リバーシゲーム装置及びそのプログラム
【課題】ゲームの興趣を高めるリバーシゲーム装置を提供する。
【解決手段】リバーシゲーム装置は、プレイヤごとに異なる属性を有し、各々が三竦みの関係を有する3つの図柄のいずれかを有する複数の駒と盤とを画面上に表示する。手番のプレイヤにより駒が配置されると、リバーシゲーム装置は、配置された駒の属性及び図柄と駒を配置されたマスとを特定する。続いて、特定されたマスと同じ直線上に配列されたマスのうち、特定された駒の属性及び図柄と同じ属性及び同じ図柄の駒が配置されたマスを検索し、特定されたマスと検索されたマスとの間に挟まれた全てのマスに駒が配置されているか否かを判断する。挟まれた全てのマスに駒が配置されている場合であって、特定された駒の図柄が挟まれたマスに配置された全ての駒の図柄よりも強いとき、挟まれたマスに配置された駒の属性及び図柄を変更する。
【解決手段】リバーシゲーム装置は、プレイヤごとに異なる属性を有し、各々が三竦みの関係を有する3つの図柄のいずれかを有する複数の駒と盤とを画面上に表示する。手番のプレイヤにより駒が配置されると、リバーシゲーム装置は、配置された駒の属性及び図柄と駒を配置されたマスとを特定する。続いて、特定されたマスと同じ直線上に配列されたマスのうち、特定された駒の属性及び図柄と同じ属性及び同じ図柄の駒が配置されたマスを検索し、特定されたマスと検索されたマスとの間に挟まれた全てのマスに駒が配置されているか否かを判断する。挟まれた全てのマスに駒が配置されている場合であって、特定された駒の図柄が挟まれたマスに配置された全ての駒の図柄よりも強いとき、挟まれたマスに配置された駒の属性及び図柄を変更する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リバーシゲーム装置及びそのプログラムに関し、さらに詳しくは、プレイヤごとに異なる属性を有し、かつ、各々が、三竦みの関係を有する3つの図柄のいずれかを有する複数の駒を用いるリバーシゲーム装置及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
リバーシゲームにじゃんけんの要素を取り入れたボードゲームが、下記特許文献1〜特許文献3に開示されている。
【0003】
これらの文献に開示されたリバーシゲームでは、プレイヤごとに色や形状といった属性が異なり、かつ、各々が三竦みの関係を有する3つの図柄(たとえば、グー、チョキ、パー)のいずれかを有する複数の駒が用いられる。そして、自分の駒で相手プレイヤの駒を挟み、かつ、挟んだ自分の駒の図柄が間に挟まれた相手プレイヤの駒の図柄よりも強い場合、相手プレイヤの駒の属性及び図柄を変更するとしている。
【0004】
しかしながら、これらのボードゲームは、自分の駒で相手プレイヤの駒のみを挟んだときに、挟まれた駒の属性を変更する点で、じゃんけん要素のない従来のリバーシゲームと同じであり、ゲームの興趣に欠ける。
【0005】
また、このような対戦型のゲームでは、各プレイヤは、相手プレイヤの動向や出方を考慮して戦略を立てる点に面白さを感じる。したがって、相手プレイヤの動向や出方を視覚的に把握でき、戦略を立てやすくする方が興趣がわく。
【特許文献1】特開平7−204315号公報
【特許文献2】実開昭63−133274号公報
【特許文献3】実開昭61−96969号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ゲームの興趣を高めるリバーシゲーム装置を提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、相手プレイヤの動向や出方を考慮して戦略を立てやすいリバーシゲーム装置を提供することである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0008】
本発明によるリバーシゲーム装置は、表示手段と、入力手段と、特定手段と、検索手段と、駒判断手段と、図柄判断手段と、リバース手段とを備える。表示手段は、プレイヤごとに異なる属性を有し、かつ、各々が、三竦みの関係を有する3つの図柄のいずれかを有する複数の駒と、行列状に配列された複数のマスで構成される盤とを画面上に表示する。入力手段は、各プレイヤの操作に応じて、複数のマスのいずれかに駒を配置する。特定手段は、入力手段により配置された駒の属性及び図柄と駒を配置されたマスとを特定する。検索手段は、特定されたマスと同じ直線上に配列されたマスのうち、特定された駒の属性及び図柄と同じ属性及び同じ図柄の駒が配置されたマスを検索する。駒判断手段は、特定されたマスと検索されたマスとの間に挟まれた全てのマスに駒が配置されているか否かを判断する。図柄判断手段は、判断の結果、挟まれた全てのマスに駒が配置されているとき、特定された駒の図柄が挟まれたマスに配置された全ての駒の図柄よりも強いか否かを判断する。リバース手段は、判断の結果、特定された駒の図柄が挟まれたマスに配置された全ての駒の図柄よりも強い場合、挟まれたマスに配置された駒の属性及び/又は図柄を変更する。ここで、属性とはたとえば、色であり、駒の形状である。また、ここでいう図柄は三竦みの関係を有していればよく、一般的なじゃんけんで利用される「グー」、「チョキ」、「パー」を模した図柄であってもよいし、へび、かえる、ナメクジ等の他の図柄であってもよい。
【0009】
本発明によるリバーシゲーム装置では、同じ図柄の自分の駒で他の駒を挟んだとき、挟んだ駒の図柄が挟まれた駒の図柄よりも強いか否かにより、挟まれた駒の属性及び/又は図柄を変更するか否かを判断する。つまり、挟まれた駒の属性は考慮されない。したがって、挟まれた駒の中に自分の駒が含まれていても、挟まれた駒の属性が変更される。
【0010】
このように、本発明によるリバーシゲーム装置では、自分の駒で挟んだ駒の中に、他の自分の駒が含まれていても、挟んだ駒の図柄が挟まれた全ての駒の図柄よりも強ければ、駒の属性及び/又は図柄を変更できるという、従来のリバーシゲームにはない処理が行われる。これにより、たとえば、自分の駒に挟まれた自分の駒が相手プレイヤの駒に変更されるという、通常のリバーシゲームにはない現象が生じ、ゲームの興趣を高めることができる。
【0011】
好ましくは、リバース手段は、挟まれたマスに配置された駒の属性が特定された駒の属性と異なる場合、当該駒の属性を特定された駒の属性に変更し、挟まれたマスに配置された駒の属性が特定された駒の属性と同じである場合、当該駒の属性を維持する。
【0012】
この場合、自分の駒に他の自分の駒が挟まれていても、当該他の自分の駒は相手プレイヤの駒に変更されず、相手プレイヤの駒のみ自分の駒に変更される。
【0013】
好ましくは、各駒には、各属性に対応した図柄が予め設定されており、リバース手段は、挟まれたマスに配置された駒の属性を変更し、かつ、当該駒の図柄を変更された属性に対応した図柄に変更する。
【0014】
この場合、各駒には、属性ごとの図柄が予め決まっている。そのため、属性が1度変更された駒を再度変更するとき、属性が元に戻るため、図柄も元に戻る。これにより、リバーシゲームに神経衰弱の要素を取り込むことができ、ゲームの興趣を高めることができる。
【0015】
好ましくはリバーシゲーム装置はさらに、プレイヤが次の手番で使用する駒の図柄を、3つの図柄の中から所定の順番で選択する次手駒選択手段を備える。
【0016】
これにより、各プレイヤの次手の駒の図柄は所定の順番で変更する。図柄の変更順が一定であるため、各プレイヤは自分の次手の駒の図柄及び相手プレイヤの次手の駒の図柄を予測した上で、戦略を立てることができる。
【0017】
好ましくはリバーシゲーム装置はさらに、プレイヤが次の手番で使用する駒の図柄を、3つの図柄の中からランダムに選択する次手駒選択手段を備える。
【0018】
この場合、各プレイヤの次手の駒の図柄は予測できない。したがって、ゲームに偶然性を含ませることができ、ゲームの興趣が高まる。
【0019】
好ましくはリバーシゲーム装置はさらに、次手駒選択手段と、手番切替手段とを備える。次手駒選択手段は、手番のプレイヤの操作により入力手段が駒を配置した後、当該プレイヤが次の手番で使用する駒の図柄を選択する。手番切替手段は、次手駒選択手段が駒の図柄を選択した後、手番のプレイヤを切り替える。表示手段は、手番切替手段が手番のプレイヤを切り替える前に、選択された駒の図柄を画面上に表示する。
【0020】
この場合、手番が切り替わる前に、プレイヤの次の手番で打つ駒の図柄が選択され、表示される。これにより、各プレイヤは、自分が駒を打つ前に、相手プレイヤが次に打つ駒の図柄を確認できる。そのため、各プレイヤは、相手プレイヤの出方を考慮して戦略を立てることができる。
【0021】
好ましくはリバーシゲーム装置はさらに、持ち駒数設定手段と、持ち駒数減算手段とを備える。持ち駒数設定手段は、ゲームを開始するとき、各図柄の持ち駒数をプレイヤごとに設定する。持ち駒数減算手段は、特定手段により配置された駒の属性及び図柄が特定されるごとに、設定された持ち駒数のうち、特定された駒と同じ属性及び同じ図柄の持ち駒数を減算する。表示手段は、各図柄の持ち駒数をプレイヤごとに表示し、持ち駒数が減算されるごとに、表示された持ち駒数を更新する。
【0022】
この場合、各プレイヤの持ち駒数が図柄ごとに決定され、ゲーム進行中において、各プレイヤの各図柄の持ち駒数が表示される。各プレイヤは、ゲーム進行中の相手プレイヤの各図柄の持ち駒数を確認できため、戦略を立てやすい。
【0023】
本発明によるリバーシゲームプログラムは、上述の手段をコンピュータに実現させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0025】
1.第1の実施の形態
[全体構成]
図1を参照して、リバーシゲーム装置1(以下、単にゲーム装置1という)は、CPU10と、メモリ11と、入力装置12と、インタフェース13と、ハードディスクドライブ14と、ディスプレイ15とを備える。
【0026】
ハードディスクドライブ14は、リバーシゲームを実行するためのリバーシゲームプログラムを記憶する。リバーシゲームプログラムをメモリ11にロードし、CPU10で実行することにより、リバーシゲーム装置1は以下に説明するリバーシゲームを実現する。
【0027】
図2にディスプレイ15に表示されるゲーム画面の一例を示す。図2を参照して、ゲーム画面は、リバーシゲームの盤100と、各プレイヤの持ち駒及び次手の駒に関する情報を示すプレイヤエリア110と、ゲーム中の盤100上の各プレイヤの駒数を示すスコアエリア120とを備える。
【0028】
盤100は、行方向及び列方向に配列された複数のマスで構成される。各行には、1〜9の符号が付され、各列にはA〜Hの符号が付される。これらの符号の組合せにより各マスの位置が特定される。たとえば、図中のマスM1の位置は「2B」であり、マスM2の位置は「3C」である。
【0029】
