説明

リストバンド

【課題】細長い帯状形状を有しながらも表面に印刷を施す場合に製造効率を向上させる。
【解決手段】互いに並行した帯状の3本の本体部10a〜10cと、本体部10a〜10cのうち最も外側に配置された2本の本体部10a,10cにそれぞれ並行した帯状の2本のバンド部11a,11bとを有し、本体部10a〜10cはそれぞれ隣接する本体部と山折り可能に連接し、バンド部11a,11bは、並行する本体部10a,10cの側部のうち、本体部10a〜10cの長手方向の互いに異なる端部側の領域にて本体部10a,10cと山折り可能にそれぞれ連接するとともに、本体部10a,10cが山折り可能に連接する山折り予定線13a,13bの端部のうち長手方向中央側の端部からバンド部11a,11bの反対側の側部まで延びた山折り予定線14a,14bをそれぞれ具備し、本体部10aとバンド部11a,11bは、同一面側に印刷が施されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手首や足首等に装着して使用されるリストバンドに関し、特に、製造効率の向上技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、病院等において、検査や治療のために入院する患者の手首や足首にリストバンドを装着させ、このリストバンドを用いて患者を識別、管理することが行われている。この場合、リストバンドの表面に、患者の氏名や血液型、受診科目、病棟名、あるいは患者を識別するためのバーコード情報を印字しておき、この情報を肉眼あるいはバーコードリーダで読み取ることによって、患者を識別、管理している(例えば、特許文献1参照。)。また、近年では、上述したように患者を識別可能な情報が印字されたリストバンドに、非接触状態にて情報の書き込み及び読み出しが可能なICシートを取り付け可能に構成されたものも考えられている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−363808号公報
【特許文献2】特開2005−287663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したリストバンドは、手首や足首に巻き付けて装着するものであるため、細長い帯状形状となっている。そのため、その表面に上述したような情報や模様等を印刷する場合、表面に情報や模様を印刷するプリンタにおいては、情報や模様を印刷する記録媒体の搬送幅の制限等から、帯状形状の長手方向を搬送方向としてリストバンドを搬送しながら情報や模様を印字していくこととなる。
【0005】
このように、帯状形状の長手方向を搬送方向としてリストバンドを搬送しながら情報や模様を印刷する場合、プリンタにおける印字幅が非常に狭いものとなり、製造効率が著しく悪い。そこで、帯状のリストバンドを複数本並べて配置して搬送しながら情報や模様を印刷していくことが考えられるが、その場合、並べられた複数本のリストバンドが同時に搬送されることになるため、リストバンドを、1本等、並べられた本数未満だけ必要とする場合に無駄なリストバンドが生じてしまうという問題点がある。
【0006】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、細長い帯状形状を有しながらもその表面に印刷を施す場合にその製造効率を向上させることができるリストバンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、
帯状形状を具備し、互いに並行して配置された奇数本の本体部と、
前記奇数本の本体部のうち最も外側に配置された2本の本体部にそれぞれ並行して隣接した帯状形状を具備する2本のバンド部とを有し、
前記奇数本の本体部は、それぞれ隣接する本体部と山折り可能に連接し、
前記2本のバンド部のうち一方のバンド部は、当該バンド部に並行して隣接する本体部の側部のうち、前記奇数本の本体部の長手方向の一方の端部側の領域にて当該並行して隣接する本体部と山折り可能に連接するとともに、当該並行して隣接する本体部が山折り可能に連接する連接辺の端部のうち前記長手方向中央側の端部から当該バンド部の反対側の側部まで延びた山折り予定線を具備し、
前記2本のバンド部のうち他方のバンド部は、当該バンド部に並行して隣接する本体部の側部のうち、前記奇数本の本体部の長手方向の前記一方のバンド部とは異なる他方の端部側の領域にて当該並行して隣接する本体部と山折り可能に連接するとともに、当該並行して隣接する本体部が山折り可能に連接する連接辺の端部のうち前記長手方向中央側の端部から当該バンド部の反対側の側部まで延びた山折り予定線を具備し、
