説明

リストバンド

【課題】細長い帯状形状を有しながら表面に情報を印字する場合にその製造効率を向上させる。
【解決手段】帯状形状を具備するバンド部11と、帯状形状を具備し、バンド部11と並行して配置されたバンド部12と、帯状形状を具備し、バンド部12のバンド部11とは反対側に並行して配置されたバンド部13とを有し、バンド部12は、バンド部11が並行する側の側部のうち、バンド部12の長手方向の一方の端部側の領域にてバンド部11と谷折り可能に連接するとともに、バンド部13が並行する側の側部のうち、バンド部12の長手方向の他方の端部側の領域にてバンド部13と谷折り可能に連接し、バンド部11またはバンド部13がそれぞれ連接する連接辺の端部のうちバンド部12の長手方向中央側の端部から反対側の側部まで延びた山折り予定線17a,17bを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手首や足首等に装着して使用されるリストバンドに関し、特に、製造効率の向上技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、病院等において、検査や治療のために入院する患者の手首や足首にリストバンドを装着させ、このリストバンドを用いて患者を識別、管理することが行われている。この場合、リストバンドの表面に、患者の氏名や血液型、受診科目、病棟名、あるいは患者を識別するためのバーコード情報を印字しておき、この情報を肉眼あるいはバーコードリーダで読み取ることによって、患者を識別、管理している(例えば、特許文献1参照。)。また、近年では、上述したように患者を識別可能な情報が印字されたリストバンドに、非接触状態にて情報の書き込み及び読み出しが可能なICシートを取り付け可能に構成されたものも考えられている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−363808号公報
【特許文献2】特開2005−287663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したリストバンドは、手首や足首に巻き付けて装着するものであるため、細長い帯状形状となっている。そのため、表面に情報を印字するプリンタにおいては、情報を印字する記録媒体の搬送幅の制限等から、帯状形状の長手方向を搬送方向としてリストバンドを搬送しながら情報を印字していくこととなる。
【0005】
このように、帯状形状の長手方向を搬送方向としてリストバンドを搬送しながら情報を印字する場合、プリンタにおける印字幅が非常に狭いものとなり、製造効率が著しく悪い。そこで、帯状のリストバンドを複数本並べて配置して搬送しながら情報を印字していくことが考えられるが、その場合、並べられた複数本のリストバンドが同時に搬送されることになるため、リストバンドを、1本等、並べられた本数未満だけ必要とする場合に無駄なリストバンドが生じてしまうという問題点がある。
【0006】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、細長い帯状形状を有しながらもその表面に情報を印字する場合にその製造効率を向上させることができるリストバンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、
帯状形状を具備する第1のバンド部と、
帯状形状を具備し、前記第1のバンド部と並行して配置された第2のバンド部と、
帯状形状を具備し、前記第2のバンド部の前記第1のバンド部とは反対側に並行して配置された第3のバンド部とを有し、
前記第2のバンド部は、前記第1のバンド部が並行する側の側部のうち、当該第2のバンド部の長手方向の一方の端部側の領域にて前記第1のバンド部と谷折り可能に連接するとともに、前記第3のバンド部が並行する側の側部のうち、前記長手方向の他方の端部側の領域にて前記第3のバンド部と谷折り可能に連接し、さらに、前記第1のバンド部または前記第3のバンド部がそれぞれ谷折り可能に連接する連接辺の端部のうち前記長手方向中央側の端部から当該第2のバンド部の反対側の側部まで延びた山折り予定線を有する。
【0008】
上記のように構成された本発明においては、帯状形状を具備する第1、第2及び第3のバンド部が、第1のバンド部と第3のバンド部とによって第2のバンド部を挟んだ状態で並行して配置されている。そして、第2のバンド部は、第1のバンド部が並行する側の側部のうち、第2のバンド部の長手方向の一方の端部側の領域にて第1のバンド部と谷折り可能に連接するとともに、第3のバンド部が並行する側の側部のうち、第2のバンド部の長手方向の他方の端部側の領域にて第3のバンド部と谷折り可能に連接し、さらに、第1のバンド部または第3のバンド部がそれぞれ谷折り可能に連接する連接辺の端部のうち、第2のバンド部の長手方向中央側の端部から第2のバンド部の反対側の側部まで延びた山折り予定線が設けられている。そのため、第2のバンド部と第1及び第3のバンド部とをそれぞれ谷折りするとともに、第2のバンド部を山折り予定線にて山折りすると、第1、第2及び第3のバンド部がその長手方向に連なったものとなり、第1、第2及び第3のバンド部がその長手方向に連なった細長い帯状形状のリストバンドが構成されることになる。