リバーシゲーム装置1で実施されるリバーシゲームでは、プレイヤごとに異なる属性(図2では形状)を有し、各々が三竦みの関係を有する図柄(グー、チョキ、パー)のいずれかを有する複数の駒を使用する。プレイヤ1に属する駒PCの形状は円形であり、円内にグー、チョキ、パーの図柄を有する。プレイヤ2に属する駒PSの形状は矩形であり、駒PCと同様にグー、チョキ、パーの図柄を有する。各プレイヤ1は入力装置12を用いて、各プレイヤに属する駒PC、PSを盤100内の所望のマスに打つ。
【0030】
リバーシゲーム装置1は、ゲーム開始時に、プレイヤごとの持ち駒数を設定する。各プレイヤが自分の持ち駒を全て使用したとき、ゲームは終了する。ゲーム終了時、盤100上に配置された駒のうち、同じ属性の駒をそれぞれカウントし、数の多い駒のプレイヤの勝ちとする。
【0031】
プレイヤエリア110は、持ち駒数表示エリア130と次手駒表示エリア140とを含む。持ち駒数表示エリア130は、各プレイヤの持ち駒数を各図柄(グー、チョキ、パー)ごとに表示する。持ち駒数表示エリア130は、各プレイヤの持ち駒のうち、図柄が「グー」である駒(以下、グー駒という)の持ち駒数を表示するグー駒エリア131と、図柄が「チョキ」である駒(以下、チョキ駒という)の持ち駒数を表示するチョキ駒エリア132と、図柄が「パー」である駒(以下、パー駒という)の持ち駒数を表示するパー駒エリア133とを含む。各エリア131〜133は、各図柄をあしらった画像を持ち駒数分表示する。たとえば、プレイヤ1のグー駒の持ち駒数が「8」である場合、プレイヤ1のグー駒エリア131には8つのグー画像が表示される。これにより、各プレイヤは、自身の各図柄の持ち駒数と相手プレイヤの各図柄の持ち駒数とを視覚的に一見して把握でき、自身及び相手の各図柄の持ち駒数を踏まえた上で、戦略を立てることができる。
【0032】
ゲーム中、ゲーム装置1は、各プレイヤが次の手番で使用する駒(以下、次手駒という)を、各プレイヤの持ち駒からランダムに選択する。選択された次手駒の図柄は次手駒表示エリア140に表示される。たとえば、プレイヤ1の次手駒は「パー」である。相手プレイヤの次手駒は、手番のプレイヤが駒を打つ前に次手駒表示エリア140に表示される。つまり、手番のプレイヤは、自分が駒を打つ前に、相手プレイヤが次に打つ駒の図柄を事前に確認できる。そのため、プレイヤは、相手プレイヤの出方を考慮して戦略を立てることができる。
【0033】
以上の構成を有するゲーム装置1の動作について説明する。
【0034】
[動作]
[全体フロー]
図3を参照して、ゲーム装置1はゲームを開始する前に、各プレイヤ1及び2の持ち駒数を設定する(S1)。たとえば、図2に示すように盤100上のマスの数が9行×8列=72である場合、各プレイヤの持ち駒数を36とし、グー駒を12、チョキ駒を12、パー駒を12とする。ゲーム装置1は、設定した持ち駒数を、図4に示す持ち駒データベース200に登録する。持ち駒データベース200内の属性フィールドには、駒の属性情報、つまり、プレイヤ1の持ち駒(円形)であるか、プレイヤ2の持ち駒(矩形)であるかが登録される。「グー」、「チョキ」、「パー」フィールドには、グー駒、チョキ駒、パー駒の持ち駒数がそれぞれ登録される。持ち駒データベース200はメモリ11に格納される。
【0035】
各プレイヤの持ち駒数を設定後、ゲーム装置1は、各プレイヤが最初に打つ駒の図柄を選択する(S2)。ゲーム装置1は、乱数表を利用して各プレイヤの持ち駒の中から最初に打つ駒をランダムに選択する。ゲーム装置1は、選択された図柄をメモリ11に格納する。
【0036】
持ち駒数及び最初に打つ駒の図柄を決定したのち、ゲーム装置1は、ディスプレイ15の画面内のプレイヤエリア110に持ち駒数及び次手駒を表示する。具体的には、持ち駒数表示エリア130内の各駒エリア131〜133に持ち駒数分の図柄画像を表示する。たとえば、グー駒エリア131に12個のグーの画像、チョキ駒エリア132に12個のチョキの画像、パー駒エリア133に12個のパーの画像をそれぞれ表示する。また、次手駒表示エリア140には、ステップS2で選択されメモリ11に格納された図柄を表示する(S3)。
【0037】
以上の動作を終了後、ゲーム装置1は、プレイヤ1、プレイヤ2の中から、先手となるプレイヤを指定する(S4)。ゲーム装置1がプレイヤ1を先手に指定したとき、ゲーム装置1はプレイヤ1のプレイヤエリア110のタイトルバー111の色を変更する。これにより、現在の手番のプレイヤを一見して把握できる。
【0038】
先手プレイヤを指定後、ゲーム装置1は、先手プレイヤ(プレイヤ1)が駒を打つマスを指定したか否かを監視する(S5)。
【0039】
プレイヤ1は入力装置12を用いて、次手駒表示エリア140に表示された図柄の駒を打つマスを指定する。このとき、ゲーム装置1は、駒が打たれたマスを検知し(S5でYES)、駒及び駒が打たれたマスを特定する(S6)。ゲーム装置1は、特定された駒及びマス関する情報を図5に示す盤上駒データベース300に登録する。
【0040】
図5を参照して、盤上駒データベース300内のマス情報フィールドには、盤100上の各マスの位置に関する情報であるマス情報が登録される。上述のように盤100上に9行×8列=72のマスがある場合、72個のマス情報が登録される。
【0041】
属性情報フィールドには、各マス位置での駒の有無及び駒が存在する場合はその駒の属性(円形であってプレイヤ1に属するか、矩形であってプレイヤ2に属するか)を示す属性情報が登録される。マス位置に駒がない場合、「0」が登録される。マス位置に円形の駒PC、つまり、プレイヤ1の駒が存在する場合、「1」が登録される。マス位置に矩形の駒PS、つまり、プレイヤ2の駒が存在する場合、「2」が登録される。
【0042】
図柄情報フィールドには、駒の図柄の種類(グー、チョキ、パー)が登録される。駒の図柄が「グー」である場合、「0」が登録され、「チョキ」である場合、「1」が登録され、「パー」である場合、「2」が登録される。
【0043】
ステップS6で盤上駒データベース300に各情報を登録後、ゲーム装置1はリバース処理を実行する(S7)。リバース処理では、図6に示すように、たとえば、ステップS5で打たれた駒PC1と、同じ属性及び同じ図柄の駒PC3が同一直線上に存在する場合であって、それらの駒PC1及びPC3の間に挟まれた全てのマス5D〜5Fに駒が存在する場合、間に挟まれた駒の属性及び図柄を変更するか否かを判断し、判断結果に応じて駒の属性及び図柄を変更する。リバース処理の詳細については後述する。
【0044】
リバース処理を実行後、盤100上の各プレイヤ(プレイヤ1、プレイヤ2)に属する駒の数をそれぞれカウントする(S8)。ゲーム装置1は、盤上駒データベース300内の属性情報を参照し、「1(プレイヤ1)」の数と、「2(プレイヤ2)」の数とをそれぞれカウントする。各駒情報のカウント数はメモリ11に格納される。
【0045】
ゲーム装置1は、ディスプレイ15の画面上のスコアエリア120にメモリ11に格納されたカウント数を表示する(S9)。これにより、各プレイヤはゲーム中の自分及び相手の駒数を確認でき、戦略を立てる上で参考にすることができる。
【0046】
カウント数を表示後、ゲーム装置1は、プレイヤエリア110を更新する(S10)。ゲーム装置1はまず、持ち駒データベース200を参照して、ステップS6で特定された駒の属性情報及び図柄情報を取得する。ゲーム装置1は、取得した属性情報及び図柄情報に基づいて、持ち駒データベース200内の持ち駒数のうち、ステップS6で特定された駒と同じ属性及び同じ図柄の持ち駒数をデクリメントする(S11)。たとえば、ステップS6で特定された駒の形状が円形であり、図柄が「パー」である場合、持ち駒データベース200内のプレイヤ1の「パー」駒の持ち駒数を1つデクリメントする。
【0047】
続いて、ゲーム装置1は、手番のプレイヤ(たとえばプレイヤ1)が持ち駒を全て使用したか否かを判断する(S12)。ゲーム装置1は、プレイヤ1の持ち駒データベース200内の各図柄(グー、チョキ、パー)の持ち駒数の合計が「0」であるか否かを判断する。
【0048】
合計が「0」でない場合、ゲーム装置1はプレイヤ1の次手の駒の図柄を選択する(S13)。ゲーム装置1は乱数表を用いて次手駒の図柄をランダムに選択する。選択された図柄はメモリ11に格納される。
【0049】
次手駒を選択後、ゲーム装置1は、プレイヤ1のプレイヤエリア110を更新する(S14)。ゲーム装置1は、持ち駒データベース200内の各図柄(グー、チョキ、パー)の持ち駒数と同じ数の図柄画像を各図柄エリア131〜133に表示する。図柄ごとの持ち駒数を表示するため、プレイヤは自分の各図柄の持ち駒数を一見して把握できる。さらに、相手のプレイヤの各図柄の持ち駒数も一見して把握できるため、自身及び相手の各図柄の持ち駒数を考慮してゲーム戦略を立てることができる。
【0050】
ゲーム装置1はまた、次手駒表示エリア140にステップS13で選択された図柄画像(たとえば「グー」の図柄画像)を表示する。プレイヤエリアを更新後、ゲーム装置1は、手番のプレイヤをプレイヤ1からプレイヤ2に切り替える(S17)。つまり、ゲーム装置1は、手番を切り替える前に、駒を打ったプレイヤのプレイヤエリア110を更新し、次手駒の図柄を表示する。これにより、手番プレイヤは、自分が駒を打つ前に、相手プレイヤが次に打つ駒の図柄を確認できる。そのため、手番プレイヤは、相手の次の出方を考慮してゲーム戦略を立てることができる。
【0051】
手番プレイヤを切り替えた後、ゲーム装置1はステップS5に戻り、動作を継続する。動作を継続中、手番プレイヤの持ち駒が0となり(S12でYES)、かつ、相手プレイヤの持ち駒数も0である場合(S15でYES)、各プレイヤは全ての持ち駒を盤100上に配置したため、ゲームを終了する。このとき、ゲーム装置1は、盤上駒データベース300内の属性情報を参照し、各プレイヤに属する駒の数をカウントする。カウント結果に基づいて勝敗を決定し、ディスプレイ15に表示する(S18)。
【0052】
[リバース処理]
図3中のステップS7におけるリバース処理について説明する。図7を参照して、リバース処理では、手番プレイヤ(仮にプレイヤ1とする)の駒PCが打たれたマスを含む直線上に配列された複数のマスのいずれかに、打たれた駒PCと同じ属性及び同じ図柄の駒が配置されているか否かを判断する。駒PCが打たれたマスを含む直線方向は8方向(第0方向〜第7方向)存在するため、ゲーム装置1は、各方向の直線上に配列されたマスを調査する。いずれかの方向の直線上で同じ属性及び同じ図柄の駒が配置されている場合、それらの駒の間に挟まれた駒の属性及び図柄を変更するか否かを判断する。
【0053】