前記バンド部に並行して隣接する2本の本体部のうち少なくとも一方の本体部と前記2本のバンド部は、同一面側にそれぞれ印刷が施されている。
【0008】
上記のように構成された本発明においては、帯状形状を具備し、互いに並行して配置された奇数本の本体部と、奇数本の本体部のうち最も外側に配置された2本の本体部にそれぞれ並行して隣接した帯状形状を具備する2本のバンド部とを有し、バンド部に並行して隣接する2本の本体部のうち少なくとも一方の本体部と2本のバンド部の同一面側にそれぞれ印刷が施されている。この2本のバンド部が山折り予定線にて山折りされ、また、奇数本の本体部と2本のバンド部とが、印刷が施されたバンド部が表出するように山折りされると、表出したバンド部の印刷が施された面と2本のバンド部の印刷が施された面が同一面側となる。
【0009】
このように、リストバンドを構成する奇数本の本体部とバンド部とが、互いに並行して配置されており、これらを山折りすることによって細長い帯状形状のリストバンドが構成され、本体部とバンド部との同一面側にそれぞれ施された印刷が、同一面側にて表出するので、細長い帯状形状のリストバンドの表面に印刷を施す場合に、リストバンドの長手方向の長さ分リストバンドを搬送する必要がなくなり、製造効率が向上することになる。
【0010】
また、印刷が施されている本体部に、この本体部の長手方向に延びたアンテナを具備する非接触情報記録手段が内蔵されている場合は、表面に印刷された情報のみならず、非接触情報記録手段に記録された情報を用いて、このリストバンドを装着した患者等を識別、管理することができる。この場合、非接触情報記録手段を内蔵した本体部は帯状形状を有するものであるため、例えば、帯状のアンテナを具備する非接触情報記録手段を内蔵することができ、また、上記のように山折りされた場合、3本の本体部が重なり合った状態で、非接触情報記録手段が内蔵された本体部が一方の面にて表出するので、この面と反対側の面が手首や足首に対向するように装着すれば、非接触情報記録手段が手首や足首から若干浮き上がった状態となり、このリストバンドを装着した患者等の手首や足首が濡れている等、非接触状態における情報の書き込みや読み出しに障害が生じる状態であっても、その影響が軽減される。
【0011】
また、本体部が3本並行して配置され、本体部が、2本のバンド部が山折り予定線にてそれぞれ山折りされ、かつ、3本の本体部と2本のバンド部とが山折りされた場合に、2本のバンド部のそれぞれについて、そのバンド部が山折りされることにより2重となった領域に対向する領域のうち、少なくとも1つの本体部の領域に粘着剤が塗布されていれば、2本のバンド部のうち、そのバンド部が山折りされることにより2重となった領域が粘着剤によって本体部に固定され、バンド部と本体部との連接辺が破断しにくくなる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本発明においては、帯状形状を具備し、互いに並行して配置された奇数本の本体部と、奇数本の本体部のうち最も外側に配置された2本の本体部にそれぞれ並行して隣接した帯状形状を具備する2本のバンド部とを有し、奇数本の本体部が、それぞれ隣接する本体部と山折り可能に連接し、2本のバンド部のうち一方のバンド部が、そのバンド部に並行して隣接する本体部の側部のうち、奇数本の本体部の長手方向の一方の端部側の領域にて並行して隣接する本体部と山折り可能に連接するとともに、並行して隣接する本体部が山折り可能に連接する連接辺の端部のうち長手方向中央側の端部からそのバンド部の反対側の側部まで延びた山折り予定線を具備し、また、2本のバンド部のうち他方のバンド部が、そのバンド部に並行して隣接する本体部の側部のうち、奇数本の本体部の長手方向の一方のバンド部とは異なる他方の端部側の領域にて並行して隣接する本体部と山折り可能に連接するとともに、並行して隣接する本体部が山折り可能に連接する連接辺の端部のうち長手方向中央側の端部からそのバンド部の反対側の側部まで延びた山折り予定線を具備し、バンド部に並行して隣接する2本の本体部のうち少なくとも一方の本体部と2本のバンド部が同一面側にそれぞれ印刷が施されている構成としたため、リストバンドを構成する奇数本の本体部とバンド部とが、互いに並行して配置されており、これらを山折りすることによって細長い帯状形状のリストバンドが構成され、本体部とバンド部との同一面側に施された印刷が、同一面側にて表出することとなり、それにより、細長い帯状形状のリストバンドの表面に印刷を施す場合に、リストバンドの長手方向の長さ分リストバンドを搬送する必要がなくなり、製造効率を向上させることができる。