【0009】
このように、リストバンドを構成する第1、第2及び第3のバンド部が、互いに並行して配置されており、これらを折り畳むことによって細長い帯状形状のリストバンドが構成されるので、細長い帯状形状のリストバンドに情報を印字する場合に、リストバンドの長手方向の長さ分リストバンドを搬送する必要がなくなり、製造効率が向上することになる。
【0010】
また、第2のバンド部に、第2のバンド部の長手方向に延びた帯状のアンテナを具備する非接触情報記録手段が内蔵されている場合は、表面に印字された情報のみならず、非接触情報記録手段に記録された情報を用いて、このリストバンドを装着した患者等を識別、管理することができる。この場合、第2のバンド部は帯状形状を有するものであるため、帯状のアンテナを具備する非接触情報記録手段を内蔵することができ、また、上記のように折り畳まれた場合、第2のバンド部が、第1及び第2のバンド部に対して若干浮き上がった状態となるので、このリストバンドを装着した患者等の手首や足首が濡れている等、非接触状態における情報の書き込みや読み出しに障害が生じる状態であっても、その影響が軽減される。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本発明においては、帯状形状を具備する第1のバンド部と、帯状形状を具備し、第1のバンド部と並行して配置された第2のバンド部と、帯状形状を具備し、第2のバンド部の第1のバンド部とは反対側に並行して配置された第3のバンド部とを有し、第2のバンド部が、第1のバンド部が並行する側の側部のうち、第2のバンド部の長手方向の一方の端部側の領域にて第1のバンド部と谷折り可能に連接するとともに、第3のバンド部が並行する側の側部のうち、第2のバンド部の長手方向の他方の端部側の領域にて第3のバンド部と谷折り可能に連接し、さらに、第1のバンド部または第3のバンド部がそれぞれ谷折り可能に連接する連接辺の端部のうち第2のバンド部の長手方向中央側の端部から第2のバンド部の反対側の側部まで延びた山折り予定線を有する構成としたため、リストバンドを構成する第1、第2及び第3のバンド部を折り畳むことによって細長い帯状形状のリストバンドが構成されることとなり、それにより、細長い帯状形状のリストバンドに情報を印字する場合に、リストバンドの長手方向の長さ分リストバンドを搬送する必要がなくなり、製造効率を向上させることができる。
【0012】
また、第2のバンド部に、第2のバンド部の長手方向に延びた帯状のアンテナを具備する非接触情報記録手段が内蔵されているものにおいては、表面に印字された情報のみならず、非接触情報記録手段に記録された情報を用いて、このリストバンドを装着した患者等を識別、管理することができる。この際、第1、第2及び第3のバンド部が上記のように折り畳まれた場合、第2のバンド部が、第1及び第2のバンド部に対して若干浮き上がった状態となるので、このリストバンドを装着した患者等の手首や足首が濡れている等、非接触状態における情報の書き込みや読み出しに障害が生じる状態であっても、その影響が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のリストバンドの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は全体の構成を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)はB−B’断面図である。
【図2】図1に示したリストバンドの使用方法を説明するための図である。
【図3】本発明のリストバンドの第2の実施の形態を示す図であり、(a)は全体の構成を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)はB−B’断面図である。
【図4】図3に示したリストバンドの使用方法を説明するための図である。
【図5】本発明のリストバンドの第3の実施の形態を示す図であり、(a)は全体の構成を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)はB−B’断面図である。