リバース処理の一例として、盤100上の駒の配置が図6の通りであり、手番プレイヤであるプレイヤ1がマス5Cに駒PC1を打ったときのリバース処理を説明する。図8を参照して、ゲーム装置1はまず、ステップS6で特定された駒PC1を処理対象とする(S701)。カウント値N=0とした後(S702)、ゲーム装置1は、特定された駒が置かれたマス5Cを含む第N方向(ここでは第0方向)の直線上に配列されたマスのうち、駒PC1と同じ属性及び同じ図柄の駒が配置されたマスを検索する(S703)。ゲーム装置1はまず、ステップS6で特定されたマス5Cに基づいて、マス位置5Cの第0方向に直線上に配列されたマス1C〜4Cを特定する。特定後、ゲーム装置1は、盤上駒データベース300内のマス1C〜4Cの属性情報及び図柄情報に基づいて、駒PC1と同じ駒情報及び図柄情報が登録されたマスを検索する。
【0054】
ステップS703の判断の結果、マス1C〜4Cには駒PC1と同じ属性情報及び同じ図柄情報が登録されていないため、ステップS710に進み、カウント値NをインクリメントしてN=1とする(S710)。そして、Nが7よりも小さいため(S711でNO)、ステップS703に戻り、第1方向の直線上に配列されたマスのうち、駒PC1と同じ属性及び同じ図柄の駒が配置されたマスを検索する。
【0055】
図6に示すように、第1方向においてPC1と同じ属性及び同じ種類の駒PC2が配置されたマス2Fを検索したとき(S703でYES)、ステップ6Sで特定されたマス5Cと、検索されたマス2Fとの間に挟まれたマス3E、4Dの全てに駒が配置されているか否かを判断する(S704)。ゲーム装置1は、盤上駒データベース300内のマス3E、4Dの属性情報を確認する。確認の結果、マス3Eには属性情報「2」が登録されているものの、マス位置4Dには属性情報「0」が登録されているため、ゲーム装置1は、マス4Dに駒が配置されていないと判断する(S704でNO)。その結果、ステップS710に進み、次の直線方向である第2方向でステップS703の動作を実行する。
【0056】
第2方向に配列されたマス5D〜5Hにおいて、駒PC1と同じ属性及び同じ図柄の駒PC3が配置されたマス5Gを検索したとき(S703でYES)、マス5Cとマス5Gとの間に挟まれた全てのマス(5D〜5F)に駒が配置されているか否かを判断する(S704)。盤上駒データベース300内のマス位置5D〜5Fには駒情報「1」又は「2」が登録されているため、ゲーム装置1は全てのマス5D〜5Fに駒が配置されていると判断する(S704でYES)。このとき、ゲーム装置1は、駒PC1の図柄「パー」が、間に挟まれた駒の図柄よりも強いか否かを判断する(S705)。ゲーム装置1は盤上駒データベース300内のマス5Cの図柄情報「2(パー)」と、マス5D〜5Fの図柄情報「0(グー)」とを取得し、両者を比較する。ゲーム装置1は、駒PC1の図柄「パー」がマス5D〜5Fの駒の図柄「グー」よりも強いと判断する(S705でYES)。
【0057】
ステップS705の判断では、属性情報は考慮されない。つまり、駒PC1と駒PC3との間に挟まれた駒が相手プレイヤの駒であるか自身の駒であるかは考慮されない。そのため、後述するように、間に挟まれた駒が自身の駒であっても、駒の属性は変更される。
【0058】
続いて、ゲーム装置1は、駒PC1と駒PC3との間に挟まれた駒の属性及び図柄を変更する(S720)。ゲーム装置1はまず、特定されたマス5Cと検索されたマス5Gとの間に挟まれたマス5D〜5Fのマス情報を図9に示すリバースリスト400に登録する(S706)。リバースリスト400は、リバース番号を登録するためのフィールドと、マス情報を登録するためフィールドとを含む。ゲーム装置1は、リバースリストに登録された各マス5D〜5Fの駒の属性及び図柄を変更する。
【0059】
ゲーム装置1は、カウント値M=0とし(S707)、リバース番号M(=0)の駒の属性及び図柄を変更する(S730)。ゲーム装置1は、リバースリスト400及び盤上駒データベース300を参照し、リバース番号M=0のマス5Dの属性情報「2」を「1」に変更する(S731)。
【0060】
ゲーム装置1はまた、リバース番号M=0のマスに配置された駒の図柄を、リバース処理対象である駒PC1の図柄と同じにする(S732)。このとき、ゲーム装置1は、盤上駒データベース300内のマス5Dの図柄を「0(グー)」から「2(パー)」に変更する。
【0061】
リバース番号M=0の駒の属性及び柄を変更後、ゲーム装置1はカウント値MをインクリメントしてM=1とする(S708)。カウント値M=1がリバースリスト400に登録されたマスの登録数(=3)以下であるため(S709でNO)、ステップS730に戻ってリバース番号M=1のマス5Eの駒の属性及び図柄を変更する(S730)。マス5Eの属性情報は「1」であるため、「2」に変更され(S731)、図柄情報「0」は「2」に変更される(S732)。つまり、マス5Eの駒は自身の駒であったにもかかわらず、相手プレイヤの駒となる。このように、駒PC1と駒PC3との間に挟まれた駒のうち、相手プレイヤの駒は自分の駒に変更されるとともに、自分の駒は相手の駒に変更される。挟まれた駒が自分の駒であっても相手の駒に変更されるため、この点も考慮してプレイヤは戦略を立てなければならず、ゲームの興趣が上がる。
【0062】
動作を継続した結果、ステップS709でカウント値M=3となり、リバースリストの登録数以上となったとき(S709でYES)、ゲーム装置1は、リバースリストに登録された全ての駒に対してS730の処理を実行し、駒PC1と駒PC3との間に挟まれた全ての駒の属性及び図柄を変更したことになる。そのため、カウント値Nをインクリメントして(S710)、次の直線方向(第3方向)についてステップS703以降の動作を進める。
【0063】
以上の動作を繰り返した結果、ステップS711でカウント値Nが7を超えたとき(S711でYES)、ゲーム装置1は、全ての方向(第0〜第7方向)の直線上に配列された全てのマスについて処理を実行したため、ステップS730の処理により更新された盤上駒データベース300に基づいて、画面上の駒の形状及び図柄を更新する(S712)。
【0064】
以上の動作により、ゲーム装置1は、同じ属性及び同じ図柄の駒の間に挟まれた駒のうち、相手プレイヤの駒を手番のプレイヤの駒に変更するだけでなく、手番プレイヤの駒も相手プレイヤの駒に変更する。そのため、プレイヤは、自分の駒により自分の駒が相手プレイヤの駒に変更されることを考慮してゲームの戦略を立てる必要があり、ゲームの興趣が高まる。
【0065】
また、ゲーム装置1は、プレイヤエリア110に各プレイヤの持ち駒数を各図柄(グー、チョキ、パー)ごとに表示する。そのため、各プレイヤは、自分の持ち駒数と相手プレイヤの持ち駒数を一見して把握できる。これにより、各プレイヤは、自分と相手の各図柄の持ち駒数を考慮して戦略を立てることができる。
【0066】
さらに、ゲーム装置1は、手番のプレイヤを切り替える前に、当該プレイヤが次の手番で打つ駒の図柄を次手駒表示エリア140に表示する。これにより、各プレイヤは、自分が駒を打つ前に、相手プレイヤが次に打つ駒の図柄を確認できる。そのため、各プレイヤは、相手プレイヤの次の出方を考慮して戦略を立てることができる。
【0067】
2.第2の実施の形態
第1の実施の形態では、ゲーム装置1は、相手プレイヤの駒を手番のプレイヤの駒に変更するだけでなく、手番のプレイヤの駒も相手プレイヤの駒に変更したが、相手プレイヤの駒のみを手番プレイヤの駒に変更することもできる。
【0068】
図10を参照して、本実施の形態によるゲーム装置のリバース処理は、図8と比較して、ステップS730の処理の代わりにステップS740の処理を実行する。その他の動作は第1の実施の形態と同じである。
【0069】
S740の処理では、ゲーム装置1は、リバースリスト400に登録されたリバース番号Mのマスの属性情報が、ステップS701で処理対象となった駒(PC1とする)が配置されたマスの属性情報と同じか否かを判断する(S741)。属性情報が異なる場合(S741でNO)、属性情報を変更する(S742)。たとえば、駒PC1の属性情報が「1」であり、リバース番号Mのマスに配置された駒の属性情報が「2」である場合、当該属性情報を「1」に変更する。変更後、リバース番号Mの図柄情報を駒PC1の図柄情報に変更する(S732)。
【0070】
一方、ステップS741での判断の結果、リバース番号Mのマスの属性情報が処理対象の駒PC1の属性情報と同じである場合(S741でYES)、リバース番号Mのマスに配置された駒の属性を変更しない。要するに、手番のプレイヤの駒は相手プレイヤの駒に変更されない。したがって、図柄情報のみを駒PC1の図柄情報に変更する(S732)。
【0071】
以上の動作により、手番プレイヤが打った駒と同じ属性及び図柄の駒との間に挟まれた駒の中に、手番プレイヤの駒が存在しても、その駒は相手プレイヤの駒に変更されず、間に挟まれた相手プレイヤの駒のみが手番プレイヤの駒に変更される。
【0072】
3.第3の実施の形態
上述の実施の形態では、ゲーム装置1は、リバース処理が実施されるごとに、リバースリストに登録されたマスに配置された駒の図柄を処理対象である駒の図柄に変更する。この場合、1つの駒の属性が複数回変更されるごとに図柄が変更される。これらの実施の形態と異なり、リバーシゲームに神経衰弱の要素を入れてもよい。
【0073】
本実施の形態によるゲーム装置1は、図5に示す盤上駒データベース300の代わりに図11に示す盤上駒データベース500をメモリ11に格納する。
【0074】
図11の盤上駒データベース500には、マス情報フィールド及び属性情報フィールドの他に、プレイヤ1図柄情報フィールド及びプレイヤ2図柄情報フィールドを含む。盤100のマスに駒が配置されると、配置されたときの駒の図柄情報だけでなく、相手プレイヤの駒に変更されたときの図柄情報も盤上駒データベース500に登録される。要するに、本実施の形態では、各駒には、各属性(プレイヤ1、プレイヤ2)に対応した図柄がそれぞれ予め設定される。駒の図柄に関する情報は図12に示す図柄データベース600に予め登録されている。図柄データベース600はハードディスクドライブ14に格納されている。
【0075】
本実施の形態によるゲーム装置1の動作について説明する。図3中のステップS5で、ゲーム装置1は図11に示す盤上駒データベース500に属性情報とプレイヤ1図柄情報及びプレイヤ2図柄情報を登録する。たとえば、手番プレイヤがプレイヤ1であり、マス5Cに図柄「パー」の駒PC1を打ったとき、ゲーム装置1は、盤上駒データベース500のマス5Cに、駒情報「1」とプレイヤ1図柄情報「2(パー)」とを登録する。ゲーム装置1はさらに、図柄データベース600を参照し、駒情報が「1」であり、プレイヤ1図柄情報が「2」である場合のプレイヤ2図柄情報「1(チョキ)」を取得し、盤上駒データベース500のマス5Cのプレイヤ2図柄情報フィールドに登録する。次に、本実施の形態におけるリバース処理について説明する。
【0076】
本実施の形態におけるリバース処理は、図8中のステップS730の処理の代わりに図13のステップS760の処理を実行する。その他の動作は図8と同じである。
【0077】