【0013】
また、印刷が施されている本体部に、この本体部の長手方向に延びたアンテナを具備する非接触情報記録手段が内蔵されているものにおいては、表面に印刷された情報のみならず、非接触情報記録手段に記録された情報を用いて、このリストバンドを装着した患者等を識別、管理することができる。この場合、非接触情報記録手段を内蔵した本体部は帯状形状を有するものであるため、例えば、帯状のアンテナを具備する非接触情報記録手段を内蔵することができ、また、上記のように山折りされた場合、3本の本体部が重なり合った状態で、非接触情報記録手段が内蔵された本体部が一方の面にて表出するので、この面と反対側の面が手首や足首に対向するように装着すれば、非接触情報記録手段が手首や足首から若干浮き上がった状態となり、このリストバンドを装着した患者等の手首や足首が濡れている等、非接触状態における情報の書き込みや読み出しに障害が生じる状態であっても、その影響が軽減される。
【0014】
また、本体部が3本並行して配置され、本体部が、2本のバンド部が山折り予定線にてそれぞれ山折りされ、かつ、3本の本体部と2本のバンド部とが山折りされた場合に、2本のバンド部のそれぞれについて、そのバンド部が山折りされることにより2重となった領域に対向する領域のうち、少なくとも1つの本体部の領域に粘着剤が塗布されているものにおいては、2本のバンド部のうち、そのバンド部が山折りされることにより2重となった領域が粘着剤によって本体部に固定され、バンド部と本体部との連接辺が破断しにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のリストバンドの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は全体の構成を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したB−B’断面図、(d)は(a)に示したC−C’断面図である。
【図2】図1に示したリストバンドの使用方法を説明するための図である。
【図3】本発明のリストバンドの第2の実施の形態を示す図であり、(a)は全体の構成を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したリストバンドの裏面の構成を示す図である。
【図4】図3に示したリストバンドの使用方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明のリストバンドの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は全体の構成を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したB−B’断面図、(d)は(a)に示したC−C’断面図である。
【0018】
本形態は図1に示すように、互いに並行して配置された帯状形状を具備する3本の本体部10a〜10cと、これら3本の本体部10a〜10cbのうち外側に配置された2本の本体部10a,10cにそれぞれ並行して配置された帯状形状を具備する2本のバンド部11a,11bとから構成されており、3本の本体部10a〜10cは、それぞれ隣接する本体部10a〜10cと山折り予定線12a,12bにて山折り可能に連接している。
【0019】
3本の本体部10a〜10cのうち、外側に配置された本体部10a,10cの一方の本体部10aは、表面シート3と支持シート4とが非接触情報記録手段であるインレット5を挟んで粘着剤6によって貼着されて構成され、支持シート4が粘着剤6を介して剥離台紙2に剥離可能に貼着されている。このインレット5は、帯状形状を具備するアンテナ19と、このアンテナ19に接続されたICチップ18とを有している。アンテナ19は、本体部10aの長手方向に延びるように配置されており、外部から照射される電波に共振して電流が流れ、この電流がICチップ18に供給されることにより、ICチップ18に対する情報の書き込みや読み出しが非接触状態にて行われる。また、本体部10aには、表面シート3に印刷が施されることにより患者情報16が印字されている。