【図6】図5に示したリストバンドの使用方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明のリストバンドの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は全体の構成を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)はB−B’断面図である。
【0016】
本形態は図1に示すように、表面シート3と支持シート4とが非接触情報記録手段であるインレット5を挟んで粘着剤6によって貼着されて構成され、支持シート4が擬似貼着層7を介して台紙2に剥離可能に貼着されている。この擬似貼着層7は、2層構造のフィルムを用いて剥離可能とするものや、自己のみが貼着可能な材料によって構成されている。
【0017】
このように台紙2に剥離可能に貼着されたリストバンド1は、帯状形状を具備する第1のバンド部11、第2のバンド部12及び第3のバンド部が互いに並行して配置されている。
【0018】
バンド部11は、複数の孔部19aがその長手方向に並んで形成されている。この孔部19aは、表面シート3、支持シート4及び台紙2に貫通している。
【0019】
バンド部12は、バンド部11の一方の側にて並行し、バンド部11が並行する側の側部のうち、バンド部12の長手方向の一方の端部側の領域にて連接しており、この連接辺が谷折り予定線18aとなっている。また、バンド部12のバンド部11とは反対側にはバンド部13が並行しており、バンド部13が並行する側の側部において、バンド部12の長手方向の端部のうち谷折り予定線18aとは反対の端部側の領域にて連接しており、この連接辺が谷折り予定線18bとなっている。また、谷折り予定線18aの端部のうちバンド部12の長手方向中央側の端部からバンド部12の反対側の側部、すなわち、バンド部13側の側部まで延びた山折り予定線17aが設けられている。また、谷折り予定線18bの端部のうちバンド部12の長手方向中央側の端部からバンド部12の反対側の側部、すなわち、バンド部11側の側部まで延びた山折り予定線17bが設けられている。バンド部11とバンド部12とは、谷折り予定線18a以外の領域では、その側部どうしがスリット16aによって分離されている。このスリット16aは、表面シート3、支持シート4及び台紙2のうち、表面シート3及び支持シート4に形成されており、台紙2には形成されていない。また、バンド部12の両端部は、山折り予定線17a,17bの端部と谷折り予定線18a,18bの端部とを結んでそれぞれ斜めになっている。
【0020】
バンド部13は、谷折り予定線18bを介してバンド部12に連接した端部側とは反対側が突出した形状となっており、その突出した領域に孔部19bが形成されている。この孔部19bは、表面シート3、支持シート4及び台紙2に貫通している。バンド部12とバンド部13とは、谷折り予定線18b以外の領域では、その側部どうしがスリット16bによって分離されている。このスリット16bは、表面シート3、支持シート4及び台紙2のうち、表面シート3及び支持シート4に形成されており、台紙2には形成されていない。
【0021】
インレット5は、帯状形状を具備するアンテナ15と、このアンテナ15に接続されたICチップ14とを有し、バンド部12の山折り予定線17a,17bによって挟まれる領域に内蔵されている。アンテナ15は、バンド部12の長手方向に延びるように配置されており、外部から照射される電波に共振して電流が流れ、この電流がICチップ14に供給されることにより、ICチップ14に対する情報の書き込みや読み出しが非接触状態にて行われる。
【0022】
以下に、上記のように構成されたリストバンド1の使用方法について説明する。
【0023】
まず、情報を印字可能であるとともにICチップ14に対して情報の書き込みが可能なプリンタを用いて、リストバンド1が台紙2に貼着された状態において、表面シート3のバンド部12となる領域に情報を印字するとともに、インレット5のICチップ14に情報を書き込む。例えば、病院等において、検査や治療のために入院する患者の手首や足首にこのリストバンド1を装着させて使用する場合、表面シート3のバンド部12の部分に、患者の氏名や血液型等を印字するとともに、この患者の氏名や血液型、受診科目、病棟名等の患者に関する情報をICチップ14に書き込む。この際、台紙2にリストバンド1が装着された状態においては、リストバンド1を構成する帯状の3つのバンド部11〜13が並行して配置されているため、リストバンド1全体で細長い帯状形状となっておらず、それにより、細長いリストバンド1をその長手方向に搬送しながら情報を印字する必要がなくなり、製造効率が向上する。また、このように表面シート3に対する情報の印字とICチップ14に対する情報の書き込みとを1つの装置にて行うことにより、表面シート3に印字された情報と、ICチップ14に書き込まれた情報とのマッチングミスを防止することができる。