ステップS760ではまず、リバース番号Mのマスの属性情報が「1」か否かを判断する(S761)。属性情報が「1」である場合(S761でYES)、ゲーム装置1は、盤上駒データベース500を参照して、リバース番号Mのマスの属性情報を「2」に変更する(S762)。一方、ステップS761の判断の結果、属性情報が「2」である場合(S761でNO)、ゲーム装置1は、盤上駒データベース500内の属性情報を「1」に変更する(S763)。
【0078】
ゲーム装置1は、ステップS712の画面更新処理において、画面上の駒の図柄を、ステップS760で更新された属性情報に対応する図柄に変更する。つまり、盤上駒データベース500内の各マスにおいて、属性情報が「1」である駒の図柄をプレイヤ1図柄情報の図柄に更新し、属性情報が「2」である駒の図柄をプレイヤ2図柄情報の図柄に更新する。
【0079】
本実施の形態では、駒の属性(プレイヤ1及びプレイヤ2)に対応する図柄が予め設定されている。そのため、一度変更された駒の属性が再度変更されるとき、元の図柄に戻る。したがって、リバーシゲームに神経衰弱の要素を取り込むことができ、ゲームの興趣が高まる。
【0080】
4.第4の実施の形態
第1の実施の形態では、手番のプレイヤの持ち駒の中から次手駒をランダムに選択したが、3つの図柄(グー、チョキ、パー)を所定の順番で選択してもよい。たとえば、図3中のステップS13において、ゲーム装置1は、グー、チョキ、パーの順番で巡回しながら次手駒の図柄を選択する。選択の順番は予め設定しておけばよく、パー、チョキ、グーの順番で巡回しながら選択してもよいし、他の順番で選択してもよい。
【0081】
本実施の形態では、次手駒の図柄の選択順が固定されているため、各プレイヤは、自分の次手駒及び相手プレイヤの次手駒を容易に把握できる。そのため、相手の出方を踏まえた上で戦略を立てることができる。
【0082】
以上、本発明の複数の実施の形態を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限られない。たとえば、上述の実施の形態では、駒の属性を形状として、各プレイヤで異なる形状の駒(円形、矩形)を使用したが、駒の属性を色として、各プレイヤで異なる色の駒を使用してもよい。要するに、各駒がどちらのプレイヤに属しているのか視覚的に認識できればよい。
【0083】
また、上述の実施の形態では、図3中のステップS1で設定される各図柄の持ち駒数を各プレイヤで均等としたが、各図柄を均等に設定する必要はなく、各図柄の持ち駒数が異なっていてもよい。
【0084】
また、図3中のステップS4及びステップS13では、ゲーム装置1が駒の図柄をランダムに、又は所定の順番で巡回的に選択したが、各プレイヤが選択してもよい。各プレイヤが選択する場合であっても、手番のプレイヤが切り替わる前に、プレイヤは次手駒の図柄を選択する。そのため、手番のプレイヤは自分の駒を打つ前に相手プレイヤの次手駒の図柄を確認でき、相手の出方を踏まえて戦略を立てることができる。
【0085】
本実施の形態によるゲーム装置1はスタンドアロンで動作するものであってもよいし、インタフェース13を用いてネットワークに接続され、他のゲーム装置1を利用する相手プレイヤとオンラインで対戦ができるものであってもよい。また、相手プレイヤは人であってもコンピュータであってもよい。
【0086】
上述の実施の形態では、持ち駒数表示エリア130内の各図柄エリア131〜133に各図柄の持ち駒数に相当する画像を表示したが、各図柄エリア131〜133に各図柄の持ち駒数の数値を表示してもよい。
【0087】
また、上述の実施の形態では、リバーシゲーム装置1で対戦するプレイヤを2人としたが、対戦するプレイヤを3人としてもよい。このように複数人でプレイ可能にすることによって、大勢で遊ぶという楽しさを提供することができる。
【0088】
さらに、3人のプレイヤで対戦する場合、各プレイヤが3種類の図柄の駒を使用するのではなく、各プレイヤが互いに異なる1種類の図柄の駒のみを使用してもよい。
【0089】
具体的には、プレイヤ1〜3のうち、プレイヤ1は図柄「グー」の駒、プレイヤ2は図柄「パー」の駒、プレイヤ3は図柄「チョキ」の駒を使用する。各々の図柄が各プレイヤに割り当てられるため、ここでは色や形状などの属性はなくてもよい。
【0090】
この場合、自分の駒が自分の図柄よりも弱い図柄の相手プレイヤの駒を挟んだとき、挟んだ相手プレイヤの駒の図柄を変更し、自分の駒とする。具体的には、プレイヤ1の駒「グー」が、プレイヤ2の駒「パー」に挟まれた場合、挟まれた駒の図柄が「グー」から「パー」に変更され、プレイヤ2の駒になる。プレイヤ2の駒「パー」が、プレイヤ3の駒「チョキ」に挟まれた場合、挟まれた駒の図柄が「チョキ」に変更され、プレイヤ3の駒になる。プレイヤ3の駒「チョキ」が、プレイヤ1の駒「グー」に挟まれた場合、挟まれた駒の図柄が「グー」に変更され、プレイヤ1の駒になる。
【0091】
要するにこの場合、3人のプレイヤが三竦みの関係となる。各プレイヤは、自分の駒の図柄より弱い図柄の駒のプレイヤを攻撃しながら、自分の駒の図柄より強い図柄の駒のプレイヤに対して防御しなくてはならない。すなわち、プレイヤ1(グー)はプレイヤ3(チョキ)の駒を挟むことで攻め、プレイヤ2(パー)はプレイヤ1(グー)の駒を挟むことで攻め、プレイヤ3(チョキ)はプレイヤ2(パー)の駒を挟むことで攻める。一方、プレイヤ1(グー)はプレイヤ2(パー)からの攻撃を防ぎ、プレイヤ2(パー)はプレイヤ3(チョキ)からの攻撃を防ぎ、プレイヤ3(チョキ)はプレイヤ2(パー)からの攻撃を防ぐように戦略を立てる必要もある。このように3人のプレイヤが互い違いに攻めたり守ったりするようなゲームを提供することで、面白いゲームを提供することができる。
以上、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の実施の形態によるリバーシゲーム装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図1中のディスプレイが表示する画面の一例である。
【図3】図1に示したリバーシゲーム装置の動作を示すフロー図である。
【図4】図3中のステップS1で利用される持ち駒データベースのデータ構造を示す図である。
【図5】図3中のステップS6で利用される盤上駒データベースのデータ構造を示す図である。
【図6】図3中のステップS7の動作を説明するための模式図である。
【図7】図3中のステップS7の動作を説明するための他の模式図である。
【図8】図3中のステップS7の動作の詳細を示すフロー図である。
【図9】図8中のステップS706で利用されるリバースリストのデータ構造を示す図である。
【図10】第2の実施の形態によるリバーシゲーム装置のリバース処理の詳細を示すフロー図である。
【図11】第3の実施の形態で利用される盤上駒データベースのデータ構造を示す図である。
【図12】第3の実施の形態で利用される図柄データベースのデータ構造を示す図である。
【図13】第3の実施の形態のリバース処理内の駒の属性及び図柄を変更する動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0093】
1 リバーシゲーム装置
12 入力装置
15 ディスプレイ
110 プレイヤエリア
120 スコアエリア
130 持ち駒数表示エリア
131 グー駒エリア
132 チョキ駒エリア
133 パー駒エリア
140 次手駒表示エリア
【技術分野】
【0001】
本発明は、リバーシゲーム装置及びそのプログラムに関し、さらに詳しくは、プレイヤごとに異なる属性を有し、かつ、各々が、三竦みの関係を有する3つの図柄のいずれかを有する複数の駒を用いるリバーシゲーム装置及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
リバーシゲームにじゃんけんの要素を取り入れたボードゲームが、下記特許文献1〜特許文献3に開示されている。
【0003】
これらの文献に開示されたリバーシゲームでは、プレイヤごとに色や形状といった属性が異なり、かつ、各々が三竦みの関係を有する3つの図柄(たとえば、グー、チョキ、パー)のいずれかを有する複数の駒が用いられる。そして、自分の駒で相手プレイヤの駒を挟み、かつ、挟んだ自分の駒の図柄が間に挟まれた相手プレイヤの駒の図柄よりも強い場合、相手プレイヤの駒の属性及び図柄を変更するとしている。
【0004】
しかしながら、これらのボードゲームは、自分の駒で相手プレイヤの駒のみを挟んだときに、挟まれた駒の属性を変更する点で、じゃんけん要素のない従来のリバーシゲームと同じであり、ゲームの興趣に欠ける。
【0005】
また、このような対戦型のゲームでは、各プレイヤは、相手プレイヤの動向や出方を考慮して戦略を立てる点に面白さを感じる。したがって、相手プレイヤの動向や出方を視覚的に把握でき、戦略を立てやすくする方が興趣がわく。
【特許文献1】特開平7−204315号公報
【特許文献2】実開昭63−133274号公報
【特許文献3】実開昭61−96969号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ゲームの興趣を高めるリバーシゲーム装置を提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、相手プレイヤの動向や出方を考慮して戦略を立てやすいリバーシゲーム装置を提供することである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0008】
本発明によるリバーシゲーム装置は、表示手段と、入力手段と、特定手段と、検索手段と、駒判断手段と、図柄判断手段と、リバース手段とを備える。表示手段は、プレイヤごとに異なる属性を有し、かつ、各々が、三竦みの関係を有する3つの図柄のいずれかを有する複数の駒と、行列状に配列された複数のマスで構成される盤とを画面上に表示する。入力手段は、各プレイヤの操作に応じて、複数のマスのいずれかに駒を配置する。特定手段は、入力手段により配置された駒の属性及び図柄と駒を配置されたマスとを特定する。検索手段は、特定されたマスと同じ直線上に配列されたマスのうち、特定された駒の属性及び図柄と同じ属性及び同じ図柄の駒が配置されたマスを検索する。駒判断手段は、特定されたマスと検索されたマスとの間に挟まれた全てのマスに駒が配置されているか否かを判断する。図柄判断手段は、判断の結果、挟まれた全てのマスに駒が配置されているとき、特定された駒の図柄が挟まれたマスに配置された全ての駒の図柄よりも強いか否かを判断する。リバース手段は、判断の結果、特定された駒の図柄が挟まれたマスに配置された全ての駒の図柄よりも強い場合、挟まれたマスに配置された駒の属性及び/又は図柄を変更する。ここで、属性とはたとえば、色であり、駒の形状である。また、ここでいう図柄は三竦みの関係を有していればよく、一般的なじゃんけんで利用される「グー」、「チョキ」、「パー」を模した図柄であってもよいし、へび、かえる、ナメクジ等の他の図柄であってもよい。
【0009】
