に移送し、洗浄後にカップマガジン10aに戻す。
【0072】
次いで、上記二分割された他方の分析用マットは、ロボット2により微粉砕機6に移送され、微粉砕される(工程(e))。微粉砕された分析用マットは、大きさが0.149mm以下とされる。微粉砕された分析用マットは、ロボット2により、計量機8へと移送される(工程(f))。また、必要に応じて、使用済みの空カップ11aは、洗浄装置20に移送し、洗浄後にカップマガジン10aに戻す。
【0073】
計量機8は、微粉砕された分析用マット(本実施例では、総量0.5kg〜1.25kg)を計量して、所定量(本実施例では、100g)の分析用サンプルのための微粉砕分析用マットとして、袋詰装置5へと移送する(工程(g))。場合によっては、カップ11bに収容し、ロボット2によりカップマガジン10bへと移送し、仮置き後に袋詰装置5へと移送することもできる。空カップ11bは、洗浄装置20へと移送され、洗浄後に空カップ11bはカップマガジン10bに移送される。
【0074】
また、計量機8で計量後に残ったカップ11aの残試料は、ロボット2により廃棄箱9へと移送、廃棄される。使用済みの空カップ11aは、洗浄装置20に移送し、洗浄後にカップマガジン10aに戻す。
【0075】
空カップ11bは、洗浄装置20へと移送され、洗浄後に空カップ11bはカップマガジン10bに移送される。
【0076】
袋詰装置5では、微粉砕分析用マットの一定量を所定量、通常、50〜100g(本実施例では100g)づつ分析用サンプルとして袋詰めされ、次いで、付設されたバーコード貼付装置40により、バーコードが貼付される(工程(h))。バーコード情報としては、サンプルの原料入荷時のロット番号等が入力されている。特に、ロット番号は、サンプルの使用目的、例えば、銅分析用、乾式用、などに対応して、有価金属の分析値を算出するのに利用される。
【0077】
また、袋詰装置5には、パレタイジング装置、即ち、袋詰試料保管機(ストッカー)30(図2参照)が付設され、分析用サンプルを、例えば、銅分析用、乾式用、或いは、保管用、などとロット毎に仕分けすることも可能である。
【0078】
特に、本実施例によると、ロボット2により、
(1)試料マガジン3に収納されたトレー4を縮分機7へと移送し、トレー内の粗粉砕マットを縮分機7へと投入すること、及び、空トレー4を試料マガジンに移送すること、
(2)カップマガジン10aからカップ11aを縮分機7へと移送し、このカップ11aに共洗用マットを収容して微粉砕機6に移送すること、及び、微粉砕機6にて微粉砕された共洗用マットを廃棄箱9に移送すること、及び、空カップ11aを洗浄装置20へ移送し洗浄後に空カップ11aをカップマガジン10aへ移送すること、
(3)カップマガジン10aからカップ11aを縮分機7へと移送し、このカップ11aに分析用マットを収容して微粉砕機6に移送すること、微粉砕機6にて微粉砕された分析用マットを計量機8に移送すること、及び、分析用マットを計量機8で計量後に試料が残ったカップ11aを廃棄箱9に移送すること、及び、空カップ11aを洗浄装置20へ移送し洗浄後に空カップ11aをカップマガジン10aへ移送すること、
(4)カップマガジン10bからカップ11bを計量機8へと移送し、このカップ11bに微粉砕分析用マットを収容して袋詰装置5へと移送すること、及び空カップ11bを洗浄装置20へ移送し、洗浄後に空カップ11bをカップマガジン10bへ移送すること、
を行うことができる。
【0079】
従って、本実施例では、第一の実施態様によれば、
(1)前記工程(b)における、試料マガジン3に収納されたトレー4を縮分機7へと移送し、粗粉砕マットを縮分機7内へと投入すること、
(2)前記工程(d)における、共洗用マットを微粉砕機6に移送すること、及び、微粉砕された共洗用マットを廃棄箱9に移送すること、
(3)前記工程(e)における、分析用マットを微粉砕機9に移送すること、