【0024】
このようにして表面シート3に情報が印字されるとともにICチップ14に情報が書き込まれたリストバンド1は、台紙2から剥離され、上述したように、例えば、病院等において患者の手首や足首に装着されて使用されることになる。なお、台紙2に貼着されたリストバンド1は、上述したように、支持シート4が擬似貼着層7によって台紙2の貼着されているため、台紙2から剥離することができる。
【0025】
図2は、図1に示したリストバンド1の使用方法を説明するための図である。
【0026】
台紙2から剥離されたリストバンド1は、図2(a)に示すように3つのバンド部11〜13が並行して配置された状態となっている。
【0027】
このリストバンド1を装着可能な状態とするためには、まず、バンド部12を山折り予定線17aにて山折りにする。すると、図2(b)に示すように、バンド部11の表裏が反転するとともに長手方向の向きが逆になる。
【0028】
次に、バンド部11とバンド部12との連接辺となる谷折り予定線18aにてバンド部11とバンド部12とを谷折りにする。すると、図2(c)に示すように、バンド部11の表裏が元の状態に戻るとともに、バンド部11とバンド部12とがその一部が重なって一直線上に並んだ状態となる。
【0029】
また、バンド部12を山折り予定線17bにて山折りにする。すると、図2(d)に示すように、バンド部13の表裏が反転するとともに長手方向の向きが逆になる。
【0030】
次に、バンド部12とバンド部13との連接辺となる谷折り予定線18bにてバンド部12とバンド部13とを谷折りにする。すると、図2(e)に示すように、バンド部13の表裏が元の状態に戻るとともに、バンド部12とバンド部13とがその一部が重なって一直線上に並んだ状態となる。
【0031】
これにより、3つのバンド部11〜13からなるリストバンド1が、それら3つのバンド部11〜13がその一部が重なって一直線上に並んだ細長い帯状形状となり、このリストバンド1を手首や足首に装着し、バンド部11に設けられた孔部19aとバンド部13に設けられた孔部19bとにクリップ等を挿入することによって固定して使用することになる。
【0032】
ここで、バンド部12には、ICチップ14及びアンテナ15を有するインレット5が内蔵されているが、このリストバンド1を装着した手首や足首が濡れている場合、その水分によって、アンテナ15の共振に悪影響が及ぼされてしまう。ところが、本形態においては、上述したようにバンド部11〜13が、山折り予定線17a,17b及び谷折り予定線18a,18bにて折り畳まれた場合、図2(f)に示すように、バンド部11,13に対してバンド部12が若干浮き上がった状態となるため、このリストバンド1を装着する手首や足首が濡れている場合であっても、アンテナ15の共振への影響が軽減されることになる。
【0033】
(第2の実施の形態)
図3は、本発明のリストバンドの第2の実施の形態を示す図であり、(a)は全体の構成を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)はB−B’断面図である。
【0034】
本形態は図3に示すように、図1に示したものに対して、全体として両端部がそれぞれ窄まったリーフ形状を有し、第1のバンド部111及び第3のバンド部113が、長手方向端部のうち一方の端部にて谷折り予定線118a,118bを介して第2のバンド部112にそれぞれ連接しているとともに、長手方向端部のうち他方の端部が尖った角形状となっている点が異なるものである。これにより、3つのバンド部111〜113は、その側部がそれぞれ曲線を描くような形状となっている。なお、このように側部が曲線を描くような形状となっているものについても、本願では、「帯状形状」と称する。
【0035】
以下に、上記のように構成されたリストバンド101の使用方法について説明する。
【0036】
まず、第1の実施の形態に示したものと同様に、リストバンド101が台紙102に貼着された状態において、表面シート103のバンド部112となる領域に情報を印字するとともに、インレット105のICチップ114に情報を書き込む。
【0037】
このようにして表面シート103に情報が印字されるとともにICチップ114に情報が書き込まれたリストバンド101は、台紙102から剥離され、例えば、病院等において患者の手首や足首に装着されて使用されることになる。
【0038】
図4は、図3に示したリストバンド101の使用方法を説明するための図である。
【0039】
本形態のリストバンド101においては、上述したように、全体として両端部がそれぞれ窄まったリーフ形状を有し、バンド部111,113の一方の端部が尖った形状となっているため、図4(a)に示すように、台紙102から剥離する際、その端部にてスリット116a,116bを介して隣接するバンド部111,113の両方を摘み上げることにより、バンド部111,113の一方のみが台紙102から剥離していき、バンド部111,113がスリット116a,116bの延長線上に破断していくことが回避される。