本発明によるリバーシゲーム装置では、同じ図柄の自分の駒で他の駒を挟んだとき、挟んだ駒の図柄が挟まれた駒の図柄よりも強いか否かにより、挟まれた駒の属性及び/又は図柄を変更するか否かを判断する。つまり、挟まれた駒の属性は考慮されない。したがって、挟まれた駒の中に自分の駒が含まれていても、挟まれた駒の属性が変更される。
【0010】
このように、本発明によるリバーシゲーム装置では、自分の駒で挟んだ駒の中に、他の自分の駒が含まれていても、挟んだ駒の図柄が挟まれた全ての駒の図柄よりも強ければ、駒の属性及び/又は図柄を変更できるという、従来のリバーシゲームにはない処理が行われる。これにより、たとえば、自分の駒に挟まれた自分の駒が相手プレイヤの駒に変更されるという、通常のリバーシゲームにはない現象が生じ、ゲームの興趣を高めることができる。
【0011】
好ましくは、リバース手段は、挟まれたマスに配置された駒の属性が特定された駒の属性と異なる場合、当該駒の属性を特定された駒の属性に変更し、挟まれたマスに配置された駒の属性が特定された駒の属性と同じである場合、当該駒の属性を維持する。
【0012】
この場合、自分の駒に他の自分の駒が挟まれていても、当該他の自分の駒は相手プレイヤの駒に変更されず、相手プレイヤの駒のみ自分の駒に変更される。
【0013】
好ましくは、各駒には、各属性に対応した図柄が予め設定されており、リバース手段は、挟まれたマスに配置された駒の属性を変更し、かつ、当該駒の図柄を変更された属性に対応した図柄に変更する。
【0014】
この場合、各駒には、属性ごとの図柄が予め決まっている。そのため、属性が1度変更された駒を再度変更するとき、属性が元に戻るため、図柄も元に戻る。これにより、リバーシゲームに神経衰弱の要素を取り込むことができ、ゲームの興趣を高めることができる。
【0015】
好ましくはリバーシゲーム装置はさらに、プレイヤが次の手番で使用する駒の図柄を、3つの図柄の中から所定の順番で選択する次手駒選択手段を備える。
【0016】
これにより、各プレイヤの次手の駒の図柄は所定の順番で変更する。図柄の変更順が一定であるため、各プレイヤは自分の次手の駒の図柄及び相手プレイヤの次手の駒の図柄を予測した上で、戦略を立てることができる。
【0017】
好ましくはリバーシゲーム装置はさらに、プレイヤが次の手番で使用する駒の図柄を、3つの図柄の中からランダムに選択する次手駒選択手段を備える。
【0018】
この場合、各プレイヤの次手の駒の図柄は予測できない。したがって、ゲームに偶然性を含ませることができ、ゲームの興趣が高まる。
【0019】
好ましくはリバーシゲーム装置はさらに、次手駒選択手段と、手番切替手段とを備える。次手駒選択手段は、手番のプレイヤの操作により入力手段が駒を配置した後、当該プレイヤが次の手番で使用する駒の図柄を選択する。手番切替手段は、次手駒選択手段が駒の図柄を選択した後、手番のプレイヤを切り替える。表示手段は、手番切替手段が手番のプレイヤを切り替える前に、選択された駒の図柄を画面上に表示する。
【0020】
この場合、手番が切り替わる前に、プレイヤの次の手番で打つ駒の図柄が選択され、表示される。これにより、各プレイヤは、自分が駒を打つ前に、相手プレイヤが次に打つ駒の図柄を確認できる。そのため、各プレイヤは、相手プレイヤの出方を考慮して戦略を立てることができる。
【0021】
好ましくはリバーシゲーム装置はさらに、持ち駒数設定手段と、持ち駒数減算手段とを備える。持ち駒数設定手段は、ゲームを開始するとき、各図柄の持ち駒数をプレイヤごとに設定する。持ち駒数減算手段は、特定手段により配置された駒の属性及び図柄が特定されるごとに、設定された持ち駒数のうち、特定された駒と同じ属性及び同じ図柄の持ち駒数を減算する。表示手段は、各図柄の持ち駒数をプレイヤごとに表示し、持ち駒数が減算されるごとに、表示された持ち駒数を更新する。
【0022】
この場合、各プレイヤの持ち駒数が図柄ごとに決定され、ゲーム進行中において、各プレイヤの各図柄の持ち駒数が表示される。各プレイヤは、ゲーム進行中の相手プレイヤの各図柄の持ち駒数を確認できため、戦略を立てやすい。
【0023】
本発明によるリバーシゲームプログラムは、上述の手段をコンピュータに実現させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0025】
1.第1の実施の形態
[全体構成]
図1を参照して、リバーシゲーム装置1(以下、単にゲーム装置1という)は、CPU10と、メモリ11と、入力装置12と、インタフェース13と、ハードディスクドライブ14と、ディスプレイ15とを備える。
【0026】
ハードディスクドライブ14は、リバーシゲームを実行するためのリバーシゲームプログラムを記憶する。リバーシゲームプログラムをメモリ11にロードし、CPU10で実行することにより、リバーシゲーム装置1は以下に説明するリバーシゲームを実現する。
【0027】
図2にディスプレイ15に表示されるゲーム画面の一例を示す。図2を参照して、ゲーム画面は、リバーシゲームの盤100と、各プレイヤの持ち駒及び次手の駒に関する情報を示すプレイヤエリア110と、ゲーム中の盤100上の各プレイヤの駒数を示すスコアエリア120とを備える。
【0028】
盤100は、行方向及び列方向に配列された複数のマスで構成される。各行には、1〜9の符号が付され、各列にはA〜Hの符号が付される。これらの符号の組合せにより各マスの位置が特定される。たとえば、図中のマスM1の位置は「2B」であり、マスM2の位置は「3C」である。
【0029】
リバーシゲーム装置1で実施されるリバーシゲームでは、プレイヤごとに異なる属性(図2では形状)を有し、各々が三竦みの関係を有する図柄(グー、チョキ、パー)のいずれかを有する複数の駒を使用する。プレイヤ1に属する駒PCの形状は円形であり、円内にグー、チョキ、パーの図柄を有する。プレイヤ2に属する駒PSの形状は矩形であり、駒PCと同様にグー、チョキ、パーの図柄を有する。各プレイヤ1は入力装置12を用いて、各プレイヤに属する駒PC、PSを盤100内の所望のマスに打つ。
【0030】
リバーシゲーム装置1は、ゲーム開始時に、プレイヤごとの持ち駒数を設定する。各プレイヤが自分の持ち駒を全て使用したとき、ゲームは終了する。ゲーム終了時、盤100上に配置された駒のうち、同じ属性の駒をそれぞれカウントし、数の多い駒のプレイヤの勝ちとする。
【0031】
プレイヤエリア110は、持ち駒数表示エリア130と次手駒表示エリア140とを含む。持ち駒数表示エリア130は、各プレイヤの持ち駒数を各図柄(グー、チョキ、パー)ごとに表示する。持ち駒数表示エリア130は、各プレイヤの持ち駒のうち、図柄が「グー」である駒(以下、グー駒という)の持ち駒数を表示するグー駒エリア131と、図柄が「チョキ」である駒(以下、チョキ駒という)の持ち駒数を表示するチョキ駒エリア132と、図柄が「パー」である駒(以下、パー駒という)の持ち駒数を表示するパー駒エリア133とを含む。各エリア131〜133は、各図柄をあしらった画像を持ち駒数分表示する。たとえば、プレイヤ1のグー駒の持ち駒数が「8」である場合、プレイヤ1のグー駒エリア131には8つのグー画像が表示される。これにより、各プレイヤは、自身の各図柄の持ち駒数と相手プレイヤの各図柄の持ち駒数とを視覚的に一見して把握でき、自身及び相手の各図柄の持ち駒数を踏まえた上で、戦略を立てることができる。
【0032】
ゲーム中、ゲーム装置1は、各プレイヤが次の手番で使用する駒(以下、次手駒という)を、各プレイヤの持ち駒からランダムに選択する。選択された次手駒の図柄は次手駒表示エリア140に表示される。たとえば、プレイヤ1の次手駒は「パー」である。相手プレイヤの次手駒は、手番のプレイヤが駒を打つ前に次手駒表示エリア140に表示される。つまり、手番のプレイヤは、自分が駒を打つ前に、相手プレイヤが次に打つ駒の図柄を事前に確認できる。そのため、プレイヤは、相手プレイヤの出方を考慮して戦略を立てることができる。
【0033】
以上の構成を有するゲーム装置1の動作について説明する。
【0034】
[動作]
[全体フロー]
図3を参照して、ゲーム装置1はゲームを開始する前に、各プレイヤ1及び2の持ち駒数を設定する(S1)。たとえば、図2に示すように盤100上のマスの数が9行×8列=72である場合、各プレイヤの持ち駒数を36とし、グー駒を12、チョキ駒を12、パー駒を12とする。ゲーム装置1は、設定した持ち駒数を、図4に示す持ち駒データベース200に登録する。持ち駒データベース200内の属性フィールドには、駒の属性情報、つまり、プレイヤ1の持ち駒(円形)であるか、プレイヤ2の持ち駒(矩形)であるかが登録される。「グー」、「チョキ」、「パー」フィールドには、グー駒、チョキ駒、パー駒の持ち駒数がそれぞれ登録される。持ち駒データベース200はメモリ11に格納される。
【0035】
各プレイヤの持ち駒数を設定後、ゲーム装置1は、各プレイヤが最初に打つ駒の図柄を選択する(S2)。ゲーム装置1は、乱数表を利用して各プレイヤの持ち駒の中から最初に打つ駒をランダムに選択する。ゲーム装置1は、選択された図柄をメモリ11に格納する。
【0036】
持ち駒数及び最初に打つ駒の図柄を決定したのち、ゲーム装置1は、ディスプレイ15の画面内のプレイヤエリア110に持ち駒数及び次手駒を表示する。具体的には、持ち駒数表示エリア130内の各駒エリア131〜133に持ち駒数分の図柄画像を表示する。たとえば、グー駒エリア131に12個のグーの画像、チョキ駒エリア132に12個のチョキの画像、パー駒エリア133に12個のパーの画像をそれぞれ表示する。また、次手駒表示エリア140には、ステップS2で選択されメモリ11に格納された図柄を表示する(S3)。
【0037】
以上の動作を終了後、ゲーム装置1は、プレイヤ1、プレイヤ2の中から、先手となるプレイヤを指定する(S4)。ゲーム装置1がプレイヤ1を先手に指定したとき、ゲーム装置1はプレイヤ1のプレイヤエリア110のタイトルバー111の色を変更する。これにより、現在の手番のプレイヤを一見して把握できる。
【0038】
先手プレイヤを指定後、ゲーム装置1は、先手プレイヤ(プレイヤ1)が駒を打つマスを指定したか否かを監視する(S5)。
【0039】
プレイヤ1は入力装置12を用いて、次手駒表示エリア140に表示された図柄の駒を打つマスを指定する。このとき、ゲーム装置1は、駒が打たれたマスを検知し(S5でYES)、駒及び駒が打たれたマスを特定する(S6)。ゲーム装置1は、特定された駒及びマス関する情報を図5に示す盤上駒データベース300に登録する。
【0040】
図5を参照して、盤上駒データベース300内のマス情報フィールドには、盤100上の各マスの位置に関する情報であるマス情報が登録される。上述のように盤100上に9行×8列=72のマスがある場合、72個のマス情報が登録される。
【0041】