(4)前記工程(f)における、微粉砕された分析用マットを計量機8へと移送すること、
(5)前記工程(g)における、微粉砕分析用マットを袋詰装置5へと移送すること、
は、少なくともロボット2にて行う。
【0080】
また、第二の実施態様によると、
(1)前記工程(b)における、試料マガジン3に収納されたトレー4を縮分機7へと移送し、粗粉砕マットを縮分機7内へと投入すること、
(2)前記工程(d)における、共洗用マットを微粉砕機6に移送すること、及び、微粉砕された共洗用マットを廃棄箱9に移送すること、並びに、空カップ11aを洗浄装置20に移送すること、及び、洗浄後のカップ11aをカップマガジン10aに移送すること、
(3)前記工程(e)における、分析用マットを微粉砕機6に移送すること、
(4)前記工程(f)における、微粉砕された分析用マットを計量機8へと移送すること、
(5)前記工程(g)における、計量機8の微粉砕分析用マットを袋詰装置5へと移送すること、及び、計量機8の残試料を廃棄箱9に移送すること、並びに、空カップ11bを洗浄装置20に移送すること、及び、洗浄後の空カップ11bをカップマガジン10bに移送すること、
は、少なくともロボット2にて行う。
【0081】
本実施例によると、ロボット2は、更に、使用済みの空カップ11(11a、11b)を洗浄装置20へと移動する移送手段の他に、洗浄装置20内にて空カップ11を回転させる手段を有しており、ロボット2は、洗浄装置20内にて、空カップ11を回転させる。これによって、洗浄装置20の噴射ノズル21からの圧縮空気22が空カップ11の内周面及び外周面に吹き付けられ、使用済み空カップ11を洗浄することができる。
【0082】
上述のように、本実施例による分析用サンプル調製方法及び装置における各工程は、トレー4及びカップ11などを所定の機器へと移送する移送手段として機能するロボット2を使用することにより、全自動化することができる。本実施例では、1工程が7分で完了することができ、24時間で200個、月間で最低2400個の分析用サンプルを製造することができた。
【0083】
このように、本発明によれば、銅製錬にて使用する、Cu、Au、Ag、Pt、Pdを含んでいるリサイクル原料の分析用サンプルを、微粉砕から袋詰めまで全て自動化が可能で、一日200個のサンプルの製造を可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明に係る分析用サンプル調製方法の一実施例における調製工程を説明するフロー図である。
【図2】本発明に係る分析用サンプル調製方法を実施するための調製装置を説明する斜視図である。
【図3】本発明に係る分析用サンプル調製方法を実施するための調製装置を説明する平面図である。
【図4】図4(A)は、洗浄装置におけるカップの洗浄方法を説明するための洗浄装置とロボットの一部を示す斜視図であり、図4(B)は、洗浄装置におけるカップの洗浄方法を説明する概略工程図である。
【図5】リサイクル原料からの分析用サンプル原料の調製工程を説明するフロー図である。
【図6】従来のサンプリング設備の概略構成側面図である。
【図7】従来のサンプリング設備の概略構成平面図である。
【符号の説明】
【0085】
1 分析用サンプル調製装置
2 ロボット
3 試料マガジン
4 トレー
5 袋詰装置
6 微粉砕機
7 縮分機
8 試料計量機
9 廃棄箱
10(10a、10b) カップマガジン
11(11a、11b) カップ
20 洗浄装置
30 袋詰試料保管機(ストッカー)
40 バーコード貼付装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リサイクル原料の分析用サンプルを調製するためのサンプル調製方法であって、
(a)マット化したリサイクル原料を粗粉砕して得られる粗粉砕マットを収容したトレーを、試料マガジンに収納する工程、
(b)前記試料マガジンに収納された、前記粗粉砕マットを収容したトレーを縮分機へと移送し、粗粉砕マットを前記縮分機へと投入する工程、