【0020】
3本の本体部10a〜10cのうち、本体部10bと、外側に配置された本体部10a,10cの他方の本体部10cは、表面シート3と支持シート4とが粘着剤6によって直接貼着されて構成され、支持シート4が粘着剤6を介して剥離台紙2に剥離可能に貼着されている。
【0021】
2本のバンド部11a,11bのうち一方のバンド部11aは、このバンド部11aに並行して隣接する本体部10aの側部のうち、本体部10a〜10cの長手方向の一方の端部側の領域にて連接辺となる山折り予定線13aを介して本体部10aと山折り可能に連接するとともに、山折り予定線13aの端部のうち本体部10a〜10cの長手方向中央側の端部からバンド部11aの反対側の側部まで延びた山折り予定線14aが設けられている。また、この山折り予定線14aを介して本体部10aと連接している側とは反対側には、表面シート3、支持シート4及び剥離台紙2に貫通した複数の孔部15aがその長手方向に並んで形成されているとともに、表面シート3に印刷が施されることにより模様17aが印刷されている。
【0022】
2本のバンド部11a,11bのうち他方のバンド部11bは、このバンド部11bに並行して隣接する本体部10cの側部のうち、本体部10a〜10cの長手方向の、バンド部11aが本体部10aに連接した端部とは反対側の端部側の領域にて連接辺となる山折り予定線13bを介して本体部10cと山折り可能に連接するとともに、山折り予定線13bの端部のうち本体部10a〜10cの長手方向中央側の端部からバンド部11bの反対側の側部まで延びた山折り予定線14bが設けられている。また、この山折り予定線14bを介して本体部10bと連接している側とは反対側には、表面シート3、支持シート4及び剥離台紙2に貫通した複数の孔部15bがその長手方向に並んで形成されているとともに、表面シート3に印刷が施されることにより模様17bが印刷されている。
【0023】
これら2本のバンド部11a,11bは、表面シート3と支持シート4とが粘着剤6によって直接貼着されて構成され、支持シート4が擬似貼着層7を介して剥離台紙2に剥離可能に貼着されている。
【0024】
表面シート3は、リストバンド1となる領域と枠部9とからなり、リストバンド1となる領域は、スリット8によって枠部9から分離可能となっており、枠部9となる領域は、粘着剤6を介して剥離台紙2に剥離可能に貼着されている。なお、この擬似貼着層7は、剥離台紙2に貼着可能に構成され、剥離台紙2から剥離した場合に貼着機能を失うものであり、フィルム等を用いて構成されている。
【0025】
以下に、上記のように構成されたリストバンド1の使用方法について説明する。
【0026】
まず、情報を印字可能であるとともにICチップ18に対して情報の書き込みが可能なプリンタを用いて、リストバンド1が剥離台紙2に貼着された状態において、表面シート3の本体部10aとなる領域に患者情報16を印字するとともに、バンド部11a,11bとなる領域に模様17a,17bを印刷する。これにより、本体部10aとバンド部11a,11bとの同一面側に印刷が施されることになる。また、このプリンタにおいてインレット5のICチップ18に情報を書き込む。例えば、病院等において、検査や治療のために入院する患者の手首や足首にこのリストバンド1を装着させて使用する場合、図1(a)に示すように、表面シート3の本体部10aの部分に、患者の氏名やIDからなる患者情報16を印字するとともに、この患者の氏名や血液型、受診科目、病棟名等の患者に関する情報をICチップ18に書き込む。この際、剥離台紙2にリストバンド1が装着された状態においては、リストバンド1を構成する帯状の3本の本体部10a〜10c及び2本のバンド部11a,11bが並行して配置されているため、リストバンド1全体で細長い帯状形状となっておらず、それにより、細長いリストバンド1をその長手方向に搬送しながら情報を印刷する必要がなくなり、製造効率が向上する。また、このように表面シート3に対する患者情報16の印字とICチップ18に対する情報の書き込みとを1つの装置にて行うことにより、表面シート3に印字された患者情報16と、ICチップ18に書き込まれた情報とのマッチングミスを防止することができる。また、患者情報16と模様17a,17bとが表面シート3に印刷されるので、両面印刷を施す必要がない。
【0027】