【0040】
台紙102から剥離されたリストバンド101は、図4(b)に示すように3つのバンド部111〜113が並行して配置された状態となっている。なお、本形態のリストバンド101は、全体としてリーフ形状を有し、バンド部111〜113のそれぞれの側部がそれぞれ曲線を描くような形状となっているが、このようなものについても、3つのバンド部111〜113が並行して配置された状態と定義する。
【0041】
このリストバンド101を装着可能な状態とするためには、まず、バンド部112を山折り予定線117aにて山折りにする。すると、図4(c)に示すように、バンド部111の表裏が反転するとともに、バンド部111の尖った端部が向かう方向が変わる。
【0042】
次に、バンド部111とバンド部112との連接辺となる谷折り予定線118aにてバンド部111とバンド部112とを谷折りにする。すると、図4(d)に示すように、バンド部111の表裏が元の状態に戻るとともに、バンド部111の尖った端部が向かう方向がさらに変わり、バンド部111とバンド部112とがその一部が重なって一直線上に並んだような状態となる。
【0043】
また、バンド部112を山折り予定線117bにて山折りにする。すると、図4(e)に示すように、バンド部113の表裏が反転するとともに、バンド部113の尖った端部が向かう方向が変わる。
【0044】
次に、バンド部112とバンド部113との連接辺となる谷折り予定線118bにてバンド部112とバンド部113とを谷折りにする。すると、図4(f)に示すように、バンド部113の表裏が元の状態に戻るとともに、バンド部111の尖った端部が向かう方向がさらに変わり、バンド部112とバンド部113とがその一部が重なって一直線上に並んだような状態となる。
【0045】
これにより、3つのバンド部111〜113からなるリストバンド101が、それら3つのバンド部111〜113がその一部が重なって一直線上に並んだような細長い帯状形状となり、このリストバンド101を手首や足首に装着し、バンド部111に設けられた孔部119aとバンド部113に設けられた孔部119bとにクリップ等を挿入することによって固定して使用することになる。
【0046】
(第3の実施の形態)
図5は、本発明のリストバンドの第3の実施の形態を示す図であり、(a)は全体の構成を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)はB−B’断面図である。
【0047】
本形態は図5に示すように、図1に示したものに対して、バンド部212の山折り予定線217a,217bよりも外側の領域において、バンド部212の幅方向における中央部にアンカー穴222a,222bがそれぞれ形成されているとともに、アンカー穴222aが形成された領域については、このアンカー穴222aからバンド部213側の側部に向かってスリット221aが形成されており、また、アンカー穴222bが形成された領域については、このアンカー穴222bからバンド部211側の側部に向かってスリット221bが形成されており、さらに、バンド部211,213の谷折り予定線218a,218bを介してバンド部211,213とバンド部212とを谷折りした場合にアンカー穴222a,222b及びスリット221a,221bに対向する領域に、アンカー穴222c,222d及びスリット221c,221dがそれぞれ形成されている点が異なるものである。また、スリット216a,216bの端部にもアンカー穴222e,222fがそれぞれ形成されている。
【0048】
以下に、上記のように構成されたリストバンド101の使用方法について説明する。
【0049】
まず、第1の実施の形態に示したものと同様に、リストバンド201が台紙202に貼着された状態において、表面シート203のバンド部212となる領域に情報を印字するとともに、インレット205のICチップ214に情報を書き込む。
【0050】
このようにして表面シート203に情報が印字されるとともにICチップ214に情報が書き込まれたリストバンド201は、台紙202から剥離され、例えば、病院等において患者の手首や足首に装着されて使用されることになる。
【0051】
図6は、図5に示したリストバンド201の使用方法を説明するための図である。
【0052】
台紙202から剥離されたリストバンド201は、図6(a)に示すように3つのバンド部211〜213が並行して配置された状態となっている。
【0053】