属性情報フィールドには、各マス位置での駒の有無及び駒が存在する場合はその駒の属性(円形であってプレイヤ1に属するか、矩形であってプレイヤ2に属するか)を示す属性情報が登録される。マス位置に駒がない場合、「0」が登録される。マス位置に円形の駒PC、つまり、プレイヤ1の駒が存在する場合、「1」が登録される。マス位置に矩形の駒PS、つまり、プレイヤ2の駒が存在する場合、「2」が登録される。
【0042】
図柄情報フィールドには、駒の図柄の種類(グー、チョキ、パー)が登録される。駒の図柄が「グー」である場合、「0」が登録され、「チョキ」である場合、「1」が登録され、「パー」である場合、「2」が登録される。
【0043】
ステップS6で盤上駒データベース300に各情報を登録後、ゲーム装置1はリバース処理を実行する(S7)。リバース処理では、図6に示すように、たとえば、ステップS5で打たれた駒PC1と、同じ属性及び同じ図柄の駒PC3が同一直線上に存在する場合であって、それらの駒PC1及びPC3の間に挟まれた全てのマス5D〜5Fに駒が存在する場合、間に挟まれた駒の属性及び図柄を変更するか否かを判断し、判断結果に応じて駒の属性及び図柄を変更する。リバース処理の詳細については後述する。
【0044】
リバース処理を実行後、盤100上の各プレイヤ(プレイヤ1、プレイヤ2)に属する駒の数をそれぞれカウントする(S8)。ゲーム装置1は、盤上駒データベース300内の属性情報を参照し、「1(プレイヤ1)」の数と、「2(プレイヤ2)」の数とをそれぞれカウントする。各駒情報のカウント数はメモリ11に格納される。
【0045】
ゲーム装置1は、ディスプレイ15の画面上のスコアエリア120にメモリ11に格納されたカウント数を表示する(S9)。これにより、各プレイヤはゲーム中の自分及び相手の駒数を確認でき、戦略を立てる上で参考にすることができる。
【0046】
カウント数を表示後、ゲーム装置1は、プレイヤエリア110を更新する(S10)。ゲーム装置1はまず、持ち駒データベース200を参照して、ステップS6で特定された駒の属性情報及び図柄情報を取得する。ゲーム装置1は、取得した属性情報及び図柄情報に基づいて、持ち駒データベース200内の持ち駒数のうち、ステップS6で特定された駒と同じ属性及び同じ図柄の持ち駒数をデクリメントする(S11)。たとえば、ステップS6で特定された駒の形状が円形であり、図柄が「パー」である場合、持ち駒データベース200内のプレイヤ1の「パー」駒の持ち駒数を1つデクリメントする。
【0047】
続いて、ゲーム装置1は、手番のプレイヤ(たとえばプレイヤ1)が持ち駒を全て使用したか否かを判断する(S12)。ゲーム装置1は、プレイヤ1の持ち駒データベース200内の各図柄(グー、チョキ、パー)の持ち駒数の合計が「0」であるか否かを判断する。
【0048】
合計が「0」でない場合、ゲーム装置1はプレイヤ1の次手の駒の図柄を選択する(S13)。ゲーム装置1は乱数表を用いて次手駒の図柄をランダムに選択する。選択された図柄はメモリ11に格納される。
【0049】
次手駒を選択後、ゲーム装置1は、プレイヤ1のプレイヤエリア110を更新する(S14)。ゲーム装置1は、持ち駒データベース200内の各図柄(グー、チョキ、パー)の持ち駒数と同じ数の図柄画像を各図柄エリア131〜133に表示する。図柄ごとの持ち駒数を表示するため、プレイヤは自分の各図柄の持ち駒数を一見して把握できる。さらに、相手のプレイヤの各図柄の持ち駒数も一見して把握できるため、自身及び相手の各図柄の持ち駒数を考慮してゲーム戦略を立てることができる。
【0050】
ゲーム装置1はまた、次手駒表示エリア140にステップS13で選択された図柄画像(たとえば「グー」の図柄画像)を表示する。プレイヤエリアを更新後、ゲーム装置1は、手番のプレイヤをプレイヤ1からプレイヤ2に切り替える(S17)。つまり、ゲーム装置1は、手番を切り替える前に、駒を打ったプレイヤのプレイヤエリア110を更新し、次手駒の図柄を表示する。これにより、手番プレイヤは、自分が駒を打つ前に、相手プレイヤが次に打つ駒の図柄を確認できる。そのため、手番プレイヤは、相手の次の出方を考慮してゲーム戦略を立てることができる。
【0051】
手番プレイヤを切り替えた後、ゲーム装置1はステップS5に戻り、動作を継続する。動作を継続中、手番プレイヤの持ち駒が0となり(S12でYES)、かつ、相手プレイヤの持ち駒数も0である場合(S15でYES)、各プレイヤは全ての持ち駒を盤100上に配置したため、ゲームを終了する。このとき、ゲーム装置1は、盤上駒データベース300内の属性情報を参照し、各プレイヤに属する駒の数をカウントする。カウント結果に基づいて勝敗を決定し、ディスプレイ15に表示する(S18)。
【0052】
[リバース処理]
図3中のステップS7におけるリバース処理について説明する。図7を参照して、リバース処理では、手番プレイヤ(仮にプレイヤ1とする)の駒PCが打たれたマスを含む直線上に配列された複数のマスのいずれかに、打たれた駒PCと同じ属性及び同じ図柄の駒が配置されているか否かを判断する。駒PCが打たれたマスを含む直線方向は8方向(第0方向〜第7方向)存在するため、ゲーム装置1は、各方向の直線上に配列されたマスを調査する。いずれかの方向の直線上で同じ属性及び同じ図柄の駒が配置されている場合、それらの駒の間に挟まれた駒の属性及び図柄を変更するか否かを判断する。
【0053】
リバース処理の一例として、盤100上の駒の配置が図6の通りであり、手番プレイヤであるプレイヤ1がマス5Cに駒PC1を打ったときのリバース処理を説明する。図8を参照して、ゲーム装置1はまず、ステップS6で特定された駒PC1を処理対象とする(S701)。カウント値N=0とした後(S702)、ゲーム装置1は、特定された駒が置かれたマス5Cを含む第N方向(ここでは第0方向)の直線上に配列されたマスのうち、駒PC1と同じ属性及び同じ図柄の駒が配置されたマスを検索する(S703)。ゲーム装置1はまず、ステップS6で特定されたマス5Cに基づいて、マス位置5Cの第0方向に直線上に配列されたマス1C〜4Cを特定する。特定後、ゲーム装置1は、盤上駒データベース300内のマス1C〜4Cの属性情報及び図柄情報に基づいて、駒PC1と同じ駒情報及び図柄情報が登録されたマスを検索する。
【0054】
ステップS703の判断の結果、マス1C〜4Cには駒PC1と同じ属性情報及び同じ図柄情報が登録されていないため、ステップS710に進み、カウント値NをインクリメントしてN=1とする(S710)。そして、Nが7よりも小さいため(S711でNO)、ステップS703に戻り、第1方向の直線上に配列されたマスのうち、駒PC1と同じ属性及び同じ図柄の駒が配置されたマスを検索する。
【0055】
図6に示すように、第1方向においてPC1と同じ属性及び同じ種類の駒PC2が配置されたマス2Fを検索したとき(S703でYES)、ステップ6Sで特定されたマス5Cと、検索されたマス2Fとの間に挟まれたマス3E、4Dの全てに駒が配置されているか否かを判断する(S704)。ゲーム装置1は、盤上駒データベース300内のマス3E、4Dの属性情報を確認する。確認の結果、マス3Eには属性情報「2」が登録されているものの、マス位置4Dには属性情報「0」が登録されているため、ゲーム装置1は、マス4Dに駒が配置されていないと判断する(S704でNO)。その結果、ステップS710に進み、次の直線方向である第2方向でステップS703の動作を実行する。
【0056】
第2方向に配列されたマス5D〜5Hにおいて、駒PC1と同じ属性及び同じ図柄の駒PC3が配置されたマス5Gを検索したとき(S703でYES)、マス5Cとマス5Gとの間に挟まれた全てのマス(5D〜5F)に駒が配置されているか否かを判断する(S704)。盤上駒データベース300内のマス位置5D〜5Fには駒情報「1」又は「2」が登録されているため、ゲーム装置1は全てのマス5D〜5Fに駒が配置されていると判断する(S704でYES)。このとき、ゲーム装置1は、駒PC1の図柄「パー」が、間に挟まれた駒の図柄よりも強いか否かを判断する(S705)。ゲーム装置1は盤上駒データベース300内のマス5Cの図柄情報「2(パー)」と、マス5D〜5Fの図柄情報「0(グー)」とを取得し、両者を比較する。ゲーム装置1は、駒PC1の図柄「パー」がマス5D〜5Fの駒の図柄「グー」よりも強いと判断する(S705でYES)。
【0057】
ステップS705の判断では、属性情報は考慮されない。つまり、駒PC1と駒PC3との間に挟まれた駒が相手プレイヤの駒であるか自身の駒であるかは考慮されない。そのため、後述するように、間に挟まれた駒が自身の駒であっても、駒の属性は変更される。
【0058】
続いて、ゲーム装置1は、駒PC1と駒PC3との間に挟まれた駒の属性及び図柄を変更する(S720)。ゲーム装置1はまず、特定されたマス5Cと検索されたマス5Gとの間に挟まれたマス5D〜5Fのマス情報を図9に示すリバースリスト400に登録する(S706)。リバースリスト400は、リバース番号を登録するためのフィールドと、マス情報を登録するためフィールドとを含む。ゲーム装置1は、リバースリストに登録された各マス5D〜5Fの駒の属性及び図柄を変更する。
【0059】
ゲーム装置1は、カウント値M=0とし(S707)、リバース番号M(=0)の駒の属性及び図柄を変更する(S730)。ゲーム装置1は、リバースリスト400及び盤上駒データベース300を参照し、リバース番号M=0のマス5Dの属性情報「2」を「1」に変更する(S731)。
【0060】
ゲーム装置1はまた、リバース番号M=0のマスに配置された駒の図柄を、リバース処理対象である駒PC1の図柄と同じにする(S732)。このとき、ゲーム装置1は、盤上駒データベース300内のマス5Dの図柄を「0(グー)」から「2(パー)」に変更する。
【0061】
リバース番号M=0の駒の属性及び柄を変更後、ゲーム装置1はカウント値MをインクリメントしてM=1とする(S708)。カウント値M=1がリバースリスト400に登録されたマスの登録数(=3)以下であるため(S709でNO)、ステップS730に戻ってリバース番号M=1のマス5Eの駒の属性及び図柄を変更する(S730)。マス5Eの属性情報は「1」であるため、「2」に変更され(S731)、図柄情報「0」は「2」に変更される(S732)。つまり、マス5Eの駒は自身の駒であったにもかかわらず、相手プレイヤの駒となる。このように、駒PC1と駒PC3との間に挟まれた駒のうち、相手プレイヤの駒は自分の駒に変更されるとともに、自分の駒は相手の駒に変更される。挟まれた駒が自分の駒であっても相手の駒に変更されるため、この点も考慮してプレイヤは戦略を立てなければならず、ゲームの興趣が上がる。
【0062】
動作を継続した結果、ステップS709でカウント値M=3となり、リバースリストの登録数以上となったとき(S709でYES)、ゲーム装置1は、リバースリストに登録された全ての駒に対してS730の処理を実行し、駒PC1と駒PC3との間に挟まれた全ての駒の属性及び図柄を変更したことになる。そのため、カウント値Nをインクリメントして(S710)、次の直線方向(第3方向)についてステップS703以降の動作を進める。