このようにして表面シート3に患者情報16や模様17a,17bが印刷されるとともにICチップ18に情報が書き込まれたリストバンド1は、剥離台紙2から剥離され、上述したように、例えば、病院等において患者の手首や足首に装着されて使用されることになる。なお、剥離台紙2に貼着されたリストバンド1は、上述したように、支持シート4が粘着剤6または擬似貼着層7によって剥離台紙2に剥離可能に貼着されているため、剥離台紙2から剥離することができる。また、表面シート3に形成されたスリット8によって、リストバンド1となる領域を枠部9から分離することができる。
【0028】
図2は、図1に示したリストバンド1の使用方法を説明するための図である。
【0029】
剥離台紙2から剥離されたリストバンド1を装着可能な状態とするためには、まず、バンド部11a,11bを山折り予定線14a,14bにてそれぞれ山折りにする。すると、図2(a)に示すように、バンド部11a,11bの表裏が反転するとともに長手方向の向きが逆になる。この際、バンド部11a,11bはそれぞれ、山折り予定線14a,14bを介して対向する領域が、重なり合って2重となる。
【0030】
次に、本体部10aとバンド部11aとの連接辺となる山折り予定線13aにて本体部10aとバンド部11aとを山折りにするとともに、本体部10cとバンド部11bとの連接辺となる山折り予定線13bにて本体部10cとバンド部11bとを山折りにする。すると、図2(b)に示すように、バンド部11a,11bの表裏が元の状態に戻る。また、本体部10aが、バンド部11aのうち、バンド部11aが山折り予定線14aにて山折りされることにより2重となった領域に対向し、バンド部11aのこの領域が粘着剤6によって本体部10aに貼着された状態で本体部10aとバンド部11aとが一直線上に並んだ状態となる。また、同様に、本体部10cが、バンド部11bのうち、バンド部11bが山折り予定線14bにて山折りされることにより2重となった領域に対向し、バンド部11bのこの領域が粘着剤6によって本体部10cに貼着された状態で本体部10cとバンド部11bとが一直線上に並んだ状態となる。
【0031】
このように、バンド部11a,11bのうち、バンド部11a,11bが山折り予定線14a,14bにて山折りされることにより2重となった領域が、粘着剤6によって本体部10a,10cに貼着されるので、バンド部11a,11bの2重となった領域が粘着剤6によって本体部10a,10cにそれぞれ固定され、バンド部11a,11bと本体部10a,10cとの連接辺となる山折り予定線13a,13bが破断しにくくなる。
【0032】
次に、本体部10bと本体部10cとを山折り予定線12bにて山折りにする。すると、図2(c)に示すように、本体部10bと本体部10cとが、バンド部11bの2重となった領域を挟み込んで重なり合うとともに、バンド部11bの表裏が反転する。そして、本体部10bと本体部10cとが粘着剤6によって貼着される。
【0033】
その後、本体部10aと本体部10bとを山折り予定線12aにて山折りにする。すると、図2(d)に示すように、本体部10aと本体部10cとが、バンド部11aの2重となった領域を挟み込んで重なり合うとともに、バンド部11bの表裏が元の状態に戻る。そして、本体部10aと本体部10cとが粘着剤6によって貼着される。この際、リストバンド1が、バンド部11a,11bに3本の本体部10a〜10cが並行して配置されており、これら3本の本体部10a〜10cを山折り予定線12a,12bにて山折りするため、表面シート3の本体部10aとなる領域に印刷された患者情報16と、バンド部11a,11bに印刷された模様17a,17bとが同一面側に表出することになる。
【0034】
このようにして山折り予定線12a,12b,13a,13b,14a,14bにて山折りされたリストバンド1は、図2(e)に示すように、本体部10aと本体部10cとが、バンド部11aの2重となった領域を挟み込んで粘着剤6によって貼着されるとともに、本体部10bと本体部10cとが、バンド部11bの2重となった領域を挟み込んで粘着剤6によって貼着され、貼着された本体部10a〜10cとバンド部11a,11bとがその一部が重なって一直線上に並んだ細長い帯状形状となる。そして、このリストバンド1を本体部10b側が装着面となるように手首や足首に装着し、バンド部11aに設けられた孔部15aとバンド部11bに設けられた孔部15bとにクリップ等を挿入することによって固定して使用することになる。この際、バンド部11a,11bは、剥離台紙2に貼着された状態においては、擬似貼着層7を介して剥離台紙2に貼着されており、その裏面には粘着剤6が塗布されていないため、バンド部11a,11bが他の物品やリストバンド1の他の領域等に貼着されてしまうことがない。