このリストバンド201を装着可能な状態とするためには、まず、バンド部212を山折り予定線217aにて山折りにする。すると、図6(b)に示すように、バンド部211の表裏が反転するとともに長手方向の向きが逆になる。
【0054】
次に、バンド部211とバンド部212との連接辺となる谷折り予定線218aにてバンド部211とバンド部212とを谷折りにする。すると、図6(c)に示すように、バンド部211の表裏が元の状態に戻るとともに、バンド部211とバンド部212とがその一部が重なって一直線上に並んだ状態となる。この際、バンド部211に形成されたアンカー穴222c及びスリット221cが、バンド部212に形成されたアンカー穴222a及びスリット221aと重なり合うようになる。
【0055】
また、バンド部212を山折り予定線217bにて山折りにする。すると、図6(d)に示すように、バンド部213の表裏が反転するとともに長手方向の向きが逆になる。
【0056】
次に、バンド部212とバンド部213との連接辺となる谷折り予定線218bにてバンド部212とバンド部213とを谷折りにする。すると、図6(e)に示すように、バンド部213の表裏が元の状態に戻るとともに、バンド部212とバンド部213とがその一部が重なって一直線上に並んだ状態となる。この際、バンド部213に形成されたアンカー穴222d及びスリット221dが、バンド部212に形成されたアンカー穴222b及びスリット221bと重なり合うようになる。
【0057】
そして、図6(f)に示すように、バンド部212の裏面側において、互いに重なり合ったスリット221a,211cと、スリット221b,221dとを係合させ、図6(e)に示した状態を保持することになる。
【0058】
これにより、3つのバンド部211〜213からなるリストバンド201が、それら3つのバンド部211〜213がその一部が重なって一直線上に並んだ細長い帯状形状となり、このリストバンド201を手首や足首に装着し、バンド部211に設けられた孔部219aとバンド部213に設けられた孔部219bとにクリップ等を挿入することによって固定して使用することになる。
【0059】
なお、上述した3つの実施の形態においては、表面シート3,103,203のうち、バンド部12,112,212となる部分に情報を印字しているが、表面シート3,103,203のうち、他のバンド部11,13,111,113,211,213となる部分に情報を印字してもよい。
【符号の説明】
【0060】
1,101,201 リストバンド
2,102,202 台紙
3,103,203 表面シート
4,104,204 支持シート
5,105,205 インレット
6,106,206 粘着剤
7,107,207 擬似貼着層
11〜13,111〜113,211〜213 バンド部
14,114,214 ICチップ
15,115,215 アンテナ
16a,16b,116a,116b,216a,216b,221a〜221d スリット
17a,17b,117a,117b,217a,217b 山折り予定線
18a,18b,118a,118b,218a,218b 谷折り予定線
19a,19b,119a,119b,219a,219b 孔部
222a〜222f アンカー穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状形状を具備する第1のバンド部と、
帯状形状を具備し、前記第1のバンド部と並行して配置された第2のバンド部と、
帯状形状を具備し、前記第2のバンド部の前記第1のバンド部とは反対側に並行して配置された第3のバンド部とを有し、
前記第2のバンド部は、前記第1のバンド部が並行する側の側部のうち、当該第2のバンド部の長手方向の一方の端部側の領域にて前記第1のバンド部と谷折り可能に連接するとともに、前記第3のバンド部が並行する側の側部のうち、前記長手方向の他方の端部側の領域にて前記第3のバンド部と谷折り可能に連接し、さらに、前記第1のバンド部または前記第3のバンド部がそれぞれ谷折り可能に連接する連接辺の端部のうち前記長手方向中央側の端部から当該第2のバンド部の反対側の側部まで延びた山折り予定線を有するリストバンド。
【請求項2】
請求項1に記載のリストバンドにおいて、
前記第2のバンド部は、前記長手方向に延びた帯状のアンテナを具備する非接触情報記録手段が内蔵されているリストバンド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−196209(P2010−196209A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−44030(P2009−44030)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【出願人】(505083335)株式会社ジクシス (6)
【Fターム(参考)】