(c)前記縮分機により、前記粗粉砕マットを、後工程に使用する微粉砕機を洗浄するための共洗用マットと、分析用サンプルとして微粉砕するための分析用マットとに二分割する工程、
(d)前記共洗用マットを微粉砕機に移送し、微粉砕機にて微粉砕することにより、該微粉砕機を洗浄し、そして、微粉砕された前記共洗用マットを廃棄箱に移送して廃棄する工程、
(e)前記工程(d)の後、前記分析用マットを前記微粉砕機に移送して微粉砕する工程、
(f)微粉砕された前記分析用マットを計量機へと移送する工程、
(g)前記計量機により前記微粉砕された分析用マットを計量して、所定個数に分割して、分析用サンプルのための微粉砕分析用マットとして袋詰装置へと移送する工程、
(h)前記袋詰装置にて前記微粉砕分析用マットを所定個数に分割して、分析用サンプルとして袋詰めし、バーコードを貼付する工程、
を有することを特徴とするリサイクル原料の分析用サンプル調製方法。
【請求項2】
前記工程(b)における、前記試料マガジンに収納された、前記粗粉砕マットを収容したトレーを前記縮分機へと移送し、粗粉砕マットを前記縮分機へと投入すること、
前記工程(d)における、前記共洗用マットを前記微粉砕機に移送すること、及び、微粉砕された前記共洗用マットを前記廃棄箱に移送すること、
前記工程(e)における、前記分析用マットを前記微粉砕機に移送すること、
前記工程(f)における、微粉砕された前記分析用マットを前記計量機へと移送すること、
前記工程(g)における、前記微粉砕分析用マットを前記袋詰装置へと移送すること、
は、少なくともロボットにて行うことを特徴とする請求項1のリサイクル原料の分析用サンプル調製方法。
【請求項3】
リサイクル原料の分析用サンプルを調製するためのサンプル調製方法であって、
(a)マット化したリサイクル原料を粗粉砕して得られる粗粉砕マットを収容したトレーを、試料マガジンに収納する工程、
(b)前記試料マガジンに収納された、前記粗粉砕マットを収容したトレーを縮分機へと移送し、粗粉砕マットを前記縮分機へと投入する工程、及び、空トレーを前記試料マガジンに戻す工程
(c)前記縮分機により、前記粗粉砕マットを、後工程に使用する微粉砕機を洗浄するための共洗用マットと、分析用サンプルとして微粉砕するための分析用マットとに二分割する工程、
(d)前記共洗用マットをカップマガジンから供給されるカップに収容して微粉砕機に移送し、前記微粉砕機にて微粉砕することにより、該微粉砕機を洗浄し、そして、微粉砕された前記共洗用マットを廃棄箱に移送して廃棄する工程、及び、空カップを洗浄装置に移送し洗浄後にカップマガジンに戻す工程、
(e)前記工程(d)の後、前記分析用マットをカップマガジンから供給されるカップに収容して前記微粉砕機に移送し、前記微粉砕機にて微粉砕する工程、
(f)微粉砕された前記分析用マットを計量機へと移送する工程、
(g)前記計量機により前記微粉砕された分析用マットを計量して所定個数に分割して、カップマガジンから供給されるカップに収容して、分析用サンプルのための微粉砕分析用マットとして袋詰装置へと移送する工程、マットを前記袋詰装置へ移送した後の空カップを前記洗浄装置に移送する工程、洗浄後の空カップをカップマガジンに戻す工程、及び、前記計量機の残試料を廃棄箱に移送する工程
(h)前記袋詰装置にて前記微粉砕分析用マットを所定個数に分割して、分析用サンプルとして袋詰めし、バーコードを貼付する工程、
を有することを特徴とするリサイクル原料の分析用サンプル調製方法。
【請求項4】
前記工程(b)における、前記試料マガジンに収納されたトレーを前記縮分機へと移送し、粗粉砕マットを前記縮分機へと投入すること、
前記工程(d)における、前記共洗用マットを前記微粉砕機に移送すること、及び、微粉砕された前記共洗用マットを前記廃棄箱に移送すること、並びに、空カップを前記洗浄装置に移送すること、及び、洗浄後の空カップを前記カップマガジンに移送すること、