【0035】
ここで、本体部10aには、ICチップ18及びアンテナ19を有するインレット5が内蔵されているが、このリストバンド1を装着した手首や足首が濡れている場合、その水分によって、アンテナ19の共振に悪影響が及ぼされてしまう。ところが、本形態においては、本体部10b側が装着面となるように手首や足首に装着した場合、インレット5が内蔵された本体部10aは、本体部10aと本体部10bとの間に介在する本体部10cやバンド部11a,11bの2重となった領域によって、手首や足首から若干浮き上がった状態となるため、このリストバンド1を装着する手首や足首が濡れている場合であっても、アンテナ19の共振への影響が軽減されることになる。
【0036】
(第2の実施の形態)
図3は、本発明のリストバンドの第2の実施の形態を示す図であり、(a)は全体の構成を示す図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(a)に示したリストバンド101の裏面の構成を示す図である。
【0037】
本形態は図3に示すように、図1に示したものに対して、3本の本体部110a〜110cのうち、バンド部111a,111bに連接する本体部110a,110cが、その長手方向におけるバンド部111a,111bに連接する端部とは反対側の端部が、山折り予定線113a,113bの長さ分だけ短くなっているとともに、これら本体部110a,110cのうち、本体部110a,110cとバンド部111a,111bとが山折り予定線113a,113bにて山折りされた場合に、2本のバンド部111a,111bがバンド部111a,111bの山折り予定線114a,114bにてそれぞれ山折りされて2重となった領域に対向する領域のみに粘着剤106が塗布され、その他の領域は擬似貼着層107を介して剥離台紙2に剥離可能に貼着されている点が異なるものである。
【0038】
以下に、上記のように構成されたリストバンド101の使用方法について説明する。
【0039】
まず、第1の実施の形態に示したものと同様に、リストバンド101が剥離台紙102に貼着された状態において、表面シート103の本体部110aとなる領域に患者情報116を印字するとともに、バンド部111a,111bとなる領域に模様117a,117bを印刷し、また、インレット105のICチップ118に情報を書き込む。
【0040】
このようにして表面シート103に患者情報116や模様117a,117bが印刷されるとともにICチップ118に情報が書き込まれたリストバンド101は、剥離台紙102から剥離され、例えば、病院等において患者の手首や足首に装着されて使用されることになる。
【0041】
図4は、図3に示したリストバンド101の使用方法を説明するための図である。
【0042】
剥離台紙102から剥離されたリストバンド101を装着可能な状態とするためには、まず、バンド部111a,111bを山折り予定線114a,114bにてそれぞれ山折りにする。すると、図4(a)に示すように、バンド部111a,111bの表裏が反転するとともに長手方向の向きが逆になる。この際、バンド部111a,111bはそれぞれ、山折り予定線114a,114bを介して対向する領域が、重なり合って2重となる。
【0043】
次に、本体部110aとバンド部111aとの連接辺となる山折り予定線113aにて本体部110aとバンド部111aとを山折りにするとともに、本体部110cとバンド部111bとの連接辺となる山折り予定線113bにて本体部110cとバンド部111bとを山折りにする。すると、図4(b)に示すように、バンド部111a,111bの表裏が元の状態に戻るとともに、バンド部111a,111bの2重となった領域が本体部110a,110cの粘着剤106が塗布された領域に対向し、この粘着剤106によってバンド部111a,111bが本体部110a,110cにそれぞれ貼着された状態で本体部110a,110cとバンド部111a,111bとが一直線上に並んだ状態となる。
【0044】
このように、バンド部111a,111bのうち、バンド部111a,111bが山折り予定線114a,114bにて山折りされることにより2重となった領域が、粘着剤106によって本体部110a,110cに貼着されるので、バンド部111a,111bの2重となった領域が粘着剤106によって本体部110a,110cにそれぞれ固定され、バンド部111a,111bと本体部110a,110cとの連接辺となる山折り予定線113a,113bが破断しにくくなる。