【0063】
以上の動作を繰り返した結果、ステップS711でカウント値Nが7を超えたとき(S711でYES)、ゲーム装置1は、全ての方向(第0〜第7方向)の直線上に配列された全てのマスについて処理を実行したため、ステップS730の処理により更新された盤上駒データベース300に基づいて、画面上の駒の形状及び図柄を更新する(S712)。
【0064】
以上の動作により、ゲーム装置1は、同じ属性及び同じ図柄の駒の間に挟まれた駒のうち、相手プレイヤの駒を手番のプレイヤの駒に変更するだけでなく、手番プレイヤの駒も相手プレイヤの駒に変更する。そのため、プレイヤは、自分の駒により自分の駒が相手プレイヤの駒に変更されることを考慮してゲームの戦略を立てる必要があり、ゲームの興趣が高まる。
【0065】
また、ゲーム装置1は、プレイヤエリア110に各プレイヤの持ち駒数を各図柄(グー、チョキ、パー)ごとに表示する。そのため、各プレイヤは、自分の持ち駒数と相手プレイヤの持ち駒数を一見して把握できる。これにより、各プレイヤは、自分と相手の各図柄の持ち駒数を考慮して戦略を立てることができる。
【0066】
さらに、ゲーム装置1は、手番のプレイヤを切り替える前に、当該プレイヤが次の手番で打つ駒の図柄を次手駒表示エリア140に表示する。これにより、各プレイヤは、自分が駒を打つ前に、相手プレイヤが次に打つ駒の図柄を確認できる。そのため、各プレイヤは、相手プレイヤの次の出方を考慮して戦略を立てることができる。
【0067】
2.第2の実施の形態
第1の実施の形態では、ゲーム装置1は、相手プレイヤの駒を手番のプレイヤの駒に変更するだけでなく、手番のプレイヤの駒も相手プレイヤの駒に変更したが、相手プレイヤの駒のみを手番プレイヤの駒に変更することもできる。
【0068】
図10を参照して、本実施の形態によるゲーム装置のリバース処理は、図8と比較して、ステップS730の処理の代わりにステップS740の処理を実行する。その他の動作は第1の実施の形態と同じである。
【0069】
S740の処理では、ゲーム装置1は、リバースリスト400に登録されたリバース番号Mのマスの属性情報が、ステップS701で処理対象となった駒(PC1とする)が配置されたマスの属性情報と同じか否かを判断する(S741)。属性情報が異なる場合(S741でNO)、属性情報を変更する(S742)。たとえば、駒PC1の属性情報が「1」であり、リバース番号Mのマスに配置された駒の属性情報が「2」である場合、当該属性情報を「1」に変更する。変更後、リバース番号Mの図柄情報を駒PC1の図柄情報に変更する(S732)。
【0070】
一方、ステップS741での判断の結果、リバース番号Mのマスの属性情報が処理対象の駒PC1の属性情報と同じである場合(S741でYES)、リバース番号Mのマスに配置された駒の属性を変更しない。要するに、手番のプレイヤの駒は相手プレイヤの駒に変更されない。したがって、図柄情報のみを駒PC1の図柄情報に変更する(S732)。
【0071】
以上の動作により、手番プレイヤが打った駒と同じ属性及び図柄の駒との間に挟まれた駒の中に、手番プレイヤの駒が存在しても、その駒は相手プレイヤの駒に変更されず、間に挟まれた相手プレイヤの駒のみが手番プレイヤの駒に変更される。
【0072】
3.第3の実施の形態
上述の実施の形態では、ゲーム装置1は、リバース処理が実施されるごとに、リバースリストに登録されたマスに配置された駒の図柄を処理対象である駒の図柄に変更する。この場合、1つの駒の属性が複数回変更されるごとに図柄が変更される。これらの実施の形態と異なり、リバーシゲームに神経衰弱の要素を入れてもよい。
【0073】
本実施の形態によるゲーム装置1は、図5に示す盤上駒データベース300の代わりに図11に示す盤上駒データベース500をメモリ11に格納する。
【0074】
図11の盤上駒データベース500には、マス情報フィールド及び属性情報フィールドの他に、プレイヤ1図柄情報フィールド及びプレイヤ2図柄情報フィールドを含む。盤100のマスに駒が配置されると、配置されたときの駒の図柄情報だけでなく、相手プレイヤの駒に変更されたときの図柄情報も盤上駒データベース500に登録される。要するに、本実施の形態では、各駒には、各属性(プレイヤ1、プレイヤ2)に対応した図柄がそれぞれ予め設定される。駒の図柄に関する情報は図12に示す図柄データベース600に予め登録されている。図柄データベース600はハードディスクドライブ14に格納されている。
【0075】
本実施の形態によるゲーム装置1の動作について説明する。図3中のステップS5で、ゲーム装置1は図11に示す盤上駒データベース500に属性情報とプレイヤ1図柄情報及びプレイヤ2図柄情報を登録する。たとえば、手番プレイヤがプレイヤ1であり、マス5Cに図柄「パー」の駒PC1を打ったとき、ゲーム装置1は、盤上駒データベース500のマス5Cに、駒情報「1」とプレイヤ1図柄情報「2(パー)」とを登録する。ゲーム装置1はさらに、図柄データベース600を参照し、駒情報が「1」であり、プレイヤ1図柄情報が「2」である場合のプレイヤ2図柄情報「1(チョキ)」を取得し、盤上駒データベース500のマス5Cのプレイヤ2図柄情報フィールドに登録する。次に、本実施の形態におけるリバース処理について説明する。
【0076】
本実施の形態におけるリバース処理は、図8中のステップS730の処理の代わりに図13のステップS760の処理を実行する。その他の動作は図8と同じである。
【0077】
ステップS760ではまず、リバース番号Mのマスの属性情報が「1」か否かを判断する(S761)。属性情報が「1」である場合(S761でYES)、ゲーム装置1は、盤上駒データベース500を参照して、リバース番号Mのマスの属性情報を「2」に変更する(S762)。一方、ステップS761の判断の結果、属性情報が「2」である場合(S761でNO)、ゲーム装置1は、盤上駒データベース500内の属性情報を「1」に変更する(S763)。
【0078】
ゲーム装置1は、ステップS712の画面更新処理において、画面上の駒の図柄を、ステップS760で更新された属性情報に対応する図柄に変更する。つまり、盤上駒データベース500内の各マスにおいて、属性情報が「1」である駒の図柄をプレイヤ1図柄情報の図柄に更新し、属性情報が「2」である駒の図柄をプレイヤ2図柄情報の図柄に更新する。
【0079】
本実施の形態では、駒の属性(プレイヤ1及びプレイヤ2)に対応する図柄が予め設定されている。そのため、一度変更された駒の属性が再度変更されるとき、元の図柄に戻る。したがって、リバーシゲームに神経衰弱の要素を取り込むことができ、ゲームの興趣が高まる。
【0080】
4.第4の実施の形態
第1の実施の形態では、手番のプレイヤの持ち駒の中から次手駒をランダムに選択したが、3つの図柄(グー、チョキ、パー)を所定の順番で選択してもよい。たとえば、図3中のステップS13において、ゲーム装置1は、グー、チョキ、パーの順番で巡回しながら次手駒の図柄を選択する。選択の順番は予め設定しておけばよく、パー、チョキ、グーの順番で巡回しながら選択してもよいし、他の順番で選択してもよい。
【0081】
本実施の形態では、次手駒の図柄の選択順が固定されているため、各プレイヤは、自分の次手駒及び相手プレイヤの次手駒を容易に把握できる。そのため、相手の出方を踏まえた上で戦略を立てることができる。
【0082】
以上、本発明の複数の実施の形態を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限られない。たとえば、上述の実施の形態では、駒の属性を形状として、各プレイヤで異なる形状の駒(円形、矩形)を使用したが、駒の属性を色として、各プレイヤで異なる色の駒を使用してもよい。要するに、各駒がどちらのプレイヤに属しているのか視覚的に認識できればよい。
【0083】
また、上述の実施の形態では、図3中のステップS1で設定される各図柄の持ち駒数を各プレイヤで均等としたが、各図柄を均等に設定する必要はなく、各図柄の持ち駒数が異なっていてもよい。
【0084】
また、図3中のステップS4及びステップS13では、ゲーム装置1が駒の図柄をランダムに、又は所定の順番で巡回的に選択したが、各プレイヤが選択してもよい。各プレイヤが選択する場合であっても、手番のプレイヤが切り替わる前に、プレイヤは次手駒の図柄を選択する。そのため、手番のプレイヤは自分の駒を打つ前に相手プレイヤの次手駒の図柄を確認でき、相手の出方を踏まえて戦略を立てることができる。
【0085】
本実施の形態によるゲーム装置1はスタンドアロンで動作するものであってもよいし、インタフェース13を用いてネットワークに接続され、他のゲーム装置1を利用する相手プレイヤとオンラインで対戦ができるものであってもよい。また、相手プレイヤは人であってもコンピュータであってもよい。
【0086】
上述の実施の形態では、持ち駒数表示エリア130内の各図柄エリア131〜133に各図柄の持ち駒数に相当する画像を表示したが、各図柄エリア131〜133に各図柄の持ち駒数の数値を表示してもよい。
【0087】
また、上述の実施の形態では、リバーシゲーム装置1で対戦するプレイヤを2人としたが、対戦するプレイヤを3人としてもよい。このように複数人でプレイ可能にすることによって、大勢で遊ぶという楽しさを提供することができる。
【0088】
さらに、3人のプレイヤで対戦する場合、各プレイヤが3種類の図柄の駒を使用するのではなく、各プレイヤが互いに異なる1種類の図柄の駒のみを使用してもよい。
【0089】
具体的には、プレイヤ1〜3のうち、プレイヤ1は図柄「グー」の駒、プレイヤ2は図柄「パー」の駒、プレイヤ3は図柄「チョキ」の駒を使用する。各々の図柄が各プレイヤに割り当てられるため、ここでは色や形状などの属性はなくてもよい。
【0090】
この場合、自分の駒が自分の図柄よりも弱い図柄の相手プレイヤの駒を挟んだとき、挟んだ相手プレイヤの駒の図柄を変更し、自分の駒とする。具体的には、プレイヤ1の駒「グー」が、プレイヤ2の駒「パー」に挟まれた場合、挟まれた駒の図柄が「グー」から「パー」に変更され、プレイヤ2の駒になる。プレイヤ2の駒「パー」が、プレイヤ3の駒「チョキ」に挟まれた場合、挟まれた駒の図柄が「チョキ」に変更され、プレイヤ3の駒になる。プレイヤ3の駒「チョキ」が、プレイヤ1の駒「グー」に挟まれた場合、挟まれた駒の図柄が「グー」に変更され、プレイヤ1の駒になる。
【0091】
要するにこの場合、3人のプレイヤが三竦みの関係となる。各プレイヤは、自分の駒の図柄より弱い図柄の駒のプレイヤを攻撃しながら、自分の駒の図柄より強い図柄の駒のプレイヤに対して防御しなくてはならない。すなわち、プレイヤ1(グー)はプレイヤ3(チョキ)の駒を挟むことで攻め、プレイヤ2(パー)はプレイヤ1(グー)の駒を挟むことで攻め、プレイヤ3(チョキ)はプレイヤ2(パー)の駒を挟むことで攻める。一方、プレイヤ1(グー)はプレイヤ2(パー)からの攻撃を防ぎ、プレイヤ2(パー)はプレイヤ3(チョキ)からの攻撃を防ぎ、プレイヤ3(チョキ)はプレイヤ2(パー)からの攻撃を防ぐように戦略を立てる必要もある。このように3人のプレイヤが互い違いに攻めたり守ったりするようなゲームを提供することで、面白いゲームを提供することができる。