前記工程(e)における、前記分析用マットを前記微粉砕機に移送すること、
前記工程(f)における、微粉砕された前記分析用マットを前記計量機へと移送すること、
前記工程(g)における、前記計量機の微粉砕分析用マットを前記袋詰装置へと移送すること、及び、前記計量機の残試料を前記廃棄箱に移送すること、並びに、空カップを前記洗浄装置に移送すること、及び、洗浄後の空カップを前記カップマガジンに移送すること、
は、少なくともロボットにて行うことを特徴とする請求項3のリサイクル原料の分析用サンプル調製方法。
【請求項5】
前記ロボットは、前記洗浄装置内にて、前記空カップを回転させ、前記洗浄装置からの圧縮空気が前記空カップの内周面及び外周面に吹き付けられることを特徴とする請求項4のリサイクル原料の分析用サンプル調製方法。
【請求項6】
リサイクル原料の分析用サンプルを調製するためのサンプル調製装置であって、
(a)マット化したリサイクル原料を粗粉砕して得られる粗粉砕マットを収容したトレーを収納する試料マガジンと、
(b)前記トレーから投入された前記粗粉砕マットを、共洗用マットと分析用マットとに二分割する縮分機と、
(c)前記試料マガジンに収納された前記トレーを前記縮分機へと移送して、前記トレーに収容したマットを前記縮分機に投入する移送手段と、
(d)前記縮分機からの二分割されたマット、前記微粉砕機からの微粉砕されたマット、及び、前記計量機からの計量されたマット、を収容し移送するためのカップを収納するカップマガジンと、
(e)前記縮分機にて二分割された前記共洗用マットを微粉砕し、その後、前記分析用マットを微粉砕する微粉砕機と、
(f)前記共洗用マットを前記カップマガジンから供給されるカップに収容して前記微粉砕機へと移送し、そして、前記微粉砕機にて微粉砕された前記共洗用マットを廃棄箱に移送して廃棄する移送手段と、
(f)前記分析用マットを前記カップマガジンから供給されるカップに収容して前記微粉砕機へと移送する移送手段と、
(g)前記微粉砕機にて微粉砕された前記分析用マットを計量して、所定個数に分割する計量機と、
(h)前記微粉砕機にて微粉砕された前記分析用マットを前記カップに収容して前記計量機へと移送する移送手段と、
(i)前記計量機にて計量され、所定個数に分割された前記微粉砕分析用マットを所定個数に分割して分析用サンプルとして袋詰めし、バーコードを貼付する袋詰装置と、
(j)前記微粉砕分析用マットを前記カップマガジンから供給されるカップに収容して前記計量機から前記袋詰装置へと移送する移送手段と、
を有することを特徴とするリサイクル原料の分析用サンプル調製装置。
【請求項7】
少なくとも、
前記試料マガジンに収納された前記トレーを前記縮分機へと移送して、前記トレーに収容した粗粉砕マットを前記縮分機に投入する前記移送手段と、
前記共洗用マットを前記微粉砕機へと移送し、そして、前記微粉砕機にて微粉砕された前記共洗用マットを廃棄箱に移送して廃棄する前記移送手段と、
前記分析用マットを前記微粉砕機へと移送する前記移送手段と、
前記微粉砕機にて微粉砕された前記分析用マットを前記計量機へと移送する前記移送手段と、
前記微粉砕分析用マットを前記計量機から前記袋詰装置へと移送する前記移送手段と、
は、ロボットにて構成されることを特徴とする請求項6のリサイクル原料の分析用サンプル調製装置。
【請求項8】
前記微粉砕機或いは前記計量機にて使用された空のカップを洗浄するための洗浄装置を有することを特徴とする請求項6又は7のリサイクル原料の分析用サンプル調製装置。
【請求項9】
前記ロボットは、更に、前記空カップを前記洗浄装置へと移送する移送手段として機能し、また、前記洗浄装置内にて前記空カップを回転させる手段として機能することを特徴とする請求項8のリサイクル原料の分析用サンプル調製装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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