【0045】
次に、本体部110bと本体部110cとを山折り予定線112bにて山折りにする。すると、図4(c)に示すように、本体部110bと本体部110cとが、バンド部111bの2重となった領域を挟み込んで重なり合うとともに、バンド部111bの表裏が反転する。
【0046】
その後、本体部110aと本体部110bとを山折り予定線112aにて山折りにする。すると、図4(d)に示すように、本体部110aと本体部110bとが、バンド部111aの2重となった領域を挟み込んで重なり合うとともに、バンド部111bの表裏が元の状態に戻る。この際、リストバンド101が、バンド部111a,111bに3本の本体部110a〜110cが並行して配置されており、これら3本の本体部110a〜110cを山折り予定線112a,112bにて山折りするため、表面シート103の本体部110aとなる領域に印刷された患者情報116と、バンド部111a,111bに印刷された模様117a,117bとが同一面側に表出することになる。
【0047】
このようにして山折り予定線112a,112b,113a,113b,114a,114bにて山折りされたリストバンド101は、図4(e)に示すように、本体部110aと本体部110bとが、バンド部111aの2重となった領域を挟み込んで重なり合うとともに、本体部110bと本体部110cとが、バンド部111bの2重となった領域を挟み込んで重なり合い、これら本体部110a〜10cとバンド部111a,111bとがその一部が重なって一直線上に並んだ細長い帯状形状となる。そして、このリストバンド101を本体部110b側が装着面となるように手首や足首に装着し、バンド部111aに設けられた孔部115aとバンド部111bに設けられた孔部115bとにクリップ等を挿入することによって固定して使用することになる。この際、バンド部111a,111bは、剥離台紙102に貼着された状態においては、擬似貼着層107を介して剥離台紙102に貼着されており、その裏面には粘着剤106が塗布されていないため、バンド部111a,111bが他の物品やリストバンド101の他の領域等に貼着されてしまうことがない。
【0048】
また、本形態においては、3本の本体部110a〜110cのうち、バンド部111a,111bに連接する本体部110a,110cが、長手方向におけるバンド部111a,111bに連接する端部とは反対側の端部が、山折り予定線113a,113bの長さ分だけ短くなっているため、本体部110a〜110cを山折り予定線112a,112bにて山折りすると、図4(e)に示すように、バンド部111a,111bの2重となった領域に重なる本体部が、3本の本体部110a〜110bのうちいずれかの2本となるので、本体部110a〜110cとバンド部111a,111bとが重なり合う領域と、本体部110a〜110bのみが重なり合う領域との厚さの差を小さくすることができ、それにより、リストバンド101全体における凹凸を軽減することができる。
【0049】
なお、本形態においては、バンド部111a,111bに山折り予定線113a,113bを介して連接した本体部110a,110cのうち、本体部110a,110cとバンド部111a,111bとが山折り予定線113a,113bにて山折りされた場合に、2本のバンド部111a,111bがバンド部111a,111bの山折り予定線114a,114bにてそれぞれ山折りされて2重となった領域に対向する領域に粘着剤106が塗布されているが、本体部110bのうち、本体部110a〜110cが山折り予定線112a,112bにて山折りされた場合にバンド部111a,111bの2重となった領域に対向する領域に粘着剤106を塗布する構成としてもよい。すなわち、本体部110a〜110cのうち、2本のバンド部111a,111bが山折り予定線114a,114bにてそれぞれ山折りされ、かつ、本体部110a〜110cとバンド部111a,111bとが山折り予定線112a,112b,113a,113bにて山折りされた場合に、バンド部111a,111bのそれぞれについて、バンド部111a,111bが山折りされることにより2重となった領域に対向する領域のうち、少なくとも1つの本体部の領域に粘着剤106が塗布されていれば、バンド部111a,111bの2重となった領域が粘着剤106によって本体部110a〜110cにそれぞれ固定され、バンド部111a,111bと本体部110a,110cとの連接辺となる山折り予定線113a,113bが破断しにくくなる。