以上、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の実施の形態によるリバーシゲーム装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図1中のディスプレイが表示する画面の一例である。
【図3】図1に示したリバーシゲーム装置の動作を示すフロー図である。
【図4】図3中のステップS1で利用される持ち駒データベースのデータ構造を示す図である。
【図5】図3中のステップS6で利用される盤上駒データベースのデータ構造を示す図である。
【図6】図3中のステップS7の動作を説明するための模式図である。
【図7】図3中のステップS7の動作を説明するための他の模式図である。
【図8】図3中のステップS7の動作の詳細を示すフロー図である。
【図9】図8中のステップS706で利用されるリバースリストのデータ構造を示す図である。
【図10】第2の実施の形態によるリバーシゲーム装置のリバース処理の詳細を示すフロー図である。
【図11】第3の実施の形態で利用される盤上駒データベースのデータ構造を示す図である。
【図12】第3の実施の形態で利用される図柄データベースのデータ構造を示す図である。
【図13】第3の実施の形態のリバース処理内の駒の属性及び図柄を変更する動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0093】
1 リバーシゲーム装置
12 入力装置
15 ディスプレイ
110 プレイヤエリア
120 スコアエリア
130 持ち駒数表示エリア
131 グー駒エリア
132 チョキ駒エリア
133 パー駒エリア
140 次手駒表示エリア
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤごとに異なる属性を有し、かつ、各々が、三竦みの関係を有する3つの図柄のいずれかを有する複数の駒と、行列状に配列された複数のマスで構成される盤とを画面上に表示する表示手段と、
各プレイヤの操作に応じて、前記複数のマスのいずれかに前記駒を配置するための入力手段と、
前記入力手段により配置された駒の属性及び図柄と前記駒を配置されたマスとを特定する特定手段と、
前記特定されたマスと同じ直線上に配列されたマスのうち、前記特定された駒の属性及び図柄と同じ属性及び同じ図柄の駒が配置されたマスを検索する検索手段と、
前記特定されたマスと前記検索されたマスとの間に挟まれた全てのマスに駒が配置されているか否かを判断する駒判断手段と、
前記判断の結果、前記挟まれた全てのマスに駒が配置されているとき、前記特定された駒の図柄が前記挟まれたマスに配置された全ての駒の図柄よりも強いか否かを判断する図柄判断手段と、
前記判断の結果、前記特定された駒の図柄が前記挟まれたマスに配置された全ての駒の図柄よりも強い場合、前記挟まれたマスに配置された駒の属性及び/又は図柄を変更するリバース手段とを備えることを特徴とするリバーシゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のリバーシゲーム装置であって、
前記リバース手段は、
前記挟まれたマスに配置された駒の属性が前記特定された駒の属性と異なる場合、当該駒の属性を前記特定された駒の属性に変更し、前記挟まれたマスに配置された駒の属性が前記特定された駒の属性と同じである場合、当該駒の属性を維持することを特徴とするリバーシゲーム装置。
【請求項3】
請求項1に記載のリバーシゲーム装置であってさらに、
前記各駒には、各属性に対応した図柄が予め設定されており、
前記リバース手段は、前記挟まれたマスに配置された駒の属性を変更し、かつ、当該駒の図柄を前記変更された属性に対応した図柄に変更することを特徴とするリバーシゲーム装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のリバーシゲーム装置であってさらに、
前記プレイヤが次の手番で使用する駒の図柄を、前記3つの図柄の中から所定の順番で選択する次手駒選択手段を備えることを特徴とするリバーシゲーム装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のリバーシゲーム装置であってさらに、
前記プレイヤが次の手番で使用する駒の図柄を、前記3つの図柄の中からランダムに選択する次手駒選択手段を備えることを特徴とするリバーシゲーム装置。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のリバーシゲーム装置であってさらに、
手番のプレイヤの操作により入力手段が駒を配置した後、当該プレイヤが次の手番で使用する駒の図柄を選択する次手駒選択手段と、
前記次手駒選択手段が駒の図柄を選択した後、手番のプレイヤを切り替える手番切替手段とを備え、
前記表示手段は、前記手番切替手段が手番のプレイヤを切り替える前に、前記選択された駒の図柄を画面上に表示することを特徴とするリバーシゲーム装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のリバーシゲーム装置であってさらに、
ゲームを開始するとき、各図柄の持ち駒数をプレイヤごとに設定する持ち駒数設定手段と、
前記特定手段により前記配置された駒の属性及び図柄が特定されるごとに、前記設定された持ち駒数のうち、前記特定された駒と同じ属性及び同じ図柄の持ち駒数を減算する持ち駒数減算手段とを備え、
前記表示手段は、前記各図柄の持ち駒数をプレイヤごとに表示し、前記持ち駒数が減算されるごとに、前記表示された持ち駒数を更新することを特徴とするリバーシゲーム装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の手段をコンピュータに実現させるためのリバーシゲームプログラム。
【請求項1】
プレイヤごとに異なる属性を有し、かつ、各々が、三竦みの関係を有する3つの図柄のいずれかを有する複数の駒と、行列状に配列された複数のマスで構成される盤とを画面上に表示する表示手段と、
各プレイヤの操作に応じて、前記複数のマスのいずれかに前記駒を配置するための入力手段と、
前記入力手段により配置された駒の属性及び図柄と前記駒を配置されたマスとを特定する特定手段と、
前記特定されたマスと同じ直線上に配列されたマスのうち、前記特定された駒の属性及び図柄と同じ属性及び同じ図柄の駒が配置されたマスを検索する検索手段と、
前記特定されたマスと前記検索されたマスとの間に挟まれた全てのマスに駒が配置されているか否かを判断する駒判断手段と、
前記判断の結果、前記挟まれた全てのマスに駒が配置されているとき、前記特定された駒の図柄が前記挟まれたマスに配置された全ての駒の図柄よりも強いか否かを判断する図柄判断手段と、
前記判断の結果、前記特定された駒の図柄が前記挟まれたマスに配置された全ての駒の図柄よりも強い場合、前記挟まれたマスに配置された駒の属性及び/又は図柄を変更するリバース手段とを備えることを特徴とするリバーシゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のリバーシゲーム装置であって、
前記リバース手段は、
前記挟まれたマスに配置された駒の属性が前記特定された駒の属性と異なる場合、当該駒の属性を前記特定された駒の属性に変更し、前記挟まれたマスに配置された駒の属性が前記特定された駒の属性と同じである場合、当該駒の属性を維持することを特徴とするリバーシゲーム装置。
【請求項3】
請求項1に記載のリバーシゲーム装置であってさらに、
前記各駒には、各属性に対応した図柄が予め設定されており、
前記リバース手段は、前記挟まれたマスに配置された駒の属性を変更し、かつ、当該駒の図柄を前記変更された属性に対応した図柄に変更することを特徴とするリバーシゲーム装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のリバーシゲーム装置であってさらに、
前記プレイヤが次の手番で使用する駒の図柄を、前記3つの図柄の中から所定の順番で選択する次手駒選択手段を備えることを特徴とするリバーシゲーム装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のリバーシゲーム装置であってさらに、
前記プレイヤが次の手番で使用する駒の図柄を、前記3つの図柄の中からランダムに選択する次手駒選択手段を備えることを特徴とするリバーシゲーム装置。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のリバーシゲーム装置であってさらに、
手番のプレイヤの操作により入力手段が駒を配置した後、当該プレイヤが次の手番で使用する駒の図柄を選択する次手駒選択手段と、
前記次手駒選択手段が駒の図柄を選択した後、手番のプレイヤを切り替える手番切替手段とを備え、
前記表示手段は、前記手番切替手段が手番のプレイヤを切り替える前に、前記選択された駒の図柄を画面上に表示することを特徴とするリバーシゲーム装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のリバーシゲーム装置であってさらに、
ゲームを開始するとき、各図柄の持ち駒数をプレイヤごとに設定する持ち駒数設定手段と、
前記特定手段により前記配置された駒の属性及び図柄が特定されるごとに、前記設定された持ち駒数のうち、前記特定された駒と同じ属性及び同じ図柄の持ち駒数を減算する持ち駒数減算手段とを備え、
前記表示手段は、前記各図柄の持ち駒数をプレイヤごとに表示し、前記持ち駒数が減算されるごとに、前記表示された持ち駒数を更新することを特徴とするリバーシゲーム装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の手段をコンピュータに実現させるためのリバーシゲームプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−229361(P2007−229361A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−57511(P2006−57511)
【出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【出願人】(591237685)株式会社メイクソフトウェア (137)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【出願人】(591237685)株式会社メイクソフトウェア (137)
【Fターム(参考)】
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