【0050】
また、上述した2つの実施の形態においては、バンド部11a,11b,111a,111bに並行して隣接する本体部10a,10c,110a,110cのうち、一方の本体部10a,110aのみに患者情報16が印刷されているが、本体部10c,110cにも何らかの情報を印刷してもよい。
【0051】
また、上述した2つの実施の形態においては、3本の本体部10a〜10c,110a〜110cが並行して山折り予定線12a,12b,112a,112bにて山折り可能に連接したものを例に挙げて説明したが、本発明のリストバンドを構成する本体部の数は3本に限らず、奇数本であればよく、奇数本の本体部のうちバンド部に並行する本体部の1つに、バンド部に施された印刷とともに表出させたい印刷が施されているものであれば、同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0052】
1,101 リストバンド
2,102 剥離台紙
3,103 表面シート
4,104 支持シート
5,105 インレット
6,106 粘着剤
7,107 擬似貼着層
8,108 スリット
9,109 枠部
10a〜10c,110a〜110c 本体部
11a,11b,111a,111b バンド部
12a,12b,13a,13b,14a,14b,112a,112b,113a,113b,114a,114b 山折り予定線
15a,15b,115a,115b 孔部
16,116 患者情報
17a,17b,117a,117b 模様
18,118 ICチップ
19,119 アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状形状を具備し、互いに並行して配置された奇数本の本体部と、
前記奇数本の本体部のうち最も外側に配置された2本の本体部にそれぞれ並行して隣接した帯状形状を具備する2本のバンド部とを有し、
前記奇数本の本体部は、それぞれ隣接する本体部と山折り可能に連接し、
前記2本のバンド部のうち一方のバンド部は、当該バンド部に並行して隣接する本体部の側部のうち、前記奇数本の本体部の長手方向の一方の端部側の領域にて当該並行して隣接する本体部と山折り可能に連接するとともに、当該並行して隣接する本体部が山折り可能に連接する連接辺の端部のうち前記長手方向中央側の端部から当該バンド部の反対側の側部まで延びた山折り予定線を具備し、
前記2本のバンド部のうち他方のバンド部は、当該バンド部に並行して隣接する本体部の側部のうち、前記奇数本の本体部の長手方向の前記一方のバンド部とは異なる他方の端部側の領域にて当該並行して隣接する本体部と山折り可能に連接するとともに、当該並行して隣接する本体部が山折り可能に連接する連接辺の端部のうち前記長手方向中央側の端部から当該バンド部の反対側の側部まで延びた山折り予定線を具備し、
前記バンド部に並行して隣接する2本の本体部のうち少なくとも一方の本体部と前記2本のバンド部は、同一面側にそれぞれ印刷が施されているリストバンド。
【請求項2】
請求項1に記載のリストバンドにおいて、
前記印刷が施されている本体部は、該本体部の長手方向に延びたアンテナを具備する非接触情報記録手段が内蔵されているリストバンド。
【請求項3】
請求項2に記載のリストバンドにおいて、
前記本体部が3本並行して配置され、
前記本体部は、前記2本のバンド部が前記山折り予定線にてそれぞれ山折りされ、かつ、前記3本の本体部と前記2本のバンド部とが山折りされた場合に、前記2本のバンド部のそれぞれについて、当該バンド部が山折りされることにより2重となった領域に対向する領域のうち、少なくとも1つの本体部の領域に粘着剤が塗布されているリストバンド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−216038(P2010−216038A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64303(P2009−64303)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【出願人】(505083335)株式会社ジクシス (6)
【Fターム(参考)】